JP2008031548A - 鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法 - Google Patents

鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008031548A
JP2008031548A JP2007040973A JP2007040973A JP2008031548A JP 2008031548 A JP2008031548 A JP 2008031548A JP 2007040973 A JP2007040973 A JP 2007040973A JP 2007040973 A JP2007040973 A JP 2007040973A JP 2008031548 A JP2008031548 A JP 2008031548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
raw material
reduction
slag
recycling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007040973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4757813B2 (ja
Inventor
Hidekazu Todoroki
秀和 轟
Natsuki Shiga
夏樹 志賀
Teruaki Ishii
照彰 石井
Akitoshi Katsumata
晃稔 勝間田
Masato Sugano
正登 菅野
Hiroshi Makino
浩 牧野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
NAS Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
NAS Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Yakin Kogyo Co Ltd, NAS Engineering Co Ltd filed Critical Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
Priority to JP2007040973A priority Critical patent/JP4757813B2/ja
Publication of JP2008031548A publication Critical patent/JP2008031548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4757813B2 publication Critical patent/JP4757813B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract


【課題】ブリケットから発生する粉体を低減させ、なおかつ水分等の揮発性物質を充分に除去することにより、吹上げを防止しつつ、高い有価金属回収率を確保し得る還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法を提供する。
【解決手段】サブマージドアーク式電気炉を用いて還元し、有価金属を回収するのに用いる還元リサイクル用原料において、化学成分を、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類:合計で27質量%以上、Al:0.3〜3.5質量%、MgO:2〜7質量%、CaO及びSiO:合計で35質量%以下、F:1〜6質量%、S:0.1〜2質量%、ZnO:2質量%以下にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄鋼副生物から有価金属を回収するための還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法に係り、特に、鉄、ニッケル、クロム、マンガンなどの有価金属を含む製鋼ダスト、酸洗スラッジ、焼鈍時のスケールなどの鉄鋼副生物を効率良く還元して、有価金属を回収するためのリサイクル用原料及びその焙焼還元方法に関するものである。
製鉄所で発生する製鋼ダスト、酸洗スラッジ、焼鈍時のスケールなどの鉄鋼副生物は、鉄、ニッケル、クロム、マンガンなどの有価金属を含有しており、従来から多くの回収方法が提案されてきた。具体的には、これらの副生物を石炭やコークスなどの炭素源と混合してブリケット状に成型し、図1(a)に示すように、電気精練炉1内にブリケット2を装入し、このブリケット2を電極3により加熱溶融し、スラグ分4と還元メタル分5とに分離して有価金属を回収する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
