JP2009059733A - 面発光レーザ及び面発光レーザの製造方法 - Google Patents

面発光レーザ及び面発光レーザの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒素物半導体で構成された面発光レーザであって、メサ領域の表面損傷によるリークを防止するとともに、低電流でレーザの誘導放射を行える注入電流密度を得られるような面発光レーザを提供する。
【解決手段】n型のGaNバッファ層1を共通の半導体層として、このGaNバッファ層1上に、メサ領域Mが複数形成される。メサ領域Mは、n型GaN層2、活性層3、p型GaN層4からなる半導体積層体で形成される。メサ領域Mには電流阻止領域が形成されておらず、メサ領域Mのメサ径は15μm以下に形成されている。また、メサ領域Mは選択成長によって形成される。表面損傷のないメサ領域Mにより、十分電流は狭窄され、低電流でレーザ誘導放射を行える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、垂直共振器型といわれる面発光レーザ及び面発光レーザの製造方法に関する。
半導体基板面に対して垂直方向に光が出る面発光レーザは、垂直共振器型(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)と呼ばれ、例えば、GaAs、InGaAs、AlGaAs半導体薄膜を縦方向に積層してpn接合を設け、上下に多層膜反射ミラーを形成して共振器とし、共振器で光を上下に多重反射させて位相の合った光を発生させるものである。
面発光レーザは、端面発光型のレーザに比べて低閾値電流、高効率、単一横モード動作など優れた特徴があると言われている。光通信用のアレイ型送信器として実用化が進んでおり、また、光通信以外の用途も期待されている。
従来の面発光レーザの断面構造の一例を図10に示す。n型GaAs基板22の上に、Al組成の異なるn型AlGaAsを交互に積層したn側多層反射膜23が形成され、n側多層反射膜23上には、AlGaAs層とGaAs層の量子井戸構造からなる活性層24が積層される。
活性層24上には、メサ領域30としてAlAs電流ブロック層25、Al組成の異なるp型AlGaAsを交互に積層したp側多層反射膜26、p型GaAsからなるp型コンタクト層27が形成される。メサ領域30の周囲は絶縁性の樹脂28で埋められており、樹脂28の上面からp型コンタクト層27の上面にかけてp電極29が設けられる。また、GaAs基板22の底面にn電極21が形成される。上記n側多層反射膜23とp側多層反射膜26との間で共振器を構成しており、この共振器で光を上下に多重反射させて位相の合った光を発生させ、p電極29の開口部29Aからレーザ光が出射される。
レーザの誘導放射がおこるためには光の密度が高くなくてはならず、そのためには注入電流密度が高くなければならない。電流の広がりを狭い空間に制限するために、電流ブロック層25の原材料となるAlAs層を周囲から酸化して中心に狭い電流通過領域25b(AlAs部分)を残している。周辺部は酸化アルミニウムとなって電流阻止領域25aを形成し、酸化アルミニウムは絶縁性を有するため電流阻止領域25aには電流が流れない。したがって、中心の電流通過領域25bだけを電流が流れる。このようにAlAs電流ブロック層25は、周辺部が酸化されて電流通過領域25bを狭くしたものであり、電流狭窄層とも呼ばれる。
一方、面発光レーザの発光波長を青色領域とするために、面発光レーザを構成する半導体を窒化物半導体としたものがある。窒化物半導体による面発光レーザでは、メサ領域における上記電流ブロック層25に対応する半導体層を、AlGaN層又AlN層等で構成している(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2000−349393号公報 特開平10−308558号公報
しかし、上記のようにAlGaN層又AlN層に酸化領域を形成しようとしても、これらの半導体は、気体元素である窒素と化学結合して安定しているために、酸化されにくく、電流阻止領域となる酸化領域を作製することが困難であった。そこで、酸化領域を形成せず、かつ十分な電流狭窄を行うことができる電流通過領域を形成する方法として、低駆動電流で、かつレーザの誘導放射を行える注入電流密度になるように、メサ領域の径を小さくすることが考えられる。
