JP4095306B2 - 半導体発光素子およびその製造方法および光伝送システム - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法および光伝送システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子およびその製造方法および光伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特開平5−152674号,特開平5−91684号には、面型半導体光変調器と面発光半導体レーザ素子を集積した半導体発光素子が示されている。
【0003】
このような半導体発光素子においては、面発光半導体レーザ素子でレーザ発振したレーザ光を、面型光変調器の光吸収層で吸収または透過させることにより、レーザ光強度を外部変調して出力可能になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、導波路型の光変調器に比べて面型光変調器は光吸収率が小さいため、レーザ光信号のS/N比を高くできないという問題がある。
【0005】
この問題を解決するため、本願出願人の先願である特願2001−69816号に記載の半導体発光素子では、面型半導体光変調器を面発光半導体レーザ素子の内部に集積することにより、面型半導体光変調器の光吸収層の光吸収率を変化させて、面発光半導体レーザ素子の閾電流を変化させている。これにより、出力光をレーザ発振状態と自然放出光状態とでスイッチすることができるため、光変調のS/N比を高くすることができるという特徴がある。
【0006】
この種の半導体発光素子では、面発光半導体レーザ素子の反射鏡として、一般的に、半導体分布ブラッグ反射鏡が用いられる。半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層としては、AlAs,AlGaAs,AlInP,AlInAs,AlGaN等のように構成元素としてAlを含む材料が用いられる。すなわち、Alを含むことにより、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を大きくすることができるため、より少ない層数で99%以上の高反射率を得ることができる。そして、層数が少なくなると、半導体多層膜反射鏡の電気抵抗や熱抵抗が低減でき、温度特性が向上するという利点がある。特に、AlGaAs材料系の半導体分布ブラッグ反射鏡を用いた面発光半導体レーザ素子では、温度特性が良好であることが知られている。
【0007】
しかしながら、本願発明者の実験による結果、Alを含む半導体分布ブラッグ反射鏡上に、GaInNAs等のようにN(窒素)を含む半導体層を、1台のMOCVD装置を用いて連続的に成長すると、N(窒素)を含む半導体層の発光強度が低下したり、表面平坦性が劣化するという問題が生じた。
【0008】
本発明は、面型半導体光変調器を面発光半導体レーザ素子の内部に集積した半導体発光素子において、発光特性や表面性の劣化を抑制することの可能な半導体発光素子およびその製造方法および光伝送システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラック反射鏡と、N(窒素)を構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成される面発光半導体レーザ素子と、
Nを構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積され、
前記半導体光変調器が、面発光半導体レーザ素子の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、前記下部半導体分布ブラッグ反射鏡または共振器または上部半導体分布ブラッグ反射鏡または半導体光変調器の一部が、Alを構成元素として含む半導体層で構成されている半導体発光素子の製造方法において、
成長室に、窒素化合物原料またはAl原料を供給して結晶成長する工程を有し、
さらに、Alを構成元素として含む層の結晶成長工程と、Nを構成元素として含む層の結晶成長工程との間に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積されており、
前記半導体光変調器は、活性層よりも上側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の上部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と共振器との間に残留不純物が偏析した界面を有し、前記界面と前記共振器との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積されており、
前記半導体光変調器は、活性層よりも下側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の下部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
GaAs基板側の下部半導体分布ブラッグ反射鏡と光吸収層との間に残留不純物が偏析した界面を有し、前記界面と前記光吸収層との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層は、全てGaInAsP系材料で形成されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層は、導電型がn型のものであることを特徴としている。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子において、前記半導体光変調器は、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、光吸収層は、3/4波長の光学的厚さを有する高屈折率層中において、活性層に近い側から1/4波長の光学的厚さの位置に配置されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の半導体発光素子において、光吸収層と共振器との間に2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡において、共振器に近い側の高屈折率層にオーミック電極が形成されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項8記載の発明は、請求項5記載の半導体発光素子において、光吸収層と活性層との間の領域を除いて、光吸収層と活性層のそれぞれ上下に選択酸化層が設けられていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項9記載の発明は、請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の半導体発光素子を用いたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は半導体発光素子の一例を示す図である。図1の半導体発光素子では、基板1上に、Alを構成元素として含む第1の半導体層2と、中間層3と、N(窒素)を含む活性層4と、中間層3と、第2の半導体層5とが順次に積層されている。すなわち、図1の半導体発光素子は、基板1とN(窒素)を含む半導体層(活性層)4との間に、Alを含む半導体層2が設けられたものとなっている。
【0020】
ここで、基板1としては、例えば、GaAs,InP,GaP等の化合物半導体基板が用いられる。
【0021】
また、Alを構成元素として含む第1の半導体層2の材料としては、AlAs,AlP,AlGaAs,AlInP,AlGaInP,AlInAs,AlInAsP,AlGaInAsP等を用いることができる。なお、第1の半導体層2は、単一層の場合だけでなく、Alを構成元素として含む半導体層を複数積層していてもよい。
【0022】
また、中間層3は、構成元素としてAlとNを含んでおらず、例えばGaAs,GaP,InP,GaInP,GaInAs,GaInAsP等で構成されている。
【0023】
また、N(窒素)を含む活性層4としては、例えば、GaNAs,GaPN,GaInNAs,GaInNP,GaNAsSb,GaInNAsSb等が用いられ、N(窒素)を含む活性層4は、Al原料を意図的に導入することなく結晶成長されている。なお、活性層4は、単一層の場合だけでなく、N(窒素)を含む半導体を井戸層とし、中間層材料を障壁層とする多重量子井戸構造で構成することも可能である。
【0024】
また、図1の半導体発光素子の各層のエネルギーバンドギャップは、活性層4,中間層3,第1の半導体層2,第2の半導体層5という順に大きくなっている。なお、第2の半導体層5は、第1の半導体層2と同じ材料(Alを含む材料)で構成されることが一般的であるが、必ずしも同じ材料である必要はなく、Alを含まない材料で構成することも可能である。
【0025】
図1の半導体発光素子は、有機金属Al原料と窒素化合物原料を用いたエピタキシャル成長装置を用いて、結晶成長を行うことができる。ここで、有機金属Al原料としては、例えば、TMA,TEAを用いることができる。また、窒素化合物原料としては、DMHy,MMHy等の有機窒素原料やNH3を用いることができる。また、結晶成長方法としては、MOCVD法あるいはCBE法を用いることができる。
【0026】
図2は、図1に示した半導体発光素子の一例として、半導体層2,5をAlGaAsとし、中間層3をGaAsとし、活性層4をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した素子を、1台のエピタキシャル成長装置(MOCVD)を用いて形成したときの、窒素(N)濃度と酸素(O)濃度の深さ方向分布を示す図である。なお、この測定はSIMSによって行った。次表(表1)に測定条件を示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004095306
【0028】
図2において、GaInNAs/GaAs2重量子井戸構造に対応して、活性層4中に2つの窒素ピークが見られる。そして、活性層4において、酸素のピークが検出されている。しかし、NとAlを含まない中間層3における酸素濃度は活性層4の酸素濃度よりも約1桁低い濃度となっている。
