JP2008025781A - 防振装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二つの取付部材を一対の支持ゴム弾性体にて連結せしめてなる防振装置において、より優れた防振効果が得られる技術を提供する。
【解決手段】第一の取付部材10と第二の取付部材12とを、両側の側部同士において、一対の支持ゴム弾性体14,14にて連結すると共に、第一の取付部材10の第二の取付部材12側とは反対側に、第三の取付部材42を重ね合わせて、一体的に組み付ける。また、第一及び第三の取付部材10,42の両側側部に透孔22,50を各々設ける一方、この透孔22,50を第三の取付部材42に固着された可撓性膜44で閉塞する。そして、支持ゴム弾性体14と可撓性膜44との間に支持された仕切り部材56の両側に、オリフィス通路68にて連通された受圧室64と平衡室66とを形成して、構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、防振装置とその製造方法に係り、特に、自動車のパワープラント等を車体等に防振支持せしめるのに好適に利用される防振装置と、その有利な製造方法とに関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振支持体乃至は防振連結体の一種として、互いに所定距離を隔てて対向配置された第一の取付部材と第二の取付部材とを、それらの間に介装された支持ゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振装置が、知られている。また、そのような防振装置のうち、例えば、FR型自動車のエンジンを車体に防振支持せしめるエンジンマウント等では、取付上の制約等から、第一の取付部材と第二の取付部材とを、それら両取付部材における互いの対向方向と直角な方向の両側に各々位置する側部同士の間にそれぞれ介装された一対の支持ゴム弾性体にて弾性的に連結せしめてなる、所謂ゴム脚付き構造が、採用されている(例えば、下記特許文献1参照)。
ところで、かくの如きゴム脚付き構造を有する防振装置にあっては、その防振特性が、一対の支持ゴム弾性体の入力振動に対する弾性変形のみに依存するものであるため、十分に満足し得る程の防振効果を得ることが、困難であった。
そこで、本願出願人は、防振特性を、入力振動等に応じて、適宜に切り換えることが出来る防振装置を、例えば、下記特許文献2等において提案した。即ち、この提案された防振装置は、一対の支持ゴム弾性体のそれぞれの内部に配置されて、第一の取付部材と第二の取付部材との間に駆動力を及ぼす一対の電歪素子を有するとと共に、それら一対の電歪素子のそれぞれに対して、独立した給電が行われ得るように構成されている。そして、例えば、シェイクやバウンス等の低周波振動の入力時と、アイドリング振動等の中周波振動やこもり音等の原因となる高周波振動の入力時とにおいて、各電歪素子に対して異なる給電制御が行われることにより、第一の取付金具と第二の取付金具との間に、入力振動に対する互いに異なる変位が惹起され得るようになっている。
かくして、かかる防振装置にあっては、低周波振動に対して、優れた減衰効果が発揮され得ると共に、高周波振動に対して、優れた振動絶縁効果が発揮され得、以て、一対の支持ゴム弾性体の入力振動に対する弾性変形だけでは到底得られない、極めて優れた防振効果が発揮され得るのである。
ところが、そのような優れた防振性能を有する、従来の、所謂アクティブ制御型の防振装置には、一対の電歪素子や給電制御を行うための制御装置が設けられているため、前記せる従来のゴム脚付き構造を有する防振装置に比して、高価で、しかも構造が複雑なものとなってしまうことが避けられないといった問題が、内在していたのである。
特開2006−144931号公報 特開平5−202977号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするとことは、互いに対向配置された第一の取付部材と第二の取付部材とを、それら両取付部材における互いの対向方向と直角な方向の両側に各々位置する側部同士の間にそれぞれ介装された一対の支持ゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振装置において、支持ゴム弾性体の入力振動に対する弾性変形だけで得られない、より優れた防振効果を、安価で且つ容易に得ることが出来る新規な構造と、そのような構造を有する防振装置を有利に製造し得る方法とを、提供することにある。
そして、本発明にあっては、防振装置に係る課題の解決のために、その要旨とするところは、互いに所定距離を隔てて対向配置された第一の取付部材と第二の取付部材とを、それら両取付部材における互いの対向方向と直角な方向の両側に各々位置する側部同士の間にそれぞれ介装された一対の支持ゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振装置において、前記第一の取付部材における前記第二の取付部材との対向側とは反対側に、第三の取付部材を重ね合わせて、一体的に組み付けると共に、該第一の取付部材における前記両側の側部と、該両側の側部にそれぞれ重ね合わされる該第三の取付部材の重合せ部とに、それらをそれぞれ貫通する透孔を設け、更に、該第三の取付部材に対して、該第一の取付部材との重合せ側とは反対側から該透孔を閉塞する可撓性膜を固着して、該可撓性膜と前記支持ゴム弾性体との間に支持された仕切り部材を挟んだ両側に、該支持ゴム弾性体により壁部の一部が構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される、内部に非圧縮性流体が封入された受圧室と、前記可撓性膜で壁部の一部が構成されて、該可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流体が封入された平衡室とを形成する一方、それら受圧室と平衡室とを相互に連通するオリフィス通路を設けたことを特徴とする防振装置にある。
