JP2008030051A - ロッド材圧延システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロッド材圧延システムは、水平方向に延びる被圧延材の移送経路12に互いに直列に隣り合って配置される第1圧延機24及び第2圧延機26を備える。第1圧延機24は、上下方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第1ロール66と、第1ロール66間に少なくとも2つの第1の孔型70を形成するよう第1ロール66のそれぞれに形成された複数の周溝と、第1ロール66を上下させ、第1の孔型のうち一つを移送経路12に位置付ける昇降装置とを含む。第2圧延機は、移送経路12と直交する水平方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第2ロール102と、第2ロール102間に少なくとも2つの第2の孔型を形成するよう第2ロール102のそれぞれに形成された複数の周溝とを含む。
【選択図】図3
Description
線材として、断面形状が円形形状の丸棒を圧延する場合、例えば仕上列は、少なくとも第1圧延機と第2圧延機とを含み、第1圧延機は、断面形状が円形形状の中間製品を、断面形状が楕円形状の中間製品に圧延する。第2圧延機は、第1圧延機で圧延された中間製品を、断面形状が円形形状の最終製品に圧延する。このため、第1圧延機は、その1対のロール間に形成された楕円形状の孔型(オーバル孔型)を有し、第2圧延機は、その1対のロール間に形成された円形形状の孔型(丸孔型)を有する。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、使用する孔型の変更が容易なロッド材圧延システムを提供することにある。
このシステムは、加熱炉10を有し、加熱炉10はロッド材の素材である鋳塊(ビレット)を所定の温度にまで加熱することができる。加熱炉10からは、移送経路12がロッド材の巻取機14まで延びており、この移送経路12には、加熱されたビレットを段階的に圧延すべく、粗列16、中間列18及び仕上列20が設けられている。尚、巻取機14は、ロッド材の寸法(長さ)により省略してもよい。
より詳しくは、仕上列20は、図2に概略的に示したように、1つの前段圧延機22、第1圧延機24及び第2圧延機26を含み、第1圧延機24及び第2圧延機26は、移送経路12に互いに直列に隣り合って配置されている。
図3及び図4は、第1圧延機24及び第2圧延機26の断面を概略的に示し、第1圧延機24及び第2圧延機26は、1つのベースフレーム38に搭載されている。ベースフレーム38は水平な略長方形の上面を有し、上面の長手方向は移送経路12に沿っている。ベースフレーム38の上面にはその略4隅に位置して柱40が立てられ、第1圧延機24は、上流側の柱40から長手方向略中央までの上面の領域(上流域)に配置されている。また、第2圧延機26は、長手方向中央から下流側の柱40までの上面の領域(下流域)に配置されている。
ロール軸86の他端からは円柱状の連結部94が一体に突出し、連結部94は、円柱状のカプラ96に同軸的に形成された挿入穴に挿入される。連結部94とカプラ96とは、相対回転不能に互いに連結されるけれども、挿入穴への連結部94の挿入長さは、段階的に変更可能である。カプラ96は、ユニバーサルジョイント98及びシャフト100を介して第2減速機36に連結されている。
そして、第1圧延機24では、3つの孔型70のうち1つを、移送経路12に位置付けるべく、昇降装置としての4つのジャッキ42が1つの油圧モータ108によって駆動される。
より詳しくは、図6に示したように、油圧モータ108は、ベースフレーム38の幅方向中央に固定されている。油圧モータ108の出力軸は、ベベルギア110を介して、ベースフレーム38の幅方向外側に向けて延びる2本のリレーシャフト112に連結され、各リレーシャフト112は、ベベルギア113を介して、ベースフレーム38の長手方向に延びる駆動シャフト114に連結される。各駆動シャフト114には、ジャッキ42を構成するウォーム115が互いに離間して2つずつ固定され、各ウォーム115は、ウォーム歯車116と噛み合っている。ウォーム歯車116は、ベースフレーム38に固定された図示しないギアケーシングによって回転自在に支持されており、ウォーム歯車116の中央孔には、上下方向に延びるねじ軸117がねじ込まれている。
この昇降装置によれば、油圧源32から油圧モータ108に油圧が供給されると、油圧モータ108が回転力を発生し、この回転力は、ベベルギア110,113、リレーシャフト112及び駆動シャフト114を介して各ジャッキ42に等しく分配される。ジャッキ42では、ウォーム115の回転に伴いウォーム歯車116が回転し、その回転方向に依存して、ねじ軸117がウォーム歯車116に対し上方向又は下方向に移動する。ねじ軸117が上下動するのに伴い、ベース板44、ハウジング46、チョック47、ロール軸50及びロール66が上下動し、このときのねじ軸117の移動量を調整することで、3つの孔型70のうち一つが、移送経路12に位置付けられる。
具体的には、ハウジング80は、図4に示したように各側面に2つずつ当接面120を有する。各当接面120の法線は移送経路12と直交するけれども、ハウジング80の一方の側の当接面120は、他方の側の当接面120とは反対向きである。
可動ブロック128が作動位置にあるときには、固定ブロック122の位置決め面130は、可動ブロック128によって覆われる。可動ブロック128にも位置決め面132が形成されており、可動ブロック128の位置決め面132は、可動ブロック128が作動位置にあるとき、固定ブロック122よりもハウジング80側に位置付けられる。可動ブロック128の位置決め面132は、ハウジング80の当接面120に平行であり、当接面120に当接することで、ベースフレーム38に対するハウジング80の位置を決定可能である。
