JP2004102216A - 光路変換部を備える光導波基板およびその製造方法 - Google Patents

光路変換部を備える光導波基板およびその製造方法 Download PDF

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Takeshi Ono
大野 猛
Toshikazu Horio
堀尾 俊和
Toshifumi Kojima
小嶋 敏文
▲高▼田 俊克
Toshikatsu Takada
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Abstract

【課題】光路変換の自由度を向上させると共に、光導波基板の製造工程を簡素化する。
【解決手段】所定の形状の凹部12を形成する型10を用意し(ステップS100)、凹部12内に材料を充填して傾斜面チップ14を形成する(ステップS110)。これとは別に支持基板20を用意し(ステップS120)、支持基板20上の所定の位置に実装パッド16を形成する(ステップS130)。その後、上記支持基板20上に、傾斜面チップ14を内部に形成する凹部10を有する型10を載置して、実装パッド16により、支持基板20上に傾斜面チップ14を固着させる(ステップS140)。そして、光導波路を形成し(ステップS150)、光素子を実装して(ステップS160)、光導波基板を完成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光が伝搬する光路となる光導波路と、光が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報通信技術の発達に従って、電気信号よりもさらに高速の信号伝達が可能な光信号を用いた通信・伝送技術が種々検討されている。例えば、光ファイバを用いる技術や、所定の平面基板上に光導波路を形成した平面光回路を用いる技術が知られている。平面光回路においては、平面基板と略平行に形成される光導波路と、基板表面に実装される光・電子素子(発光素子や受光素子)との間で、効率よく光が伝わるように、光導波路内を伝搬する光が基板に対して垂直に光路変換するための光路変換部を設ける必要がある。
【0003】
光路変換部を形成する方法の一つとして、光路変換部として働く反射面を形成するための加工を、光導波路を備える基板の上面側から行なった後、加工した光導波路を、他の基板上に転写する方法が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このような製造工程の概略を、図17に示す。ここでは、第1の基板240上に下部クラッド225、コア224、上部クラッド226を形成し(図17(A))、さらに、光路変換部を形成するためにV溝232を形成する(図17(B))。その後、上記下部クラッド225、コア224、上部クラッド226から成る光導波路を第2の基板220上に転写すると共に、光導波路から第1の基板240を剥離する(図17(C))。これにより、第2の基板220上に、光路変換部として働く2つの反射面230を備える光導波路を形成することができる。
【0004】
また、特許文献3には、反射面を備える光路変換部材を、金属めっきによって形成する方法が開示されている。このような製造工程の概略を図18に示す。ここでは、第1の基板340上に所定の形状のフォトレジスト342を形成し(図18(A))、金属めっきによってフォトレジスト342の形状に応じた形状の光路変換部344を形成する(図18(B))。そして、フォトレジストを剥離した後、対向する光路変換部344間に光導波路322を形成する(図18(C))。さらに、光導波路322と光路変換部344とを第2の基板320上に転写すると共に(図18(D))、光導波路322および光路変換部344から第1の基板340を剥離する(図18(E))。これにより、第2の基板320上に、反射面を備える光路変換部344と光導波路322とを形成することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−199827号公報
【特許文献2】
特開平10−300961号公報
【特許文献3】
特開平5−281426号公報(第3頁、第4図、第5図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図17および図18に示すような方法では、光導波路の転写という工程を必要としていた。製造工程の簡素化、およびこれによる低コスト化は、光信号を伝達する技術の実用化・汎用化のために必須であり、さらなる製造工程の簡素化が望まれていた。
【0007】
また、図17に示すように、反射面を形成するためのV溝を、ブレードを用いて切断等により形成する場合には、一つの基板上に複数の光導波路を高い密度で平行に形成したときには、連続して形成される一つのV溝によって、全ての光導波路の光路変換が成されることになる。これによって、光導波路の形状を設計する際の自由度が、大きく制約されてしまう。そのため、光導波基板においてより自由に光路変換が可能となるように光路変換部を作製する技術が望まれていた。
【0008】
また、図18に示すように光路変換部材を金属で形成する場合には、反射面において高い反射効率を確保することが可能となるが、金属めっきは工程が煩雑であるため、より簡素で低コストな製造方法が望まれていた。
【0009】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、光導波路と光路変換構造を備える基板において光路変換の自由度を向上させると共に、このような光導波基板を、より簡素な製造工程により製造する技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明の第1の光導波基板の製造方法は、光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板の製造方法であって、
(a)前記基板を支持するために用いる支持基材を用意する工程と、
(b)前記光路変換部となる光路変換部材を作製する工程と、
(c)前記支持基材上に前記光路変換部材を配置する工程と、
(d)前記光路変換部材を配置した前記支持基材上に、コアおよびクラッドを備える光導波路を形成する工程と
を備えることを要旨とする。
【0011】
このような光導波基板の製造方法によれば、光路変換部材を予め別体で作製して支持基材上に配置するため、光導波路の任意の位置において光路変換を行なわせることが可能となる。また、発光素子が出射する光信号を、基板上で任意の方向に反射させて光路変換することが可能となる。
【0012】
本発明の第1の光導波基板の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b−1)前記光路変換部材の形状に対応した凹部を有する型を用意する工程と、
(b−2)前記光路変換部材を形成するための材料を、前記凹部内に充填する工程と
を備え、
前記(c)工程は、
(c−1)前記支持基材上において、前記光路変換部材を設けるべき位置に、前記支持基材と前記光路変換部材との間の接着性を確保するための接着部を配設する工程と、
(c−2)前記接着部を介して、前記支持基材上に前記光路変換部材を配置する工程と
を備えることとしても良い。
【0013】
このような構成とすれば、型を用いて光路変換部材を作製するため、一度に多数の光路変換部材を作製することが可能となり、製造工程の簡素化が可能となる。また、接着部を設けることで、光路変換部材と支持基材との間の接着性を充分に確保して配置することができる。
【0014】
あるいは、本発明の第1の光導波基板の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b−1)前記光路変換部材の形状に対応した凹部を有する型を用意する工程と、
(b−2)前記光路変換部材を形成するための材料であって、前記支持基材との間で接着性を有する材料を、前記凹部内に充填する工程と
を備え、
前記(c)工程は、
(c−1)前記支持基材上において、前記光路変換部材を設けるべき位置に、該光路変換部材を載せる工程と、
(c−2)前記光路変換部材を前記支持基材上に固着させる工程と
を備えることとしても良い。
【0015】
このような構成とすれば、型を用いて光路変換部材を作製するため、一度に多数の光路変換部材を作製することが可能となり、製造工程の簡素化が可能となる。また、支持基材との間で接着性を有する材料によって光路変換部材を形成することで、光路変換部材を支持基材上に固着させて配置する動作を、より簡便に行なうことができる。
【0016】
このような本発明の光導波基板の製造方法において、前記光路変換部を形成するための材料は、前記コアよりも低い屈折率を有する透光性材料であることとしてもよい。特に、より充分に小さな屈折率の材料を用いて光路変換部を形成し、前記コア内を伝搬した光信号の少なくとも一部を、前記光路変換部材表面に形成される反射面において光学的に全反射させることで、光信号の利用率を充分に確保することができる。
【0017】
