JP2008034889A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、発光特性を著しく改善する。
【解決手段】 基板(201)と窒素を含む活性層(204)との間にAlを含む半導体層(202)が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層(204)の酸素濃度が、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度(例えば1×1018cm−3以下)であることを特徴としている。これによって、活性層(204)の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を形成することが可能となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、半導体発光素子に関する。
従来、特許文献1では、GaInNAs活性層とAlを含む層を直接接して成長すると、界面に窒素が偏析して表面モフォロジーが劣化し、発光強度が著しく低下してしまう。それを改善する方法として、GaInNAs層に直接接する層にはAlを含まないようにする構造が提案されている。
特許文献2では、GaInNP活性層とAlGaInPクラッド層との間に、AlとNを構成元素として含まない中間層を設けることにより、結晶性、発光効率を改善している。
しかし、中間層を設けた場合でも、Alを含む半導体層上に形成したGaInNAs活性層の発光効率の低下が報告されている。すなわち、非特許文献1には、同じMOCVD成長室でAlGaAsクラッド層上に連続的にGaInNAs量子井戸層を成長すると、フォトルミネッセンス強度が著しく劣化することが報告されている。上記文献においては、フォトルミネッセンス強度を改善するために、AlGaAsクラッド層とGaInNAs活性層を異なるMOCVD成長室で成長させている。
特開平10−126004号公報 特開2000−4068号公報 Electoron.Lett., 2000, 36 (21),pp1776-1777
図1は、本願の発明者によるMOCVD装置で作製したGaInNAs量子井戸層とGaAsバリア層とからなるGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造の室温フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。なお、図1において、符号AはAlGaAsクラッド層上にGaAs中間層をはさんで2重量子井戸構造を形成した試料を示すものであり、符号BはGaInPクラッド層上にGaAs中間層をはさんで2重量子井戸構造を連続的に形成した試料を示すものである。
図1に示すように、試料Aでは試料Bに比べてフォトルミネッセンス強度が半分以下に低下している。このことから、1台のMOCVD装置を用いて、AlGaAs等のAlを構成元素として含む半導体層上に、GaInNAs等の窒素を含む活性層を連続的に形成すると、従来例と同様に、活性層の発光強度が劣化してしまうという問題が生じることがわかる。このため、AlGaAsクラッド層上に形成したGaInNAs系レーザの閾電流密度は、GaInPクラッド層上に形成した場合に比べて2倍以上高くなってしまうという問題がある。
本発明は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、発光特性を著しく改善することの可能な半導体発光素子を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度は、中間層の非発光再結合準位形成不純物の濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層の酸素濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層の酸素濃度は、中間層の酸素濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層における酸素濃度は、1.5×1018cm−3未満であることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層における酸素濃度は、3×1017cm−3以下であることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層のAl濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層のAl濃度は、中間層のAl濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層のAl濃度は、2×1019cm−3未満であることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層のAl濃度は、1.5×1018cm−3以下であることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、基板と窒素を含む活性層との間に、Alを含む半導体層で一部または全部が構成された半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、光を基板と垂直方向に取り出す面発光型の構造のものとなっていることを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であるので、活性層の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を提供することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度は、中間層の非発光再結合準位形成不純物の濃度と同じか、またはそれ以下であるので、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性を得ることができる。
また、請求項3記載の発明によれば、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層の酸素濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であるので、活性層の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を提供することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層の酸素濃度は、中間層の酸素濃度と同じか、またはそれ以下であるので、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性を得ることができる。
また、請求項5記載の発明によれば、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層における酸素濃度は、1.5×1018cm−3未満であるので、活性層の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を提供することができる。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層における酸素濃度は、3×1017cm−3以下であるので、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等のレーザ特性を得ることができる。