より詳しくは、アダプタブロック134は、直方体形状のブロック部138と、ブロック部138と一体に形成されたL字状のフック部140とを有し、フック部140は、可動ブロック128と固定ブロック122との間に形成されたポケット142に係合する。アダプタブロック134の位置決め面136は、フック部140とは反対側のブロック部138の面に形成され、対応する当接面120と平行に位置付けられる。ブロック部138の上面には、T字形状の取っ手が固定されている。
更に、残る1つの配置では、図10の一番右側に示したように、他方の側の可動ブロック128が待避位置に位置付けられ、一方の側の可動ブロック128は、作動位置に位置付けられるとともにアダプタブロック134が連結される。従って、他方の側の固定ブロック122の位置決め面130と、一方の側のアダプタブロック134の位置決め面136に、当接面120がそれぞれ当接し、位置決めが行われる。
また、第2圧延機26のハウジング80は、下流側の柱40に固定された4つのシリンダ144によって第1圧縮機24に押し付けられ、これによりベースフレーム38上での長手方向での移動が規制される。
図11は、仕上列20での中間製品の断面形状の変化を示しており、前段圧延機22で圧延された中間製品の断面形状は図11(a)に示したように円形形状であり、その直径は、例えば10mm以上30mm以下の範囲にある。第1圧延機24で圧延された中間製品の断面形状は、図11(b)に示したように楕円形状であり、その長軸の長さは、例えば11mm以上40mm以下の範囲にあり、その短軸の長さは、例えば9mm以上29mm以下の範囲にある。最終製品としてのロッド材、すなわち、仕上列20の第2圧延機26で圧延されたロッド材の断面形状は、図11(c)に示したように円形形状であり、その直径は、例えば、9mm以上29mm以下の範囲にある。
そして、上述した製造システムにあっては、第1圧延機24及び第2圧延機26で使用する孔型70,106を変更することにより、得られるロッド材の直径を容易に変更可能である。
なお、第1圧延機24が上下した距離に合わせて、カプラ60の挿入穴への連結部58の挿入深さが調整される。
一方、第2圧延機26にあっては、第2圧延機26をハウジング80ごとベースフレーム38から持ち上げた後、可動ブロック128及びアダプタブロック134の配置を変更してから、再びベースフレーム38上に降ろす。この際、固定ブロック122、可動ブロック128又はアダプタブロック134の位置決め面130,132,136に第2圧延機26のハウジング80の当接面120が当接するよう降ろすことで、所望の孔型106が移送経路12に位置付けられる。
また、上述した第1圧延機24及び第2圧延機26によれば、これらの圧延機の2パスの減面率が6%以上20%以下の範囲にあることから、得られるロッド材の直径の公差が小さく、高精度にてロッド材が圧延される。
例えば、上記した実施形態において、第1圧延機24及び第2圧延機26の各ロール66,102は、それぞれ3つの周溝68,104を有し、1対のロール66,102間には3つの孔型70,106が形成されていたけれども、孔型70,106の数は2つ以上であればよい。
例えば、上記した実施形態において、第2圧延機26の位置決め装置119は、3つの位置にてハウジング80を位置決め可能であったが、2つ以上の位置にて位置決め可能であればよい。すなわち、アダプタブロック134を用いずに、固定ブロック122及び可動ブロック128の位置決め面130,132の組み合わせのみで位置決めしてもよい。
24 第1圧延機
26 第2圧延機
66 ロール(第1ロール)
68 周溝
70 孔型(第1の孔型)
102 ロール(第2ロール)
104 周溝
106 孔型(第2の孔型)
Claims (3)
- 水平方向に延びる被圧延材の移送経路に互いに直列に隣り合って配置される第1圧延機及び第2圧延機を備えたロッド材圧延システムにおいて、
前記第1圧延機は、
上下方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第1ロールと、
前記第1ロール間に少なくとも2つの第1の孔型を形成するよう前記第1ロールのそれぞれに形成された複数の周溝と、
前記第1ロールを上下させ、前記第1の孔型のうち一つを前記移送経路に位置付ける昇降装置と
を含み、
前記第2圧延機は、
前記移送経路と直交する水平方向にそれぞれ延び且つ互いに隣接した2つの第2ロールと、
前記第2ロール間に少なくとも2つの第2の孔型を形成するよう前記第2ロールのそれぞれに形成された複数の周溝と
を含み、
前記第2圧延機は、前記第2の孔型のうち一つが、前記移送経路に位置付けられるように配置される
ことを特徴とするロッド材圧延システム。 - 前記第1及び第2圧延機を搭載するベースフレームと、
前記ベースフレームに対し前記第2圧延機の位置を決めるための位置決め装置と
を更に備え、
前記位置決め装置は、
前記第2圧延機のハウジングに、前記移送経路と直交する水平方向にて互いに離間し且つ反対向きに形成された少なくとも2つの当接面と
前記ベースフレームに固定され、前記当接面の各々の近傍に1つずつ配置される固定ブロックと、
前記固定ブロックの各々に前記移送経路と平行に延びるピンを介して1つずつピン結合され、前記ピンの周りを回転することにより作動位置及び待避位置のうち一方に位置付けられる可動ブロックと、
前記固定ブロックの各々に形成され、自身にピン結合された前記可動ブロックが前記待避位置にあるとき、前記当接面に当接する第1の位置決め面と、
前記可動ブロックの各々に形成され、自身が前記作動位置にあるとき、前記当接面に当接する第2の位置決め面と
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のロッド材圧延システム。 - 前記位置決め装置は、前記作動位置に位置付けられた前記可動ブロックに連結されるアダプタブロックを更に含み、
前記アダプタブロックは、前記可動ブロックの前記第2の位置決め面に代えて前記当接面に当接する第3の位置決め面を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のロッド材圧延システム。
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