JP2008036709A - 熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置 - Google Patents

熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本願発明は、プレス成形前に加熱された鋼板が冷却されるのを防止するとともに、鋼板の均一な冷却が可能な熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置を提供することを目的とする。
【解決手段】加熱された鋼板をプレス成形中および/または成形後に前記鋼板またはその成形体を冷却することによりその強度を調整する熱間プレス成形方法であって、前記鋼板またはその成形体と金型との間にミスト状態の冷媒を拡散させて、前記鋼板またはその成形体を冷却することを特徴とする熱間プレス成形方法。また、上記熱間プレス成形方法を実現する熱間プレス成形装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱された鋼板をプレス成形中および/または成形後に鋼板またはその成形体を冷却することにより強度を調整する熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置に関する。
金属板材のプレス成形は、生産性が高く、高精度に加工できることから、自動車、産業機械、電気機器、輸送用機器などの製造に広く用いられている。プレス成形の方法としては、熱間プレス成形方法も知られている。
この熱間プレス成形は、金属板材を誘電加熱などの加熱装置を用いて加熱し、この加熱された金属板材をダイス上に載置し、その上からポンチを下死点まで降下して、一定時間冷却して、強度を調整するという技術である。プレス成形された鋼板がダイスから取り除かれると、所定温度に加熱された新しい鋼板がダイス上に載置される。このように、加熱された鋼板をダイス上に連続的に載置して、プレス成形することにより、大量の鋼板を連続生産することができる。
これにより、形状安定性が良好で、強度が所望するものである成形品を得ることができるとされている。
この熱間プレス成形においては、成形後の金属板材の冷却が生産性の観点から重要視されており、高温でのプレス成形後に冷媒を用いて冷却する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、従来の熱間プレス成形方法に使用されている金型の図面であり、(a)が金型全体の断面図であり、(b)が下金型の斜視図である。なお、下金型の内側に配置された冷媒排出機構を点線にて図示している。
ダイス102の縦壁部には、ダイス102に当接する金属板材に対して冷媒を噴出するための噴出口103が形成されており、この噴出口103には、ダイス102の内側に形成された冷媒を供給するための供給管104の一端が連結されており、この供給管104
の他端は、ダイス102の外側に配置される冷媒を収容した不図示の冷媒収容部に連結されている。
本図に示した熱間プレス成形装置を用いて金属板材106をプレス成形する場合は、ポンチ105を下死点まで降下させ、金属板材106に対するプレス状態をしばらく保持し、その状態で、供給管104を介して、該冷媒収容部に収容された冷媒を噴出口103から金属板材106に噴出させる構成になっている。
また、供給管104を介して、蒸気を噴出させることにより、金属板材106を冷却する方法も考えられる。
特開2005−169394号公報(第1図など)
しかしながら、特許文献1の方法では、金属板材106の冷却に用いられた水が蒸発せずにダイス102の表面上に残存し、この残存した水がダイス102上に載置されるプレス成形前の新しい金属板材106に付着するおそれがある。このため、形状ができる前に焼入れ不必要な部分に焼き入れ等がされ、プレス鋼板の強度特性や形状精度などに不具合を与えるおそれがある。ダイス102の表面上に残存した水を吸引系統によって吸引するという方法も考えられるが、吸引し切れなかったり、吸引装置によりコストが増大したりする。
また、水の拡散速度は気体に比べて遅いため、特に中強度作りこみにおいて低圧で水を噴出させる際には鋼板またはその成形体を均一に冷却するのは困難である。
また、拡散速度を速めるために冷媒として蒸気を使用した場合、蒸気を生成するための蒸気発生器が必要となり、熱源コストが増大する。
そこで、本願発明は、加熱された鋼板がプレス成形前に冷却されるのを防止するとともに、鋼板の均一な冷却に優れた熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置を提供することを目的とする。
ところで、液体又は蒸気の単相流体を冷媒として用いて被冷却体である鋼板またはその成形体を冷却する場合において、前記被冷却体の冷却速度を調整しようとした場合には、冷媒の圧力または流量で調整することになる。しかし、冷媒として水を用いて圧力や流量を絞り、前記被冷却体の冷却速度を遅く制御しようとした場合、前記被冷却体の表面において、冷媒が行き届かない領域ができて、前記被冷却体表面において冷却に機能する冷媒の到達量にムラが部分的に生じてしまうという問題が生じる。
