JP2008032093A - 電動式コントロールバルブの組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動式コントロールバルブにおいて、複雑な工程や熟練度を必要とすることなく、最小流量を高精度に設定すること。
【解決手段】最大弁閉位置設定の固定側ストッパ片42を組み付けられた雌ねじ組立体25を、雌ねじ組立体25のフランジ面26が仮想弁座治具50の治具基準面51に当接するように、仮想弁座治具50にセットし、雌ねじ部材18の雌ねじ19に、雄ねじ部材20の雄ねじ21をねじ係合させ、雄ねじ部材20と同軸一体のニードル弁体22の全閉面部22Aを仮想弁座面50に着座させる工程を用いて、電動式コントロールバルブを組み立てる。
【選択図】図8
【解決手段】最大弁閉位置設定の固定側ストッパ片42を組み付けられた雌ねじ組立体25を、雌ねじ組立体25のフランジ面26が仮想弁座治具50の治具基準面51に当接するように、仮想弁座治具50にセットし、雌ねじ部材18の雌ねじ19に、雄ねじ部材20の雄ねじ21をねじ係合させ、雄ねじ部材20と同軸一体のニードル弁体22の全閉面部22Aを仮想弁座面50に着座させる工程を用いて、電動式コントロールバルブを組み立てる。
【選択図】図8
Description
この発明は、電動式コントロールバルブの組立方法に関し、特に、最大弁閉位置にて所定の最小流量を有する可変絞り弁等として用いられる電動式コントロールバルブの組立方法に関するものである。
電動モータのロータの回転を雌ねじ部材と雄ねじ部材とによって送りねじ式に直線運動(軸線方向移動)に変換し、ニードル弁体の軸線方向移動によって弁ハウジング内に設けられている弁ポートの開度を増減する電動式コントロールバルブが知られている(例えば、特許文献1、2、3)。
また、可変絞り弁等として用いる電動式コントロールバルブには、最大弁閉位置にてニードル弁体が弁座面に着座せず、所定の最小流量を確保するものがあり、この種の電動式コントロールバルブにおける最小流量の設定は、最大弁閉位置を設定するストッパ機構のバルブ製造時の位置設定に行われている(例えば、特許文献4)。
この電動式コントロールバルブの最小流量設定では、各バルブ毎に、最大弁閉位置での弁体のリフト量(弁体と弁座面との離間距離)を、弁体が弁座面に着座する全閉位置より弁開方向にロータを所定回転角だけ逆回転させて設定し、この状態で、最大弁閉位置を設定する回転方向ストッパ機構の固定側ストッパの弁ハウジングに対する固定位置を設定している。
特開2005−291223号公報
特開2006−84012号公報
特開2003−97755号公報
特開2005−299741号公報
従来の電動式コントロールバルブの製造時における最小流量設定では、各バルブ毎に、弁体を弁座面に一旦着座させ、その後、弁開方向に手動等によってロータを所定回転角だけ逆回転させると云う複雑な工程が必要で、作業性が悪い。
しかも、ロータの逆回転量が最小流量設定の精度を決めるから、最小流量設定を高精度に行うためには、ロータの逆回転量を高精度に管理する必要が生じるが、実際には、最小流量設定のばらつきを避けることが非常に難しい。
この発明が解決しようとする課題は、複雑な工程や熟練度を必要とすることなく、高精度に最小流量を設定された電動式コントロールバルブを得ることである。
この発明による電動式コントロールバルブの組立方法は、電動モータのロータの回転を雌ねじ部材と雄ねじ部材とによって送りねじ式に軸線方向の直線移動に変換し、ニードル弁体の軸線方向移動によって弁ハウジング内に設けられている弁ポートの開度を増減する電動式コントロールバルブの組立方法であって、カップ形状をしていて開口縁部側に治具基準面を有し、カップ形状底部に仮想弁座面を有し、前記治具基準面と前記仮想弁座面との離間寸法が最大弁閉位置における前記ニードル弁体の前記雌ねじ部材よりの突出寸法に応じて設定された仮想弁座治具に、前記雌ねじ部材に最大弁閉位置設定の固定側ストッパを組み付けられた雌ねじ組立体を、当該雌ねじ組立体が有するフランジ面が前記治具基準面に当接するように前記仮想弁座治具にセットする第1の工程と、前記雌ねじ部材の雌ねじに前記雄ねじ部材の雄ねじをねじ係合させて、前記ニードル弁体を前記仮想弁座面に着座させる第2の工程と、前記ロータと