JP2008029000A - ゲイン制御回路、及び撮像装置と制御装置、並びにゲイン制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号損失の変動を抑える。
【解決手段】信号レベル検出部13は、通信ケーブル2を介して伝達される過程で信号損失が生じる入力信号のレベルを検出し、結果を切替制御部14に通知する。切替制御部14は、信号レベル変換部11から、検出された入力信号を一定レベル範囲内の信号レベルに変換するためのレベル変換器を選択する。そして、切替部12を制御し、選択されたレベル変換器を入力信号伝達経路に接続する。これにより、入力信号は、信号伝達経路に接続されるレベル変換器によって信号レベルが変換され、最終的に一定レベル範囲内の信号レベルの変換出力信号が生成される。
【選択図】図1
【解決手段】信号レベル検出部13は、通信ケーブル2を介して伝達される過程で信号損失が生じる入力信号のレベルを検出し、結果を切替制御部14に通知する。切替制御部14は、信号レベル変換部11から、検出された入力信号を一定レベル範囲内の信号レベルに変換するためのレベル変換器を選択する。そして、切替部12を制御し、選択されたレベル変換器を入力信号伝達経路に接続する。これにより、入力信号は、信号伝達経路に接続されるレベル変換器によって信号レベルが変換され、最終的に一定レベル範囲内の信号レベルの変換出力信号が生成される。
【選択図】図1
Description
本発明はゲイン制御回路、及び撮像装置と制御装置、並びにゲイン制御方法に関し、特に通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルが、一定レベル範囲内に変換されるようにゲインを制御するゲイン制御回路、及びこのゲイン制御回路を搭載した撮像装置と制御装置、並びにゲイン制御方法に関する。
従来、放送局では、複数のカメラがアナログ信号を伝送するケーブルを介してカメラ制御ユニット(以下、単に制御ユニットとする)に接続されており、このケーブルを介して、カメラが撮影した映像信号や音声信号を制御ユニットに送っていた。また、制御ユニットからは、指示や確認のためのリターン信号がケーブルを介して送られている。たとえば放送局内であれば、スタジオのカメラと調整室にある制御ユニットとの間で上記の信号を双方向伝送するため、カメラと制御ユニットとをつなぐケーブルが網の目のように配線されている。また、中継放送であれば、制御ユニットを搭載した中継車と、任意の位置に配置されるカメラとの間で上記の信号を伝送するため、ケーブルが敷設される。
従来、カメラと制御ユニットとを接続するケーブルは、コストが低いことなどから、同軸ケーブルが用いられてきた。たとえば、多くの放送局で採用されているトライアックス(TRIAX)システムでは、1本の同軸ケーブルを用いて電源供給と、周波数多重波にて、映像信号、音声信号、コマンド信号及びカメラリターン信号を伝送する。
このような同軸ケーブルには、伝送距離が長くなるほど信号レベルが低下し、かつ、周波数が高くなるほど減衰量が大きくなるという特性がある。
そこで、カメラと制御ユニットとの間で伝送される映像信号の画質を改善するために、伝送対象の信号をデジタル信号に変換してデータ伝送を行う伝送装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平10−341357号公報
そこで、カメラと制御ユニットとの間で伝送される映像信号の画質を改善するために、伝送対象の信号をデジタル信号に変換してデータ伝送を行う伝送装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
近年では、機動性や使いやすさを向上させるため、制御ユニットとカメラを繋ぐケーブルに、より長いケーブル長が要求されるようになっている。しかしながら、従来の同軸ケーブルを用いたアナログ信号伝送では、信号損失が大きくなるため、ケーブル距離を延ばすことができないという問題点があった。
また、従来の方式と比べて画像情報量が多いHDTV(High Definition Television )方式の信号の普及も進んでいる。広帯域のHD信号を制御ユニットへ伝送する信号伝送路には、光ファイバーを用いることが望ましいが、光ファイバーの設置には多大なコストと時間が必要なため、従来の同軸ケーブルからの置き換えが進んでいないのが現状である。既設の同軸ケーブルを用いて、従来のアナログ信号伝送方式により広帯域のHD信号伝送を行おうとした場合、電源からの干渉や混変調の影響をより受けやすく、分離フィルタの難易度が高くなる傾向があるなど問題が多い。
このように、既設の同軸ケーブルについて、距離を延ばすことや、HD信号のような画像情報量の多い信号伝送に利用することなどが求められているが、アナログ伝送方式には以下のような問題点があり、実現は容易ではない。
第1の問題点として、ケーブルの距離が伸びるほど、ケーブルの損失の増加によって信号レベルが低下し、受信端でのS/N値もケーブル距離に比例して悪くなることがある。一例を挙げると、75オーム(Ω)抵抗が発生する熱雑音は、(en)2=4kTBRより、
(en)2= 4・(1.38×10-23)・300・7.6MHz・75Ω
であり、en=3.07(μV)になる。なお、Bは、OFDM占有帯域幅で、7.6MHzであるとする。この3.07(μV)の熱雑音を電力に換算すると、
P= 1.26×10-13(W)、−99dBmとなる。これは、周波数130MHzの信号を1mW=0dBmの電力で、5C2V同軸ケーブルで1km伝送したら、熱雑音と同等となり、信号が伝わらないことを意味する。
(en)2= 4・(1.38×10-23)・300・7.6MHz・75Ω
であり、en=3.07(μV)になる。なお、Bは、OFDM占有帯域幅で、7.6MHzであるとする。この3.07(μV)の熱雑音を電力に換算すると、
P= 1.26×10-13(W)、−99dBmとなる。これは、周波数130MHzの信号を1mW=0dBmの電力で、5C2V同軸ケーブルで1km伝送したら、熱雑音と同等となり、信号が伝わらないことを意味する。
第2の問題点として、アナログ信号の周波数が高くなるほど信号レベルが減衰するという伝送損失特性がある。
図19は、同軸ケーブルにおける信号の周波数と減衰量の関係を示した図である。図は、ケーブル距離が1kmの場合の減衰特性の一例である。
図19は、同軸ケーブルにおける信号の周波数と減衰量の関係を示した図である。図は、ケーブル距離が1kmの場合の減衰特性の一例である。
図から明らかなように、周波数が大きくなるに従って減衰量が増大する。たとえば、10MHzと、100MHzを超えた信号であれば、90dB以上も信号レベルが違うことがわかる。このため、ケーブル距離に応じて√f(fは周波数)のケーブルイコライズ回路や、様々なレベルで入力される受信信号を一定のレベルにして出力するため、ゲインを制御するゲイン制御回路(AGC;Automatic Gain Control)が必要となっていた。
従来のケーブルイコライズ回路では、ケーブルを介して入力されるアナログ信号に含まれる2つの離れた周波数の同期信号部分をそれぞれピークホールド検波した電圧で比較し、その電圧差からケーブル距離を予測し、最適なイコライズ回路を選択するという複雑な処理が行われていた。そして、このような複雑な処理が、アナログ信号伝送装置のコスト高の要因となっている。
図20は、従来の代表的なAGC回路を示した回路図である。入力電圧をT91、T92によって電流変換し、その電流を差動のトランジスタペア(T93とT94、T95とT96)に流した後、ゲイン制御電圧によって左右に振り分ける。
しかしながら、このようなゲインの可変制御を行うアナログAGC回路では、広範囲のレベル変化(たとえば、図19の例であれば、90dB以上)に対応するダイナミックレンジをとることは非常に難しい。また、ゲインを100%以上(プラス)に設定することはできない。さらに、このような回路構成では、無駄な電流も多く、S/N値を良くすることが難しいという問題点もある。
以上のような理由から、アナログ信号伝送では、通信ケーブルのケーブル長は、400m程度が限界であった。さらに、広帯域のHD信号を伝送する場合には、信号伝送はより難しくなる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、通信ケーブルを介して伝達される過程で生じる信号損失の変動を抑え、通信ケーブル長を延ばすことが可能なゲイン制御回路、及びこのゲイン制御回路を搭載した撮像装置と制御装置、並びにゲイン制御方法を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、信号レベル変換部と、切替部と、信号レベル検出部と、切替制御部とを有し、通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルが一定レベル範囲内に変換されるようにゲインを制御するゲイン制御回路が提供される。ゲイン制御回路に入力される入力信号は、通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じている。信号レベル変換部は、所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器で構成され、この複数のレベル変換器によって入力信号の信号レベルを変換する。切替部は、レベル変換器を入力信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える。切替部によって選択されたレベル変換器によって入力信号の信号レベル変換が行われる。信号レベル検出部は、入力信号の信号レベルを検出する。切替制御部は、信号レベル検出部によって検出された入力信号の信号レベルに基づいて、入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換するレベル変換器を選択し、選択されたレベル変換器が入力信号の信号レベル変換を行うように切替部を制御する。
このようなゲイン制御回路によれば、信号レベル検出部は、通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じた入力信号の信号レベルを検出し、検出結果を切替制御部に通知する。切替制御部は、信号レベル変換部から、検出された入力信号を一定レベル範囲内の信号レベルに変換するためのレベル変換器を選択する。そして、切替部を制御し、選択されたレベル変換器によって入力信号の信号レベル変換が行われるようにする。切替部は指示に従って選択されたレベル変換器が入力信号の信号レベル変換を行うようにする。これにより、信号レベル変換部では、選択されたレベル変換器によって入力信号の信号レベルを変換し、信号損失によって変動する入力信号の信号レベル範囲を一定レベル範囲内に圧縮する。