そこで本願発明は、冷却速度を遅く制御する際においても、冷却ムラのない冷却を実現できる熱間プレス成形装置を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するためになされたものであって、その要旨は以下のとおりである。
(1) 加熱された鋼板をプレス成形中および/または成形後に前記鋼板またはその成形体を冷却することによりその強度を調整する熱間プレス成形方法であって、
前記鋼板またはその成形体と金型との間に気液混合状態であるミスト状態の冷媒(以下、「ミスト冷媒」ともいう。)を拡散させて、前記鋼板またはその成形体を冷却することを特徴とする熱間プレス成形方法。
(2) 前記ミスト冷媒の気液比を変化させることにより、前記鋼板またはその成形体の強度を調整することを特徴とする前記(1)に記載の熱間プレス成形方法。
(3) 前記ミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を変化させることにより前記鋼板またはその成形体の強度を調整することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の熱間プレス成形方法。
(4) 前記ミスト冷媒の液体として水およびフルオロケトン系消火薬剤のいずれかまたはこれらの混合液を用いることを特徴とする請求項3に記載の熱間プレス方法。
(5) 前記ミスト冷媒の液体の気化潜熱または比熱を前記フルオロケトン系消火薬剤の水に対する濃度により前記鋼板またはその成形体の強度を調整することを特徴とする前記(4)に記載の熱間プレス成形方法。
(6) 前記金型の前記鋼板またはその成形体との当接面に凹凸部を設け、当該凹凸部は前記鋼板またはその成形体と前記凹凸部と当接した状態でも凹部とミスト冷媒が噴出する噴出口が連通しており、前記当接面と前記鋼板またはその成形体との間で前記ミスト冷媒を拡散させることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
(7) 加熱された鋼板をプレス成形中および/または成形後に前記鋼板またはその成形体を冷却することによりその強度を調整する熱間プレス成形装置であって、気液混合状態であるミスト状態の冷媒を生成するミスト冷媒生成手段と、前記ミスト冷媒生成手段で生成された前記ミスト冷媒を金型内部から供給する供給路と、前記冷媒供給路内の前記ミスト冷媒を前記鋼板またはその成形体と前記金型との間に噴出させるための複数の金型成形面上に配設される噴出口と、を有することを特徴とする熱間プレス成形装置。
(8) 前記ミスト冷媒生成手段は、前記金型外部に設けられ、前記冷媒供給路に前記ミスト冷媒を直接供給することを特徴とする(7)に記載の熱間プレス成形装置。
(9) 前記ミスト冷媒生成手段は、前記金型内に設けた気体流路に気体を流入させる気体流入手段と、前記金型内に設けた液体流路に液体を流入させる液体流入手段と、を有し、前記気体流路と前記液体流路とは合流して前記冷媒供給路に繋がり、該合流部にて前記ミスト冷媒を生成することを特徴とする前記(7)に記載の熱間プレス成形装置。
(10) 前記ミスト冷媒生成手段は、スロート部であり、前記スロート部は前記金型内に設けた気体流路に配設され、液体貯留部から液体を導入する液体導入路が接続され、前記スロート部の出側に前記冷媒供給路が接続されていることを特徴とする前記(7)に記載の熱間プレス成形装置。
(11) 前記ミスト冷媒生成手段は、気液比を制御する手段を有していることを特徴とする前記(7)〜(10)のうちいずれかに記載の熱間プレス成形装置。
(12) 前記ミスト冷媒生成手段は、ミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を制御する手段を有していることを特徴とする前記(7)〜(11)のいずれかに記載の熱間プレス成形装置。
(13) 前記ミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を制御する手段として、前記液体の温度を制御することを特徴とする前記(12)に記載の熱間プレス成形装置。
(14) 前記ミスト冷媒中の液体が2種類以上の物質からなる混合液である場合、気化潜熱または比熱を制御する手段として、前記液体の濃度を制御することを特徴とする(12) または(13)に記載の熱間プレス成形装置。
(15) 前記ミスト冷媒中の液体が水とフルオロケトン系消火薬剤混合液であることを特徴とする前記(14)に記載の熱間プレス成形装置。
(16) 前記金型における前記鋼板との当接面には、凹凸部が形成され、当該凹凸部は前記鋼板またはその成形体と当接した状態で凹部と前記噴出口が連通するように配設されていることを特徴とする前記(7)〜(15)のうちいずれか一つに記載の熱間プレス成形装置。
本願発明によれば、被冷却体である鋼板またはその成形体と金型との間にミスト状態の冷媒を拡散させることにより、前記被冷却体を冷却することができる一方で、冷媒がミストであるため、余分に供給された液体はミスト中の気体によって吹き飛ばされ、金型に付着して金型表面に残る量が少なくなる。これにより、蒸発せずに金型に付着した液体が前記被冷却体に垂れ落ちて、プレス成形前に前記被冷却体が冷却されるのを防止できるとともに、冷媒の吸引系統の省略や簡素化によりコストダウンすることができる。また、ミスト状態の冷却媒体(以下、「ミスト冷媒」という)は冷却水よりも回りが速い(被冷却体上での拡がり速度が速い)ので、特に中強度作り込みの際にも前記被冷却体の冷却において均一性に優れた冷却能力の高い熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置を提供することができる。