ところが、GaNを含むGaN系の半導体は、化学的に安定であるため、メサ領域を形成するには、GaN系半導体の積層体をエピタキシャル成長させた後、ドライエッチングにより小さな径を有するメサ領域を作製しなければならない。ドライエッチングは、反応性ガスやイオン、ラジカルを用いるため、マスクを使用していても、メサ領域の半導体層表面に損傷が発生し、リークが発生する。
しかも、上述したように、低電流でレーザの誘導放射が発生するレベルまで注入電流密度を高くするためには、メサ径をかなり小さくしなければならないが、メサ径を小さくすればするほど、メサ領域の表面損傷に起因するリーク電流は大きくなるという問題があった。
一方、面発光レーザを窒化物半導体で構成せず、AlGaAs系半導体やInGaAlP系半導体で構成した場合であっても、上記のように十分な電流狭窄を行うことができるメサ径の小さなメサ領域を形成するためには、高アスペクト比の加工ができ、精度の高い微細加工を行うことができるドライエッチングを用いることが必要となり、窒化物半導体の場合と同様、メサ領域の半導体層表面に損傷が発生して、リークが発生し、そのリーク電流はメサ径を小さくすればするほど大きくなる。
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、面発光レーザのメサ領域における表面損傷によるリークを防止するとともに、低電流でレーザの誘導放射を行える注入電流密度を得られるような面発光レーザを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、活性層を含むメサ領域と該メサ領域を挟むように設けられた1対の反射ミラーとを備えた面発光レーザであって、前記メサ領域の径は15μm以下に形成されていることを特徴とする面発光レーザである。
また、請求項2記載の発明は、前記メサ領域は選択成長により形成されていることを特徴とする請求項1記載の面発光レーザである。
また、請求項3記載の発明は、前記面発光レーザが窒化物半導体により形成され、前記活性層の発光領域はInGaN層で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の面発光レーザである。
また、請求項4記載の発明は、前記面発光レーザがAlGaAs系半導体又はInGaAlP系半導体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の面発光レーザである。
また、請求項5記載の発明は、前記1対の反射ミラーは誘電体多層膜で構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の面発光レーザである。
また、請求項6記載の発明は、前記1対の反射ミラーのうち、p側に形成されたp側反射ミラーと前記メサ領域との間には、透明導電膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の面発光レーザである。
また、請求項7記載の発明は、前記メサ領域は六角形状に形成され、メサ領域側面の表面は結晶面で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の面発光レーザである。
また、請求項8記載の発明は、活性層を含むメサ領域と該メサ領域を挟むように設けられた1対の反射ミラーとを備え、窒化物半導体により形成された面発光レーザであって、前記メサ領域は成長用基板上に形成されたGaNバッファ層上に選択成長によって形成形成されるとともに、該メサ領域の径は15μm以下に形成されており、前記成長用基板をレーザリフトオフ後、前記反射ミラーを形成することを特徴とする面発光レーザの製造方法である。
窒化物半導体で形成された面発光レーザには、メサ領域が形成され、このメサ領域の周辺には選択成長マスクを含む絶縁層が形成されている。また、メサ領域には酸化領域等の電流阻止領域を設けておらず、メサ径を15μm以下に形成しているので、低電流でも注入電流密度を高めることができ、レーザ誘導放射を行うことができる。また、メサ領域を選択成長により作製しているので、ドライエッチングを用いた場合に発生するメサ領域の表面損傷に起因するリーク電流を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の面発光レーザの断面構造を示す。
面発光レーザは、窒化物半導体により形成されており、n型のGaNバッファ層1を共通の半導体層として、このGaNバッファ層1上に、メサ領域Mが複数形成されている。メサ領域Mは、n型GaN層2、活性層3、p型GaN層4からなる半導体積層体で形成されている。ここで、窒化物半導体とは、AlGaInN4元混晶を表し、いわゆるIII−V族窒化物半導体と呼ばれるもので、AlxGayInzN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表すことができる。メサ領域Mが1つの面発光レーザ素子に相当するので、図1の構成例は、面発光レーザ素子がアレイ状に形成された面発光レーザを表している。