また、上記課題を解決するために、通信ケーブルを介して制御装置に接続して双方向通信を行って、映像素材信号に対するリターン信号を変調した変調リターン信号を制御装置から受信して動作する撮像装置において、所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有し、通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる変調リターン信号を取り込み、複数のレベル変換器によって変調リターン信号の信号レベルを変換する信号レベル変換部と、レベル変換器を変調リターン信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部と、変調リターン信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、信号レベル検出部によって検出された変調リターン信号の信号レベルに基づいて、変調リターン信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換するレベル変換器を選択し、選択されたレベル変換器が変調リターン信号の信号レベル変換を行うように切替部を制御する切替制御部と、切替制御部が選択したレベル変換器が行った信号レベル変換によって、信号レベル変動が一定レベル範囲内に圧縮された変調リターン信号を、リターン信号に復調する復調回路と、を具備することを特徴とする撮像装置、が提供される。
このような撮像装置では、通信ケーブルを介して接続される制御装置からの変調リターン信号を入力する。このとき、伝達過程において信号損失が生じた変調リターン信号の信号レベルを検出し、検出された信号レベルに合わせて、複数のレベル変換器で構成される信号レベル変換部のレベル変換器を選択動作させる。こうして、信号損失によって変動する変調リターン信号の信号レベルを一定レベル範囲内に圧縮した後、復調する。
また、上記課題を解決するために、通信ケーブルを介して撮像装置に接続して双方向通信を行って、映像素材信号を変調した変調映像素材信号を撮像装置から受信する制御装置において、所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有し、通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる変調映像素材信号を取り込み、複数のレベル変換器によって変調映像素材信号の信号レベルを変換する信号レベル変換部と、レベル変換器を変調映像素材信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部と、変調映像素材信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、信号レベル検出部によって検出された変調映像素材信号の信号レベルに基づいて、変調映像素材信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換するレベル変換器を選択し、選択されたレベル変換器が変調映像素材信号の信号レベル変換を行うように切替部を制御する切替制御部と、切替制御部と切替部との間に接続され、切替部の切替状態保持を制御する保持制御信号に応じて、切替制御部から出力される切替制御信号を切替部に伝達するか否かを制御し、保持制御信号が保持を指示するときは切替部の切替状態をそのままの状態に保持させるホールド部、切替制御部によって選択されたレベル変換器が行った信号レベル変換によって、信号レベル変動が一定レベル範囲内に圧縮された変調映像素材信号を映像素材信号に復調する復調回路と、を具備することを特徴とする制御装置、が提供される。
このような制御装置では、通信ケーブルを介して接続される撮像装置からの変調映像素材信号を入力する。このとき、伝達過程において信号損失が生じた変調映像素材信号の信号レベルを検出し、検出された信号レベルに合わせて、複数のレベル変換器で構成される信号レベル変換部のレベル変換器を選択動作させる。こうして、変調映像素材信号を一定レベル範囲内に変換した後、復調する。また、ホールド部に保持が指示されれば、選択されるレベル変換器の不意の切り替わりが防止される。
また、上記課題を解決するために、通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルが一定レベル範囲内に変換されるようにゲインを制御するゲイン制御方法において、信号レベル検出部が、通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる入力信号の信号レベルを検出し、切替制御部が、所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有する信号レベル変換部から、信号レベル検出部によって検出された入力信号の信号レベルに基づいて、入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換するレベル変換器を選択し、選択されたレベル変換器が入力信号の信号レベル変換を行うようにレベル変換器を入力信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部に切替指示を出力し、切替部が、切替指示に基づいて、選択されたレベル変換器が入力信号の信号レベル変換を行うようにレベル変換器の接続を切り替え、信号レベル変換部が、入力信号を取り込み、切替部が選択したレベル変換器によって入力信号の信号レベル変換を行う、ことを特徴とするゲイン制御方法、が提供される。
このようなゲイン制御方法によれば、通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じた入力信号の信号レベルを検出し、検出された信号レベルに合わせて、複数のレベル変換器で構成される信号レベル変換部のレベル変換器を選択動作させる。こうして、信号損失によって生じる入力信号の信号レベル変動を一定レベル範囲内に抑える。
本発明に係るゲイン制御回路では、通信ケーブルを介して入力された入力信号レベルを検出し、検出された入力信号レベルを一定範囲内の信号レベルに変換するレベル変換器を複数のレベル変換器から選択し、選択されたレベル変換器で入力信号の信号レベルを変換する。これにより、通信ケーブルを伝達する過程で信号損失が生じる入力信号のレベル変動を吸収し、S/N値の劣化を最小限に抑えることができる。この結果、S/N値の劣化に基づいて制限されていた通信ケーブルの距離を延ばすことが可能となる。
また、このようなゲイン制御回路を、通信ケーブルを介して接続する撮像装置と制御装置とに適用すれば、双方向通信におけるS/N値の劣化を抑え、撮像装置と制御装置を繋ぐ通信ケーブルの距離を延ばすことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、実施の形態に適用される発明の概念について説明し、その後、実施の形態の具体的な内容を説明する。
図1は、実施の形態に適用される発明の概念図である。
図1は、実施の形態に適用される発明の概念図である。
本発明に係るゲイン制御回路1は、複数のレベル変換器で構成される信号レベル変換部11、レベル変換器の接続切替を行う切替部12、信号レベルを検出する信号レベル検出部13、切替部12を制御する切替制御部14、及び切替部12の切り替えを停止させるホールド部15を有し、通信ケーブル2を介して入力された入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内の信号レベルに変換する。
通信ケーブル2は、たとえば、数メートルから数キロメートルの範囲の任意の長さで、信号の発信源と受信側の2点間を接続する。伝達される信号は、通信ケーブル2を伝達する過程で信号損失が生じる。一般に、信号損失は、ケーブル長が長いほど、また信号の周波数が大きいほど大きくなる。
信号レベル変換部11は、所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器によって構成される。それぞれのレベル変換器のゲインは、入力信号の信号レベルの変動を一定レベル範囲内に抑えるため、入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域に対応して設定される。すなわち、分割された信号レベル領域ごとに、入力信号を一定レベル範囲内に変換するゲインが決まる。一定レベル範囲よりも入力信号の信号レベル領域が低いときは、入力信号レベルを一定レベル範囲内に増幅させるゲインが設定される。また、一定レベル範囲よりも入力信号の信号レベル領域が高いときは、入力信号レベルを一定レベル範囲内に減衰させるゲインが設定される。ゲインは、1つのレベル変換器に設定されていても、また、いくつかのレベル変換器を組み合わせて設定されてもよい。そして、切替部12によって選択されると、選択されたレベル変換器が入力信号のレベル変換を行う。
切替部12は、切替制御部14に従って、信号レベル変換部11を構成するレベル変換器のうち、入力信号の信号レベル変換に利用するレベル変換器の接続を切り替え、利用可能にする。具体的には、入力信号が伝達される伝達経路に選択されたレベル変換器を接続し、それ以外を入力信号の伝達経路から切り離す。入力信号は、伝達経路に接続されたレベル変換器で信号レベルの変換が繰り返され、最終的に一定レベル範囲内の信号レベルに変換される。レベル変換器のゲインの設定によっては、1つのレベル変換器だけで変換が完了することもある。
信号レベル検出部13は、通信ケーブル2を介して取り込まれた入力信号のレベルを検出し、検出結果を切替制御部14へ伝える。
切替制御部14は、信号レベル検出部13によって検出された入力信号の信号レベルに基づき、この信号レベルを一定レベル範囲内に変換するためのレベル変換器を選択する。そして、選択されたレベル変換器が入力信号の伝達経路に接続されるように、切替制御信号を出力し、切替部12を制御する。この切替制御信号は、ホールド部15を介して切替部12へ伝達される。
切替制御部14は、信号レベル検出部13によって検出された入力信号の信号レベルに基づき、この信号レベルを一定レベル範囲内に変換するためのレベル変換器を選択する。そして、選択されたレベル変換器が入力信号の伝達経路に接続されるように、切替制御信号を出力し、切替部12を制御する。この切替制御信号は、ホールド部15を介して切替部12へ伝達される。
