JP2008025629A - 動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】滑らかに動力を伝達することができる動力伝達装置を提供する。
【解決手段】クラッチディスク5は、回転力が入力されることにより回転するように形成されているディスクプレート1,11と、回転力が出力可能に形成されているクラッチハブ21と、ディスクプレート1,11の回転力をクラッチハブ21に伝達するための押圧部材31とを備える。ディスクプレート1,11およびクラッチハブ21は、ほぼ同一の回転軸を有する。ディスクプレート1,11とクラッチハブ21との相対的な捩れ角度に対する、クラッチハブ21から出力されるトルクの大きさのグラフが、連続的な曲線状に変化する捩れ特性を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
動力伝達装置は、一の装置からの動力を他の装置に伝達するための装置である。動力伝達装置には、たとえば、自動車のクラッチ装置が挙げられる。クラッチ装置は、エンジンやモータなどの動力源と変速機との間に取付けられる装置である。クラッチ装置は、動力源からの動力を変速機に伝達したり、または、動力源と変速機との接続を遮断したりする機能を有する。
動力伝達装置には、動力入力部材と動力出力部材とを備え、動力入力部材または動力出力部材に急激に負荷変動があったときの衝撃を緩和するために、動力入力部材と動力出力部材との間にダンパ機構を備えるものがある。
たとえば、自動車の発進時において急激にクラッチペダルを操作した場合には、動力伝達装置において、大きな負荷が急激に動力源から変速機に伝達される。このときに生じる衝撃を小さくするために、ダンパ機構を備えるクラッチ装置がある。または、たとえば、ダンパ機構は、動力を伝達しているときの回転衝撃を和らげる機能を有する。
実開昭63−62633号公報においては、内周に出力軸結合部を有する出力部材と、出力部材と同芯で、かつ、半径方向外方に離間して配設した入力部材とを、円周方向等配で、かつ、交互に放射状に配設した、ばね部材と減衰装置とを備えるクラッチディスクが開示されている。
実公平5−19612号公報においては、クラッチハブとクラッチフェーシングを有するディスクプレートとを同一軸線上において相対捩れ変位可能に設け、クラッチハブに第1のダンパシートをピンを介して回動可能に支持するとともに、ディスクプレートに第2のダンパシートをピンを介して回動可能に支持し、両ダンパシートの間にコンプレッションスプリングをディスクの半径方向に配置されるように介在し、さらに両ダンパシートに相互に摩擦接触する接触部を形成したクラッチディスクの捩れ機構が開示されている。
また、特開2002−266943号公報においては、入力回転体とスプラインハブとダンパ部と大摩擦機構と摩擦抑制機構とを備えるクラッチディスク組立体が開示されている。このクラッチディスク組立体においては、ダンパ部が、入力回転体とスプラインハブとを回転方向に連結する第2ばねを有し、入力回転体がスプラインハブに対して回転方向駆動側に捩れた正側と、回転方向駆動側と反対側に捩れた負側とを含む捩り特性を有する。大摩擦機構は、入力回転体とスプラインハブが相対回転し第2ばねの弾性力が作用すると、摩擦を発生可能であり、摩擦抑制機構は、第2ばねの弾性力を所定角度範囲内では摩擦機構に作用させないための回転方向の隙間を捻り特性の正側と負側との一方のみで確保していると開示されている。
特開2001−304341号公報においては、多段特性を実現するクラッチディスク組立体が開示されている。このクラッチディスク組立体においては、2個のプレートを備え、2個のプレートは第1窓部と第2窓部とを有する。ハブフランジは、第1窓部と第2窓部とにそれぞれ対応する第1窓孔と第2窓孔とを有する。第1弾性部材組立体は、第1窓部と第1窓孔内に配置され、第1コイルスプリングと第1シート部材とを有する。第2弾性部材組立体は、第2窓部と第2窓孔内に配置され、第2コイルスプリングと第2シート部材とを有している。第1シート部材が第1窓孔から回転方向に隙間を空けることで、第1コイルスプリングは捩り特性において第2コイルスプリングが圧縮される領域の捩り角度の小さな領域では圧縮されず捩り角度の大きな領域で圧縮されると開示されている。
実開昭63−62633号公報 実公平5−19612号公報 特開2002−266943号公報 特開2001−304341号公報
図24に、従来の技術におけるクラッチ装置において、動力入力部材と動力出力部材との相対的な捩れ角度に対するトルクの関係を説明する第1のグラフを示す。横軸が捩れ角度を示し、縦軸が動力出力部材の出力トルクを示す。捩れ角度が大きくなるに従って、動力出力部材から出力されるトルクは大きくなる傾向にある。捩れ角度と出力トルクとは比例関係を有している。捩れ角度と出力トルクとのグラフは直線状になる。
図24に示すクラッチ装置においては、捩れ角度が−θ1以上+θ1以下の範囲内で、動力入力部材と動力出力部材とが捩れるように形成されている。捩れ角度が−θ1または+θ1になると、捩れが停止され動力入力部材に入力される動力の全てが動力出力部材から出力される。
従来の技術においては、この捩れ角度の範囲を広くすることが困難という問題があった。捩れ角度の範囲が小さいと、クラッチ装置において、クラッチ装置に接続される変速機の内部において、駆動系の遊転ギヤの歯打ち音がすることがあるという問題があった。すなわち、従来の技術におけるクラッチ装置は、駆動力を伝達していない浮遊状態にある歯車の歯打ち音の低減効率が悪いという問題があった。このような音は、ジャラ音と言われ、このジャラ音の低減効率が悪いという問題があった。
また、従来の技術におけるクラッチ装置においては、捩れ角度に対する出力トルクのグラフの形状は直線状であり、それぞれの捩れ角度における出力トルクの大きさを調整することが困難であるという問題があった。
図25に、従来の技術におけるクラッチ装置において、動力入力部材と動力出力部材との相対的な捩れ角度に対するトルクの関係を説明する第2のグラフを示す。上記の特開2001−304341号公報に開示されたクラッチ装置においては、捩れ角度に対する出力トルクの上昇率が途中で変化する多段の捩れ特性を有する。
図25を参照して、このクラッチ装置においては、捩れ角度が小さな領域では出力トルクは緩やかに上昇し、捩れ角度が所定の位置で出力トルクの上昇率が大きくなる捩れ特性を得ることができる。しかしながら、このクラッチ装置においても、捩れ角度の広角化が困難であるという問題があった。
さらに、このような多段の捩れ特性を有するクラッチ装置は、出力トルクの上昇率が変化する段差部(グラフの折れ曲がった部分)において、変速機の内部で駆動力を伝達しているギヤの歯打ち音がするという問題があった。この音は低周波の音であり、ガー音と言われる。たとえば、トルクがほぼ0のとき、または、ゆっくり減速しているときなどに、捩れ特性の段差部において、跳ね返りによるギヤ歯打ち音などの異音が発生することがあるという問題があった。
本発明は、滑らかに動力を伝達することができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明に基づく動力伝達装置は、回転力が入力されることにより回転するように形成されている動力入力部材を備える。回転力が出力可能に形成されている動力出力部材を備える。上記動力入力部材の回転力を上記動力出力部材に伝達するための伝達部材を備える。上記動力入力部材および上記動力出力部材は、ほぼ同一の回転軸を有する。上記動力入力部材と上記動力出力部材との相対的な捩れ角度に対する、上記動力出力部材から出力されるトルクの大きさのグラフが連続的な曲線状に変化する捩れ特性を有する。
上記発明において好ましくは、上記伝達部材は、上記動力出力部材および上記動力入力部材のうち、一方を押圧するために他方に配置された押圧部材を含む。上記押圧部材は、上記他方の回転の周方向に沿って略等間隔に配置されている。上記押圧部材は、上記一方を上記放射状に押圧するように付勢されている。上記動力入力部材と上記動力出力部材との相対的な捩れ角度に応じた上記押圧部材の押圧力によって、上記トルクの大きさが変化するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記一方は、平面視したときに角部を有するように形成されている。上記押圧部材は、上記一方の平面形状の辺に対応する端面に接触するように配置されている。上記押圧部材が上記角部を乗り越える動力が上記動力入力部材に入力されたときに、上記動力入力部材が上記動力出力部材に対して回転するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記一方は、平面視したときに角部を有するように形成されている。上記押圧部材は、上記一方の平面形状の辺に対応する端面に接触するように配置されている。上記押圧部材が上記角部を乗り越えないように形成された回転防止部を備える。
