JP2008030533A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】惰性走行状態から加速状態に移行する際の、車両の駆動トルクの応答遅れを改善する。
【解決手段】ECUは、アクセルオンであって(S100にてYES)、走行状態がコースト状態であると(S102にてYES)、変速機の入力軸と回転電機との回転数差を算出するステップ(S104)と、算出された回転数差に基づいて回転電機に供給される電力をフィードバック制御するステップ(S106)と、アクセルオフであるか否かを判定するステップ(S108)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の駆動力源および動力の伝達方向の変化によって噛み合いが変化する回転要素が噛み合わされた動力伝達機構が搭載された車両の制御装置に関し、特に、車両の減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際に発生する駆動トルクの応答遅れを改善する制御に関する。
車両に搭載され、駆動系を構成する変速機、4輪駆動用のトランスファ(4輪駆動車の場合)、プロペラシャフト、差動装置(ディファレンシャルギヤ)、ドライブシャフトおよび駆動輪などにおいては、歯車機構が用いられたり、各部品間をスプライン嵌合により連結されたりする場合がある。歯車やスプラインは、歯部と溝との噛み合いにより動力を伝達するものであって、それらの寸法公差に基づいて歯部と溝とには、間隙が少なからず生ずる。
特に、歯車機構においては、歯部と溝との間の間隙(バックラッシ)は、歯車を滑らかに無理なく回転させるためには必須である。このようなバックラッシは経年変化により歯面が磨耗して拡大する場合もある。
その一方で、上述したような歯部と溝との間隙が生じる場合、駆動系においてガタが発生することとなる。そのため、車両の走行状態が減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際には、歯部と溝との噛み合い方向が逆方向になるため、歯部が減速時に接触していた溝の壁面とは逆方向の溝の壁面に近づき、ガタが詰められていくこととなる。歯部が逆方向の溝の壁面と接触して、動力伝達が行なわれるまでの間は、エンジンの動力は、駆動輪に伝達されない状態となる。すなわち、駆動系のガタによりエンジントルクの上昇に対して駆動トルクの上昇に応答遅れが生じる場合がある。また、歯部が逆方向の溝の壁面に接触するとともに、伝達されるトルクにより駆動系において捩じれが発生する。そのため、駆動系の捩じれと駆動系を構成する部品の弾性とにより車両に振動が発生する場合がある。
このような問題に鑑みて、特開2001−20795号公報(特許文献1)は、エンジンの出力制御装置に関し、加速開始時において、車体のショックを低減するとともにアクセル操作に対するレスポンスを向上させることを可能にするエンジンの出力制御装置を開示する。この出力制御装置は、車両の駆動軸に流体継手をそなえた自動変速機を介して連結されたエンジンの出力制御装置において、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、エンジンに要求される出力に対応した要求値に基づきエンジンを制御する制御手段とを備える。制御手段は、要求値が第1要求値から第1要求値より大きい第2要求値に変化したとき、エンジンの出力を第2要求値に対応した出力よりも小さい値に制限する制限手段と、制限手段によるエンジン出力の制限時間をエンジン回転速度に応じて可変に設定する制限時間設定手段とを備える。
この公報に開示された出力制御装置によると、エンジン出力の要求値が第1要求値から第1要求値より大きい第2要求値に変化したとき、エンジンの出力を第2要求値に対応した出力よりも小さな値に制限するとともにエンジン回転速度に応じた最適なタイミングでエンジン出力の制限を解除することができる。また、流体継手内部での流体の流れ方向の転換に伴うタイムラグを最小にして、運転者の加速要求に対するレスポンスを向上させることができる。さらに、駆動軸トルクのオーバーシュートを防止して車両に発生するショックを抑制することができる。
特開2001−20795号公報
しかしながら、歯部と溝との間隙は、ギヤ機構あるいはスプライン嵌合の構成部品の寸法誤差により車両によって異なるばかりでなく、走行履歴が車両によって異なり、経年変化による変化量も異なる。そのため、歯部と溝との間隙には個体差が大きいという問題がある。このように個体差が大きいと、ガタ詰時の駆動トルクの応答の遅れ量についても個体差が大きいことになる。
上述した公報に開示された出力制御装置においては、予め実験的に得られたバックラッシ量およびエンジンのトルクの低減量に基づいて、応答遅れを低減するものであるが、バックラッシ量ばかりでなく、エンジンの性能についても個体差を有することも考慮すると、精度よく応答遅れに応じたエンジンのトルク低減制御が実施できない可能性がある。そのため、ガタ詰時の駆動トルクの応答遅れを改善することができない可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両の減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際の、車両の駆動トルクの応答遅れを改善する車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、第1の駆動力源と、第1の駆動力源に連結され、動力の伝達方向の変化によって噛み合いが変化する回転要素が噛み合わされた動力伝達機構と、動力伝達機構に連結された第2の駆動力源とが搭載された車両の制御装置である。動力伝達機構は、第1の駆動力源の出力を変速する変速機構を含む。