ホールド部15は、外部から入力される保持制御信号に従って、切替制御部14から入力された切替制御信号を信号レベル変換部11及び切替部12に伝達するか否かを選択する。信号レベル変換を実行するレベル変換器を固定化したいときは、ユーザなど外部からの指示に応じて、保持制御信号が「保持する」に設定される。保持制御信号が、「保持する」であるときは、切替制御部14から入力された切替制御信号を転送せず、信号レベル変換部11及び切替部12の切替状態をそのまま保持させる。保持制御信号が「保持しない」に設定されるときは、切替制御部14から入力された切替制御信号を信号レベル変換部11及び切替部12に伝達する。これにより、信号レベル変換部11では、切替制御信号に基づいて、使用されるレベル変換器が新たに設定される。
このような構成のゲイン制御回路1の動作について説明する。
ゲイン制御回路1には、通信ケーブル2を介して伝達された入力信号が取り込まれる。入力信号は、通信ケーブル2を介して伝達される過程で生じる信号損失のため、入力時点での信号レベルの変動幅が大きく、入力信号レベルの範囲は広い。ゲイン制御回路1では、この入力信号の信号レベルを、一定レベル範囲内に圧縮して次の処理回路に出力する。このため、信号レベル検出部13は、入力信号の信号レベルを検出して切替制御部14へ通知する。信号レベル変換部11は、複数のレベル変換器で構成されており、レベル変換器を適宜選択することにより、入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換することができる。切替制御部14は、検出された信号レベルに基づいて、レベル変換器を選択し、ホールド部15を介して切り替えを指示する切替制御信号を切替部12に出力する。ホールド部15は、保持制御信号が「保持」でなければ、切替制御信号を切替部12へ伝達する。切替制御信号を受け取った切替部12は、指示に従って選択されたレベル変換器を信号レベル変換部11内の入力信号の伝達経路に接続する。信号レベル変換部11では、入力信号に合わせて選択されたレベル変換器によって、入力信号を一定の信号レベル範囲内に変換出力する。一方、ホールド部15に入力される保持制御信号が「保持」であれば、切替制御信号は切替部12に伝達されない。したがって、切替部12は、「保持」が指定される前の切替状態を保持する。そして、信号レベル変換部11は、「保持」が指定される前に選択されたレベル変換器によって入力信号の信号レベルの変換処理が行われる。
ゲイン制御回路1には、通信ケーブル2を介して伝達された入力信号が取り込まれる。入力信号は、通信ケーブル2を介して伝達される過程で生じる信号損失のため、入力時点での信号レベルの変動幅が大きく、入力信号レベルの範囲は広い。ゲイン制御回路1では、この入力信号の信号レベルを、一定レベル範囲内に圧縮して次の処理回路に出力する。このため、信号レベル検出部13は、入力信号の信号レベルを検出して切替制御部14へ通知する。信号レベル変換部11は、複数のレベル変換器で構成されており、レベル変換器を適宜選択することにより、入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換することができる。切替制御部14は、検出された信号レベルに基づいて、レベル変換器を選択し、ホールド部15を介して切り替えを指示する切替制御信号を切替部12に出力する。ホールド部15は、保持制御信号が「保持」でなければ、切替制御信号を切替部12へ伝達する。切替制御信号を受け取った切替部12は、指示に従って選択されたレベル変換器を信号レベル変換部11内の入力信号の伝達経路に接続する。信号レベル変換部11では、入力信号に合わせて選択されたレベル変換器によって、入力信号を一定の信号レベル範囲内に変換出力する。一方、ホールド部15に入力される保持制御信号が「保持」であれば、切替制御信号は切替部12に伝達されない。したがって、切替部12は、「保持」が指定される前の切替状態を保持する。そして、信号レベル変換部11は、「保持」が指定される前に選択されたレベル変換器によって入力信号の信号レベルの変換処理が行われる。
このように、入力信号の信号レベルに適したレベル変換処理を行うことによって、通信ケーブル2を介して入力される変動の大きい入力信号の信号レベルを、一定レベル範囲内に抑え込むことができる。これにより、通信ケーブルを伝達する過程で信号損失が生じる入力信号のレベル変動を吸収し、S/N値の劣化を最小限に抑えることができる。この結果、S/N値の劣化に基づいて制限されていた通信ケーブルの距離を延ばすことが可能となる。
ここで、信号レベル変換部11の構成について説明する。信号レベル変換部11は、複数のレベル変換器で構成されており、入力信号の信号レベルに合わせて適したレベル変換器が逐次選択される。複数のレベル変換器の接続形態として、レベル変換器が並列に接続されるケース、従属に接続されるケース、及びこれらの組み合わせが考えられる。以下、レベル変換器の接続例を、並列接続、従属接続の順に図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、レベル変換器を増幅器として説明する。ここで、増幅器は、ゲインがマイナスの減衰器として動作するものも含むとする。
図2は、レベル変換器を並列に接続する構成を示したブロック図である。
ゲイン制御回路1aは、それぞれ異なるゲインが設定される増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cが並列接続される。また、増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cには、それぞれの増幅器の出力切替を行う切替回路12a、切替回路12b、切替回路12cが接続される。さらに、入力信号の信号レベルを検出する信号レベル検出回路13aと、入力信号の信号レベルに応じて出力信号とする増幅器を切り替える切替制御回路14aと、切替回路12a,12b,12cの切替状態を固定化させるホールド回路15a,15b,15cと、を具備する。増幅器(L)11a、切替回路12a、及びホールド回路15aは、対応付けられており、増幅器(M)11b、切替回路12b、及びホールド回路15b並びに増幅器(H)11c、切替回路12c、及びホールド回路15cが対応付けられている。
ゲイン制御回路1aは、それぞれ異なるゲインが設定される増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cが並列接続される。また、増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cには、それぞれの増幅器の出力切替を行う切替回路12a、切替回路12b、切替回路12cが接続される。さらに、入力信号の信号レベルを検出する信号レベル検出回路13aと、入力信号の信号レベルに応じて出力信号とする増幅器を切り替える切替制御回路14aと、切替回路12a,12b,12cの切替状態を固定化させるホールド回路15a,15b,15cと、を具備する。増幅器(L)11a、切替回路12a、及びホールド回路15aは、対応付けられており、増幅器(M)11b、切替回路12b、及びホールド回路15b並びに増幅器(H)11c、切替回路12c、及びホールド回路15cが対応付けられている。
増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cには、入力信号の信号レベル範囲を分割した信号レベル領域が割り当てられ、割り当てられた信号レベル領域に相当する入力信号を所定の出力信号レベル範囲内に変換するゲインが設定されている。ここでは、信号レベルの最も低い領域(以下、低領域とする)に増幅器(L)11a、中間領域(以下、中領域とする)に増幅器(M)11b、最も高い領域(以下、高領域とする)に増幅器(H)11cが対応付けられている。そして、切替制御回路14aが選択した増幅器11a,11b,11cのいずれかが、予め設定されたゲインに基づいて、入力信号を所定の出力信号レベル範囲に変換し、切替回路12a,12b,12cを介して出力信号として出力する。切替制御回路14aによって選択されなかった増幅器は、変換出力を行わない。
図3は、本発明に係る増幅器の入力信号と出力信号の関係を示した図である。横軸は入力信号、縦軸は出力信号を示している。
図の例では、入力信号の信号レベル範囲を、−42±1dBmと、−18±1.5dBmで分割し、低領域は増幅器(L)11a、中領域は増幅器(M)11b、高領域は増幅器(H)11cで変換を行うように対応付けている。なお、ケーブル損失が大きい場合に入力信号レベルは低くなり、ケーブル損失が小さい場合に入力信号レベルは高くなる。増幅器(L)11aは、低領域の入力信号を、増幅器(L)出力21に示したように、−30〜0dBの出力信号レベル範囲に変換する。増幅器(M)11bは、中領域の入力信号を、増幅器(M)出力22に示したように、−30〜0dB範囲の出力信号に変換する。増幅器(H)11cは、高領域の入力信号を、増幅器(H)出力23に示したように、−30〜0dB範囲の出力信号に変換する。このような変換を行うため、増幅器(L)11aのゲインは40dB、増幅器(M)11bのゲインは16dB、そして増幅器(H)のゲインは−10dBに設定される。これにより、−70〜10dBの信号レベル範囲の入力信号を、圧縮された信号レベル範囲(−30〜0dB)の出力信号に変換することができる。
図の例では、入力信号の信号レベル範囲を、−42±1dBmと、−18±1.5dBmで分割し、低領域は増幅器(L)11a、中領域は増幅器(M)11b、高領域は増幅器(H)11cで変換を行うように対応付けている。なお、ケーブル損失が大きい場合に入力信号レベルは低くなり、ケーブル損失が小さい場合に入力信号レベルは高くなる。増幅器(L)11aは、低領域の入力信号を、増幅器(L)出力21に示したように、−30〜0dBの出力信号レベル範囲に変換する。増幅器(M)11bは、中領域の入力信号を、増幅器(M)出力22に示したように、−30〜0dB範囲の出力信号に変換する。増幅器(H)11cは、高領域の入力信号を、増幅器(H)出力23に示したように、−30〜0dB範囲の出力信号に変換する。このような変換を行うため、増幅器(L)11aのゲインは40dB、増幅器(M)11bのゲインは16dB、そして増幅器(H)のゲインは−10dBに設定される。これにより、−70〜10dBの信号レベル範囲の入力信号を、圧縮された信号レベル範囲(−30〜0dB)の出力信号に変換することができる。
また、このようにゲインが固定の増幅器は、ダイナミックレンジの増幅器と比べて、ノイズを抑えることが可能であるため、S/Nを向上させることができる。
切替回路12a、切替回路12b、及び切替回路12cは、切替制御回路14aの指示に従って、増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cのうち、出力信号とする変換出力を切り替える制御を行う。図にあるように、入力信号の信号レベルが、低領域であれば増幅器(L)出力21、中領域であれば増幅器(M)出力22、高領域であれば増幅器(H)出力23が出力されるように切替制御を行う。
