JP2008026646A - 帯電装置、画像形成装置及び搬送スクリュー機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極の塵埃の付着量が変化しても、清掃不良や装置の破損を生じることなく、簡単な制御によって清掃部材を支持体とともに電極の両端部間で正確に往復移動させることができるようにする。
【解決手段】帯電器1に、支持体4、搬送スクリュー6を備えた。支持体4は、突起4Eが形成された突起部材4Dを備えている。突起4Eは、搬送スクリュー6の谷部6Dに上方から半径方向に嵌入し、突起部材4Dの弾性変形によって山部6Cを乗り越える。搬送スクリュー6の正転及び逆転により支持体4をX軸に沿って往動及び復動させる。支持体4の往動時における支点4Fから山部6Cとの当接位置までの距離L1が、距離L2よりも長くなるようにして突起4Eを山部6Cに当接させる。支持体4が往動の終端に達した後に搬送スクリュー6が継続して正転すると突起4Eが容易に山部6Cを乗り越える。
【選択図】図5
【解決手段】帯電器1に、支持体4、搬送スクリュー6を備えた。支持体4は、突起4Eが形成された突起部材4Dを備えている。突起4Eは、搬送スクリュー6の谷部6Dに上方から半径方向に嵌入し、突起部材4Dの弾性変形によって山部6Cを乗り越える。搬送スクリュー6の正転及び逆転により支持体4をX軸に沿って往動及び復動させる。支持体4の往動時における支点4Fから山部6Cとの当接位置までの距離L1が、距離L2よりも長くなるようにして突起4Eを山部6Cに当接させる。支持体4が往動の終端に達した後に搬送スクリュー6が継続して正転すると突起4Eが容易に山部6Cを乗り越える。
【選択図】図5
Description
この発明は、電子写真方式の画像形成処理中に放電を行う帯電装置、この帯電装置を備えた画像形成装置、及び、この帯電装置に適用される搬送スクリュー機構に関する。
電子写真方式の画像形成処理を行う画像形成装置には、非接触式の帯電装置を用いたものがある。非接触式の帯電装置は、高圧電源が印加された電極から放電を行う。電極として直径数10〜150μmのチャージャ線を用いた帯電装置では、高圧電源の印加による放電時にチャージャ線からオゾンが発生し、環境を汚染する。このため、帯電装置として、高圧電源の印加時に発生するオゾンの量が少ない針電極を用いたものもある。
帯電装置の電極には、高圧電界を発生する部分に周囲の塵埃が吸着する。これを放置すると、電極から適正な放電を行うことができなくなる。
従来の帯電装置では、針電極の針を挟んで対向する一対のパッド部材を、複数の針の配列方向に沿って移動自在に備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。パッド部材を、複数の針の配列方向に沿って移動させる。パッド部材は、複数の針の表面に順次接触し、針に付着した塵埃を除去する。
従来の帯電装置では、パッド部材等の清掃部材を手動操作によって移動させていた。このため、電極への塵埃の付着状況に応じた適切なタイミングで電極を清掃することができない場合がある。
そこで、搬送スクリューを用いて清掃部材を予め定められた所定のタイミングで電極の長手方向に沿って自動的に移動させることが考えられる。搬送スクリューは、帯電装置に電極と平行にして回転自在に支持される。帯電装置には、清掃部材を支持した移動体を、帯電装置に回転しない状態で電極の長手方向に沿って移動自在に配置する。搬送スクリューには、移動体を螺合させ、モータから正逆両方向の回転を供給する。
搬送スクリューの回転により、清掃部材が移動体とともに電極の長手方向に沿って往復移動する。電極の清掃時には、搬送スクリューを正転させて清掃部材を電極の第1の端部から第2の端部に向かって往動させる。清掃部材が第2の端部に達した時に搬送スクリューを逆転させて清掃部材を第2の端部から第1の端部に向かって復動させる。清掃部材が第1の端部に戻った時に搬送スクリューの回転を停止する。