メサ領域Mの側面からGaNバッファ層1の表面にかけて、各メサ領域間の隙間を埋めるように、例えば、SiO(酸化ケイ素)やSiN(窒化ケイ素)からなる絶縁膜6が形成されている。この絶縁膜6は、後述するように、選択成長用のマスクとして使用される絶縁膜をその一部に含むものである。
活性層3は、量子井戸構造(Quantum Well)を有する活性層であり、井戸層(ウェル層)を、井戸層よりもバンドギャップの大きな障壁層(バリア層)でサンドイッチ状に挟んだ構造となっている。この量子井戸構造は、1つではなく、多重化しても良く、この場合は、MQW(Multi Quantum Well)、すなわち多重量子井戸構造となる。また、活性層3を量子井戸構造とせずに、発光領域層単層としても良い。
活性層3は、例えば、ノンドープのInGaN井戸層とノンドープのGaN障壁層を交互に積層した多重量子井戸構造により構成される。また、活性層3を発光領域層単層とする場合は、InGaN層単層で構成される。
メサ領域Mの最上層、すなわちp型GaN層4の上には、反射ミラーとして誘電体多層反射膜8が、GaNバッファ層1の下面には反射ミラーとして誘電体多層反射膜9が形成されている。このように、面発光レーザを構成するGaNバッファ層1〜p型GaN層4までの半導体積層体の最外位置に1対の反射ミラーが形成される。ここで、n側の誘電体多層反射膜9とp側の誘電体多層反射膜8との間で共振器を構成しているが、誘電体多層反射膜9及び誘電体多層反射膜8は、DBRミラー(ブラッグ反射鏡)と呼ばれるものである。
DBRミラーは、特定の波長に対しある入射角においてブラッグ反射の条件を満足するように反射面を一定間隔で蓄積し、反射光の干渉を利用して反射光強度を強め、高反射率の実現を目指したものである。
誘電体多層反射膜8、9ともに、SiOとTiOの多層膜、またはSiOとZrOの多層膜等、屈折率差の大きい異なる材料を用いる。したがって、誘電体多層膜8、9は、SiOとTiOを交互に何周期か繰り返して積層したもの、又はSiOとZrOを交互に何周期か繰り返して積層したもの等で形成される。このようにすれば、AlGaNのAl組成比率を変えたDBRミラーよりも少ないDBRペア数で反射率をかなり大きくすることができる。
誘電体多層反射膜8、9は、第1反射膜と第2反射膜とで構成される複数の界面からの反射光同士の干渉現象を利用するもので、異なる界面から反射されてくる光の位相を360度ずらせるようにして、互いに強め合うようにし、反射光の強度をきわめて高くするものである。このように動作させるためには、第1反射膜の屈折率をn1、第2反射膜の屈折率をn2とし、レーザ共振器内の発振させたいレーザ光の波長をλとすると、第1反射膜の膜厚は、λ/(4×n1)で決定され、第2反射膜の膜厚は、λ/(4×n2)で決定される。
GaNバッファ層1はn型コンタクト層の役割を有し、GaNバッファ層1上にカソード電極11が形成される。p型GaN層4はp型コンタクト層の役割を有し、p型GaN層4上に、透明電極であるZnO層7が形成される。
透明導電膜(透明電極)であるZnO層7は、p型GaN層4の上面と絶縁膜6の上面に渡って連続して形成されており、各メサ領域Mの上面に形成されたZnO層7は繋がっている。そして、アノード電極(p電極)10が、ZnO層7上に接するように形成されている。ところで、誘電体多層反射膜8、9間で面発光レーザにおける共振器を構成しているが、この間の距離はレーザ光の発光波長λと同程度の長さにする必要があり、透明導電膜(透明電極)であるZnO層7は、少なくともλ以下の膜厚にしなければならない。一方、透明導電膜であるZnO層7の膜厚をλ/4よりも薄くするとメサ領域M全体に電流が拡がりにくくなり、電流密度分布の不均一が大きくなる。したがって、以上の理由により、上記透明導電膜の膜厚dは、活性層3における発光波長をλとすると、(λ/4)≦d≦λ の範囲になるように形成される。
一方、誘電体多層反射膜8は、各メサ領域Mの上部にZnO層7を介して形成されており、隣接する誘電体多層反射膜8の間は金属層12によって埋められている。また、アノード電極10と支持基板13との間、カソード電極11と支持基板13との間も金属層12によって埋められている。そして、金属層12の上面、誘電体多層反射膜8の上面は、支持基板13に接合されている。
