JP6060696B2 - 微粉炭の塊成方法 - Google Patents
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この塊成機91は、互いに逆回転する一対の回転ロール(加圧成型用ロール)92、93を有しており、この回転ロール92、93の直上部には、内部に押し込みスクリュー(図示しない)が配置されたホッパー94が設けられている。これにより、ホッパー94内の混練物は、押し込みスクリューによって対向する回転ロール92、93間の隙間95へ押し込まれ、この回転ロール92、93で加圧成形される(例えば、特許文献1参照)。
上記した搬送手段90と搬出コンベア96は、設備構成の単純化や設備コストの低減等を図るため、混練物と塊成炭の搬送方向が平面視して重ならないように(直交する方向となるように)配置されており、この配置の制約から、搬送手段90による混練物の搬送方向と回転ロール92、93の軸方向(長手方向)とが同一方向となるように、塊成機91が配置されている。
混練後の混練物は、粗粒(ダマ)を有する粒度分布となっているため、搬送手段90による混練物の搬送方向と回転ロール92、93の軸方向とを同一方向とした場合、ホッパー94内の前側(搬送方向下流側)に多くの粗粒が流れ込み、ホッパー94内の混練物の粒度が回転ロール92、93の軸方向で偏っていた。これは、混練物のホッパー94内への落下位置は、通常、回転ロール92、93の軸方向中央部であるが、ホッパー94内に落下する混練物は、搬送手段90での移動による慣性力を有しているため、混練物中の粗粒が、ホッパー94の前側に転がり易くなることによると考えられる。
このように、回転ロールの92、93の軸方向一方側の隙間が広がることで、例えば、混練物を部分的に塊成化できず、塊成炭の歩留り低下や、また、回転ロール92、93の軸受け部が破損して、塊成機の操業トラブルを招く恐れがある。
(1)粒径が0.5mm以下の粉状石炭からなる微粉炭にバインダーを添加し混練して得られた2.8mm以上が20質量%以上40質量%以下かつ0.6mm未満が50質量%以上70質量%以下の粒度を有する混練物を、搬送手段で搬送し、隙間を有して平行に配置された一対の回転ロール間へ前記混練物を供給して塊成化するに際し、前記搬送手段による前記混練物の搬送を、平面視して前記回転ロールの軸方向と直交する方向に行うことを特徴とする微粉炭の塊成方法。
まず、本発明の一実施の形態に係る微粉炭の塊成方法を適用する塊成設備10について説明した後、本発明の一実施の形態に係る微粉炭の塊成方法について説明する。
図1(A)、(B)に示すように、塊成設備10は、微粉炭とバインダーとを混練する混練機(図示しない)と、混練機で得られた混練物を搬送する搬送手段11と、搬送手段11で搬送された混練物を塊成化し塊成炭を製造する塊成機12とを有している。
搬送手段11は、混練物を搬送するスクリューコンベアであるが、これに限定されるものではなく、例えば、ベルトコンベアやチェーンコンベア等でもよい。
なお、搬送手段には、混練物を製造するための混練機(混練しながら搬送)を使用することもでき、この場合、上記したコンベアは不要になる。
この塊成機12は、搬送手段11による混練物の搬送方向が、平面視して回転ロール15、16の軸方向(長手方向)と直交する方向となるように、搬送手段11の下流側端部の下方に配置されている。
このホッパー13の上側には、ホッパー13内に混練物を供給するための供給口17が設けられ、下側には、混練物を回転ロール15、16間に向けて排出する押出口18が設けられている。
また、ホッパー13の内部には、ホッパー13内の混練物を回転ロール15、16間の隙間14へ押し込む押し込みスクリュー(図示しない)が配置されている。
使用する微粉炭は、例えば、粒径が0.5mm以下の粉状石炭であり、バインダーは、例えば、特開2004−149647号公報に開示された石炭からコークスを製造する際に副生されるタール類のものが好ましい。このバインダーの添加量は、少な過ぎれば、バインダーによる微粉炭の結合効果を得ることができず、一方、多過ぎれば、混練物の搬送過程にある各種装置へのバインダーの付着が発生することから、例えば、微粉炭の5質量%以上12質量%以下とすることが好ましい。
なお、バインダーは、石炭系に限定されるものではなく、石油系のタール類でもよく、また、例えば、澱粉(例えば、コーンスターチ)や廃プラスチックを使用することもできる。
次に、混練機で得られた混練物を、更に、複数の混練物供給ホッパー(図示しない)へ供給して貯留した後、各混練物供給ホッパーから順次搬送手段11へ供給する。そして、図1(A)、(B)に示すように、搬送手段11により混練物を塊成機12まで搬送し、塊成機12のホッパー13の供給口17へ混練物を供給して、ホッパー13内で一旦滞留させた後、ホッパー13の押出口18を介して、所定量ずつ連続的に混練物を回転ロール15、16上へ供給する。
混練物は、一対の回転ロール15、16により塊成化されるが、塊成に際しては、混練物と回転ロール15、16表面との摩擦抵抗を大きくし、混練物の回転ロール15、16への噛み込みを容易とするため、前記したように微粉炭にバインダーを添加して前記混練機で混練しており、その結果、混練物は上記した粒度となる。