また、本発明の第1の光導波基板の製造方法において、同一の前記支持基材上に配置すべき複数の光路変換部材のうちの少なくとも一部である複数の光路変換部材を、同一の前記型を用いて同時に作製し、該型内に前記複数の光路変換部材を保持した状態で該複数の光路変換部材を前記支持基材上の所定の位置に載せ、該複数の光路変換部材を同時に前記支持基材上に配置することとしても良い。このような構成とすれば、支持基材上に複数の光路変換部材を配置する製造工程を、より簡素化することができる。
【0018】
また、本発明の第2の光導波基板の製造方法は、光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板の製造方法であって、
(a)前記基板を支持するために用いる支持基材を用意する工程と、
(b)前記支持基材上において、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記光路変換部となる光路変換部材を形成するための所定の金属から成る金属部を形成する工程と、
(c)前記光路変換部材の形状に対応した凹部を有する型を用意する工程と、
(d)前記金属部を設けた位置と前記凹部とが対応するように、前記金属部を設けた前記支持基材上に前記型を押圧することによって、前記金属部を成形して前記光路変換部材を形成する工程と、
(e)前記光路変換部を設けた前記支持基材上に、コアおよびクラッドを備える光導波路を形成する工程と
を備えることを要旨とする。
【0019】
本発明の第2の光導波基板の製造方法によれば、光路変換部を設けるべき位置に、光路変換部材を形成するための金属部を形成し、その後この金属部を成形して光路変換部材を形成するため、光導波路の任意の位置において光路変換を行なわせることが可能となる。また、発光素子が出射する光信号を、基板上で任意の方向に反射させて光路変換することが可能となる。
【0020】
本発明の第2の光導波基板の製造方法において、
前記(b)工程は、
(b−1)前記所定の金属から成る微小金属塊を形成する工程と、
(b−2)前記支持基材上において、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記微小金属塊を配置して前記金属部を形成する工程と
を備えることとしても良い。
【0021】
このような構成とすれば、前記金属部を、光路変換部材に対応する体積を有する微小金属塊を支持基材上に配置することによって形成するため、転写形成が困難な凹凸を有する場合であっても、任意の位置に光路変換部材を形成することが可能となると共に、所望の形状の光路変換部材を正確に形成することができる。
【0022】
このような本発明の第2の光導波基板の製造方法において、
前記(b−1)工程は、
(b−1−1)所定の貫通孔を有して該貫通孔が端部で開口するキャピラリを備え、前記所定の金属から成る金属ワイヤを前記貫通孔を介して前記端部から繰り出す繰り出し装置において、前記金属ワイヤを繰り出す工程と、
(b−1−2)前記(b−1−1)工程で繰り出した金属ワイヤを溶融させることで、前記キャピラリの前記端部において、前記微小金属塊として略球状の金属ボールを前記金属ワイヤから形成する工程と
を備え、
前記(b−2)工程は、前記キャピラリの前記端部に形成された前記金属ボールを前記支持基材上の前記光路変換部を設けるべき位置に固着させて、前記金属部を形成することとしても良い。
【0023】
このような構成とすれば、ワイヤボンディング技術を利用して金属ワイヤを溶融させて光路変換部材に対応する体積を有する金属ボールを形成するという簡便な方法によって、容易に前記微小金属塊を形成することができる。
【0024】
上記本発明の第2の光導波基板の製造方法において、前記(c)工程における凹部を有する型を構成する材料として、上記金属部を形成する金属の硬度や、型押し成型のために加える押圧力の強さなどを考慮して、材料を選択することとしても良い。例えば、シリコンを異方性エッチングにより加工して型を作製することも可能である。シリコンを異方性エッチングにより加工して型を作製した場合、シリコン結晶の結晶方位により傾斜角度が55°と一定になり、垂直方向への光路変換が困難となる。これに起因する発光時の問題として、光が発光源に戻り異常発光を生じ、発光が安定しないことがある。また、傾斜角度が45°となるような結晶面を備えるシリコン結晶は、一般のウエハからでは作製できないため、高価である。そこで、硬度が高く、平均表面粗さが小さく、かつ45°の角度を成す型を得るには、凹部を有する型を構成する材料として、セラミックやガラスを選択するのが望ましい。
【0025】
上記本発明の第2の光導波基板の製造方法において、
前記(b−2)工程は、熱および/または超音波振動を利用することによって、前記微小金属塊を前記支持基材上の前記光路変換部を設けるべき位置に固着させることとしても良い。
【0026】
このような構成とすれば、微小金属塊を支持基材上に固着させる動作を、熱および/または超音波振動を併用したワイヤボンディング技術を利用することで、ハンダなどの低融点金属を利用せずに行なうことが可能となる。そのため、上記低融点金属を利用することに伴い生じる可能性のある不都合(例えば、微小金属塊を支持基材上に固着させた後の工程で、上記低融点金属の融点よりも高い温度に曝されることで微小金属塊の固着状態が悪化すること等)を考慮する必要がない。なお、上記微小金属塊を上記金属ボールによって形成する場合には、金属ボールの形成および金属ボールの固着の動作は、例えば、半導体ベアチップを回路基板に直接実装するフリップチップ実装において利用されているボールボンディングによってスタッドバンプを形成する技術を適用することができる。比較的コア径が大きい(約50μm)マルチモード導波路等でも反射エリアを確保するには、高い光路変換部材の形成が必要である。金属ボールを形成することで高いバンプ形成が可能となるため、高い光路変換部材の形成が可能となる。
【0027】
本発明の第2の光導波基板の製造方法において、
前記(b)工程は、前記支持基材上にめっき処理を施すことによって前記金属部を形成することとしても良い。めっき処理によれば、複数の金属部を所望の位置に同時に形成することができる。また、めっき処理によれば、めっき厚を制御することによって、光路変換部に対応する体積を有する金属部を容易に形成することができる。ここで、めっき処理は、無電解めっきによるものとしても電解めっきによるものとしても良い。
【0028】
本発明の第3の光導波基板の製造方法は、光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板の製造方法であって、
(a)前記基板を支持するために用いる支持基材を用意する工程と、
(b)所定の貫通孔を有して該貫通孔が端部で開口すると共に、該端部において、前記光路変換部となる光路変換部材の形状に対応した凹部を形成するキャピラリを備え、前記光路変換部材を形成するための所定の金属から成る金属ワイヤを、前記貫通孔を介して前記端部から繰り出す繰り出し装置において、前記金属ワイヤを繰り出す工程と、
(c)前記(b)工程で繰り出した金属ワイヤを溶融させることによって、前記キャピラリの前記端部において略球状の金属ボールを形成する工程と、
(d)前記支持基材上の、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記金属ボールを形成する前記キャピラリの端部を押圧することによって、前記金属ボールを前記凹部に対応する形状に形成しつつ前記支持基材上に固着させて、前記光路変換部材を形成する工程と、
(e)前記光路変換部を設けた前記支持基材上に、コアおよびクラッドを備える光導波路を形成する工程と
を備えることを要旨とする。
【0029】
本発明の第3の光導波基板の製造方法によれば、光路変換部を設けるべき位置に、光路変換部材を形成するための金属ボールを固着させつつ、この金属ボールを光路変換部材に成形するため、光導波路の任意の位置において光路変換を行なわせることが可能となる。特に、光路変換部材の転写が困難な凹凸等や実装部品を有する基板上に光路変換部材を形成する場合に有用である。また、発光素子が出射する光信号を、基板上で任意の方向に反射させて光路変換することが可能となる。さらに、支持基材上への金属ボールの配置と成形とを同時に行なうことにより、製造工程を簡素化することができると共に、製造上の寸法バラツキに起因する光路変換部材形成位置と型との位置ずれによる成形不良を解消できる。ここで、金属ボールが光路変換部材に対応する体積を有することとすれば、金属ボールを構成する所定の金属が凹部内で過不足を起こすことがなく、所望の形状の光路変換部を正確に形成することが可能となる。さらに、固着した金属ボールであるバンプを形成した後のプレス成形時に、バンプの塑性変形を促進するために300℃以上の高熱を加える必要がないため、基板の熱収縮による光路変換部材形成位置と型との位置ずれを低減できる。
【0030】
本発明の第2あるいは第3の光導波基板の製造方法において、前記所定の金属は、融点が230℃以上であって、成形して前記光路変換部材を形成した後のビッカース硬度が300Hvよりも低いことが好ましい。また、前記所定の金属の融点は、400℃以上であることがさらに好ましい。このように融点の高い金属を用いて光路変換部材を形成することで、支持基材上に光路変換部材を形成した後の工程において支持基材をより高い温度で処理することが可能となる。また、上記のようにビッカース硬度が300Hvよりも低い、すなわち比較的柔らかい金属を用いることによって、前記凹部を備える型を用いて前記金属部を所望の形状の光路変換部材に成形することが容易となる。このような所定の金属としては、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、スズ(Sn)のいずれかを、95%以上の純度で備える金属を用いることができる。