この制御装置は、変速機構の入力軸の回転数を検知するための第1の回転数検知手段と、第2の駆動力源の回転数を検知するための第2の回転数検知手段と、動力伝達機構における、動力の伝達状態の変化に対応して、回転要素の回転数を基準とした、入力軸の回転数と第2の駆動力源の回転数との回転数差の絶対値が減少する駆動トルクが発現するように、第2の駆動力源を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、制御手段は、動力伝達機構(たとえば、ディファレンシャルギヤ機構)における伝達状態の変化(たとえば、車両の走行状態が、減速状態または惰性走行状態に移行する際の変化)に対応して、回転要素の回転数を基準とした、変速機の入力軸の回転数と第2の駆動力源の回転数との回転数差(たとえば、検知された第2の駆動力源の回転数と、検知された入力軸の回転数に基づいて換算された第2の駆動力源における回転数との回転数差)の絶対値が減少する駆動トルクが発現するように、第2の駆動力源を制御する。車両が減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際、動力伝達機構における動力の伝達状態が変化する。このとき、動力の伝達方向に変化が生ずると、回転要素の噛み合いが変化する。たとえば、回転要素の噛み合いが歯部と溝とにより実現される場合、トルクの伝達方向が逆方向に変化すると、歯部と溝との噛み合い方向も逆方向に変化する。そのため、歯部が、車両の加速前に接触していた溝の壁面とは逆方向の溝の壁面に近づくことにより、ガタが逆方向に詰められていくこととなる。歯部が逆方向の溝の壁面に接触して、動力伝達が行なわれるまでの間は、第1の駆動力源(たとえば、エンジン)の動力が駆動輪に伝達されない非伝達状態となる。ガタ詰が完了するまでの動力の非伝達状態であるときにおいては、第1の駆動力源の負荷が低下する。そのため、回転要素の回転数を基準とした、変速機の入力軸の回転数と第2の駆動力源の回転数との間において、回転数差が生じることとなる。そのため、回転数差の絶対値が減少するトルクが発現するように、第2の駆動力源が制御されることにより、回転数差をゼロに近づけて、第1の駆動力源の駆動トルクによりガタ詰が行なわれるとともに、第2の駆動力源の駆動トルクにより車両が加速状態になる。そのため、運転者のアクセルペダルの操作に対して応答遅れなく車両の駆動トルクを上昇させて、車両を加速させることができる。また、第2の駆動力源により回転数差に応じた駆動トルクを発現させて応答遅れを改善するため、歯部と溝との間に寸法誤差あるいは経年変化の差による個体差が、応答遅れ改善の制御に影響を及ぼすことはない。したがって、車両が減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際の、車両の駆動トルクの応答遅れを改善する車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、第1の駆動力源の駆動状態を示す第1の物理量を検知するための第1の検知手段と、変速機構の駆動状態を示す第2の物理量を検知するための第2の検知手段と、第1の駆動力源に対する出力要求の度合いを検出するための要求検出手段と、検出された出力要求の度合いに基づいて、第1の駆動力源の出力が上昇したか否かを判定するための要求判定手段と、検知された、第1の物理量および第2の物理量に基づいて、車両の走行状態が惰性走行状態であるか否かを判定するための判定手段とをさらに含む。制御手段は、第1の駆動力源の出力が上昇したことが判定されて、かつ、惰性走行状態であることが判定されると、第2の駆動力源を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、第1の駆動力源(たとえば、エンジン)の出力が上昇したことが判定され、かつ、惰性走行状態であることが判定されることにより、車両の走行状態が惰性走行状態から加速状態に移行したことを判定することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、第1の駆動力源は、エンジンである。変速機構は、入力軸に流体継手が連結される自動変速機構である。第1の検知手段は、エンジンの回転数を検知するための手段を含む。第2の検知手段は、第1の回転数検知手段である。判定手段は、検知されたエンジンの回転数が検知された入力軸の回転数よりも小さいと、車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定するための手段を含む。
第3の発明によると、エンジンの回転数が流体継手(たとえば、トルクコンバータ)の出力軸、すなわち、変速機構の入力軸の回転数よりも小さいと、エンジンから自動変速機に対してトルク伝達が行なわれていない状態である。そのため、車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第2または3の発明の構成に加えて、要求検出手段は、運転者によるアクセルペダルの操作量を検知するための手段を含む。
第4の発明によると、運転者によるアクセルペダルの操作量を検知することにより、エンジンの出力が上昇したか否かを判定することができる。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第2または3の発明の構成に加えて、要求検出手段は、エンジンのスロットルバルブの開度を検知するための手段を含む。
第5の発明によると、エンジンのスロットルバルブの開度を検知することにより、エンジンの出力が上昇したか否かを判定することができる。
第6の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜5のいずれかの発明の構成に加えて、第2の駆動力源は、回転電機である。
第6の発明によると、たとえば、制御手段が回転電機に供給される電力を制御することにより、回転電機が発現する駆動トルクを制御することができる。