また、かかる本発明に従う防振装置の好ましい態様に一つによれば、前記仕切り部材が、前記受圧室内と前記平衡室内とにそれぞれ開口する両端開口部を備えた筒状部を有してなり、前記オリフィス通路が、該筒状部にて構成されることとなる。
さらに、本発明に従う防振装置の望ましい態様の一つによれば、前記仕切り部材の筒状部が、ゴム弾性体にて構成される。
更にまた、本発明に従う防振装置の別の好ましい態様の一つによれば、前記仕切り部材の筒状部が、前記受圧室内に位置する先端部分を有すると共に、該先端部分に、軸方向に交差する方向に突出する突出部が一体形成されて、該突出部の先端面と該受圧室の内壁面との間に、狭窄部が設けられる。
また、本発明に従う防振装置の更に別の好ましい態様の一つによれば、前記仕切り部材が、一方の面において、前記受圧室内の非圧縮性流体に接触する一方、他方の面において、前記平衡室内の非圧縮性流体に接触する、ゴム弾性体からなる板状仕切り部を有し、該板状仕切り部が、該受圧室と該平衡室との流体圧差によって弾性変形せしめられ得るように構成される。
さらに、本発明に従う防振装置の別の望ましい態様の一つによれば、前記仕切り部材の全体が、ゴム弾性体にて構成される。
更にまた、本発明に従う防振装置の更に別の望ましい態様の一つによれば、前記仕切り部材が、外周部において、前記第一の取付部材における前記透孔の周縁部と、前記第三の取付部材における前記透孔の周縁部との間で挟持されることにより、前記可撓性膜と前記支持ゴム弾性体との間に支持されるように構成される。
そして、本発明にあっては、防振装置の製造方法に係る課題を解決するために、前記請求項1乃至請求項6のうちの何れか1項に記載の防振装置を製造する方法であって、(a)前記両側の側部に前記透孔がそれぞれ設けられた前記第一の取付部材と、前記第二の取付部材とが、前記一対のゴム弾性体にて連結されてなる第一の一体加硫成形品を準備する工程と、(b)前記第一の取付部材における前記両側の側部が重ね合わされる前記重合せ部に、前記透孔がそれぞれ設けられた前記第三の取付部材に対して、前記可撓性膜が固着されてなる第二の一体加硫成形品を準備する工程と、(c)前記受圧室と前記平衡室とにそれぞれ封入されるべき流体中で、前記第一の一体加硫成形品における前記第一の取付部材と、前記第二の一体加硫成形品における前記第三の取付部材とを、前記透孔同士が対応し、且つ前記仕切り部材が前記支持ゴム弾性体と前記可撓性膜との間に支持されて配置されるように、前記支持ゴム弾性体との連結側とは反対側の面と、前記可撓性膜の固着側とは反対側の面とにおいて流体密に重ね合わて、前記受圧室と前記平衡室とを内部に形成した状態で、該第一の一体加硫成形品と該第二の一体加硫成形品とを一体的に組み付ける工程とを含むことを特徴とする防振装置の製造方法を、その要旨とするものである。
なお、本発明は、前記した課題又は明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、上記に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、上記に記載の各態様は、任意の組み合わせにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、上記に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて認識され得るものであることが、理解されるべきである。
要するに、本発明に従う防振装置にあっては、実質的に、振動入力方向に対して直角な方向に並列配置された2個の流体封入式防振装置を含んで構成されている。これにより、それら各流体封入式防振装置において、振動入力時における受圧室の内圧変動によりオリフィス通路を通じて流動せしめられる非圧縮性流体の共振作用に基づいて、優れた防振効果が、容易に得られることとなる。
また、かかる本発明装置においては、2個の流体封入式防振装置が、互いに独立した構造をもって構成されているため、2個の流体封入式防振装置のそれぞれにおけるオリフィス通路における流路断面積:Aと流路長さ:Lとの比の値:A/Lを、何等の制約もなしに、互いに異なる大きさにおいて調節することが出来る。そして、それによって、例えば、一方の流体封入式防振装置において、低周波振動に対する高減衰特性が発揮される一方、他方の流体封入式防振装置において、中、高周波振動に対する低動ばね特性が発揮されるように為すことが可能となり、以て、周波数や振幅の異なる複数種類の入力振動に対して、それぞれ、有効な防振効果が得られることとなる。
しかも、本発明装置では、そのような幅広い防振効果が同様に得られる、例えば、従来のアクティブ制御型の防振装置とは異なって、電歪素子や、給電制御を行うための制御装置が、何等設けられておらず、それ故、かかる従来のアクティブ制御型の防振装置に比して、安価で且つ簡略な構造と為され得る。
そして、本発明に係る防振装置においては、一対の支持ゴム弾性体にて相互に連結された第一及び第二の取付部材のうちの第一の取付部材と、二つの可撓性膜が固着された第三の取付部材とが、互いに重ね合わされて、一体的に組み付けられて、構成されている。それ故、例えば、かかる防振装置の製作に際して、非圧縮性流体中において、仕切り部材を、可撓性膜と支持ゴム弾性体との間に挟まれるように配置した状態で、第一の取付部材と第三の取付部材とを互いに重ね合わせて、一体的に組み付けることが出来る。これによって、仕切り部材を、可撓性膜と支持ゴム弾性体との間に確実に支持させつつ、残留空気が全く存在しない受圧室と平衡室とを、極めて容易に形成することが可能となり、また、それら受圧室と平衡室とを形成すると同時に、それら両室内部に、非圧縮性流体を封入することが出来、以て、優れた製作性が、有利に発揮され得るようになる。
従って、かくの如き本発明に従う防振装置にあっては、支持ゴム弾性体の入力振動に対する弾性変形だけでは得られ難い、より優れた防振効果が、簡略で且つ製作が容易な構造において、しかも安価に得ることが出来るのである。