切替回路12a、切替回路12b、及び切替回路12cは、切替制御回路14aの指示に従って、増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cのうち、出力信号とする変換出力を切り替える制御を行う。図にあるように、入力信号の信号レベルが、低領域であれば増幅器(L)出力21、中領域であれば増幅器(M)出力22、高領域であれば増幅器(H)出力23が出力されるように切替制御を行う。
図2に戻って説明する。
信号レベル検出回路13aは、入力信号のレベルを検出し、検出した入力信号レベルを切替制御回路14aへ通知する。
信号レベル検出回路13aは、入力信号のレベルを検出し、検出した入力信号レベルを切替制御回路14aへ通知する。
切替制御回路14aは、信号レベル検出回路13aが検出した入力信号レベルに応じて、増幅器11a,11b,11cから、入力信号レベルに対応する増幅器を選択し、選択した増幅器の変換出力が出力信号となるように切替制御を行う。
ホールド回路15a、ホールド回路15b、及びホールド回路15cは、切替制御回路14aと、切替回路12a,12b,12cとの間に接続され、切替保持を指令する保持制御信号に応じて、切替回路12a,12b,12cに対し、切替状態の変更可否を制御する。保持制御信号は、たとえば、利用者の指示ボタン操作などによって生成され、ゲイン制御回路1aに入力される。保持制御信号が切替保持を指示していない場合、ホールド回路15a,15b,15cは、切替回路12a,12b,12cが切替制御回路14aに従って切替状態を変更することを許可する。この状態では、入力信号レベルに応じて最適な増幅器の選択が行われている。切替保持が指示された場合は、切替回路12a,12b,12cに、指令の直前の切替状態を保持させる。この状態では、増幅器の選択は固定化され、入力信号レベルが変動しても増幅器の選択は変わらない。
なお、上記の説明では、入力信号の信号レベル範囲を3つの領域に分割するとしたが、この分割数はいくつであってもよい。たとえば、4つの領域に分割する場合は、4つの領域に対応する4つの異なるゲインの増幅器と、増幅器に対応付けられる切替回路とを有する構成とする。
ゲイン制御回路1aの動作及びゲイン制御方法について説明する。増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cは、設定されたゲインに応じて入力信号の信号レベルを変換して出力する。ここでは、入力信号の信号レベル範囲を3つ(低領域、中領域、高領域)に分割し、増幅器(L)11aは低領域、増幅器(M)11bは中領域、そして増幅器(H)11cは高領域の入力信号を所定の出力信号レベル範囲に変換出力するゲインが設定されている。
信号レベル検出回路13aは、ゲイン制御回路1aに入力される入力信号の信号レベルを検出し、切替制御回路14aへ通知する。切替制御回路14aは、信号レベルが低領域、中領域、高領域のいずれにあるかを判断し、判断された領域に対応する増幅器を作動させ、その変換出力が出力信号となるように、切替制御を行う。入力信号レベルが低領域にあった場合には、増幅器(L)11aで変換を行うとし、その変換出力を出力信号とするように切替回路12aを制御する。このとき、切替回路12b,12cには、出力不可を指示する。信号レベルが中領域であった場合には、増幅器(M)11bを作動させ、その変換出力を出力信号とするように、切替回路12bを制御する。信号レベルが高領域であった場合には、増幅器(H)11cを作動させ、その変換出力を出力信号とするように切替回路12cを制御する。
なお、増幅器の切り替えは、保持制御信号がオフ(切替状態変更許可)の場合のみ行われる。保持制御信号がオン(切替保持)の場合は、ホールド回路15a,15b,15cは、切替制御回路14aの出力する切替制御信号がどのように変動しても、切替回路12a,12b,12cの直前の切替状態を保持させる。
指示信号が切替可の場合、ホールド回路15a,15b,15cは、切替制御回路14aの切替制御信号による切替回路12a,12b,12cの出力切り替えを許可する。このとき、入力信号の信号レベルに応じて、増幅器(L)11a、増幅器(M)11b、及び増幅器(H)11cのいずれかが選択され、出力信号として出力される。これにより、低領域、中領域、及び高領域を範囲とする入力信号の信号レベルに対し、出力信号の信号レベルはある一定範囲内に圧縮される。
この状態から保持制御信号が切替不可(切替状態保持)となると、ホールド回路15a,15b,15cによって、切替回路12a,12b,12cへの切替制御信号がブロックされる。この結果、切替状態変更がされず、直前の切替状態が継続されるようになる。増幅器(M)11bを選択していた場合であれば、入力信号の信号レベルが低領域や高領域に変動しても、増幅器(M)11bの選択が保持される。これにより、最適な増幅器が選択された後は状態を固定し、安定的な運用を図ることが可能となる。
このように、ゲイン制御回路1aでは、入力信号の信号レベル範囲を分割した所定のレベル領域ごとに、低ノイズの固定ゲイン増幅器を用意し、それぞれに適したゲインを設定しておく。そして、入力信号の信号レベルを検出し、信号レベルに応じて出力信号に使用する増幅器の出力信号を選択することにより、入力信号のレベル変動を吸収し、S/N劣化を最小限に抑えることが可能となる。
したがって、このゲイン制御回路1aを適用することにより、信号レベルの低下やS/Nの劣化などにより400mが限界であった撮像装置と制御装置を接続する同軸ケーブルの距離を延ばすことが可能となる。
次に、レベル変換器を従属接続する場合について説明する。図4は、レベル変換器を従属接続する構成を示したブロック図である。図2と同じものには同じ番号を付し、説明は省略する。
ゲイン制御回路1bは、それぞれ任意のゲインが設定される増幅器11d,11e,11fと、切替回路12d,12e,12fと、信号レベル検出回路13aと、切替制御回路13bと、ホールド回路15a,15b,15cとを具備する。増幅器11d、切替回路12d、及びホールド回路15aは対応付けられおり、同様に、増幅器11e、切替回路12e、及びホールド回路15bと、増幅器11f、切替回路12f、及びホールド回路15cとが対応付けられている。ここでの従属接続とは、入力信号に対して初段の増幅器(図では増幅器11d)を介して他の増幅器に入力信号が伝達される接続関係とする。図の例では、増幅器11dに、増幅器11eと増幅器11fが縦続接続する。
増幅器11d,11e,11fには、所定のゲインが設定されており、入力信号の信号レベル範囲を分割した信号レベル領域ごとに切替回路12d,12e,12fを操作し、使用する増幅器11d,11e,11fの組み合わせを変える。たとえば、図3の例で、入力信号の信号レベルが高領域であるときは、切替回路12dをオン、切替回路12e,12fをオフし、増幅器11dのみを動作させる。入力信号の信号レベルが中領域であるときは、切替回路12eをオン、切替回路12d,12fをオフし、増幅器11d,11eを動作させる。そして、入力信号の信号レベルが低領域であるときは、切替回路12fをオン、切替回路12d,12eをオフし、増幅器11d,11e,11fを動作させる。このように、レベル変換器を従属接続する場合は、動作させるレベル変換器の組み合わせを適宜選択することにより、ゲイン制御回路1bのトータルゲインが、入力信号の信号レベルに適した値となるように制御する。
ところで、ノイズ特性をよくするためには、通信ケーブル2と、レベル変換器(増幅器)との入力インピダンスマッチング(整合の最適化)を取る必要がある。この場合、図2に示した並列接続では、入力信号に対し複数の増幅器が接続されるため、寄生容量などが増加する。このため、インピダンスマッチングを取ることが難しくなり、ノイズ特性が悪くなる要因となり得る。これに対し、図4に示した従属接続では、入力信号に対し接続される増幅器は1つであるので、インピダンスマッチングが容易になるという利点がある。これにより、増幅器のノイズ特性を改善することが可能となる。
なお、実際のゲイン制御回路では、並列接続と、縦続接続とが混在していてもよい。上記のゲイン制御回路のように、入力信号の信号レベル範囲を区切り、その領域ごとにゲインの異なる増幅器を割り当てた構成、あるいは、増幅器を組み合わせてゲインを変える構成をステップAGC回路と呼ぶこととする。
以下、実施の形態として、ゲイン制御回路1a,1bを、ステップAGC回路をTRIAX方式でHD信号伝送を行う放送信号伝送システムの撮像装置と制御装置とに適用した場合を例に図面を参照して詳細に説明する。
図5は、実施の形態の放送信号伝送システムの構成を示した構成図である。
実施の形態の放送信号伝送システムは、放送用の撮像装置(以下、カメラとする)110と、制御装置120とがTRIAXケーブル200を介して接続され、カメラ110からはカメラHD信号などが、制御装置120からはカメラ110で撮影された画像をカメラ110で確認するためのカメラHDリターン信号などが送出され、TRIAXケーブル200を介して相手の送出した信号が入力される。
実施の形態の放送信号伝送システムは、放送用の撮像装置(以下、カメラとする)110と、制御装置120とがTRIAXケーブル200を介して接続され、カメラ110からはカメラHD信号などが、制御装置120からはカメラ110で撮影された画像をカメラ110で確認するためのカメラHDリターン信号などが送出され、TRIAXケーブル200を介して相手の送出した信号が入力される。
なお、カメラHD信号とカメラHDリターン信号とには、64値QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)のOFDM変調を施し、1波の周波数帯域が8MHzのOFDM信号に割り当てる。OFDM信号については、後述する。
カメラ110は、OFDM変調111、周波数変換112、MPXフィルタ113、受信信号(H)処理部114、OFDM復調115、撮像部116、及びモニタ表示部117を具備する。
OFDM変調111は、撮像部116が生成したカメラHD信号にOFDM変調を施し、複数のOFDM信号を生成する。このとき、OFDM信号は、周波数帯域の低い側から、グループL、グループM、そしてグループHの3グループが生成される。カメラ110から送信するカメラHD信号は、このうち、グループLとグループMのOFDM信号に割り当てられる。周波数変換112は、OFDM変調111が生成したOFDM信号を所定の送信周波数に変換する。周波数変換112により、グループL及びグループMの送信OFDM信号が、それぞれMPXフィルタ113へ出力される。MPXフィルタ113は、入力信号をグループL、グループM、及びグループHの周波数帯域に分離するフィルタで、グループLとグループMが送信用、グループHが受信用に設定されている。したがって、MPXフィルタ113により分離されたグループLとグループMとのOFDM信号をTRIAXケーブル200へ送出し、TRIAXケーブル200経由で入力されるグループHのOFDM信号を受信信号(H)処理部114へ出力する。受信信号(H)処理部114の詳細は後述する。OFDM復調115は、OFDM信号からカメラHDリターン信号を復調する。撮像部116は、撮影した映像信号に基づくカメラHD信号を生成する。モニタ表示部117は、カメラHDリターン信号を再生表示する。