特開平11−338265号公報
電極の長手方向の全域を清掃するために、清掃部材を往動時に第2の端部まで確実に移動させる必要がある。また、画像形成処理時に電極からの放電の妨げとならないようにするために、清掃部材を復動時に第1の端部まで確実に戻す必要がある。
帯電装置は、画像形成装置内で現像装置やクリーナとともに感光体に近接して配置される。移動体に搬送スクリューが貫通する雌ねじ部を形成し、電極の第1の端部及び第2の端部の両方に清掃部材を検出するセンサを配置すると画像形成装置が大型化する。
このため、清掃部材を往復移動させる搬送スクリューの正転時間及び逆転時間を制御することが考えられる。しかし、電極の塵埃の付着状況に応じて、清掃部材に作用する負荷が変化し、一定時間内での清掃部材の移動距離が変動する。搬送スクリューを一定時間正転させることとすると、電極に多量の塵埃が付着している場合には、清掃部材が第2の端部に達しない。また、電極に塵埃が殆ど付着していない場合には、清掃部材が第2の端部に達した後にも搬送スクリューが正転し続けて搬送スクリュー、移動体及びモータが破損する。
この発明の目的は、電極の塵埃の付着量が変化しても、清掃不良や装置の破損を生じることなく、簡単な制御によって清掃部材を支持体とともに電極の両端部間で正確に往復移動させることができる搬送スクリュー機構、帯電装置及び画像形成装置を提供することにある。
この発明の帯電装置は、電極、清掃部材、搬送スクリュー、モータ、支持体、突起部材を備えている。清掃部材は、直線状の電極に接触する。搬送スクリューは、電極の長手方向に平行に配置されて回転自在に支持されている。モータは、搬送スクリューを正逆両方向に回転させる。支持体は、清掃部材を保持し、電極の第1の端部から第2の端部までの間に往復移動自在かつ回転不能にされている。突起部材は、支持体から延出し、搬送スクリューの雄ねじの谷部に搬送スクリューの半径方向に嵌入する突起を備えている。突起部材は、突起が雄ねじの山部に当接する当接位置と突起が谷部から外れる方向への弾性変形の支点との間の距離を支持体の往動時に第1の距離とし、復動時に第1の距離と異なる第2の距離にされている。第1の距離及び第2距離は、弾性変形時の突起部材の変形角度に基づいて設定される。
モータが搬送スクリューを正転させると、搬送スクリューの雄ねじの谷部内で突起の当接している位置が電極の第1の端部側から第2の端部側に向かって移動し、支持体が往動する。モータが搬送スクリューを逆転させると、搬送スクリューの雄ねじの谷部内で突起の当接している位置が電極の第2の端部側から第1の端部側に向かって移動し、支持体が復動する。
支持体が往動方向の終端位置である第2の端部又は復動方向の終端位置である第1の端部に達した後に搬送スクリューの回転が継続されると、突起は突起部材の弾性変形によって雄ねじの山部を乗り越える方向に変位する。このとき突起部材に生じる弾性力は、突起部材の変形角度に応じて変化する。この変形角度は、突起が雄ねじの山部に当接する当接位置と突起が谷部から外れる方向への弾性変形の支点との間の距離に応じて変化するため、支持体の往動時と復動時とで異なる。第1の端部又は第2の端部のいずれか一方では、搬送スクリューが過回転しても突起部材が比較的容易に変形し、搬送スクリューの回転量を正確に制御する必要がない。
例えば、第1の距離が第2の距離よりも長くされる。第2の端部では、搬送スクリューが過回転しても突起部材が比較的容易に変形する。支持体の往動時には、搬送スクリューの回転量を正確に制御する必要がない。