上記発明において好ましくは、上記押圧部材は、上記一方に接触する当接部を含む。上記当接部を、上記一方に向かって付勢するための弾性部を含む。
上記発明において好ましくは、上記一方は、平面形状が多角形に形成されている。上記押圧部材は、上記多角形の辺に対応する端面に接触している。
上記発明において好ましくは、上記一方は、上記多角形のそれぞれの辺が内側に向かって窪むように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記押圧部材は、コイルスプリングおよび板ばねのうち少なくとも一方を含む。
上記発明において好ましくは、上記伝達部材は、上記動力出力部材および上記動力入力部材に挟まれるように配置され、転がるように形成された転動部材を含む。上記動力出力部材および上記動力入力部材のうち、一方は高さが高い部分と低い部分とが連続的に形成されている高低部を有する。上記高低部は、上記一方の表面のうち、他方に対向する表面に回転の周方向に沿って形成されている。上記転動部材は、上記高低部に配置されている。上記動力出力部材および上記動力入力部材のうち、上記他方は上記転動部材を上記高低部に向かって押圧するための押圧部材を含む。上記動力入力部材と上記動力出力部材との相対的な捩れ角度に応じた上記押圧部材の押圧力によって、上記トルクの大きさが変化するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記転動部材が上記高低部のうち上記高い部分を乗り越える動力が上記動力入力部材に入力されたときに、上記動力入力部材が上記動力出力部材に対して相対的に回転するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記転動部材が上記高低部のうち上記高い部分を乗り越えないように形成された回転防止部を備える。
上記発明において好ましくは、上記転動部材は、球体、円柱状体およびテーパ状の柱状体のうち、少なくとも一の形状を有する。
上記発明において好ましくは、上記動力出力部材は、実質的に同一の回転軸の範囲内で、上記動力入力部材に対して回転の径方向に移動可能に形成されている。
本発明に基づく動力伝達装置は、回転力が入力されることにより回転するように形成されている動力入力部材を備える。回転力が出力可能に形成されている動力出力部材を備える。上記動力入力部材の回転力を上記動力出力部材に伝達するための伝達部材を備える。上記動力入力部材および上記動力出力部材は、ほぼ同一の回転軸を有する。所定の大きさを超える動力が上記動力入力部材に入力されたときに、上記動力入力部材が上記動力出力部材に対して無制限に回転するように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記動力入力部材と上記動力出力部材との相対的な捩れ角度に対する、上記動力出力部材から出力されるトルクの大きさが周期的に変化する捩れ特性を有する。
本発明によれば、滑らかに動力を伝達することができる動力伝達装置を提供することができる。
(実施の形態1)
図1から図11を参照して、本発明に基づく実施の形態1における動力伝達装置について説明する。動力伝達装置は、一の装置からの動力を他の装置に伝達するための装置である。本実施の形態においては、動力源からの回転力を対象機器に伝達する動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に備えられるクラッチ装置のクラッチディスクである。
図1は、本実施の形態におけるクラッチ装置の一部断面を含む側面図である。本実施の形態におけるクラッチ装置は、エンジンと変速機との間に配置され、エンジンで発生した動力を変速機に伝える装置である。また、クラッチ装置は、エンジンで発生した動力を変速機から切り離す装置である。本実施の形態におけるクラッチ装置は、いわゆる乾式単板式である。
クラッチ装置は、フライホイール62を備える。フライホイール62は、円板形状に形成されている。フライホイール62は、エンジンシャフト93に固定されている。フライホイール62は、回転可能に形成されている。エンジンシャフト93は、エンジンの回転力を出力するためのシャフトである。エンジンの回転力は、エンジンシャフト93を介してフライホイール62に伝達される。
クラッチ装置は、ハウジング94を有する。ハウジング(ケーシング)94には、クラッチレリーズフォーク51が取付けられている。クラッチレリーズフォーク51はクラッチレリーズシリンダ52およびスプリング53に接続されており、スプリング53により付勢されている。この付勢力に反発するようにクラッチレリーズシリンダ52が配置されている。
クラッチレリーズシリンダ52は、支柱91が回動中心になるように、クラッチレリーズフォーク51を矢印100で示す方向に押圧する。クラッチレリーズフォーク51は、一方端にクラッチレリーズシリンダ52が接触し、他方端にクラッチレリーズベアリング80が接触している。クラッチレリーズフォーク51は、回動可能に形成されている。クラッチレリーズフォーク51が回動することにより、クラッチレリーズベアリング80が軸方向に移動し、クラッチの接続および切断が行なわれる。
クラッチ装置は、クラッチディスク5を備える。クラッチ装置は、クラッチディスク5を押圧するためのプレッシャプレート90を備える。クラッチディスク5およびプレッシャプレート90は、ハウジング94の内部に配置されている。本実施の形態におけるクラッチディスク5は円板形状である。
本実施の形態におけるプレッシャプレート90は円環状に形成されている。プレッシャプレート90は、クラッチディスク5を一様な力でフライホイール62の側に押付けるように形成されている。プレッシャプレート90のうちクラッチディスク5と接触する面は平坦面に加工されている。
クラッチディスク5は、ディスクプレート1,11を含む。ディスクプレート1は、エンジン側に配置されているプレートであり、ディスクプレート11は、変速機側に配置されているプレートである。ディスクプレート1とディスクプレート11とは、互いに離れて配置されている。ディスクプレート1とディスクプレート11とは、スペーサ15によって間隔が定められている。クラッチディスク5の回転中心の部分には、インプットシャフト92を挿入するためのクラッチハブ21が配置されている。クラッチハブ21は、ディスクプレート1とディスクプレート11との間に配置されている。インプットシャフト92は、変速機に回転力を入力するためのシャフトである。
クラッチディスク5は、ディスクスプリング30を備える。クラッチディスク5は、クラッチライニング17,18を備える。ディスクスプリング30は、クッションプレートとも言われ、弾性を有するように形成されている。ディスクスプリング30は、内側の領域がディスクプレート1に固定されている。ディスクスプリング30は、外側の領域がクラッチライニング17,18に挟まれて、固定されている。
ディスクスプリング30には、クラッチフェーシングとしてのクラッチライニング17,18が固定されている。クラッチライニング17は、エンジン側に配置されているライニングであり、クラッチライニング18は、変速機側に配置されているライニングである。クラッチライニング17,18は、平面形状が円環状に形成されている。クラッチライニング17,18およびディスクスプリング30は、リベット16によって積層方向に固定されている。クラッチライニングは、適当な摩擦係数を保ち、耐摩耗性、耐熱性に優れ、接続時の温度変化に対して摩擦係数が変化しない材料により構成される。具体的には、ガラス繊維をベースとして樹脂加工を施したレジンモールド製やウーブンモールド製があり、さらに熱伝導率および強度の向上を図るための金属製のセミメタル、セラミック製であってもよい。
ダイヤフラムスプリング70は、プレッシャプレート90を介してクラッチディスク5をフライホイール62に押付けるための付勢部材である。ダイヤフラムスプリング70は、クラッチスプリングである。プレッシャプレート90は、ダイヤフラムスプリング70により、クラッチディスク5の側へ押圧されている。
本実施の形態におけるダイヤフラムスプリング70は、ばね鋼板をプレス成形した後、熱処理したものであり、1枚の円板状のスプリングである。本実施の形態では、クラッチスプリングとしてダイヤフラムスプリング70を用いているが、この形態に限られず、コイルスプリングが配置されていてもよい。
クラッチレリーズベアリング80は、ダイヤフラムスプリング70と接触可能に配置されている。クラッチレリーズベアリング80は、ダイヤフラムスプリング70を押圧可能に形成されている。クラッチレリーズベアリング80は、インプットシャフト92の回転を阻害することなくクラッチレリーズフォーク51によりインプットシャフト92を軸方向に動かすために設けられている。