第7の発明に係る車両の制御装置においては、第1〜6のいずれかの発明の構成に加えて、第2の駆動力源は、車両の左右の駆動輪にそれぞれ独立して駆動トルクを付与する。
第7の発明によると、たとえば、車両の旋回中において、車両の左右の駆動輪をそれぞれ独立して制御することにより、車両の走行状態に応じた駆動トルクを応答遅れなく発現させることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態では、自動変速機を、流体継手であるトルクコンバータと、変速機構とを有する自動変速機として説明するが、特に自動変速機に限定されるものではなく、たとえば、手動変速機が搭載される車両に本発明を適用するようにしてもよい。また、自動変速機は、有段式であってもよいし、無段式であってもよい。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、詳しくは図1に示すECU(Electronic Control Unit)200により実現される。
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、第1の駆動力源であるエンジン100と、自動変速機104と、ECU200とから構成される。
エンジン100の出力軸は、自動変速機104の入力軸に接続される。より詳細には、自動変速機104は、トルクコンバータ(図示せず)と自動変速機構(図示せず)とから構成され、エンジン100の出力軸は、トルクコンバータの入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータとは回転軸により連結されている。
したがって、エンジン回転数センサ206により検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータの入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
トルクコンバータは、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチと、入力軸側のポンプ羽根車と、出力軸側のタービン羽根車と、ワンウェイクラッチを有しトルク増幅機能を発現するステータとから構成される(いずれも図示せず)。トルクコンバータと自動変速機構とは、回転軸により接続される。トルクコンバータの出力軸回転数NT(タービン回転数)は、タービン回転数センサ208により検知される。自動変速機構の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサ(図示せず)により検知される。
このような自動変速機構は、その内部に複数の摩擦要素であるクラッチやブレーキを備える。予め定められた作動表に基づいて、摩擦要素であるクラッチ要素(たとえば、クラッチC1〜C4)や、ブレーキ要素(たとえば、ブレーキB1〜B4)、ワンウェイクラッチ要素(たとえば、ワンウェイクラッチF0〜F3)が、要求された各ギヤ段に対応して、係合および解放されるように油圧回路(図示せず)が制御される。自動変速機構の変速ポジション(シフトポジション)には、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション、前進走行(D)ポジションがある。
これらのパワートレーンを制御するECU200は、エンジン100および自動変速機104を制御する。
ECU200には、出力軸回転数センサにて検知された出力軸回転数NOUTを表す信号が入力される。また、ECU200には、エンジン回転数センサ206にて検知されたエンジン回転数NEを表すエンジン回転数信号が入力される。さらに、ECU200には、タービン回転数センサ208にて検知されたタービン回転数NTを表す信号が入力される。
エンジン回転数センサ206は、エンジン100の出力軸(トルクコンバータの入力軸)に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられる。出力軸回転数センサは、自動変速機構(自動変速機104)の出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対応して設けられる。タービン回転数センサ208は、トルクコンバータの出力軸に取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられる。
これらの回転数センサは、トルクコンバータの入力軸、トルクコンバータの出力軸および自動変速機104の出力軸の僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
さらにECU200は、自動変速機104にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて、自動変速機104の油圧回路(図示せず)を構成するリニアソレノイドバルブやオンオフソレノイドバルブなどが制御され、所定の変速ギヤ段(たとえば、第1速から第5速)を構成するように、摩擦係合要素が係合および解放されるように制御される。
また、ECU200には、アクセルペダル開度センサ212から、運転者により操作されたアクセルペダルの開度を表す信号が入力される。さらに、ECU200には、車輪速センサ202から車輪110の回転数を表す信号が入力される。さらに、ECU200には、車輪速センサ216から車輪120の回転数を表す信号が入力される。また、ECU200は、各種データ(しきい値、変速マップ等)やプログラムが記憶されたメモリを有する。
