JP2008032567A - 無線機能付き時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無線機能付き時計であって、ハウジングと、前記ハウジング内に収容され、外部からの電波を受信するためのアンテナと、前記ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルと、前記回転ベゼルを周方向に分断する少なくとも1つのスリットと、を備える。
【選択図】図1
Description
このため、無線機能付き時計は、アンテナを収納する筐体であるハウジングを、合成樹脂などの非導電性の素材から構成することで、電波の受信感度を良好とすることが考えられる。
このため、アンテナを収納する筐体であるハウジングを、合成樹脂などの非導電性の素材ではなく、導電性の素材、すなわち金属製の素材を採用することが求められる。
しかしながら、アンテナを、導電性のハウジング、すなわち、金属製のハウジング内に収納した場合には、アンテナ近傍に発生する磁束が導電材料である金属製のハウジングに吸収され、共振現象が妨げられるため、アンテナが標準電波を受信する受信機能が著しく低下してしまうことになる。
例えば特許文献1では、金属製筐体である金属製のハウジングを備える電波時計、特に電波腕時計が開示されている。
なお、本明細書中で「上下方向」とは、図21または図1において、上下方向を意味する。従って上面とは、腕時計を手首に装着した状態において外方に露出する面であり、下面とは同状態において手首と相対する面である。
ースの上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防(ガラス)108とを備えている。
なお、図示しないが、ムーブメント110より突出して、ソーラーセル112と文字板114とを貫通する針軸に、分針と時針とが配置される。これら分針と時針とは、文字板114と風防108との間に位置して時刻を表示するようになっている。
ところで、このような金属製外装が採用された電波時計100においては、アンテナ116が電波を受信する際に、金属製の時計ケース104において、その環状壁の周方向に沿った渦電流が誘導電流として流れることになる。
このような現象を回避するために、この特許文献1の電波時計100においては、時計ケース104の環状壁には、時計ケース104を周方向に分断するスリット122を備えている。
従って、このスリット122を備える電波時計100では、アンテナ116が電波を受信する際に、時計ケース104の環状壁の周方向に沿った渦電流が流れないので、導電性である金属製の時計ケース104を採用した場合にも、アンテナ116の受信が確保されるようになっている。
ト122を形成して、このスリット122に合成樹脂からなる絶縁部材を埋め込んだ状態であるので、美観が良好ではなく、高級感に欠けることになり、また、全てを金属で構成した時計ケースに比較して、絶縁部材の部分で強度がどうしても弱くなり、防水性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐薬品性にも劣ることになる。
本発明の無線機能付き時計は、
無線機能付き時計であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、外部からの電波を受信するためのアンテナと、
前記ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルと、
前記回転ベゼルを周方向に分断する少なくとも1つのスリットと、
を備えることを特徴とする。
また回転ベゼルは、ハウジング上に配置されているため、ハウジングとは別体であり、回転ベゼルにスリットが形成されても、ハウジング自体の防水性は低下しない。
ネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
前記回転ベゼルのスリット内に、絶縁部材が配置されていることを特徴とする。
このように構成することによって、時計ケース上に配置した導電性の回転ベゼルに、回転ベゼルを周方向に分断するスリットが形成され、このスリット内に絶縁部材が配置されているので、この絶縁部材によって、回転ベゼルに沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
また、絶縁部材は、非導電性の素材から成る部材であっても、導電性の素材に非導電性の被膜が被覆された部材であってもよい。非導電性の素材としては、合成樹脂、ゴム、またはセラミックなどが採用される。導電性の素材としては、上述した回転ベゼルの素材が採用される。
絶縁部材は、不用意に抜脱しないように回転ベゼルに固定されることが好ましい。この固定手段としては、嵌合、圧入、接合、インサート成形など、機械的な係合手段が採用される。絶縁部材と回転ベゼルとを接合する接合層としては、接着剤、粘着剤、または両面テープなどが用いられる。これら接合層は、非導電性の絶縁層であることが好ましい。
前記絶縁部材が、非導電性の合成樹脂であることを特徴とする。
このように絶縁部材を、非導電性の合成樹脂から構成することによって、回転ベゼルをスリットの部分で確実に絶縁することができ、スリットの大きさや形状に合わせた絶縁部材を、例えば、一体成形などで容易に製造することができる。
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする。