さらに、ミスト冷媒の気液比を変化させるという簡単な方法で、供給圧力を変えずに被冷却体である鋼板またはその成形体の冷却速度を変えることができるので、結果的に前記被冷却体の強度を容易に調整することができる。
特に液体の供給圧力はそのままに、気体の流量(圧力)を変えたり、その逆に気体の流量は変えずに液体の流量(圧力)を変えたりすることで、操業条件内で工業的に極めて広範囲かつ精密な気液比制御が可能になる。このとき、全体の圧力を変えないようにバランスを取りながら気液比を変化させることもできる。
さらには、複数の液体の混合配分を調整することで、ミスト冷媒における液体の気化潜熱や比熱を調整することによって、より精密な冷却速度制御が可能となる。
その上、金型における被冷却体である鋼板またはその成形体との当接面に形成された凹凸部と前記被成形体との間で冷媒を拡散させることにより、前記鋼板またはその成形体の冷却を促進することができる。
本発明は、電気加熱炉、誘導加熱、通電加熱等の加熱装置で所定温度(例えば700℃〜1000℃)に加熱された鋼板を、金型を用いて冷却し、プレス成形された鋼板の強度を調整する熱間プレス成形方法において、被冷却体である鋼板またはその成形体と金型との間にミスト冷媒を拡散させて、前記被冷却体の冷却を行うものである。なお、本発明においてミスト冷媒のミストとは気液混合状態で液体が気体中に存在している状態を指し、使用環境下の温度での飽和水蒸気量を超える含水率を有するものから液体が多少凝集している状態までを含むものとする。
この熱間プレス成形方法を有効に実施できる熱間プレス成形装置の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下において、図1の熱間プレス成形装置を熱間プレス成形装置1といい、図3の熱間プレス成形装置を熱間プレス成形装置2といい、図4の熱間プレス成形装置を熱間プレス成形装置3とする。
(熱間プレス成形装置1について)
図1を参照しながら、熱間プレス成形装置1について説明する。ここで、図1は熱間プレス成形装置1の上下方向の断面図であり、(a)がプレス前の状態を図示しており、(b)がプレス時の状態を図示している。
熱間プレス成形装置1は上金型としてのポンチ13及び下金型としてのダイス14から構成されている。ポンチ13は不図示の油圧シリンダによって駆動され、該油圧シリンダを伸長方向及び短縮方向に作動させることにより、図1(a)の矢印X方向(プレス方向)に移動可能となっている。
ダイス14はプレート16に固定されており、ダイス14上にセットされた加熱された鋼板15に対してポンチ13が下降するようになっている。
ダイス14の内側には、ミスト冷媒をダイス当接面14aの金型表面に送り込むための、冷媒供給路141が形成されており、この冷媒供給路141は、ダイス14の水平方向一端部に入口を有し、ダイス14のダイス当接面14aを包囲するように形成された主供給路141aと、この主供給路141aに接続され、ダイス当接面14aの金型表面にミスト冷媒を噴出させるための噴出口を有する複数の分岐供給路141bとを有して構成される。
主供給路141aの径は、分岐供給路141bの径よりも大きく設定されており、熱間プレス成形装置1の外側には、主供給路141aの入口からミスト冷媒を送り込むための冷媒生成手段としてのノズル式のミスト噴射装置17が設置されている。
このように、分岐供給路141bの径を主供給路141aの径よりも小さく設定することにより、ミスト冷媒を各分岐供給路141bに均等に供給することができる。
このミスト噴射装置17は、不図示であるが、空気導入口、液体導入口及び冷媒排出口が形成されたノズル部を有しており、空気導入口及び液体導入口からそれぞれ導入した空気及び液体をノズル部内で混合してミスト冷媒を生成し、冷媒排出口から噴出する構成となっている(内部混合方式)。液体導入口は、消火剤タンク31及び水槽32に連通しており、消火剤タンク31に収容されたフルオロケトン系消火薬剤(後述する)、水槽32に収容された水を液体導入口から導入する構成になっている。そして、空気導入口から導入される空気の流量、ガス圧、液体導入口から導入される液体の流量は、不図示の調整部において調整できるようになっており、該調整部を操作することにより、ミスト冷媒の気液比を変化させたり、ミスト粒径を変化させたりすることができる。
ミスト冷媒の気液比において液量が80%を越えた場合には、蒸発せずに金型に残った液体による垂れ落ち等の不具合が発生する恐れがある。また、70〜80%の場合には、冷媒が簡素な吸引系統で吸引できる程度に金型に残るのみであり、容易に垂れ落ち等の不具合を解消できる。さらに、70%以下の場合には、金型に液体状態の冷媒がほとんど残らず、そもそも垂れ落ち等の不具合が発生しない。一方、3%以上の液量ミスト冷媒に匹敵する冷却能力を空冷で得るには、高圧の空気を得る大規模なコンプレッサやレシーバタンクなどの装置が必要になりコストが急増する。
したがって、ミスト冷媒の気液比(体積比)は、液量の上限が好ましくは80%、より好ましくは70%であり、液量の下限が好ましくは3%である。