また、第1の端部で支持体を検出するセンサをさらに備え、支持体の復動中にセンサが支持体を検出した時に搬送スクリューの回転を停止する。支持体が第1の端部に達した後に搬送スクリューが過回転すると、突起部材が比較的変形し難く、突起部材や支持体の変形や破損を生じ易い。しかし、支持体が第1の端部に達した時にセンサの検出結果に基づいて搬送スクリューの回転が停止され、搬送スクリューに過回転を生じることがない。
支持体の往動時には、搬送スクリューを予め設定された所定時間にわたって正転させる。所定時間には、例えば電極から清掃部材に作用する接触抵抗が最も大きい時に清掃部材が第1の端部から第2の端部まで往動するために要する時間以上の時間が設定される。支持体は往動時に確実に第2の端部に達し、支持体を検出するセンサを第2の端部に設ける必要がない。
電極としては、例えば複数の針を一方向に配列した針電極が用いられる。この場合に、清掃部材は移動時に複数の針のそれぞれの先端部が順に表面から内部に埋没した後に内部から露出するように支持体に保持された回転体とされる。
この発明によれば、支持体が第1の端部又は第2の端部のいずれか一方に達した時には、搬送スクリューが過回転しても突起部材が比較的容易に変形し、搬送スクリューの回転量を正確に制御しなくても清掃不良や装置の破損を生じることがない。これによって、搬送スクリューの回転制御が簡略化され、装置の大型化を防止できる。
例えば、支持体の往動時における当接位置と支点との間の距離を支持体の復動時における当接位置と支点との間の距離よりも長くすると、第2の端部では搬送スクリューが過回転しても突起部材が比較的容易に変形する。支持体の往動時には、搬送スクリューの回転量を正確に制御しなくても清掃不良や装置の破損を生じることがない。
また、支持体が第1の端部に達した時にセンサの検出結果に基づいて搬送スクリューの回転を停止することにより、支持体の復動時に第1の端部に達した後にも、清掃不良や装置の破損を生じることがない。
支持体の往動時には、搬送スクリューを予め設定された所定時間にわたって正転させることで、支持体を往動時に確実に第2の端部に到達させることができ、支持体を検出するためのセンサを第2の端部に設ける必要がない。
以下に、この発明の最良の実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、この発明の実施形態に係る帯電装置を適用した画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、用紙(OHP等の記録媒体を含む。)に画像を形成する画像形成モードとしてコピアモード、プリンタモード、FAXモードを有し、各モードはユーザによって選択され、また両面印刷が可能である。
画像形成装置100は、原稿読取部10、給紙部20、画像形成部30、排紙部40及び図示しない操作パネル部等から構成される。原稿読取部10は、装置本体の上部に配置され、プラテンガラス11、原稿載置トレイ12及びスキャナ光学系13等から構成される。スキャナ光学系13は、光源14、反射ミラー15A〜15C、光学レンズ16及びCCD(Charge Coupled Device)17を有する。光源14は、プラテンガラス11に載置された原稿又は原稿載置トレイ12から原稿搬送路R上を搬送される原稿に光を照射する。反射ミラー15A〜15Cは、原稿からの反射光を反射させて光学レンズ16に導く。光学レンズ16は、反射ミラー15A〜15Cによって導かれた反射光をCCD17に結像する。CCD17は、反射光に応じた電気信号を出力する。
給紙部20は、装置本体の下部に配置され、給紙トレイ21及びピックアップローラ22を備えている。給紙トレイ21は、画像形成時に用紙搬送路S1に給紙すべき用紙を収納する。ピックアップローラ22は、回転して給紙トレイ21に載置された用紙を用紙搬送路S1に給紙する。