この金属層12は、例えば、特に放熱性の高いAuやCu、Al等が用いられ、面発光レーザから発生する熱を効率良く支持基板13から外部へ放熱させることができる。支持基板13は、例えば高熱伝導性のセラミック等が用いられる。なお、窒化物半導体層をp型にするためのドーパントとしてMg等が、n型にするためのドーパントとしてはSi等が用いられる。
上記のように構成された面発光レーザの製造方法を以下に説明する。まず、図2に示すように、成長用基板としてのサファイア基板20に、MOCVD法等により、エピタキシャル成長を行い、n型GaNバッファ層1を形成し、GaNバッファ層1上に選択成長マスク6aを形成する。そして選択成長マスク6aを用いて窒化物半導体の選択成長を行う。ところで、サファイア基板等の成長用基板とGaNとでは、格子定数が異なるため、成長用基板上に成長させたGaN系半導体層においては、基板から上下方向に伸びる転位(格子欠陥)が存在している。このような転位を低減する方法として、選択横方向成長(ELO:Epitaxial Lateral Overgrowth)が良く知られている。本発明では、上記選択成長を用いている。
SiO等の誘電体マスク等による選択成長マスク6aでGaNバッファ層1を覆うことにより、最初に選択成長マスク6aの開口部6bから成長が起こり(選択再成長)、その後選択成長マスク6aの上にも成長層が拡がることで横方向に結晶成長が形成される。このように、横方向に結晶成長が行われるので、例えば、サファイア基板20のC面を結晶成長面に用いた場合には、メサ領域Mの側面の表面には、C面が現われるようになり、メサ領域側面の表面は結晶面により形成されるようになる。
したがって、選択成長マスク6aには、結晶成長を行うための開口部6bが必要であり、開口部6bの形状によって、選択成長により形成されたメサ領域Mの形状も異なることになる。この選択成長マスク6aのパターン例を図7に示す。図7において、網目掛けされている領域は、選択成長用マスク6aを表し、白抜きの部分が開口部6bを表わす。このように、本実施例では、開口部6bが正六角形状又は六角形状のハニカム構造を有する選択成長マスク6aを用いた。これは、メサ領域Mの集積度を高めるためである。したがって、メサ領域Mを上から見れば、ほぼ正六角形又は六角形に近い形状に形成される。また、図7に示すように、開口部6bの径をLとすると、メサ領域Mの径もほぼLとなる。
図3に示すように、選択成長マスク6aの開口部6bに、n型GaN層2、活性層3、p型GaN層4を順次成長させて、メサ領域Mを形成する。このように、選択成長を用いることで、従来のように、ドライエッチングによってメサ形状を作製する必要がなくなり、メサ領域表面の損傷や荒れがなくなるので、リークの発生を防ぐことができる。
その後、SiO等の絶縁膜6をCVD、プラズマCVD、スパッタ、SOG(Spin On Glass)法等でメサ領域Mの表面及び側面からGaNバッファ層1の表面にかけて積層する。メサ領域Mの上部、すなわちp型GaN層4の上部以外を、レジストで覆い、エッチングを行って、絶縁膜6の一部(レジストで覆われていない部分)を除去した後、レジストを取り除くと、図4のようになる。次に、図5に示すように、絶縁膜6が除去された領域、すなわちp型GaN層4の上面から絶縁層6上面に渡り、ZnO層7(透明電極)を形成する。
上述したように、選択成長マスク6aはSiO等の誘電体マスク等で構成されており、絶縁性のあるマスクなので、取り除かなくても、そのまま絶縁膜6の一部として用いることができる。また、選択成長マスク6aとこの上に形成される絶縁膜6とは同じ材料でも良いし、また違った材料を用いても良い。
次に、図6に示すように、レジスト等を適宜使用しながら、ZnO層7上にマグネトロンスパッタ等で誘電体多層反射膜8を形成し、アノード電極10及びカソード電極11を形成した後、隣接する誘電体多層反射膜8の間、アノード電極10の上側、カソード電極11の上側に金属層12を形成する。その後、誘電体多層反射膜8、金属層12の各上面に共通の基板として支持基板13を接合する。次に、レーザ光をサファイア基板20側から照射し、サファイア基板20を剥離する。この方法は、レーザリフトオフ(Laser Lift Off)と呼ばれる手法であり、一般に300nm以下程度のエキシマレーザ光を数百mJ/cmでサファイア基板側から照射し、GaNバッファ層を分解させ、サファイア基板を剥離するものである。
レーザリフトオフにより、サファイア基板20を剥離した後、GaNバッファ層1の裏面にマグネトロンスパッタ等により誘電体多層反射膜9を形成すると、図1の面発光レーザが完成する。