なお、ミスト冷媒の気液比を変化させる方法として、ノズルの形状をかえてもよい。
ミスト冷媒に用いる液体としては、取り扱いが容易で、鋼板またはその成形体の特性に影響の少ない水が好ましいが、これに限定されるものではない。すなわち、ミスト冷媒に用いる液体は、不燃性であり、蒸発するとき熱を奪う液体であれば基本的には何でも良い。しかし、水銀のような毒性のあるものや酸性水溶液のような腐食性のあるものが好ましくないのは言うまでもない。
水以外に好ましい液体の冷媒としてはフルオロケトン系消火薬剤を用いることが望ましい。この液体は不燃性であり、蒸発するとき熱を奪い、毒性も低く、腐食性もない。また、この消火薬剤は気化潜熱も比熱も水とは異なる。さらに、この薬剤は水溶性であり、水と混合することによって、水とこの薬剤との中間の気化潜熱及び比熱を得ることができる。
具体的には、消火剤タンク31から供給されるフルオロケトン系消火薬剤と水槽32から供給される水とを混合することにより、水とこの薬剤との中間の気化潜熱及び比熱を得ることができる。気化潜熱または比熱を変化させる手段として、このように水以外の液体を用いたり、水に他の物質を混合させたりする方法があるが、水単体であってもその温度を変えることによってある程度、気化潜熱と比熱を変化させることができる。具体的には、水槽32から導入された水をミスト噴射装置17に設けられた加熱部17aにおいて加熱することにより、気化潜熱と比熱を変化させることができる。このような気化潜熱と比熱を変化させる方法を適宜行うことにより、液体の比熱または気化潜熱を制御することができる。
特許文献1では、冷却水を鋼板の表面に噴出させて冷却する冷却方式を採用しているが、ミスト冷媒は冷却水よりも流動性が良いことから回りが速く、より均一な冷却に向いており、冷媒を金型表面に運搬するのに必要な電力コストを削減できる。
さらに、ミスト噴射装置17のガス圧、ガス流量及び液体流量やミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を変えるだけで、冷却能力の大小を自由に変化させることができる。これにより、被冷却体である鋼板またはその成形体の冷却速度が容易に変更でき、その結果として前記成形体の強度調整が容易となる。また、前述のガス圧、ガス流量及び液体流量を調整することでミスト粒径を変化させることによっても冷却速度の変更による前記成形体の強度調整が可能である。
なお、ミスト噴射装置17のノズル方式は、ノズル部の外側で水と空気とを混合する外部混合方式であってもよい。また、ノズル式のミスト噴射装置17に代えて、超音波によるミスト発生装置を用いてもよい。また、冷媒供給路141の入口を複数設けて、各入口にミスト噴射装置17を設置してもよい。また、冷却供給路141をダイス14に設けたが、ポンチ13に設けてもよいし、ポンチ13及びダイス14の両方に設けてもよい。さらに、ミスト噴射装置17を熱間プレス成形装置1の外側に配置したが、主供給路141
aの内側に設置してもよい。
次に、図2を参照して、ダイス当接面14aについて説明する。ここで、図2(a)はダイス当接面14aの金型表面を拡大して図示した拡大図であり、図2(b)はミスト冷媒が噴出する噴出口及びその近傍を拡大した、金型の上下方向の断面図である。ダイス当接面14aの金型表面には、化学エッチング、放電加工などの方法により無数の凸部142が形成されている。凸部は一つ一つが独立しており、逆に凸部同士の隙間である凹部は二次元的に連通し、図2(b)の通り、分岐供給路141bの終端部に形成された噴出口とも連通しており、噴出口から噴出したミスト冷媒は、後述するように金型同士のクリアランスから鋼板厚さを差し引いた分の隙間と凸部142同士の隙間である凹部からなる空間を通って、鋼板15の表面上を拡散するようになっている。特にミストは水よりも流動性が良いので、この凹凸によって均一性の良い所望の冷却速度で鋼板またはその成形体を冷却することができる。
化学エッチングにより凸部142を施す場合には、まず、ダイス当接面14aの金型表面に可視光硬化型感光性樹脂を塗布、乾燥した後、可視光を遮断する遮光マスクで被覆して可視光を照射し、照射部を硬化させる。次に、有機溶剤からなるエッチング液に金型表面を1〜30分程度浸漬し、エッチング処理を施すことにより、硬化部以外の樹脂を除去する。
放電ダル加工により凸部142を施す場合には、目的とする凸部142を反転させた凹形状部を表面パターンとして有する銅電極を金型に対向配置し、電流ピーク値、パルス幅を変更し、直流パルス電流を流せばよい。これらの凸部142はプレス時に鋼板15に当接する。これにより、鋼板15とダイス当接面14aの金型表面との間にミスト冷媒が通る空間が形成され、ミスト冷媒の拡散を促進できる。
また、蒸発せずに金型表面で凝集付着したミスト冷媒を吸引するために吸引系統を設けてもよい。しかし、ミスト冷媒は大部分が鋼板またはその成形体の冷却の際に蒸発し、蒸発しなかった分も空気中に霧散するので、多くの場合ほとんど必要としない。すなわち、特許文献1のように冷却水を冷媒として用いた場合と比較して、吸引すべき冷媒の流量が少なくなる。これにより、吸引系統を簡素化でき、更には省略することもできるのでコストを削減することができる。
次に、本熱間プレス成形装置1を用いた鋼板の熱間プレス成形方法について説明する。