また、請求項7記載の発明によれば、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層のAl濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であるので、活性層の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を提供することができる。
また、請求項8記載の発明によれば、請求項7記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層のAl濃度は、中間層のAl濃度と同じか、またはそれ以下であるので、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成する場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性を得ることができる。
また、請求項9記載の発明によれば、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層のAl濃度は、2×1019cm−3未満であるので、活性層の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を提供することができる。
また、請求項10記載の発明によれば、請求項9記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層のAl濃度は、1.5×1018cm−3以下であるので、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成する場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等のレーザ特性を得ることができる。
また、請求項11記載の発明によれば、請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、基板と窒素を含む活性層との間に、Alを含む半導体層で一部または全部が構成された半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、光を基板と垂直方向に取り出す面発光型の構造のものとなっており、光を基板と垂直方向に取り出す面発光型の構造のものとなっている場合にも、窒素を含む活性層中のAl及び酸素濃度を低減することにより、高発光効率の活性層を形成することができる。すなわち、面発光型半導体発光素子に用いられる下部半導体多層膜反射鏡の電気抵抗や熱抵抗を低減して温度特性を向上させるためには、低屈折率層としてAlを含む半導体層を用いる必要があるが、本発明では、Alを含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、窒素を含む活性層中のAl及び酸素濃度を低減することにより、高発光効率の活性層を形成することができる。従って、低閾電流で、70℃以上まで動作可能な面発光型半導体発光素子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は、基板と窒素を含む半導体層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子の一例を示す図である。図2の半導体発光素子では、基板201上に、Alを含む第1の半導体層202と、中間層203と、窒素を含む活性層204と、中間層203と、第2の半導体層205とが順次に積層されている。
ここで、基板201には、例えばGaAs,InP,GaP等の化合物半導体基板が用いられる。
また、Alを構成元素として含む第1の半導体層202には、AlAs,AlP,AlGaAs,AlInP,AlGaInP,AlInAs,AlInAsP,AlGaInAsP等の材料を用いることができる。なお、第1の半導体層202は、単一層の場合だけでなく、Alを構成元素として含む半導体層が複数積層されたものであってもよい。
また、中間層203は、構成元素としてAlを含んでおらず、例えばGaAs,GaP,InP,GaInP,GaInAs,GaInAsP等の材料で構成されている。
また、窒素を含む活性層204には、例えばGaNAs,GaPN,GaInNAs,GaInNP,GaNAsSb,GaInNAsSb等の材料が用いられ、窒素を含む活性層204は、Al原料を意図的に導入することなく結晶成長されている。また、活性層204は、単一層の場合だけでなく、窒素を含む半導体を井戸層とし、中間層材料を障壁層とする多重量子井戸構造で構成することも可能である。
図2の半導体発光素子の各層のエネルギーバンドギャップは、活性層204,中間層203,第1の半導体層202,第2の半導体層205という順に大きくなっている。なお、第2の半導体層205は、第1の半導体層202と同じ材料で構成されることが一般的であるが、必ずしも同じ材料である必要はなく、また、Alを含まない材料で構成することも可能である。
図2の半導体発光素子は、有機金属Al原料と窒素化合物原料を用いたエピタキシャル成長装置を用いて、結晶成長を行なうことができる。ここで、有機金属Al原料としては、例えばTMA,TEAを用いることができる。また、窒素化合物原料としては、DMHy,MMHy等の有機窒素原料やNHを用いることができる。また、結晶成長方法としては、MOCVD法あるいはCBE法を用いることができる。
図3は、図2の半導体発光素子の一例として、第1の半導体層202,第2の半導体層205をAlGaAsとし、中間層203をGaAsとし、窒素を含む活性層204をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した半導体発光素子を、1台のエピタキシャル成長装置(MOCVD)を用いて形成したときの、窒素(N)濃度と酸素(O)濃度の深さ方向分布を示す図である。なお、この測定はSIMSによって行った。次表(表1)に測定条件を示す。
Figure 2008034889
図3において、GaInNAs/GaAs2重量子井戸構造に対応して、活性層204中に2つの窒素濃度ピークが見られる。そして、活性層204において、酸素濃度のピークが検出されている。しかし、Alを含まない中間層203における酸素濃度は、活性層204の酸素濃度よりも約1桁低い濃度となっている。
一方、第1の半導体層202,第2の半導体層205をGaInPとし、中間層203をGaAsとし、窒素を含む活性層204をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した半導体発光素子について、酸素濃度の深さ方向分布を測定した場合には、活性層204中の酸素濃度はバックグラウンドレベルであった。
すなわち、窒素化合物原料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル成長装置により、基板(201)と窒素を含む活性層(204)との間にAlを含む半導体層(202)を設けた半導体発光素子を連続的に結晶成長すると、窒素を含む活性層(204)中に酸素が取り込まれることが本願の発明者の実験により明らかとなった。活性層(204)に取り込まれた酸素は非発光再結合準位を形成するため、活性層(204)の発光効率を低下させてしまう。この活性層(204)に取り込まれた酸素が、基板(201)と窒素を含む活性層(204)との間にAlを含む半導体層(202)を設けた半導体発光素子における発光効率を低下させる原因であることが新たに判明した。
なお、MBE法のように、有機金属Al原料と窒素化合物原料を用いない結晶成長方法で作製した場合には、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子における発光効率低下については報告されていない。このことから、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子における発光効率低下は、有機金属Al原料と窒素化合物原料を用いるMOCVD法により結晶成長する場合に、特に大きな問題となっている。