、該ロータに係合して当該ロータと一体的に動く最大弁閉位置設定の可動側ストッパとを組み付け、当該可動側ストッパを前記固定側ストッパに当接させ、当該当接状態で、前記ロータと前記雄ねじ部材とを回転方向に相対変位不能のトルク伝達関係で連結する第3の工程と、前記雌ねじ組立体と前記ロータとの連結体を前記仮想弁座治具より取り外し、当該連結体を、当該雌ねじ組立体の前記フランジ面が弁ハウジングの雌ねじ組付基準面に当接するように、前記弁ハウジングにセットし、前記雌ねじ組立体を前記弁ハウジングに固定装着する第4の工程と、前記弁ハウジングあるいは前記雌ねじ組立体に、前記電動モータのロータケースを固定装着する第5の工程とを有することを特徴とする。
本発明の電動式コントロールバルブの組立方法は、好ましくは、前記第2の工程において、前記雄ねじ部材のねじ込み工具の回転トルクを管理し、前記ニードル弁体が前記仮想弁座面に着座して前記ねじ込み工具の回転トルクが所定値以上に上昇する時点で、当該ねじ込み工具による前記雌ねじ部材のねじ込みを停止することを特徴とする。
そして、前記最大弁閉位置設定のストッパが、前記ロータに設けられた可動側ストッパが前記ロータの回転によって回転しながら軸線方向に移動することにより、前記雌ねじ組立体に設けられた固定側ストッパに当接し、前記ロータの回転を制限するものである場合、本発明の電動式コントロールバルブの組立方法は、前記第3の工程において、前記可動側ストッパと前記固定側ストッパとの前記軸線方向の接触代を設定するようにすることができる。
この発明による電動式コントロールバルブの組立方法によれば、第1の工程で、雌ねじ組立体のフランジ面を仮想弁座治具の治具基準面に当接させ、第2の工程で、ニードル弁体を仮想弁座治具の仮想弁座面に着座させ、第3の工程で、可動側ストッパを固定側ストッパに当接させ、そして、第4の工程で、雌ねじ組立体のフランジ面が弁ハウジングの雌ねじ組付基準面に当接させるという、押し付け作業だけを行うことで、最大弁閉位置での弁体のリフト量(弁体と弁座面との離間距離)を再現性よく設定でき、複雑な工程や熟練度を必要とすることなく、個々のバルブにおいて最小流量が個体差なく高精度に設定される。
まず、この発明による組立方法が適用される電動式コントロールバルブの一つの実施形態を、図1、図2を参照して説明する。
図1に示されているように、この実施形態の電動式コントロールバルブは、プレス成形品による金属製のカップ状の弁ハウジング11を有する。弁ハウジング11は、側部に横継手12、下底部に下継手13をろう付け等によって固定装着されている。弁ハウジング11は、後述する雌ねじ部材18と共働して円筒状空間の弁室14を画定している。
弁ハウジング11の下底部には弁ポート15を形成された弁座部材16がろう付け等によって固定装着されている。弁ポート15は、弁室14の中心位置と同位置にあり、弁室14と下継手13とを連通接続している。横継手12は弁室14に直接連通している。
弁ハウジング11の上部にはプレス成形品による金属製の固定金具17によって雌ねじ部材18が弁室14の中心位置に回り止め固定されている。
ここで、雌ねじ部材18と固定金具17と後述の最大弁閉位置設定の固定側ストッパ部材41との、かしめ、溶接等による、一体的な組立体を雌ねじ組立体25と云う。雌ねじ組立体25は、弁ハウジング11に対する組付基準面を構成するフランジ面26を有しており、このフランジ面26は、カップ状の弁ハウジング11の上部開口縁に形成された雌ねじ組付基準面27に当接する段差面によって構成されている。そして、フランジ面26が雌ねじ組付基準面27に当接した状態で、両者を溶接等することによって、雌ねじ組立体25が弁ハウジング11に固定されている。
雌ねじ部材18には当該雌ねじ部材18の中心部を軸線方向(図1にて上下方向)に貫通する雌ねじ19が形成されている。
雌ねじ19には弁棒状の雄ねじ部材20の雄ねじ21がねじ係合している。雄ねじ部材20の一端(下端)にはニードル弁体22が一体形成されている。ニードル弁体22は、弁室14内にあり、軸線方向移動によって弁ポート15の開度を増減する。これにより、横継手12と下継手13との間を流れる流体の流量制御が行われる。