【0031】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、本発明の光路変換素子を備える基板の製造方法により製造した光導波基板等の態様で実現することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.変形例:
【0033】
A.第1実施例:
(A−1)第1実施例の光導波基板の製造方法:
図1は、本実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。また、図2から図4は、各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。本実施例の光導波基板を製造する際には、まず、光路を変更する反射面を有する光路変換部を形成するための光路変換部材を作製するために型10を用意する(ステップS100、図2(A))。ここで、型10は、上記光路変換部材を作製するための凹部12を備えている。型10は、例えばポリイミドのような樹脂材料によって形成することができ、この場合には、エキシマレーザを用いて所望の形状の凹部12を設けることとすればよい。
【0034】
次に、この型10を用いて、上記光路変換部材である金属製の傾斜面チップ14を形成する(ステップS110、図2(B))。具体的には、例えば、型10が備える凹部12内を、めっきによって、金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、ハンダなどの金属で埋める。あるいは、ハンダなどの比較的融点の低い金属を溶融させて、型10の凹部12内に充填することとしても良い。これによって、型10の凹部12内で、所定の形状の傾斜面チップ14を作製することができる。なお、本実施例では、凹部12およびこの凹部12によって形成される傾斜面チップ14の形状は、四角錐台(または断面が台形である柱状の)形状を有している。また、この四角錐台(または断面台形の柱状)では、底面14aと、光路を変換する反射面となる側面14bとの間の角度は45°となっている(図2(B)参照)。
【0035】
また、傾斜面チップ14とは別に、後の工程で作製する光導波路を支持するための支持基材20を用意する(ステップS120、図3(A))。本実施例では、支持基材20として、樹脂材料からなる基板を備えるプリント配線板を用いている。なお、支持基材20としては、この他、ガラス基板やシリコン基板、あるいはアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素や、ガラス−セラミックからなる複合材料等を用いたセラミック基板などを用いることも可能である。
【0036】
次に、この支持基材20上に、上記傾斜面チップ14を支持基材20上に配置するために用いる実装パッド16を形成する(ステップS130,図3(B))。本実施例では、一つの支持基材20上に複数の傾斜面チップ14を固着させるため、上記実装パッド16は、配置すべき傾斜面チップ14と同数を、それぞれ傾斜面チップ14を配置すべき位置に形成している。この実装パッド16は、銅めっき層の上にニッケルめっき層とハンダめっき層を施した3層構造(ただし、図示せず。)によって形成している。
【0037】
その後、実装パッド16によって、支持基材20上に傾斜面チップ14を配置する(ステップS140)。上記したように、ステップS130では、支持基材20上の所定の位置に、必要な数の実装パッド16を形成している。そして、本実施例では、ステップS100で用意した型10においても、実装パッド16を設けるべき数と位置に対応した複数の凹部12を形成している。そのため、実装パッド16によって傾斜面チップ14を配置する際には、まず、傾斜面チップ14と実装パッド16とを位置合わせしつつ、凹部12内に傾斜面チップ14を形成する型10を、支持基材20上に配置する(図4(A))。具体的には、型10と支持基材20とを所定の位置関係に位置決めすることによって、傾斜面チップ14と実装パッド16とが位置決めされる。そして、ハンダの融点以上の温度に加熱することによって、支持基材20と傾斜面チップ14とを接着させ、ハンダが固化した後に型10を取り外す(図4(B))。尚、別の方法としては、支持基材上に予め実装パッド16を形成し、次いで、凹部12内に傾斜面チップ14を形成する型10を、支持基材20上に配置した後、型10のみを剥離除去してから、ハンダの融点以上の温度に加熱することによって、支持基材20と傾斜面チップ14とを接着させることもできる。
【0038】
実装パッド16を用いて支持基材20上に傾斜面チップ14を固着させると、次に、光導波路22を形成する(ステップS150)。すなわち、傾斜面チップ14に接するように、コア24,下層クラッド25、上層クラッド26からなる光導波路22を形成する(図4(C))。コア24およびクラッド25,26は、いずれも、数μ〜数十μmの厚さに形成されている。これらは、例えば、石英系ガラスや、エポキシ樹脂やアクリル樹脂あるいはポリイミド樹脂などの樹脂材料、あるいは、ガリウム・ヒ素(GaAs)などの化合物半導体や、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )などの絶縁体結晶のように、光の吸収や散乱の小さい透光性材料によって形成することができる。コア24を形成する透光性材料は、クラッド25、26を形成する材料よりも数%程度屈折率が高い材料とすればよい。なお、図示は省略されているが、コア24の側面も、クラッド25,26と同じ材料のクラッドで覆われている。
【0039】
上記した形状のコア24あるいはクラッド25,26を、樹脂材料によって形成する場合には、例えばディップコート法やスピンコート法によって形成することができる。また、石英系ガラスによって形成する場合には、例えばスパッタ法やCVD法によって形成することができる。また、上記化合物半導体によって形成する場合には、液相エピタキシ(LPE)、あるいは気相エピタキシ(VPE)であるMOVPE(metal organic VPE)によって形成することができる。また、絶縁体結晶によって形成する場合には、イオン拡散やスパッタ法やLPEによって形成することができる。
【0040】
次に、上層クラッド26の表面上であって、上記傾斜面チップ14に対応する位置に、光素子(発光素子35aおよび受光素子35b)を実装して(ステップS160、図4(D))、光導波基板を完成する。受光素子とは、光信号を受けてこれを電気信号に変換する素子であり、このような受光素子としては、例えばフォトダイオードを用いることができる。また、発光素子とは、入力された電気信号を光信号に変換する素子であり、このような発光素子としては、発光ダイオードや半導体レーザを用いることができる。基板上に実装した受光素子あるいは発光素子は、所定の電気配線と接続することで、この電気配線との間で、光信号を変換した電気信号、あるいは、光信号に変換すべき電気信号をやり取りする。
【0041】
図4(D)では、傾斜面チップ14が形成する反射面によって光路変換が行なわれる様子を模式的に表わしている。なお、図4(D)では、図示の便宜上、コア24内を光が直進するように描かれているが、実際には、コア24とクラッド25,26との境界で光が反射されてジグザグに進行する。発光素子35aの出射面から出射された光信号は、発光素子35aの真下に設けられた傾斜面チップ14が形成する反射面で反射して、水平方向に光路変換し、その後はコア24内を伝搬する。コア24内を伝搬した光は、受光素子35bの真下に設けられた傾斜面チップ14が形成する反射面で反射して、鉛直方向上方に光路変更し、受光素子35bの入射面に入射する。
【0042】
(A−2)効果:
以上のように構成された本実施例の光導波基板の製造方法によれば、光導波路を備える光導波基板において、任意の位置で、任意の方向に光路変換を行なうことが可能となる。例えば、図5(A)に示すように、複数の平行な光導波路22が高い密度で形成されている場合にも、個々の光導波路22ごとに傾斜面チップ14を設けることで、各光導波路22における光路を、所望の位置で鉛直方向上向きに変換することができる。これに対して、図5(B)に示すように、光導波路22に切り込みを入れてV溝を設けることによって反射面を形成する場合には、高い密度で形成されている個々の光導波路22ごとに反射面の位置を調節することは困難である。より高い密度で複数の光導波路22を形成しようとすると、同一のV溝によって個々の光導波路22に対する反射面を形成することになり、光路変換位置が制約を受けてしまうことになる。本実施例の光導波基板の製造方法によれば、光路変換位置がこのような制約を受けることがない。
【0043】