さらに、本実施の形態において、自動変速機104の出力軸は、プロペラシャフト106を介してディファレンシャルギヤ機構108に連結される。ディファレンシャルギヤ機構108の筐体内部には、車両の旋回時に左右の駆動輪110,120の回転差を吸収する機能を有するディファレンシャルギヤが収納される。ディファレンシャルギヤ機構108の車両幅方向の両端部には、ドライブシャフト112,118の一方端がそれぞれ連結される。ドライブシャフト112の他方端には車輪110が連結される。ドライブシャフト118の他方端には、車輪120が連結される。なお、本実施の形態において、車輪110,120は、後輪の駆動輪である。また、図示しない2つの車輪からなる前輪は、非駆動輪であって、操舵輪である。
また、ドライブシャフト112と車輪110およびディファレンシャルギヤ機構108とは、たとえば、スプライン嵌合により連結される。同様に、ドライブシャフト118と車輪120およびディファレンシャルギヤ機構108とは、たとえば、スプライン嵌合により連結される。
さらに、本実施の形態において、ドライブシャフト112とディファレンシャルギヤ機構108との間に、回転電機114が設けられる。ドライブシャフト118とディファレンシャルギヤ機構108との間に、回転電機116が設けられる。回転電機114は、車輪110に駆動力を付与し、回転電機116は、車輪120に駆動力を付与する。本実施の形態において、回転電機114,116から第2の駆動力源が構成される。また、第2の駆動力源である回転電機114,116は、車両の左右の駆動輪(車輪110,120)にそれぞれ独立して駆動トルクを付与する。
回転電機114,116は、回転子と固定子とから構成される(いずれも図示せず)。回転電機114,116の回転子はドライブシャフト112,118にそれぞれ固定される。回転電機114,116の固定子は、車体側(たとえば、ディファレンシャルギヤ機構108の筐体)に固定される。
回転電機114,116は、ECU200から受信するモータトルク制御信号に基づいて、出力がそれぞれ独立して制御される。具体的には、回転電機114,116には、それぞれ図示しない電源から供給される電力を調整する電気機器(たとえば、インバータ)が設けられ、電気機器は、ECU200から受信するモータトルク制御信号に対応する電力量の電力を回転電機114,116に供給する。これにより、回転電機114,116において発現する駆動トルクが制御される。なお、回転電機114,116の駆動トルク制御は、ECU200から送信されるモータトルク制御信号に応じたトルクが回転電機114,116において発現できれば、上述の構成に特に限定されるものではない。
回転電機114,116には、出力軸の回転数を検知するモータ回転数センサ204,214が設けられる。なお、モータ回転数センサ204,214として、たとえ、回転電機114,116のそれぞれ設けられる、レゾルバ等の回転角度センサを用いるようにしてもよい。
モータ回転数センサ204により検知された回転数(Nmotor)を表す信号がECU200に送信される。同様に、モータ回転数センサ214により検知された回転数を表す信号がECU200に送信される。
なお、本実施の形態において、回転電機114,116は、ドライブシャフト112,118に変速機構を介することなく、直接設けられる。そのため、たとえば、車両が定常走行しているときは、車輪110の回転数と回転電機114の回転数とは略同じ回転数となり、車輪120の回転数と回転電機116の回転数とは略同じ回転数となる。
ECU200は、車両の走行状態に応じて、回転電機114,116により車輪110,120に付与される駆動トルクをそれぞれ独立して制御する。
本実施の形態において、第1の駆動力源であるエンジン100の動力は、自動変速機104、プロペラシャフト106、ディファレンシャルギヤ機構108、回転電機114,116、ドライブシャフト112,118を介して、車輪110,120に伝達される。また、第2の駆動力源である回転電機114,116は、本実施の形態においては、ディファレンシャルギヤ機構108とドライブシャフト112,118との間の位置にそれぞれ設けられるようにしたが、特にこの位置に限定されるものではない。
以上のような構成を有する車両において、本発明は、ECU200が、動力伝達機構における、動力の伝達状態の変化に対応して、回転要素の回転数を基準として、自動変速機構の入力軸の回転数(すなわち、タービン回転数NT)と回転電機114,116の回転数との回転数差の絶対値が減少する駆動トルクが発現するように、回転電機114,116をそれぞれ制御する点に特徴を有する。動力伝達機構は、たとえば、自動変速機104、ディファレンシャルギヤ機構108、プロペラシャフト106およびドライブシャフト112,118である。回転要素は、たとえば、自動変速機104の歯車機構、ディファレンシャルギヤ機構108のディファレンシャルギヤ、プロペラシャフト106およびドライブシャフト112,118のスプライン嵌合部である。本実施の形態において、回転要素は、エンジン100から駆動輪110,120までの動力伝達機構において、歯部と溝との噛み合いにより動力を伝達する回転要素であれば、特に上述した部品に限定されるものではない。
ECU200は、エンジン100の出力が上昇したことを判定し、かつ、車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定すると、タービン回転数センサ208により検知されたタービン回転数NTと、モータ回転数センサ204,214により検知された回転電機114,116の回転数Nmotorとの回転数差の絶対値が減少する駆動トルクが発現するように、回転電機114,116を制御する。ここで、「惰性走行状態」とは、エンジン100の回転数NEが、タービン回転数NTよりも小さい状態であって、エンジン100の回転負荷および車両の走行抵抗により車両が減速状態となる場合を含む。
なお、以下の説明においては、特に回転電機114の制御について説明するが、回転電機116の制御についても回転電機114と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