また「同色色調」とは、回転ベゼルと絶縁部材との色調が、共に同じ色調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。例えば、濃い金色、薄い金色、明るい金色、または暗い金色は、ここではすべて金色の同色色調とされる。
なお、回転ベゼルと絶縁部材における視認面以外の外面が、同色色調であって、回転ベゼルと絶縁部材における外面すべてが、同色色調であってもよい。
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする。
導電性素材より成る回転ベゼルと同じような金属外観を得るために、絶縁部材は、回転ベゼルと同色色調のメタリック塗装による塗装被膜に被覆されてもよい。このメタリック塗装被膜として、例えばメタリック顔料が混入された塗装被膜が採用される。
また、金色を得るためには、銅、亜鉛、鉄などを成分とするブロンズ顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
これら以外にも、パール顔料、グラファイト顔料、フタロシャニンフレークなどの様々な顔料が採用されても良い。
先ず、絶縁部材の外表面上に下地塗装被膜が被覆される。
次いで、この下地塗装被膜の上にメタリック塗装被膜が被覆される。
れることが好ましい。
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする。
回転ベゼルが金属色調を呈するのであれば、絶縁部材は、赤、オレンジ、黄色などの目立つ色調を呈することができる。絶縁部材の視認面の色調とは、絶縁部材の素材そのものの色調であっても、絶縁部材に被覆された被膜の色調であってもよい。この被膜としては、塗装被膜、印刷被膜、または乾式めっき被膜などが挙げられる。
前記絶縁部材が、導電性の付加部材を保持し、
前記付加部材が、外方から視認され得るように、かつ前記回転ベゼルと接触しないように前記絶縁部材に保持されていることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする。
前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする。
前記付加部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする。
このように付加部材を、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信成否の表示など、時計の機能表示を示す指標とすることによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルと前記絶縁部材と前記付加部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする。
さらに、指標面に指標を印刷して形成する場合、平滑な指標面に極めて容易に指標を印刷することができる。
前記付加部材が、前記回転ベゼルと前記絶縁部材との境界の少なくとも一部を覆う覆い部を備えることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材の覆い部と前記回転ベゼルとの間に、前記絶縁部材より延出する延出部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記付加部材が、前記絶縁部材に形成された凹部内に配置されていることを特徴とする。
また、付加部材と絶縁部材の視認面とが略同一平面を形成するように、絶縁部材の凹部内に付加部材を配置することができ、回転ベゼルと絶縁部材と付加部材とが一体的に視認されるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
前記スリット内に一定間隔離間して配置された2つの前記絶縁部材の間に、前記付加部材が配置されていることを特徴とする。
また、付加部材と絶縁部材の視認面とが略同一平面を形成するように、2つの絶縁部材の間に付加部材を配置することができ、回転ベゼルと絶縁部材と付加部材とが一体的に視認されるので、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
前記絶縁部材と前記付加部材のいずれか一方に突設された係合凸部と、他方に形成された係合孔部とを備え、
前記係合凸部と前記係合孔部との係合によって、前記付加部材が前記絶縁部材に取り付けられていることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材が、前記回転ベゼルの前記スリットの開放端を越えて、前記回転ベゼルの上面まで延出する指標部を備えることを特徴とする。
さらに、回転ベゼルのスリットが、時計の携帯者などに視認されにくくなるため、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
前記指標部が、導電性の材質からなることを特徴とする。
このように、指標部が導電性材質からなれば、回転ベゼルの外観に、さらに金属調の高級感と美観が付与されることとなる。
なお、導電性の材料としては、回転ベゼルと同じように、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
前記絶縁部材が、装飾部材を備えることを特徴とする。
このように構成することによって、絶縁部材に、例えば宝石や貴石などの輝石からなる装飾部材を備えることによって、回転ベゼルの美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