また、本実施例の光導波基板の製造方法により、任意の方向に光路変換が可能となることで、光導波路22に光を入射する発光素子として複数の面発光素子を含む面発光素子アレイを用いることが容易となり、光導波基板における高集積化が容易となる。面発光素子アレイは、規則的に配置された複数の面発光素子を高い密度で備えており、各面発光素子より、基板面に対し90°方向から入射した光信号をそれぞれ別個の光導波路に入射する構成とすることで、光回路の高集積化が可能となる。上記実施例のように、個々の面発光素子に対応して、それぞれ異なる方向に光路変換するように傾斜面チップ14を設けて光路変換をすれば、一つの面発光素子アレイを用いて、各面発光素子からそれぞれ別個の互いに交わらないように配設された光導波路に対して光信号を送ることが可能となる。一つの面発光素子アレイが備える個々の面発光素子から出射された各光信号が、各々別個の傾斜面チップによって任意の方向に光路変換されて、それぞれ異なる光導波路に入射する様子を、図6に模式的に表わす。ただし、図6では傾斜面チップ14自体の図示は省略し、光路変換の様子のみを示している。このように、面発光素子アレイが備える複数の面発光素子が、N行M列(ただし、N、Mは、1以上であって同時に1とはならない自然数)の格子状に配置されている場合には、各面発光素子の位置に対応するように、N行M列の格子状に傾斜面チップ14を設ければよい。これにより、複数の各面発光素子から出射された光信号を光路変換して、互いに交わらないように配設された各々の光導波路に対して所定の光信号を送ることができる。特にN、Mが3以上の自然数である場合、8方向に傾斜面チップが配置されている中心の傾斜面チップによって光路変換された光信号を、基板端面に出射するように光導波路を設けることにより、高集積化が可能となる。
【0044】
なお、傾斜面チップ14を用いて光路変換を行なう際に、所定の発光素子から入射される光信号は、基板面に対して90°±30°方向から入射させることとすればよい。また、傾斜面チップ14において、底面14aと側面14bとの間の角度(図2(B)参照)は45°としたが、上記光信号の入射角度に応じて、例えば、45°±10°の角度としても良い。また、光導波路22は、内部を伝搬する光を、基板端面から出射するように形成することとしても良い。すなわち、図4(D)に示したように、受光素子35bの真下に設けた傾斜面チップ14によって鉛直方向上方に光路変換する代わりに、基板端面から光信号を出射し、基板端面に設けた受光素子の入射面に光信号を入射することとしても良い。
【0045】
さらに、本実施例の光導波基板の製造方法によれば、反射面を形成する傾斜面チップ14を予め支持基材20上に固着させた後に光導波路を形成するため、光導波路を転写する工程が不要となり、製造工程を簡素化することができる。
【0046】
また、本実施例の光導波基板の製造方法では、所定の位置に設けた複数の凹部12内に傾斜面チップ14を形成した状態の型10を、所定の位置に複数の実装パッド16を設けた支持基材20上に載せて、傾斜面チップ14を支持基材20上に固着している。そのため、傾斜面チップ14を1つずつ型からはずすことなく、複数の傾斜面チップ14を同時に、支持基材20上の所望の位置に固着することができ、製造工程を簡素化することができる。このように、型10を用いることで、一度に多数の傾斜面チップ14を作製することが可能となり、製造工程を簡略化することができる。
【0047】
また、本実施例では、傾斜面チップ14を、金、銀、アルミニウム、銅、ニッケル、ハンダ等の金属によって形成しているため、傾斜面チップ14が形成する反射面を鏡面状態とすることが容易となる。酸化しやすい金属を用いる場合には、表面を貴金属で被覆する複層構造にすると良い。
【0048】
(A−3)第1実施例の変形例:
上記実施例では、傾斜面チップ14と支持基材20とを接着させる接着部として、ハンダめっきによって形成する実装パッド16を用いたが、異なる構成とすることもできる。支持基材20や傾斜面チップ14が影響を受けない程度の温度で充分に溶融可能な金属薄膜であれば、ハンダで形成した実装パッド16と同様に用いることができる。
【0049】
あるいは、他の材料に比べて低温で溶融する金属薄膜以外によって、上記接着部を構成することとしても良い。たとえば、接着剤によって上記接着部を構成することとしても良い。光路変換部材として働く傾斜面チップ14を設けるべき位置に、充分な精度で配設可能であり、傾斜面チップ14と支持基材20とを充分に接着させることができればよい。
【0050】
また、上記実施例では、傾斜面チップ14を金属によって形成しているが、金属以外の材料、例えば樹脂によって傾斜面チップ14を形成することとしても良い。樹脂を用いる場合には、その樹脂の屈折率が、コア24を構成する材料よりも低いものを用いれば良い。特に、コア24を伝搬した光の少なくとも一部が、傾斜面チップ14の表面である反射面において、光学的に全反射可能となるように、充分に屈折率が低いことが望ましい。また、傾斜面チップ14の材料に合わせて、型10を構成する材料を適宜選択し、傾斜面チップ14と型10との間で、充分な剥離性を確保することとすればよい。
【0051】
また、上記実施例では、傾斜面チップ14は、型10の凹部12内に形成した状態で、型10ごと支持基材20上に一旦載置して、固着を行なっているが、異なる構成としても良い。例えば、各傾斜面チップ14を、一旦、型10からはずした後に、個々の傾斜面チップ14を支持基材20に設けた実装パッド16上に載せ、支持基材20に固着させることとしても良い。
【0052】
B.第2実施例:
図7は、第2実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。また、図8は、各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。図7に示した製造工程は、図1に示した製造工程のステップS130を省略し、また、ステップS110,S140の内容に変更を加えたものである。第1実施例と共通する工程については、詳しい説明は省略する。また、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、以下の説明を行なう。
【0053】
ステップS100では、ステップS100と同様に、所定の位置に所定数の凹部12を形成した型10を用意する(図2(A))。そして、各凹部12内に、第1実施例の傾斜面チップ14に代えて用いる傾斜面チップ114(図8(A))を形成するための材料を充填する(ステップS110a)。第2実施例で用いる傾斜面チップ114は、支持基材20に対して接着性を有する樹脂を材料としていることに特徴がある。
【0054】
接着性を有する樹脂としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、イミド系接着剤、ウレタン系接着剤等の、一般的な硬化型接着剤を用いることができる。硬化前には、型10内に良好に充填可能となる適度な流動性を有していればよい。硬化方法は、熱硬化や光硬化など、用いる樹脂や加える硬化剤に応じて適宜選択すればよい。また、光硬化型接着剤に熱硬化触媒を加えた光熱硬化型接着剤を用いることとしてもよい。
【0055】
このような、傾斜面チップ114を構成するための接着性を有する樹脂としては、後の工程で形成する光導波路22のコア24を構成する材料よりも、屈折率が低いものを選択する。コア24を構成する材料よりも充分に屈折率が小さい材料を用いることで、傾斜面チップ114が形成する反射面における反射効率を確保することができる。例えば、ムロマチテクノス社製のエポキシ樹脂(製品番号314)や、(株)大阪造船所社製のUV硬化型エポキシ樹脂(製品番号OG160,OG125)等は、屈折率が低く、好ましい。特に、コア24を伝搬した光の少なくとも一部が傾斜面チップ114の反射面で光学的に全反射可能となるように、充分に屈折率が低い材料を選ぶことで、光利用率を確保することができる。コア24の材料に応じて、傾斜面チップ114を形成するための材料の屈折率を調節するために、屈折率を自由に調節できる光学接着剤を用いる構成も好適である。
【0056】
ステップS110aで凹部12内に傾斜面チップ114を形成するための樹脂を充填すると、その後は、第1実施例と同様に支持基材20を用意し(ステップS120)、この支持基材20上に傾斜面チップ114を固着させる(ステップS140a)。第2実施例においても、第1実施例と同様に、型10は、傾斜面チップ114を設けるべき数と位置に対応した複数の凹部12を備えている。そのため、支持基材20上に傾斜面チップ114を固着させる際には、まず、凹部12内に樹脂を充填した型10と、支持基材20とを位置あわせしつつ、型10を支持基材20上に配置する(図8(A))。そして、凹部12内に充填される樹脂を硬化させて、傾斜面チップ114と支持基材20とを接着させ、その後に型10を取り外す(図8(B))。熱硬化型の樹脂を用いる場合には、図8(A)の状態で加熱を行なえば良く、光硬化型樹脂を用いる場合には、例えば型10を、硬化に用いる光線を透過可能な材料で形成して、図8(A)の状態で光照射を行なえばよい。
【0057】
その後、第1実施例と同様に、光導波路22を形成すると共に(ステップS150)、光素子を実装して(ステップS160)、光導波基板を完成する。
【0058】