また、本発明に従う防振装置の製造方法にあっては、単に、非圧縮性流体中で、仕切り部材を、第一の一体加硫成形品と第二の一体加硫成形品との間に配置して、それら第一及び第二の一体加硫成形品を互いに重ね合わせて、一体的に組み付ける操作を行うだけで、、仕切り部材を、可撓性膜と支持ゴム弾性体との間に確実に支持させつつ、残留空気が全く存在しない受圧室と平衡室とを、極めて容易に形成することが出来、また、それら受圧室と平衡室の形成と同時に、両室内部に、非圧縮性流体を封入させることが出来る。
従って、かくの如き本発明に従う防振装置の製造方法によれば、上述せる如き優れた防振効果を発揮する防振装置が、優れた製作性をもって、容易に且つ確実に得られることとなる。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1及び図2には、本発明に従う防振装置の一実施形態としてのFR型自動車用のエンジンマウントが、切断方向が互いに直交する二つの縦断面形態において、それぞれ、概略的に示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態の防振装置は、図1の上下方向において互いに所定距離を隔てて対向配置された、第一の取付部材たる第一の取付金具10と、第二の取付部材たる第二の取付金具12とを有している。そして、かかる第一及び第二の取付金具10,12が、それら両金具10,12の間に介装された一対の支持ゴム弾性体14,14によって、弾性的に連結されている。なお、以下からは、便宜上、第一の取付金具10側(図1における上側)を上側、第二の取付金具12側(図1における下側)を下側と言うこととする。
より具体的には、第一の取付金具10は、図1乃至図3に示される如く、略薄肉の長手矩形板形状を有している。そして、その中央部には、略矩形状の窓部16が設けられており、また、かかる中央部の下面には、U字状乃至はコ字状の金属板からなる第一のストッパ金具20が、下方に凸となる向きで、第一の取付金具10の長手方向において窓部16を跨いで延びるように配置された状態で、一体形成されている。なお、この第一のストッパ金具20は、前記一対の支持ゴム弾性体14,14から一体に延びる緩衝ゴム膜21にて、全体が被覆されている。
また、かかる第一の取付金具10における窓部16から長手方向の両側にそれぞれ等距離を隔てて位置する側部には、略矩形状を呈する透孔22が、各側部を板厚方向に貫通して、各々形成されており、この透孔22の周縁部には、上方に開口する凹溝24が、全周に亘って周方向に連続して延びるように形成されている。更に、かかる透孔22が設けられた各側部の三つの側面には、板状かしめ部26が、それぞれ所定幅をもって一体的に設けられている。
そして、このような第一の取付金具10においては、窓部16を間に挟んだ幅方向の両側に、ボルト挿通孔18が、それぞれ2個ずつ、合計4個穿設されており、これらのボルト挿通孔18にそれぞれ挿通された取付ボルト(図示せず)にて、例えばエンジンやミッションに取り付けられるようになっている。
また、第二の取付金具12も、第一の取付金具10と略同じ大きさを有する、略厚肉の長手矩形板形状を呈している。この第二の取付金具12にあっては、第一の取付金具10との対向配置下において、窓部16の下方に位置する長手方向の中央部が、窓部16の幅(第一及び第二の取付金具10,12の幅方向と同一の方向の寸法)よりも小さく且つ前記第一のストッパ金具20よりも大きな幅を有する狭幅部28とされている。そして、かかる狭幅部28には、第二のストッパ金具30が、第一の取付金具10と第二の取付金具12との間に位置せしめられた状態で、固着されている。
この第二のストッパ金具30は、全体として、コ字状を呈するの金属板からなり、狭幅部28を間に挟んで、その幅方向に対向位置せしめられた2個の取付板部32,32と、狭幅部28の上方に、それと所定距離を隔てて対向位置せしめられて、2個の取付板部32,32の上端部同士を相互に連結する連結板部34とを一体的に有している。そして、かかる第二のストッパ金具30が、2個の取付板部32,32の下端部内面において、狭幅部28の側面に対して、溶接等により固着されているのである。なお、かかる第二のストッパ金具30は、第一の取付金具10に設けられた窓部16と、後述する第三の取付金具42に形成された窓部46とを通過して、第一の取付金具10と第二の取付金具12との間に位置せしめられるようになる。
また、そのような第二のストッパ金具30の内側には、第一の取付金具10に一体形成された前記第一のストッパ金具20が、狭幅部28と第二のストッパ金具30の連結板部34との対向面間に、それらと所定距離を隔てて位置せしめられた状態で、挿通されている。これによって、後述する如く、第一の取付金具10と第二の取付金具12との対向方向への振動入力時における両金具10,12の過大変位が、狭幅部28や第二のストッパ金具30の連結板部34に対する第一のストッパ金具20の、緩衝ゴム膜21を介しての当接によって阻止され得るようになっている。
そして、かかる第二の取付金具12においては、狭幅部28を間に挟んだ長手方向の両側部位の下面に、取付ボルト36が、それぞれ2個ずつ、合計4個(図1及び図2には、それぞれ2個のみを示した)、一体的に立設されており、これらの取付ボルト36によって、例えば車体(図示せず)に取り付けられるようになっている。
一方、上記の如き構造を有する第一の取付金具10と第二の取付金具12との間に介装された一対の支持ゴム弾性体14,14は、何れも、矩形のブロック形状を有している。そして、ここでは、特に、それら各支持ゴム弾性体14に対して、第一の取付金具10側の上面において開口する凹部38が、第二の取付金具12側の下端部まで達する深さをもって、それぞれ設けられている。また、かかる凹部38は、支持ゴム弾性体14の一部からなる厚肉の側壁部にて囲まれて、その開口部が、第一の取付金具10に設けられた前記透孔22よりも一周り小さな矩形形状とされている。
そして、このような一対の支持ゴム弾性体14,14が、その上端面と下端面とにおいて、第一の取付金具10における透孔22が設けられた長手方向の両側の側部と、かかる第一の取付金具10の各側部と対向位置する第二の取付金具12における長手方向両側の側部とに対して、それぞれ加硫接着されている。また、そのような加硫接着下において、各支持ゴム弾性体14の凹部38の開口部が、各透孔22に対応位置せしめられている。