弁ハウジング11の上部には、ステッピングモータ30の金属製のロータケース31が溶接等によって固定装着されている。ロータケース31は円筒部31Aとドーム部31Bとを有するキャン形状をなしており、ドーム部31Bの中央部にロータ回転受け凹部31Cを形成されている。
ロータケース31の円筒部31Aの内側、つまりロータ室32にはステッピングモータ30のロータ33が回転可能に且つ軸線方向に移動可能に配置されている。ロータ33は、弁ハウジング11側に有底状のカップ形状をなし、外周部33Aを多極着磁されている。
ロータケース31の円筒部31Aの外側にはステッピングモータ30のステータコイルユニット35が固定装着されている。ステータコイルユニット35は、詳細な図示を省略しているが、コイル、多数の磁極歯等を有する一般的構造のものである。ステータコイルユニット35のコイルにパルス通電が行われることにより、パルス数に応じた回転角をもってロータ33が回転する。
ロータ33の内側には、略H形(図2参照)のトルク伝達形状部34が、底面側から所定の軸線方向長さ範囲で形成されている。雄ねじ部材20の他端(上端)はロータ33の底部中央に貫通形成された貫通孔33Bを貫通してロータ33の内側に突出している。雄ねじ部材20の上端にはトルク伝達形状部34と補形(図2参照)をなす形状のトルク伝達板23が固定装着されている。トルク伝達板23はロータ33のトルク伝達形状部34に軸線方向に変位可能に係合している。これにより、ロータ33と雄ねじ部材20とは、ロータ33の一端側(下端側)において、ロータ33の回転によりロータ33と雄ねじ部材20とが軸線方向に相対変位するトルク伝達関係で接続されている。
これにより、ロータ33の回転は、雄ねじ部材20に伝達され、雄ねじ部材20の雄ねじ21と雌ねじ部材18の雌ねじ19とのねじ係合により、雄ねじ部材20の回転に伴って雄ねじ部材20と一体のニードル弁体22が軸線方向に移動する。
ロータケース31内のドーム部31B側にはロータ受け部材36が設けられている。ロータ受け部材36はピポット軸部36Aをもってドーム部31Bの中央部のロータ回転受け凹部31Cに回転可能に係合し、当該係合によってロータケース31より回転可能に支持されている。ロータ受け部材36は、ピポット軸部36Aとは反対側に形成された円柱部36Bをもってロータ33の内筒部33Cに軸線方向に移動可能に嵌合している。これによりロータ受け部材36はロータ33の他端側(上端側)を軸線方向に移動可能に支持している。なお、ロータ受け部材36には、ロータケース31内とロータ33内の全体の圧力均一化のための均圧孔37が形成されている。
トルク伝達板23とロータ受け部材36との間には圧縮コイルばね38が設けられている。圧縮コイルばね38はトルク伝達板23とロータ受け部材36との間に作用してロータ受け部材36を常にドーム部31B側(上側)に付勢している。これにより、ピポット軸部36Aとロータ回転受け凹部31Cとの係合が保たれる。
ロータ33と雌ねじ部材18との間には圧縮コイルばね39が設けられている。圧縮コイルばね39はロータ33と雌ねじ部材18との間に作用してロータ33を常にドーム部31B側(上側)に付勢している。
圧縮コイルばね39のロータ33側の巻端は、ロータ33の下底部に形成された凹部33Dに係合して、ロータ33に設けられた可動側ストッパ片40をなしている。弁ハウジング11側には固定金具17によって固定側ストッパ部材41が固定装着されている。固定側ストッパ部材41には固定側ストッパ片42が起立形成されている。
可動側ストッパ片40は、ロータ33の弁閉方向の回転によってロータ33と共に回転しながら軸線方向に移動(降下移動)することにより、固定側ストッパ片42に当接し、ロータ33の弁閉方向の回転を制限する。
これら可動側ストッパ片40及び固定側ストッパ片42により、回転方向ストッパ機構が構成され、このストッパは、ロータ33の弁閉方向の最大回転位置(最大弁閉位置)である基点位置を設定する基点設定ストッパをなす。
可動側ストッパ片40は、ロータ33の弁開方向の1回転以内の回転によってロータ33と共に回転しながら軸線方向に移動(上昇移動)することにより、固定側ストッパ片42に当たらない軸線方向位置に逃げるようになっている。これにより、ロータ33の回転が1回転に制限されることがなく、ロータ33は、基点位置より弁開方向に多回転できる。