ECU200は、回転要素を基準とした、タービン回転数NTと回転電機114の回転数Nmotorとの差の絶対値を算出する。回転電機114の回転軸と自動変速機構の入力軸との間には、自動変速機構を介して連結されている。そのため、本実施の形態においては、たとえば、タービン回転数センサにより検知された入力軸の回転数を、回転電機114における回転数に換算した上で、モータ回転数センサ204により検知された回転電機114の回転数との差分を算出するようにしてもよいし、あるいは、モータ回転数センサ204により検知された回転電機114の回転数を、自動変速機構の入力軸の回転数に換算した上で、タービン回転数センサ208により検知されたタービン回転数NTとの差分を算出するようにしてもよい。
なお、以下の説明においては、「タービン回転数NTと回転電機114の回転数Nmotorとの回転数差」とは、上述のように説明した、回転要素を基準とした回転数差であって、より詳細には、自動変速機構の入力軸および回転電機114のうちのいずれかに換算した結果の回転数差を意味するものである。
以下、本実施の形態に車両の制御装置であるECU200の構成について、図2に示す機能ブロック図を用いて説明する。
図2に示すように、ECU200には、各種センサから信号を受信する入力インターフェース(以下、入力I/Fと記載する)300と、主としてCPU(Central Processing Unit)から構成される演算処理部400と、メモリ等により実現され、しきい値等の各種情報および各種プログラムを記憶する記憶部600と、演算処理部400において演算された結果に基づくモータトルク制御信号を、回転電機114に送信する出力インターフェース(以下、出力I/Fと記載する)500とが設けられる。
本実施の形態において、入力I/F300は、アクセル開度信号と、エンジン回転数信号と、タービン回転数信号と、車輪回転数信号と、モータ回転数信号とを受信する。
演算処理部400は、出力要求判定部402と、惰性走行判定部404と、回転数差算出部406と、モータトルク制御部408とを含む。
出力要求判定部402は、エンジン100に対する出力要求の度合いに基づいて、エンジン100の出力が上昇したか否かを判定する。本実施の形態において、出力要求判定部402は、アクセルペダル開度センサ212から入力I/F300を介して受信したアクセル開度に基づいて、エンジン100の出力が上昇したか否かを判定する。
より具体的には、出力要求判定部402は、アクセル開度が予め定められた開度A(1)以上であると、エンジン100の出力が上昇したことを判定する。本実施の形態において、エンジン100に対する出力要求の度合いの検出を、アクセルペダル開度センサ212により検知されるアクセル開度に基づいて実施されるが、特にこれに限定されるものではない。なお、予め定められたアクセル開度A(1)は、エンジン100の出力が上昇したことが判定できる開度であれば、特に限定されるものではない。
たとえば、エンジン100に対する出力要求の度合いの検出を、吸気通路102の電子スロットルに設けられるスロットル開度センサ210により検知されるスロットルバルブ開度に基づいて実施するようにしてもよいし、あるいは、図示しないオートクルーズ制御部から受信される出力要求の度合いに基づいて実施するようにしてもよい。
また、出力要求判定部402は、エンジン100の出力が上昇したことを判定すると、たとえば、出力要求判定フラグをオンし、出力が上昇していないことを判定すると、出力要求判定フラグをオフするようにしてもよい。
惰性走行判定部404は、エンジン回転数センサ206およびタービン回転数センサ208から入力I/F300を介して受信したエンジン回転数NEおよびタービン回転数NTに基づいて車両の走行状態が惰性走行状態(以下、コースト状態とも記載する)であるか否かを判定する。
より具体的には、惰性走行判定部404は、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも小さい状態であると、車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定する。本実施の形態において、惰性走行判定部402は、車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定すると、コースト状態フラグをオンする。惰性走行判定部404は、車両の走行状態が惰性走行状態でない(エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも大きい状態である)と判定すると、コースト状態フラグをオフする。
回転数差算出部406は、タービン回転数センサ208およびモータ回転数センサ204から入力I/F300を介して受信したタービン回転数NTおよび回転電機114の回転数Nmotorに基づいて、回転数差を算出する。本実施の形態において、回転数差算出部406は、Nmotor−NTの値を算出する。算出された回転数差は、一旦、記憶部600に記憶するようにしてもよい。
モータトルク制御部408は、回転数差算出部406から直接的に得られた、あるいは、記憶部600を参照することにより得られた回転数差に基づいて、モータトルク制御信号を生成する。
具体的には、モータトルク制御部408は、算出された回転数差の絶対値が減少する駆動トルクが発現する電力量の電力が回転電機114に供給されるように、モータトルク制御信号を生成する。
たとえば、モータトルク制御部408は、タービン回転数NTが回転電機114の回転数Nmotorよりも大きいと、回転数差は負の値となる。このとき、モータトルク制御部408は、回転電機114に車両の前進側の駆動トルクが付与されるようにモータトルク制御信号を生成する。タービン回転数NTが回転電機114の回転数Nmotorよりも小さいと、回転数差は正の値となる。このとき、モータトルク制御部408は、回転電機114が駆動トルクを発現しないようにモータトルク制御信号を生成してもよいし、回転電機114に車両の後進側の駆動トルクを付与するようにモータトルク制御信号を生成してもよい。