クラッチレリーズフォーク51は、一方端がクラッチレリーズベアリング80に接続され、他方端がクラッチレリーズシリンダ52に接続されている。クラッチレリーズフォーク51はクラッチレリーズベアリング80を軸方向へ移動させるための部材であり、クラッチレリーズフォーク51の揺動により、クラッチディスク5とフライホイール62との接続および切断が行なわれる。ダイヤフラムスプリング70はクラッチカバー63内に収納され、かつピボットリング61により保持されている。ダイヤフラムスプリング70は、ピボットリング61が支点となりプレッシャプレート90を押圧することが可能である。
クラッチレリーズベアリング80がダイヤフラムスプリング70をある方向に移動させると、この運動の方向はピボットリング61により変換され、プレッシャプレート90はクラッチレリーズベアリング80と反対方向に移動する。たとえば、クラッチレリーズベアリング80がフライホイール62に近づく方向に移動するとプレッシャプレート90はフライホイール62から遠ざかる方向に移動する。
運転者がクラッチペダルを踏むと、この動作がクラッチレリーズシリンダ52に伝わり、クラッチレリーズシリンダ52の先端部がクラッチレリーズフォーク51を押す。これに伴い、クラッチレリーズフォーク51が支柱91を中心として回動して、クラッチレリーズフォーク51の先端部がクラッチレリーズベアリング80を押圧する。その結果、クラッチレリーズベアリング80がフライホイール62に向かって移動する。
クラッチレリーズベアリング80の移動はダイヤフラムスプリング70を介してプレッシャプレート90に伝えられる。図1において、クラッチレリーズベアリング80がフライホイール62に近づく方向へ移動すると、この移動がダイヤフラムスプリング70により変換され、プレッシャプレート90はフライホイール62から遠ざかる方向に移動する。これにより、プレッシャプレート90がクラッチディスク5をフライホイール62側へ押付ける力が弱くなってクラッチが切断される。
また、運転者がクラッチペダルから足を離すと、クラッチレリーズシリンダ52の先端部が引き込んで、スプリング53の付勢力により、クラッチレリーズベアリング80がフライホイール62から遠ざかる方向に移動する。ダイヤフラムスプリング70の付勢力により、プレッシャプレート90がクラッチディスク5をフライホイール62の側に押付けてクラッチが接続される。
フライホイール62に、クラッチディスク5が接触することにより、エンジンシャフト93の回転力がクラッチディスク5に伝達される。クラッチディスク5の回転力は、内部のクラッチハブ21を介して、インプットシャフト92に伝達される。このように、エンジンシャフト93の回転力がインプットシャフト92に伝達される。
本実施の形態では、支点としてのピボットリング61がプレッシャプレート90とダイヤフラムスプリング70との接触点よりも内側に配置されている、いわゆるプッシュ式のクラッチについて説明しているが、この形態に限られるものではなく、支点としてのピボットリング61がプレッシャプレート90とダイヤフラムスプリング70の接点よりも外側にある、いわゆるプル式のクラッチ装置に本発明を適用することも可能である。
さらに、クラッチレリーズシリンダ52によりクラッチレリーズフォーク51を駆動させる油圧式クラッチの例について示しているが、この形態に限られるものではなく、クラッチレリーズフォーク51をケーブルにより引く、いわゆるケーブル式のクラッチ装置に本発明を適用することが可能である。また、本実施の形態では、乾式単板のクラッチ装置について説明したが、湿式多板のクラッチ装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
図2に、本実施の形態におけるフライホイールとクラッチディスクとの部分の分解斜視図を示す。図2においては、ディスクスプリング30および変速機側に配置されるクラッチライニング18は、図示を省略している。フライホイール62とクラッチディスク5とは、回転軸がほぼ同一になるように配置されている。フライホイール62とクラッチディスク5とは、それぞれの回転軸がほぼ一直線上に配置されている。フライホイール62は、平面視したときに円形に形成され、この円形の中心にエンジンシャフト93が挿入される(図1参照)。
本実施の形態における第1のクラッチディスクとしてのクラッチディスク5は、動力入力部材としてのディスクプレート1,11を含む。クラッチディスク5は、動力出力部材としてのクラッチハブ21を含む。クラッチハブ21は、伝達部材としての押圧部材31を介して、ディスクプレート1の回転力が伝達されるように形成されている。
本実施の形態におけるディスクプレート1,11は、円板状に形成されている。本実施の形態においては、ディスクプレート1,11は、互いに同じ形状を有する。ディスクプレート1,11は、互いに対向するように配置されている。ディスクプレート1,11のそれぞれは、穴部1a,11aを有する。穴部1a,11aは、平面視したときに半径方向に伸びるように形成されている。穴部1a,11aは、平面形状が略長方形になるように形成されている。
ディスクプレート1,11のそれぞれは、ハブ挿通穴9,19を有する。ディスクプレート1,11は、クラッチハブ21を挟み込むように形成されている。ハブ挿通穴9,19は、クラッチハブ21のシャフト挿通部29が挿入可能に形成されている。ハブ挿通穴9,19は、ディスクプレート1が回転するときの回転軸上に形成されている。ハブ挿通穴9,19は、平面形状が円形になるように形成されている。本実施の形態におけるハブ挿通穴9,19は、内径がシャフト挿通部29の外径よりも大きくなるように形成されている。本実施の形態におけるハブ挿通穴9,19は、シャフト挿通部29とハブ挿通穴9,19との間にほぼ1mmの隙間が生じるように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスク5は、クラッチハブ21を押圧するための押圧部材31を備える。押圧部材31は、ディスクプレート1,11の穴部1a,11aに配置されている。押圧部材31は、矢印101に示すように、ディスクプレート1の回転軸に向かって付勢されている。押圧部材31は、クラッチハブ21を押圧する向きに付勢されている。押圧部材31は、ディスクプレート1の半径方向に延びるように配置されている。
押圧部材31は、クラッチハブ21に当接するための当接部31aを有する。本実施の形態における当接部31aは、球状に形成されている。押圧部材31は、当接部31aをクラッチハブ21に向かって付勢するための弾性部31bを有する。本実施の形態における弾性部31bは、コイルスプリングである。
押圧部材としては、この形態に限られず、クラッチハブを押圧するように形成されていれば構わない。たとえば、当接部は球状に限られず、円柱状に形成され、クラッチハブと接触する部分が半球状に形成されていても構わない。または、当接部は、ローラになるように形成されていても構わない。当接部は、当接部自体が回転可能に形成されていても構わない。
本実施の形態におけるディスクプレート1,11は、案内壁部1b,11bを有する。案内壁部1b,11bは、穴部1a,11aの縁から外側に向かって立設するように形成されている。案内壁部1bは、壁状に形成されている。案内壁部1b,11bは、当接部31aの形状に沿って形成されている。案内壁部1b,11bは、当接部31aおよび弾性部31bを支持するように形成されている。案内壁部1b,11bは、押圧部材31を挟み込むように形成されている。案内壁部1b,11bは、ディスクプレート1の半径方向に延びるように形成されている。
案内壁部1bおよび案内壁部11bとが互いに対向することにより、押圧部材31の当接部31aの移動空間および弾性部31bの配置空間が形成されている。弾性部31bの一方端は当接部31aに固定され、他方端は穴部1a,11aの内面に当接している。案内壁部1bおよび案内壁部11bは、それぞれの壁部同士の間を当接部31aが半径方向にスライド可能に支持できるように形成されている。
クラッチハブ21は、板状に形成されている。クラッチハブ21は、外周の端面に押圧部材31が当接するように配置されている。本実施の形態におけるクラッチハブ21は、端面が平面状に形成されている。クラッチハブ21は、板状の部分から突出するように形成されたシャフト挿通部29を有する。シャフト挿通部29は、挿通穴を有する。この挿通穴は、インプットシャフト92が挿通されるように形成されている(図1参照)。
クラッチライニング17には、リベット穴10が形成されている。リベット穴10に、リベット16が配置され、クラッチライニング17、ディスクスプリング30およびクラッチライニング18が積層された状態で固定される(図1参照)。