【0029】
一方、半導体層2,5をGaInPとし、中間層3をGaAsとし、活性層4をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した素子について、酸素濃度の深さ方向分布を測定した場合には、活性層4中の酸素濃度はバックグラウンドレベルであった。
【0030】
図3は、図1に示した半導体発光素子の一例として、半導体層2,5をAlGaAsとし、中間層3をGaAsとし、活性層4をGaInNAs/GaAs2重量子井戸構造として構成した素子を、1台のエピタキシャル成長装置(MOCVD)を用いて形成したときの、Al濃度の深さ方向分布を示す図である。なお、測定はSIMSによって行った。次表(表2)に測定条件を示す。
【0031】
【表2】
Figure 0004095306
【0032】
図3から、本来Al原料を導入していない活性層4において、Alが検出されている。しかし、Alを含む半導体層2,5に隣接した中間層3においては、Al濃度は活性層4よりも約1桁低い濃度となっている。これは、活性層4中のAlがAlを含む半導体層2,5から拡散,置換して混入したものではないことを示している。
【0033】
一方、GaInPのようにAlを含まない半導体層上に窒素を含む活性層を成長した場合には、活性層中にAlは検出されなかった。
【0034】
図2に示した同じ素子における、窒素(N)濃度と酸素(O)濃度の深さ方向分布と比較すると、2重量子井戸活性層中の2つの酸素ピークプロファイルは、窒素濃度のピークプロファイルと対応しておらず、図3のAl濃度プロファイルと対応している。このことから、GaInNAs井戸層中の酸素不純物は、窒素原料と共に取りこまれるというよりも、むしろ井戸層中に取りこまれたAlと結合して一緒に取りこまれていることが、本願発明者の実験から明らかとなった。
【0035】
従って、活性層4中に検出されたAlは、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alが、窒素化合物原料または窒素化合物原料中の不純物(水分等)と結合して活性層4中に取りこまれたものである。すなわち、窒素化合物原料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル成長装置により、基板1と窒素(N)を含む活性層4との間にAlを含む半導体層2が設けられている半導体発光素子を連続的に結晶成長すると、N(窒素)を含む活性層4中に自然にAlが取りこまてしまう。
【0036】
そして、成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alは、窒素化合物原料中に含まれる水分や、配管または反応管中に残留した酸素や水分と結合して、活性層4中に取りこまれるため、活性層4に同時に酸素が取りこまれる。活性層4に取りこまれた酸素は非発光再結合準位を形成するため、活性層4の発光効率を低下させていたことが本願の発明者により新たに分かった。
【0037】
本発明は、本願発明者による上記の知見に基づいてなされたものである。
【0038】
第1の実施形態
本発明の第1の実施形態の半導体発光素子は、
GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラック反射鏡と、N(窒素)を構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成される面発光半導体レーザ素子と、
Nを構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積され、
前記半導体光変調器が、面発光半導体レーザ素子の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されている。
【0039】
ここで、GaAs基板上にエピタキシャル成長したGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層は、バンドギャップ波長が1.2〜1.6μmの長波帯となっており、石英光ファイバの伝送に適している。そして、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層は、GaAs,AlGaAs,GaInP等の材料で構成された障壁層との伝導帯バンド不連続を大きくできるため、活性層へのキャリア閉じ込めが良好であり、温度特性が良好な面発光半導体レーザが形成できる。
【0040】
また、半導体光変調器にバイアスを印加しない場合には、光吸収層は活性層で発生した光に対して透明となっている。従って、面発光半導体レーザ素子の内部において、光吸収層による光吸収損失がないため、低閾電流でレーザ発振する。一方、半導体光変調器に逆方向バイアスを印加すると、光吸収層のエネルギーバンドギャップが縮小して、活性層で発生した光を吸収する。そのため、面発光半導体レーザ素子内部の光吸収損失が増加して、閾電流が増加する。
【0041】
従って、面発光半導体レーザ素子に注入する電流値を一定にした場合、光変調器にバイアスを印加しない場合にはレーザ発振し、光変調器にバイアスを印加するとレーザ発振が停止するように動作させることができる。これにより、レーザ光強度変調のS/N比を高くとることができる。
【0042】
上記の電界吸収型の半導体光変調器は10GHz以上で高速に変調させることができる。従って、10GHz以上の高速変調が可能な長波長帯面発光半導体レーザを実現できる。
【0043】
なお、光強度の変調を半導体レーザの直接変調ではなく、光変調器を用いて行なう場合には、半導体レーザ素子は連続通電となる。従って、消費電力や発熱を抑制する上で、半導体レーザ素子の低閾電流化は重要であるが、第1の実施形態に示した半導体レーザは、面発光半導体レーザとなっており、端面発光型半導体レーザを用いる場合と比較して、閾電流が低減できるため、消費電力を低減することが可能である。
【0044】
また、面発光半導体レーザ素子の反射鏡には、半導体分布ブラッグ反射鏡が用いられている。半導体分布ブラッグ反射鏡の低屈折率層としては、AlAs,AlGaAs,AlInP,AlInAs,AlGaN等のように構成元素としてAlを含む材料が用いられる。Alを含むことにより、高屈折率層と低屈折率層との屈折率差を大きくすることができるため、より少ない層数で99%以上の高反射率を得ることができる。そして、層数が少なくなると、半導体多層膜反射鏡の電気抵抗や熱抵抗が低減でき、温度特性が向上するという利点がある。特に、GaAs基板上に形成する場合には、屈折率差が大きく、また熱伝導率が高いAlGaAs材料系で半導体分布ブラッグ反射鏡を構成できるため、面発光半導体レーザ素子の特性温度を向上させることができる。従って、半導体分布ブラッグ反射鏡にAlを用いることは必須である。
【0045】
しかしながら、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡上にGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのようにN(窒素)を含む活性層または光吸収層を、窒素化合物原料と有機金属Al原料を用いて、1台のエピタキシャル成長装置により、連続的に結晶成長すると、N(窒素)を含む半導体層中に自然にAlやOが取りこまてしまう。そのため、活性層の発光効率の低下や、表面平坦性の劣化が生じてしまう。
【0046】
このような問題を回避するため、本発明の第1の実施形態においては、下部半導体分布ブラッグ反射鏡または共振器または上部半導体分布ブラッグ反射鏡または半導体光変調器の一部が、Alを構成元素として含む半導体層で構成されている半導体発光素子の製造方法において、
成長室に、窒素化合物原料またはAl原料を供給して結晶成長する工程を有し、
さらに、Alを構成元素として含む層(例えば、下部半導体分布ブラッグ反射鏡)の結晶成長工程と、Nを構成元素として含む層(活性層または光吸収層)の結晶成長工程との間に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けたことを特徴としている。
【0047】
これにより、Alを構成元素として含む層(例えば、下部半導体分布ブラッグ反射鏡)の結晶成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを一度除去して残留Al濃度を低減し、その後で、N(窒素)を含む活性層または光吸収層を成長しているので、発光効率の低下や表面平坦性の劣化を抑制することができる。
【0048】
なお、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程は、具体的には、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡と光吸収層との間や、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡と活性層との間に設けることができる。例えば、活性層や光吸収層に隣接するスペーサ層にGaAsのようにAlを含まない材料が用いられる場合には、下部半導体分布ブラッグ反射鏡とGaAsスペーサ層との間にAl除去工程を設けることができる。また、活性層や光吸収層に隣接するスペーサ層にAlを含むAlGaAsスペーサ層が用いられる場合には、AlGaAsスペーサ層と活性層または光吸収層との間にAl除去工程を設けることができる。
【0049】
また、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程としては、例えば、成長室(反応室)を水素等のキャリアガスでパージしたり、真空引きを行ったり、サセプターを加熱してベーキングする等の方法が可能である。このとき、基板を成長室内に保持したままでも可能であり、また基板を成長室外に移動させても可能である。
【0050】
また、Alを除去する工程は、半導体発光素子の成長工程中の1箇所だけでなく複数箇所に設けることもできる。
【0051】
