JP2008026484A - ミラー構造体および平面光導波回路並びにその作製方法 - Google Patents

ミラー構造体および平面光導波回路並びにその作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境条件によらず精度が高く、生産性の高い光路変換ミラーを含む平面光導波回路を提供する。
【解決手段】コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路145と、光導波路の端部141に、光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝140と、光導波路の端部141と対向するミラー溝の壁面と、壁面に接するミラー溝の底面の一部とに接して設けられた、低融点金属材料からなるミラー支持体142と、ミラー支持体142に接して形成された反射体143により、光導波路の光路を基板上方に変換する光路変換ミラーとを備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、ミラー構造体および平面光導波回路並びにその作製方法に関し、より詳細には、フォトダイオード、面発光レーザ等の受発光素子を平面光回路に実装する際、または平面光導波回路の実装面に垂直に光ファイバを接続する際に必要な導波光の垂直入出力構造に関する。
光通信、光情報処理の分野においては、平面光導波回路を用いて光機能部品を構成し、集積することが行われている。このような平面光導波回路と受発光素子との間には、平面光導波回路の一領域から光波の一部または全部を取り出して、フォトダイオード(以下「PD」という)によって受光したり、または半導体レーザダイオード(以下「LD」という)からの出力光を平面光導波回路に入力させるための結合が必要になる。このような光素子と平面光導波回路との光結合構造として、平面光導波回路の導波路端部の微小部位に、光路を変換するための光路変換ミラーを設け、回路面と垂直方向に光を入出力する垂直入出力構造が知られている。
垂直入出力構造には、(1)平面光導波回路にダイシングソー等の機械加工により基板垂直方向に対して斜めに傾いた溝を形成し、この溝の中に、薄膜反射フィルタを挿入する構造、(2)ポリマ導波路の一端部にレーザアブレーションによりマイクロミラーを形成する構造、(3)導波路端部にエッチングにより基板面まで溝を掘り、溝の中に斜面を有するミラー形状部材を実装する構造などが提案されている。(1)の機械加工による方法は、簡便なものの、導波路端部において、所望の光導波路以外の光導波路を、一緒に切断してしまう恐れがあり、用途が限定されるという問題がある。(2)の方法は、ポリマ導波路のみに適用でき、実用的な平面光導波回路として最も期待される石英系光導波路では、レーザアブレーションによる加工が極めて難しいという問題がある。(3)の方法は、導波路材料を選ばないものの、実装によってミラーを配置形成するため、装置コスト、作業コストが高く、生産性をあげることが容易ではない。また、アライメント誤差が必ず存在することから、ミラーの性能に限界がある。さらに、個々のミラーに実装作業スペースをとる必要があり、ミラーが大型化しやすいという問題もある。
そこで、石英系光導波路をはじめとする各種導波路材料に幅広く適用でき、作製も容易な構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の構造は、樹脂斜面をミラー支持体とする構造であり、ミラーの鏡面精度、光導波路とのアライメント精度が極めて高く、高性能かつ生産性の高い光路変換ミラーである。
図1に、従来の光路変換ミラーの構造と作製方法とを示す(例えば、特許文献2,3参照)。平面光導波回路は、平坦な基板31上に、コア32を取り囲んだクラッド層33からなる導波路34が作製されている。図1(a)に示すように、所望の導波路端部35を、基板31に達するまで堀り込み、断面形状が凹状の溝38を形成する。図1(c)に示すように、溝38と連接して樹脂供給溝37a,37bが設けられている。樹脂供給溝37aから液状樹脂を供給すると、液状樹脂は、溝38の壁面36に沿って流れ、40〜50度の傾斜角の斜面39を得ることができる。導波路34からの出射光があたる斜面39の一部をミラーの支持体とし、金を蒸着するなど反射材を形成することにより光路変換ミラーを得ることができる。
ここで、図1(c)に示すように、溝38の底面40に、液状樹脂に対してヌレ性の良い(接触角の小さい)領域41と、これと隣接するヌレ性の悪い(接触角の大きい)領域42をあらかじめ形成しておく。このような領域を作製するためには、例えば、特許文献3に記載された方法を用いる。すなわち、基板31の斜め上方35.3度の角度から、Tiを0.1μmの厚みで斜めに蒸着を行う。すると、図1(c)の網点の部分は影となって、ここにはTiは付着しない。次に、基板31を回転させながら、影ができないように、Crを0.1μmの厚みで全面に蒸着する。希フッサン液に浸積してTiでCrをリフトオフすると、図1(c)の網点の部分にCrが残る。次に、希釈したシリコン油等、液状樹脂に対して高接触角を与える表面処理剤を全面にスピンコートする。Crエッチング液で表面処理膜をリフトオフすると、図1(c)の網点の領域は、液状樹脂に対してヌレが良く、一方それ以外の領域は接触角が45度以上となって液状硬化樹脂に対してヌレが悪くなる。液状樹脂を供給すれば、自動的に高接触角領域と低接触角領域の境界で液状樹脂がせき止められるので、容易にミラー斜面を形成することができる。
特開平9−26515号公報 特開平9−318850号公報 特開平11−84183号公報