まず、電気加熱炉、誘導加熱、通電加熱等の加熱装置で700℃〜1000℃に加熱された鋼板15を、不図示の搬送フィンガーで把持して、ダイス14上にセットする。この鋼板15がダイス14上にセットされると、ポンチ13が下降する。
ポンチ13を鋼板15に当接させた状態で、更に下降させ、ダイス14のダイス当接面14aに鋼板15を押し込む。押し込まれた平板形状の鋼板15はポンチ13やダイス14の外形に沿って変形する。このとき、ポンチ13の頂部13aは、ダイス14のダイス当接面14aに入り込み、下死点まで降下する。
プレス成形を金型で行っている一方で、ミスト噴射装置17等により、ミスト冷媒が準備されている。ミスト冷媒に用いる液体は前記ミスト噴射装置17の入側で気化潜熱と比熱が調整されている。すなわち、ミスト冷媒の液体が水であれば加熱部17aによる加熱動作により水温が、水と何かの混合物であればその濃度と温度が、調整されている。また、ミスト冷媒に用いる空気もミスト噴射装置17の入側で所定の圧力で待機している。
ポンチ13が下死点に下降したときに、ミスト噴射装置17から噴射されたミスト冷媒が、冷媒供給路141を通って分岐供給路141bの出口から噴出する。なお、ミスト冷媒の噴出タイミングは、プレス成形の途中としてもよいし、プレス成形後としてもよい。
ところで、上述したようにダイス当接面14aの金型表面には多数の凸部142を有する凹凸部が形成されている。図1(b)のプレス状態において、鋼板15と金型表面との間には、金型同士のクリアランスから鋼板厚さを差し引いた分の隙間と前記凸部同士の隙間である凹部からなる空間が形成されている。
したがって、分岐供給路141bの出口から噴出したミスト冷媒は、この空間を介して、鋼板15の表面上を拡散し、鋼板15を冷却する。
この場合、ミスト冷媒は、冷却水を噴出させた場合よりも、回りが速い(鋼板15上での拡散速度が速い)ため、鋼板15をより均一に冷却することができる。
ミスト冷媒では一般に液体が微粒化しているため、また、エアーが余分な液体を排出するため、金型表面や鋼板15上に液体が凝集しにくく、凝集しても液体が滞留しにくく、滞留した液体が次に処理すべき鋼板15に垂れ落ちるなどの不具合を防止できる。これにより、プレス成形前に鋼板15が冷却されるのを防止できる。
(熱間プレス成形装置2について)
図3は熱間プレス成形装置2の上下方向の断面図であり、(a)がプレス前の状態を図示しており、(b)がプレス時の状態を図示している。熱間プレス成形装置1と異なる構成のみを説明し、説明の無い構成については、熱間プレス成形装置1と同様である。本例
では、ミスト冷媒の生成方法が熱間プレス成形装置1の場合と異なっている。
冷媒供給路141を構成する主供給路141aの途中には、外部水槽35及び/又は外部タンク36から水及び/又はフルオロケトン系消火薬剤を引き込むための液体供給路180が接続されている。なお、主供給路141aのうち液体供給路180との接続部よりも上流側の領域が、請求項9の気体流路に相当する。外部水槽35からの送液手段としては給水ポンプ34を使用しており、給水ポンプ34の圧力を変えることにより、流量を調節できる。送液される水の流量を調節することにより、ミスト冷媒の気液比を変化させたり、ミスト粒径を変化させたりすることができる。例えば、水の流量を増やした場合には、それに応じてミスト冷媒の冷却能力が増すため、鋼板の強度を高めることができる。なお、外部水槽35及び給水ポンプ34により液体流入手段が構成される。
また、外部タンク36からの送液手段としては給液ポンプ37を使用しており、給液ポンプ37の圧力を変えることにより、流量を調節することができる。これにより、上述した水量調節をした場合と同様の効果を得ることができる。
外部水槽35では熱間プレス成形装置1と同様に液体の気化潜熱または比熱を制御することができる。すなわち、この場合は、外部水槽35でミスト冷媒に用いる冷媒が水であるとき水温、水と何かの混合物であるときは濃度及び温度を調整すればよい。具体的には、外部水槽35に設けられた加熱器33を作動させることにより水温を上げることができる。また、外部水槽35から送液される水と外部タンク36から送液される消火剤との混合比を変えることにより、濃度を調節することができる。
熱間プレス成形装置2の外側には、冷媒供給路141内に空気を送り込むためのノズル式のエアー噴射装置(気体流入手段)18が設けられている。このエアー噴射装置18には、噴射されるエアーの流量、ガス圧を調整するための不図示の調整部が設けられており、この調整部を操作することによりミスト冷媒の気液比を変化させたり、ミスト粒径を変化させたりすることができる。
ポンチ13が下死点まで降下して、ダイス当接面14aの金型表面にハット形状に変形した鋼板15が当接すると、外部水槽から送液された水が液体供給路180を介して冷媒供給路141の供給路内に流入する。そして、エアー噴射装置18から噴射されたエアーが冷媒供給路141の入口から供給路内に送り込まれる。
これにより、液体供給路180と主供給路141aとが合流する合流部141cにおいて、水とエアーとが混合して、ミスト冷媒が生成される。
このミスト冷媒は、分岐供給路141bを通って、金型表面から噴出した後に、鋼板15と金型表面との間に形成される空間内において拡散しながら鋼板15を冷却する。