図4は本発明の第1の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。図4を参照すると、この半導体発光素子では、第1導電型のGaAs基板401上に、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402が積層されている。ここで、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs(例えばAl0.8Ga0.2As)として、交互に積層して形成されている。
【0052】
そして、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402上には、GaInNAs光吸収層403,第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡404,下部GaAsスペーサ層405,GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406,上部GaAsスペーサ層407,第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡408が、順次積層されている。
【0053】
ここで、光吸収層403は、GaInNAsバルク層で形成することもできるし、GaInNAsを量子井戸層とする多重量子井戸構造で形成することもできる。また、第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡408は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs(例えばAl0.8Ga0.2As)として、交互に積層して形成されている。
【0054】
そして、第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡408上には、光出射部を除いて上部電極409が形成されており、また、第1導電型のGaAs基板401の裏面には、裏面電極411が形成されている。また、積層構造表面から第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡404までがエッチングされて矩形または円筒状のメサ構造が形成されており、エッチングした底面には共通電極410が形成されている。
【0055】
図4の半導体発光素子では、上部電極409と共通電極410との間に順方向バイアスを加えると、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406に電流が注入されて、活性層406からは波長1.3μm帯の光が発生する。活性層406で発生した光は、下部分布ブラッグ反射鏡402,404と上部分布ブラッグ反射鏡408とで挟まれた共振器で共振し、レーザ発振して、基板と垂直方向(図4中の矢印方向)に出力される。すなわち、図4の半導体発光素子は面発光半導体レーザとして動作する。
【0056】
このとき、共通電極410と裏面電極411との間にバイアスを印加しない場合には、光吸収層403は活性層406で発生した光に対して透明となっている。これに対し、共通電極410と裏面電極411との間に逆方向バイアスを印加すると、光吸収層403のバンドギャップが縮小して活性層406からの光を吸収するため、面発光半導体レーザの内部損失が増加する。これにより、面発光半導体レーザの閾電流が変化して、レーザ出力強度を大きく変調することができる。
【0057】
なお、図4の例においては、光変調を行う光吸収層403は、光を発生する活性層406に対して、光出射面とは反対の側(基板側)に設けられている。すなわち、従来例のように半導体レーザから出力されたレーザ光を電界吸収方式で外部変調する場合には、光変調器は半導体レーザの光出射面側に設けなければならないが、本発明のように、半導体レーザ内部に光変調器を集積する場合には、光変調器は光出射面側だけでなく、図4の例のように、光出射面とは反対の側に設けることも可能となる。
【0058】
また、図4の半導体発光素子を作製するとき、第1導電型のGaAs/AlGaAs下部分布ブラッグ反射鏡402の結晶成長工程とGaInNAs光吸収層403の結晶成長工程との間に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けることができる。
【0059】
より具体的には、例えば、第1導電型のGaAs/AlGaAs下部分布ブラッグ反射鏡402を成長した後に、成長室(反応室)を水素キャリアガスで1時間以上パージし、その後、GaInNAs光吸収層403を成長することができる。上記パージにより、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡402の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを一度除去して、残留Al濃度を低減している。その後で、N(窒素)を含む光吸収層及び活性層を成長しているので、発光効率の低下や表面平坦性の劣化を抑制することができる。
【0060】
なお、図4の例では、光吸収層403を下部半導体分布ブラッグ反射鏡402中に設けたが、上部半導体分布ブラッグ反射鏡408中や共振器中に設けることもできる。
【0061】
第2の実施形態
本発明の第2の実施形態の半導体発光素子は、
GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積されており、
前記半導体光変調器は、活性層よりも上側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の上部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と共振器との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられていることを特徴としている。
【0062】
ここで、非発光再結合防止層は、Alを構成元素として含んでおらず、GaInAsP,GaInP,GaAsP等の材料で構成されている。すなわち、非発光再結合防止層は、Alが含まれていないことが重要であり、B,N,Sb等の他のIII族またはV族元素を含んでいても良い。
【0063】
第2の実施形態の半導体発光素子を作製する方法(製造方法)としては、第1の実施形態と同様の製造方法を用いることができる。すなわち、下部半導体分布ブラッグ反射鏡と活性層との間に(より具体的には下部半導体分布ブラッグ反射鏡と非発光再結合防止層との間に、)成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けることができる。
【0064】
これにより、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを一度除去して残留Al濃度を低減し、その後で、N(窒素)を含む光吸収層を成長しているので、発光効率の低下や表面平坦性の劣化を抑制することができる。
【0065】
しかしながら、上記のAl除去工程によって、下部半導体分布ブラッグ反射鏡成長後に、成長中断界面が生じる。成長中断界面には、O,Si,C等の残留不純物が偏析するため、非発光再結合準位が増加する。そこで、第2の実施形態では、成長中断界面と共振器との間に非発光再結合防止層を設けることにより、リーク電流を抑制している。
【0066】
非発光再結合防止層はGaInAsP系材料で構成されているため、共振器を構成しているGaAsスペーサ層よりもバンドギャップエネルギーが大きくなっている。そのため、GaAsスペーサ層からオーバーフローするキャリアを非発光再結合防止層でブロックすることができ、成長中断界面で非発光再結合することを抑制できる。これにより、リーク電流を減少させて、活性層の発光効率を更に向上させることができる。
【0067】
また、非発光再結合防止層は、Alを構成元素として含んでいないので、Al除去工程を行なってからN(窒素)を含む活性層を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがない。
【0068】
図5は本発明の第2の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。なお、図5において図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図5を参照すると、この半導体発光素子では、第1導電型のGaAs基板401上に、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402が積層されている。ここで、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs(例えばAl0.8Ga0.2As)として、交互に積層して形成されている。
【0069】
そして、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402上には、GaInP非発光再結合防止層501,下部GaAsスペーサ層405,GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406,上部GaAsスペーサ層407,第2導電型の上部分布ブラッグ反射鏡502,GaInNAs光吸収層403,第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡503が、順次積層されている。
【0070】
ここで、第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡503は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs(例えばAl0.8Ga0.2As)として、交互に積層して形成されている。
【0071】
そして、第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡503上には、光出射部を除いて上部電極409が形成されており、また、第1導電型のGaAs基板401の裏面には、裏面電極411が形成されている。また、積層構造表面から第2導電型の上部分布ブラッグ反射鏡502までがエッチングされて矩形または円筒状のメサ構造が形成されており、エッチングした底面には共通電極410が形成されている。