前記回転ベゼルの上面における内周縁に、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部が形成され、
前記段部に、少なくとも前記ベゼルに設けられている前記スリットを覆うように、補強部材が固定されていることを特徴とする。
前記補強部材が、環状に構成されていることを特徴とする。
このように補強部材が環状であれば、回転ベゼルの周方向全体にわたって補強することができる。
前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする。
また「同色色調」とは、回転ベゼルと補強部材との色調が、共に同じ色調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。例えば、濃い金色、薄い金色、明るい金色、または暗い金色は、ここではすべて金色の同色色調とされる。
り、回転ベゼルの美観、時計自体の美観が向上する。
なお、回転ベゼルと補強部材における視認面以外の外面が、同色色調であって、回転ベゼルと補強部材における外面すべてが、同色色調であってもよい。
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする。
導電性素材より成る回転ベゼルと同じような金属外観を得るために、補強部材は、回転ベゼルと同色色調のメタリック塗装による塗装被膜に被覆されてもよい。このメタリック塗装被膜として、例えばメタリック顔料が混入された塗装被膜が採用される。
また、金色を得るためには、銅、亜鉛、鉄などを成分とするブロンズ顔料が含有された塗装被膜が被覆される。
これら以外にも、パール顔料、グラファイト顔料、フタロシャニンフレークなどの様々な顔料が採用されても良い。
先ず、補強部材の外表面上に下地塗装被膜が被覆される。
次いで、この下地塗装被膜の上にメタリック塗装被膜が被覆される。
前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記補強部材上に、時計の機能表示を示す指標で形成されていることを特徴とする。
前記回転ベゼルと前記補強部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする。
また、本発明の無線機能付き時計は、
前記回転ベゼルが導電性の材質であって、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面との間に、絶縁領域を備えることを特徴とする。
また、回転ベゼルと時計ケースとの間に絶縁領域を備えることによって、上記のように回転ベゼルに形成したスリット、またはスリット内に配置された絶縁部材のアンテナ受信感度の向上性との相乗効果によって、さらにアンテナの受信感度が向上することになる。
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
・DLC(Diamond Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、または、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または、酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
さらに、前述の絶縁部材に採用された絶縁被膜が用いられても良い。
前記絶縁領域が、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面の少なくともいずれか一方に形成された絶縁被膜から構成されていることを特徴とする。
また、本発明によれば、回転ベゼルを周方向に分断するスリット内に、絶縁部材が配置されているので、この絶縁部材によって、回転ベゼルに沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
また、スリット内に絶縁部材が配置されているので、回転ベゼルの強度を維持することができる。
(実施例1)
図1は、本発明の第1の実施例における無線機能付き時計の斜視図、図2は、図1の第1の実施例における無線機能付き時計の断面図、図3は、図2の第1の実施例における無
線機能付き時計のクリックばね部材を説明する斜視図である。
なお、本発明で言う「無線機能付き時計」とは、パソコン通信機能、携帯電話機能や非接触式ICカード機能などの無線機能を備える時計、時刻情報を含む長波標準電波(搬送波)を受信し、その時刻情報に基づいて時刻を修正する無線機能を備えた電波時計、これらの無線機能のいずれかを組み合わせて構成した時計を含むものであり、その他の無線機能を含んでも良いものである。
このハウジング12は、金属製の略円筒形状の枠体を構成する時計ケース14と、時計ケース14の下面開口部を覆うように密封状態で装着される金属製の裏蓋16と、この時計ケースの上面開口部を覆うように、密封状態で装着される風防(ガラス)18とを備えている。
なお図2では、アンテナ26はコアとなる棒状の磁芯部材と、磁芯部材の外周に巻かれたコイルとから成るバーアンテナとして図示しているが、その他の構成のアンテナとすることも可能である。
また、ムーブメント20より突出して、ソーラーセル22と文字板24とを貫通する針軸31には、分針27と時針29とが配置される。これら分針27と時針29とは、文字板24と風防18との間に位置して時刻を表示するようになっている。