しかしながら、エポキシ樹脂などの液状樹脂は、耐熱性が低いため、光機能部品を作製するための後工程で、高温処理ができないという問題があった。そこで、平面光導波回路に光素子をアライメント、固定する工程において、低温で処理できる樹脂接着剤を用いていた。しかし、高温、多湿の環境下では、樹脂接着剤の熱膨張や膨潤により光導波路と光素子との位置ずれが生じるので、光結合特性の変動または劣化が発生する。場合によっては接着剤が剥離するなど、光機能部品として十分な信頼性を得られないという問題があった。
また、液状樹脂は、熱膨張係数が大きいので、環境温度に応じてミラー支持体となる斜面が変形するという問題があった。斜面の変形に伴って、その上に形成されたミラーも変形し、平面光導波回路と光素子との結合効率が劣化する。従って、受光径の大きなモニタ用PDに適用することができても、受光径の小さなPD、LDには適用することができないという問題があった。
さらに、液状樹脂は、吸湿性を有しているので、水分を含有して膨張することから、周囲の湿度に応じて、ミラー支持体となる斜面が変形するという問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ミラーを形成した後の工程に与える熱的制約が小さく、光素子を固定する工程において半田を適用することができ、かつ、環境条件によらず精度が高く、生産性の高いミラー構造体および平面光導波回路並びにその作製方法を提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、平面光導波回路に形成されたミラー構造体において、光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝の内部に、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに接して設けられたミラー支持体であって、低融点金属材料からなるミラー支持体と、該ミラー支持体に接して形成された反射体とを備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記ミラー支持体は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とする半田からなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、基板上に形成された平面光導波回路において、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路と、該光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝と、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに接して設けられたミラー支持体と、該ミラー支持体に接して形成された反射体により、前記光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーとを備え、前記ミラー支持体は、低融点金属材料からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の前記ミラー支持体は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とする半田からなることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の前記光導波路は、石英系平面光導波路またはシリコン系平面光導波路であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の前記ミラー支持体は、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面と接続する側壁の壁面に接して設けられていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、平面光導波回路に形成されたミラー構造体の作製方法であって、光導波路のコアよりも深くミラー溝を形成する第1の工程と、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに、マスクを用いて、下地金属層を形成する第2の工程と、前記下地金属層に低融点金属材料を供給し、該低融点金属材料を溶融、硬化させてミラー支持体を形成する第3の工程と、硬化させた前記低融点金属材料の傾斜面上に、反射膜を形成する第4の工程とを備えたことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の前記第3の工程は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とするペースト状半田からなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の前記第3の工程は、半田ボールからなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、基板上に形成された平面光導波回路において、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路を有し、該光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーを作製する平面光導波回路の作製方法であって、前記光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深くミラー溝を形成する第1の工程と、