これによって、第一の取付金具10と第二の取付金具12とが、互いに対向方向と直角な方向の両側に位置する側部同士において、一対の支持ゴム弾性体14,14により弾性的に連結されており、また、それら一対の支持ゴム弾性体14,14の各凹部38が、第一の取付金具10に設けられた各透孔22を通じて、上方に開口せしめられている。換言すれば、ここでは、第一の取付金具10と第二の取付金具12と一対の支持ゴム弾性体14,14とにて、一体加硫成形品が形成されており、また、それが、各支持ゴム弾性体14に、第一の取付金具10の各透孔22を通じて上方に開口する凹部38が設けられてなる第一の一体加硫成形品40とされているのである(図5参照)。
そして、図1及び図2に示されるように、本実施形態においては、特に、上記の如き構造を有する第一の一体加硫成形品40における第一の取付金具10に対して、第三の取付部材としての第三の取付金具42が一体的に組み付けられていると共に、各支持ゴム弾性体14の凹部38が、かかる第三の取付金具42に固着された、可撓性膜としての一対のダイヤフラム44にて、それぞれ流体密に覆蓋されている。
より詳細には、図1、図2、及び図4から明らかな如く、第三の取付金具42は、全体として、第一の取付金具10と略同じ大きさを有する厚肉の長手矩形板形状を呈している。そして、その中央部には、第一の取付金具10に設けられた前記窓部16と同じ大きさ及び形状の窓部46が設けられており、また、この窓部46の間に挟んだ幅方向の両側には、第一の取付金具10をエンジン等に取り付けるための前記取付ボルトが挿通されるボルト挿通孔48が、それぞれ2個ずつ、合計4個設けられている。
さらに、かかる第三の取付金具42においては、窓部46から長手方向の両側にそれぞれ等距離を隔てて位置する側部に、略矩形状を呈する透孔50が、各側部を板厚方向に貫通して、各々形成されている。また、この透孔50は、第一の取付金具10における長手方向両側の側部にそれぞれ設けられた前記透孔22よりも一周り小さな大きさを有している。
そして、そのような第三の取付金具42の透孔50が設けられた長手方向の両側の側部のそれぞれに対して、ダイヤフラム44が、加硫接着されている。このダイヤフラム44は、全体として、略矩形状の袋形態を有し、内側が、所定の容積を有する凹所52とされている。また、かかるダイヤフラム44にあっては、弾性変形(伸縮)が容易なゴム薄膜からなり、それによって、凹所52の容積が、比較的に容易に変化せしめられ得るようになっている。
そして、このようなダイヤフラム44が、凹所52の底部側部位を第三の取付金具42の上面側に配置させた状態で、凹所52の開口周縁部において、第三の取付金具42の各透孔50の内周面と、第三の取付金具42の上面における各透孔50の開口周縁部とに対して、それらを、全周に亘ってそれぞれ取り巻くようにして、一体的に固着されている。
かくして、第三の取付金具42の各透孔50が、各ダイヤフラム44にて、第三の取付金具42の上面側から覆蓋乃至は閉塞される一方、各ダイヤフラム44の内側の凹所52が、各透孔50を通じて、下方に開口せしめられている。即ち、ここでは、第三の取付金具42と一対のダイヤフラム44,44とにて、一体加硫成形品が形成されており、また、それが、一対のダイヤフラム44に、第三の取付金具42の各透孔50を通じて、下方に開口する凹所52が設けられてなる第二の一体加硫成形品54とされているのである(図6参照)。
そして、本実施形態では、そのような第二の一体加硫成形品54における第三の取付金具42と、前記第一の一体加硫成形品40における第一の取付金具10とが、前者を上側に位置せしめると共に、各取付金具42,10のそれぞれの両側側部にそれぞれ設けられた透孔50,22同士を互いに対応位置させた状態で、互いに重ね合わされ、また、そのような重合せ状態下で、第三の取付金具42における両側側部の外周部が、第一の取付金具10における両側側部の外周部の三個所にそれぞれ一体形成された板状かしめ部26により、かしめ固定されている。
これによって、第三の取付金具42が、第一の取付金具10における第二の取付金具12との対向側とは反対側の上面に対して、重ね合わされて、一体的に組み付けられていると共に、各支持ゴム弾性体14の凹部38における透孔22を通じて上方に開口する開口部が、各ダイヤフラム44にて流体密に覆蓋乃至は閉塞せしめられている。また、そうして、第一及び第三の取付金具10,42における支持ゴム弾性体14やダイヤフラム44が固着された両側の側部に、支持ゴム弾性体14の凹部38とダイヤフラム44の凹所52とからなる密閉空間55a,55bが、それぞれ配設されている。
そして、かかる本実施形態のエンジンマウントにおいては、長手方向の両側の側部に設けられた密閉空間55a,55bのそれぞれの内部に、それら各密閉空間55を、支持ゴム弾性体14の凹部38側とダイヤフラム44の凹所52側とに二つに仕切る仕切り部材56が、位置固定に配設されている。
この仕切り部材56は、その全体がゴム弾性体からなり、図1乃至図3に示されるように、比較的に薄肉の平板形態を呈する板状仕切り部58と、この板状仕切り部58の中心部に、下方に向かって所定高さで一体的に突設された筒状部60とを有している。
そして、板状仕切り部58は、支持ゴム弾性体14の凹部38やダイヤフラム44の凹所52のそれぞれの開口部よりも所定寸法大きな矩形形状を有し、上面や下面に作用せしめられる押圧力によって、板厚方向に弾性変形可能とされている。また、この板状仕切り部58の下面の外周部には、所定高さ突出し、且つ全周に亘って周方向に連続して延びる突条62が、一体形成されている。
一方、筒状部60は、薄肉円筒形状を呈し、他部材との接触により、比較的に容易に弾性変形可能とされている。また、かかる筒状部60にあっては、上端開口部が、板状仕切り部58の中心部の上面において上方に開口せしめられている一方、下端開口部が、筒状部60の先端部において、下方に向かって開口せしめられている。