本発明は、本願の発明者による上記のような知見に基づいて、なされたものである。
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態は、基板(201)と窒素を含む活性層(204)との間にAlを含む半導体層(202)が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層(204)の酸素濃度が、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴としている。これによって、活性層(204)の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を形成することが可能となる。
次表(表2)には、AlGaAsをクラッド層(Alを含む層)とし、GaInNAs2重量子井戸構造(窒素を含む層)を活性層としたブロードストライプレーザを試作して室温パルス動作で閾電流密度を評価した結果が示されている。
Figure 2008034889
表2から、Alを構成元素として含む半導体層に、窒素を含む活性層を連続的に形成した構造においては、活性層中に1.5×1018cm−3の酸素が取りこまれているため、閾電流密度は著しく高くなっており、10kA/cmまで電流を注入してもレーザ発振しなかった。これに対し、活性層中の酸素濃度を1.5×1018cm−3未満に低減することで、レーザ発振が可能となった。例えば、活性層中の酸素濃度を9×1017cm−3に低減すると、閾電流密度は2〜3kA/cmとなった。ブロードストライプレーザの閾電流密度が3kA/cm以下の活性層品質であれば、室温連続発振が可能となる。従って、窒素を含む活性層中の酸素濃度を1.5×1018cm−3未満に抑制することにより、室温連続発振可能な半導体レーザを作製することが可能となる。
第2の実施形態
また、本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態の半導体発光素子において、Alを含む半導体層(202)と窒素を含む活性層(204)との間に中間層(203)が設けられており、窒素を含む活性層(204)の酸素濃度が、中間層(203)の酸素濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴としている。
ここで、中間層(203)は、構成元素としてAlを含まない材料から構成されており、Alを含む半導体層(202)と窒素を含む活性層(204)とが直接接することがないようようにしている。これにより、窒素を含む活性層(204)を成長するため成長室に窒素原料を供給するときに、窒素との化学結合が強いAlが表面に露出していないため、表面に窒素が異常偏析することを抑制している。
MOCVD法により、窒素を含まない活性層(例えば、GaAsやGaInAs活性層)を、Alを含む半導体層上に形成した場合には、活性層の発光特性の劣化は報告されておらず、問題になっていない。従って、窒素を含まない中間層と同じ程度まで、窒素を含む活性層の酸素濃度を低減してやると、酸素に起因する劣化のない高品質の活性層が得られるようになる。
図3に示した酸素濃度の深さ方向分布の測定結果より、中間層203における酸素濃度は2×1017〜7×1016cm−3となっている。従って、窒素を含む活性層(204)の酸素濃度を少なくとも2×1017cm−3以下に低減することで、高品質の活性層(204)を得ることができる。
図4は、GaInNAs/GaAs2重量子井戸構造の室温フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。なお、図4において、実線は、第1の半導体層202がAlGaAs層であり、AlGaAs層上に中間層を介してGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造を形成して、GaInNAs井戸層の酸素濃度を2×1017cm−3以下に設定した場合であり、点線は、第1の半導体層202がGaInP層であり、GaInP層上にGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造を形成した場合である。
図4に示すように、窒素を含む活性層の酸素濃度を2×1017cm−3以下まで低減することにより、Alを構成元素として含む半導体層(202)上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、GaInP層上に窒素を含む活性層を形成した場合と同等のフォトルミネッセンス強度が得られるようになった。従って、Alを構成元素として含む半導体層上に高発光効率の窒素を含む活性層を形成することができた。
また、表2に示したように、活性層中の酸素濃度を3×1017cm−3以下に低減すると、ブロードストライプレーザにおいて、AlGaAsクラッド層を用いた場合でもGaInPクラッド層を用いた場合と同等の閾電流密度0.8kA/cmが得られた。
従って、窒素を含む活性層の酸素濃度を3×1017cm−3以下にすることにより、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性が得られるようになった。
第3の実施形態
図5は、図2に示した半導体発光素子の一例として、第1の半導体層202,第2の半導体層205をAlGaAsとし、中間層203をGaAsとし、活性層204をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した半導体発光素子を、1台のエピタキシャル成長装置(MOCVD)を用いて形成したときの、Al濃度の深さ方向分布の測定結果を示す図である。なお、測定はSIMSによって行った。また、次表(表3)には測定条件を示す。
Figure 2008034889
図5から、本来Al原料を導入していない活性層204において、Alが検出されている。しかし、Alを含む半導体層202,205に隣接した中間層203においては、Al濃度は活性層204よりも約1 桁低い濃度となっている。これは、活性層204中のAlが、Alを含む半導体層202,205から拡散,置換して混入したものではないことを示している。
一方、GaInPのようにAlを含まない半導体層上に窒素を含む活性層を成長した場合には、活性層中にAlは検出されなかった。
従って、図5において活性層204中に検出されたAlは、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alが、窒素化合物原料または窒素化合物原料中の不純物(水分等)と結合して活性層204中に取り込まれたものである。すなわち、窒素化合物原料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル成長装置により、基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層を設けた半導体発光素子を連続的に結晶成長すると、窒素を含む活性層中に自然にAlが取り込まれてしまうことが本願の発明者により新たにわかった。