制御装置120は、OFDM変調121、周波数変換122、MPXフィルタ123、受信信号(L)処理部124L、受信信号(M)処理部124M、OFDM復調125L、OFDM復調125M、及び制御部127を具備する。
OFDM変調121は、制御部127が生成したカメラHDリターン信号にOFDM変調を施し、グループHのOFDM信号を生成する。周波数変換122は、OFDM変調121が生成したOFDM信号を所定の送信周波数帯域に変換し、送信OFDM信号を生成する。MPXフィルタ123は、グループL、グループM、及びグループHを分離するフィルタで、グループLとグループMとが受信用、グループHが送信用に設定されている。したがって、MPXフィルタ123により分離されたグループLとグループMとのOFDM信号を、それぞれ受信信号(L)処理部124Lと受信信号(M)処理部124Mとへ出力する。また、グループHのOFDM信号をTRIAXケーブル200へ送出する。OFDM復調125L及びOFDM復調125Mは、OFDM信号からカメラHD信号を復調する。制御部127は、カメラHD信号を取り込むとともに、カメラHD信号からカメラHDリターン信号を生成する。
ここで、OFDM信号について説明する。
図6は、本発明の実施の形態に適用されるOFDM信号とケーブル損失特性を示した図である。
図6は、本発明の実施の形態に適用されるOFDM信号とケーブル損失特性を示した図である。
本発明の実施の形態では、OFDM変調における最小間隔で並ぶ3つのキャリアをまとめて1つのグループに割り当て、グループとグループとの間に空きを設定する。このグループを周波数の低い側からグループL51、グループM52、グループH53とし、カメラHD信号と、リターン信号を割り当てる。図の鎖線は、OFDM信号の1波の周波数帯域を示しており、周波数の低い方から3つのOFDM信号がグループL501になる。同様に、中間周波数の3つのOFDM信号がグループM502、高い周波数の3つのOFDM信号がグループH503になる。
カメラ110からは、制御装置120に対し、グループL501とグループM502との周波数帯域を使ってHD信号を伝送する。また、制御装置120からは、カメラ110に対し、グループH503の周波数帯域を使ってリターン信号を伝送する。
このように、OFDM信号を用いることで、受信側では、それぞれ独立したOFDM波に対して単純なレベル制御だけを行えばよいので、従来必要であったケーブルイコライズ回路が不要となり、伝送装置のコスト削減が図れる。また、デジタル信号であるので、受信したC/N値が復調範囲内であれば、最大ケーブル延長点(復調限界地点)でも、近距離地点でも同じ信号品質が得られるという利点もある。
また、図は、横軸を周波数、縦軸をケーブル損失として、ケーブル長がそれぞれ1kmの場合の損失特性54、500mの場合の損失特性55、及び10mの場合の損失特性56を示している。図から明らかなように、周波数が高いほど、信号の減衰量が大きくなる。また、その信号レベルの変動量は、ケーブル長が長くなるほど大きい。
本実施の形態では、ステップAGC回路を用いて、このように信号レベルの変動が大きい、ケーブル長が長い場合の受信OFDM信号についても、一定範囲内の信号レベルに変換する。本実施の形態では、同軸ケーブル長を1kmまで延ばすことを可能とするため、同軸ケーブルを1kmまで延ばした場合の信号レベルの変動差(図6の例では、0〜−90dB)を吸収するステップAGC回路を具備する受信信号処理部を提供する。
ここで、受信信号(H)処理部114、受信信号(M)処理部124M、及び受信信号(L)処理部124Lについて説明する。なお、以下の説明では、受信信号(L)処理部124Lと受信信号(M)処理部124Mとは同じ構造であるので、まとめて受信信号処理部124とする。同様に、OFDM復調125LとOFDM復調125MとをOFDM復調125とする。
まず、第1の実施の形態として増幅器が並列に接続される構成で、受信信号の信号領域を3分割した場合について説明する。
図7は、第1の実施の形態の受信信号処理部の構成例を示したブロック図である。図は、制御装置120側の例を示している。
図7は、第1の実施の形態の受信信号処理部の構成例を示したブロック図である。図は、制御装置120側の例を示している。
受信信号処理部124は、バンドパスフィルタ(以下、BPFとする;Band Pass Filter)410、ステップAGC回路420、周波数変換430、BPF440、及びアナログAGC450を具備する。
BPF410は、MPXフィルタ123から分離されたOFDM信号の1グループをさらに1波ずつ分離する。ステップAGC回路420は、BPF410から入力された受信信号を信号レベルに応じてレベル変換を行い、受信信号のレベル変動を圧縮する。周波数変換430は、ステップAGC回路420の出力信号を復調帯域に周波数変換する。BPF440は、周波数変換430の出力信号から復調帯域の信号だけを分離し、アナログAGC450に送る。アナログAGC450は、OFDM復調125に合わせるように信号レベルを調整し、OFDM復調125に出力する。
ステップAGC回路420について説明する。ステップAGC回路420は、増幅器(以下、AMPとする)421,422,423、スイッチ(以下、SWとする)424,425,426、信号レベル検出回路であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)検出回路427と、切替制御回路であるSW制御428、及びホールド回路429を具備する。
AMP421,422,423は、BPF410から入力される入力信号に対して並列に接続し、各々設定されたゲインでこの入力信号のレベルを変換出力する。本実施の形態では、上述のように、同軸ケーブルを1kmまで延ばした場合に生じる入力信号の信号レベル変動を一定レベル範囲に圧縮する。
図8は、信号レベル領域を3分割した場合のゲイン設定の一例を示した図である。
ステップAGC回路420では、入力信号の信号レベルの減衰量に応じて、領域を3つに分割する。分割された信号レベル領域は、便宜的に、ケーブルの距離が短く減衰量が小さい短距離レベル、ケーブルの距離が中距離で減衰量が短距離レベルより大きい中距離レベル、及びケーブルの距離が長く減衰量の大きい長距離レベルとする。短距離レベルにはAMP421、中距離レベルにはAMP422、及び長距離レベルにはAMP423を割り当てる。AMP421は、ゲインが−10dBに設定され、短距離レベル(信号レベルの減衰量が−18〜10dBm程度)の入力信号を−10dB低くする。AMP422は、ゲインが+16dBに設定され、中距離レベル(信号レベルが−42〜−18dBm程度)の入力信号レベルを+16dB高くする。そして、AMP423は、ゲインが+40dBに設定され、長距離レベル(信号レベルの減衰量が−70から−42dBm)の入力信号レベルを+40dB高くする。
ステップAGC回路420では、入力信号の信号レベルの減衰量に応じて、領域を3つに分割する。分割された信号レベル領域は、便宜的に、ケーブルの距離が短く減衰量が小さい短距離レベル、ケーブルの距離が中距離で減衰量が短距離レベルより大きい中距離レベル、及びケーブルの距離が長く減衰量の大きい長距離レベルとする。短距離レベルにはAMP421、中距離レベルにはAMP422、及び長距離レベルにはAMP423を割り当てる。AMP421は、ゲインが−10dBに設定され、短距離レベル(信号レベルの減衰量が−18〜10dBm程度)の入力信号を−10dB低くする。AMP422は、ゲインが+16dBに設定され、中距離レベル(信号レベルが−42〜−18dBm程度)の入力信号レベルを+16dB高くする。そして、AMP423は、ゲインが+40dBに設定され、長距離レベル(信号レベルの減衰量が−70から−42dBm)の入力信号レベルを+40dB高くする。
SW424,425,426は、ホールド回路429を介して入力されるSW制御信号に応じて、選択されたAMPの変換出力を周波数変換430へ出力するように切替制御を行う。たとえば、入力信号が、減衰量の最も少ない短距離レベル(−18〜10dBm)内にあれば、AMP(G=−10dB)421と、SW424をオンし、他をオフする。入力信号が中距離レベル(−42〜−18dBm)内であれば、AMP(G=16dB)422と、SW425をオンし、他をオフとする。そして、入力信号が長距離レベル(−70〜−42dBm)内であれば、AMP(G=40dB)423と、SW426とをオンし、他をオフする。このように、並列接続されるAMPのいずれかと、AMPと直列接続するSWとが、入力信号レベルに合わせて選択される。
RSSI検出回路427は、入力信号の強度に応じた出力信号を発生させる。
図9は、RSSI検波特性を示した図である。図の例では、入力信号の信号レベル(−70〜10dBm)に応じたRSSI電圧信号が出力される。
図9は、RSSI検波特性を示した図である。図の例では、入力信号の信号レベル(−70〜10dBm)に応じたRSSI電圧信号が出力される。
SW制御428は、図9に示したようなRSSI検出回路427のRSSI電圧信号に応じて、選択するAMPを決定する。
図10は、本実施の形態のSW制御の構成の一例を示した回路図である。
図10は、本実施の形態のSW制御の構成の一例を示した回路図である。
トランジスタT1のベースには、基準となる基準電源電圧Vdが印加され、トランジスタT2のベースには、Vin=RSSI検波電圧が印加される。ここで、Vin<Vdの場合、SW−BがHigh、SW−AがLowになる。また、Vin>Vdの場合、SW−BがLow、SW−AがHighになる。
このようにして、入力されるRSSI検波電圧の大きさに応じて、SW制御信号を発生させ、SWを制御する。なお、図は、SWが2つの場合の例を示しているが、本実施の形態では、同様にして、3つのSWが制御される。
SW制御428では、RSSI検波電圧に基づき、入力信号レベルに応じてSWを制御し、AMP421,422,423を選択することにより、入力信号レベルの変動量を圧縮する。以下、AMPの切替動作について説明する。
図11は、第1の実施の形態のステップAGC回路による入力信号と出力信号のレベル変化を示した図である。