以上のように構成された第2実施例の光導波基板の製造方法も、第1実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施例では、傾斜面チップ114を、既述したような接着性を有する樹脂材料によって形成しているため、第1実施例のように接着のための実装パッドなどを予め支持基材20上に設ける必要がなく、樹脂を硬化させる動作によって、傾斜面チップ114と支持基材20との固着を容易に行なうことができる。特に、支持基材20として、樹脂材料からなる基板を備えるプリント配線板を用いる場合には、優れた接着性を得ることができるが、セラミック基板を用いる場合にも、充分な接着性を得ることができる。
【0059】
また、本実施例では、反射面において入射光の少なくとも一部を光学的に全反射可能となるように、充分に屈折率の小さい透光性材料によって傾斜面チップ14を形成することにより、光信号の利用効率を充分に確保可能にしている。
【0060】
なお、上記実施例では、傾斜面チップ114を、接着剤として使用される樹脂によって形成することとしたが、支持基材20との間で充分な接着性を示すならば、接着剤以外の材料を用いて傾斜面チップ114を形成することとしても良い。
【0061】
C.第3実施例:
(C−1)第3実施例の光導波基板の製造方法および効果:
図9は、第3実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。また、図10,11は、各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。第3実施例の光導波基板を製造する際には、まず、支持基材20を用意する(ステップS200、図10(A))。この工程は、既述した実施例におけるステップS120と同様の工程である。
【0062】
次に、上記支持基材20上に、金属膜である表層膜416を形成する(ステップS210、図10(B))。本実施例の光導波基板では、光路変換部は複数設けられるが、ステップS210では、支持基材20上において、これらの複数の光路変換部を形成すべき位置のそれぞれに表層膜416が設けられる。この表層膜416は、支持基材20に接する側から、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)の順でめっきを行なった多層めっき層として形成している。なお、図10では、表層膜416は、光路変換部を形成すべき位置(後述するバンプ状部413を設ける範囲)のみに形成することとしているが、このような範囲を含むより広い範囲に表層膜416を形成することとしても良い。
【0063】
その後、上記表層膜416上に、Auによって形成されるバンプ状部413を形成する(ステップS220、図10(C))。図12に、バンプ状部413を形成する工程を、さらに詳しく示す。ステップS220では、Auから成る金属ワイヤ452を所望の量だけ繰り出すことができるキャピラリ450を備える金属ワイヤ繰り出し装置を用いている。バンプ状部413を形成する際には、まず、上記キャピラリ450の先端から、後述する光路変換部材414を形成するために要する量の金属ワイヤ452を繰り出す。そして、図示しない放電電極による放電などの加熱手段によって繰り出した金属ワイヤ452を溶融させ、これを球状にして、キャピラリ450の先端において微小金属塊である金属ボール454を形成する(図12(A)参照)。
【0064】
次に、金属ボール454を形成するキャピラリ450の先端を、支持基材20の表層膜416が形成される領域に向かって押しつけ、金属ボール454を表層膜416上に固着させる(図12(B)参照)。このとき、支持基材20側を、400℃程度に加熱すれば、金属ボール454と支持基材20とを表層膜416を介して熱圧着することができる。あるいは、キャピラリ450に超音波振動を加えることとすれば、支持基材20側に対する加熱をより低い温度(例えば200〜350℃)としても、同様に両者を圧着することができる。加熱と超音波を併用することにより、支持基材20に、FR−4等の樹脂基板を用いることが可能である。その後、キャピラリ450を上方(図12(B)中の矢印方向)に引き上げると、金属ワイヤ452と金属ボール454とが切り離されて、支持基材20上に金属部であるバンプ状部413が形成される(図10(C)参照)。
【0065】
表層膜416上にバンプ状部413を形成すると、次に、後述する光路変換部材414を形成するための型410を用意する(ステップS230、図10(D))。型410は、金属材料によって形成されており、光路変換部材414を形成するための凹部412を備えている。型410は、後述する光路変換部材414の成形の工程を支障無く行なうことができる強度を有する部材で構成することとすればよい。例えば、シリコン、エンジニアリングプラスティック、金属等によって構成することとすれば良い。また、凹部412は、レーザ加工や研磨によって、形成すべき光路変換部材414に応じた形状に形成されている。
【0066】
次に、バンプ状部413を形成した支持基材20上に型410を押圧して、型410によってバンプ状部413を成形し、光路変換部材414を形成する(ステップS240、図11(A))。ここで、型410には、支持基材20上に形成すべき複数の光路変換部材414のそれぞれに応じた位置に、凹部412が形成されている。そのため、型410と支持基材20とを所定の位置関係に位置決めして、型410を支持基材20に押圧することで、支持基材20上に形成される各バンプ状部413は、各凹部412によって所定の形状の光路変換部材414へと成形される。本実施例の凹部412およびこれによって成形される光路変換部材414は、既述した実施例と同様に、支持基材20と接する側の底面と、光路を変換する反射面とが45°をなす四角錐台の形状を有している。また、凹部412の内壁面は、その平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下に形成されており、凹部412によって成形される光路変換部材414の表面(反射面)は、凹部412の内壁面が示す上記平均表面粗さの値に応じたなめらかさと高い反射率を有することとなる。
【0067】
その後、光導波路22の形成(ステップS250、図11(B))、および光素子35a,35bの実装(ステップS260、図11(C))を行なう。これらステップS250およびステップS260は、それぞれ、既述した実施例におけるステップS150、S160と同様の工程である。
【0068】
以上のように構成された第3実施例の光導波基板の製造方法も、第1実施例と同様の効果を得ることができる。また、上記第3実施例において支持基材20上に金属部であるバンプ状部413を形成する際には、半導体ベアチップを回路基板に直接実装するフリップチップ実装において使用されているボールボンディングによってスタッドバンプを形成する技術、およびボールボンディングのための装置を、利用することができる。そのため、このように従来知られるボールボンディング技術およびそのための装置を利用することで、上記実施例の構成を容易に実施することが可能となる。また、従来知られるボールボンディングの技術を利用することで、支持基材上に実装部品による凹凸が存在している場合であっても、光路変換部材を、支持基材20上の所望の位置に高い精度で配置することが可能となる。
【0069】
さらに、本実施例では、支持基材20上において複数の光路変換部材414を設けるべき位置のそれぞれに、バンプ状部413を形成すると共に、上記それぞれの位置に対応する位置に凹部412を形成する型410を用いて、各光路変換部材414の成形を行なっている。そのため、支持基材20上に設けるべき複数の光路変換部材414を同時に形成することができ、製造工程を簡素化できる。
【0070】
また、第3実施例の光導波基板の製造方法によれば、第1実施例の銅めっき層の上にニッケルめっき層とハンダめっき層を施した3層構造(ただし)、図示せず。)から成る実装パッド16のような、より融点の低い材料(例えば、ハンダめっき層)によって形成する接着部を設ける必要がないため、光路変換部材414を形成した後の工程(光導波路22や光素子35a,35bの実装工程等)における条件設定の自由度を増すことができる。すなわち、上記後の工程で、接着部の融点を超える温度で処理を行なうと光路変換部材(傾斜面チップ)の位置ずれが生じる可能性がある場合には、このような不都合を防止可能となるように実装工程の条件(実装工程で用いる部材の材料の選定や実装工程における処理温度など)を設定する必要があるが、本実施例では、このような考慮を行なうことなく実装工程の条件を設定できる。
【0071】
また、第3実施例の光導波基板の製造方法によれば、第2実施例の樹脂材料から成る傾斜面チップ114のような、より耐熱性の低い材料によって光路変換部材を設けることがないため、光路変換部材414を形成した後の工程における条件設定の自由度を増すことができる。すなわち、上記後の工程で、所定の温度を超える温度で処理を行なうと光路変換部材が劣化(重量変化、寸法変化、光学的変化等)する可能性がある場合には、このような不都合を防止可能となるように実装工程の条件を設定する必要があるが、本実施例では、このような考慮を行なうことなく実装工程の条件を設定できる。
【0072】