本熱間プレス成形装置2は、冷媒供給路141の途中(合流部141c)でミスト冷媒を生成しているため、熱間プレス成形装置1と比較して、生成されたミスト冷媒が金型表面に達するまでの流路距離を短くできる。これにより、一旦生成されたミスト冷媒が凝集
しにくくなり、ミスト冷媒の粒径が大きくなるのを防止できる。したがって、粒径の小さなミスト冷媒を用いて鋼板15を冷却する場合に、好適な装置である。
なお、その他の作用効果は、熱間プレス成形装置1の場合と同様であるため、説明を省略する。
(熱間プレス成形装置3について)
図4は熱間プレス成形装置3の上下方向の断面図であり、(a)がプレス前の状態を図示しており、(b)がプレス時の状態を図示している。熱間プレス成形装置1と異なる部分だけを説明し、説明の無い構成については、熱間プレス成形装置1と同様である。本例
では、ミスト冷媒の生成方法が熱間プレス成形装置1を用いた場合と異なっている。
冷媒供給路141を構成する主供給路141aには、供給路の径が他の部分よりも小さく設定されたスロート部141a´が設けられている。なお、主供給路141aのうちスロート部141a´よりも上流側の領域が、請求項10に記載の気体流路に相当する。このスロート部141a´には、プレート16の内側に設けられた水槽20の水をスロート部141a´内に引き込むための液体供給路190(液体導入路)が接続されている。液体供給路190は、水槽20に接続される水供給路190aと消火剤タンク40に接続される消火剤供給路190bとに分岐している。
この場合、スロート部141a´において、流速が上がり、静圧が下がるため、水槽20及びスロート部141a´の圧力差により水槽20内の水がスロート部141a´内に流入する。同様に、消化剤タンク40及びスロート部141a´の圧力差により消火剤タンク40内の消火剤がスロート部141a´内に流入する。水供給路190aには弁39が設けられており、この弁39を開閉することによりスロート部141a´に流入する水量を調節することができる。また、消火剤供給路190bには弁41が設けられており、この弁41を開閉することによりスロート部141a´に流入する消火剤の流量を調節することができる。
水槽20では熱間プレス成形装置1または2と同様に液体の気化潜熱または比熱を制御することができる。すなわち、この場合は、水槽20でミスト冷媒に用いる冷媒が水であるとき水温、水と何かの混合物であるときは濃度及び温度を調整すればよい。具体的には、水槽20に設けられた加熱器38を作動させることにより水温を上げることができる。また、水槽20から送液される水と消火剤タンク40から送液される消火剤との混合比を変えることにより、濃度を調節することができる。
熱間プレス成形装置3の外側には、冷媒供給路141内に高圧の空気を送り込むためのノズル式のエアー噴射装置19が設けられている。このエアー噴射装置19には、噴射されるエアーの流量、ガス圧を調整するための不図示の調整部が設けられており、この調整部を操作することによりミスト冷媒の気液比を変化させたり、ミスト粒径を変化させたりすることができる。
ポンチ13が下死点まで降下して、ダイス14の金型表面にハット形状に変形した鋼板15が当接すると、水槽20から圧力差によって引き込まれた水とエアー噴射装置18から噴射されたエアーとがスロート部141a´内で混合して、ミスト冷媒が生成される。ここで、スロート部141a´では、エアー噴射装置18から噴射されたエアーの流速が増すため、スロート部141a´が無い場合と比較して、ミスト冷媒を金型表面に速やかに供給することができる。また、水槽20からの水を引き込む手段として、水槽20とスロート部141a´との圧力差を利用しているため、上述の熱間プレス成形装置2のような給水ポンプが不要となり、コストを削減できる。
このミスト冷媒は、主供給路141aから分岐供給路141bを通って、ダイス当接面14aの金型表面から噴出した後に、鋼板15と金型表面との間に形成される空間内において拡散しながら鋼板またはその成形体15を冷却する。
なお、その他の作用効果は、熱間プレス成形装置2と同様であるため、説明を省略する。
上述の熱間プレス成形装置1〜3では、ダイス当接面14aの金型表面に凸部142を
設けたが、このような凸部142を設けずに、鋼板と金型表面との間の空間(クリアランス)にミスト冷媒を拡散させてもよい。この場合も、上述と同様の効果を得ることができる。さらに、凸部142を不要とした場合には、熱間プレス成形装置のコストを削減することができる。
なお、ミスト噴射装置から噴射されたミスト冷媒とエアー噴射装置から噴射されたエアーとを金型内で混合して、金型表面から噴出させる構成であってもよい。
以下、実施例により本発明の熱間プレス成形方法により成形されたプレス鋼板の評価結果を更に具体的に説明する。以下の実施例及び比較例の冷媒としての液体としては水を用い、気体としてはエアーを用いた。
実施例1として、図1の熱間プレス成形装置1を用いて、初期温度900℃に加熱された鋼板をプレスし、300℃以下に冷却されたところで冷却動作を終了した。ミスト冷媒の気液比(体積比)を、水:空気=8:2として、冷却時間を4秒とした。
実施例2として、図3の金型を用いて、初期温度900℃に加熱された鋼板をプレス成形した。ミスト冷媒の気液比(体積比)を、水:空気=7:3として、冷却時間を4秒とした。