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに、マスクを用いて、下地金属層を形成する第2の工程と、前記下地金属層に低融点金属材料を供給し、該低融点金属材料を溶融、硬化させてミラー支持体を形成する第3の工程と、硬化させた前記低融点金属材料の傾斜面上に、反射膜を形成する第4の工程とを備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の前記第3の工程は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とするペースト状半田からなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10に記載の前記第3の工程は、半田ボールからなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、ミラー支持体を、低融点金属材料から形成するので、ミラーを形成した後の工程に与える熱的制約が小さく、光素子を固定する工程において半田を適用することができ、かつ、環境条件によらず精度が高く、生産性の高い光路変換ミラーを含む平面光導波回路を構成することが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態においては、ミラー支持体となる斜面を、210〜500℃程度の低融点の金属材料により形成する。低融点金属材料を用いることにより、ミラーを形成した後、光素子を固定する工程において、例えば、融点200℃程度の半田を用いることができる。さらに、後工程である洗浄工程、蒸着、スパッタリング等によるミラー支持体へ反射膜を形成する工程、およびワイヤボンディング工程等において、適宜、適切な加熱を行うことができ、後工程に与える熱的制約を小さくすることができる。
以下の実施形態ではすべて、光導波路として石英系平面光導波回路を用い、光導波路上部にPDを設置することを想定して説明を行う。しかし、これは単に説明を容易にするためのものであって、本発明はこれに限定するものではなく、シリコン系平面光導波回路を用いてもよいし、光導波路上部の素子、素子の実装構造に関しては特に限定しない。ただし、光導波路としては、低融点金属材料を溶融する際に、機械的な構造の変化または特性の劣化が無いことが必要であるため、石英系またはシリコン系の光導波路のように耐熱性の高い材料が好適である。また、以下の実施形態では、複数の構造と作製方法の中から、任意に組み合わせた例を述べるが、異なる構造と作製方法の組み合わせでも同様に実施できる。
図2に、本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの構成を示す。ミラーを形成するための溝(以下、ミラー溝という)140は、幅W=160μm、光軸方向の奥行きd=80μmである。光導波路145の導波路端部141と対向する壁面に沿って、ミラーを形成するための斜面142が形成されている。光導波路145からの出射光があたる斜面142には、ミラー143が形成されている。ミラー溝140の開口の形状は、光導波路145の光軸に対して基板面内で線対称の形状を有しているため、安定して均一なミラーを形成することができる。
次に、光路変換ミラーの作製方法について説明する。最初に、Si基板上に20μmの下部クラッド層、6μmのコア層を火炎堆積法によって形成する。フォトリソグラフィとドライエッチングにより、光導波路の形状にコアを加工した後、上部クラッド層を堆積する。次に、フォトリソグラフィとドライエッチングにより、幅W=160μm、奥行きd=80μm、深さ=40μmのミラー溝140を形成する。このような作製工程は、従来の石英系光導波路の作製方法を適用できる。
図3に、本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す。図3(a)は、図2に示したミラー溝の断面を示す。下部クラッド層201、コア202および上部クラッド層203からなる光導波路と、ミラー溝204とが形成されている。予めミラー溝204の底面および壁面にわたって形成する斜面に対応した開口を有するメタルの蒸着マスク205を用意しておく。基板と蒸着マスク205との位置合わせを行って、蒸着装置に設置する。図3(b)に示したように、通常の自公転動作を行いながら、下地金属層206としてCrを、またはTiを下層としてAuを蒸着する。このようにして、ミラー支持体となる斜面が形成されるミラー溝204の底面と側面に、金属膜を形成する。
次に、図3(c)に示したように、低融点金属材料としてペースト状半田207を、下地金属層206に塗布する。塗布する方法は、従来のディスペンサーまたは半田ペースト印刷機を用いることができる。低融点金属材料である半田は、樹脂と比較して、表面張力が大きく、下地材料に対する濡れ性または接触角が大きく異なるという特徴がある。従って、ペースト状半田207は、ガラスやシリコン基板の表面には、ほとんど濡れない一方、下地金属層206には、極めてよく濡れ広がるという性質を有する。そのため、塗布する位置の精度は問わず、ペースト状半田207の底面の50%程度が下地金属層206にかかっていればよい。低融点金属材料としては、AuSnまたはSnAgCuを主成分とする半田を用いるが、これらに限定されない。