画像形成部30は、原稿読取部10の下方に配置され、レーザスキャニングユニット(以下、LSUと言う。)37、感光体ドラム31及び定着装置36を有している。感光体ドラム31の周囲には、帯電器1、現像ユニット33、転写器34及びクリーナユニット35が感光体ドラム31の回転方向である図1に示す矢印の方向に沿ってこの順に配置されている。
排紙部40は、給紙トレイ21の上方に配置され、排紙ローラ41、排紙トレイ42を備えている。排紙ローラ41は、用紙搬送路S1上を搬送されてきた用紙を排紙トレイ42に排出する。排紙ローラ41は、可逆回転が可能であり、用紙の両面に画像形成を行う際、用紙搬送路S1上を搬送されてきた表面の画像形成が終了した用紙を挟持した状態で、用紙を排紙トレイ42に排出する回転方向とは逆方向に回転して用紙搬送路S2に搬送する。これにより、用紙の裏面が感光体ドラム31に対向し、裏面にトナー画像の転写が行われる。排紙トレイ42は、排紙ローラ41から排出された用紙を積層して収納する。
操作パネル部に設けられたスタートキーが押下されると、画像形成装置100は、ピックアップローラ22を回転させて用紙搬送路S1に用紙を給紙する。給紙された用紙は、用紙搬送路S1上に設けられたレジストローラ51に搬送される。
レジストローラ51は、用紙の先端部が到達した時には回転を停止している。レジストローラ51は、用紙の先端部が感光体ドラム31と転写器34との間で感光体ドラム31上に形成されるトナー画像の先端部に一致するタイミングで回転を開始する。
原稿読取部10によって読み取られた画像データは、操作パネル部から入力された条件で画像処理が施された後、LSU37にプリントデータとして送信される。LSU37は、帯電器1によって所定の電位に帯電された感光体ドラム31の表面に、図示しないポリゴンミラー及び各種レンズを介して上記画像データに基づいたレーザ光を照射して静電潜像を形成する。帯電器1は、この発明の帯電装置である。その後、現像ユニット33に設けられたマグネットローラ33Aの表面に付着しているトナーが、感光体ドラム31の表面上の電位ギャップに応じて感光体ドラム31の表面に引き寄せられて付着し、静電潜像がトナー像に顕像化される。
感光体ドラム31の表面のトナー像は、転写器34によって用紙の表面に転写される。転写器34には、この発明の帯電装置を用いることもできる。この転写工程後に感光体ドラム31の表面に残留したトナーは、クリーナユニット35によって回収される。
転写工程を終了した用紙は、定着装置36を通過することで加熱及び加圧され、用紙上でトナー画像が溶融及び固着した後に、排紙部40に導かれる。
図2(A)及び(B)は、帯電器1の正面断面図及び要部の側面図である。帯電器1は、針電極2、ホルダ3、支持体4、清掃ローラ5、搬送スクリュー6、ケース7を備えている。帯電器1は、感光体ドラム31の上方に配置される。
針電極2は、薄い帯状の金属材料からなり、下端部から全長にわたって一定の間隔で複数の針2Aが下向きに延出している。複数の針2Aは、針電極2の長さ方向に平行なX軸に沿って配列されている。帯電器1は、針電極2の長手方向を感光体ドラム31の軸方向に平行にして配置される。したがって、X軸は、感光体ドラム31の回転軸に平行である。針電極2の長さは、感光体ドラム31の周面の軸方向の長さよりも長い。
ホルダ3は、樹脂等の絶縁性材料によって構成されており、保持部3A及び端子部3Bを備えている。保持部3Aは、針電極2を保持する。保持部3Aの長さは、針電極2における複数の針2Aの配列範囲よりも長い。保持部3Aは、X軸に直交する面内で、図2(A)中にハッチングで示す一定の断面形状を呈する。端子部3Bは、図示しない端子を収納する。端子は、図示しない高圧電源と針電極2の後端部(この発明の第2の端部である。)とを接続する。