このため、回転ロール15、16の軸方向と直交する方向では、搬送手段11での移動による慣性力により、ホッパー13の前側(搬送方向下流側)に多くの粗粒が流れ込むが(図1(B)の側面図参照)、回転ロール15、16の軸方向、即ちホッパー13の幅方向(左右方向)では、上記した慣性力が働かないため、混練物中の粗粒は、回転ロール15、16の軸方向全体にわたって略均等に分配供給される(図1(B)の正面図参照)。
なお、ホッパー13内の混練物は、ホッパー13内での粒度分布が大きく変わらない状態で、回転ロール15、16上に供給される。
なお、図2(A)、(B)の2本の線は、それぞれ回転ロールの軸芯方向の一方側と他方側における一対の回転ロールの間隔(ロール間隔)をグラフ化したものである。即ち、2本の線の間隔が狭ければ狭いほど、一対の回転ロールは、平面視して平行状態を維持し、2本の線の間隔が広がるに伴い、一対の回転ロールは、平面視してハ字状に広がっていることを意味する。
従って、一対の回転ロールの回転で、上記した粒度の混練物を噛込みながら加圧して塊成するに際し、対向する回転ロール間の隙間が、回転ロールの他方側(搬送方向上流側)から一方側(搬送方向下流側)へかけ、上記した図2(A)に比較して大きく広がる。これにより、一対の回転ロール間の隙間は、図2(B)に示すように、最も広がった部分で最も狭い部分よりも4mm程度大きく広がり、混練物を部分的に塊成化できず、塊成炭の歩留りが低下し、また、回転ロールの軸受部のベアリングの変形(破損)により、塊成機の操業トラブルを招くため、塊成炭の生産効率が低下する。
なお、2.8mm以上が20質量%未満の混練物は、上記した現象、即ち対向する回転ロール間の隙間が、回転ロールの他方側から一方側へかけて広がる現象が小さくなる。
つまり、本願発明者らは、上記した粒度の混練物を塊成化するに際して直面した問題を解決するにあたり、混練物の搬送手段による搬送を、平面視して回転ロールの軸方向と直交する方向に行うことに想到したものであり、本発明の微粉炭の塊成方法が極めて優れた方法であることは明らかである。
上記した方法で、塊成機12により塊成された平板状の塊成炭は、塊成機12の下方に配置された搬出手段(例えば、搬出コンベアや搬出シュート)により、コークス炉側(下流側)へと搬送され、コークスの原料に使用される。
まず、粒径が0.5mm以下の微粉炭を、タール系のバインダーと共に混練機で撹拌して混練物とし、この混練物を複数の混練物供給ホッパーへ供給して貯留した後、順次スクリューコンベアへ供給し、塊成機のホッパーを介して回転ロールへ送り塊成炭を製造した。この混練物供給ホッパー内(スクリューコンベアの搬送前)の混練物の粒度と、塊成機のホッパー内の混練物の粒度を、表1に示す。この混練物の粒度の測定は、網目が2.8mmと0.6mmの各篩を使用し、2.8mmは手ぶるいで篩分け(篩時間:2分間)し、0.6mmは自動で篩分け(篩時間:5分間)した。
そして、この混練物を一対の回転ロールで塊成化したところ、混練物中の粗粒により、対向する回転ロール間の隙間が、回転ロールの他方側から一方側へかけて広がり(最も広い部分で10mm程度)、混練物の塊成化が部分的に行われず、塊成炭の歩留り低下を招き(60〜70質量%程度)、また、この広がりに伴って回転ロールのベアリングが傾き、塊成機の操業トラブルが発生した。
この混練物を、一対の回転ロールで塊成化したところ、一対の回転ロールの軸芯を平行状態に維持できるため、混練物を安定に塊成でき、塊成炭の歩留り向上が図れ(85〜90質量%程度)、また回転ロールのベアリングの傾きもないため、塊成機を安定に操業できた。
また、前記実施の形態においては、混練物を、ホッパーを介して一対の回転ロール間へ供給した場合について説明したが、ホッパーを介することなく一対の回転ロール間へ供給することもできる。
Claims (2)
- 粒径が0.5mm以下の粉状石炭からなる微粉炭にバインダーを添加し混練して得られた2.8mm以上が20質量%以上40質量%以下かつ0.6mm未満が50質量%以上70質量%以下の粒度を有する混練物を、搬送手段で搬送し、隙間を有して平行に配置された一対の回転ロール間へ前記混練物を供給して塊成化するに際し、前記搬送手段による前記混練物の搬送を、平面視して前記回転ロールの軸方向と直交する方向に行うことを特徴とする微粉炭の塊成方法。
- 請求項1記載の微粉炭の塊成方法において、前記混練物の前記一対の回転ロール間への供給は、該一対の回転ロールの直上に設けられ、該回転ロールの軸方向に幅広としたホッパーを介して行うことを特徴とする微粉炭の塊成方法。
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JP2013007364A JP6060696B2 (ja) | 2013-01-18 | 2013-01-18 | 微粉炭の塊成方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013007364A Active JP6060696B2 (ja) | 2013-01-18 | 2013-01-18 | 微粉炭の塊成方法 |
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- 2013-01-18 JP JP2013007364A patent/JP6060696B2/ja active Active
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