ロータ受け部材36にはフランジ部36Cによってロータ33の他端側(上端側)の端面43と対向するストッパ端面44が形成されている。ロータ33の端面43とストッパ端面44とは、ロータ33が基点位置(0パルス位置)に位置している図1の状態において、軸線方向間隙45をおいて対向し、可動側ストッパ片40が固定側ストッパ片42より離れる方向のロータ33の回転(弁開方向の回転)におけるロータ33の軸線方向移動(上昇移動)を軸線方向間隙45の軸線方向長さに制限する。これにより、軸線方向ストッパ機構が構成される。
軸線方向ストッパ機構の軸線方向間隙45の軸線方向長さ(初期値)は、可動側ストッパ片40が固定側ストッパ片42より離間するに必要な余裕をもった軸線方向移動量に応じて設定されている。これにより、軸線方向ストッパ機構は、可動側ストッパ片40が固定側ストッパ片42より離間するに必要な余裕をもった軸線方向移動のみのロータ33の軸線方向移動(上昇移動)を許し、それ以上のロータ33の軸線方向移動(上昇移動)を制限する。
つぎに、この実施形態による電動式コントロールバルブの動作について説明する。
図1に示されている基点位置状態(最大弁閉状態=0パルス位置)では、可動側ストッパ片40が固定側ストッパ片42に当接して、ロータ33のそれ以上の弁閉方向の回転を止められている。
この基点位置状態では、ニードル弁体22の全閉面部22Aは弁ポート15の弁室14側の開口縁の周りに存在する弁座面16Aより軸線方向に所定量ΔLだけ離れた位置にある。これにより、図3に示されているように、基点位置(最大弁閉位置)にて所定の最小流量Qminが得られる。
なお、図1に示されている基点位置状態では、ロータ33の端面43とロータ受け部材36のストッパ端面44とは軸線方向間隙45の初期値をもって対向している。
基点位置状態よりロータ33が弁開方向に1回転すると、可動側ストッパ片40は、ロータ33と共に回転しながら軸線方向に移動(上昇移動)することにより、固定側ストッパ片42に当たらない位置に軸線方向に逃げた位置に位置する。
この際のロータ33の軸線方向移動は、ロータ受け部材36に対して軸線方向に変位することにより行われ、この軸線方向移動に伴いロータ33の端面43とロータ受け部材36のストッパ端面44との軸線方向間隙45の軸線方向長さが小さくなる。
これにより更に、ロータ33が弁開方向に回転すると、ロータ33の端面43がロータ受け部材36のストッパ端面44に当接し、ロータ33のそれ以上の軸線方向移動(上昇移動)が制限される。つまり、ロータ33は、それ以上の上昇移動ができなくなる。
この状態(ロータ33の端面43がロータ受け部材36のストッパ端面44に当接する状態)になるまでは、雄ねじ部材20のトルク伝達板23とロータ33のトルク伝達形状部34との係合部において相対的な軸線方向変位は生じず、ロータ33より雄ねじ部材20へトルク伝達が行われ、雄ねじ部材20の回転によって雄ねじ部材20、ニードル弁体22がロータ33と一体的に軸線方向に移動する。
これにより更に、ロータ33が弁開方向に回転すると、ロータ33の上昇移動が止められていることにより、雄ねじ部材20の回転によって、雄ねじ部材20のトルク伝達板23とロータ33のトルク伝達形状部34との係合部において相対的な軸線方向変位を生じつつ、雄ねじ部材20、ニードル弁体22が軸線方向に移動(上昇移動)する。
つぎに、この実施形態による電動式コントロールバルブの組立方法を、図4〜図13を参照して説明する。
(1)まず、図4に示されているように、仮想弁座治具50と、雌ねじ部材18と固定金具17と固定側ストッパ部材41とをかしめや溶接等によって一体化した雌ねじ組立体25とを準備する。
仮想弁座治具50は、カップ形状をしていて開口縁部側に治具基準面51を有し、カップ形状底部が仮想弁座面52になっている。治具基準面51と仮想弁座面52との高さ方向の離間寸法Laは最大弁閉位置におけるニードル弁体22の雌ねじ部材18よりの弁室14側の突出寸法に応じて設定されている。
ここでは、離間寸法Laは、弁ハウジング11の雌ねじ組付基準面27と弁座面16Aとの軸線方向の離間寸法Lv(図8参照)より、前述した基点位置状態でのニードル弁体22の全閉面部22Aと弁座面16Aとの軸線方向の離間寸法(所定量ΔL)に等しい寸法だけ小さい値に設定されている。つまり、La=Lv−ΔLに設定されている。