そして、そのような仕切り部材56が、前記各密閉空間55内で、板状仕切り部58の外周部に設けられた突条62を、第一の取付金具10の透孔22の周縁部に設けられた前記凹溝24内に嵌入させた状態で、板状仕切り部58の外周部において、かかる凹溝24の内面と第三の取付金具42の下面における前記透孔50の周縁部との間や、支持ゴム弾性体14の上端面とダイヤフラム44の下端面との間で挟持されており、以て、仕切り部材56が、支持ゴム弾性体14とダイヤフラム44との間において、容易に且つ確実に位置固定に支持されているのである。
かくして、本実施形態のエンジンマウントでは、長手方向の両側の側部において、支持ゴム弾性体14とダイヤフラム44との間に設けられた二つの密閉空間55a,55bのそれぞれが、仕切り部材56の板状仕切り部58にて、支持ゴム弾性体14の凹部38側とダイヤフラム44の凹所52側とに二つに仕切られている。そして、それによって、それら各密閉空間55内において、板状仕切り部58を間に挟んだ支持ゴム弾性体14側に、支持ゴム弾性体14の凹部38からなり、かかる凹部38の内面にて内壁面が構成された受圧室64が形成されている一方、かかる受圧室64とは反対側に、ダイヤフラム44の凹所52からなり、かかる凹所52の内面にて内壁面が構成された平衡室66が、形成されているのである。
また、ここでは、仕切り部材56が、各密閉空間55内において上記の如き配置形態とされていることで、この仕切り部材56における筒状部60の全体が、受圧室64内に位置せしめられている。そして、その上端開口部が、受圧室64内に開口せしめられている一方、その下端開口部が、平衡室66内に開口せしめられて、それら受圧室64と平衡室66とが、筒状部60の内孔にて相互に連通せしめられており、以て、かかる筒状部60筒状部60の内孔にて、受圧室64と平衡室66とを互いに連通せしめるオリフィス通路68が、形成されている。そして、そのような受圧室64と平衡室66のそれぞれの内部に、例えば、水やアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、シリコーンオイル等の非圧縮性流体70が、それぞれ封入されている。
これによって、本実施形態のエンジンマウントにおいては、第一の取付金具10と第二の取付金具12との間に、上下方向の振動が入力せしめられた際に、長手方向両側の側部にそれぞれ位置する各支持ゴム弾性体14の弾性変形に伴って、受圧室64において内圧変動が惹起されるようになっている一方、そのような内圧変動により、受圧室64内の非圧縮性流体70が、オリフィス通路68を通じて、平衡室66内に流れ込むことで、ダイヤフラム44が、膨張するように弾性変形し、平衡室66の容積の増大が容易に許容されるようになっている。
そして、ここでは、特に、エンジンマウントの長手方向両側の側部のうちの一方に設けられた密閉空間55a内の受圧室64と平衡室66とを連通するオリフィス通路68aと、それらのうちの他方に設けられた密閉空間55bの受圧室64と平衡室66とを連通するオリフィス通路68bとが、同一の流路断面積を有するものの、流路長さにおいて、前者の方が長くされている。即ち、二つの密閉空間55a,55b内にそれぞれ配置される仕切り部材56,56の各筒状部60が、同一の内径と互いに異なる高さを有して、構成されている。そうして、一方の密閉空間55a内に配置された仕切り部材56の筒状部60の内孔からなるオリフィス通路68aの流路断面積:Aと流路長さ:Lとの比の値:A/Lが、他方の密閉空間55b内に配置された仕切り部材56の筒状部60の内孔からなるオリフィス通路68bの流路断面積:Aと流路長さ:Lとの比の値:A/Lよりも小さくされて、特に、前者が、低周波数域にチューニングされている一方、後者が、中乃至は高周波数域にチューニングされている。
これによって、本実施形態のエンジンマウントにおいては、シェイク等の低周波振動が入力された際に、オリフィス通路68aを通じて流動せしめられる非圧縮性流体70の共振作用に基づいて有効な防振効果が発揮されるようになっている一方、アイドリング等の中乃至は高周波振動が入力された際に、オリフィス通路68bを通じて流動せしめられる非圧縮性流体70の共振作用に基づいて有効な防振効果が発揮されるようになっている。
また、本実施形態では、仕切り部材56の板状仕切り部58が、その上面において、受圧室64内の非圧縮性流体70に接触せしめられる一方、その下面において、平衡室66内の非圧縮性流体70と接触せしめられている。そのため、高周波振動の入力により、受圧室64内の非圧縮性流体70の圧力が板状仕切り部58に作用すると、板状仕切り部58が、平衡室66側に膨らむように弾性的に微小変形せしめられて、受圧室64側の圧力が平衡室66側に伝えられて、受圧室64の内圧上昇が軽減乃至は防止されるようになっている。
そして、これにより、かかる本実施形態のエンジンマウントにおいては、例えば、こもり音等の高周波小振幅振動が入力された際に、長手方向両側に設けられた二つの密閉空間55a,55bのそれぞれの内部において、上記の如き板状仕切り部58の弾性的な微小変形による受圧室64の内圧上昇の抑制作用が有利に惹起され、以て、各支持ゴム弾性体14のばね特性が効果的に利用され得るようになる。そして、その結果、マウント全体としての動ばね定数が低く為され得て、高周波振動に対する有効な防振効果が発揮されるようになっているのである。
なお、前記せるように、本実施形態では、板状仕切り部58の外周部が、突条62を前記凹溝24内に嵌入させた状態で、凹溝24の内面と第三の取付金具42の下面における前記透孔50の周縁部との間や、支持ゴム弾性体14の上端面とダイヤフラム44の下端面との間で挟持されているため、オリフィス通路68を通じての非圧縮性流体70の流動時や板状仕切り部58の弾性的な微小変形時にも、板状仕切り部58(仕切り部材56)外周部での十分なシール性が確保されると共に、板状仕切り部58の挟持部からの抜け出しが有利に防止され得るようになっている。
ところで、このような構造を有するエンジンマウントは、例えば、以下のようにして、製造される。