さらに、本実施例では、金属製の光路変換部材414を形成するために用いる型410が備える凹部412の内壁面を、平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下としているため、光路変換部材414の表面(反射面)を充分になめらかにすることができる。そのため、光路変換部材414の反射面で光路変換する際に、充分に高い反射効率を確保することができる。
【0073】
(C−2)第3実施例の変形例:
上記実施例では、バンプ状部413およびこれを成形して得られる光路変換部材414を、延性・展性に優れたAuによって形成したが、異なる金属によって形成しても良い。光路変換部材414を形成する金属としては、光路変換部材414に成形した後のビッカース硬度が300Hvよりも低くなる金属を用いることが望ましい。このような硬度の金属を用いて金属部であるバンプ状部413を形成することで、支持基材20上で、凹部412を有する型410を用いた型押し成形を行なうことができる。なお、ビッカース硬度とは、ダイヤモンドの圧子を試料表面に圧入することによって試料の硬さを測定する周知の方法により測定して得られる硬度である。このビッカース硬度の測定方法は、極めて薄い小さい試料の硬度測定も可能な方法であり、光路変換部材のような小さな部材についても硬度測定が可能である。なお、本実施例と同様の構成により光路変換部材を作製するために用いることができる金属における望ましい硬度として、ビッカース硬度の値を示したが、上記ビッカース硬度の値と同様の硬度であれば、ビッカース硬度との間で換算可能な他の硬度単位により硬度が示された金属を用いることとしても良い。
【0074】
また、光路変換部材414を形成する金属としては、融点が230℃以上であることが望ましく、融点が400℃以上であることがさらに望ましい。このような融点の金属を用いて光路変換部材414を形成することで、上記したように後の工程における条件設定の自由度を充分に確保することができる。例えば、融点が230℃以上である金属を用いれば、鉛フリーハンダを用いる工程を行なっても熱の影響を受けることがない。
【0075】
上記した硬度および融点の条件を満たす金属の例としては、Auの他に、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)を挙げることができる。例えば、これらの金属のいずれかを、95%以上含む金属によりバンプ状部413を形成すれば、実施例と同様にして型押し成形により光路変換部材を形成することができる。また、上記硬度および融点の条件を満たせば、上記した金属を含む合金を用いることとしても良い。
【0076】
このように、Au以外の金属によりバンプ状部413を形成する場合にも、表層膜416の少なくとも表面(バンプ状部413を固着させる側)に、バンプ状部413を形成するのと同じ金属から成る層を形成することが、バンプ状部413の支持基材20に対する接着性を確保する上で望ましい。また、上記実施例では、支持基材20は樹脂材料から成る基板を備えるプリント配線板としたが、既述したように、支持基材20としてガラス基板やシリコン基板あるいはセラミック基板を用いることとしても良い。例えば、支持基材20としてセラミック基板を用いる場合には、表層膜416は、支持基材20に接する側から、Agまたはタングステン(W)層(Co−Fire 法により形成した厚膜)と、Niめっき層と、Auめっき層とを形成した多層構造とすることができる。あるいは、支持基材20に接する側から、チタン(Ti)層(スパッタ法により形成した薄膜)と、Cuめっき層と、Niめっき層と、Auめっき層とを形成した多層構造としたり、支持基材20に接する側から、Ti層およびパラジウム(Pd)層(スパッタ法により形成した薄膜)と、Auめっき層とを形成した多層構造とすることとしても良い。そして、このような表層膜416上に、実施例と同様にAuからなるバンプ状部413を形成して、型押し成形を行なえばよい。
【0077】
また、型押し成形により光路変換部材414を形成するためのバンプ状部413を、他の方法、例えば、めっきにより形成することとしても良い。すなわち、支持基材20上において、バンプ状部413を形成すべき位置以外の領域を公知のフォトリソグラフィー技術を用いてマスキングした上で、光路変換部材を形成するために必要な量の金属を備えるめっき層を成膜すればよい。この場合には、電解めっきと無電解めっきのいずれを用いることとしても良い。無電解めっきを行なう場合には、金属膜である表層膜416を設けないこととしても良い。
【0078】
めっきによりバンプ状部413を形成する場合にも、既述した硬度および融点を示す種々の金属を用いることができる。また、バンプ状部413を形成する金属と同じ金属から成る層を、表層膜416の少なくとも表面に形成することが望ましい。銅めっきによりバンプ状部413を形成する場合に、支持基材20としてプリント配線板を用いるならば、表層膜416を、例えば銅めっきによって形成することができる。同様に、支持基材20としてセラミック基板を用いるならば、表層膜416を、例えば支持基材20に接する側からTi層(スパッタ法により形成した薄膜)とCuめっき層とを順次形成した2層構造とすることができる。
【0079】
また、上記第3実施例では、キャピラリ450の先端に形成した金属ボール454を用いて、バンプ状部413を形成しつつバンプ状部413を支持基材20上に固着させることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、光路変換部材を形成するのに要する量の金属から成る微小金属塊を予め作製しておき、その後、この微小金属塊を、バンプ状部413として支持基材20上に固着させることとしても良い。
【0080】
D.第4実施例:
図13は、第4実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。また、図14および図15は、途中の製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。図13に示した製造工程は、図9に示した製造工程のステップS220およびS230を省略し、また、ステップS240の内容に変更を加えたものである。第3実施例と共通する工程については、詳しい説明は省略する。また、第3実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、以下の説明を行なう。
【0081】
ステップS200およびステップS210では、第3実施例と同様に、支持基材20を用意すると共に、この支持基材20上において、光路変換部を設けるべき位置に、表層膜416を形成する。そして、第4実施例では、第3実施例のキャピラリ450(図12)に代えて、先端開口部に所定の凹部512を設けたキャピラリ550(図14)を備え、このキャピラリ550の先端から所望量の金属ワイヤを繰り出し可能な金属ワイヤ繰り出し装置を用いて、光路変換部材414を設ける(ステップS240a)。
【0082】
キャピラリ550は、金属ワイヤが繰り出される先端開口部において、光路変換部材414の形状に対応する形状を有する凹部512を備えている(図14(A))。この凹部512は、四角錐台形状を有する既述した凹部12や凹部412と類似する形状を有している。すなわち、図16に示すように、凹部512において開口する側の端部の外周が形成する面(開口部の最端部によって形成される面、または、プレス方向垂直面)514aと、凹部512の内壁面との間の角度は45°となっている。あるいは、上記面514aと、凹部512の内壁面との間の角度は、光路変換させるべき光信号が入射される角度に応じて、45°±10°の範囲の角度を成すように形成しても良い。また、凹部512の内壁面は、平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下となるように形成されている。
【0083】
ステップS240aにおいて光路変換部材414を形成する際には、まず、上記キャピラリ550の先端から、光路変換部材414を形成するために要する量の金属ワイヤ452を繰り出す。そして、第3実施例と同様に繰り出した金属ワイヤ452を溶融させて、微小金属塊である金属ボール454を形成する。キャピラリ550の先端部に金属ボール454が形成される様子を、図14(A)に示す。
【0084】
金属ボール454を形成した後、金属ボール454を備えるキャピラリ550の先端を、支持基材20の表層膜416が形成された領域に向かって押しつけ、金属ボール454を表層膜416上に固着させると共に、凹部512によって金属ボール454を型押し成形する(図14(B))。このとき、第3実施例と同様に、支持基材20を加熱し、あるいはさらにキャピラリ550に対して超音波振動を加えることとすればよい。このように金属ボール454を成形することで、金属ボール454から、凹部512の形状に対応する形状を有する光路変換部材414が形成される。その後、キャピラリ550を上方に引き上げると、光路変換部材414と金属ワイヤ452とが切り離されて、光路変換部材414が完成する。金属ワイヤ452は、キャピラリ550の引き上げにより切り離しても良いが、金属ワイヤの一部が光路変換部材の頭頂部に残ることがある。光路変換部材の低背化のためには、光路変換部材414と金属ワイヤ452の間にアーク放電を飛ばして、金属ワイヤを光路変換部材から完全に切り離すのがよい。キャピラリ550を引き上げる際に、光路変換部材414と金属ワイヤ452との切り離しを行なう様子を、図15に模式的に示す。光路変換部材414を形成した後は、既述した実施例と同様に、光導波路を形成すると共に(ステップS250)、光素子を実装して(ステップS260)、光導波基板を完成する。なお、第4実施例においても、支持基材20、表層膜416、および光路変換部材414を構成する材料の選択に関して、既述した実施例と同様に種々の変形が可能である。