支持体4は、下面が開放しており、保持部3Aの外側に上方から装着される。支持体4の内側面には、突起4A,4Bが形成されている。支持体4は、内側の上面と突起4A,4Bとの間に保持部3Aを上下方向に挟み、内側の側面で保持部3Aを左右方向に挟む。したがって、支持体4は、X軸に直交する面内での回転を含む移動を規制されている。
清掃ローラ5は、この発明の清掃部材であり、支持体4の下端部に回転自在に支持されている。清掃ローラ5は、一例として、研磨剤を含有した弾性体である。研磨剤の硬度は、針電極2の素材よりも低く、トナー等の塵埃よりも高く設定されている。清掃ローラ5の周面から内部に針2Aの先端部が埋没する。
清掃ローラ5を構成する弾性体としては、針2Aの没入及び抜脱によって容易に切断されることなく弾性変形することを条件に、公知のゴム材料や樹脂材料のなかから好適な材料を実験的に選択することができる。研磨剤は、針2Aの表面に損傷を与えることなく針2Aの表面からトナーや塵埃を除去できることを条件に、公知の材料から適宜選択して使用することができ、公知の方法で弾性体に含有させることができる。
搬送スクリュー6は、背面側の端部6Bをホルダ3の軸受部3Cに軸支されている。搬送スクリュー6は、支持体4の孔部4Cを貫通している。
支持体4の上面から水平方向に突起部材4Dが延出している。突起部材4Dは、樹脂等の弾性変形が可能な板状体であり、突起4Eを備えている。突起4Eは、搬送スクリュー6の雄ねじの谷部に、搬送スクリュー6の半径方向に嵌入している。
ケース7は、ホルダ3の全長にわたって、支持体4の外側に装着される。ケース7は、針電極2をシールドする。
端子部3Bに収納された端子を介して針電極2に高圧電源が印加されると、針電極2の複数の針2Aのそれぞれの先端部に印加電界が集中し、複数の針2Aのそれぞれから感光体ドラム31の表面に放電を生じる。この放電によって、感光体ドラム31の表面が、所定の電位に帯電する。
保持部3Aは、X軸に直交する断面形状が、少なくとも複数の針2Aの配列範囲内で一定である。支持体4は、保持部3Aの外側に装着されてX軸に直交する面内での回転を含む移動を規制されている。搬送スクリュー6が回転すると、支持体4は、保持部3Aに案内されて、少なくとも複数の針2Aの配列範囲内で、X軸に沿って往復移動自在にされている。搬送スクリュー6が回転すると、支持体4は、搬送スクリュー6の雄ねじの山部への突起4Eの当接により、X軸に沿って移動する。
なお、移動体としての支持体4、搬送スクリュー6、突起部材4Dが、この発明の搬送スクリュー機構を構成する。
図3は、清掃ローラ5の清掃動作を示す図である。支持体4に回転自在に支持された清掃ローラ5の周面には、針2Aの先端部が埋没する。支持体4がX軸に沿って移動すると、清掃ローラ5も支持体4とともに移動する。このとき、清掃ローラ5の周面に複数の針2Aのそれぞれが順次埋没する。清掃ローラ5は、複数の針2Aから周面に作用する抵抗により、回転しつつX軸に沿って移動する。
清掃ローラ5は、針電極2と感光体ドラム31の周面との間に配置される。清掃ローラ5の直径は、感光体ドラム31の周面に接触しない範囲でできるだけ大きくされている。清掃ローラ5がX軸に移動する際に、少なくとも1つの針2Aの先端部が常に清掃ローラ5の周面に埋没する。このため、清掃ローラ2は、X軸に移動する際に確実に回転し、針2Aの先端部による清掃ローラ5の周面の損傷、及び、清掃ローラ5の周面による針2Aの変形が、最小限に抑えられる。