なお、上述した各半導体層の製造については、キャリアガスの水素/窒素とともに、Gaの原料ガスであるトリエチルガリウム(TEGa)又はトリメチルガリウム(TMG)、窒素の原料ガスであるアンモニア(NH)、Alの原料ガスであるトリメチルアルミニウム(TMA)、Inの原料ガスであるトリメチルインジウム(TMIn)、などの各半導体層の成分に対応する反応ガス、n型にする場合のドーパントガスとしてのシラン(SiH)、p型にする場合のドーパントガスとしてのシクロペンタジエチルマグネシウム(CPMg)等の必要なガスを供給して、650℃〜1000℃程度の範囲で順次成長させることにより、所望の組成で、所望の導電型の半導体層を、必要な厚さに形成することができる。
この面発光レーザにおいては、アノード電極(p電極)10とカソード電極(n電極)11との間に所定の電圧が印加されると、アノード電極10から供給される駆動電流は、各メサ領域Mを流れて活性層3に注入され光が発生する。メサ領域には酸化領域等の電流阻止領域が形成されていないため、メサ領域の全領域が電流通過領域となって全体に電流が流れるが、メサ領域Mのメサ径を15μm以下としているので、電流阻止領域がなくても、十分電流は狭窄され、低電流でレーザ誘導放射を行える注入電流密度を得ることができる。
活性層3から発生した光は、p側の誘電体多層反射膜8およびn側の誘電体多層反射膜9により反射され、その間を往復してレーザ発振を生じ、レーザビームとして誘電体多層反射膜9から外部に取り出される。
以上のように、メサ径が15μm以下とした場合の効果を、以下に説明する。図1の構成の面発光レーザを作製し、メサ領域Mのメサ径を5段階に変化させて、1個のメサ領域について、レーザ誘導放射が得られる電流密度にするために必要な電流(レーザ発振電流)と、そのときの活性層における電流密度分布を測定した。このグラフが図8のA1〜A5に対応する。図8の縦軸は電流密度(単位:A/cm)、横軸はメサ径の中心からの距離(単位:μm)を表わす。したがってメサ径をRとすると、横軸は半径となるR/2の値をとる。
ここで、電流密度がメサ領域の全域において、1000以上の値となるように電流を流し、レーザ誘導放射が行われるようにした。図8の点線で示されるA1はメサ径5μmで、メサ領域に流した電流は、0.18mAである。2点鎖線で示されるA2はメサ径8μmで、メサ領域に流した電流は、0.5mAである。1点鎖線で示されるA3はメサ径10μmで、メサ領域に流した電流は、2.1mAである。実線で示されるA4はメサ径15μmで、メサ領域に流した電流は、2.7mAである。実線で示されるA5はメサ径20μmで、メサ領域に流した電流は、10.7mAである。
一方、図8の点線で表わされたBの曲線は、図10の従来構造を用いたもので、電流ブロック層25のAlAs層の周辺領域を酸化させて電流阻止領域25aを作製し、電流通過領域25bの径を15μmにして、電流密度が電流通過領域25bの全域において、1000以上の値となるように電流を3.8mA流して、レーザ誘導放射が行われるようにした。
上記のように、メサ径が15μmよりも大きくなると、急激に駆動電流が増えるので、レーザ誘導放射を低電流で行うためには、メサ径を15μm以下としなければならないことがわかる。また、A1〜A5とBの曲線からわかるように、メサ領域の中心で電流密度が最も小さく、中心から距離が離れるにしたがって、電流密度が大きくなっているが、特に、A5の場合は、半径7μmから半径10μmにかけて電流密度は急増しており、メサ領域の外縁部分と中心部分では、電流密度の差が非常に大きい。このように、電流密度分布に差がありすぎると、レーザ光強度がビーム中心とビーム外側とで差が大きくなり、望ましくない。したがって、このことからも、メサ径を15μm以下とすることが必要である。また、さらに、電流密度分布を均一にして、レーザ光強度をビーム中心からビーム外側にかけて均一にする場合には、図8より半径5μm以下、すなわちメサ径を10μm以下とすることが望ましい。
一方、図9は、誘電体多層反射膜8、9に用いる材料の種類毎のDBR数と光の反射率との関係を示す。図9の横軸は、DBR数、すなわち異なる種類の誘電体を積層して1対にした場合の周期数を表わし、縦軸はDBR数毎の光の反射率を表わす。ここで、実線Xは、SiOとTiOを交互に積層した誘電体多層反射膜、点線Yは、SiOとZrOを交互に積層した誘電体多層反射膜、一点鎖線Zは、ZrOとTiOを交互に積層した誘電体多層反射膜を表わす。この図からわかるように、誘電体膜を用いた場合は、15対程度形成しておけば、どの種類でも反射率はほぼ1になっており、少ない層数で100%に近い反射率を得ることができる。なお、AlGaNのAl組成を変えた層を2層1対にして多層反射膜を形成した場合、例えばAl0.1Ga0.9NとGaNの組み合わせでは、60対でも反射率が100%近くにならず、レーザの誘導放射が悪くなる。