図3に、本実施の形態におけるディスクプレートにクラッチハブを装着したときの概略平面図を示す。本実施の形態におけるクラッチハブ21は、平面形状がほぼ正三角形になるように形成されている。クラッチハブ21は、三角形の角部を有する。クラッチハブ21は、角部が円弧状に形成されている。
図3は、クラッチハブ21が中立位置に配置されている状態を示す。本実施の形態における中立状態とは、動力入力部材および動力出力部材の両方に負荷が加わっていないときの状態を示し、中立位置とは、中立状態のときの位置を示す。中立位置においては、クラッチハブ21の三角形のそれぞれの辺と、押圧部材31の延びる方向とがほぼ垂直になるように配置されている。押圧部材31は、クラッチハブ21の端面を押圧するように配置されている。矢印101に示すように、押圧部材31がクラッチハブ21を押圧することにより、クラッチハブ21が中立位置に配置されている。
本実施の形態におけるクラッチディスク5は、クラッチハブ21の平面形状の辺に対応する数の押圧部材31が配置されている。本実施の形態におクラッチディスク5は、3個の押圧部材31を有する。押圧部材31は、クラッチディスク5の回転の周方向に沿って等間隔に配置されている。本実施の形態においては、クラッチディスク5の回転の周方向に沿って、約120°ごとに押圧部材31が配置されている。押圧部材31は、それぞれの延びる方向のなす角度が、ほぼ120°になるように形成されている。
押圧部材31は、平面視したときに放射状に配置されている。押圧部材31は、放射状にクラッチハブ21を押圧するように形成されている。押圧部材31は、ディスクプレート1が回転するときの回転中心に向かって、クラッチハブ21を押圧するように配置されている。押圧部材31は、クラッチディスクの回転軸に垂直な方向にクラッチハブ21を押圧するように配置されている。
図4に、本実施の形態におけるクラッチディスクの拡大概略断面図を示す。図4は、図3におけるIV−IV線に関する矢視断面図である。押圧部材31は、矢印101に示すように、インプットシャフト92の回転軸に向かってクラッチハブ21を押圧するように形成されている。押圧部材31は、ディスクプレート1とディスクプレート11とに挟み込まれている。クラッチハブ21は、インプットシャフト92と一体的に回転するように形成されている。
図3および図4を参照して、クラッチハブ21は、ディスクプレート1,11に対して相対的に動くように形成されている。ディスクプレート1,11とクラッチハブ21とは、ほぼ同一の回転軸を有する。クラッチハブ21は、ディスクプレート1,11に対して相対的に回転するように形成されている。
図3および図4を参照して、本実施の形態におけるクラッチディスク5は、押圧部材31の付勢力により、ディスクプレート1に対してクラッチハブ21が中立位置に戻ろうとする力が働くように形成されている。ディスクプレート1が、矢印103に示す向きに回動したときに、クラッチハブ21が、相対的に捩れる位置になることが可能なように形成されている。
ディスクプレート1が回転しようとしたときに、押圧部材31がクラッチハブ21を押圧する力によりクラッチハブ21が回転する。このときに、押圧部材31がクラッチハブ21を押圧する力に依存して捩り角度が定まる。ディスクプレート1に対するクラッチハブ21からの反力の大きさにより捩り角度が定まる。
本実施の形態におけるクラッチディスク5は、ディスクプレート1に所定の回転力が加わったときに、クラッチハブ21に対してディスクプレート1が無制限に相対的に回転するように形成されている。クラッチディスク5は、押圧部材31がクラッチハブ21の角部を乗り越える動力がディスクプレート1に入力されたときに、クラッチハブ21に対してディスクプレート1が相対的に回転するように形成されている。
図5に、ディスクプレートに対してクラッチハブが捩れ角度θで捩れた状態になったときの出力トルクを説明する概略平面図を示す。図5は、クラッチハブに対して1個の押圧部材を配置したときの概略平面図である。
クラッチハブ21の中立状態においては、クラッチハブ21の平面形状の三角形の一辺と押圧部材31の延びる方向とがほぼ垂直である。ディスクプレート1がフライホイール62に接触すると、ディスクプレート1に回転力が付与される。ディスクプレート1が回ることにより、ディスクプレート1とクラッチハブ21との間に捩れ角度θが生じる。ここで、捩れ角度θの場合について検討を行なう。本実施の形態における捩れ角度は、中立位置からの回転角度である。
弾性部31bとしてのコイルスプリングの自由長をX0とし、クラッチハブ21の回転軸の位置(本実施の形態においては平面形状の重心位置)と平面形状の三角形の一辺との距離をaとし、中立位置においてクラッチハブ21の回転軸の位置と弾性部31bの端部との距離をRとする。捩れ角度が0°(中立位置)のときの弾性部31bの圧縮量ΔX0は、以下の式で表わされる。
Figure 2008025629
次に、捩れ角度θのときの、弾性部31bの圧縮量ΔXは、以下の式で表わされる。
Figure 2008025629
ここで、弾性部31bとしてのコイルスプリングのばね定数をkとすると、弾性部31bの押圧力Fは以下の式で表わされる。
Figure 2008025629
押圧力Fは、矢印101に示す向きに印加される。ここで、クラッチハブ21とディスクプレート1との間の摩擦を無視すると、回転方向に加わる押圧力の分力は、F×tanθになる。このときの作用半径は、(a/cosθ)になる。したがって、捩れに起因する出力トルクTは、以下の式で表わされる。
Figure 2008025629
本実施の形態においては、捩れ角度θが60°のときに、押圧部材31の当接部31aがクラッチハブ21の平面形状の角部に配置され、出力トルクTが最大になる。この最大出力トルクTmaxは、以下の式で表わされる。
Figure 2008025629
図6に、本実施の形態におけるディスクプレートに対するクラッチハブの捩れ角度と、クラッチハブから出力される出力トルクとの関係を説明するグラフを示す。図6は、捩れ特性を示すグラフである。横軸は、ディスクプレートに対するクラッチハブの相対的な捩れ角度であり、縦軸がクラッチハブから出力される出力トルクである。縦軸の出力トルクは、ディスクプレートに対するクラッチハブの反力に対応する。
捩れ角度が0°以上120°以下の領域に着目すると、中立位置である捩れ角度が0°の時に出力トルクが最小になり、捩れ角度が60°のときに出力トルクが最大になる。動力入力部材に入力される入力トルクが、図6における最大出力トルクTmax以下である場合には、動力入力部材の回転力が動力出力部材に伝達される。最大出力トルクTmaxを超えている場合においては、クラッチハブ21に対してディスクプレート1が相対的に回転する。すなわち、クラッチハブ21に回転力の少なくとも一部が伝達されずに、クラッチハブ21に対してディスクプレート1が空回りする。本実施の形態におけるクラッチディスクは、捩れ角度に応じて周期的な捩れ特性を有する。図6においては、捩れ角度の1周期が120°になっている。
ディスクプレート1に急激に大きな回転力が加わった時においても、ディスクプレート1が相対的に空回りをすることにより、クラッチハブ21およびインプットシャフト92には、少なくとも一部の回転力が伝わらないように形成されている。たとえば、フライホイール62が高回転で回転している状態で、ディスクプレート1がフライホイール62に急激に接触した場合において、クラッチハブ21に対してディスクプレート1が空回りする。
このように、本実施の形態におけるクラッチディスクは、トルクリミッタ装置としての機能を有する。すなわち、所定のトルク以上の回転力が動力入力部材に入力されたときに、動力出力部材にトルクの少なくとも一部を伝えないようにすることができる。ディスクプレートに入力されるトルクが大きかったときや、クラッチハブの負荷が急激に変動したときに生じる衝撃を抑制して、滑らかに動力を伝達することができる。または、動力出力部材の負荷が急激に変動したときに、動力出力部材にトルクの少なくとも一部を伝えないようにすることができる。最大出力トルクの大きさは、クラッチハブの形状を変更したり、クラッチハブの大きさを変更したり、弾性部の弾性力を変更したりすることにより容易に調整することができる。
本実施の形態における動力伝達装置はクラッチディスクであり、動力出力部材としてのクラッチハブを介して変速機に接続されている。本実施の形態においては、変速機に入力される最大出力トルクの制限を定めることができ、変速機などの駆動系の部品の強度の余裕が大きくなる。