さらに、モータトルク制御部408は、回転数差の絶対値に対応した電力量の電力が回転電機114に供給されるようにモータトルク制御信号を生成する。モータトルク制御部408は、たとえば、回転数差の絶対値が大きいほど、大きい電力量の電力が回転電機114に供給されるようにモータトルク制御信号を生成する。
また、モータトルク制御部408は、たとえば、回転数差の絶対値と回転電機114に供給される電力量との関係を予めマップとして記憶しておき、算出された回転数差の絶対値とマップとに基づいて回転数差の絶対値に対応した電力量を決定するようにしてもよい。なお、マップに代えて表あるいは数式を用いるようにしてもよい。なお、マップ、表あるいは数式は、記憶部600に予め記憶しておけばよい。
本実施の形態において、出力要求判定部402、惰性走行判定部404、回転数差算出部406およびモータトルク制御部408は、いずれも演算処理部400であるCPUが記憶部600に記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記録媒体に記録されて車両に搭載される。
以上のような構成を有する本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU200で実行されるプログラムの制御構造について図3を用いて説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU200は、アクセルがオンされた否かを判定する。より具体的には、ECU200は、アクセルペダル開度センサ212から受信するアクセル開度が予め定められた開度A(1)以上であると、出力が上昇したこと、すなわち、アクセルがオンされたことを判定する。アクセルがオンされると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S102にて、ECU200は、コースト状態フラグがオンであるか否かを判定する。具体的には、ECU200は、エンジン回転数NEがタービン回転数NTよりも小さいと、車両の走行状態がコースト状態であること、すなわち、コースト状態フラグがオンであることを判定する。コースト状態フラグがオンであると(S102にてYES)、処理はS104に移される。もしそうでないと(S102にてNO)、この処理は終了する。
S104にて、ECU200は、Nmotor−NTの値を算出する。すなわち、ECU200は、モータ回転数センサ204から受信する回転電機114の回転数Nmotorと、タービン回転数センサ208から受信するタービン回転数NTとの回転数差を算出する。
S106にて、ECU200は、フィードバック制御を実施する。具体的には、ECU200は、算出された回転数差に対応する方向および大きさの駆動トルクが発現するモータトルク制御信号を生成して、回転電機114を制御する。
S108にて、ECU200は、アクセルがオフされたか否かを判定する。より具体的には、ECU200は、アクセルペダル開度センサ212から受信するアクセル開度が予め定められた開度A(1)より小さいと、アクセルがオフされたことを判定する。アクセルがオフされると(S108にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S108にてNO)、処理はS104に移される。
以上のような構造、機能ブロックの構成およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る車両の制御装置であるECU200の動作について、図4および図5を参照しつつ説明する。
(1)回転数差に応じた回転電機114,116の駆動トルク制御が実施されない場合
運転者がアクセルペダルを踏み込んでいない状態で車両が直進走行している状態を想定する。このとき、アクセル開度は略ゼロの状態となる。なお、回転電機116の動作は、回転電機114と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
アクセル開度が略ゼロの状態であると、車両に作用する駆動トルクは、図4(A)に示すように、車体の空気抵抗、車輪の転がり抵抗および駆動系の摩擦抵抗等を含む走行抵抗およびエンジン100の回転負荷により、減速側のトルク(負トルク)Td(1)となる。また、アクセル開度が略ゼロの状態であるため、エンジン回転数は、アイドリング時の回転数となる。
時間T(0)において、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれると、アクセル開度は時間の経過とともに増加していく。アクセル開度の増加とともに、エンジン回転数が増加していく。さらに、エンジン回転数の上昇に伴って、図4(A)の破線に示すように、時間T(0)から時間T(1)において、自動変速機104に伝達されるエンジントルクが増加するため、駆動トルクが上昇を開始する。
図4(A)の実線に示すように、時間T(1)から時間T(2)において、車両に作用する駆動トルクが減速側のトルクから加速側のトルク(正トルク)に切り替わる期間となる。この期間中、エンジントルクが上昇しても、車両に前進方向の駆動トルクが作用しない状態となる。これは、ドライブシャフトとハブとのスプライン嵌合部あるいはディファレンシャルギヤ機構108等を構成する歯車機構において、動力が伝達される方向が逆方向となることによりガタ(歯部と溝との間隙、バックラッシ)が詰まるためである。
より具体的には、スプライン嵌合部あるいはギヤ機構において、歯部と溝との噛み合い方向が逆方向になる。そのため、歯部が減速時に接触していた溝の壁面とは逆方向の溝の壁面に近づくことにより、ガタは減速時とは逆方向に詰められていくこととなる。ガタの詰まりが完了するまでの期間中、エンジン100から伝達されるトルクは、車輪110,120に伝達されない。