上記実施例では、窒化物半導体を用いた面発光レーザについて説明したが、活性層にAlGaAs系半導体又はInGaAlP系半導体を用いた面発光レーザとしても良い。活性層にAlGaAs系半導体を用いた面発光レーザの場合は、図1の構成に対応して述べると、バッファ層1がGaAs、n型層2がAlGaAs、活性層3がGaAs井戸層とAlGaAs障壁層とを交互に積層した多重量子井戸構造、もしくは、Al組成の異なるAlGaAs井戸層とAlGaAs障壁層とを交互に積層した多重量子井戸構造で構成され、p型層4はAlGaAsで形成される。その他の構成は図1と同様である。
一方、活性層にInGaAlP系半導体を用いた面発光レーザの場合は、図1の構成に対応して述べると、バッファ層1がGaAs、n型層2がAlGaAs又はInGaAlP、活性層3がInGaP井戸層とInGaAlP障壁層とを交互に積層した多重量子井戸構造、p型層4がAlGaAs又はInGaAlPで形成される。その他の構成は図1と同様である。
上記、AlGaAs系及びInGaAlP系面発光レーザのいずれの場合にも、成長用基板としてはGaAs基板等が用いられ、このGaAs基板を剥離するためにはウエットエッチングが用いられ、そのエッチング溶液として硫酸と過酸化水素水の混合液、塩酸と過酸化水素水の混合液等が用いられる。
本発明の面発光レーザの断面構造の一例を示す図である。 図1の面発光レーザの一製造工程を示す図である。 図1の面発光レーザの一製造工程を示す図である。 図1の面発光レーザの一製造工程を示す図である。 図1の面発光レーザの一製造工程を示す図である。 図1の面発光レーザの一製造工程を示す図である。 選択成長マスクの形状の一例を示す図である。 レーザ誘導放射を行ってメサ領域のメサ径の大きさを変化させた場合のメサ領域における電流密度分布を示す図である。 誘電体多層反射膜に用いる材料の種類毎のDBR数と反射率との関係を示す図である。 従来の面発光レーザの断面構造を示す図である。
符号の説明
1 GaNバッファ層
2 n型GaN層2
3 活性層3
4 p型GaN層
6 絶縁層
6a 選択成長マスク
6b 開口部
7 ZnO層
8 誘電体多層反射膜
9 誘電体多層反射膜
10 アノード電極
11 カソード電極
12 金属層
13 支持基板

Claims (8)

  1. 活性層を含むメサ領域と該メサ領域を挟むように設けられた1対の反射ミラーとを備えた面発光レーザであって、
    前記メサ領域の径は15μm以下に形成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  2. 前記メサ領域は選択成長により形成されていることを特徴とする請求項1記載の面発光レーザ。
  3. 前記面発光レーザが窒化物半導体により形成され、前記活性層の発光領域はInGaN層で構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
  4. 前記面発光レーザがAlGaAs系半導体又はInGaAlP系半導体で構成されていることを特徴とする請求項1記載の面発光レーザ。
  5. 前記1対の反射ミラーは誘電体多層膜で構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
  6. 前記1対の反射ミラーのうち、p側に形成されたp側反射ミラーと前記メサ領域との間には、透明導電膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
  7. 前記メサ領域は六角形状に形成され、メサ領域側面の表面は結晶面で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
  8. 活性層を含むメサ領域と該メサ領域を挟むように設けられた1対の反射ミラーとを備え、窒化物半導体により形成された面発光レーザであって、
    前記メサ領域は成長用基板上に形成されたGaNバッファ層上に選択成長によって形成形成されるとともに、該メサ領域の径は15μm以下に形成されており、前記成長用基板をレーザリフトオフ後、前記反射ミラーを形成することを特徴とする面発光レーザの製造方法。
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