図3に示した同じ半導体発光素子における、窒素濃度と酸素濃度の深さ方向分布と比較すると、2重量子井戸活性層204中の酸素ピークプロファイルは、窒素濃度のピークプロファイルと対応しておらず、図5のAl濃度プロファイルと対応している。このことから、GaInNAs井戸層中の酸素不純物は、窒素原料と共に取り込まれるというよりも、むしろ井戸層中に取り込まれたAlと結合して一緒に取り込まれていることが明らかとなった。すなわち、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alが窒素化合物原料と接触すると、Alと窒素化合物原料中に含まれる水分や配管または反応管中に残留した酸素や水分とが結合して、活性層204中にAlと酸素が取り込まれる。この活性層204に取り込まれた酸素が活性層の発光効率を低下させていたことが本願の発明者の実験により初めて明らかとなった。
次表(表4)には、AlGaAsをクラッド層(Alを含む層)とし、GaInNAs2重量子井戸構造(窒素を含む層)を活性層としたブロードストライプレーザを試作して閾電流密度を評価した結果を示している。
Figure 2008034889
表4から、Alを構成元素として含む半導体層に、窒素を含む活性層を連続的に形成した構造においては、活性層中に2×1019cm−3のAlが取り込まれており、パルス電流を10kA/cmまで注入してもレーザ発振しなかった。しかし、活性層中のAl濃度を2×1019cm−3未満に低減することにより、活性層中の酸素濃度が1.5×1018cm−3未満に低減され、ブロードストライプレーザが発振した。ブロードストライプレーザの閾電流密度が3kA/cm以下の活性層品質であれば、室温連続発振が可能である。従って、窒素を含む活性層中のAl濃度を2×1019cm−3未満に抑制することにより、室温連続発振可能な半導体レーザを作製することが可能である。
このように、本発明の第3の実施形態においては、基板(201)と窒素を含む活性層(204)との間に、Alを含む半導体層(202)を設けた半導体発光素子において、窒素を含む活性層(204)のAl濃度を半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度、より具体的には2×1019cm−3未満にすることによって、活性層(204)の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を形成することが可能となる。
第4の実施形態
本発明の第4の実施形態においては、上述した第3の実施形態の半導体発光素子において、Alを含んだ半導体層(202)と窒素を含む活性層(204)との間に中間層(203)が設けられており、窒素を含む活性層(204)のAl濃度が中間層(203)のAl濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴としている。
中間層(203)は、構成元素としてAlを含まない材料から構成されており、Alを含む半導体層(202)と窒素を含む活性層(204)とが直接接することがないようようにしている。これにより、窒素を含む活性層(204)を成長するため成長室に窒素原料を供給するときに、窒素との化学結合が強いAlが表面に露出していないため、表面に窒素が異常偏析することを抑制している。
図5から、窒素化合物原料と有機金属Al原料を反応室に供給せずに成長した中間層203におけるAl濃度は1.5×1018cm−3以下となっている。活性層204中に取り込まれたAl濃度が1.5×1018cm−3以下の場合に、活性層204中の酸素不純物濃度は2×1017cm−3以下に低減できる。
また、表4に示したように、活性層中のAl濃度を1.5×1018cm−3以下に低減すると、ブロードストライプレーザにおいて、AlGaAsクラッド層を用いた場合でも、GaInPクラッド層を用いた場合と同等の閾電流密度0.8kA/cmが得られた。
従って、窒素を含む活性層(204)のAl濃度を1.5×1018cm−3以下にして、窒素を含む活性層(204)のAl濃度が中間層(203)のAl濃度と同じか、またはそれ以下にすることにより、Alを構成元素として含む半導体層(202)上に窒素を含む活性層(204)を形成した場合でも、Alを含まない半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合と同等の発光特性が得られる。
第5の実施形態
本発明の第5の実施形態においては、上述した第1乃至第4の実施形態の半導体発光素子において、Alを含む半導体層(202)を成長させてから窒素を含む活性層(204)を成長させるまでの結晶成長を大気中に取り出さずに行なうことを特徴としている。
前述した従来技術,すなわち文献「Electoron.Lett., 2000, 36 (21), pp1776-1777」においては、Alを含んだ半導体層と窒素を含む半導体層とを別々のMOCVD装置で成長させることによって、活性層の発光効率を改善させている。
これに対し、本発明の第5の実施形態においては、1台の結晶成長装置を用い、かつAlを含んだ半導体層(202)の成長後から窒素を含む活性層(204)成長まで大気中に取り出さないで結晶成長させた場合でも、窒素を含む活性層(204)のAl濃度を例えば1×1019cm−3以下に低減し、窒素を含む活性層(204)の酸素濃度を1×1018cm−3以下に低減することによって、半導体発光素子の発光特性を改善して室温連続発振させることができる。従って、製造工程が簡便となり、また製造コストを低減することができる。
第6の実施形態
前述したように、Alを構成元素として含む半導体層(202)を成長させると、成長室内にAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alが残留する。その後、窒素を含む活性層(204)を結晶成長する際に、成長室に窒素化合物原料を供給すると、窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる水分等の不純物と、化学的に活性なAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alとが化学結合して、活性層(204)中にAlが取り込まれることが新たに判明した。
また、Alと窒素化合物原料中に含まれる水分や配管または反応管中に残留した酸素や水分とが反応して、酸素不純物も同時に活性層(204)に取り込まれており、活性層の発光効率を低下させてしまう。
そこで、本発明の第6の実施形態では、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けたことを特徴としている。これにより、窒素を含む活性層(204)を成長するため成長室に窒素化合物原料を供給したときに、残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alと、窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物とが反応する割合を低減することができ、活性層(204)に取り込まれるAl及び酸素不純物の濃度を低減することができる。
例えば、窒素を含む活性層(204)中のAl濃度を2×1019cm−3未満に低減することにより、室温連続発振が可能となる。さらに、窒素を含む活性層(204)中のAl濃度を1.5×1018cm−3以下に低減することにより、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性が得られた。
第7の実施形態
本発明の第7の実施形態は、第6の実施形態をより具体化したものであり、Alを含む半導体層(202)の成長後と窒素を含む活性層(204)の成長開始との間に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alをキャリアガスでパージする工程を設けたことを特徴としている。