入力信号範囲4201は、図8に示した入力信号のレベル範囲(横軸)を示している。また、出力信号範囲4202は、AMP421,422,423によって変換された後の出力信号のレベル範囲を示している。
入力信号範囲4201は、図8に示した入力信号のレベル範囲(横軸)を示している。また、出力信号範囲4202は、AMP421,422,423によって変換された後の出力信号のレベル範囲を示している。
上述のように、入力信号の信号レベルは、ケーブルの距離と信号の周波数とに応じて決まる。ステップAGC回路420に入力する時点では、OFDM信号の1波の帯域の信号が分離されて入力されるので、信号レベルは、ケーブル長に応じて決まる。
ケーブル短距離時のレベル4211、すなわち減衰量が最も少ない領域の入力信号(−18〜10dBm)に対しては、AMP421が適用される。したがって、ゲインが−10dBのレベル変換が行われ、ケーブル短距離時の出力レベル(−28〜0dBm)4212に変換される。
ケーブル中距離時のレベル4221、すなわち減衰量が中程度の領域の入力信号(−42〜−18dBm)に対しては、AMP422が適用される。したがって、ゲインが16dBのレベル変換が行われ、ケーブル中距離時の出力レベル(−26〜−2dBm)4222に変換される。
そして、ケーブル長距離時のレベル4231は、最大ケーブル長(1km)までのケーブルで、減衰量が最も大きい領域の入力信号(−70〜−42dBm)に対しては、AMP423が適用される。したがって、ゲインが40dBのレベル変換が行われ、ケーブル長距離時の出力レベル(−30〜−2dBm)4232に変換される。
このように、AMP421,422,423が選択的に適用されることにより、受信信号の信号レベルを、入力信号範囲(−70〜10dBm)4201から出力信号範囲(−30〜0dBm)4202に圧縮することができる。
なお、図11は一例であり、設置するAMPの数やゲインは、適宜設定される。
ホールド回路429は、ホールド制御信号に応じて、SW424,425,426による切替状態の変更可否を制御する。
ホールド回路429は、ホールド制御信号に応じて、SW424,425,426による切替状態の変更可否を制御する。
図12は、ホールド回路の構成の概要を示した図である。
ホールド回路429は、SW制御428から入力されるAMP制御信号に応じて、SW424,425,426を作動させるSW制御電圧を生成するSW制御信号生成部4291,4292,4293と、ホールド制御電流に応じて、SW制御信号生成部4291,4292,4293をオン・オフするトランジスタT3,T4,T5を有する。
ホールド回路429は、SW制御428から入力されるAMP制御信号に応じて、SW424,425,426を作動させるSW制御電圧を生成するSW制御信号生成部4291,4292,4293と、ホールド制御電流に応じて、SW制御信号生成部4291,4292,4293をオン・オフするトランジスタT3,T4,T5を有する。
トランジスタT3,T4,T5のベースには、ホールド制御電流が印加されており、ホールド制御電流の有無に応じて、SW制御信号生成部4291,4292,4293の電流供給をオン・オフする。
SW制御信号生成部4291は、トランジスタT3がオンのとき、AMP421制御電圧に応じて、SW424を制御するSW424制御電圧を生成する。SW制御信号生成部4292は、トランジスタT4がオンのとき、AMP422制御電圧に応じて、SW425を制御するSW425制御電圧を生成する。SW制御信号生成部4293は、トランジスタT5がオンのとき、AMP423制御電圧に応じて、SW426を制御するSW426制御電圧を生成する。
SW制御信号生成部4291,4292,4293を含むホールド回路の詳細を説明する。
図13は、ホールド回路の構成を示した回路図である。図は、SW制御信号生成部4291の内部回路を示した図である。なお、SW制御信号生成部4292,4293も同様に構成される。
図13は、ホールド回路の構成を示した回路図である。図は、SW制御信号生成部4291の内部回路を示した図である。なお、SW制御信号生成部4292,4293も同様に構成される。
トランジスタT6,T7は、双安定マルチバイブレータを形成し、トランジスタT8,T9により形成されるドライブ回路によってSW制御電圧を変化させる。また、ドライブ回路を形成するトランジスタT8,T9は、エミッタに接続するトランジスタT3によってオン・オフされる。また、トランジスタT8のベースには、AMP制御電圧が印加される。
すなわち、ホールド制御電流が流れる(オン)の場合には、ドライブ回路が作動状態になり、AMP制御電圧がオンであればSW制御電圧がオンになり、AMP制御電圧がオフのとき、SW制御電圧がオフする。ホールド制御電流が流れなくなった(オフ)の場合には、ドライブ回路が停止状態となり、AMP制御電圧が変化しても双安定マルチバイブレータを作動させることはない。この状態では、双安定マルチバイブレータは、直前のSW制御電圧の状態を保持する。
図14は、ホールド回路の動作を示した波形図である。(A)は、SW制御電圧がオンを保持する場合を示しており、(B)は、SW制御電圧がオフを保持する場合を示している。
(A)オン保持の場合について説明する。ホールド制御信号がオフである間は、SW制御信号は、AMP制御信号と同様にオン・オフ変化する。そして、図の例では、ホールド制御信号がオンに変化したとき、AMP制御信号はオンであるので、SW制御信号もオンになる。ホールド制御信号がオンである間は、ドライブ回路がオフするので、AMP制御信号が変化しても、SW制御信号はオンに固定される。
そして、ホールド制御信号がオフになると、ドライブ回路がオンになるので、AMP制御信号がSW制御信号に反映される。
(B)オフ保持の場合について説明する。ホールド制御信号がオフである間の動作は、(A)と同様である。ホールド制御信号がオンに変化したとき、図の例では、AMP制御信号がオフであるので、SW制御信号もオフになる。ホールド制御信号がオンである間は、ドライブ回路がオフするので、AMP制御信号が変化しても、SW制御信号はオフに固定される。そして、ホールド制御信号がオフになると、ドライブ回路がオンになるので、AMP制御信号がSW制御信号に反映される。
(B)オフ保持の場合について説明する。ホールド制御信号がオフである間の動作は、(A)と同様である。ホールド制御信号がオンに変化したとき、図の例では、AMP制御信号がオフであるので、SW制御信号もオフになる。ホールド制御信号がオンである間は、ドライブ回路がオフするので、AMP制御信号が変化しても、SW制御信号はオフに固定される。そして、ホールド制御信号がオフになると、ドライブ回路がオンになるので、AMP制御信号がSW制御信号に反映される。
以上のように、双安定マルチバイブレータ、これをドライブする回路、及びホールド時にドライブ回路をオフする回路で構成することにより、外乱などの影響をまったく受けない、安定した切替が実現する。また、双安定マルチバイブレータの出力は、トランジスタのオン電圧と抵抗分圧で決まり、温度変化も少なく、切替SWの制御電圧として有効であり、素子数の削減という効果も得られる。
このようなホールド回路429を用いれば、ケーブルの温度変化などによる信号レベルの減衰量変動、干渉や、飛び込みなどの妨害信号によるRSSI検出回路427の検出信号の変動などにより、AMP切り替え時の信号瞬断を防止することができる。AMPの切り替え時には、伝送信号が一瞬途切れる。このため、ホールド回路429によって切替状態を固定しておくことにより、本放送時に画像が一瞬途切れるなどの問題の発生を防止することができる。したがって、カメラ110の配置後のテスト時間などに、ステップAGC回路420におけるAMP自動選択を実行させ、最適なAMPが選択された後は、ホールド回路429によりその切替状態を固定させる。
次に、第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、受信信号の信号レベルを3領域に分割し、ステップAGC回路420の増幅器を並列接続としたが、第2の形態では、受信信号レベルを4領域に分割し、増幅器を従属接続とする。
信号レベルを3領域に分割した場合、4分割に比べて各領域のレベル範囲が広くなる。実際の回路では、AMPの特性のバラツキや、RSSI検出器の温度特性や検波電圧のバラツキなどにより、信号レベル領域が広くなると、その両端範囲では出力信号がひずむ恐れがあり、調整が難しい。また、1つの信号レベル領域が広くなると、隣接する領域と重なるオーバーラップ分を十分に確保することも難しくなり、AMPの切り替えポイントの精度を高くする必要が生じる。しかしながら、第1の実施の形態のように各信号レベル領域に合わせて用意された複数のAMPを並列接続する構成によって信号レベル領域を増やすことは容易ではない。AMPの段数が増えるほど寄生素子の影響も大きくなるため、入力インピダンスのマッチングが難しくなるからである。また、AMPが増えると、回路規模も増大してしまうという問題もある。
そこで、第2の実施の形態のステップAGC回路では、AMPを従属接続し、AMPの組み合わせで各信号レベル領域に適したゲインを設定することにより、AMPの台数の増加を抑える。なお、第2の実施の形態のゲイン制御回路の構成要素は、ステップAGC回路を除き、図7に示した第1の実施の形態のゲイン制御回路と同じである。そこで、図7に示した構成要素の符号を用いて第2の実施の形態における機能を説明する。
図15は、第2の実施の形態のステップAGC回路を示したブロック図である。このステップAGC回路500を第1の実施の形態のステップAGC回路420と置き換えることによって、第2の実施の形態のゲイン制御回路が形成される。
ステップAGC回路500は、入力信号のレベルを調整するバッファAMP501、抵抗502、抵抗503、第1AMP504、及び第2AMP505と、次段の周波数変換430へ出力する信号を選択する第1SW511、第2SW512、及び第3SW513と、信号レベルを検出するRSSI検出回路521と、SW制御522と、を有する。
バッファAMP501は、便宜上AMPと表記しているが、実際はバッファである。抵抗減衰器として機能する抵抗502と、抵抗503とは、入力信号に対して並列接続されており、抵抗502はバッファAMP501に接続する。たとえば、抵抗502に330Ω、抵抗503に1kΩが設定され、このような抵抗分圧によって、バッファAMP501がオンしたときは、入力信号を−12dB減衰させることができる。
第1AMP504と、第2AMP505とは、縦続接続しており、入力信号から見て第1AMP504が初段になる。第1AMP504にはゲイン16dB、第2AMP505にはゲイン20dBが設定されている。このようなAMPによって、第1AMP504のみが選択された場合、及び第1AMP504と第2AMP505とが選択された場合の2種類のゲイン設定を行うことができる。