すなわち、先ず、図5に示される如き第一の一体加硫成形品40が、準備される。この第一の一体加硫成形品40は、例えば、一方の面に、第一のストッパ金具20が、溶接等により一体的に固着された第一の取付金具10と、一方の面に、複数(ここでは4個)の取付ボルト36が、溶接等により一体的に立設された第二の取付金具12とを用いて、例えば、公知の金型成形手法等を実施することにより、容易に製造されて。準備される。
また、そのようにして第一の一体加硫成形品40を準備するのとは別に、図6に示される如き第二の一体加硫成形品54が、準備される。この第二の一体加硫成形品54も、例えば、第三の取付金具42を用いた、公知の金型成形手法等を実施することにより、容易に製造されて、準備されることとなる。
次に、図7に示される如く、先に準備された第一の一体加硫成形品40が、目的とするエンジンマウントに形成される受圧室64や平衡室66の内部に封入されるべき非圧縮性流体70中に沈められ、かかる非圧縮性流体70中で、2個の仕切り部材56,56が、第一の一体加硫成形品40における第一の取付金具10に対して、2個の透孔22,22をそれぞれ覆蓋するように、支持される。
このとき、各仕切り部材56の外周部に一体形成された突条62が、各透孔22の周縁部に設けられた凹溝24内に、それぞれ嵌入される。また、各仕切り部材56の中心部に一体形成された筒状部60が、各支持ゴム弾性体14の凹部38内において、その底部側に向かって延びるように位置せしめられる。
その後、図8に示されるように、第一の一体加硫成形品40が沈められた非圧縮性流体70中に、先に準備された第二の一体加硫成形品54も沈められる。そして、かかる非圧縮性流体70中で、第一の40一体加硫成形品40における第一の取付金具12の上面に対して、第二の一体加硫成形品54における第三の取付金具42が、重ね合わされる。
このとき、第一の取付金具12の中央部と第三の取付金具42の中央部とにそれぞれ設けられた窓部16,46やボルト挿通孔18,48が、互いに同軸的に位置せしめられる。また、それら両取付金具12,42の長手方向両側の側部にそれぞれ設けられた透孔22,50も、各々同軸的に位置せしめられて、各支持ゴム弾性体14の凹部38と各ダイヤフラム44の凹所52との間に、非圧縮性流体70が充填された密閉空間55a,55bが、各々形成される。
そして、2個の仕切り部材56,56の各突条62が、第一の取付金具10の凹溝24の内面に対して上方以外において係合せしめられた状態で、かかる内面と、この凹溝24を覆蓋するように位置せしめられた第二の取付金具42における各透孔50の周縁部の下面との間で、十分なシール性をもって確実に挟持される。これにより、非圧縮性流体70が充填された密閉空間55a,55bが、それぞれ、仕切り部材56の板状仕切り部58を間に挟んで、支持ゴム弾性体14の凹部38側とダイヤフラム44の凹所52側とに、二つに仕切られる。
次いで、図8に二点鎖線で示されるように、非圧縮性流体70中で、第一の取付金具10のかしめ板部26に対するかしめ加工が、公知の手法により実施され、かかるかしめ板部26にて、第三の取付金具42が、第一の取付金具10に対して、一体的に組み付けられる。これによって、各密閉空間55を二つに仕切る仕切り部材56が、その外周部において、第一及び第三の取付金具10,42における各透孔22,50の周縁部同士の間で、十分なシール性をもって挟圧保持される。以て、各密閉空間55内に、残留空気が存在しない、非圧縮性流体70のみが封入された受圧室64と平衡室66とが、仕切り部材56の板状仕切り部58を間に挟んだ両側に、それぞれ外部に対して流体密とされた状態で形成され、また、それと同時に、そのような受圧室64と平衡室66とを備えた第一の一体加硫成形品40と第二の一体加硫成形品54との一体組付品が、得られる。
その後、そのような一体組付品が、非圧縮性流体70から取り出された後、この一体組付品における第二の取付金具12の狭幅部28に対して、第二のストッパ金具30が溶接等により固着される。そうして、図1に示される如き構造を有する、目的とするエンジンマウントが得られることとなる。
このように、本実施形態のエンジンマウントにあっては、単に、非圧縮性流体70中で、予め準備された第一の一体加硫成形品40における第一の取付金具10と、それとは別に準備された第二の一体加硫成形品54における第三の取付金具42とを、2個の仕切り部材56,56を間に挟んで互いに重ね合わせた後、各かしめ板部26に対するかしめ加工を行うだけの比較的に単純な作業にて、容易に得られる。しかも、受圧室64と平衡室66とを形成すると同時に、それら両室内部に、非圧縮性流体70を封入させることが出来る。
そして、かかるエンジンマウントにおいては、前述せるように、仕切り部材56に一体形成された筒状部62の内孔からなるオリフィス通路68a,68bを通じての非圧縮性流体70の流動作用と、かかる仕切り部材56における板状仕切り部58の弾性的な微小変形によって惹起される低動ばね特性とに基づいて、周波数や振幅の大きさが互いに異なる振動に対して、幅広い防振効果が、有利に発揮され得る。しかも、そのような優れた防振効果を得るために、単に、筒状部60と板状仕切り部58とを一体的に備えた仕切り部材56が設けられるだけで、例えば、従来装置に設置される電歪阻止や給電制御装置等の高価で且つ構造の複雑な部品や部材が、何等設けられていない。
従って、かくの如き本実施形態によれば、支持ゴム弾性体14の入力振動に対する弾性変形だけでは到底得られない、より優れた防振効果が、簡略で且つ製作が容易な構造において、しかも安価に得ることが出来るのである。
また、本実施形態のエンジンマウントにおいては、仕切り部材56の全体がゴム弾性体にて構成されているところから、例えば二つの金具を組み付けて構成された従来品に比して、製作が容易とされている。また、かかる仕切り部材56に一体形成された筒状部60が、薄肉円筒状のゴム部材にて構成される。そのため、例えば、振動入力に伴う支持ゴム弾性体14の弾性変形により、かかる支持ゴム弾性体14の内壁面が筒状部60に接触せしめられたときに、筒状部60の支持ゴム弾性体14との接触部分が容易に弾性変形せしめられるようになり、以て、それら支持ゴム弾性体14と筒状部60とが互いの接触により損傷するようなことが、効果的に防止され得る。そして、その結果として、使用耐久性が、有利に高められ得ることとなる。