実施例3として、図3の金型を用いて、初期温度900℃に加熱された鋼板をプレス成形した。ミスト冷媒の気液比(体積比)を、水:空気=5:5として、冷却時間を4秒とした。
実施例4として、図4の金型を用いて、初期温度900℃に加熱された鋼板をプレス成形した。ミスト冷媒の気液比(体積比)を、水:空気=2:8として、冷却時間を15秒とした。
実施例5として、図4の金型を用いて、初期温度900℃に加熱された鋼板をプレス成形した。ミスト冷媒の気液比(体積比)を、水:空気=1:9として、冷却時間を15秒とした。
実施例6として図4の金型を用いて初期温度900℃に加熱された鋼板をプレス成形した。ミスト冷媒の液をフルオロケトン消化液濃度5%とし、気液比(体積比)を、水:空気=5:5として、冷却時間を10秒とした。
実施例7として実施例3に対して水温を上げたものでプレス成形を行った。
また、比較例1として、冷媒生成手段を有しない通常の金型で900℃に加熱された鋼板をプレス成形(つまり、空冷のみ)した。
比較例2として、特許文献1のように水を冷媒とした使用する金型で900℃に加熱された鋼板をプレス成形した。
冷媒を水として中間強度を得るために比較例3として流量を1/5とした例、比較例4として流量を1/10とした例を示す。比較例3及び4も他の実施例や比較例と同様に900℃に加熱された鋼板をプレス成形したものである。
なお、このとき、ミスト冷媒の供給圧力は比較例1〜2及び実施例1〜6でほぼ同一になるように調整した。これに対し、比較例3及び4は流量を減らすためにその分供給圧力を下げている。
得られたプレス鋼板について、成品硬度及び水の垂れ落ちの有無を測定し、結果を表1に示している。吸引系統を使用せず、成品硬度が300Hvよりも大きく、かつ、水の垂れ落ちが観察できなかった場合には良好として、“◎”で示し、吸引系統を使用し、成品
硬度が300Hvよりも大きく、かつ、水の垂れ落ちが観察できなかった場合には概ね良
好として、“○”で示し、それ以外の場合には不良として、“×”で示した。
<前提> 0.22C 鋼板 使用,初期温度900℃、成品取出温度 300℃以下、水温18℃(常温)
Figure 2008036709
実施例1〜5により、気液比を変化させるだけで、鋼板の強度を容易に調節できることがわかった。これに対し、比較例1では、実施例1〜5に比べて、冷却に時間がかかり、冷速が十分に取れないことがわかった。また、比較例2では吸引系統を設けても冷却の際
に水が蒸発しきれず、水の垂れ落ちが防げなかった。また、比較例3及び4においても水の垂れ落ちが発生した。
実施例1ではミスト中の水分が多かったので、冷媒供給路中や金型表面において、冷媒である水の凝集が起こった。しかし、蒸発しきれなかったかミスト中の気体によって排出されなかったかの理由で金型表面に残った水の量は少なかったので、吸引系統があれば、水の垂れ落ちを防止できることがわかった。ここで、比較例2と実施例1の吸引系統の吸引能力は同じとしている。したがって、実施例1では比較例2よりも吸引系統の吸引能力を、簡素化できることがわかった。
実施例2では、冷媒供給路中でミスト中の水の凝集が生じたが、金型表面においては蒸発する分もあり、凝集が生じず、吸引系統がなくても、水の垂れ落ちを防止することができた。
実施例3〜5では、冷媒供給路中においても金型表面においても冷媒である水の凝集が生じず、吸引系統がなくても、水の垂れ落ちを防止することができた。特に実施例3では水の凝集や垂れ落ちもなく、かつ、成形体が急速に冷却される条件である。
実施例4及び5は実施例1〜3に比べて冷速を落として中強度を作り込む例である。これに対し、比較例3及び4は冷媒の量や冷却能力が同等になるように、冷媒をミストとせずに圧力を下げて流量を減らして供給したものである。実施例4及び5では所望される強度(この場合ビッカース硬度)を一様に得ることができたが、比較例3及び4では噴出口の周りのみが急冷されたり、成形時に下方になるところのみが急冷されたりしたので、強度に大きくバラツキができた。
実施例6はミスト冷媒の液体として水およびフルオロケトン系消火薬剤の混合液を用いたものである。実施例3と比較すると自明な通り、フルオロケトン系消火薬剤を混合したことによって、冷速を下げることができた。実施例6では濃度が5%であったが、この濃度を上げることによってさらに冷却速度を下げることが可能である。
実施例7はミスト冷媒の液体として温水35℃の例であるが、得水温を上げることによって冷速を下げることができた。このように、ミスト冷媒として用いる液体の濃度や水温を調節することによっても冷却速度を制御することが可能である。
熱間プレス成形装置1の上下方向の断面図であり、(a)がプレス前の状態を図示しており、(b)がプレス時の状態を図示している。 金型の部分拡大図であり、ダイスのダイス当接面の表面を拡大した図である。 金型の部分拡大図であり、ミスト冷媒が噴出する噴出口及びその近傍を拡大した、金型の上下方向の断面図である。 熱間プレス成形装置2の上下方向の断面図であり、(a)がプレス前の状態を図示しており、(b)がプレス時の状態を図示している。 熱間プレス成形装置3の上下方向の断面図であり、(a)がプレス前の状態を図示しており、(b)がプレス時の状態を図示している。 従来の熱間プレス成形装置であり、(a)が上下方向の断面図であり、(b)が斜視図である。
符号の説明
1〜3 熱間プレス成形装置1〜3
13 ポンチ
14 ダイス 14a ダイス当接面