支持体4における清掃ローラ5の支持位置は、清掃ローラ5の周面に針2Aの先端から0.5mm程度の長さの先端部が埋没するように設定されている。清掃ローラ5が支持体4とともにX軸に沿って移動すると、針2Aの先端部が先端から徐々に清掃ローラ5の内部に没入した後、徐々に抜脱されていく。この間に、針2Aの先端部の全面が清掃ローラ5を構成する弾性体に接触し、弾性体が含有する研磨剤によって研磨される。清掃ローラ5は複数の針2Aが順に没入及び抜脱される間に回転するため、少なくとも隣接する針2Aは、清掃ローラ5の周面の異なる位置に埋没する。これによって、針2Aの先端部の全面が、確実に清掃される。
図4は、帯電器1の側面図である。帯電器1は、上面側に搬送スクリュー6を備えている。搬送スクリュー6は、ホルダ3の略全長に匹敵する長さにされている。搬送スクリュー6の背面側の端部6Bは、ホルダ3の軸受部3Cに固定されている。
ホルダ3に装着された針電極2の前端部(この発明の第1の端部である。)には、装着部9が形成されている。装着部9は、端子部3Bと略同一の外形を呈する。装着部9は、軸受部9A、モータ8、センサ9Bを備えている。軸受部9Aは、装着部9の上面に形成されており、搬送スクリュー6の前面側の端部6Aを軸支する。モータ8は、装着部9の上面に保持されており、正逆両方向の回転を搬送スクリュー6に供給する。センサ9Bは、装着部9の下面に保持されており、支持体4を検出する。
モータ8は、画像形成装置100の制御部又は帯電器1に備えられた制御部から出力される駆動データに基づいて、正転方向又は逆転方向に駆動される。
帯電器1が、画像形成装置100内に装着されている状態で、端子部3A及び装着部9は、感光体ドラム31の表面における画像形成領域Wの外側の範囲に位置している。支持体4は、清掃を行っていない状態では、針電極2の前端側で、感光体ドラム31の表面における画像形成領域Wの外側の範囲内に設定された待機位置に位置している。支持体4、端支部3A、軸受体8及び装着部9が感光体ドラム31の表面における画像形成の障害となることがない。
針電極2の清掃時には、先ず、モータ8が、所定時間にわたって搬送スクリュー6を正転させる。支持体4は、針電極2の前端部から後端部に向かってX軸に沿って往動する。針電極2から清掃部材5に作用する接触抵抗は針2Aにおける塵埃の付着状況によって変化し、針電極2から清掃部材5に作用する接触抵抗に応じて支持体4の移動速度が変化する。所定時間には、針電極2から清掃部材5に作用する接触抵抗が最も大きい時に支持体4が針電極2の前端部から後端部まで往動するために要する時間以上の時間が設定されている。針2Aにおける塵埃の付着状況にかかわらず、支持体4は針電極2の後端部に確実に到達する。
モータ8の正転開始から所定時間が経過すると、センサ9Bが支持体4を検出するまで、モータ8が搬送スクリュー6を逆転させる。支持体4は、針電極2の前端部から後端部に向かってX軸に沿って往動し、待機位置に戻される。
支持体4がホルダ3の支持部3Aに案内されてX軸に沿って往復移動し、支持体4に支持された清掃ローラ5が回転しつつ表面に針電極2の複数の針2Aを順に表面に埋没させていく。
針電極2の複数の針2Aの先端部が順に清掃ローラ5の内部に没入及び抜脱する時に、各針2Aの先端部の全面が清掃ローラ5に接触し、針2Aの変形や繊維の付着を生じることなく、針2Aの先端部の全面が確実に清掃される。
清掃部材として必ずしも清掃ローラ5を用いる必要はなく、支持体4に回転自在に支持される回転体であればよい。
図5は、帯電器1の要部の平面図であり、搬送スクリュー6の雄ねじの山部6Cに対する突起4Eの当接状態を示す図である。支持体4の上面から延出した突起部材4Dには、搬送スクリュー6の雄ねじの谷部6Dに上方から半径方向に嵌入する突起4Eが形成されている。突起4Eは、部分球形状を呈しており、谷部6Dを挟む2条の山部6Cとの間にバックラッシュが形成される。