いわゆるアナログ時計を例に挙げて説明しているが、他にも文字板24の替わりに液晶表示装置を配設して、時刻をデジタル表示するデジタル時計であっても良く、さらにはアナログとデジタルとを併用することのできる時計であっても良いものである。
また、時計ケース14の上面には、上方に向けて立設された環状壁45と、環状壁45に隣接し、環状壁45に対して平面方向に沿った外側に下方方向に環状に形成された環状溝43と、が設けられている。そしてこの環状溝43内に、導電性の回転ベゼル36が回転可能に装着されている。
なお回転ベゼルに機能表示がなされている場合の表示内容としては、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信の成否の表示などの時計の機能表示などが挙げられる。
本実施例においては、このような環状溝43の底面に、図3に示したような環状のクリックばね部材47が載置されている。
一方、裏蓋16には、内側に突設する中子部材48が形成されており、この中子部材48の外周側には、離間して形成された複数の係合突設部50が突設されている。そして、時計ケース14の下端近傍の内周側には、この裏蓋16の中子部材48の係合突設部50が嵌合する係合用凹部52が形成されている。
このように構成することによって、裏蓋16の中子部材48の係合突設部50を、時計ケース14の下端近傍の内周側に設けられた係合用凹部52に係合することによって、時計ケース14の内周側に形成されたフランジ形状の見返し部32と、裏蓋16の中子部材48の上端部との間で、支持枠54を介して、ムーブメント20、ソーラーセル22、文字板24が、時計ケース14の内部に固定され、収容されるようになっている。
また、回転ベゼル36を構成する導電性の材料としては、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、または、これらの合金などを採用することができる。
ところで、このような無線機能付き時計10においては、アンテナ26が電波を受信する際に、導電性の回転ベゼル36には、周方向に沿った渦電流が誘導電流として流れることになる。
このような現象を回避するために、本発明の無線機能付き時計10においては、回転ベゼル36を周方向に分断するスリット56が形成されている。
これにより、回転ベゼル36に流れる渦電流に起因するアンテナ26の受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
(実施例2)
図4は、本発明の第2の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図、図5は、本発明の第2の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
このように構成することによって、時計ケース14上に配置した導電性の回転ベゼル36に、回転ベゼル36を周方向に分断するスリット56が形成され、このスリット56内に絶縁部材78が配置されているので、この絶縁部材78によって、回転ベゼル36に沿って渦電流が流れるのが分断され、渦電流の発生が阻止されることになる。
また、このようにスリット56内に絶縁部材78が配置されているので、回転ベゼル36の強度が維持されることにもなる。
なお絶縁部材78は、回転ベゼル36に設けられたスリット56と同数設ければよく、スリット56が一箇所に設けられている場合には絶縁部材78を一つ設け、スリット56が複数箇所に設けられている場合には絶縁部材78をスリット56の数と同じだけ設けるようにすれば良い。
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
・DLC(DIAMOND Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、または、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
この場合、絶縁部材78が非導電性の合成樹脂であれば、回転ベゼル36をスリット56の部分で確実に絶縁することができ、スリット56の大きさや形状に合わせた絶縁部材78を、一体成形などで容易に製造することができる。
このように、絶縁部材78の視認面の色調を、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調となるように構成すれば、絶縁部材78が視認され難くなり、回転ベゼル36の美観、時計自体の美観が向上することになる。なお「視認面」とは、外面のうち観察者に視認される領域を言う。
このように、絶縁部材78の視認面の色調を、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調となるように構成すれば、例えばこの絶縁部材78の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
さらに、絶縁部材78を、時計の機能表示を示す指標とすることもできる。
(実施例3)
図6は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図、図7は、本発明の第3の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図、図8は、絶縁部材の指標部が、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて、回転ベゼルの上方まで延出した場合の状態を説明する斜視図、図9は、絶縁部材の指標部が、回転ベゼルのスリットの開放端を越えて、回転ベゼルの上方まで延出した場合の他の状態を説明する斜視図、図10は、絶縁部材の指標部を、導電性の材質とした場合の状態を説明する斜視図である。