しかしながら、上記の方法においては、電気精練炉1内へのブリケット2の装入の際に、一部のブリケットが衝撃によって崩壊し、粉体が発生することがある。このような粉体が多くなると、図1(b)に示すように、この粉体のためにブリケット2の層に空孔6が発生し、棚つり7が形成されてしまう。そして、図1(c)に示すように、この棚つり7が崩落すると、ブリケット内の水分等の揮発性物質が一気に加熱されて爆発が生じ、いわゆる、吹上げが発生するという問題がある。
また、有価金属を効果的に回収するために、副生物を炭素源と混合してブリケット状に成型し、焙焼した後、サブマージドアーク電気炉で加熱して還元する方法において、アルミニウム残灰を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この方法では、電気炉での反応が激しすぎるため、炉のコントロールが困難であり、爆発等の危険が伴う場合もあった。
さらに、従来の技術においては、ブリケットを加熱溶融して得られたスラグの溶融性や流動性が適正でなく、有価金属の回収率が低下してしまうという問題も抱えていた。
特開平8−260014号公報 特開2003−247026号公報 特開平10−330822号公報
よって、本発明は、ブリケットから発生する粉体を低減させ、なおかつ水分等の揮発性物質を充分に除去することにより、吹上げを防止しつつ、高い有価金属回収率を確保し得る還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法を提供することを目的としている。
発明者らは、上記課題を解決するために、還元リサイクル用原料である鉄鋼副生物の化学成分について鋭意検討を重ねた結果、サブマージドアーク電気炉にてスラグとなる成分を特定の範囲、具体的には、Alを0.3〜3.5質量%、MgOを2〜7質量%、CaO及びSiOを合計で35質量%以下、Fを1〜6質量%の範囲に制御することによって、粉体発生が低減されるとともに、高い有価金属回収率が得られることを見い出した。
したがって、本発明の還元リサイクル用原料は、サブマージドアーク式電気炉を用いて還元し、有価金属を回収するのに用いる還元リサイクル用原料であって、化学成分が、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類:合計で27質量%以上、Al:0.3〜3.5質量%、MgO:2〜7質量%、CaO及びSiO:合計で35質量%以下、F:1〜6質量%、S:0.1〜2質量%、ZnO:2質量%以下であることを特徴としている。
本発明によれば、スラグの溶融性及び流動性を適正な領域に制御することでき、高い有価金属回収率が得られ、従来、産廃として廃棄されていた製鋼ダスト、酸洗スラッジ、スケール材などから、安定してFe、Ni、Cr、Mnなどの有価金属を確保できるため、これらの原料の一部を補填できることとなり、製造原価低減、さらには、地球環境保全にも貢献することができた。
このような効果は、以下の原理によるものと推測された。スラグ、メタルともに適正な流動性を保有していないと、原料がコークベッドを通過する際に、うまく通過せず、その結果、有価金属回収率が低下することとなる。特に、スラグの融点と流動性が、適正範囲にないとスラグの落下が遅れたり、あるいは、速すぎてしてしまう。その結果、炉内での反応が制御できなくなるために、有価金属回収率が低下してしまう。また、場合によっては、吹上げ現象も引き起こされる。同時に、原料中のZnOが2質量%を超えて高いと、吹上げが顕著に発生する。これはZnOがCで還元されると、亜鉛のガスが発生し、これが原料内の気圧を上昇させて突沸現象を起こすためである。
本発明の還元リサイクル用原料は、製団機によりブリケットに製団し、これを焙焼して水分を揮発除去した後、サブマージドアーク電気炉により加熱し、有価金属を還元し、その後、メタル分とスラグ分とを分離して、有価金属を回収する方法に好適に用いられるものであって、化学成分が、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類:合計で27質量%以上、Al:0.3〜3.5質量%、MgO:2〜7質量%、CaO及びSiO:合計で35質量%以下、F:1〜6質量%、S:0.1〜2質量%、ZnO:2質量%以下であることが必須である。以下、本発明の還元リサイクル用原料の化学成分、材料組成及び焙焼還元方法について説明する。
なお、本発明にて記述されている各構成成分はS、F以外は酸化物として表記されているが、実際は水酸化物、フッ化物、硫化物、硫酸化物など複雑であるため、簡便のために酸化物表記としている。また、本発明おける有価金属とは、特に限定されるものではないが、少なくとも鉄、ニッケル、クロム、マンガンが含まれる。
1.化学成分
上述したように、本発明は原料中の各成分バランスを適正なものとし、電気炉にて得られるスラグを、操業に適した特性とすることが重要である。下記に、各成分の限定理由を説明する。
(1)FeO、MnO、NiO及びCr
本発明において、これらは還元されて有価金属となるため、必要不可欠な成分である。FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類の含有率が合計で27質量%未満では、製錬にかかるコストに見合わないため、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類の含有率を合計27質量%以上と定めた。コストを考慮して、好ましくは29質量%以上である。