ここで、パージ工程の時間は、Alを含む半導体層(202)の成長が終了して成長室へのAl原料の供給を停止してから、窒素を含む活性層(204)の成長を開始するために窒素化合物原料を成長室に供給するまでの時間間隔をいう。
Alを構成元素として含む半導体層を成長させると、前述のように成長室内にAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alが残留するが、キャリアガスで成長室内をパージすることにより、成長室内に残留したAlの濃度を次第に低下させることが可能である。
次表(表5)は、本願の発明者のMOCVD装置で作製した、基板(201)と窒素を含む活性層(204)との間にAlを含む半導体層(202)を設けた半導体発光素子において、Alを含む半導体層(202)の成長後と窒素を含む活性層(204)の成長開始との間に設けたパージ時間と、活性層(204)中のAl濃度の関係を示している。
Figure 2008034889
表5より、パージ時間10分程度で活性層中のAl濃度を1×1019cm−3以下に低減することができる。従って、10分間以上のパージ時間を設けることにより、活性層の発光効率を改善して、室温連続発振する半導体発光素子を形成することができる。
さらに、望ましくは30分以上のパージ時間を設けることにより、Al濃度を1×1018cm−3以下まで低減することができる。これにより、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性を得ることができる。
図6は、本発明の第7の実施形態による半導体発光素子の一例を示す図である。図6の半導体発光素子は、基板201上に、Alを構成元素として含む第1の半導体層202と、第1の下部中間層601と、第2の下部中間層602と、窒素を含む活性層204と、上部中間層203と、第2の半導体層205とが順次に積層されて構成されている。
図6の半導体発光素子の製造方法としては、有機金属Al原料と有機窒素原料を用いてエピタキシャル成長させることができる。そして、第1の下部中間層601の成長後と第2の下部中間層602の成長開始との間に成長中断工程を設けたことを特徴としている。そして、成長中断中に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを、キャリアガスである水素でパージして除去している。
図7(a)は、第1の下部中間層601と第2の下部中間層602との間で成長中断し、パージ時間を60分設けた半導体発光素子におけるAl濃度の深さ方向分布の測定結果を示す図である。第1の下部中間層601と第2の下部中間層602との間で成長中断し、パージ時間を60分設けるときには、図7(a)からわかるように、活性層204中のAl濃度は3×1017cm−3以下まで低減することができる。この値は、中間層中のAl濃度と同程度となっている。
また、図7(b)は、同じ素子について、窒素(N)濃度と酸素(O)濃度の深さ方向分布を測定した結果を示す図である。図7(b)からわかるように、活性層204中の酸素濃度は、1×1017cm−3程度とバックグラウンドレベルまで低減できた。
なお、下部中間層中で酸素濃度にピークが現れているのは、成長中断界面に酸素が偏析したためである。
この半導体発光素子は、第1の下部中間層601と第2の下部中間層602の間で成長中断し、パージ時間を60分設けることにより、窒素を含む活性層204中のAlやO等の不純物濃度を低減することができた。これにより、窒素を含む活性層の発光効率を改善することができた。
また、成長室内をキャリアガスでパージする工程において、サセプターを加熱しながらパージすることもできる。ここで、サセプターとは基板を高温に加熱する支持体のことである。サセプターは、高周波誘導加熱や抵抗加熱、あるいはランプ加熱等によって加熱される。基板はサセプター上に直接接して加熱させられる場合や、または、基板とサセプターの間に搬送用トレイ等が設けられる場合もある。
サセプターを加熱しながら成長室内をキャリアガスでパージすることにより、サセプターまたはサセプター周辺に吸着したAl原料や反応生成物を脱ガスさせて、効率良く除去することができる。そのため、成長室内をキャリアガスでパージするのみの場合よりも短時間で反応室内に残留したAl原料や反応生成物を除去することが可能となる。
ただし、基板を同時に加熱する場合は、最表面の半導体層205が熱分解するのを防止するため、成長中断中においてもAsHもしくはPH等のV 族原料ガスを成長室に供給し続ける必要がある。
また、成長室内をキャリアガスでパージする際に、基板を成長室から別室に搬送しておくこともできる。基板を成長室から別室に搬送することにより、サセプターを加熱しながらパージを行う際に、AsHもしくはPH等のV族原料ガスを成長室に供給する必要がない。従って、サセプターまたはサセプター周辺に堆積したAlを含む反応生成物の熱分解をより促進させることができる。これにより、効率よく成長室内のAl濃度を低減することができる。
また、搬送用トレイを用いている場合には、サセプターと同時に搬送用トレイも同時に加熱することが望ましい。これにより、搬送用トレイに付着したAlを含む反応生成物を効率よく除去することができる。
Alを含む半導体層(例えばAlGaAsクラッド層)の成長後と窒素を含む活性層(例えばGaInNAs活性層)の成長開始との間に、サセプターを加熱しながら、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alをキャリアガスでパージする工程を設けることにより、ブロードストライプレーザにおいて、GaInPクラッド層を有するレーザと同等の閾電流密度が得られた。
第8の実施形態
本発明の第8の実施形態は、第7の実施形態において、Alを含む半導体層の成長後と窒素を含む活性層の成長開始との間に、中間層を成長しながら、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alをキャリアガスでパージする工程を設けたことを特徴としている。
図6に示した半導体発光素子においては、第1の下部中間層601の成長後と第2の下部中間層602の成長開始との間に成長中断工程を設けることで、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alをキャリアガスでパージする。
一方、この第8の実施形態では、成長中断を長く設けることなく、中間層を成長させながらパージを行っている。中間層は構成元素としてAlを含んでいないため、中間層の成長時に成長室にAl原料を導入することがない。従って、中間層成長時でも、原料ガスを含むキャリアガスで成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alをパージすることが可能である。
成長中断工程を長時間設けた場合、中断界面にO,C,Si等の不純物が偏析して非発光再結合準位が形成される恐れがある。しかし、中間層を成長しながらパージを行うことで、不純物の偏析を抑制することができる。
例えば、0.1μmの層厚の中間層を成長しながら成長室のパージを行う場合には、中間層の成長速度を0.6μm/h以下の速度に低下させることで、10分間以上のパージ時間を設けることができる。望ましくは、中間層の成長速度を0.2μm/h以下まで低下させると、30分間以上のパージが行えるため、活性層中のAl濃度を1×1018cm−3以下まで低減することができる。
あるいは、例えば一般的なMOCVD法の成長速度である2μm/hで下部中間層を成長する場合には、下部中間層の層厚を0.33μm以上、望ましくは1.0μm以上に形成することにより、適切な成長室のパージ時間を設けることができる。