なお、仮想弁座治具50の底部中央には、弁ポート15と同一径の仮想弁ポート53が形成されている。
つぎに、図5に示されているように、雌ねじ組立体25のフランジ面26が仮想弁座治具50の治具基準面51に当接するように、雌ねじ組立体25を仮想弁座治具50にセットする。
(2)つづいて、図6に示されているように、ニードル弁体22を同軸一体に有する雄ねじ部材20を準備し、図7に示されているように、仮想弁座治具50にセットされている雌ねじ組立体25のフランジ面26を、円筒状の浮き止め治具55によって仮想弁座治具50の治具基準面51に押し付け、この状態で、電動式のねじ込み工具56を用いて、雌ねじ部材18の雌ねじ19に、雄ねじ部材20の雄ねじ21をねじ係合させ、ニードル弁体22の全閉面部22Aを仮想弁座治具50の仮想弁座面52に着座させる。
これにより、図8に示されているように、雌ねじ組立体25のフランジ面26とニードル弁体22の全閉面部22Aとの軸線方向の離間寸法が、仮想弁座治具50の離間寸法La=Lv−ΔLに設される。
ねじ込み工具56は、回転トルクが所定値以上に上昇すると、駆動側と従動側とで滑りを生じ、回転トルク伝達を行わない滑りクラッチ57を有するような定トルク型のねじ込み工具である。
これにより、ニードル弁体22の全閉面部22Aが仮想弁座治具50の仮想弁座面52に着座し、それ以上にねじ込みを行おうとすると、ねじ込み工具56の回転トルクが所定値以上に上昇しようとし、滑りクラッチ57が滑り、ねじ込み工具56による雄ねじ部材20のねじ込みが停止する。
このことにより、ニードル弁体22の全閉面部22Aの仮想弁座治具50の仮想弁座面52に対する着座押し付け状態が安定する。このことは、製品の基点位置状態でのニードル弁体22の全閉面部22Aと弁座面16Aとの軸線方向の離間寸法(所定量ΔL)の個体差低減に寄与する。
なお、ねじ込み工具56の回転トルクの管理は、滑りクラッチ57による定トルク型以外に、ねじ込み工具56を駆動する電動モータ電流値制御によって行うこともできる。
(3)つぎに、図9に示されているように、可動側ストッパ片40を一体に有する圧縮コイルばね39、ステッピングモータ30のロータ33、トルク伝達板23を準備し、図10に示されているように、ストッパ接触代設定治具58、押え治具59を用いて、圧縮コイルばね39、ロータ33、トルク伝達板23を、雌ねじ組立体25、雄ねじ部材20に組み付ける。
この組み付けでは、圧縮コイルばね39を雌ねじ部材18にセットし、ストッパ接触代設定治具58の押え部58Aをロータ33の上端部33Eに当接させ、ストッパ接触代設定治具58の先端押え部58Bが仮想弁座治具50にセットされている雌ねじ組立体25の固定側ストッパ部材41の上面41Aに当接するまで、押え治具59によって圧縮コイルばね39を撓ませながらストッパ接触代設定治具58と共にロータ33を降下させる。
これにより、圧縮コイルばね39の可動側ストッパ片40をロータ33の凹部33Dに係合させ、ロータ33と一体的に動く最大弁閉位置設定の可動側ストッパ片40を組み付ける。そして、ロータ33側を回転させることによって可動側ストッパ片40を固定側ストッパ片42に当接させる。
このときの可動側ストッパ片40と固定側ストッパ片42との軸線方向の接触代ΔS(図11参照)は、ストッパ接触代設定治具58の押え部58Aと先端押え部58Bとの軸線方向の離間距離により決まり、接触代ΔSの組み付け時の誤差を無くすことができる。
つづいて、トルク伝達板23をロータ33のトルク伝達形状部34に係合させ、ロータ33の降下によってロータ33の貫通孔33Bを通ってロータ33の内側に位置している雄ねじ部材20の上端部にトルク伝達板23を係合させる。
そして、ストッパ接触代設定治具58、押え治具59による上述の押さえ込み状態で、つまり、可動側ストッパ片40と固定側ストッパ片42とが接触代ΔSをもって当接した状態で、溶接トーチ60によってトルク伝達板23を雄ねじ部材20の上端部に溶接する。これにより、可動側ストッパ片40と固定側ストッパ片42との当接状態で、ロータ33と雄ねじ部材20とが、ロータ33の回転によりロータ33と雄ねじ部材20とが軸線方向に相対変位するトルク伝達関係で連結される。