また、上限は特に限定はしないが、85質量%以下程度に抑えることが望ましい。その理由は、次のとおりである。すなわち、85質量%を超えると、スラグ量が著しく少なくなってしまう。スラグをある程度確保せねば、電気炉操業時に温度コントロールが困難になったり、スラグと溶鋼間で起こる脱硫反応が不充分になってしまい、溶鋼中のS濃度が0.2質量%を超えて高くなるためである。得られた鋼塊は、ステンレス鋼の製鋼工程で原料としてリサイクルされるものであるから、S濃度が高すぎると脱硫負荷が高くなり、コスト高を引き起こしてしまう。このような理由から、電気炉における脱硫反応に必要なスラグ量を確保するために、上限は85質量%以下程度に抑えることが望ましい。
(2)Al
Alはスラグの融点を適正値に制御するのに必要な元素である。Alの含有率が0.3質量%未満又は3.5質量%超では、融点が高くなり、流動性が悪化し、その結果有価金属回収率を低下させる。そのため、Alの含有率を0.3〜3.5質量%とした。Alは製鋼ダストに含まれる成分であり、製鋼ダストの配合率を10〜50重量%とすることで、この範囲に制御できる。
(3)MgO
MgOはスラグの融点を適正値に制御するのに必要な元素である。MgOの含有率が2質量%未満又は7質量%超では、融点が高くなり、流動性が悪化し、その結果有価金属回収率を低下させる。そのため、MgOの含有率を2〜7質量%とした。MgOは製鋼ダストに含まれる成分であり、製鋼ダストの配合率を10〜50重量%とすることで、この範囲に制御できる。また、必要に応じて仕上げスラグ、フェロニッケルスラグで添加してもよい。
(4)CaO及びSiO
CaO及びSiOはスラグの主成分であり、流動性や融点を調整するために必要である。これらの成分は、電気炉に投入する前に、石灰石および/または珪砂で調節することが可能である。しかしながら、もとの原料における含有率が35質量%を超えて高いと、石灰石および/または珪砂を添加せずとも、スラグ量が増加し、逆にメタル量が少なくなり、コスト高となってしまう。そのため、CaO及びSiOの含有率を35質量%以下とした。好ましくは、CaOとSiOの含有率が合計で7.5〜35質量%である。7.5質量%は含有した方が望ましいのは、石灰石、珪砂の副原料費を抑えるためである。より好ましくは、CaOの含有率が3〜15質量%であり、SiOの含有率が4.5〜20質量%の範囲である。CaOは主に酸洗スラッジに含まれる成分であり、酸洗スラッジの配合比率を5〜30重量%にすると上記の成分範囲を得ることができる。SiOは主に製鋼ダストに含有されており、製鋼ダストの配合比率を10〜50重量%とすることで、この範囲に制御できる。また、必要に応じて、フェロニッケルスラグを添加して調整してもよい。
(5)F
Fはスラグの流動性を適正範囲に制御するために必要な成分である。Fの含有率が1質量%未満では、流動性が悪く、その結果、有価金属回収率を低下させる。逆に6質量%を超えて高いと、流動性が良すぎる他にも、HF、SiFなどの腐食性ガスを発生させ、設備を腐食、損傷させる。そのため、Fの含有率を1〜6質量%と規定した。Fは酸洗スラッジに含まれる成分であり、酸洗スラッジの配合比率を5〜30重量%にすると、上記の成分範囲を得ることができる。
(6)S
Sは電気炉において、溶鋼の表面張力を低下させて、流動性を確保するために必要な成分である。流動性が十分でないと、コークベッドをうまく通過しない。電気炉において、Sの一部は脱硫されてスラグ中に分配される。そのような脱硫反応を経て、最終的に、溶鋼中に0.01〜0.2質量%の範囲に制御することが好ましい。S濃度が高すぎると脱硫負荷が高くなり、コスト高を引き起こしてしまう。そのため、脱硫反応も考慮して、電気炉の溶鋼中でこの範囲を確保するために、還元リサイクル原料中では、Sの含有率を0.1〜2質量%に制御する必要があり、そのように定めた。Sは酸洗スラッジに含まれる成分であり、酸洗スラッジの配合比率を5〜30重量%にすると、上記の成分範囲を得ることができる。
(7)ZnO
ZnOがCで還元されると、亜鉛のガスが発生し、これが原料内の気圧を上昇せしめ突沸現象を起こすため、抑制せねばならない成分である。ZnOの含有率が2質量%を超えて高いと、その傾向が強く現れるようになり、電気炉内で吹上げ現象を引き起こす。そのため、ZnOの含有率を2質量%以下と規定した。ZnOは製鋼ダストに含有する成分であり、製鋼ダストの配合率を50重量%以下に制限することで、この範囲に抑制できる。
2.材料組成
本発明の還元用リサイクル原料は、製鉄所で発生する製鋼ダスト、酸洗スラッジ、及び、スケール材からなる鉄鋼副生物であり、上記の化学成分範囲は、製鋼ダスト、酸洗スラッジ及びスケール材を、各構成成分を詳細に考慮して適切な比率で配合することにより実現できる。その適正配合量について、その数値規定理由を説明する。
(1)製鋼ダスト