すなわち、下部中間層の層厚と成長速度を適切に組み合わせて、10分間以上のパージ時間を設けることにより、活性層中のAl濃度を1×1019cm−3以下に低減することができるため、室温連続発振する半導体発光素子を形成することができる。さらに、望ましくは30分間以上のパージ時間を設けることにより、Al濃度を1×1018cm−3以下まで低減し、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の特性を得ることができる。
また、成長中断によるパージ工程と中間層成長時のパージ工程とを一緒に設けることも可能である。さらには、成長中断と中間層成長を、複数回交互に実施しながらパージすることも可能である。
第9の実施形態
図8は、本発明の第9の実施形態による面発光型半導体発光素子の構成例を示す図である。図8の半導体発光素子は、半導体単結晶基板201上に、下部半導体多層膜反射鏡801と、下部スペーサ層802と、中間層203と、窒素を含む活性層204と、中間層203と、上部スペーサ層803と、上部多層膜反射鏡804とが順次に積層され形成され、光は、基板201に対して垂直方向に取り出される構造となっている。
ここで、半導体単結晶基板201としては、例えばGaAs基板が用いられる。また、下部多層膜反射鏡801は、高屈折率の半導体層と低屈折率の半導体層とを発振波長の1/4光学波長厚さで交互に積層した分布ブラッグ反射鏡となっている。高屈折率層と低屈折率層の組み合わせとしては、例えばGaAs/AlGa1−xAs(0<x≦1),AlGa1−xAs/AlGa1−yAs(0<x<y≦1),GaInP/(AlGa1−x)InP(0<x≦1)等が用いられる。
また、反射鏡801,804にはさまれた下部スペーサ層802〜上部スペーサ層803の領域は、共振器を構成しており、発振波長の1/2光学波長厚さの整数倍となっている。
また、中間層203は、構成元素としてAlを含まない材料で形成されている。例えばGaAs,GaInP,GaInAsP等で構成されている。
また、窒素を含む活性層204は、例えばGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSb等で構成されている。このような窒素系V族混晶半導体材料は、1.2〜1.6μm帯のバンドギャップ波長を有しており、GaAs基板上にエピタキシャル成長させることができる。また、活性層204は、1層の場合だけでなく、窒素を含む半導体を井戸層とする多重量子井戸構造で構成することも可能である。
また、上部多層膜反射鏡804は、下部半導体多層膜反射鏡801と同様に分布ブラッグ反射鏡となっている。上部多層膜反射鏡804の材料としては、下部反射鏡801のように半導体結晶で構成したり、SiO/TiO等の誘電体材料で構成することが可能である。
下部半導体多層膜反射鏡801の低屈折率層としてAlを構成元素として含む半導体層を用いることにより、高屈折率層との屈折率差を大きくすることができる。これにより、より少ない層数で99%以上の高反射率を得ることができる。そして、層数が少なくなると、半導体多層膜反射鏡の電気抵抗や熱抵抗を低減でき、温度特性が向上するという利点がある。
端面発光型半導体レーザの場合には、GaInP,InP,GaInAsP等のAlを含まない材料でクラッド層を構成することも可能である。しかしながら、面発光型半導体レーザの場合には、70℃以上まで動作温度を向上させるためには、AlGaAs材料系のように、下部半導体多層膜反射鏡801の低屈折率層にAlを含む半導体層を用いなければならない。
このように、Alを含む下部半導体多層膜反射鏡801上に窒素を含む活性層を形成する必要がある面発光型半導体レーザにおいて、窒素を含む活性層の発光効率低下は大きな問題となるが、本発明においては、窒素を含む活性層204中のAl濃度を1×1019cm−3以下に低減し、活性層204中の酸素濃度を1×1018cm−3以下に低減することにより、室温連続発振が可能となる。さらに、窒素を含む活性層204中のAl濃度を2×1018cm−3以下に低減し、活性層204中の酸素濃度を2×1017cm−3以下に低減することにより、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性が得られる。従って、70℃以上まで室温連続発振する面発光型半導体レーザを実現できる。
特に、窒素を含む活性層204を、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSb等で構成する場合、発振波長1.2〜1.6μmの長波長帯面発光型半導体レーザをGaAs基板上に形成できる。また、下部半導体多層膜反射鏡801として、高反射率で低抵抗のGaAs/AlGaAs材料系を用いることができるため、温度特性が良好な長波長帯面発光型半導体レーザを実現できる。
そして、発振波長1.2〜1.6μm帯は、シングルモード光ファイバの伝送に適した波長帯であり、短中距離の大容量伝送光LAN等の伝送用光源として応用できる。
上述の各実施形態では、窒素を含む活性層の非発光再結合準位形成不純物が酸素であり、窒素を含む活性層の酸素濃度が、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であるとしているが、本発明では、窒素を含む活性層の非発光再結合準位形成不純物が酸素以外のものである場合にも、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度を、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度とすることにより、活性層の発光効率を改善することができ、室温連続発振する半導体発光素子を提供することができる。
また、上述の各実施形態では、窒素を含む活性層の非発光再結合準位形成不純物が酸素であり、窒素を含む活性層の酸素濃度が、中間層の酸素濃度と同じか、またはそれ以下であるとしているが、本発明では、窒素を含む活性層の非発光再結合準位形成不純物が酸素以外のものである場合にも、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度を、中間層の非発光再結合準位形成不純物の濃度と同じか、またはそれ以下とすることにより、Alを構成元素として含む半導体層上に窒素を含む活性層を形成した場合でも、Alを含まない半導体層上に形成した場合と同等の発光特性を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
図9は、本発明の実施例1による半導体レーザを示す図である。図9の半導体レーザは、n型GaAs基板901上に、n型GaAsバッファ層902と、n型Al0.4Ga0.6Asクラッド層903と、第1のGaAs下部光導波層904と、第2のGaAs下部光導波層905と、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層906と、GaAs上部光導波層907と、p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層908と、p型GaAsコンタクト層909とが順次に積層されている。
そして、p型GaAsコンタクト層909の表面からp型Al0.4Ga0.6Asクラッド層908の途中までストライプ状にエッチングされて、リッジストライプ構造が形成されている。リッジストライプ幅は4μmとなっている。
また、p型GaAsコンタクト層909上にはp側電極910が形成されており、n型GaAs基板901の裏面にはn側電極911が形成されている。
図9に示した構造は、リッジストライプ構造に電流及び光を閉じ込めるリッジストライプ型半導体レーザとなっている。