たとえば、エンジンの回転数が高いときに、誤操作で急にクラッチを接続した場合においては、エンジントルクの2倍以上のトルクが、変速機、プロペラシャフト、ディファレンシャルギヤおよびドライブシャフトなどの駆動系の部品に印加される場合がある。このような誤操作を想定して、駆動系の部品は、大きな入力トルクに耐えられるように強度の余裕を十分に大きくして製造しなければならなかった。しかしながら、本実施の形態におけるクラッチディスクを備えるクラッチ装置おいては、変速機に伝達される入力トルクの上限を定めることができ、これらの駆動系の部品の強度の余裕が大きくなる。この結果、駆動系の部品の小型化を図ることができる。
たとえば、駆動系の部品に印加されるトルクは、通常の運転時においてもエンジン等の動力源が発するトルクの1倍以上になる場合がある。このような場合を想定して、少なくとも駆動系の部品は約1割から約2割程度の強度の余裕を有することが好ましい。したがって、クラッチハブに伝達されるトルクが、エンジンが発するトルクのほぼ1.1倍以上ほぼ1.2倍以下に設定することにより、駆動系の部品の強度の余裕を大きくすることができる。
また、従来の技術においては、たとえば、変速機に過負荷が入力されて変速機が故障すると変速機自体を交換する必要があり、多大な修理となる。このため、変速機などの高価な装置よりも、安価な部品の強度を意図的に弱くして、安価な部品が優先的に破損するように形成していた。たとえば、ドライブシャフトなどの他の部品を変速機の強度よりも弱く形成する。過剰な負荷により装置が破損する場合には、変速機よりも先にこれらの部品が破損するように形成されていた。しかしながら、本発明のように入力トルクに制限がかかることにより、優先して破損する部品を想定する必要が無くなって設計が容易になる。
また、従来の技術の自動車においては、クラッチが急激に接続されることを抑制するために、クラッチディスクを移動させる油圧装置の内部において、油流路にオリフィスが配置される場合があった。オリフィスを流れるオイルの流量が制限されることにより、クラッチディスクの急な動きを回避することができ、ディスクプレートとフライホイールとが急激に接触することを回避することができる。
一方で、この油圧装置にオリフィスを配置する構造においては、外気の温度が低いときにオイルの粘性が上がってしまい、ディスクプレートの移動時間が極端に長くなってしまう場合が生じていた。しかしながら、本発明においては、クラッチが急激に接続されることを抑制するための装置が不要になる。また、外気の温度が低温でも安定した性能を発揮することができる。
図6を参照して、本実施の形態におけるクラッチディスクは、出力トルクの曲線が中立位置から連続的に変化する捩れ特性を有する。または、本実施の形態におけるクラッチディスクは、段差部を有さない無段階の捩れ特性を有する。クラッチハブの捩り角度がマイナス側の領域においても、プラス側と対称の捩れ特性を有する。
たとえば、ディスクプレートに対するクラッチハブの捩れ角度が、0°以上60°以下の範囲に着目すると、捩れ角度が大きくなるに従って、弾性部としてのコイルスプリングが縮むことにより、押圧部材の押圧力が大きくなる。押圧部材の押圧力が大きくなることにより出力トルクが大きくなる。このときの出力トルクの変化は、段差部を有さずに連続的に変化する曲線状になる。
このため、クラッチハブに接続される変速機に対して、滑らかに動力を伝達することができる。出力トルクの変化の曲線の段差部に起因して、変速機から発する駆動ギヤの歯打ち音を効果的に抑制することができる。すなわち、変速機において、いわゆるガー音などの異音を効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態におけるクラッチディスクの出力トルクの曲線は、中立位置の近傍においては傾きが小さく、最大出力トルクに近づくにつれて、徐々に傾きが大きくなっている。通常の操作においてクラッチディスクをフライホイールに接続する領域である中立位置近傍の領域においては、出力トルクの曲線の傾きが小さい。このため、徐々に動力を伝達させることができ、クラッチディスクとフライホイールとの接続を滑らかに行なうことができる。たとえば、クラッチペダルを比較的速く操作した場合においても、滑らかに変速機に動力を伝えることができる。
図7に、本実施の形態におけるクラッチ装置において、急激にフライホイールとディスクプレートとを接続したときの状態を説明する模式的なグラフを示す。横軸は時間であり、縦軸は駆動系の部品であるドライブシャフトに印加されるトルクである。図7に示すグラフは、クラッチハブに対してディスクプレートが回転しない動力が入力されたときの状態を示す。すなわち、入力トルクが最大出力トルクTmaxよりも小さい状態である。
図7に示すように、本発明におけるクラッチ装置は、従来の技術に基づくクラッチ装置と比較して、ドライブシャフトに印加されるトルクの振動が早く減衰する。従来のクラッチ装置においては、クラッチハブの捩れ角度に対する出力トルクのグラフが直線状であるため(図24および図25参照)に、振動が減衰する減衰力は、捩れ角度に対して比例関係にある。これに対して、本実施の形態におけるクラッチ装置は、捩れ角度が大きくなるほど、出力トルクの変化率が大きくなっている。このため、本実施の形態におけるクラッチ装置は、振動の減衰力に優れ、短時間に振動を小さくすることができる。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、捩れ角度の範囲を広角化することができる。本実施の形態においては、中立位置から±60°の範囲内の捩れ角度を有する。捩れ角度の範囲を広角化することにより、たとえば、クラッチ装置に接続される変速機の内部で生じる駆動系の遊転ギヤの歯打ち音を効果的に低減することができる。すなわち、変速機において、いわゆるジャラ音などの異音を効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態においては、動力入力部材と動力出力部材との相対的な捩れ角度に応じた押圧部材の押圧力によって、捩れ特性が変化するように形成されている。このため、容易に捩れ特性を調整することができる。たとえば、動力出力部材としてのクラッチハブの形状や大きさ、押圧部材の押圧力や押圧方法などを変更することにより、出力トルクの特性を調整することができる。本実施の形態においては、押圧部材によって押圧されるクラッチハブの平面形状がほぼ正三角形に形成されているが、この形態に限られず、任意の形状を採用することができる。
図3および図4を参照して、本実施の形態においては、クラッチハブ21とハブ挿通穴9,19との間に隙間48が形成されている。本実施の形態における隙間48は、略1mmである。本実施の形態においては、クラッチハブ21の回転軸がディスクプレート1,11の回転軸に対して、実質的に同一の回転軸の範囲内において、僅かにずれるように形成されている。ここで実質的に同一の回転軸の範囲内とは、動力を伝達することが可能な範囲内を示す。クラッチハブ21は、ディスクプレート1,11に対して、回転軸が僅かにずれた位置で回転可能に形成されている。すなわち、クラッチハブ21は、ディスクプレート1,11に対して回転の径方向に移動可能に形成されている。このように、本実施の形態におけるクラッチ装置は、クラッチハブ21が半径方向に自由度を有する。
クラッチ装置においては、エンジンシャフト93とインプットシャフト92との間に僅かに芯ずれが生じる場合がある(図1参照)。たとえば、0.3mm程度の芯ずれが生じる場合がある。この芯ずれにより、クラッチハブの異常摩耗やギヤの歯打ち音が生じる場合がある。本実施の形態におけるクラッチ装置は、クラッチハブ21が半径方向に自由度を有することにより、クラッチハブ21の異常摩耗や変速機のギヤの歯打ち音を抑制することができる。
図8に、本実施の形態における第2のクラッチディスクのクラッチハブの部分の概略平面図を示す。図8は、ディスクプレートに対してクラッチハブが中立位置に配置されたときの概略平面図である。第2のクラッチディスクは、クラッチハブ22を有する。クラッチハブ22は、平面形状がほぼ正方形になるように形成されている。
ディスクプレートに固定された押圧部材31は、中立位置においてクラッチハブ22の平面形状のそれぞれの辺に対応するように配置されている。第2のクラッチディスクにおいては、4個の押圧部材31が配置されている。押圧部材31は、それぞれが回転の周方向に沿って等間隔に配置されている。それぞれの押圧部材31は、延びる方向が互いに90°の角度をなすように配置されている。
第2のクラッチディスクにおいては、第1のクラッチディスクに比べて、捩れ角度の範囲が小さくなる一方で、押圧部材の数を増やすことができる。この結果、クラッチハブ22を押圧する押圧力を大きくすることができ、ディスクプレートに対して相対的にクラッチハブが回転するときの最大出力トルクTmaxを大きくすることができる。