(4)つぎに、図12に示されているように、雌ねじ組立体25とロータ33との連結体を仮想弁座治具50より取り外し、弁座部材16等を取り付けられた弁ハウジング11を準備する。そして、図13に示されているように、雌ねじ組立体25とロータ33との連結体を、雌ねじ組立体25のフランジ面26が弁ハウジング11の雌ねじ組付基準面27に当接するように、弁ハウジング11にセットする。そして、雌ねじ組立体25を溶接等によって弁ハウジング11に固定装着する。
(5)つぎに、図1に示されているように、ロータ33に、圧縮コイルばね38、ロータ受け部材36を組み付け、弁ハウジング11にステッピングモータ30のロータケース31を溶接等によって固定装着する。そして、ロータケース31の外側にステータコイルユニット35を装着する。これにより、電動式コントロールバルブが完成する。なお、ロータケース31は、雌ねじ組立体25に溶接等によって固定装着されてもよい。
以上、説明したように、この実施形態による組立方法では、雌ねじ組立体25のフランジ面26を仮想弁座治具50の治具基準面51に当接させる第1の工程と、雄ねじ部材20のねじ込みによってニードル弁体22の全閉面部22Aを仮想弁座治具50の仮想弁座面52に着座させる第2の工程と、可動側ストッパ片40を固定側ストッパ片42に当接させる第3の工程と、雌ねじ組立体25のフランジ面26を弁ハウジング11の雌ねじ組付基準面27に当接させる第4の工程という、押し付け作業だけを行うことで、最大弁閉位置での弁体のリフト量、つまり、最小流量Qminを設定するための、基点位置状態におけるニードル弁体22の全閉面部22Aと弁座面16Aとの軸線方向の離間寸法(所定量ΔL)を、仮想弁座治具50の治具精度をもって再現性よく設定できる。
これにより、複雑な工程や熟練度を必要とすることなく、個々のバルブにおいて最小流量Qminが個体差なく高精度に設定される。
なお、上述の実施形態では、回転方向ストッパ機構の可動側ストッパ片40は、圧縮コイルばね39のロータ33側の巻端をロータ33の下底部に形成された凹部33Dに係合させることにより構成されているが、回転方向ストッパ機構の可動側ストッパ要素は、図14、図15に示されているように、ロータ33の下底部に一体形成された突出片46によって直接的に構成されてもよい。この場合には、圧縮コイルばね39の可動側ストッパ片40をロータ33の凹部33Dに係合させる作業を省略できる。
11 弁ハウジング
12 横継手
13 下継手
14 弁室
15 弁ポート
16 弁座部材
16A 弁座面
17 固定金具
18 雌ねじ部材
19 雌ねじ
20 雄ねじ部材
21 雄ねじ
22 ニードル弁体
22A 全閉面部
23 トルク伝達板
25 雌ねじ組立体
26 フランジ面
27 雌ねじ組付基準面
30 ステッピングモータ
31 ロータケース
31A 円筒部
31B ドーム部
31C 回転受け凹部
32 ロータ室
33 ロータ
33A 外周部
33B 貫通孔
33C 内筒部
33D 凹部
33E 上端部
34 トルク伝達形状部
35 ステータコイルユニット
36 ロータ受け部材
36A ピポット軸部
36B 円柱部
36C フランジ部
37 均圧孔
38、39 圧縮コイルばね
40 可動側ストッパ片
41 固定側ストッパ部材
41A 上面
42 固定側ストッパ片
43 端面
44 ストッパ端面
45 軸線方向間隙
46 突出片
50 仮想弁座治具
51 治具基準面
52 仮想弁座面
53 仮想弁ポート
55 浮き止め治具
56 ねじ込み工具
57 滑りクラッチ
58 ストッパ接触代設定治具
58A 押え部
59 押え治具
60 溶接トーチ
12 横継手
13 下継手
14 弁室
15 弁ポート
16 弁座部材
16A 弁座面
17 固定金具
18 雌ねじ部材
19 雌ねじ
20 雄ねじ部材
21 雄ねじ
22 ニードル弁体
22A 全閉面部
23 トルク伝達板
25 雌ねじ組立体
26 フランジ面
27 雌ねじ組付基準面
30 ステッピングモータ
31 ロータケース
31A 円筒部
31B ドーム部
31C 回転受け凹部
32 ロータ室
33 ロータ
33A 外周部
33B 貫通孔
33C 内筒部
33D 凹部
33E 上端部
34 トルク伝達形状部
35 ステータコイルユニット
36 ロータ受け部材
36A ピポット軸部
36B 円柱部
