JP2008036692A - ロールコンパクター用押し込みスクリュー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】微粉状物とバインダーを混練した造粒原料を加圧成形するロールコンパクター11のホッパー12内に設けられ、しかもホッパー12の下方に配置した対となる加圧成型用ロール13、14の軸方向に沿って複数本設置された押し込みスクリュー10において、回転駆動軸15の周囲に設けた螺旋状のスクリュー羽根16には、回転駆動軸15の基側から先側へかけて、造粒原料をホッパー12の下方へ送る大傾斜角度の搬送羽根と、搬送羽根から搬送された造粒原料に含まれる気体を脱気するための中傾斜角度の圧密羽根と、圧密羽根から送られた造粒原料を加圧成型用ロール13、14に押し込む力を付与する小傾斜角度の押込羽根が形成されている。
【選択図】図1
Description
このロールコンパクターは、ホッパー内に配置された押し込みスクリューにより、ホッパーの下方に対向配置した互いに逆回転する一対のロール(加圧成型用ロール)へ、ホッパー内の造粒原料を押し出す装置である。この押し込みスクリューの周囲には、螺旋状に設けられたスクリュー羽根が設けられており、しかも押し込みスクリューの基側から先側へかけて、造粒原料の押し込み面に対する傾斜角度が同一角度(即ち、スクリュー羽根の間隔が同一ピッチ)となっている。
これにより、ホッパー内の造粒原料は、押し込みスクリューによって対向するロール間の隙間へ押し出され、このロールで加圧成形される。
更に、スクリュー羽根間に造粒原料が詰まることで、押し込みスクリューによる造粒原料のロールへの押圧力が更に小さくなり、その結果、成形品の強度低下を招き、品質が低下する恐れがあった。
回転駆動軸の周囲に設けた螺旋状のスクリュー羽根には、前記回転駆動軸の基側から先側へかけて、前記造粒原料を前記ホッパーの下方へ送る大傾斜角度の搬送羽根と、該搬送羽根から搬送された前記造粒原料に含まれる気体を脱気するための中傾斜角度の圧密羽根と、該圧密羽根から送られた前記造粒原料を前記加圧成型用ロールに押し込む力を付与する小傾斜角度の押込羽根が形成されている。
手段(3)は、手段(2)において、前記圧密羽根の傾斜角度は、前記押込羽根の傾斜角度の1.5倍以上2.5倍以下である。
手段(4)は、手段(2)及び手段(3)のいずれか1において、前記搬送羽根の傾斜角度は、前記押込羽根の傾斜角度の2.5倍を超え3.5倍以下である。
これにより、スクリュー羽根間への造粒原料の滞留を抑制し、造粒原料の付着を抑制できるので、造粒原料を安定に加圧成型用ロール間へ送り続けることができ、良好な品質の成形品を製造できる。また、スクリュー羽根間における造粒原料の除去作業の頻度を、従来よりも低減できるので作業性が良好である。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係るロールコンパクター用押し込みスクリューの部分正断面図、図2は同ロールコンパクター用押し込みスクリューの部分側断面図である。
なお、微粉状物とバインダーは、これに限定されるものではなく、微粉状物として、例えば、鉱石粉又は焼結鉱粉を使用することも、また、バインダーとして、例えば、澱粉(例えば、コーンスターチ)を使用することもできる。
この微粉状物とバインダーを混練して製造された造粒原料は、多数の微粉状物がバインダーによって結合された擬似造粒物の形態となっている。
このホッパー12の上側には、ホッパー12内に造粒原料を供給するための供給口17が設けられ、下側には、造粒原料を加圧成型用ロール13、14間に向けて排出するためのテーパ状となった押出口18が設けられている。
ホッパー12の押出口18側には、対となる加圧成型用ロール13、14が、隙間を有して回転可能に対向配置されている。この各加圧成型用ロール13、14が、互いに逆回転することにより、押出口18から排出された造粒原料を、隙間を介して下方へ押し出すことができる。なお、隙間の大きさは、製造する成形品の形状に応じて、適宜設定される。
この各押し込みスクリュー10の回転駆動軸15の上端部(基部)は、ホッパー12の上方に取付けられ、駆動手段22(駆動モータと減速機を有する)により回転可能になっている。これにより、各押し込みスクリュー10は、例えば、50〜170rpm程度の回転数(回転速度)で回転できる。
ホッパー12内に装入された造粒原料を、3〜7トンの線圧が掛かっている加圧成型用ロール13、14に対して安定に押し込むためには、一定量の擬似造粒物をホッパー12内上部からホッパー12内下方に搬送し、この搬送した造粒原料を、ホッパー12内下部から確実に押し出す必要がある。
そこで、ホッパー12内の造粒原料を、加圧成型用ロール13、14の線圧に負けないように圧縮し、ホッパー12内下部から押し出すために、押込羽根を設けた。
このように、気体を多く含んだ状態の造粒原料を押込羽根に搬送すると、加圧成型用ロール13、14での造粒原料の噛み込みが悪くなり、圧縮した圧縮造粒原料を安定にホッパー12内下部から押し出すことができなくなる。また、噛み込まれた造粒原料には、気体が閉じ込められた状態のものが多くなるため、この造粒原料を加圧成型用ロール13、14が噛み込むと、気体が存在する部分では造粒原料を充分に成形できず、品質(硬さ)が悪くなる問題が生じる。