製鋼ダストはステンレス鋼の精錬工程で発生するものであり、SiO、Al、MgO濃度を上記の化学成分範囲に制御するために、配合率を10〜50重量%に規定した。また、ZnOを2質量%以下に抑えるために、製鋼ダストの配合率を50重量%以下に制限する必要がある。
(2)酸洗スラッジ
酸洗スラッジは焼鈍酸洗ラインで生じるものであり、CaO、F、S濃度を上記の化学成分範囲に制御するために、配合率を5〜30重量%に規定した。
(3)スケール材
スケール材は熱延、連続鋳造などで生成するものであり、スケール材には、FeO、MnO、NiO、Crといった有価金属を含む。スケール材の配合率が30重量%未満では、FeO、MnO、NiO、Crの少なくとも1種類の含有率を合計で27質量%以上確保できない。そのため、スケール材の配合率を30重量%以上と定めた。なお、この4成分の合計値の好ましい上限範囲85質量%以下を満足するには、特に限定しないが、スケール材の配合率は60質量%以下に抑えることが望ましい。当然、製鋼ダスト、酸洗スラッジ、スケール材を、上記の通り配合することにより、有価金属となるFeO、MnO、NiO、Crの少なくとも1種類の含有率を合計で27質量%以上確保することも可能であるし、好ましい上限範囲85質量%以下に抑えることも可能である。
(4)他の材料組成
本発明における鉄鋼副生物は、電気炉におけるスラグ組成を制御するために、上記材料組成に加えて、SiC、フェロニッケルスラグ、及び、仕上げスラグのうち少なくとも1種類を合計で10重量%以下混合したものであってもよい。具体的には、SiCはスラグ中のSiO源として、また、燃焼時の熱源として混合できる。フェロニッケルスラグは、主として MgO、SiOから構成されるものであり、MgOあるいはSiO源として混合できる。さらに、仕上げスラグは、ステンレス鋼、特殊鋼のAODやVODの精錬で発生するスラグであり、CaO、SiO、MgOを主体とするものであるため、CaO、SiO源として混合できる。
3.焙焼還元方法
次に、本発明の還元用リサイクル原料の焙焼還元方法について説明する。
本発明の還元用リサイクル原料の焙焼還元方法は、上記化学成分を有する還元用リサイクル原料に、水分、油脂分及び炭材を混合する工程と、上記還元リサイクル用原料を製団機によりブリケットに製団する工程と、上記ブリケットを焙焼ボックスに入れて焙焼し、水分を揮発除去する工程と、炭材並びに石灰石及び/又は珪砂をさらに混合する工程と、上記混合物を電気炉に装入して加熱し、有価金属を還元し、メタル分とスラグ分に分離する工程とを備えることを特徴としている。
本発明における炭材は、還元反応に必要な分と、焙焼工程での熱源として、10〜20質量%、すなわち、配合した原料1tに対して100〜200kgの重量で配合することが好ましい。また、ブリケットの製団工程においては、例えば双ロール式の製団機を用いてブリケットが成型される。さらに、ブリケットの焙焼工程においては、焙焼ボックス上部をダクトで密閉し、排風機を用いて吸引しながら、下部をバーナーで着火し、いわゆる焙焼処理を行い、水分を揮発させるとともに、各ブリケット内部の原料粒子を焼結させる。
有価金属の回収工程においては、焙焼されたブリケットをサブマージドアーク電気炉に装入して加熱することで、メタル分とスラグ分に分離させ、Fe、Ni、Cr、Mnなどの有価金属を回収する。また、電気炉への装入時、スラグ量と塩基度(CaO/SiO)調整の目的で、石灰石及び/又は珪砂を、また、炭材を追加する必要がある。特に、スラグ側については、上記の化学成分を持つ還元リサイクル原料を用いることで、十分なスラグ量を確保できて、なおかつ、溶融性および流動性が好ましい領域に制御できる。最も望ましいスラグ組成は、特に限定はしないが、CaO、SiO、Al、MgOを80質量%以上含み、CaO/SiOの比率が0.8〜1.4、好ましくは1.0〜1.2、Alの含有率が0.6〜7質量%の範囲である。
次に、本発明の実施例を用いて、本発明の効果を説明する。
表1に示した材料組成となるように、製鋼ダスト、酸洗スラッジ、スケール材、SiC、フェロニッケルスラグ、及び、仕上げスラグを表2に示した比率で配合し、炭材、水分及び油脂分を混合し、これを双ロール式の製団機を用いてブリケット(サイズ:49×48×29mm)に成型した。なお、炭材は、還元反応に必要な分と、焙焼工程での熱源として、配合した原料1tに対して100〜200kgの重量で配合した。
次に、上記のようにして成型したブリケットを焙焼ボックスに装入し、その後、焙焼ボックス上部をダクトで密閉し、排風機を用いて吸引しながら、下部をバーナーで20〜30分間加熱して着火し、焙焼処理を120〜180分間行った。これにより、水分を揮発させるとともに、各ブリケット内部の原料粒子を焼結させた。
その後、スラグ量と塩基度(CaO/SiO)調整のために、表3に示した配合で石灰石及び/又は珪砂を、上記のブリケットに混合し、これらをサブマージドアーク電気炉に装入した。そして、これを加熱して、還元したメタル分とスラグ分に分離し、Fe、Ni、Cr、Mnの有価金属を回収した。回収されたメタルはおよそ5〜6tであり、残部がスラグであった。なお、電気炉のサイズは13tであり、電力原単位はおよそ1800kWh/メタルtであった。
Figure 2008031548