AuSn(80:20)を主成分とする共晶半田を用いる場合には、基板全体を半田の融点より若干高い約300℃に昇温して半田を溶融する。図3(d)に示したように、ペースト状半田207は、下地金属層206に接して濡れ広がり、半田自身の表面張力によって、ミラー支持体となる斜面を形成する。低融点金属材料である半田は、下地金属と、石英ガラスまたはシリコン基板との濡れ性の差が極めて大きいので、下地表面の荒れの影響が小さい。また、半田自身の表面張力が極めて大きいので、下地金属のパターンのエッジの荒れの影響も小さい。そのため、従来の樹脂と比較して、斜面の形状を安定に作製することができ、一定の形状で、平滑性の良い斜面を容易に形成することができる。最後に、斜面の上に、反射材208を形成して、光路変換ミラーが完成する(図3(e))。反射材208は、Crを下層としてAuを蒸着する。
また、下地金属層206とのヌレを改善するためにフラックスを使用することができる。半田を溶融した後に残存するフラックスは、有機溶剤で除去することができる。なお、従来の樹脂で斜面を形成した場合には、斜面自体が有機溶剤に溶けるため、ミラーを形成した後の工程において、基板を洗浄することが困難であった。従って、半田によって斜面を形成する場合には、通常の有機溶剤での洗浄が可能となり、後工程を簡略化することができる。さらに、半田面自体が光を反射するので、半田面をミラーとして用いてもよい。このとき、表面の保護、特に酸化防止のために、SiOなどの透明保護膜を塗布しておくと効果的である。
図4に、本発明の実施例2にかかる光路変換ミラーの構成を示す。実施例1と異なる点は、導波路端部と対向する壁面に沿って、ミラーを形成するための斜面402が形成されているだけでなく、ミラー溝401の両側の壁面にも斜面を形成している点である。ミラー支持体の形状をこのようにすると、ミラー403を形成する上で、ミラーの形状を安定して作製できるという利点がある。
この理由について述べる。実施例1に示したミラー溝の形状は、不要な斜面をなくすことによって、光路変換ミラーの小型化を図る。このためには、下地金属層、低融点金属材料の材質、表面処理のプロセス条件などを高度に制御して、常時変動のないように保つことが必要である。プロセス条件が安定していないと、ミラー溝の壁面の半田に対するヌレ性が変動してしまう。すると、ミラーを形成するための斜面は、ミラー溝の両側の壁面に沿って低融点金属材料が流れようとするので、両側の壁面に沿って斜面形状が歪むことになる。この歪みが、プロセス誤差として作製するごとに異なると、ミラーを支持する斜面の形状を安定して得ることができないという問題がある。
これに対して、実施例2に示したミラー溝401の形状では、歪みが発生しやすいミラー斜面の端部を、ミラー403を形成する領域から離した設計とすることができる。また、ミラー溝401の開口の形状は、光導波路405の光軸に対して基板面内で線対称の形状を有しているため、安定して均一なミラーを形成することができる。
図5に、本発明の実施例3にかかる光路変換ミラーの構成を示す。ミラー溝411は、島状クラッド414を取り囲むように形成されている。島状クラッド414の周囲に、ミラー支持体となる斜面412を形成し、導波路415端部と対向する壁面に沿って、ミラー413を形成する。ミラー溝411の底面と島状クラッド414の壁面とに、下地金属層を形成し、低融点金属材料によるミラー支持体を形成することにより、高精度でかつ平坦なミラーを形成することができる。
実施例1および実施例2と異なる点は、小型化には適していないものの、実施例2と比較して、ミラーの形状を安定して形成できる点にある。ミラー溝の両側の壁面にわたって斜面を設ける場合、低融点金属材料の表面張力によって壁面のコーナー部は丸く変形する。この度合いは、半田の粘性管理、表面処理剤のプロセス条件の安定性に依存し、これらのバランスによる。実施例3においては、このような壁面のコーナー部における変形が発生しにくいために、ミラーの形状を安定して形成できる。
図6に、本発明の実施例4にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す。実施例4では、低融点金属材料である半田の供給方法について述べる。実施例1では、ディスペンサーまたは半田ペースト印刷機などを用いて半田を塗布したが、実施例4では、半田ボール211を使用する。半田ボール211は、少量で、かつその形状の精度を極めて高く作製することができ、例えば、直径100μm±5μmの半田ボールが市販されている。
本実施形態においては、ミラー溝204の中に、極めて少量の半田を供給し、ミラー支持体212となる斜面の形状を安定して作製するために、高い精度で供給量を制御する必要がある。実施例4によれば、必要な個数の半田ボール211をミラー溝204に供給するだけで、少量の半田を高い精度で供給することができる。また、ディスペンサーまたは半田ペースト印刷機などの高価な装置を使用する必要もない。
図7に、本発明の実施例5にかかる光路変換ミラーの構成を示す。低融点金属材料である半田の供給方法の別の例について述べる。実施例5では、図1に示した溝と連接して設けられた樹脂供給溝と同様に、ミラー溝501と連接して半田供給溝507を設ける。さらに、半田供給溝507には、半田ダメ506を接続する。半田ダメ506は、ミラー溝501に供給する半田供給量の誤差がミラー支持体である斜面502に与える影響を低減することができる。
従来の光路変換ミラーの構造と作製方法とを示す図である。(a)は、光路変換ミラーの構造を示す斜視図であり、(b)は、光路変換ミラーの構造を示す断面図であり、(c)は、蒸着工程を説明するための模式図である。 本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの構成を示す斜視図である。 本発明の実施例1にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す図である。 本発明の実施例2にかかる光路変換ミラーの構成を示す図である。(a)は上面図であり、(b)は斜視図である。 本発明の実施例3にかかる光路変換ミラーの構成を示す斜視図である。 本発明の実施例4にかかる光路変換ミラーの作製方法を示す図である。 本発明の実施例5にかかる光路変換ミラーの構成を示す上面図である。