このため、押込羽根と搬送羽根の間に圧密羽根を設けることにより、造粒原料中の気体を押し出している。
まず、押込羽根の傾斜角度θ1は、10度以上15度以下とすることが好ましい。このように、押込羽根の傾斜角度θ1を、上記した範囲内に設定することで、造粒原料に対してこの造粒原料をロール13、14の隙間に押し込む力を十分に付与できる。
また、圧密羽根の傾斜角度θ2は、押込羽根の傾斜角度θ1の1.5倍以上2.5倍以下(更に好ましくは、下限を1.7倍、上限を2.3倍)とすることが好ましい。このように、圧密羽根の傾斜角度θ2を、上記した範囲内に設定することで、造粒原料中の空隙が減少し、造粒原料の密度が上昇して、より強度の高い成形炭を製造できる。
このように、各押し込みスクリュー10の回転駆動軸15の周囲に設けられた螺旋状のスクリュー羽根16は、回転駆動軸15の基側から先側へかけて、その傾斜角度が小さくなっている。
また、スクリュー羽根の半径方向の幅(回転駆動軸15の外周面から半径方向外側への突出幅)は、押し込みスクリューの基側から先側へかけて同一幅となっているが、押し込みスクリューによる押し込み力を更に高めるため、例えば、押し込みスクリューの先側へかけて大きくしてもよい。
なお、スクリュー羽根の傾斜角度は、前記した隣り合う羽根の間で、連続的に徐々に変化させてもよい。
また、隣り合う押し込みスクリューは、スクリュー羽根の配置が左右対称となるように、ホッパー内に取付けることが好ましい。
なお、各押し込みスクリューは、造粒原料がホッパーの下方へ流れる方向に回転させる。
更に、両側に配置されるスクリュー羽根の回転速度を、内側に配置されるスクリュー羽根の回転速度より、速くしてもよい。
しかし、図2の二点差線(仮想線)で示すように、ホッパー12の幅方向両側(即ち、側壁)の下部のうち、押込羽根の下端位置から下方へかけての内幅が、徐々に狭くなる(テーパ状となった)場合は、この部分へ造粒原料が堆積し易くなる。この場合は、堆積した造粒原料を、ホッパー12の下方へ掻き落とすための撹拌羽根23〜25を、ホッパー12の幅方向両側に配置される各押し込みスクリュー10の先部周囲に、それぞれ設けるとよい。
この各撹拌羽根23〜25の押し込みスクリュー10の軸心を中心とした外側への突出長さは、押し込みスクリュー10の先側へかけて短くなっている。
また、押し込みスクリューの基側であって、スクリュー羽根の上方には、必要に応じて掻き取り羽根を設けてもよい。これにより、ホッパー内へ供給された造粒原料を、ホッパー内に均等に分散できる。
このように、造粒原料が、加圧成型用ロール13、14の隙間に安定に押し込まれることで、薄板状の成形品が製造される。
ここで、使用した押し込みスクリューは、実施例と比較例のいずれについても、図1、図2に示すように、加圧成型用ロールの長手方向に沿って4本配置した。
一方、比較例で使用した押し込みスクリューは、回転駆動軸の基側から先側へかけて、スクリュー羽根の傾斜角度を11度に設定したものである。
これにより、ホッパー内の造粒原料が、ホッパーの下方に安定に搬送されながら加圧成型用ロールへ押し付けられ、強度の高い成形品を製造できることを確認できた。
Claims (5)
- 微粉状物とバインダーを混練した造粒原料を加圧成形するロールコンパクターのホッパー内に設けられ、しかも該ホッパーの下方に配置した対となる加圧成型用ロールの軸方向に沿って複数本設置された押し込みスクリューにおいて、
回転駆動軸の周囲に設けた螺旋状のスクリュー羽根には、前記回転駆動軸の基側から先側へかけて、前記造粒原料を前記ホッパーの下方へ送る大傾斜角度の搬送羽根と、該搬送羽根から搬送された前記造粒原料に含まれる気体を脱気するための中傾斜角度の圧密羽根と、該圧密羽根から送られた前記造粒原料を前記加圧成型用ロールに押し込む力を付与する小傾斜角度の押込羽根が形成されていることを特徴とするロールコンパクター用押し込みスクリュー。 - 請求項1記載のロールコンパクター用押し込みスクリューにおいて、前記押込羽根の傾斜角度は、前記造粒原料の押し込み面に対して10度以上15度以下であることを特徴とするロールコンパクター用押し込みスクリュー。
- 請求項2記載のロールコンパクター用押し込みスクリューにおいて、前記圧密羽根の傾斜角度は、前記押込羽根の傾斜角度の1.5倍以上2.5倍以下であることを特徴とするロールコンパクター用押し込みスクリュー。
- 請求項2及び3のいずれか1項に記載のロールコンパクター用押し込みスクリューにおいて、前記搬送羽根の傾斜角度は、前記押込羽根の傾斜角度の2.5倍を超え3.5倍以下であることを特徴とするロールコンパクター用押し込みスクリュー。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のロールコンパクター用押し込みスクリューにおいて、前記スクリュー羽根の傾斜角度は、前記搬送羽根、前記圧密羽根、及び前記押込羽根の各羽根内において同一角度であり、しかも隣り合う各羽根の接続部における傾斜角度を断続的に変更していることを特徴とするロールコンパクター用押し込みスクリュー。
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