このとき、自動変速機構の入力軸の回転数は、ガタ詰が完了するまで負荷が減少することから増大する。そのため、図4(B)に示すように、入力軸の回転数と回転電機114の回転数との間において、回転数に差が生じることとなる。このとき、Nmotor−NTの値が負方向に増加しているため、入力軸の回転数が回転電機114の回転数よりも大きい状態である。
時間T(2)において、ガタ詰が完了したときに、エンジン100から伝達されるトルクが車輪110,120に伝達されるため、図4(A)に示すように、車両に作用する駆動トルクが正トルク側に急激に立ち上がる。
運転者がアクセルペダルを踏み込んだ後、非伝達状態となる期間(時間T(1)−時間T(2))を経過後に、駆動トルクが上昇して、車両が加速を開始するため、応答遅れが生じる。
(2)回転数差に応じた回転電機114,116の駆動トルク制御が実施される場合
運転者がアクセルペダルを踏み込んでいない状態で車両が直進走行している場合を想定する。このとき、アクセル開度は略ゼロの状態となる。なお、回転電機116の動作は、回転電機114と同様であるため、その詳細な説明は繰り返さない。
アクセル開度が略ゼロの状態であると、車両に作用する駆動トルクは、図5(A)に示すように、車体の空気抵抗、車輪の転がり抵抗および駆動系の摩擦抵抗等を含む走行抵抗およびエンジン100の回転負荷により、減速側のトルク(負トルク)Td(1)となる。また、アクセル開度が略ゼロの状態であるため、エンジン回転数は、アイドリング時の回転数となる。このとき、タービン回転数は、エンジン回転数よりも高い。
時間T(0)において、運転者によりアクセルペダルが踏み込まれると、アクセル開度は、時間の経過とともに増加していき、予め定められた開度A(1)以上となる(S100にてYES)。また、アクセルペダルが踏み込まれた時点において、タービン回転数NTは、エンジン回転数NEよりも高く、車両の走行状態は、コースト状態であるため、コースト状態フラグがオンされる(S102にてYES)。
アクセル開度の増加とともに、エンジン回転数NEが増加していく。さらに、エンジン回転数NEの上昇に伴って、図5(A)に示すように、時間T(0)から時間T(1)において、自動変速機104に伝達されるエンジントルクの増加に伴って、駆動トルクが上昇を開始する。
図5(A)に示すように、時間T(1)から時間T(2)において、車両に作用する駆動トルクが減速側のトルクから加速側のトルク(正トルク)に切り替わる期間となる。この期間中、エンジントルクが上昇しても、車両に前進方向の駆動力が作用しない状態となる。これは、ドライブシャフトとハブとのスプライン嵌合部あるいはディファレンシャルギヤ機構108等のギヤ機構において、動力が伝達される方向が逆方向となることによりガタ(歯部と溝との間隙、バックラッシ)が詰まるためである。
より具体的には、スプライン嵌合部あるいはギヤ機構において、歯部と溝との噛み合い方向が逆方向になる。そのため、歯部が減速時に接触していた溝の壁面とは逆方向の溝の壁面に近づくことにより、ガタは減速時とは逆方向に詰められていくこととなる。ガタの詰まりが完了するまでの期間中は、エンジン100から伝達されるトルクは、車輪110,120に伝達されない。
このとき、自動変速機構の入力軸の回転数は、ガタ詰が完了するまで負荷が減少することから増大する。そのため、図5(B)に示すように、入力軸の回転数と回転電機114の回転数との間において、回転数に差が生じることとなる(S104)。このとき、Nmotor−NTの値が負方向に増加しているため、入力軸の回転数が回転電機114の回転数よりも大きい状態である。
そのため、図5(C)に示すように、回転電機114においては、回転数差に応じて、回転数差の絶対値が減少する方向の駆動トルクが発現する(S106)。具体的には、回転電機114の回転数を増加する方向、すなわち、車両の前進側の駆動トルク(正トルク)が回転電機114において発現する。回転数差の絶対値が大きくなるほど、回転電機114において発現する駆動トルクの大きさは大きくなる。
そのため、図5(A)に示すように、時間T(1)〜T(2)の、ガタの詰まりが開始されて、完了するまでの期間においても、前進側の駆動トルクが発現する。これにより、車両の走行状態が、惰性走行状態から加速状態に移行する際に、アクセルペダルの操作量の増加に対する駆動トルクの上昇の応答遅れが改善される。
また、回転数差に応じた回転電気の駆動トルク制御は、アクセルオフされると終了する(S108にてYES)。
以上のようにして、本実施の形態に係る車両の制御装置によると、車両が減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際、動力伝達機構における動力の伝達状態が変化する。このとき、動力の伝達方向に変化が生ずると、回転要素の噛み合いが変化する。たとえば、回転要素の噛み合いが歯部と溝とにより実現される場合、トルクの伝達方向が逆方向に変化すると、歯部と溝との噛み合い方向も逆方向に変化する。そのため、歯部が、車両の加速前に接触していた溝の壁面とは逆方向の溝の壁面に近づくことにより、ガタが逆方向に詰められていくこととなる。歯部が逆方向の溝の壁面に接触して、動力伝達が行なわれるまでの間は、第1の駆動力源(たとえば、エンジン)の動力が駆動輪に伝達されない非伝達状態となる。ガタ詰が完了するまでの動力の非伝達状態であるときにおいては、回転要素の回転数を基準とした、変速機の入力軸の回転数と第2の駆動力源の回転数との間において、回転数差が生じることとなる。そのため、回転数差の絶対値が減少するトルクが発現するように、第2の駆動力源が制御されることにより、回転数差をゼロに近づけて、第1の駆動力源の駆動トルクによりガタ詰が行なわれるとともに、第2の駆動力源の駆動トルクにより車両が加速状態になる。そのため、運転者のアクセルペダルの操作に対して応答遅れなく車両を加速させることができる。また、第2の駆動力源により回転数差に応じた駆動トルクを発現させて応答遅れを抑制するため、歯部と溝との間に寸法誤差あるいは経年変化の差による個体差が、応答遅れ抑制の制御に影響を及ぼすことはない。したがって、車両が減速状態あるいは惰性走行状態から加速状態に移行する際の、車両に発生する応答遅れを改善する車両の制御装置を提供することができる。