符号の説明
140,204,401,411,501 ミラー溝
141 導波路端部
142,402,412,502 斜面
143,403,413,503 ミラー
145,405,415,505 光導波路
201 下部クラッド層
202 コア
203 上部クラッド層
205 蒸着マスク
206 下地金属層
207 半田
208 反射材
414 島状クラッド
506 半田ダメ
507 半田供給溝

Claims (12)

  1. 平面光導波回路に形成されたミラー構造体において、
    光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝の内部に、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに接して設けられたミラー支持体であって、低融点金属材料からなるミラー支持体と、
    該ミラー支持体に接して形成された反射体と
    を備えたことを特徴とするミラー構造体。
  2. 前記ミラー支持体は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とする半田からなることを特徴とする請求項1に記載のミラー構造体。
  3. 基板上に形成された平面光導波回路において、
    コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路と、
    該光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深く形成されたミラー溝と、
    前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに接して設けられたミラー支持体と、
    該ミラー支持体に接して形成された反射体により、前記光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーとを備え、
    前記ミラー支持体は、低融点金属材料からなることを特徴とする平面光導波回路。
  4. 前記ミラー支持体は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とする半田からなることを特徴とする請求項3に記載の平面光導波回路。
  5. 前記光導波路は、石英系平面光導波路またはシリコン系平面光導波路であることを特徴とする請求項3に記載の平面光導波回路。
  6. 前記ミラー支持体は、前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面と接続する側壁の壁面に接して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の平面光導波回路。
  7. 平面光導波回路に形成されたミラー構造体の作製方法であって、
    光導波路のコアよりも深くミラー溝を形成する第1の工程と、
    前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに、マスクを用いて、下地金属層を形成する第2の工程と、
    前記下地金属層に低融点金属材料を供給し、該低融点金属材料を溶融、硬化させてミラー支持体を形成する第3の工程と、
    硬化させた前記低融点金属材料の傾斜面上に、反射膜を形成する第4の工程と
    を備えたことを特徴とするミラー構造体の作製方法。
  8. 前記第3の工程は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とするペースト状半田からなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする請求項7に記載のミラー構造体の作製方法。
  9. 前記第3の工程は、半田ボールからなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする請求項7に記載のミラー構造体の作製方法。
  10. 基板上に形成された平面光導波回路において、コア、上部クラッドおよび下部クラッドから成る光導波路を有し、該光導波路の光路を前記基板上方または下方に変換する光路変換ミラーを作製する平面光導波回路の作製方法であって、
    前記光導波路の端部に、前記光導波路のコアよりも深くミラー溝を形成する第1の工程と、
    前記光導波路の端部と対向する前記ミラー溝の壁面と、該壁面に接する前記ミラー溝の底面の一部とに、マスクを用いて、下地金属層を形成する第2の工程と、
    前記下地金属層に低融点金属材料を供給し、該低融点金属材料を溶融、硬化させてミラー支持体を形成する第3の工程と、
    硬化させた前記低融点金属材料の傾斜面上に、反射膜を形成する第4の工程と
    を備えたことを特徴とする平面光導波回路の作製方法。
  11. 前記第3の工程は、AuSnまたはSnAgCuを主成分とするペースト状半田からなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする請求項10に記載の平面光導波回路の作製方法。
  12. 前記第3の工程は、半田ボールからなる前記低融点金属材料を供給することを特徴とする請求項10に記載の平面光導波回路の作製方法。
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