15 鋼板またはその成形体
16 プレート
17 ミスト噴射装置
18 19 エアー噴射装置
20 32 水槽
31 40 消火剤タンク
33 38 加熱器
34 給水ポンプ
35 外部水槽
36 外部タンク
37 給液ポンプ
20 水槽
141 冷媒供給路 141a 主供給路
141b 分岐供給路 141a´スロート部
141c 合流部
142 凸部
180 190 水供給路
102 ダイス
103 噴出口
104 供給管
105 ポンチ
106 金属板材

Claims (16)

  1. 加熱された鋼板をプレス成形中および/または成形後に前記鋼板またはその成形体を冷却することによりその強度を調整する熱間プレス成形方法であって、
    前記鋼板またはその成形体と金型との間に気液混合状態であるミスト状態の冷媒(以下、「ミスト冷媒」ともいう。)を拡散させて、前記鋼板またはその成形体を冷却することを特徴とする熱間プレス成形方法。
  2. 前記ミスト冷媒の気液比を変化させることにより、前記鋼板またはその成形体の強度を調整することを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス成形方法。
  3. 前記ミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を変化させることにより前記鋼板またはその成形体の強度を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の熱間プレス成形方法。
  4. 前記ミスト冷媒の液体として水およびフルオロケトン系消火薬剤のいずれかまたはこれらの混合液を用いることを特徴とする請求項3に記載の熱間プレス方法。
  5. 前記ミスト冷媒の液体の気化潜熱または比熱を前記フルオロケトン系消火薬剤の水に対する濃度により前記鋼板またはその成形体の強度を調整することを特徴とする請求項4に記載の熱間プレス成形方法。
  6. 前記金型の前記鋼板またはその成形体との当接面に凹凸部を設け、当該凹凸部は前記鋼板またはその成形体と前記凹凸部と当接した状態でも凹部とミスト冷媒が噴出する噴出口が連通しており、前記当接面と前記鋼板またはその成形体との間で前記ミスト冷媒を拡散させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱間プレス成形方法。
  7. 加熱された鋼板をプレス成形中および/または成形後に前記鋼板またはその成形体を冷却することによりその強度を調整する熱間プレス成形装置であって、
    気液混合状態であるミスト状態の冷媒を生成するミスト冷媒生成手段と、
    前記ミスト冷媒生成手段で生成された前記ミスト冷媒を金型内部から供給する供給路と、
    前記冷媒供給路内の前記ミスト冷媒を前記鋼板またはその成形体と前記金型との間に噴出させるための複数の金型成形面上に配設される噴出口と、
    を有することを特徴とする熱間プレス成形装置。
  8. 前記ミスト冷媒生成手段は、前記金型外部に設けられ、前記冷媒供給路に前記ミスト冷媒を直接供給することを特徴とする請求項7に記載の熱間プレス成形装置。
  9. 前記ミスト冷媒生成手段は、前記金型内に設けた気体流路に気体を流入させる気体流入手段と、前記金型内に設けた液体流路に液体を流入させる液体流入手段と、を有し、
    前記気体流路と前記液体流路とは合流して前記冷媒供給路に繋がり、該合流部にて前記ミスト冷媒を生成することを特徴とする請求項7に記載の熱間プレス成形装置。
  10. 前記ミスト冷媒生成手段は、スロート部であり、前記スロート部は前記金型内に設けた気体流路に配設され、液体貯留部から液体を導入する液体導入路が接続され、前記スロート部の出側に前記冷媒供給路が接続されていることを特徴とする請求項7に記載の熱間プレス成形装置。
  11. 前記ミスト冷媒生成手段は、気液比を制御する手段を有していることを特徴とする請求項7〜10ののうちいずれかに記載の熱間プレス成形装置。
  12. 前記ミスト冷媒生成手段は、ミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を制御する手段を有していることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の熱間プレス成形装置。
  13. 前記ミスト冷媒中の液体の気化潜熱または比熱を制御する手段として、前記液体の温度を制御することを特徴とする請求項12に記載の熱間プレス成形装置。
  14. 前記ミスト冷媒中の液体が2種類以上の物質からなる混合液である場合、気化潜熱または比熱を制御する手段として、前記液体の濃度を制御することを特徴とする請求項12または13に記載の熱間プレス成形装置。
  15. 前記ミスト冷媒中の液体が水とフルオロケトン系消火薬剤混合液であることを特徴とする請求項14に記載の熱間プレス成形装置。
  16. 前記金型における前記鋼板との当接面には、凹凸部が形成され、当該凹凸部は前記鋼板またはその成形体と当接した状態で凹部と前記噴出口が連通するように配設されていることを特徴とする請求項7〜15のうちいずれか一つに記載の熱間プレス成形装置。
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