第1SW511は、抵抗503を介して伝達される信号を選択して出力する。第2SW512は、第2AMP505に接続し、第1AMP504及び第2AMP505を経由して伝達される変換出力信号を選択して出力する。第3SW513は、第1AMP504と、第2AMP505との間に接続し、第1AMP504によって変換された変換出力信号を選択して出力する。
RSSI検出回路521は、入力信号の強度に応じた出力信号を発生させる。SW制御522は、RSSI検出回路521が検出した信号強度が該当する信号レベル領域を検索し、検索された信号レベル領域に適したゲインとなるようにSW及びAMPを制御する。HOLD523は、SW制御522の切替制御信号を、ホールド制御信号がオフのときにはAMPとSWに伝達し、ホールド制御信号がオンのときには伝達しない。
このように、ステップAGC回路500では、4つのAMPと4つのSWとを用いることなく、2つのAMP(第1AMP504,第2AMP505)と、減衰器(抵抗502,抵抗503,バッファAMP501)と、3つのSW(第1SW511、第2SW512、第3SW513)とによって、4領域に対応するゲイン設定を行うことができる。
ここで、上記のステップAGC回路500のゲイン設定について説明する。図16は、信号レベル領域を4分割した場合のゲイン設定の一例を示した図である。
ここで、上記のステップAGC回路500のゲイン設定について説明する。図16は、信号レベル領域を4分割した場合のゲイン設定の一例を示した図である。
ステップAGC回路500では、入力信号の信号レベルの減衰量に応じて、領域を4つに分割する。分割された信号レベル領域は、それぞれ、便宜的に、ケーブルの距離が極めて短く、減衰量が最も小さい最短距離レベル601、ケーブルの距離が最短距離よりは長く、減衰量もより大きい短距離レベル602、ケーブルの距離が中距離で、減衰量もさらに大きい中距離レベル603、及びケーブルの距離が長く、最も減衰量の大きい長距離レベル604とする。最短距離レベル601(信号レベルの減衰量が0〜−23dB程度)内の入力信号は、−12dB減衰する。短距離レベル602(信号レベルの減衰量が−18〜−42dB程度)内の入力信号をそのまま出力する。中距離レベル603(信号レベルの減衰量が−36〜−62dB程度)内の入力信号レベルを+16dB高くする。そして、長距離レベル604(信号レベルの減衰量が−52〜−79dB程度)内の入力信号レベルを+40dB高くする。
このように信号レベル領域を4分割にしたことで、3分割と比較し、各領域が重なるオーバーラップ分を余分に確保することができる。このようにオーバーラップ分が広くなったことにより、AMPのオーバーラップ分も増え、切り替えポイントがラフであっても、信号の歪みなどの問題は起きない。
次に、各信号領域とSW制御との関係について説明する。図17は、第2の実施の形態のステップAGC回路のSW制御を示した図である。図は、4つの領域それぞれのゲインと、そのゲインを得るためのSW及びAMPの動作状態との関係を示した図である。ここでは、短距離レベル602を基準とし、最短距離レベル601、中距離レベル603、及び長距離レベル604の信号を、短距離レベル602内にレベル変換する。
信号レベル領域が最短距離611の場合、受信信号は、短距離レベル602よりも信号レベルが高いので、減衰器によって−12dB減衰させるようにゲインが設定される。このため、第1SW511がON、第2SW512及び第3SW513がOFF、バッファAMP501がON、第1AMP504及び第2AMP505がOFFに切替制御される。このように、バッファAMP501がオンしているときは、抵抗502,503、バッファAMP501は、抵抗分圧による減衰動作を行う。こうして、減衰された信号は、第1SW511を介して次段の周波数変換430に出力される。なお、このとき、ケーブル側から見ると、初段の第1AMP504が接続している。しかしながら、このときの入力信号レベルは、最短距離レベルであり、入力信号は十分過ぎるほど大きい。したがって、初段の第1AMP504のインピダンスの影響によってノイズなどが若干生じても、全く問題とならない。
信号レベル領域が短距離614の場合、受信信号は、増幅及び減衰させずに出力される。このため、第1SW511がON、第2SW512及び第3SW513がOFF、バッファAMP501がOFF、第1AMP504及び第2AMP505がOFFに切替制御される。バッファAMP501がオフになるため、十分高いインピダンスとなる。このため減衰動作は行われず、入力信号は、その信号レベルのまま第1SW511から出力される。
信号レベル領域が中距離613の場合、受信信号レベルは短距離レベル602より少し低いので、ゲイン16dBで増幅する。このため、第3SW513がON、第1SW511及び第2SW512がOFF、第1AMP504がON、バッファAMP501及び第2AMP505がOFFに切替制御される。このように、第1AMP504と、第3SW513がON、他がOFFしているので、入力信号は、ゲイン16dBの第1AMP504で増幅された後、第3SW513を介して周波数変換430へ出力される。なお、このとき、バッファAMP501は、充分高いインピダンスであり、寄生素子、容量など、第1AMP504に与える影響はほとんどない。
信号レベル領域が長距離614の場合、受信信号レベルは中距離レベル603よりさらに低くなる。そこで、入力信号をゲイン40dBで増幅する。このため、第2SW512がON、第1SW511及び第3SW513がOFF、第1AMP504がON、第2AMP505もON、バッファAMP501がOFFに切替制御される。このように、第1AMP504、第2AMP505、及び第2SW512がON、他はOFFしているので、入力信号は、ゲイン16dBの第1AMP504、ゲイン20dBの第2AMP505で増幅された後、第2SW512を介して周波数変換430へ出力される。なお、このとき、バッファAMP501による影響がないことは、中距離の場合と同様である。
以上のように、ステップAGC回路500では、縦続接続された2つのAMPと、2つの抵抗とバッファAMPと、3つのSWという構成で、4種類のゲイン設定が可能となる。この構成は、ケーブル側から見ると、初段AMP、すなわち第1AMP504が1つだけ接続しているのと同等であり、第1AMP504とのインピダンスマッチングだけを考慮すればよくなり、回路設計が容易になる。また、4つのAMPと4つのSWとを必要としないで、4種類のゲイン設定が可能であるため、回路規模を小さくし、コストを抑えることが可能となる。
このようなステップAGC回路によって変換出力される出力信号について説明する。図18は、第2の実施の形態のステップAGC回路による入力信号と出力信号のレベル変化を示した図である。
縦軸の入力信号の変動範囲は、図16に示した入力信号のレベル範囲(横軸)を示している。また、出力信号範囲6050は、ステップAGC回路500によって変換された後の出力信号のレベル範囲を示している。
図に示したように、入力信号の変動範囲は、信号レベルが最も大きいケーブル最短距離時のレベル6011から、ケーブルの長さに応じて、ケーブル短距離時のレベル6021、ケーブル中距離時のレベル6031、及びケーブル長距離時のレベル6041がある。それぞれのレベル領域にはオーバーラップ分が確保されている。ここでは、ケーブル短距離時のレベル6021が基準となるので、出力信号範囲6050は、ケーブル短距離時のレベル6021の範囲内になる。
そこで、入力信号レベルがケーブル短距離時のレベル6021内の場合は、入力信号はそのまま短距離の範囲6022に出力される。入力信号レベルがケーブル最短距離時のレベル6011内の場合は、入力信号をゲイン−12dBで減衰し、出力信号範囲6050内の最短距離の範囲6012に変換する。入力信号レベルがケーブル中距離時のレベル6031内の場合は、入力信号をゲイン16dBで増幅し、出力信号範囲6050内の中距離の範囲6032に変換する。入力信号レベルがケーブル長距離時のレベル6041内の場合は、入力信号をゲイン40dBで増幅し、出力信号範囲6050内の長距離の範囲6042に変換する。
このように、入力信号の変動範囲を4分割したそれぞれの信号レベル領域の信号レベルが変換され、出力信号範囲6050に圧縮される。
次に、カメラ110について説明する。カメラ110の受信信号(H)処理部114も、図7と同様に構成される。しかしながら、本放送に利用されるカメラHD信号に対し、カメラ110の受信信号は、カメラHDリターン信号である。カメラHDリターン信号は、撮影者が確認用に利用するものであるので、本放送用のカメラHD信号とは異なり、瞬断であれば、問題ない。したがって、カメラ110の受信信号(H)処理部114は、ステップAGC回路420からホールド回路429を省いた構成とすることもできる。
次に、カメラ110について説明する。カメラ110の受信信号(H)処理部114も、図7と同様に構成される。しかしながら、本放送に利用されるカメラHD信号に対し、カメラ110の受信信号は、カメラHDリターン信号である。カメラHDリターン信号は、撮影者が確認用に利用するものであるので、本放送用のカメラHD信号とは異なり、瞬断であれば、問題ない。したがって、カメラ110の受信信号(H)処理部114は、ステップAGC回路420からホールド回路429を省いた構成とすることもできる。
以上のように、本実施の形態によれば、カメラ110と制御装置120との間で、OFDM信号を用いてOFDM信号を伝送する場合に、信号レベルに応じた複数のAMPを切り替えてレベル変換を行うステップAGC回路により、ケーブル距離が長くなるに従って増大する信号レベルの変動量を復調回路に適した信号レベル範囲に圧縮することができる。
このように、最大ケーブル延長点でも近距離地点と同じ信号品質を得られるというOFDM信号の利点に加え、入力信号レベルの変動を吸収し、S/Nの劣化を最小限にすることができることにより、同軸ケーブルのケーブル長を従来の2倍以上に延ばすことが可能となる。
1・・・ゲイン制御回路、1a・・・ゲイン制御回路(レベル変換器並列接続)、1b・・・ゲイン制御回路(レベル変換器従属接続)、11・・・信号レベル変換部、11a・・・増幅器(L)、11b・・・増幅器(M)、11c・・・増幅器(H)、11d,11e,11f・・・増幅器、12・・・切替部、12a,12b,12c,12d,12e,12f・・・切替回路、13・・・信号レベル検出部、13a・・・信号レベル検出回路、14・・・切替制御部、14a・・・切替制御回路、15・・・ホールド部、15a,15b,15c・・・ホールド回路
Claims (17)
- 通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベル変動を一定レベル範囲内に抑えるようにゲインを制御するゲイン制御回路において、