【0072】
図5の半導体発光素子では、共通電極410と裏面電極411との間に順方向バイアスを加えると、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406に電流が注入されて、活性層406からは波長1.3μm帯の光が発生する。活性層406で発生した光は、下部分布ブラッグ反射鏡402と上部分布ブラッグ反射鏡502,503とで挟まれた共振器で共振し、レーザ発振して基板と垂直方向(図5中の矢印方向)に出力される。
【0073】
このとき、上部電極409と共通電極410との間にバイアスを印加しない場合には、光吸収層403は活性層406で発生した光に対して透明となっている。これに対し、上部電極409と共通電極410との間に逆方向バイアスを印加すると、光吸収層403のバンドギャップが縮小して活性層406からの光を吸収するため、面発光半導体レーザの内部損失が増加する。これにより、面発光半導体レーザの閾電流が変化して、レーザ出力強度を大きく変調することができる。
【0074】
また、図5の半導体発光素子の作製(結晶成長)には、MOCVD法を用いることができる。この場合、Ga原料としてTMG、Al原料としてTMA、In原料としてTMI、N原料としてDMHyを用いることができる。MOCVD法は、量産性に優れていることから、MOCVD法を用いる場合には、半導体発光素子を低コストで製造することが可能となる。
【0075】
また、図5の半導体発光素子を作製するとき、第1導電型のGaAs/AlGaAs下部分布ブラッグ反射鏡402の結晶成長後に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けることができる。
【0076】
より具体的には、例えば、成長室(反応室)を水素キャリアガスでパージしながらサセプターを加熱する。これにより、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡402の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを一度除去して、残留Al濃度を低減している。
【0077】
しかしながら、上記のAl除去工程によって、下部半導体分布ブラッグ反射鏡402の成長後に、成長中断界面が生じる。成長中断界面には、O,Si,C等の残留不純物が偏析するため、非発光再結合準位が増加する。そこで、図5の例では、成長中断界面と下部GaAsスペーサ層405との間にGaInP非発光再結合防止層501を設けている。
【0078】
非発光再結合防止層501はGaInPで構成されているため、共振器を構成している下部GaAsスペーサ層405よりもバンドギャップエネルギーが大きくなっている。そのため、下部GaAsスペーサ層405からオーバーフローするキャリアを非発光再結合防止層501でブロックすることができ、成長中断界面で非発光再結合することを抑制している。これにより、リーク電流を減少させて、活性層406の発光効率を更に向上させることができる。
【0079】
また、非発光再結合防止層501は、Alを構成元素として含んでいないので、Al除去工程を行なってからN(窒素)を含む活性層406を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがない。
【0080】
第3の実施形態
本発明の第3の実施形態の半導体発光素子は、
GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積されており、
前記半導体光変調器は、活性層よりも下側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の下部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
GaAs基板側の下部半導体分布ブラッグ反射鏡と光吸収層との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられていることを特徴としている。
【0081】
ここで、非発光再結合防止層は、Alを構成元素として含んでおらず、GaInAsP,GaInP,GaAsP等の材料で構成されている。すなわち、非発光再結合防止層は、Alが含まれていないことが重要であり、B,N,Sb等の他のIII族またはV族元素を含んでいても良い。
【0082】
第3の実施形態の半導体発光素子を作製する方法(製造方法)としては、第1の実施形態と同様の製造方法を用いることができる。すなわち、下部半導体分布ブラッグ反射鏡と光吸収層との間に(より具体的には下部半導体分布ブラッグ反射鏡と非発光再結合防止層との間に)、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けることができる。
【0083】
これにより、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを一度除去して残留Al濃度を低減し、その後でN(窒素)を含む光吸収層を成長しているので、発光効率の低下や表面平坦性の劣化を抑制することができる。
【0084】
しかしながら、上記のAl除去工程によって、下部半導体分布ブラッグ反射鏡成長後に、成長中断界面が生じる。成長中断界面には、O,Si,C等の残留不純物が偏析するため、非発光再結合準位が増加する。そこで、第3の実施形態では、成長中断界面と光吸収層との間に非発光再結合防止層を設けることにより、リーク電流を抑制している。
【0085】
非発光再結合防止層はGaInAsP系材料で構成されているため、光吸収層及び光吸収層に隣接したGaAs障壁層よりもバンドギャップエネルギーが大きくなっている。そのため、光吸収層からオーバーフローする少数キャリアを非発光再結合防止層でブロックしている。これにより、光吸収層に逆バイアスを印加した時に、成長中断界面の非発光再結合準位で生じるリーク電流を抑制し、ブレークダウンが生じないようにすることができ、これによって、素子の信頼性を向上させることができる。
【0086】
また、非発光再結合防止層は、Alを構成元素として含んでいないので、Al除去工程を行なってからN(窒素)を含む光吸収層を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがない。
【0087】
図6は本発明の第3の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。なお、図6において図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図6を参照すると、この半導体発光素子では、第1導電型のGaAs基板401上に、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402が積層されている。ここで、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs(例えばAl0.8Ga0.2As)として、交互に積層して形成されている。
【0088】
そして、第1導電型の下部分布ブラッグ反射鏡402上には、GaInP非発光再結合防止層501,GaInNAs光吸収層403,第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡404,下部GaAsスペーサ層405,GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406,上部GaAsスペーサ層407,第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡408が、順次積層されている。
【0089】
ここで、第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡408は、高屈折率層をGaAsとし、低屈折率層をAlGaAs(例えばAl0.8Ga0.2As)として、交互に積層して形成されている。
【0090】
そして、第1導電型の上部分布ブラッグ反射鏡408上には、光出射部を除いて上部電極409が形成されており、また、第1導電型のGaAs基板401の裏面には、裏面電極411が形成されている。また、積層構造表面から第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡404までがエッチングされて矩形または円筒状のメサ構造が形成されており、エッチングした底面には共通電極410が形成されている。
【0091】
図6の半導体発光素子では、上部電極409と共通電極410との間に順方向バイアスを加えると、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406に電流が注入されて、活性層406からは波長1.3μm帯の光が発生する。活性層406で発生した光は、下部分布ブラッグ反射鏡402,404と上部分布ブラッグ反射鏡408とで挟まれた共振器で共振し、レーザ発振して、基板と垂直方向(図6中の矢印方向)に出力される。
【0092】
このとき、共通電極410と裏面電極411との間にバイアスを印加しない場合には、光吸収層403は活性層406で発生した光に対して透明となっている。これに対し、共通電極410と裏面電極411との間に逆方向バイアスを印加すると、光吸収層403のバンドギャップが縮小して活性層406からの光を吸収するため、面発光半導体レーザの内部損失が増加する。これにより、面発光半導体レーザの閾電流が変化して、レーザ出力強度を大きく変調することができる。
【0093】
また、図6の半導体発光素子を作製するとき、第1導電型のGaAs/AlGaAs下部分布ブラッグ反射鏡402の成長後に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けることができる。
【0094】
より具体的には、例えば第1導電型のGaAs/AlGaAs下部分布ブラッグ反射鏡402の成長後に、成長室(反応室)を水素キャリアガスで1時間以上パージする。これにより、Alを含む下部半導体分布ブラッグ反射鏡402の成長によって成長室内に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを一度除去して、残留Al濃度を低減している。