さらに、エンジンの出力が上昇したことが判定され、かつ、惰性走行状態であることが判定されることにより、車両の走行状態が、惰性走行状態から加速状態に移行したことを判定することができる。
また、エンジンの回転数が流体継手(たとえば、トルクコンバータ)の出力軸の回転数よりも小さいと、エンジンから自動変速機に対してトルク伝達が行なわれていない状態である。そのため、車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定することができる。
また、たとえば、車両の旋回中においては、左右輪の回転数は異なるため、回転電機114,116により、車両の左右の駆動輪をそれぞれ独立して制御することにより、車両の走行状態に応じた駆動トルクを応答遅れなく発現させることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施の形態に係る車両の制御装置が搭載される車両のパワートレーンの構成を示す図である。 本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUの構成を示す機能ブロック図である。 本実施の形態に係る車両の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 回転数差に応じた回転電機のトルク制御を実施しない場合のタイミングチャートである。 回転数差に応じた回転電機のトルク制御を実施する場合のタイミングチャートである。
符号の説明
100 エンジン、102 吸気通路、104 自動変速機、106 プロペラシャフト、108 ディファレンシャルギヤ機構、110,120 車輪、112,118 ドライブシャフト、114,116 回転電機、200 ECU、202,216 車輪速センサ、204,214 モータ回転数センサ、206 エンジン回転数センサ、208 タービン回転数センサ、210 スロットル開度センサ、212 アクセルペダル開度センサ、300 入力I/F、400 演算処理部、402 出力要求判定部、404 惰性走行判定部、406 回転数差算出部、408 モータトルク制御部、500 出力I/F、600 記憶部。

Claims (7)

  1. 第1の駆動力源と、前記第1の駆動力源に連結され、動力の伝達方向の変化によって噛み合いが変化する回転要素が噛み合わされた動力伝達機構と、前記動力伝達機構に連結された第2の駆動力源とが搭載された車両の制御装置であって、前記動力伝達機構は、前記第1の駆動力源の出力を変速する変速機構を含み、
    前記変速機構の入力軸の回転数を検知するための第1の回転数検知手段と、
    前記第2の駆動力源の回転数を検知するための第2の回転数検知手段と、
    前記動力伝達機構における、前記動力の伝達状態の変化に対応して、前記回転要素の回転数を基準とした、前記入力軸の回転数と前記第2の駆動力源の回転数との回転数差の絶対値が減少する駆動トルクが発現するように、前記第2の駆動力源を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記第1の駆動力源の駆動状態を示す第1の物理量を検知するための第1の検知手段と、
    前記変速機構の駆動状態を示す第2の物理量を検知するための第2の検知手段と、
    前記第1の駆動力源に対する出力要求の度合いを検出するための要求検出手段と、
    前記検出された出力要求の度合いに基づいて、前記第1の駆動力源の出力が上昇したか否かを判定するための要求判定手段と、
    前記検知された、第1の物理量および第2の物理量に基づいて、前記車両の走行状態が惰性走行状態であるか否かを判定するための判定手段とをさらに含み、
    前記制御手段は、前記第1の駆動力源の出力が上昇したことが判定されて、かつ、前記惰性走行状態であることが判定されると、前記第2の駆動力源を制御するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記第1の駆動力源は、エンジンであって、
    前記変速機構は、入力軸に流体継手が連結される自動変速機構であって、
    前記第1の検知手段は、前記エンジンの回転数を検知するための手段を含み、
    前記第2の検知手段は、前記第1の回転数検知手段であって、
    前記判定手段は、前記検知されたエンジンの回転数が前記検知された入力軸の回転数よりも小さいと、前記車両の走行状態が惰性走行状態であることを判定するための手段を含む、請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記要求検出手段は、運転者によるアクセルペダルの操作量を検知するための手段を含む、請求項2または3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記要求検出手段は、前記エンジンのスロットルバルブの開度を検知するための手段を含む、請求項2または3に記載の車両の制御装置。
  6. 前記第2の駆動力源は、回転電機である、請求項1〜5のいずれかに記載の車両の制御装置。
  7. 前記第2の駆動力源は、前記車両の左右の駆動輪にそれぞれ独立して駆動トルクを付与する、請求項1〜6のいずれかに記載の車両の制御装置。
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