このように構成することによって、絶縁部材78を、時計の機能表示を示す指標として用いられる場合、指標部88が時計の機能表示を明確に指示することになり、時計の携帯者などの観察者が、時計の機能表示を視認しやすくなる。
なお、導電性の材料としては、回転ベゼル36と同じように、金、銀、銅、黄銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、チタン、またはこれらの合金などが採用される。また、例えば、チタン合金、ステンレススチール、タンタルカーバイドなどが採用されてもよい。
また、指標部88として合成樹脂のような非導電性材料が採用される場合、指標部88は絶縁部材78とは異なる色調の合成樹脂で成形されてもよい。すると、指標部88が視認されやすくなるので、時計の携帯者などの観察者が、さらに時計の機能表示を視認しやすくなる。
例えば、指標部88が回転ベゼル36のスリット56の開放端を越えて、回転ベゼル36の上面まで延出した構成であって、絶縁部材78と指標部88とが一体である場合には、図8に示した無線機能付き時計10のような構成となる。
なお、指標部88と絶縁部材78とが、共に合成樹脂のような射出成形可能な非導電性材料から成る場合は、指標部88と絶縁部材78とが一体的に成形されてもよい。
この場合、絶縁部材78を構成する導電性材料としては、実施例2で説明したものと同様のものを使用することができる。
(実施例4)
図11は、本発明の第4の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図である。
このように絶縁部材78に宝石や貴石などの輝石からなる装飾部材84を備えることによって、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
(実施例5)
図12は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着する状態を説明する斜視図、図13は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する斜視図、図14は、本発明の第5の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材を装着した状態を説明する部分断面図である。
固定手段としては、嵌合、圧入、接合、インサート成形など、機械的な係合手段が採用される。また、絶縁部材78と付加部材80とを接合する場合には、接合層に接着剤、粘着材、または両面テープなどが用いられる。
この場合、付加部材80の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調とすることができる。
このように、付加部材80の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と異色色調となるように構成することによって、この付加部材80の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
すなわち、付加部材80を、時刻表示、日付表示、曜日表示、月表示、年表示、電池の残量表示、圧力や温度などの外環境測定値の表示、アンテナの受信感度表示、アンテナにおける受信成否の表示など、時計の機能表示を示す指標とすることによって、時計の機能表示を、時計の携帯者などの観察者に示すことができる。
らにブランド名、メーカー名、商品名などを表すマークやエンブレムなどの商品表示部材であってもよい。
(実施例6)
図15は、本発明の第6の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着した状態を説明する部分断面図である。
また、付加部材80と絶縁部材78の視認面とが略同一平面を形成するように、2つの絶縁部材78、78の間に付加部材を配置することができ、回転ベゼル36と絶縁部材78と付加部材80とが一体的に視認されるので、回転ベゼル36の美観と高級観が向上し、時計自体の美観も向上することになる。
(実施例7)
図16は、本発明の第7の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着する状態を説明する斜視図、図17は、本発明の第7の実施例における無線機能付き時計であって、スリット内に絶縁部材と付加部材とを装着した状態を説明する斜視図である。
がさらに向上する。
なおこの場合、絶縁部材78と付加部材80のいずれか一方に突設された係合凸部と、他方に形成された係合孔部とを係合することによって、付加部材80を絶縁部材78に取り付ければよく、付加部材に80に係合孔部を設け、絶縁部材78に係合凸部を設けることも可能である。
このように構成することによって、回転ベゼル36と絶縁部材78との境界を越えて延びた導電性の付加部材80の覆い部80cが、絶縁部材78の延出部78eによって妨げられ、導電性の回転ベゼル36に接触しないことになる。
(実施例8)