【0095】
しかしながら、上記のAl除去工程によって、下部半導体分布ブラッグ反射鏡402の成長後に、成長中断界面が生じる。成長中断界面には、O,Si,C等の残留不純物が偏析するため、非発光再結合準位が増加する。そこで、図6の例では、成長中断界面とGaInNAs光吸収層403との間にGaInP非発光再結合防止層501を設けている。
【0096】
非発光再結合防止層501はGaInPで構成されているため、GaInNAs光吸収層403及び光吸収層に隣接したGaAs障壁層よりもバンドギャップエネルギーが大きくなっている。そのため、光吸収層403からオーバーフローする少数キャリアを非発光再結合防止層501でブロックしている。これにより、光吸収層403に逆バイアスを印加した時に、成長中断界面の非発光再結合準位で生じるリーク電流を抑制し、ブレークダウンが生じないようにすることができ、これによって、素子の信頼性を向上できる。
【0097】
また、非発光再結合防止層501は、Alを構成元素として含んでいないので、Al除去工程を行なってからN(窒素)を含む光吸収層403を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがない。
【0098】
第4の実施形態
本発明の第4の実施形態の半導体発光素子は、第2または第3の実施形態の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層が、全てGaInAsP系材料で形成されていることを特徴としている。
【0099】
ここで、GaInAsP系材料とは、Alを含んでいないGaAs,GaInP,GaInAsP,GaAsP,GaInAs等を意味している。また、GaInAsP系材料に、B,N,Sb等の元素や、ドーパントを添加することもできる。
【0100】
第4の実施形態の半導体発光素子では、活性層と光吸収層との間の半導体層に、Alを含まないGaInAsP系材料を用いることにより、Al除去工程の後から、N(窒素)を含む活性層及び光吸収層の成長まで、Alを用いることがない。従って、Al除去工程を行なってからN(窒素)を含む活性層及び光吸収層を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがない。
【0101】
また、第4の実施形態の半導体発光素子では、活性層と光吸収層との間にAl除去工程を設けていないため、成長中断による非発光再結合準位が形成されることがない。従って、活性層の発光効率を向上させ、かつ、光変調器のリーク電流を抑制して、信頼性の高い半導体発光素子を形成することができる。
【0102】
図7は本発明の第4の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。なお、図7において図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図7を参照すると、この半導体発光素子では、図6に示した半導体発光素子と構造が類似している。図7の半導体発光素子が図6の半導体発光素子と異なっている点は、GaInNAs光吸収層403と下部GaAsスペーサ層405との間に設けられている第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡701が、GaInAsP系材料で構成されている点である。ここで、第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡701は、高屈折率層がGaAsで構成されており、低屈折率層がGaAsと格子整合するGaInPで構成されている。
【0103】
このように、図7の半導体発光素子では、第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡701が、GaInAsP系材料で構成されていることにより、Al除去工程を行なってから、GaInNAs光吸収層403及びGaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406を成長するまでに、Alを構成元素として用いることなく層構造を形成できる。従って、Al除去工程を行なってからN(窒素)を含む光吸収層403及び活性層406を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがない。
【0104】
また、光吸収層403と活性層406との間にAl除去工程を設けていないため、成長中断による非発光再結合準位が形成されることがない。従って、活性層406の発光効率を向上させ、かつ、光変調器のリーク電流を抑制して、信頼性の高い半導体発光素子を形成することができる。
【0105】
第5の実施形態
本発明の第5の実施形態の半導体発光素子は、第4の実施形態の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層の導電型がn型のものであることを特徴としている。
【0106】
面発光半導体レーザにおいて、活性層の電流狭窄構造として、AlAs層を選択酸化して電流注入領域を形成する方法が用いられる。AlAsを選択酸化すると、AlOx絶縁層となって電流が流れなくなり、酸化されていない領域は低抵抗の半導体層であるため、電流が流れる。このとき、AlAs層は、主にp型の側に設けられる。これは、正孔の方が電子よりも移動度が小さいため、AlAs選択酸化構造で電流を狭窄してから活性層に注入されるまでに、電子では横方向に広がってしまうのに対して、正孔は横方向の広がりが抑制されて電流を狭い領域に集中させることができるためである。従って、AlAs選択酸化により有効に電流狭窄を行うためには、AlAs層をp型の側に設ける必要がある。
【0107】
この第5の実施形態では、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層の導電型をn型としているため、電流狭窄を行うAlAs層は活性層と光吸収層との間ではなく、外側のp型の側に設けられる。従って、活性層と光吸収層との間にAlを含む半導体層を設ける必要がなくなり、これにより、Al除去工程を行なってから活性層及び光吸収層を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度を増加させることがなく、活性層の発光効率低下を抑制することができる。
【0108】
また、AlAs選択酸化を用いた電流狭窄構造を用いることができ、面発光半導体レーザの閾電流を低減することができる。なお、選択酸化する層はAlAsに限定されるものではなく、Al組成が90%以上のAlGaAsのようにAl組成が著しく大きい材料であればよい。
【0109】
図8は本発明の第5の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。なお、図8において図4と同様の箇所には同じ符号を付している。図8を参照すると、この半導体発光素子では、p型GaAs基板801上に、p型下部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡802が積層されている。
【0110】
そして、p型下部分布ブラッグ反射鏡802上には、p型GaInP非発光再結合防止層803,GaInNAs光吸収層403,n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804,下部GaAsスペーサ層405,GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406,上部GaAsスペーサ層407,p型AlAs層805,p型上部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡806が、順次積層されている。
【0111】
そして、p型上部分布ブラッグ反射鏡806上には、光出射部を除いて上部電極409が形成されており、p型GaAs基板801の裏面には、裏面電極411が形成されている。また、積層構造表面からn型下部分布ブラッグ反射鏡804までエッチングされて矩形または円筒状のメサ構造が形成されており、エッチングした底面には共通電極410が形成されている。
【0112】
そして、図8の半導体発光素子では、さらに、p型AlAs層805が、エッチング側面から水蒸気により選択的に酸化されて、AlOx絶縁領域807が形成されている。
【0113】
前述したように、面発光半導体レーザにおいて、活性層の電流狭窄構造として、AlAs層を選択酸化して電流注入領域を形成する方法が用いられる。AlAsを選択酸化すると、AlOx絶縁層となって電流が流れなくなり、酸化されていない領域は低抵抗の半導体層であるため、電流が流れる。このとき、AlAs層は、主にp型の側に設けられる。これは、正孔の方が電子よりも移動度が小さいため、AlAs選択酸化構造で電流を狭窄してから活性層に注入されるまでに、電子では横方向に広がってしまうのに対して、正孔は横方向の広がりが抑制されて電流を狭い領域に集中させることができるためである。従って、AlAs選択酸化により有効に電流狭窄を行うためには、AlAs層をp型の側に設ける必要がある。
【0114】
図8の例では、活性層406と光吸収層403との間に設けられている下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804の導電型をn型としている。そのため、電流狭窄を行うp型AlAs層805は、活性層406と光吸収層403との間ではなく、上部GaAsスペーサ層407の上側に設けられている。従って、活性層406と光吸収層403との間にAlを含む半導体層を設けることなく構成することができる。これによって、Al除去工程を行なってから光吸収層403及び活性層406を成長するまでに、成長室内の残留Al濃度が増加することがなく、活性層406の発光効率低下を抑制することができる。
【0115】
また、図8の例では、p型AlAs層805を選択的に酸化することにより、電流狭窄構造(807)を形成している。この場合、上部電極409から注入された正孔は、p型上部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡806を通ってから、AlOx絶縁領域807で狭窄されて活性層406に注入される。そのため、レーザ発振領域に電流を集中させることができ、面発光半導体レーザの閾電流を低減することができる。