図9の半導体レーザの結晶成長は、1台のMOCVD装置を用いて行った。ここで、III族原料としてTMG,TMA,TMIを使用し、V族原料としてAsH,DMHyを用いた。そして、実施例1の特徴は、第1のGaAs下部光導波層904の成長後と第2のGaAs下部光導波層905の成長開始との間に成長中断工程を設けて結晶成長を行った点にある。
成長中断工程としては、基板を成長室に保持した状態で、成長室にキャリアガスを流してパージした。キャリアガスで成長室をパージすることにより、n型AlGaAsクラッド層903の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを排出して、Al濃度を低下させることができる。
そして、成長中断後にGaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層906を成長させると、GaInNAs井戸層中にAl及び酸素が取り込まれるのを抑制することができる。60分間のパージ時間を設けたところ、GaInNAs井戸層中のAl濃度は3×1017cm−3以下であり、酸素濃度は2×1017cm−3以下であることが確認できた。
これにより、窒素を含む活性層906の発光効率が改善でき、室温連続発振可能なリッジストライプ型半導体レーザを形成することができた。
図10は、本発明の実施例2による面発光型半導体レーザを示す図である。図10の半導体レーザは、n型GaAs基板901上に、n型半導体多層膜反射鏡1001と、第1のGaAs下部スペーサ層1002と、第2のGaAs下部スペーサ層1003と、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層906と、GaAs上部スペーサ層1004と、AlAs層1005と、p型半導体多層膜反射鏡1006とが順次に形成された積層構造を有している。
ここで、n型半導体多層膜反射鏡1001は、n型GaAs高屈折率層とn型Al0.8Ga0.2As低屈折率層とを交互に積層した分布ブラッグ反射鏡で構成されている。同様に、p型半導体多層膜反射鏡1006も、p型GaAs高屈折率層とp型Al0.8Ga0.2As低屈折率層とを交互に積層した分布ブラッグ反射鏡で構成されている。
また、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層906は、バンドギャップ波長が1.3μm帯となっている。そして、第1のGaAs下部スペーサ層1002からGaAs上部スペーサ層1004までは、λ共振器を構成している。
そして、図10の半導体レーザは、上記積層構造を、n型半導体多層膜反射鏡1001に達するまで円筒状にエッチングして、メサ構造が形成されている。メササイズは、直径が30μmとなっている。そして、エッチングして表面が露出した側面からAlAs層1005を選択的に酸化させ、AlO絶縁領域1007を形成することにより、電流狭窄構造が形成されている。電流は、AlO絶縁領域1007によって直径が約5μmの酸化開口領域に集中して活性層906に注入される。
また、図10において、符号910はp型半導体多層膜反射鏡1006の表面に形成されたリング状のp側電極であり、また、符号911はn型GaAs基板901の裏面に形成されたn側電極である。
図10の半導体レーザでは、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層906で発光した光は、上下の半導体多層膜反射鏡1001,1006で反射して増幅され、1.3μm帯のレーザ光が基板と垂直方向に放射される。
この実施例2においては、図10の半導体レーザの結晶成長は、1台のMOCVD装置を用いて行った。ここで、III族原料としてTMG,TMA,TMIを使用し、V族原料としてAsH,DMHyを用いた。そして、実施例2の特徴は、第1のGaAs下部スペーサ層1002の成長後と第2のGaAs下部スペーサ層1003の成長開始との間に成長中断工程を設けて結晶成長を行った点にある。
成長中断工程としては、基板を成長室に設置した状態で、キャリアガスとAsHを流しながらサセプターを加熱して30分間以上パージした。成長中断中にキャリアガスで成長室内をパージすることにより、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去することができる。さらに、サセプターを加熱することにより、サセプターまたはサセプター周辺に吸着したAl原料や反応生成物を脱ガスして、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを効率良く除去することができる。
これにより、成長室内の残留Al濃度を低減させて、GaInNAs井戸層中にAl及び酸素が取り込まれるのを抑制することができる。SIMS分析により、GaInNAs井戸層中のAl濃度は2×1018cm−3以下であり、酸素濃度は2×1017cm−3以下であることが確認できた。これにより、活性層の発光効率を改善して、MOCVD法で成長した1.3μm帯GaInNAs/AlGaAs系面発光型半導体レーザの室温連続発振を実現した。
図11は、本発明の実施例3による面発光型半導体レーザを示す図である。なお、図11において、図10と同様の箇所には同じ符号を付している。図11の半導体レーザの積層構造は、図10に示した面発光型半導体レーザと類似している。図10の構造と異なっている点は、GaAs下部スペーサ層1101からGaAs上部スペーサ層1004までは、Nλ共振器(N=2,3,4,…)で構成されている点である。GaAs下部スペーサ層1101の層厚dは、
=(N―0.5)λ/n―(n/n)(d/2)
となっている。ここで、λは面発光型半導体レーザの発振波長であり、nはGaAsスペーサ層の屈折率であり、nは活性層の屈折率であり、dは活性層の層厚である。また、上部スペーサ層1004の層厚dは、
=0.5λ/n―(n/n)(d/2)
となっている。
例えば、N=4,λ=1300nm,d=30nmの場合、GaAs下部スペーサ層1101の層厚は約1.3μmとなる。この層厚1.3μmのGaAs下部スペーサ層1101を1μm/hの成長速度で成長すると、78分の時間がかかる。実施例3では、GaAs下部スペーサ層1101を成長しながら、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alをパージしている。すなわち、60分間以上のパージ工程を、特別に長時間の成長中断工程を設けることなく実施することができる。これにより、Alを含む下部反射鏡1001上に形成したGaInNAs井戸層中に混入するAl及び酸素濃度を低減して、発光効率を改善することができる。
また、長時間の成長中断工程を設けていないため、スペーサ層中に不要な不純物が偏析することがない。
また、Nλ共振器構造のように共振器長を長くすると、酸化開口径を10μmと広くした場合でも、高い光出力までシングルモード動作を維持することが可能となる。従って、高出力のシングルモード面発光半導体レーザを形成することができる。
図12は、本発明の実施例4による半導体レーザを示す図である。図12の半導体レーザは、六方晶単結晶基板1201上に、AlGaN低温バッファ層1202、n型GaNバッファ層1203、n型Al0.15Ga0.85Nクラッド層1204、GaN下部光導波層1205、InGaN/GaN多重量子井戸活性層1206、GaN上部光導波層1207、p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層1208、p型GaNコンタクト層1209が順次に積層されている。
ここで、六方晶単結晶基板1201としては、サファイア,SiC,ZnO,GaN,AlN等の材料が用いられる。