【0085】
以上のような第4実施例の光導波基板の製造工程によっても、第3実施例と同様の効果を得ることができる。さらに、第4実施例では、凹部512を形成したキャピラリ550を用いて、光路変換部材414を形成するための型押し成形を行なうため、光路変換部材414を形成するための金属を支持基材20上に固着させる動作と、型押し成形の動作とを同時に行なうことができ、製造工程を簡素化することができる。
【0086】
本実施例の光導波基板の製造工程においては、キャピラリ550から繰り出す金属ワイヤの量は、凹部512の容積に対応する量よりも若干多い量とすることが望ましい。これによって、金属ボール454を構成する金属が充分に凹部512内に行き渡り、所望の形状の光路変換部材414を確実に形成可能となると共に、支持基材20側との間で充分な接着性を確保することができる。
【0087】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0088】
E1.変形例1:
既述した実施例では、光路変換部として働く傾斜面チップ14,114は、四角錐台形状としたが、支持基材20との間で約45°の反射面を形成することができれば、異なる形状としても良い。また、実施例では、一つの傾斜面チップは、一つの光導波路に形成される一つの反射面を形成することとしたが、異なる構成としても良い。例えば、傾斜面チップを横長に形成して、平行に形成される複数の光導波路を横切るように配設し、一つの傾斜面チップによって、複数の光導波路において同時に光路変換することとしても良い。
【0089】
E2.変形例2:
また、図4および図8では、2つの傾斜面チップ間に形成される光導波路以外の領域にも、コア24およびクラッド25,26と同様の層を形成することとしたが、光導波路として用いない部分には、コア24およびクラッド25,26を形成しないこととしても良い。コア24の端部において、予め別体で作製した光路変換部が配設される形状となればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。
【図2】各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図3】各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図4】各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図5】複数の光導波路22において光路変換が行なわれる様子を模式的に表わす説明図である。
【図6】一つの面発光素子アレイが備える個々の面発光素子から出射された各光信号が、それぞれ異なる光導波路に入射する様子を模式的に表わす説明図である。
【図7】第2実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。
【図8】各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図9】第3実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。
【図10】各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図11】各製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図12】金属ボール454を形成する工程を示す説明図である。
【図13】第4実施例の光導波基板の製造工程を表わす説明図である。
【図14】途中の製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図15】途中の製造工程の様子を模式的に表わす説明図である。
【図16】キャピラリ550の構成を表わす説明図である。
【図17】従来知られる光路変換部の形成方法の概略を表わす説明図である。
【図18】従来知られる光路変換部の形成方法の概略を表わす説明図である。
【符号の説明】
10,410…型
12,412,512…凹部
14,114…傾斜面チップ
14a…底面
14b…側面
16…実装パッド
20…支持基材
22…光導波路
24,224…コア
25,26…クラッド
35a…発光素子
35b…受光素子
220…第2の基板
224…コア
225…下部クラッド
226…上部クラッド
230…反射面
232…V溝
240…第1の基板
320…第2の基板
322…光導波路
340…第1の基板
342…フォトレジスト
344…光路変換部
413…バンプ状部
414…光路変換部材
416…表層膜
450,550…キャピラリ
452…金属ワイヤ
454…金属ボール

Claims (28)

  1. 光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板の製造方法であって、
    (a)前記基板を支持するために用いる支持基材を用意する工程と、
    (b)前記光路変換部となる光路変換部材を作製する工程と、
    (c)前記支持基材上に前記光路変換部材を配置する工程と、
    (d)前記光路変換部材を配置した前記支持基材上に、コアおよびクラッドを備える光導波路を形成する工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(b)工程は、
    (b−1)前記光路変換部材の形状に対応した凹部を有する型を用意する工程と、
    (b−2)前記光路変換部材を形成するための材料を、前記凹部内に充填する工程と
    を備え、
    前記(c)工程は、
    (c−1)前記支持基材上において、前記光路変換部材を設けるべき位置に、前記支持基材と前記光路変換部材との間の接着性を確保するための接着部を配設する工程と、
    (c−2)前記接着部を介して、前記支持基材上に前記光路変換部材を配置する工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  3. 請求項2記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記光路変換部材を形成する材料は、金属材料であり、
    前記接着部を形成する材料は、前記金属材料よりも融点の低い低融点材料であり、
    前記(c−2)工程は、
    (c−2−1)前記光路変換部材における前記支持基材と固着させて配置すべき面と、前記接着部とを接触させる工程と、
    (c−2−2)前記接着部を加熱して溶融させる工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  4. 請求項1記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(b)工程は、
    (b−1)前記光路変換部材の形状に対応した凹部を有する型を用意する工程と、
    (b−2)前記光路変換部材を形成するための材料であって、前記支持基材との間で接着性を有する材料を、前記凹部内に充填する工程と
    を備え、
    前記(c)工程は、
    (c−1)前記支持基材上において、前記光路変換部材を設けるべき位置に、該光路変換部材を載せる工程と、
    (c−2)前記光路変換部材を前記支持基材上に固着させる工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  5. 請求項4記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記光路変換部を形成するための材料は、前記コアよりも低い屈折率を有する透光性材料である
    光導波基板の製造方法。
  6. 請求項5記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記透光性材料は、前記コア内を伝搬した光信号の少なくとも一部が、前記光路変換部材の表面において光学的に全反射する屈折率を有する
    光導波基板の製造方法。
  7. 請求項2ないし6いずれか記載の光導波基板の製造方法であって、
    同一の前記支持基材上に配置すべき複数の光路変換部材のうちの少なくとも一部である複数の光路変換部材を、同一の前記型を用いて同時に作製し、該型内に前記複数の光路変換部材を保持した状態で該複数の光路変換部材を前記支持基材上の所定の位置に載せ、該複数の光路変換部材を同時に前記支持基材上に配置する
    光導波基板の製造方法。
  8. 光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板の製造方法であって、
    (a)前記基板を支持するために用いる支持基材を用意する工程と、