【0116】
第6の実施形態
本発明の第6の実施形態の半導体発光素子は、第2または第3の実施形態の半導体発光素子において、半導体光変調器が、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、光吸収層が、3/4波長の光学的厚さを有する高屈折率層中において、活性層に近い側から1/4波長の光学的厚さの位置に配置されていることを特徴としている。
【0117】
面発光半導体レーザ中に光変調器を構成する場合、面発光半導体レーザの位相整合条件を乱さないようにする必要がある。この第6の実施形態においては、光吸収層が、3/4波長の光学的厚さを有する高屈折率層中において、活性層に近い側から1/4波長の光学的厚さの位置に配置されており、半導体分布ブラッグ反射鏡の位相整合条件を満足している。
【0118】
また、光吸収層は、光の定在波の腹に位置している。従って、活性層で発生した光を効率よく吸収することができる。従って、光変調器の動作電圧を低減することができる。
【0119】
なお、半導体分布ブラッグ反射鏡の定在波の腹は、λ共振器を用いた場合、活性層側からみて高屈折率層と低屈折率層との界面になる。ここに光吸収層を設けた場合、光吸収層の屈折率は半導体分布ブラッグ反射鏡の高屈折率層よりも高くなっているため、定在波の分布を乱してしまう。そこで、光吸収層を3/4波長の光学的厚さを有する高屈折率層中に設けている。従って、位相整合条件を得られやすい。
【0120】
図9は本発明の第6の実施形態の半導体発光素子の一例を部分的に示す図であり、図9には、p型GaInP非発光再結合防止層803からn型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804までの間の層構成が詳細に示されている。第6の実施形態の半導体発光素子の構造は、図8に示した半導体発光素子と類似しているが、図8に示した半導体発光素子と異なっている点は、p型GaInP非発光再結合防止層803とn型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804との間に設けられた光吸収層の構造である。
【0121】
図9を参照すると、第6の実施形態の半導体発光素子は、p型GaInP非発光再結合防止層803上に、下部GaAs中間層901,GaInNAs/GaAs多重量子井戸光吸収層902,上部GaAs中間層903が積層され、さらにその上に、n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804が積層されている。
【0122】
ここで、n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804は、レーザ発振波長の1/4波長の光学的厚さを有するn型GaAs高屈折率層804bと、レーザ発振波長の1/4波長の光学的厚さを有するn型GaInP低屈折率層804aとが交互に積層されて構成されており、上部GaAs中間層903に隣接した層は、n型GaInP低屈折率層804aとなっている。
【0123】
また、p型GaInP非発光再結合防止層803の層厚は、レーザ発振波長の1/4波長の光学的厚さとなっており、また、下部GaAs中間層901,GaInNAs/GaAs多重量子井戸光吸収層902,上部GaAs中間層903を合計した厚さは、レーザ発振波長の3/4波長の光学的厚さとなっている。そして、GaInNAs/GaAs多重量子井戸光吸収層902は、上記3/4波長の光学的厚さの中で、活性層に近い側から1/4波長の光学的厚さの位置近傍となるように配置されている。
【0124】
図9の半導体発光素子では、下部GaAs中間層901とGaInNAs/GaAs多重量子井戸光吸収層902と上部GaAs中間層903とを合計した領域と、p型GaInP非発光再結合防止層803とは、それぞれレーザ発振波長の1/4波長の光学的厚さの整数倍となっており、面発光半導体レーザの下部分布ブラッグ反射鏡の一部として機能している。従って、面発光半導体レーザの位相整合条件を乱すことがない。
【0125】
また、光吸収層902は、光の定在波の腹に位置しており、活性層で発生した光を効率よく吸収することができる。従って、光変調器の動作電圧を低減することができる。
【0126】
第7の実施形態
本発明の第7の実施形態の半導体発光素子は、第6の実施形態の半導体発光素子において、光吸収層と共振器との間に2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡において、共振器に近い側の高屈折率層にオーミック電極が形成されていることを特徴としている。
【0127】
ここで、光吸収層の共振器との間に設けられている2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡のうち、共振器に近い側の低屈折率層(即ち、バンドギャップエネルギーが大きい層)は、GaAsスペーサ層からオーバーフローする少数キャリアをブロックする働きをしている。これにより、活性領域に対するキャリアの閉じ込めを高くして、温度特性を向上させている。
【0128】
また、光吸収層と共振器との間に設けられている2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡のうち、光吸収層に近い側の低屈折率層は、光吸収層で発生した少数キャリアをブロックして、ブレークダウンを抑制する働きをしている。
【0129】
また、第7の実施形態の半導体発光素子では、上記の低屈折率層の間に設けられている高屈折率層に、オーミック電極が形成されている。これは、面発光半導体レーザの電流注入電極と光変調器の変調用電極との共通電極となっている。従って、オーミックコンタクト層と活性領域との間、及びオーミックコンタクト層と光吸収層との間には、それぞれ、バンドギャップエネルギーが大きい低屈折率層が設けられている。従って、リーク電流が電極に直接流れ込むことがない。
【0130】
また、光吸収層は、半導体分布ブラッグ反射鏡の中で、共振器に近い位置に配置されている。そのため、光の定在波の強度分布において、強度が強い腹の位置に対応している。従って、光吸収層で効率よく光を吸収することができる。
【0131】
なお、光吸収層と共振器との間に設けられている2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡は、Alを構成元素として含まないGaInAsP系材料で構成されるのが好ましい。この場合には、光吸収層または活性層の成長前に、成長室内の残留Al濃度が増加することがない。
【0132】
図10は本発明の第7の実施形態の半導体発光素子の一例を部分的に示す図であり、図10には、p型GaInP非発光再結合防止層803から下部GaAsスペーサ層405までの間の層構成が詳細に示されている。第7の実施形態の半導体発光素子の構造は、図9に示した半導体発光素子において、n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804の構造がより具体化されている。
【0133】
図10を参照すると、第7の実施形態の半導体発光素子は、p型GaInP非発光再結合防止層803上に、下部GaAs中間層901,GaInNAs/GaAs多重量子井戸光吸収層902,上部GaAs中間層903が積層され、さらにその上に、n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804が積層されている。
【0134】
ここで、n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804は、レーザ発振波長の1/4波長の光学的厚さを有するn型GaInP低屈折率層804aと、n型GaAs高屈折率層804bと、n型GaInP低屈折率層804aとの3層が積層されて構成されている。
【0135】
また、光吸収層902と下部GaAsスペーサ層405との間には、n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804と上部GaAs中間層903とを合わせて、およそ2周期の分布ブラッグ反射鏡が設けられている。
【0136】
2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡のうち、下部GaAsスペーサ層405に近い側のn型GaInP低屈折率層804aは、GaAsよりもバンドギャップエネルギーが大きいため、下部GaAsスペーサ層405からオーバーフローする少数キャリアをブロックする働きをしている。これにより、活性領域に対するキャリアの閉じ込めを高くして、温度特性を向上させている。
【0137】
また、2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡のうち、光吸収層902に近い側のn型GaInP低屈折率層804aは、光吸収によって光吸収層902で発生した少数キャリアをブロックすることにより、逆バイアスが印加された光吸収層902がブレークダウンすることを抑制している。
【0138】
また、n型GaAs高屈折率層804bには、共通電極409が形成されている。この共通電極409は、面発光半導体レーザの電流注入電極と光変調器の変調用電極との共通電極となっている。従って、共通電極409と活性領域との間、及び共通電極409と光吸収層902との間には、それぞれ、バンドギャップエネルギーが大きいn型GaInP低屈折率層804aが1層設けられている。これによって、リーク電流が共通電極409に直接流れ込むことがない。
【0139】
また、光吸収層902は、下部半導体分布ブラッグ反射鏡の中で、共振器に近い位置(すなわち、光の定在波の強度分布において、活性層406から3個目の腹の位置)に設けられている。これによって、光強度分布が強い腹の位置で、効率よく光を吸収することができる。
【0140】
第8の実施形態
本発明の第8の実施形態の半導体発光素子は、第5の実施形態の半導体発光素子において、光吸収層と活性層との間の領域を除いて、光吸収層と活性層のそれぞれ上下に選択酸化層が設けられていることを特徴としている。