図18は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定する状態を説明する斜視図、図19は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定した状態を説明する斜視図、図20は、本発明の第8の実施例における無線機能付き時計であって、回転ベゼル上に設けられた凹部に、補強部材を固定した状態を説明する部分断面図である。
材53が金属のような導電性の材料からなる場合には、ロー付け、溶接、レーザー溶接などで固定することができる。
なお補強部材53は、回転ベゼル36のスリット56にまたがって配置されていれば良く、これによって、回転ベゼル36のスリット56を視認され難くさせ、腕時計の美観が損なわれないようになっている。
また導電性の素材に、非導電性の被膜が被覆された部材とすることも可能である。
・DLC(DIAMOND Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、または、セルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
さらに、補強部材53の視認面の色調が、回転ベゼル36の視認面の色調と同色色調とすることもできる。
このようにすることによって、補強部材53の部分を、美観上または何らかの情報を、時計の携帯者などの観察者に視認し易くすることができる。
調と認識され得る範囲内にあることを意味し、その色調の濃淡や明暗など、色調の外観上の風合いが完全に一致することに限定されない。
さらに、補強部材53上に、時計の機能表示を示す指標を形成することもできる。
このように回転ベゼル36と補強部材53との間に、絶縁領域59を備えることによって、回転ベゼル36と補強部材53との間で、誘導電流が発生しないので、これらの回転ベゼル36と補強部材53との間に流れる渦電流に起因するアンテナ26の受信感度の低下が阻止されることになり、アンテナ26の受信感度が向上することになる。
このような絶縁領域59を構成する絶縁部材としては、合成樹脂、ゴム、または、セラミックなどの非導電性の絶縁部材を採用することができる。
・DLC(DIAMOND Like Carbon)などのCVD被膜、
・アクリル系材料、ウレタン系材料、またはセルロース系材料などの有機材料の絶縁被膜、
・クロム化合物を含むクロム化合物系被膜、または酸化アルミ化合物を含む酸化アルミ系被膜、
などを採用することができる。
部材を構成する導電性材料に貼着された絶縁部材であってもかまわない。
またこの場合、絶縁部材を回転ベゼル36側に貼着することもできる。
このように構成することによって、例えば、シート状の絶縁部材を補強部材53の下面に貼着するだけで良いので、補強部材53を回転ベゼル36の段部57に組み込み易くなり、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
このように絶縁被膜を塗装、蒸着などによって形成することによって、回転ベゼル36と補強部材53との間の境界面の少なくともいずれか一方に、絶縁被膜からなる絶縁領域59を形成することができ、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
回転ベゼル36の全面に絶縁被膜を形成する方法としては、回転ベゼル36を絶縁材料液に浸漬することによって、絶縁被膜を形成することができる。この方法を用いれば、作業能率が向上し、製造コストを低減することができる。
12・・・ハウジング
14・・・時計ケース
16・・・裏蓋
18・・・風防
20・・・ムーブメント
20a・・小径部
20b・・大径部
22・・・ソーラーセル
24・・・文字板
26・・・アンテナ
27・・・分針
28・・・バンド取り付け部
29・・・時針
30・・・脚部
31・・・針軸
32・・・見返し部
36・・・回転ベゼル
37・・・環状凸部
39・・・環状凹部
41・・・クリック溝
42・・・テーパー面
43・・・環状溝
45・・・環状壁
46・・・固定(防水)パッキン
47・・・クリックばね部材
48・・・中子部材
49・・・弾性爪
50・・・係合突設部
51・・・固定爪
52・・・係合用凹部
53・・・補強部材
54・・・支持枠
56・・・スリット
57・・・段部
59・・・絶縁領域
78・・・絶縁部材
78c・・凹部
78d・・係合孔部
78e・・延出部
80・・・付加部材
80c・・覆い部
80d・・係合凸部
82・・・指標
84・・・装飾部材
88・・・指標部
100・・・電波時計
102・・・ハウジング
104・・・時計ケース
106・・・裏蓋
108・・・風防
110・・・ムーブメント
112・・・ソーラーセル
114・・・文字板
116・・・アンテナ
118・・・バンド取り付け部
120・・・脚部
122・・・スリット
Claims (29)
- 無線機能付き時計であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、外部からの電波を受信するためのアンテナと、
前記ハウジング上に回転可能に配置される導電性の回転ベゼルと、
前記回転ベゼルを周方向に分断する少なくとも1つのスリットと、
を備えることを特徴とする無線機能付き時計。 - 前記回転ベゼルのスリット内に、絶縁部材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材が、非導電性の合成樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする請求項4に記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする請求項2または3に記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材が、導電性の付加部材を保持し、