突起4Eと2条の山部6Cとの間のバックラッシュにより、支持体4が矢印X1方向に往動する時には、図5(A)に示すように、突起4Eは、搬送スクリュー6の雄ねじの山部の背面に当接する。支持体4が矢印X2方向に復動する時には、図5(B)に示すように、突起4Eは、搬送スクリュー6の雄ねじの山部の前面に当接する。
山部6Cが支持体の移動方向X1,X2に対して傾斜しており、支持体4の往動時と復動時とで山部6Cにおける突起Eが当接する面が変わる。このため、支持体4の移動方向に直交するY軸に沿う方向について山部6Cでの突起4Eの当接位置は、支持体4の往動時と復動時とで異なる。
支持体4が往動方向又は復動方向の終端に到達した後に、搬送スクリュー6の正転又は逆転が継続されると、突起部材4Dの弾性変形によって突起4Eが上方に変位し、山部6Cを乗り越えて隣接する谷部6Dに嵌入する。このとき、突起部材4Dの弾性変形は、支持体4の上面における突起部材4Dの固定位置である支点4Fを起点として生じる。
山部6Cでの突起4Eの当接位置が支持体4の往動時と復動時とで異なることから、支点4Fから山部6Cでの突起4Eの当接位置までの往動時の距離(この発明の第1の距離である。)L1と復動時の距離(同じく第2の距離である。)L2とで異なる。
支持体4の往動時の支点4Fから山部6Cでの突起4Eの当接位置までの距離L1は、支持体4の復動時の支点4Fから山部6Cでの突起4Eの当接位置までの距離L2よりも長くされている。
突起4Eが山部6Cを乗り越える際に突起4Eが上方に変位する量は支持体4の往動時と復動時とで同一である。突起部材4Dに生じる弾性力は、支点4Fを中心とした突起部材4の上方への変形角度に応じて変わる。この変形角度は、支点4Fから山部6Cでの突起4Eの当接位置までの距離に応じて変わり、往動時よりも復動時の方が大きい。したがって、突起部材4Dに生じる弾性力は、往動時よりも復動時の方が強くなる。突起4Eは、支持体4の復動時よりも往動時の方が山部6Cを乗り越え易い。
支持体4の往動時には、搬送スクリュー6は十分に長い所定時間にわたって正転するため、支持体4が終端である針電極2の後端部に達した後にも搬送スクリュー6が正転し続け、突起4Eが繰り返し山部6Cを乗り越える可能性がある。支持体4の往動時には、突起4Eは山部6Cを乗り越え易くされているため、突起部材4D、突起4E、搬送スクリュー6が破損したり、モータ8に過負荷が作用することがない。
支持体4の復動時には、支持体4が終端である針電極2の前端部に達した時点でセンサ9Bが支持体4を検出し、この検出信号に基づいて搬送スクリュー6の逆転が停止される。支持体4の復動時に突起4Eが山部6Cを乗り越えると突起部材4Dに比較的大きな弾性力が作用するが、支持体4の復動時には突起4Eが山部6Cを乗り越えることがない。このため、支持体4の復動時にも突起部材4D、突起4E、搬送スクリュー6が破損したり、モータ8に過負荷が作用することがない。
このように、突起4Eが山部6Cを乗り越える際に突起部材4Dに生じる弾性力の大きさを考慮して、支持体4の往動時と復動時とにおける山部6Cの突起4Eが当接する面を決定している。支持体4の往動時には支持体4が針電極2の後端部に到達したことを検出することなく、モータ8を常に一定の所定時間にわたって正転させる制御によって支持体4を確実に針電極2の後端部まで移動させることができる。針電極2の後端部で支持体4を検出するセンサを設ける必要がなく、装置の大型化を防止でき、モータ8の駆動制御を簡略化できる。これによって、針電極2の塵埃の付着量が変化しても、清掃不良や装置の破損を生じることなく、簡単な制御によって清掃部材5を支持体4とともに針電極2の両端部間で正確に往復移動させることができる。