【0141】
活性層に隣接したp型領域に設けられた選択酸化層は、活性層に電流が注入される領域を限定して、面発光半導体レーザの閾電流を低減している。
【0142】
一方、光吸収層に隣接したp型領域に設けられた選択酸化層は、電流狭窄されたレーザ発振領域に対応した光吸収層の場所に電界を集中させる働きをしている。これにより、面発光半導体レーザ内部において、横方向の光強度分布が強い位置で、光吸収層の電界を集中させてバンドギャップを縮小し、光を効率よく吸収させることが可能となる。
【0143】
図11は本発明の第8の実施形態の半導体発光素子を示す図である。図11を参照すると、第8の実施形態の半導体発光素子は、p型GaAs基板801上に、p型下部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡802が積層され、さらに、p型下部分布ブラッグ反射鏡802上に、p型AlAs層1101,p型GaInP非発光再結合防止層803,GaInNAs光吸収層403,n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡804,下部GaAsスペーサ層405,GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層406,上部GaAsスペーサ層407,p型AlAs層805,p型上部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡806が、順次積層されている。
【0144】
また、p型上部分布ブラッグ反射鏡806上には、光出射部を除いて上部電極409が形成されており、p型のGaAs基板801の裏面には、裏面電極411が形成されている。また、積層構造表面からn型下部分布ブラッグ反射鏡804までエッチングされて、1段目の円筒状のメサ構造が形成されており、エッチングした底面には共通電極410が形成されている。さらに、p型下部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡802に達するまでエッチングされて、2段目の円筒状のメサ構造が形成されている。
【0145】
そして、p型AlAs層805及びp型AlAs層1101は、メサエッチングされた側面からそれぞれ水蒸気により選択的に酸化されて、AlOx絶縁領域807が形成されている。
【0146】
ここで、上部GaAsスペーサ層407の上に設けたp型AlAs層805は、選択酸化されることにより、活性層406に電流が注入される領域を限定して、面発光半導体レーザの閾電流を低減している。
【0147】
一方、p型GaInP非発光再結合防止層803の下に設けたp型AlAs層1101は、選択酸化されることにより、電流狭窄されたレーザ発振領域に対応した光吸収層403の場所に電界を集中させる働きをしている。これにより、面発光半導体レーザ内部において、横方向の光強度分布が強い位置で、光吸収層403の電界を集中させてバンドギャップを縮小し、光を効率よく吸収させることができる。
【0148】
なお、図11の例において、Al除去工程はp型GaInP非発光再結合防止層803の途中に設けられている。
【0149】
第9の実施形態
本発明の第9の実施形態の光伝送システムは、第1〜第8のいずれかの実施形態の半導体発光素子を用いたことを特徴としている。
【0150】
第1〜第8のいずれかの実施形態の半導体発光素子は、石英光ファイバの伝送に適した1.2〜1.6μmの波長でレーザ発振する半導体レーザ素子である。そして、面発光型であるため、消費電力が低く、製造コストが低減できる。また、光変調器が集積されており、10GHz以上の高速変調が可能となっている。そして、光変調器と半導体レーザがモノリシックに集積されているため、光伝送モジュールの部品数が少なくなり、小型化できる。従って、10Gbps以上、例えば20〜40Gbpsの大容量光伝送システムを低コストで実現することができる。
【0151】
図12は本発明の第9の実施形態の光伝送システムの構成例を示す図である。図12の光伝送システムは、光送信モジュール1201と、光受信モジュール1202と、石英光ファイバケーブル1203とを備えている。ここで、光送信モジュール1201には、変調器集積面発光半導体レーザ1204と、駆動制御回路1205とが設けられ、また、光受信モジュール1202には、受光素子1206と、受信回路1207とが設けられている。
【0152】
図12の光伝送システムでは、光送信モジュール1201に入力された電気信号は、駆動制御回路1205に入力される。駆動制御回路1205では、変調器集積面発光半導体レーザ1204の面発光レーザ部に連続通電し、かつ光変調器に印加するバイアス電圧を入力信号に応じて変調させることにより、レーザ光強度を変調して光信号を発生させる。
【0153】
変調器集積面発光半導体レーザ1204からの光信号は、光ファイバケーブル1203を導波して光受信モジュール1202中の受光素子1206に入力される。受光素子1206は、受光した光信号を電気信号に変換する。その後、受信回路1207で、信号を増幅,符号化して出力する。
【0154】
図12の光伝送システムにおいて、変調器集積面発光半導体レーザ1204には、第1〜第8のいずれかの実施形態の変調器集積面発光半導体レーザ素子を用いることができる。
【0155】
第1〜第8のいずれかの実施形態の半導体発光素子は、石英光ファイバの伝送に適した1.2〜1.6μmの波長でレーザ発振する半導体レーザ素子である。そして、面発光型であるため、製造コストが低減できる。また、光変調器が集積されており、10GHz以上の高速変調が可能となっている。そして、光変調器と半導体レーザがモノリシックに集積されているため、光伝送モジュールの部品数が少なくなり、小型化できる。従って、20〜40Gbpsの大容量光伝送システムを低コストで実現することができる。
【0156】
また、成長室に残留したAl濃度を低減して、GaInNAs活性層及びGaInNAs光吸収層を成長することによって、発光効率が高い半導体レーザを形成できる。従って、光伝送モジュールの消費電力を低減することができる。
【0157】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1記載の発明によれば、GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラック反射鏡と、N(窒素)を構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成される面発光半導体レーザ素子と、
Nを構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積され、
前記半導体光変調器が、面発光半導体レーザ素子の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、前記下部半導体分布ブラッグ反射鏡または共振器または上部半導体分布ブラッグ反射鏡または半導体光変調器の一部が、Alを構成元素として含む半導体層で構成されている半導体発光素子の製造方法において、
成長室に、窒素化合物原料またはAl原料を供給して結晶成長する工程を有し、
さらに、Alを構成元素として含む層の結晶成長工程と、Nを構成元素として含む層の結晶成長工程との間に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けたので、活性層の発光効率を改善でき、また、表面平坦性の劣化を抑制することができる。
【0158】
また、請求項2記載の発明によれば、GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積されており、
前記半導体光変調器は、活性層よりも上側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の上部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と共振器との間に残留不純物が偏析した界面を有し、前記界面と前記共振器との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられているので、活性層の発光効率を更に向上させることができる。
【0159】
また、請求項3記載の発明によれば、GaAs基板上に、
下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
積層方向にモノリシックに集積されており、
前記半導体光変調器は、活性層よりも下側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の下部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
GaAs基板側の下部半導体分布ブラッグ反射鏡と光吸収層との間に残留不純物が偏析した界面を有し、前記界面と前記光吸収層との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられているので、光変調器のリーク電流を抑制して、信頼性を向上させることができる。
【0160】
また、請求項4記載の発明によれば、請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層は、全てGaInAsP系材料で形成されているので、活性層の発光効率をより一層向上させ、また、これと同時に、信頼性を向上させることができる。
【0161】
また、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層は、導電型がn型のものであるので、活性層の発光効率を低下させることなく、面発光半導体レーザの電流狭窄が可能となる。従って、低閾電流で動作させることができる。
【0162】
また、請求項6記載の発明によれば、請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子において、前記半導体光変調器は、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、光吸収層は、3/4波長の光学的厚さを有する高屈折率層中において、活性層に近い側から1/4波長の光学的厚さの位置に配置されているので、活性層で発生した光を効率良く吸収することができる。