前記付加部材が、外方から視認され得るように、かつ前記回転ベゼルと接触しないように前記絶縁部材に保持されていることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の無線機能付き時計。 - 前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする請求項8に記載の無線機能付き時計。
- 前記付加部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする請求項8に記載の無線機能付き時計。
- 前記付加部材が、時計の機能表示を示す指標であることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記回転ベゼルと前記絶縁部材と前記付加部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記付加部材が、前記回転ベゼルと前記絶縁部材との境界の少なくとも一部を覆う覆い部を備えることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記付加部材の覆い部と前記回転ベゼルとの間に、前記絶縁部材より延出する延出部が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の無線機能付き時計。
- 前記付加部材が、前記絶縁部材に形成された凹部内に配置されていることを特徴とする請求項8から14のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記スリット内に一定間隔離間して配置された2つの前記絶縁部材の間に、前記付加部材が配置されていることを特徴とする請求項8から15のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材と前記付加部材のいずれか一方に突設された係合凸部と、他方に形成された係合孔部とを備え、
前記係合凸部と前記係合孔部との係合によって、前記付加部材が前記絶縁部材に取り付けられていることを特徴とする請求項8から16のいずれかに記載の無線機能付き時計。 - 前記絶縁部材が、前記回転ベゼルの前記スリットの開放端を越えて、前記回転ベゼルの上面まで延出する指標部を備えることを特徴とする請求項2から17のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記指標部が、導電性の材質からなることを特徴とする請求項18に記載の無線機能付き時計。
- 前記絶縁部材が、装飾部材を備えることを特徴とする請求項2から19のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記回転ベゼルの上面における内周縁に、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部が形成され、
前記段部に、少なくとも前記ベゼルに設けられている前記スリットを覆うように、補強部材が固定されていることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の無線機能付き時計。 - 前記補強部材が、環状に構成されていることを特徴とする請求項21に記載の無線機能付き時計。
- 前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と同色色調であることを特徴とする請求項21または22のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- また、本発明の無線機能付き時計は、
前記絶縁部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調である金属外観と同色色調である金属外観を呈することを特徴とする請求項23に記載の無線機能付き時計。 - 前記補強部材の視認面の色調が、前記回転ベゼルの視認面の色調と異色色調であることを特徴とする請求項21または22のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記補強部材上に、時計の機能表示を示す指標で形成されていることを特徴とする請求項21から25のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記回転ベゼルと前記補強部材の視認面が、略同一平面を形成していることを特徴とする請求項21から26のいずれかに記載の無線機能付き時計。
- 前記回転ベゼルが導電性の材質であって、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面との間に、絶縁領域を備えることを特徴とする請求項21から27のいずれかに記載の無線機能
付き時計。 - 前記絶縁領域が、
前記回転ベゼルの上面より下方に凹設された環状の段部と、前記補強部材の裏面の少なくともいずれか一方に形成された絶縁被膜から構成されていることを特徴とする請求項28に記載の無線機能付き時計。
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