図9に、本実施の形態における第3のクラッチディスクのクラッチハブの部分の概略平面図を示す。図9は、ディスクプレートに対してクラッチハブが中立位置に配置されたときの概略平面図である。第3のクラッチディスクは、クラッチハブ23を有する。クラッチハブ23は、平面形状が円形の一部分が切欠かれた形状を有する。この結果、クラッチハブ23は、平面形状がほぼ三角形になるように形成されている。
ディスクプレートに配置されている押圧部材31は、中立位置において、クラッチハブ23のそれぞれの切欠かれた部分に対応するように配置されている。第3のクラッチディスクにおいては、3個の押圧部材31が配置されている。押圧部材31は、それぞれが回転の周方向に沿って等間隔に配置されている。押圧部材31は、放射状に配置されている。押圧部材31は、それぞれの延びる方向のなす角度が、ほぼ120°になるように形成されている。このように、クラッチハブの平面形状としては、円形の一部分を切欠いた形状を採用することができる。
図10に、本実施の形態における第4のクラッチディスクのクラッチハブの部分の概略平面図を示す。図10は、ディスクプレートに対してクラッチハブが中立位置に配置されたときの概略平面図である。第4のクラッチディスクは、クラッチハブ24を有する。クラッチハブ24は、平面形状がほぼ三角形になるように形成されている。クラッチハブ24は、平面形状の三角形のそれぞれの辺が内側に向かって窪むように形成されている。クラッチハブ24の端面は、内側に向かって湾曲するように形成されている。
押圧部材31は、中立位置において、それぞれの湾曲する端面に対応するように配置されている。第4のクラッチにおいては、3個の押圧部材31が配置されている。それぞれの押圧部材31は、押圧部材31の延びる方向のなす角度が、ほぼ120°になるように配置されている。
図11に、本実施の形態における第4のクラッチ装置の捩れ角度と出力トルクとの関係を説明するグラフを示す。横軸が捩れ角度であり、縦軸が出力トルクである。破線がクラッチハブの平面形状が正三角形のクラッチディスクの特性を示し、実線がクラッチハブの平面形状の正三角形のそれぞれの辺を内側に湾曲させたクラッチディスクの特性を示す。
クラッチハブの平面形状のそれぞれの辺を内側に湾曲させた方が、中立位置(捩れ角度が0°)の近傍において、出力トルクの変化率が小さくなる。このように、平面形状が多角形のクラッチハブにおいて、それぞれの辺を内側に湾曲させることにより、捩れ角度が小さな領域においては出力トルクの変化率を小さく、捩れ角度が大きくなるに従って出力トルクの変化率を大きくすることができる。
本実施の形態における第4のクラッチディスクにおいては、平面形状の多角形の一辺が内側に湾曲するように形成されているが、この形態に限られず、外側に湾曲するように形成されていても構わない。
このように、クラッチハブの平面形状としては、多角形の形状の他に任意の形状を採用することができる。クラッチハブの平面形状を変更することにより、捩れ角度の範囲を変更したり、捩り特性を調整したりすることができる。また、平面形状の大きさを変更したり、角部の形状を変更したりすることにより、それぞれの捩り特性を調整すると共に、最大出力トルクTmaxを任意の大きさに調整することができる。
本実施の形態においては、動力入力部材としてのディスクプレートに押圧部材が配置され、押圧部材が動力出力部材としてのクラッチハブを押圧するように形成されているが、この形態に限られず、動力出力部材に押圧部材が配置され、押圧部材が動力入力部材を押圧するように形成されていても構わない。
本実施の形態においては、動力伝達装置として、自動車のクラッチ装置のクラッチディスクを例に取上げて説明したが、この形態に限られず、任意の動力伝達装置に本発明を適用することができる。たとえば、産業用の製造装置において、動力源としてのモータを変速機に伝達するための動力伝達装置に本発明を適用することができる。
(実施の形態2)
図12を参照して、本発明に基づく実施の形態2における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に備えられているクラッチ装置のクラッチディスクである。本実施の形態におけるクラッチディスクは、実施の形態1における第1のクラッチディスクとクラッチハブの形状が異なる。
図12は、本実施の形態におけるディスクプレートにクラッチハブを取付けたときの概略平面図である。本実施の形態におけるクラッチディスクは、動力入力部材としてのディスクプレート1を備える。ディスクプレート1の表面には、立設するようにスペーサ15が配置されている。本実施の形態におけるスペーサ15は、穴部1aの側方に配置されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、動力出力部材としてのクラッチハブ25を備える。クラッチハブ25は、平面形状がほぼ正三角形になるように形成されている。クラッチハブ25は、平面形状の三角形の頂点の部分に突出部25aを有する。
突出部25aは、クラッチハブ25の平面形状の角部から突出するように形成されている。突出部25aは、クラッチハブ25の外側に向かって延びるように形成されている。突出部25aは、ディスクプレート1に対してクラッチハブ25が回動したときにスペーサ15に接触するように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、押圧部材31がクラッチハブ25の角部を乗り越えないように形成された回転防止部を備える。回転防止部は、スペーサ15および突出部25aを含む。本実施の形態においては、クラッチハブ25の突出部25aがスペーサ15に当接することにより、ディスクプレート1に対してクラッチハブ25が所定の回転角度よりも大きな角度で回動しないように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブのストッパ機能を有し、クラッチハブに対してディスクプレートが所定の捩れ角度を有したときに捩れ運動を停止させることができる。クラッチハブに対してディスクプレートを無制限に回転させないことができる。本実施の形態におけるクラッチディスクは、大きな動力が動力入力部材に入力されたときに、すべての回転力を動力出力部材から出力することができる。また、本実施の形態においても、無段階の捩れ特性を有するクラッチディスクを提供することができる。
本実施の形態における回転防止部は、クラッチハブの突出部およびスペーサを含んでいるが、この形態に限られず、回転防止部については、クラッチハブに対してディスクプレートの回転を停止させる任意の形態を採用することができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態3)
図13および図14を参照して、本発明に基づく実施の形態3における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に備えられるクラッチ装置のクラッチディスクである。本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブを押圧する押圧部材の構成が実施の形態1と異なる。
図13に、本実施の形態におけるクラッチディスクおよびフライホイールの部分の分解斜視図を示す。本実施の形態におけるクラッチディスク6は、ディスクプレート2を備える。ディスクプレート2は、フライホイール62と接触する面と反対側の面に、凹部2aを有する。本実施の形態におけるクラッチディスク6は、押圧部材32を有する。本実施の形態においては、3個の押圧部材32が配置されている。
押圧部材32は、板状に形成されている。押圧部材32は、板ばね(リーフスプリング)である。押圧部材32は、平面視したときに、それぞれが内側に向かって凸になるように湾曲した形状を有する。押圧部材32は、凹部2aの側壁に沿うように配置されている。押圧部材32は、クラッチハブ21の平面形状のそれぞれの辺に対応するように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、ディスクプレート12を有する。ディスクプレート12は、ディスクプレート2の凹部2aに対応するように形成された凹部12aを有する。本実施の形態におけるディスクプレート12は、ディスクプレート2と同じ形状を有する。押圧部材32は、凹部2aと凹部12aとで形成される空間の内部に配置されるように形成されている。
図14に、本実施の形態におけるクラッチディスクにおいて、ディスクプレートにクラッチハブを配置したときの概略平面図を示す。図14は、クラッチハブが中立位置に配置されているときの概略平面図である。本実施の形態におけるクラッチハブ21は、平面形状がほぼ正三角形になるように形成されている。