なお、モータ8を画像形成装置100に取り付け、帯電器1を画像形成装置100に装着した時に、搬送スクリュー6の背面側の端部をモータ8の回転軸に機械的に接続する構成とすることもできる。モータ8は、画像形成装置100への電源投入時や所定回数の画像形成処理が終了した時の清掃タイミング、又は、操作部で清掃作業の実行が指示された時に駆動される。
また、帯電器1は、針電極2以外の電極、例えばワイヤー電極を備えたものでもよい。清掃部材5は、回転体である必要はなく、電極を挟持するパッド部材であってもよい。
1 帯電器
2 針電極
3 ホルダ
3A 保持部
4 支持体
4D 突起部材
4E 突起
4F 支点
5 清掃ローラ
6 搬送スクリュー
31 感光体ドラム
100 画像形成装置
2 針電極
3 ホルダ
3A 保持部
4 支持体
4D 突起部材
4E 突起
4F 支点
5 清掃ローラ
6 搬送スクリュー
31 感光体ドラム
100 画像形成装置
Claims (9)
- 直線状の電極と、
前記電極に接触する清掃部材と、
前記電極の長手方向に平行に配置されて回転自在に支持された搬送スクリューと、
前記搬送スクリューを正逆両方向に回転させるモータと、
前記清掃部材を保持する支持体であって、前記電極の第1の端部から第2の端部までの間に往復移動自在かつ回転不能にされた支持体と、
前記支持体から延出し、前記搬送スクリューの雄ねじの谷部に前記搬送スクリューの半径方向に嵌入する突起を備えた突起部材と、を備え、
前記突起が前記雄ねじの山部に当接する当接位置と前記突起が前記谷部から外れる方向への前記突起部材の弾性変形の支点との間の距離であって、前記第1の端部から前記第2の端部へ向かう前記支持体の往動時の第1の距離と、前記第2の端部から前記第1の端部へ向かう前記支持体の復動時の第2距離と、を前記弾性変形時の前記突起部材の変形角度に基づいて設定した帯電装置。 - 前記第1の距離が前記第2の距離よりも長い請求項1に記載の帯電装置。
- 前記第1の端部で前記支持体を検出するセンサをさらに備え、
前記支持体の復動中に前記センサが前記支持体を検出した時に前記搬送スクリューの回転を停止する請求項2に記載の帯電装置。 - 前記支持体の往動時に、前記搬送スクリューを予め設定された所定時間にわたって正転させる請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置。
- 前記所定時間は、前記電極から前記清掃部材に作用する接触抵抗が最も大きい時に前記清掃部材が前記第1の端部から前記第2の端部まで往動するために要する時間以上の時間である請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電装置。
- 前記電極は複数の針を一方向に配列した針電極であり、前記清掃部材は移動時に前記複数の針のそれぞれの先端部が順に表面から内部に埋没した後に内部から露出するように前記支持体に保持された回転体である請求項1乃至5のいずれかに記載の帯電装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の前記帯電装置と、前記電極が表面に対向する感光体と、を備え、電子写真方式の画像形成処理を行う画像形成装置。
- 前記電極の第1の端部を前面側にして前記帯電装置を収納する請求項8に記載の画像形成装置。
- 回転自在に支持されて正逆両方向に回転する搬送スクリューと、
前記搬送スクリューの軸方向に沿って往復移動自在で回転不能にされた移動体と、
前記移動体から延出し、前記搬送スクリューの雄ねじの谷部に前記搬送スクリューの半径方向に弾性的に嵌入する突起を備えた突起部材であって、前記移動体の往動時と復動時とで前記突起が前記雄ねじの山部に当接する位置から前記半径方向に沿う弾性変形の支点までの距離が異なる突起部材と、を備えた搬送スクリュー機構。
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