【0163】
また、請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の半導体発光素子において、光吸収層と共振器との間に2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、
2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡において、共振器に近い側の高屈折率層にオーミック電極が形成されているので、活性層と光吸収層の両方に対してキャリア閉じ込めを高くすることができる。
【0164】
また、請求項8記載の発明によれば、請求項5記載の半導体発光素子において、
光吸収層と活性層との間の領域を除いて、光吸収層と活性層のそれぞれ上下に選択酸化層が設けられているので、活性層への電流狭窄に加えて、発振領域の光吸収層に電界を集中させることができる。従って、光を効率良く吸収させることができる。
【0165】
また、請求項9記載の発明によれば、光伝送システムに請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の半導体発光素子を用いたことを特徴とする光伝送システムので、10Gbps以上の大容量伝送を低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板と窒素を含む活性層との間にAlを含む半導体層が設けられている半導体発光素子の一例を示す図である。
【図2】半導体発光素子の窒素濃度,酸素濃度の深さ方向分布を示す図である。
【図3】半導体発光素子のAl濃度の深さ方向分布を示す図である。
【図4】第1の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図5】第2の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図6】第3の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図7】第4の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図8】第5の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図9】第6の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図10】第7の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図11】第8の実施形態の半導体発光素子の一例を示す図である。
【図12】第9の実施形態の光伝送システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 Alを含む第1の半導体層
3 中間層
4 窒素を含む活性層
5 第2の半導体層
401 第1導電型のGaAs基板
402 第1導電型の下部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡
403 GaInNAs光吸収層
404 第2導電型の下部分布ブラッグ反射鏡
405 下部GaAsスペーサ層
406 GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層
407 上部GaAsスペーサ層
408 第1導電型のGaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡
409 上部電極
410 共通電極
411 裏面電極
501 GaInP非発光再結合防止層
502 第2導電型の上部分布ブラッグ反射鏡
503 第1導電型の上部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡
701 第2導電型の下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡
801 p型GaAs基板
802 p型下部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡
803 p型GaInP非発光再結合防止層
804 n型下部GaAs/GaInP分布ブラッグ反射鏡
805 p型AlAs層
806 p型上部GaAs/AlGaAs分布ブラッグ反射鏡
807 AlOx絶縁領域
804a n型GaInP低屈折率層
804b n型GaAs高屈折率層
901 下部GaAs中間層
902 GaInNAs/GaAs多重量子井戸光吸収層
903 上部GaAs中間層
1101 p型AlAs層
1201 光送信モジュール
1202 光受信モジュール
1203 光ファイバケーブル
1204 変調器集積面発光レーザ素子
1205 駆動制御回路
1206 受光素子
1207 受信回路

Claims (9)

  1. GaAs基板上に、
    下部半導体分布ブラック反射鏡と、N(窒素)を構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成される面発光半導体レーザ素子と、
    Nを構成元素として含むGaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
    積層方向にモノリシックに集積され、
    前記半導体光変調器が、面発光半導体レーザ素子の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、前記下部半導体分布ブラッグ反射鏡または共振器または上部半導体分布ブラッグ反射鏡または半導体光変調器の一部が、Alを構成元素として含む半導体層で構成されている半導体発光素子の製造方法において、
    成長室に、窒素化合物原料またはAl原料を供給して結晶成長する工程を有し、
    さらに、Alを構成元素として含む層の結晶成長工程と、Nを構成元素として含む層の結晶成長工程との間に、成長室内の窒素化合物原料または窒素化合物原料中に含まれる不純物が触れる場所に残留したAl原料、または、Al反応物、または、Al化合物、または、Alを除去する工程を設けたことを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. GaAs基板上に、
    下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
    GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
    積層方向にモノリシックに集積されており、
    前記半導体光変調器は、活性層よりも上側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の上部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
    下部半導体分布ブラッグ反射鏡と共振器との間に残留不純物が偏析した界面を有し、前記界面と前記共振器との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
  3. GaAs基板上に、
    下部半導体分布ブラッグ反射鏡と、GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された活性層を含む共振器と、上部半導体分布ブラッグ反射鏡とを積層して構成された面発光半導体レーザ素子と、
    GaNAs,GaInNAs,GaNAsSb,GaInNAsSbのいずれかの材料で構成された光吸収層を含む半導体光変調器とが、
    積層方向にモノリシックに集積されており、
    前記半導体光変調器は、活性層よりも下側の共振器内、または、面発光半導体レーザ素子の下部半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、
    GaAs基板側の下部半導体分布ブラッグ反射鏡と光吸収層との間に残留不純物が偏析した界面を有し、前記界面と前記光吸収層との間に、GaInAsP系材料からなる非発光再結合防止層が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層は、全てGaInAsP系材料で形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項4記載の半導体発光素子において、活性層と光吸収層との間に設けられている半導体層は、導電型がn型のものであることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項2または請求項3に記載の半導体発光素子において、前記半導体光変調器は、面発光半導体レーザ素子の半導体分布ブラッグ反射鏡内に配置されており、光吸収層は、3/4波長の光学的厚さを有する高屈折率層中において、活性層に近い側から1/4波長の光学的厚さの位置に配置されていることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項6記載の半導体発光素子において、光吸収層と共振器との間に2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡が設けられており、2周期の半導体分布ブラッグ反射鏡において、共振器に近い側の高屈折率層にオーミック電極が形成されていることを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項5記載の半導体発光素子において、光吸収層と活性層との間の領域を除いて、光吸収層と活性層のそれぞれ上下に選択酸化層が設けられていることを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載の半導体発光素子を用いたことを特徴とする光伝送システム。
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