所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有し、前記通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる入力信号を取り込み、前記複数のレベル変換器によって前記入力信号の信号レベルを変換する信号レベル変換部と、
前記レベル変換器を前記入力信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部と、
前記入力信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
前記信号レベル検出部によって検出された前記入力信号の信号レベルに基づいて、前記入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換する前記レベル変換器を選択し、選択された前記レベル変換器が前記入力信号の信号レベル変換を行うように前記切替部を制御する切替制御部と、
を有することを特徴とするゲイン制御回路。 - 前記信号レベル変換部は、それぞれ異なるゲインが設定され、前記入力信号を設定された前記ゲインに応じて変換出力する複数の増幅器で構成され、
前記切替部は前記複数の増幅器に対応して配置され、前記増幅器の変換出力を前記出力信号として出力するか否かを切り替える複数の切替回路で構成される、
ことを特徴とする請求項1記載のゲイン制御回路。 - 前記増幅器には、前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域がそれぞれ割り当てられ、前記増幅器ごとに、割り当てられた前記信号レベル領域の入力信号を前記一定レベル範囲内に変換するゲインが設定される、ことを特徴とする請求項2記載のゲイン制御回路。
- 前記信号レベル変換部の前記増幅器は、前記入力信号に対し、並列に配置される、ことを特徴とする請求項2記載のゲイン制御回路。
- 前記信号レベル変換部は、前記複数のレベル変換器が従属接続され、
前記切替部は、前記複数のレベル変換器に対応して配置され、前記レベル変換器を前記入力信号の伝達経路に接続するか否かを切り替える複数の切替回路で構成される、
ことを特徴とする請求項1記載のゲイン制御回路。 - 前記信号レベル変換部は、前記入力信号に対し、初段の前記レベル変換器のみが1台で構成され他の前記レベル変換器が前記初段のレベル変換器に従属接続される、ことを特徴とする請求項5記載のゲイン制御回路。
- 前記信号レベル変換部は、前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域ごとに、前記所定の信号レベル領域の入力信号を前記一定レベル範囲内に変換する前記レベル変換器の組み合わせが対応付けられてり、
前記切替制御部は、検出された前記入力信号の信号レベルの属する前記信号レベル範囲を特定し、前記信号レベル範囲に対応する前記レベル変換器の組み合わせを選択する、
ことを特徴とする請求項5記載のゲイン制御回路。 - 前記レベル変換部は、従属接続した所定のゲインを有する増幅器に加え、
所定の分圧抵抗を有する抵抗減衰器と、
前記分圧抵抗の一方に接続して前記抵抗減衰器の動作をオン・オフさせるバッファと、
を有し、前記増幅器のオン・オフに応じて設定されるゲイン値の種類に加え、前記抵抗減衰器のオフ・オンによる2種類のゲイン値が選択できることを特徴とする請求項5記載のゲイン制御回路。 - 前記ゲイン制御回路は、さらに、前記切替制御部と前記切替部との間に接続され、前記切替部の切替状態保持を制御する保持制御信号に応じて、前記切替制御部から出力される切替制御信号を前記切替部に伝達するか否かを制御し、前記保持制御信号が保持を指示するときは前記切替部の切替状態をそのままの状態に保持させるホールド部、
を具備することを特徴とする請求項1記載のゲイン制御回路。 - 前記ホールド部は、
前記切替部を構成する個々の切替回路を作動させる制御信号を生成する双安定マルチバイブレータと、
前記切替制御部から出力される前記切替制御信号に応じて前記双安定マルチバイブレータを作動させ、前記制御信号を変化させるドライブ回路と、
前記保持制御信号に応じて前記ドライブ回路をオン・オフする回路と、
を有することを特徴とする請求項9記載のゲイン制御回路。 - 前記信号レベル変換部は、前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域の入力信号を前記一定レベル範囲内に変換するため、分割された入力信号レベル領域ごとに、前記一定レベル範囲よりも高い信号レベルの前記入力信号レベル領域に対しては信号レベルを前記一定レベル範囲内に減衰させるゲインを設定し、前記一定レベル範囲よりも低い信号レベルの前記入力信号レベル領域に対しては信号レベルを前記一定レベル範囲内に増幅するゲインを設定する、ことを特徴とする請求項1記載のゲイン制御回路。
- 前記信号レベル変換部は、前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域が、隣り合う前記信号レベル領域が重なり合うオーバーラップ分を有して設定される、ことを特徴とする請求項11記載のゲイン制御回路。
- 前記ゲイン制御回路は、前記通信ケーブルを介して接続し、双方向通信を行う撮像装置と制御装置において、前記通信ケーブルを介して入力される受信信号の信号レベル変換に適用され、前記通信ケーブルの減衰特性に応じた信号レベル変動量で入力される前記受信信号の信号レベル範囲を、所定の出力信号レベル範囲に圧縮する、
ことを特徴とする請求項1記載のゲイン制御回路。 - 前記ゲイン制御回路は、送信データにOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)変調を施したOFDM信号によって前記双方向通信を行う前記撮像装置及び前記制御装置に適用され、OFDM入力信号を検波し、検波された前記OFDM入力信号の信号レベルを検出し、前記OFDM入力信号の信号レベル変動を圧縮する、
ことを特徴とする請求項13記載のゲイン制御回路。 - 通信ケーブルを介して制御装置に接続して双方向通信を行って、映像素材信号に対するリターン信号を変調した変調リターン信号を前記制御装置から受信して動作する撮像装置において、
所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有し、前記通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる前記変調リターン信号を取り込み、前記複数のレベル変換器によって前記変調リターン信号の信号レベルを変換する信号レベル変換部と、
前記レベル変換器を前記変調リターン信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部と、
前記変調リターン信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
前記信号レベル検出部によって検出された前記変調リターン信号の信号レベルに基づいて、前記変調リターン信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換する前記レベル変換器を選択し、選択された前記レベル変換器が前記変調リターン信号の信号レベル変換を行うように前記切替部を制御する切替制御部と、
前記切替制御部が選択した前記レベル変換器が行った信号レベル変換によって、信号レベル変動が前記一定レベル範囲内に圧縮された前記変調リターン信号を、前記リターン信号に復調する復調回路と、
を具備することを特徴とする撮像装置。 - 通信ケーブルを介して撮像装置に接続して双方向通信を行って、映像素材信号を変調した変調映像素材信号を前記撮像装置から受信する制御装置において、
所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有し、前記通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる前記変調映像素材信号を取り込み、前記複数のレベル変換器によって前記変調映像素材信号の信号レベルを変換する信号レベル変換部と、
前記レベル変換器を前記変調映像素材信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部と、
前記変調映像素材信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
前記信号レベル検出部によって検出された前記変調映像素材信号の信号レベルに基づいて、前記変調映像素材信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換する前記レベル変換器を選択し、選択された前記レベル変換器が前記変調映像素材信号の信号レベル変換を行うように前記切替部を制御する切替制御部と、
前記切替制御部と前記切替部との間に接続され、前記切替部の切替状態保持を制御する保持制御信号に応じて、前記切替制御部から出力される切替制御信号を前記切替部に伝達するか否かを制御し、前記保持制御信号が保持を指示するときは前記切替部の切替状態をそのままの状態に保持させるホールド部、
前記切替制御部によって選択された前記レベル変換器が行った信号レベル変換によって、信号レベル変動が前記一定レベル範囲内に圧縮された前記変調映像素材信号を前記映像素材信号に復調する復調回路と、
を具備することを特徴とする制御装置。 - 通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルが一定レベル範囲内に変換されるようにゲインを制御するゲイン制御方法において、
信号レベル検出部が、前記通信ケーブルを介して伝達される過程で信号損失が生じる入力信号の信号レベルを検出し、
切替制御部が、所定のゲインで信号を増幅または減衰する複数のレベル変換器を有する信号レベル変換部から、前記信号レベル検出部によって検出された前記入力信号の信号レベルに基づいて、前記入力信号の信号レベルを一定レベル範囲内に変換する前記レベル変換器を選択し、選択された前記レベル変換器が前記入力信号の信号レベル変換を行うように前記レベル変換器を前記入力信号の信号レベル変換に利用するか否かを切り替える切替部に切替指示を出力し、
前記切替部が、前記切替指示に基づいて、選択された前記レベル変換器が前記入力信号の信号レベル変換を行うように前記レベル変換器の接続を切り替え、
前記信号レベル変換部が、前記入力信号を取り込み、前記切替部が選択した前記レベル変換器によって前記入力信号の信号レベル変換を行う、
ことを特徴とするゲイン制御方法。
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