36C フランジ部
37 均圧孔
38、39 圧縮コイルばね
40 可動側ストッパ片
41 固定側ストッパ部材
41A 上面
42 固定側ストッパ片
43 端面
44 ストッパ端面
45 軸線方向間隙
46 突出片
50 仮想弁座治具
51 治具基準面
52 仮想弁座面
53 仮想弁ポート
55 浮き止め治具
56 ねじ込み工具
57 滑りクラッチ
58 ストッパ接触代設定治具
58A 押え部
59 押え治具
60 溶接トーチ
Claims (3)
- 電動モータのロータの回転を雌ねじ部材と雄ねじ部材とによって送りねじ式に軸線方向の直線移動に変換し、ニードル弁体の軸線方向移動によって弁ハウジング内に設けられている弁ポートの開度を増減する電動式コントロールバルブの組立方法であって、
カップ形状をしていて開口縁部側に治具基準面を有し、カップ形状底部に仮想弁座面を有し、前記治具基準面と前記仮想弁座面との離間寸法が最大弁閉位置における前記ニードル弁体の前記雌ねじ部材よりの突出寸法に応じて設定された仮想弁座治具に、前記雌ねじ部材に最大弁閉位置設定の固定側ストッパを組み付けられた雌ねじ組立体を、当該雌ねじ組立体が有するフランジ面が前記治具基準面に当接するように前記仮想弁座治具にセットする第1の工程と、
前記雌ねじ部材の雌ねじに前記雄ねじ部材の雄ねじをねじ係合させて、前記ニードル弁体を前記仮想弁座面に着座させる第2の工程と、
前記ロータと、該ロータに係合して当該ロータと一体的に動く最大弁閉位置設定の可動側ストッパとを組み付け、当該可動側ストッパを前記固定側ストッパに当接させ、当該当接状態で、前記ロータと前記雄ねじ部材とを回転方向に相対変位不能のトルク伝達関係で連結する第3の工程と、
前記雌ねじ組立体と前記ロータとの連結体を前記仮想弁座治具より取り外し、当該連結体を、当該雌ねじ組立体の前記フランジ面が弁ハウジングの雌ねじ組付基準面に当接するように、前記弁ハウジングにセットし、前記雌ねじ組立体を前記弁ハウジングに固定装着する第4の工程と、
前記弁ハウジングあるいは前記雌ねじ組立体に、前記電動モータのロータケースを固定装着する第5の工程とを有する、
ことを特徴とする電動式コントロールバルブの組立方法。 - 前記第2の工程において、前記雄ねじ部材のねじ込み工具の回転トルクを管理し、前記ニードル弁体が前記仮想弁座面に着座して前記ねじ込み工具の回転トルクが所定値以上に上昇する時点で、当該ねじ込み工具による前記雌ねじ部材のねじ込みを停止することを特徴とする請求項1記載の電動式コントロールバルブの組立方法。
- 前記最大弁閉位置設定のストッパは、前記ロータに設けられた可動側ストッパが前記ロータの回転によって回転しながら軸線方向に移動することにより、前記雌ねじ組立体に設けられた固定側ストッパに当接し、前記ロータの回転を制限するものであり、前記第3の工程において、前記可動側ストッパと前記固定側ストッパとの前記軸線方向の接触代を設定する請求項1または2に記載の電動式コントロールバルブの組立方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006205193A JP2008032093A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 電動式コントロールバルブの組立方法 |
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ID=39121748
Family Applications (1)
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JP2006205193A Withdrawn JP2008032093A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 電動式コントロールバルブの組立方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-07-27 JP JP2006205193A patent/JP2008032093A/ja not_active Withdrawn
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