本実施の形態における押圧部材32は、クラッチハブ21の平面形状の三角形のそれぞれの辺に対応する端面を、矢印101に示すように押圧するように形成されている。押圧部材32は、ディスクプレート2が回転するときの回転中心に向かって、クラッチハブ21を押圧するように形成されている。押圧部材32は、ディスクプレート1の回転の周方向に沿って、略等間隔に配置されている。押圧部材32は、放射状にクラッチハブ21を押圧するように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクにおいては、押圧部材の構成を容易にすることができる。本実施の形態においては、押圧部材が板ばねを含み、この板ばねが直接的にクラッチハブを押圧しているが、この形態に限られず、たとえば、押圧部材が当接部と板ばね部とを含み、当接部が板ばね部の先端に配置され、当接部がクラッチハブに接触していても構わない。
本実施の形態におけるクラッチディスクにおいても、押圧部材がクラッチハブの角部を乗り越える動力以下の回転力が動力入力部材に入力されたときは、この回転力が動力出力部材に伝達される。一方で、押圧部材が、クラッチハブの角部を乗り越える回転力がディスクプレートに入力されたときには、ディスクプレートがクラッチハブに対して相対的に回転することにより、トルクリミッタとしての機能を有する。また、無段階の捩れ特性を有するクラッチディスクを提供することができる。
ディスクプレートがクラッチハブに対して回転するときの捩れ特性の調整においては、クラッチハブの形状、クラッチハブの大きさ、押圧部材としての板ばねの形状、板ばねの弾性力などを調整することにより、任意の特性に設定することができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1または2と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態4)
図15を参照して、本発明に基づく実施の形態4における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に備えられるクラッチ装置のクラッチディスクである。本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブおよび押圧部材の構成が実施の形態3と異なる。
図15に、本実施の形態におけるクラッチディスクにおいて、ディスクプレートにクラッチハブを取付けたときの概略平面図を示す。本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブ26を有する。クラッチハブ26は、平面形状がほぼ正三角形になるように形成されている。平面形状の三角形の角部は、ディスクプレート2の外縁に近接している。
本実施の形態におけるクラッチ装置は、押圧部材33を有する。押圧部材33は板ばねである。本実施の形態におけるクラッチディスクにおいては、クラッチハブ26に対して、ディスクプレート2が無制限に回転しないように形成されている。本実施の形態におけるクラッチディスクにおいては、クラッチハブ26が大きく形成されているため、クラッチハブ26の角部を、押圧部材33が乗り越えることはできないように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブのストッパ機能を有し、所定の大きな動力が動力入力部材に入力されたときに、すべての回転力を動力出力部材から出力することができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1から3と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態5)
図16から図22を参照して、本発明に基づく実施の形態5における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に備えられているクラッチ装置のクラッチディスクである。
図16は、本実施の形態における第1のクラッチディスクおよびフライホイールの部分の分解斜視図である。本実施の形態における第1のクラッチディスクとしてのクラッチディスク7は、ディスクプレート3を備える。クラッチディスク7は、クラッチライニング、ディスクスプリングおよびクラッチライニングがこの順に積層された積層体45を備える。積層体45は、ディスクプレート3に固定されている。
ディスクプレート3は、凹部3aを有する。凹部3aは、ディスクプレート3のうち、フライホイール62と接触する面と反対側の面に形成されている。凹部3aは、平面形状が円環状に形成されている。ディスクプレート3は、案内壁部3cを有する。案内壁部3cは、凹部3aの側壁である。
凹部3aは、高低部3bを有する。高低部3bは、凹部3aの底面である。高低部3bは、帯状に形成されている。高低部3bは、ディスクプレート3の周方向に沿って形成されている。高低部3bは、ディスクプレート3の表面のうち、クラッチハブ27に対向する表面に形成されている。高低部3bは、高さが高い部分と高さが低い部分とが交互に形成されている。高低部3bは、高さが高い部分と低い部分とが連続的に形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、動力を伝達するための伝達部材として、転動部材41を含む。本実施の形態における転動部材41は、球状に形成されている。転動部材41は、転がるように形成されている。転動部材41は、凹部3aに配置されている。転動部材41は、高低部3bの表面に配置されている。凹部3aは、転動部材41が案内壁部3c同士に挟まれる領域を移動するように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブ27を備える。クラッチハブ27は、円板状に形成されている。クラッチハブ27は、ディスクプレート3と対向する側の表面に凹部27aを有する。
本実施の形態におけるクラッチディスク7は、転動部材41を押圧するための押圧部材34を備える。押圧部材34は、クラッチハブ27の凹部27aに配置されている。押圧部材34は、円環状に形成された当接部34aを有する。当接部34aは、高低部3bに対応する帯状に形成されている。当接部34aは、板状に形成されている。押圧部材34は、弾性部34bを含み、弾性部34bは、弾性体を有する。弾性部34bは、当接部34aをディスクプレート3に向かって付勢するように形成されている。クラッチハブ27は、シャフト挿通部28を有する。
図17に、本実施の形態におけるクラッチディスクのディスクプレートに転動部材を配置したときの概略平面図を示す。図17は、クラッチハブがディスクプレートに対して中立位置に配置されたときの概略平面図である。
図17に示す状態においては、高低部3bのうち、高さの低い部分に転動部材41が配置されている。本実施の形態において、高さの最も低い底部は、平面視したときにディスクプレート3の周方向に沿って、等間隔に形成されている。本実施の形態における底部は、ほぼ90°毎に配置されている。本実施の形態においては、4箇所の底部が形成されている。高さの最も高い頂部は、ディスクプレート3の周方向に沿って底部同士のほぼ中央に配置されている。頂部は、平面視したときにディスクプレート3の周方向に沿って、等間隔に形成されている。本実施の形態における頂部は、ほぼ90°毎に形成されている。
図18(a)に、本実施の形態におけるクラッチハブを凹部が形成されている側から見たときの概略斜視図を示す。クラッチハブ27の凹部27aは、平面視したときの形状が円形に形成されている。押圧部材34の弾性部34bは、クラッチハブ27の凹部27aの底面と当接部34aの裏面に接合されている。弾性部34bの付勢力により、当接部34aがディスクプレート3に向かって付勢されている。
当接部34aは、ディスクプレート3の高低部3bに向かう表面に高低部34cが形成されている。当接部34aは、転動部材41と接触する面の断面形状が高低を有するように形成されている。当接部34aの表面の高低部34cは、ディスクプレート3の高低部3bとほぼ同じピッチになるように形成されている。
図19に、本実施の形態におけるクラッチハブのシャフト挿通部とディスクプレートのハブ挿通穴の部分の拡大斜視図を示す。本実施の形態におけるクラッチハブは、シャフト挿通部28の先端に、窪み部28aを有する。クラッチハブは、シャフト挿通部28の先端が、ディスクプレート3の外側に露出する。クラッチハブは、矢印105に示すように、窪み部28aにリング44が挿入され、ディスクプレート3から抜けないようにされる。
図20に、本実施の形態におけるクラッチディスクを、高低部に沿って周方向に切断したときの概略断面図を示す。図20に示す状態は、中立状態である。中立位置において、ディスクプレート3の高低部3bの低い部分と当接部34aの高低部34cの低い部分とが互いに対向している。