さらに、本実施形態では、仕切り部材56に一体形成された筒状部60の内孔にて、オリフィス通路68が形成されて、仕切り部材56とオリフィス通路68とが、単に一つの部材にて構成されているところから、オリフィス通路68を、仕切り部材56とは別個の部材に設けたり、或いは仕切り部材56を複数の部材からなる組付品にて構成して、それら複数の部材の間に形成する場合とは異なって、オリフィス通路68を形成するための部材の点数が有利に削減され得る。そして、それにより、エンジンマウント全体の構造の簡略化や製造コストの低下、更には製作性の向上等が、有利に図られ得る。
次に、図9には、前記せる第一の実施形態とは、仕切り部材の構造が部分的に異なる別の実施形態が、示されている。なお、この図9に示された本実施形態に関しては、前記第一の実施形態と同様な構造を有する部材及び部位について、図1乃至図8と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明は省略した。
すなわち、図9から明らかなように、本実施形態のエンジンマウントにあっては、全体がゴム弾性体からなる仕切り部材56の筒状部60の全体が、受圧室64内に位置せしめられている。そして、この筒状部60の下側の先端側部分が、所定長さに亘って、径方向外方に向かって膨出するように厚肉化され、それにより、かかる先端側の厚肉部分が、軸直角方向に突出する突出部72とされている。また、そのような突出部72が形成されていることで、筒状部60の突出部72の外周面(突出側に先端面)と、それに対向する支持ゴム弾性体14の内壁面との間に、環状乃至は筒状の狭窄部74が、形成されている。
かくして、かかるエンジンマウントにおいては、振動入力により支持ゴム弾性体14が弾性変形せしめられた際に、受圧室64内で、狭窄部74を通じての非圧縮性流体70の流動が生ぜしめられ得るようになっている。そして、ここでは、この狭窄部74を通じて流動せしめられる非圧縮性流体70の共振作用に基づいて、高速こもり音等の高周波振動の入力時に低動ばね効果が発揮されるように、狭窄部74の大きさ(突出部72)の大きさ等がチューニングされている。
従って、かの如き本実施形態にあっては、前記第一の実施形態において奏される作用・効果に加えて、高速こもり音等の高周波振動に対する優れた防振効果が発揮され得るといった更に十分な防振性能が確保され得るのである。
また、仕切り部材56の筒状部60に突出部72が一体形成されていることで、受圧室64内に狭窄部74が形成されているところから、例えば、そのような狭窄部74を設けるのに、仕切り部材56とは別個の部材を第一の取付金具10に配設する従来装置に比して、部品点数が有利に削減され得、それによって、構造の簡略化や製作性の向上、更には低コスト化が、有利に図られ得る。
しかも、全体がゴム弾性体からなる仕切り部材56の筒状部60に対して、突出部72が一体形成されていることで、かかる突出部72もゴム弾性体にて構成されている。そのため、例えば、振動入力に伴う支持ゴム弾性体14の弾性変形により、かかる支持ゴム弾性体14の内壁面が突出部72に接触せしめられたときに、突出部72の支持ゴム弾性体14との接触部分や筒状部60の全体が弾性変形せしめられるようになり、以て、それら支持ゴム弾性体14と突出部72とが互いの接触により損傷することが、効果的に防止され得る。そして、その結果として、使用耐久性が、有利に高められ得ることとなる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、かしめ板部26を第三の取付金具42に設けて、かかるかしめ板部26により、第三の取付金具42を第一の取付金具10に対して一体的に組み付けるように為すことも出来る。
また、それら第一の取付金具10と第三の取付金具42の一体的な組付構造は、かしめ板部26によるものに、特に限定されるものでないことは、勿論である。
さらに、前記実施形態では、仕切り部材56の全体がゴム弾性体にて構成されていたが、この仕切り部材56の全体、或いは一部を、ゴム弾性を有しない、例えば金属材料や合成樹脂材料等にて構成しても、何等差し支えない。
なお、仕切り部材56の一部をゴム弾性体にて構成する場合には、少なくとも、振動入力時に支持ゴム弾性体と接触する部分をゴム弾性体にて構成することが好ましく、それによって、仕切り部材と支持ゴム弾性体との接触による損傷を防止して、使用耐久性の向上が望まれ得る。また、仕切り部材の少なくとも一部をゴム弾性体にて構成する際に用いられる材料としては、一般的なゴム材料の他、例えば自己潤滑ゴム等が好適に用いられ、それによって、仕切り部材と支持ゴム弾性体との接触時における擦れ音等の発生も、効果的に防止され得ることとなる。
更にまた、第一乃至第三の取付部材を、例示された金具以外の樹脂製部材等にて構成しても良い。
また、各オリフィス通路68a,68bにおける流路断面積:Aと流路長さ:Lとの比の値:A/Lは、例示されるものに、何等限定されるものではなく、必要とされる防振特性等に応じて、適宜に変更され得るものである。
さらに、仕切り部材56の筒状部60に一体形成される突出部72の形状や大きさ等も、必要とされる防振特性等に応じて、適宜に変更され得るところである。
更にまた、前記実施形態では、防振装置たるエンジンマウントの製造に際して、第一の取付金具10(第一の一体加硫成形品40)と第二の取付金具42(第二の一体加硫成形品54)の一体的な組付操作が、非圧縮性流体70中で行われることで、受圧室64と平衡室66との形成と同時に、それら両室64,66の内部に、非圧縮性流体70がそれぞれ封入されるようになっていたが、例えば、かかる組付操作を非圧縮性流体70外で実施して、受圧室64と平衡室66とを形成した後、かかる組付操作とは別個の操作にて、それら両室64,66の内部に、非圧縮性流体70を注入し、封入するように為すことも出来る。勿論、その場合には、非圧縮性流体70を注入するための注入孔が、設けられることとなる。