    (b)前記支持基材上において、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記光路変換部となる光路変換部材を形成するための所定の金属から成る金属部を形成する工程と、
    (c)前記光路変換部材の形状に対応した凹部を有する型を用意する工程と、
    (d)前記金属部を設けた位置と前記凹部とが対応するように、前記金属部を設けた前記支持基材上に前記型を押圧することによって、前記金属部を成形して前記光路変換部材を形成する工程と、
    (e)前記光路変換部材を設けた前記支持基材上に、コアおよびクラッドを備える光導波路を形成する工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  9. 請求項8記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(b)工程は、
    (b−1)前記所定の金属から成る微小金属塊を形成する工程と、
    (b−2)前記支持基材上において、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記微小金属塊を配置して前記金属部を形成する工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  10. 請求項9記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(b−1)工程は、
    (b−1−1)所定の貫通孔を有して該貫通孔が端部で開口するキャピラリを備え、前記所定の金属から成る金属ワイヤを前記貫通孔を介して前記端部から繰り出す繰り出し装置において、前記金属ワイヤを繰り出す工程と、
    (b−1−2)前記(b−1−1)工程で繰り出した金属ワイヤを溶融させることで、前記キャピラリの前記端部において、前記微小金属塊として略球状の金属ボールを前記金属ワイヤから形成する工程と
    を備え、
    前記(b−2)工程は、前記キャピラリの前記端部に形成された前記金属ボールを前記支持基材上の前記光路変換部を設けるべき位置に固着させて、前記金属部を形成する
    光導波基板の製造方法。
  11. 請求項8ないし10いずれか記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(c)工程は、前記凹部を有するガラスまたはセラミックからなる型を用意する
    光導波基板の製造方法。
  12. 請求項9ないし11いずれか記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(b−2)工程は、熱および/または超音波振動を利用することによって、前記微小金属塊を前記支持基材上の前記光路変換部を設けるべき位置に固着させる
    光導波基板の製造方法。
  13. 請求項8記載の光導波路の製造方法であって、
    前記(b)工程は、前記支持基材上にめっき処理を施すことによって前記金属部を形成する
    光導波基板の製造方法。
  14. 光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板の製造方法であって、
    (a)前記基板を支持するために用いる支持基材を用意する工程と、
    (b)所定の貫通孔を有して該貫通孔が端部で開口すると共に、該端部において、前記光路変換部となる光路変換部材の形状に対応した凹部を形成するキャピラリを備え、前記光路変換部材を形成するための所定の金属から成る金属ワイヤを、前記貫通孔を介して前記端部から繰り出す繰り出し装置において、前記金属ワイヤを繰り出す工程と、
    (c)前記(b)工程で繰り出した金属ワイヤを溶融させることによって、前記キャピラリの前記端部において略球状の金属ボールを形成する工程と、
    (d)前記支持基材上の、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記金属ボールを形成する前記キャピラリの端部を押圧することによって、前記金属ボールを前記凹部に対応する形状に成形しつつ前記支持基材上に固着させて、前記光路変換部材を形成する工程と、
    (e)前記光路変換部材を設けた前記支持基材上に、コアおよびクラッドを備える光導波路を形成する工程と、
    を備える光導波基板の製造方法。
  15. 請求項14記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(d)工程は、
    (d−1)前記支持基材上の、前記光路変換部を設けるべき位置に、前記金属ボールを形成する前記キャピラリの端部を押圧することによって、前記金属ボールを前記凹部に対応する形状に形成しつつ前記支持基材上に固着させる工程と、
    (d−2)押圧した後、前記キャピラリを上方に引き上げる際に、前記金属ワイヤが切り離されて、前記光路変換部材を形成する工程と
    を備える光導波基板の製造方法。
  16. 請求項14または15記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記(d)工程は、熱および/または超音波振動を利用することによって、前記金属ボールを前記支持基材上に固着させる
    光導波基板の製造方法。
  17. 請求項8ないし16いずれか記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記所定の金属は、融点が230℃以上であって、成形して前記光路変換部材を形成した後のビッカース硬度が300Hvよりも低いことを特徴とする
    光導波基板の製造方法。
  18. 請求項17記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記所定の金属は、融点が400℃以上であることを特徴とする
    光導波基板の製造方法。
  19. 請求項8ないし18いずれか記載の光導波基板の製造方法であって、
    前記所定の金属は、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、スズ(Sn)のいずれかを、95%以上の純度で備える
    光導波基板の製造方法。
  20. 光信号が伝搬する光路となる光導波路と、光信号が伝搬する光路を所望の方向に変換する光路変換部と、を有する光導波基板であって、
    前記基板を支持するための支持基材と、
    前記支持基材上において、該支持基材に埋め込まれない状態で載置されており、表面に上記光路変換部を形成する光路変換部材と、
    コアとクラッドとを備え、前記光路変換部において光路変換可能となるように、前記支持基材上に設けられている光導波路と
    を備える光導波基板。
  21. 請求項20記載の光導波基板であって、
    前記光路変換部材は、融点が230°以上であって、ビッカース硬度が300Hvよりも低いことを特徴とする
    光導波基板。
  22. 請求項21記載の光導波基板であって、
    前記所定の金属は、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、スズ(Sn)のいずれかを、95%以上の純度で備える
    光導波基板。
  23. 請求項20または21記載の光導波基板であって、
    前記光路変換部材は、前記光導波基板に実装する電子部品を構成する材料に比べて高い融点を有することを特徴とする
    光導波基板。
  24. 請求項20ないし23いずれか記載の光導波基板であって、
    前記光導波基板上に、複数の前記光路変換部材と共に、複数の前記光導波路が配設されており、
    前記複数の光導波路は、互いに交わらないように配置されている
    光導波基板。
  25. 請求項24記載の光導波基板であって、
    前記複数の光路変換部材の少なくとも一部が、N行M列(ただし、N,Mは1以上の自然数)の格子状に配置されている
    光導波基板。
  26. 請求項25記載の光導波基板であって、
    前記格子状に配置された前記複数の光路変換部材が形成する前記光路変換部は、基板面に対し90°±30°方向から入射した光信号を、基板水平方向に光路変換し、
    前記複数の光導波路の少なくとも一部は、前記基板水平方向に光路変換された前記光信号を、基板端面に出射するよう形成されている
    光導波基板。
  27. 金属ワイヤを繰り出す金属ワイヤ繰り出し装置であって、
    前記金属ワイヤが繰り出される貫通孔を備えると共に、前記貫通孔の開口部を端部に備えるキャピラリを備え、
    前記キャピラリは、前記開口部を形成する端部において、所定の形状の凹部を形成し、
    前記凹部は、内壁面の少なくとも一部が、前記開口部の最端部によって形成される面、または、プレス方向垂直面に対して45°±10°の角度を成すことを特徴とする
    金属ワイヤ繰り出し装置。
  28. 請求項27記載の金属ワイヤ繰り出し装置であって、
    前記内壁面の少なくとも一部は、平均表面粗さ(Ra)が0.1μm以下であることを特徴とする
    金属ワイヤ繰り出し装置。
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