Figure 2008031548
Figure 2008031548
なお、還元リサイクル用原料、スラグ、及び還元メタルの化学成分は、蛍光X線分析装置を用いて、定量分析した値である。また、有価金属回収率は、原料におけるFe、Ni、Cr及びMnの重量に対する還元メタルにおけるFe、Ni、Cr及びMnの重量の百分率である。これらの結果は表4に示した。
Figure 2008031548
表4から明らかなように、実施例1〜5の還元リサイクル用原料では、化学成分が本発明の範囲内であるため、適正な溶融性、流動性を有するスラグ、メタルが得られ、有価金属回収率も90%を超えて高かった。また、電気炉操業中の吹上げ現象も、問題となるほど大きいものは発生せず、生産に影響を与えることはなかった。
これに対し、比較例1の還元リサイクル用原料では、原料中のAl及びMgOの含有率が低く、S及びFの含有率が高いことから、適正なスラグの流動性を得られず、有価金属回収率も85.1%と低くなった。また、メタル中のS濃度も高く、流動性が良過ぎたばかりか、ステンレス鋼の製造にリサイクルした際にも、脱硫負荷が高くなってしまった。
一方、比較例2の還元リサイクル用原料では、原料中のAl、MgO及びZnOの含有率が高く、S及びFの含有率が低く、さらに、電気炉に装入する時に、石灰石を添加してスラグ塩基度を調整しなかったので、塩基度が0.20と著しく低く、流動性も著しく悪かった。そのため、有価金属回収率も65.3%と低くなった。また、原料中のZnOの含有率が高いことから、比較的大規模な吹上げ現象を起こした。
吹上げを模式的に説明した図である。
符号の説明
1…サブマージドアーク電気炉、2…還元リサイクル用原料ブリケット、3…電極、
4…スラグ分、5…還元メタル分、6…空孔、7…棚つり。

Claims (5)

  1. サブマージドアーク式電気炉を用いて還元し、有価金属を回収するのに用いる還元リサイクル用原料であって、
    化学成分が、FeO、MnO、NiO、Crのうちの少なくとも1種類:合計で27質量%以上、Al:0.3〜3.5質量%、MgO:2〜7質量%、CaO及びSiO:合計で35質量%以下、F:1〜6質量%、S:0.1〜2質量%、ZnO:2質量%以下であることを特徴とする還元リサイクル用原料。
  2. 前記還元リサイクル用原料は、製鉄所で発生する製鋼ダスト、酸洗スラッジ、及び、スケール材からなる鉄鋼副生物であることを特徴とする請求項1に記載の還元リサイクル用原料。
  3. 前記鉄鋼副生物は、製鋼ダスト:10〜50重量%、酸洗スラッジ:5〜30重量%、及び、スケール材:30重量%以上からなることを特徴とする請求項2に記載の還元リサイクル用原料。
  4. 前記鉄鋼副生物は、さらに、SiC、フェロニッケルスラグ、及び、仕上げスラグのうち少なくとも1種類を合計で10重量%以下混合したものであることを特徴とする請求項2または3に記載の還元リサイクル用原料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の還元リサイクル用原料に、水分、油脂分及び炭材を混合する工程と、
    上記還元リサイクル用原料を製団機によりブリケットに製団する工程と、
    上記ブリケットを焙焼ボックスに入れて焙焼し、水分を揮発除去する工程と、
    炭材並びに石灰石及び/又は珪砂をさらに混合する工程と、
    上記混合物を電気炉に装入して加熱し、有価金属を還元し、メタル分とスラグ分に分離する工程とを備えることを特徴とする焙焼還元方法。
JP2007040973A 2006-07-06 2007-02-21 鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法 Active JP4757813B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007040973A JP4757813B2 (ja) 2006-07-06 2007-02-21 鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006186562 2006-07-06
JP2006186562 2006-07-06
JP2007040973A JP4757813B2 (ja) 2006-07-06 2007-02-21 鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008031548A true JP2008031548A (ja) 2008-02-14
JP4757813B2 JP4757813B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=39121290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007040973A Active JP4757813B2 (ja) 2006-07-06 2007-02-21 鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4757813B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248622A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Nippon Steel Corp 還元鉄の製造方法