加えて、前記実施形態では、本発明を、FR型自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、FR型自動車に設置されるエンジンマウント以外の防振装置や、FF型自動車に設置される各種の防振装置、更には自動車以外の防振装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う防振装置の一実施形態を示す縦断面説明図であって、図3のI−I断面に相当する図である。 図1におけるII−II断面説明図である。 図1におけるIII−III断面説明図である。 図1におけるIV矢視説明図である。 図1に示された防振装置の一部を構成する、支持ゴム弾性体と第一及び第二の取付部材とを含む一体加硫成形品を示す説明図である。 図1に示された防振装置の別の一部を構成する、可撓性膜と第三の取付部材とを含む一体加硫成形品を示す説明図である。 図1に示された防振装置を製造する工程の一例を示す説明図であって、非圧縮性流体中で、支持ゴム弾性体と第一及び第二の取付部材とを含む一体加硫成形品に対して、仕切り部材を支持させた状態を示している。 図7に示された工程に引き続いて実施される工程例を示す説明図であって、非圧縮性流体中で、支持ゴム弾性体と第一及び第二の取付部材とを含む一体加硫成形品と、可撓性膜と第三の取付部材とを含む一体加硫成形品とを一体的に組み付ける状態を示している。 本発明に従う防振装置の別の例を示す図1に対応する図である。
符号の説明
10 第一の取付金具 12 第二の取付金具
14 支持ゴム弾性体 22,50 透孔
26 板状かしめ部 38 凹部
40 第一の一体加硫成形品 42 第三の取付金具
44 ダイヤフラム 52 凹所
54 第二の一体加硫成形品 56 仕切り部材
58 板状仕切り部 60 筒状部
64 受圧室 66 平衡室
68 オリフィス通路 70 非圧縮性流体
72 突出部 74 狭窄部

Claims (8)

  1. 互いに所定距離を隔てて対向配置された第一の取付部材と第二の取付部材とを、それら両取付部材における互いの対向方向と直角な方向の両側に各々位置する側部同士の間にそれぞれ介装された一対の支持ゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振装置において、
    前記第一の取付部材における前記第二の取付部材との対向側とは反対側に、第三の取付部材を重ね合わせて、一体的に組み付けると共に、該第一の取付部材における前記両側の側部と、該両側の側部にそれぞれ重ね合わされる該第三の取付部材の重合せ部とに、それらをそれぞれ貫通する透孔を設け、更に、該第三の取付部材に対して、該第一の取付部材との重合せ側とは反対側から該透孔を閉塞する可撓性膜を固着して、該可撓性膜と前記支持ゴム弾性体との間に支持された仕切り部材を挟んだ両側に、該支持ゴム弾性体により壁部の一部が構成されて、振動入力時に内圧変動が惹起される、内部に非圧縮性流体が封入された受圧室と、前記可撓性膜で壁部の一部が構成されて、該可撓性膜の変形に基づいて容積変化が許容される、内部に所定の非圧縮性流体が封入された平衡室とを形成する一方、それら受圧室と平衡室とを相互に連通するオリフィス通路を設けたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記仕切り部材が、前記受圧室内と前記平衡室内とにそれぞれ開口する両端開口部を備えた筒状部を有してなり、前記オリフィス通路が、該筒状部にて構成されている請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記仕切り部材の筒状部が、ゴム弾性体からなっている請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記仕切り部材の筒状部が、前記受圧室内に位置する先端部分を有すると共に、該先端部分に、軸方向に交差する方向に突出する突出部が一体形成されて、該突出部の先端面と該受圧室の内壁面との間に、狭窄部が設けられている請求項2又は請求項3に記載の防振装置。
  5. 前記仕切り部材が、一方の面において、前記受圧室内の非圧縮性流体に接触する一方、他方の面において、前記平衡室内の非圧縮性流体に接触する、ゴム弾性体からなる板状仕切り部を有し、該板状仕切り部が、該受圧室と該平衡室との流体圧差によって弾性変形せしめられ得るようになっている請求項1乃至請求項4のうちの何れか1項に記載の防振装置。
  6. 前記仕切り部材の全体が、ゴム弾性体からなっている請求項1乃至請求項5のうちの何れか1項に記載の防振装置。
  7. 前記仕切り部材が、外周部において、前記第一の取付部材における前記透孔の周縁部と、前記第三の取付部材における前記透孔の周縁部との間で挟持されることにより、前記可撓性膜と前記支持ゴム弾性体との間に支持されている請求項1乃至請求項6のうちの何れか1項に記載の防振装置。
  8. 前記請求項1乃至請求項7のうちの何れか1項に記載の防振装置を製造する方法であって、
    前記両側の側部に前記透孔がそれぞれ設けられた前記第一の取付部材と、前記第二の取付部材とが、前記一対のゴム弾性体にて連結されてなる第一の一体加硫成形品を準備する工程と、
    前記第一の取付部材における前記両側の側部が重ね合わされる前記重合せ部に、前記透孔がそれぞれ設けられた前記第三の取付部材に対して、前記可撓性膜が固着されてなる第二の一体加硫成形品を準備する工程と、
    前記受圧室と前記平衡室とにそれぞれ封入されるべき流体中で、前記第一の一体加硫成形品における前記第一の取付部材と、前記第二の一体加硫成形品における前記第三の取付部材とを、前記透孔同士が対応し、且つ前記仕切り部材が前記支持ゴム弾性体と前記可撓性膜との間に支持されて配置されるように、前記支持ゴム弾性体との連結側とは反対側の面と、前記可撓性膜の固着側とは反対側の面とにおいて流体密に重ね合わて、前記受圧室と前記平衡室とを内部に形成した状態で、該第一の一体加硫成形品と該第二の一体加硫成形品とを一体的に組み付ける工程と、
    を含むことを特徴とする防振装置の製造方法。
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