そして、p型GaAsコンタクト層1209の表面からp型Al0.15Ga0.85Nクラッド層1208の途中までストライプ状にドライエッチングされて、リッジストライプ構造が形成されている。リッジストライプ幅は3μmとなっている。
また、p型GaNコンタクト層1209上にはp側電極1210が形成されている。また、p型Al0.15Ga0.85Nクラッド層1208からn型GaNバッファ層1203に達するまでドライエッチングされて、n型GaNバッファ層1203が露出したテラス上にn側電極1211が形成されている。
図12の半導体レーザは、リッジストライプ構造に電流及び光を閉じ込めるリッジストライプ型半導体レーザとなっている。
この実施例4においては、図12の半導体レーザの結晶成長は、1台のMOCVD装置を用いて行った。ここで、III族原料としてTMG,TMA,TMIを使用し、V族原料としてNH及びDMHyを用いた。そして、実施例4の特徴は、GaN下部光導波層1205の成長中に成長中断工程を設けた点にある。成長中断工程としては、基板を成長室に保持した状態で、成長室にキャリガスを流してパージした。キャリガスで成長室をパージすることにより、n型AlGaNクラッド層1204の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを排出して、Al濃度を低下させることができる。
図12の構成において、InGaN井戸層は、AlGaNクラッド層1204やGaN光導波層1205に比べて成長温度が低いため、膜中に酸素が取りこみやすい成長条件となっている。しかし、成長中断によるパージ工程を行った後にInGaN/GaAs多重量子井戸活性層1206を成長させることにより、InGaN井戸層中に、Alと結合して酸素が取り込まれるのを抑制することができる。これにより、窒素を含む活性層1206の発光効率を改善して、青色半導体レーザの閾電流密度を低減することができる。
GaInNAs/GaAs2重量子井戸構造の室温フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 基板と窒素を含む半導体層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子の一例を示す図である。 半導体発光素子の窒素濃度,酸素濃度の深さ方向分布を示す図である。 半導体発光素子の室温フォトルミネッセンススペクトルを示す図である。 半導体発光素子のAl濃度の深さ方向分布を示す図である。 本発明の第7の実施形態による半導体発光素子の一例を示す図である。 (a)は成長中断を設けた半導体発光素子の窒素濃度,酸素濃度の深さ方向分布を示す図であり、(b)は成長中断を設けた半導体発光素子のAl濃度深さ方向分布を示す図である。 本発明の第9の実施形態による面発光型半導体発光素子の構成例を示す図である。 実施例1によるリッジストライプ型半導体レーザを示す図である。 実施例2による面発光型半導体レーザを示す図である。 実施例3による面発光型半導体レーザを示す図である。 実施例4による半導体レーザを示す図である。
符号の説明
201 基板
202 Alを含む第1の半導体層
203 中間層
204 窒素を含む活性層
205 第2の半導体層
601 第1の下部中間層
602 第2の下部中間層
801 下部半導体多層膜反射鏡
802 下部スペーサ層
803 上部スペーサ層
804 上部多層膜反射鏡
901 n型GaAs基板
902 n型GaAsバッファ層
903 n型Al0.4Ga0.6Asクラッド層
904 第1のGaAs下部光導波層
905 第2のGaAs下部光導波層
906 GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層
907 GaAs上部光導波層
908 p型Al0.4Ga0.6Asクラッド層
909 p型GaAsコンタクト層
910 p側電極
911 n側電極
1001 n型GaAs/Al0.8Ga0.2As半導体多層膜反射鏡
1002 第1のGaAs下部スペーサ層
1003 第2のGaAs下部スペーサ層
1004 GaAs上部スペーサ層
1005 AlAs層
1006 p型GaAs/Al0.8Ga0.2As半導体多層膜反射鏡
1007 AlO絶縁領域
1101 GaAs下部スペーサ層
1201 六方晶単結晶基板
1202 低温AlGaNバッファ層
1203 n型GaNバッファ層
1204 n型AlGaNクラッド層
1205 GaN下部光導波層
1206 InGaN/GaN多重量子井戸活性層
1207 GaN上部光導波層
1208 p型AlGaNクラッド層
1209 p型GaNコンタクト層
1210 p側電極
1211 n側電極

Claims (11)

  1. 基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 請求項1記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層における非発光再結合準位形成不純物の濃度は、中間層の非発光再結合準位形成不純物の濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層の酸素濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項3記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層の酸素濃度は、中間層の酸素濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層における酸素濃度は、1.5×1018cm−3未満であることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項5記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層における酸素濃度は、3×1017cm−3以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層のAl濃度は、半導体発光素子が室温連続発振可能となる濃度であることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項7記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層のAl濃度は、中間層のAl濃度と同じか、またはそれ以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  9. 基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子において、窒素を含む活性層は、窒素化合物原料を用いて成長され、Alを含む半導体層は、有機金属Al原料を用いて成長されており、窒素を含む活性層のAl濃度は2×1019cm−3未満であることを特徴とする半導体発光素子。
  10. 請求項9記載の半導体発光素子において、Alを含む半導体層と窒素を含む活性層との間に中間層が設けられており、窒素を含む活性層のAl濃度は、1.5×1018cm−3以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の半導体発光素子において、基板と窒素を含む活性層との間に、Alを含む半導体層で一部または全部が構成された半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、光を基板と垂直方向に取り出す面発光型の構造のものとなっていることを特徴とする半導体発光素子。
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