CN101948953A (zh) * 2010-09-15 2011-01-19 长沙达华污泥处理科技有限公司 一种用污泥作还原剂进行软锰矿还原焙烧的方法
JP2016008317A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 日本冶金工業株式会社 ステンレス鋼の製造方法
KR101835708B1 (ko) 2016-07-26 2018-03-07 주식회사 심팩 메탈 용융환원 전기로(saf)를 이용한 스테인리스 제강 전로 슬래그 중 유가금속 회수방법
JP2018519428A (ja) * 2015-04-03 2018-07-19 メタロ ベルジウム 非鉄金属製造の際に生じる改質スラグ
CN109136541A (zh) * 2018-09-27 2019-01-04 昆明理工大学 一种综合回收高镁硅红土镍矿中有价金属的方法
KR102223746B1 (ko) * 2019-10-04 2021-03-05 주식회사 심팩 용융환원 전기로(saf)를 이용한 페로니켈 슬래그 중 유가금속 회수방법
JP2021102797A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 住友金属鉱山株式会社 酸化鉱石の製錬方法
CN113528844A (zh) * 2021-07-15 2021-10-22 江西理工大学 一种铜再生烟灰中有价金属高效分离的方法
WO2023019719A1 (zh) * 2021-08-16 2023-02-23 中冶南方工程技术有限公司 不锈钢混酸酸洗污泥的回收利用方法及系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08120354A (ja) * 1994-10-18 1996-05-14 Nisshin Steel Co Ltd 電気製錬炉の操業方法
JP2000033351A (ja) * 1998-07-15 2000-02-02 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 中和スラッジの脱硫、脱ふっ素方法
JP2003147446A (ja) * 2001-11-07 2003-05-21 Tetsugen Corp 製鉄用含鉄ダスト類の処理方法
JP2003328045A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Jfe Steel Kk Ca含有ダストの処理法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08120354A (ja) * 1994-10-18 1996-05-14 Nisshin Steel Co Ltd 電気製錬炉の操業方法
JP2000033351A (ja) * 1998-07-15 2000-02-02 Nippon Yakin Kogyo Co Ltd 中和スラッジの脱硫、脱ふっ素方法
JP2003147446A (ja) * 2001-11-07 2003-05-21 Tetsugen Corp 製鉄用含鉄ダスト類の処理方法
JP2003328045A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Jfe Steel Kk Ca含有ダストの処理法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248622A (ja) * 2009-03-27 2010-11-04 Nippon Steel Corp 還元鉄の製造方法
CN101948953A (zh) * 2010-09-15 2011-01-19 长沙达华污泥处理科技有限公司 一种用污泥作还原剂进行软锰矿还原焙烧的方法
JP2016008317A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 日本冶金工業株式会社 ステンレス鋼の製造方法
US11685965B2 (en) 2015-04-03 2023-06-27 Metallo Belgium Construction elements with slag from non-ferrous metal production
JP2018519428A (ja) * 2015-04-03 2018-07-19 メタロ ベルジウム 非鉄金属製造の際に生じる改質スラグ
US10982301B2 (en) 2015-04-03 2021-04-20 Metallo Belgium Slag from non-ferrous metal production
KR101835708B1 (ko) 2016-07-26 2018-03-07 주식회사 심팩 메탈 용융환원 전기로(saf)를 이용한 스테인리스 제강 전로 슬래그 중 유가금속 회수방법
CN109136541A (zh) * 2018-09-27 2019-01-04 昆明理工大学 一种综合回收高镁硅红土镍矿中有价金属的方法
KR102223746B1 (ko) * 2019-10-04 2021-03-05 주식회사 심팩 용융환원 전기로(saf)를 이용한 페로니켈 슬래그 중 유가금속 회수방법
JP2021102797A (ja) * 2019-12-25 2021-07-15 住友金属鉱山株式会社 酸化鉱石の製錬方法
JP7342692B2 (ja) 2019-12-25 2023-09-12 住友金属鉱山株式会社 酸化鉱石の製錬方法
CN113528844A (zh) * 2021-07-15 2021-10-22 江西理工大学 一种铜再生烟灰中有价金属高效分离的方法
CN113528844B (zh) * 2021-07-15 2022-12-06 江西理工大学 一种铜再生烟灰中有价金属高效分离的方法
WO2023019719A1 (zh) * 2021-08-16 2023-02-23 中冶南方工程技术有限公司 不锈钢混酸酸洗污泥的回收利用方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4757813B2 (ja) 2011-08-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4757813B2 (ja) 鉄鋼副生物の還元リサイクル用原料及びその焙焼還元方法
JP5071770B2 (ja) 亜鉛残留物から非鉄金属を回収するための方法及び装置
JP5326475B2 (ja) クロム含有スラグからのクロム回収方法
JP4967576B2 (ja) 銅製錬熔錬炉スラグの浄化方法
US8317895B2 (en) Method for recovering valuable metals from wastes
JP4757814B2 (ja) 鉄鋼副生物の焙焼還元方法
JP4757846B2 (ja) 鉄鋼副生物から効率的に有価金属を回収する電気製錬方法
JP2009041052A (ja) スラグフューミング炉による含銅ドロスの製錬方法
AU2006335814B2 (en) Method for manufacturing metallic iron
JP6451462B2 (ja) クロム含有スラグからのクロム回収方法
JP5428534B2 (ja) 高亜鉛含有鉄鉱石を用いた銑鉄製造方法
JPH10330822A (ja) 産廃からの有価金属の回収方法
JP6710564B2 (ja) 電気炉精錬方法
JP4751100B2 (ja) 浮遊選鉱による銅の回収方法
JP2012201946A (ja) 鉄鋼ダスト還元焙焼用ロータリーキルンの操業方法
JP4757844B2 (ja) 鉄鋼副生物の焙焼還元方法
JP2009209405A (ja) 含銅ドロスの製錬方法
JP4757829B2 (ja) 鉄鋼副生物から効率的に有価金属を回収する電気製錬方法
JPH0747784B2 (ja) 製鋼ダストから亜鉛・鉛を回収する方法
JP4757926B2 (ja) 鉄鋼副生成物の焙焼還元装置および鉄鋼副生物の焙焼還元方法
JP2009167469A (ja) 含銅ドロスの処理方法
JP2022523397A (ja) ステンレス鋼及びフェロクロム工場からの溶融スラグ及び残留物の組み合わせ溶解
Moosavi-Khoonsari et al. Technology selection for slag zinc fuming process
US20240327936A1 (en) Method for recovering iron and valuable metals from electric arc furnace dust
JP2009062557A (ja) 移動型炉床炉の操業方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091217

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20110127

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20110223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110307

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110422

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110513

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4757813

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250