ディスクプレート3の高低部3bは、山形と谷形とが連なるように形成されている。本実施の形態における高低部3bは、周方向に沿った断面形状において、それぞれの斜面が直線状に形成されている。高低部3bは、傾斜面が平面状に形成されている。
押圧部材34は、矢印104に示すように、転動部材41をディスクプレート3に向けて押圧している。押圧部材34は、ディスクプレートとクラッチハブとが対向する方向(クラッチディスクの回転軸に平行な方向)に転動部材41を押圧するように形成されている。転動部材41は、押圧部材34とディスクプレート3とに挟まれる。
ディスクプレート3が矢印103に示す向きに回転すると、転動部材41が互いに対向する高低部3b,34cに挟まれて、回転力が押圧部材34を介してクラッチハブ27に伝達される。本実施の形態におけるクラッチディスクは、転動部材が高低部のうち高さの高い部分を乗り越える回転力以下の回転力が、ディスクプレートに入力されたときに、クラッチハブに対して回転力が伝達されるように形成されている。
一方で、転動部材が高低部のうち高さの高い部分を乗り越える回転力が、ディスクプレートに入力されたときに、ディスクプレートがクラッチハブに対して相対的に回転するように形成されている。本実施の形態におけるクラッチディスクにおいても、所定のトルクよりも大きな回転力の伝達を防止するトルクリミッタ機能を備える。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、無段階の連続的な曲線状の捩れ特性を得ることができる。また、本実施の形態におけるクラッチディスクにおいては、ディスクプレートとクラッチハブとの相対的な捩れ角度に応じた押圧部材の押圧力により、捩れ特性が変化するように形成されている。本実施の形態におけるクラッチディスクは、高低部の傾斜角度を変更したり、高低部の表面を曲面状にしたり、または、押圧部材の押圧力を変更したりすることにより、捩れ特性の調整を行なうことができる。
図18(b)に、本実施の形態における第2のクラッチディスクのクラッチハブの概略斜視図を示す。クラッチハブ46は、円板状に形成されている。クラッチハブ46は、ディスクプレートと対向する表面に凹部46aを有する。凹部46aは、クラッチハブ46の外縁に沿って円環状に形成されている。凹部46aの内部には、高低部46bが形成されている。高低部46bは、凹部46aの底面である。転動部材は、凹部46aの内部に配置される。
第2のクラッチディスクにおいては、クラッチハブ46自体が弾性を有する。クラッチハブ46の円板状の部分は、転動部材を押圧するための押圧部材として形成されている。クラッチハブ46がディスクプレートに一体化されたときに、クラッチハブ46自体の弾性により転動部材をディスクプレートに向かって押圧するように形成されている。
本実施の形態においては、ディスクプレートおよびクラッチハブの押圧部材の両方に高低部が形成されている。この構成によりより確実に回転力を伝達することができる。高低部は、ディスクプレートおよび押圧部材のうち一方に形成され、他方に高低部に応じて動力を伝達する形状が形成されていても構わない。また、押圧部材としては、上記の形態に限られず、転動部材を押圧可能に形成されていれば構わない。
本実施の形態における高低部は、周方向に沿って90°毎に頂部が形成され、周方向に沿って90°毎に底部が形成されているが、たとえば、周方向に沿って120°毎に頂部および底部が形成されていても構わない。さらに、高低部は、これらの形態に限られず、任意の角度ごとに頂部および底部が形成されていても構わない。
本実施の形態においては、転動部材として球状体が配置されているが、この形態に限られず、転動部材は転がるように形成されていれば構わない。
図21に、本実施の形態における他の転動部材の概略斜視図を示す。他の転動部材42は、円柱状に形成されている。転動部材42は、矢印102に示す向きが、ディスクプレートの回転中心となるように配置される。
図22に、本実施の形態におけるさらに他の転動部材の概略斜視図を示す。さらに他の転動部材43は、断面形状がテーパ状の柱状体に形成されている。転動部材43は、円錐体の頂部を切断した形状を有する。転動部材43は、矢印102に示す向きが、ディスクプレートの回転中心となるように配置される。転動部材43は、断面形状の円の径が小さい端面が、ディスクプレートの回転中心に向かうように配置される。このように、転動部材として、断面形状がテーパ状の柱状体を採用することにより、より滑らかに転動部材を転がすことができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1から4と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態6)
図23を参照して、本発明に基づく実施の形態6における動力伝達装置について説明する。本実施の形態における動力伝達装置は、自動車に備えられるクラッチ装置のクラッチディスクである。
図23に、本実施の形態におけるクラッチディスクとフライホイールの部分の分解斜視図を示す。本実施の形態におけるクラッチディスク8において、クラッチハブ27は、ストッパピン27bを有する。
ストッパピン27bは、凹部27aの底面から立設するように形成されている。本実施の形態におけるストッパピン27bは、クラッチハブ27の周方向に沿って等間隔に配置されている。ストッパピン27bは、周方向に沿って90°毎に形成されている。本実施の形態においては、4個のストッパピン27bが形成されている。
本実施の形態におけるディスクプレート3は、ストッパ溝3dを有する。ストッパ溝3dは、ディスクプレート3の表面に形成されている。ストッパ溝3dは、ストッパピン27bが挿入可能に形成されている。ストッパ溝3dは、ディスクプレート3の表面のうち、凹部3aよりも内側の領域に配置されている。ストッパ溝3dは、高低部3bのうち最も高さの高い頂部同士に挟まれる領域に対応するように形成されている。ストッパ溝3dは、長手方向を有し、長手方向が周方向に延びるように形成されている。本実施の形態におけるストッパ溝3dは、ディスクプレート3の周方向に沿って、等間隔に配置されている。ストッパ溝3dは、周方向に沿って90°毎に形成されている。本実施の形態においては、4個のストッパ溝3dが形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブ27に対して、ディスクプレート3が回らないように形成された回転防止部を備える。本実施の形態においては、回転防止部は、ディスクプレート3のストッパ溝3dおよびクラッチハブ27のストッパピン27bを有する。ストッパ溝3dにストッパピン27bが挿入され、ストッパピン27bがストッパ溝3dの端部に当接することによって、クラッチハブ27に対してディスクプレート3の回動を停止するように形成されている。本実施の形態における回転防止部は、転動部材41が、高低部の頂部を乗り越えないように形成されている。
本実施の形態におけるクラッチディスクは、クラッチハブのストッパ機能を有し、所定の大きな動力が動力入力部材に入力されたときに、すべての動力を動力出力部材から出力することができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1から5と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には、同一の符号を付している。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
実施の形態1におけるクラッチ装置の概略部分断面図である。 実施の形態1における第1のクラッチディスクとフライホイールの部分の概略分解斜視図である。 実施の形態1における第1のクラッチディスクのディスクプレートにクラッチハブを配置したときの概略平面図である。 実施の形態1における第1のクラッチディスクのディスクプレートとクラッチハブの部分の拡大概略断面図である。 実施の形態1における第1のクラッチディスクの作用を説明する概略平面図である。 実施の形態1における捩れ角度と出力トルクとの関係を説明するグラフある。 急発進したときの従来の技術におけるクラッチ装置と本発明におけるクラッチ装置とのトルク波形を比較する模式的なグラフである。 実施の形態1における第2のクラッチディスクのクラッチハブの部分の拡大概略平面図である。 実施の形態1における第3のクラッチディスクのクラッチハブの部分の拡大概略平面図である。 実施の形態1における第4のクラッチディスクのクラッチハブの部分の拡大概略平面図である。 実施の形態1における第4のクラッチディスクの捩れ角度と出力トルクとの関係を説明するグラフである。 実施の形態2におけるクラッチディスクのディスクプレートにクラッチハブを配置したときの概略平面図である。 実施の形態3におけるクラッチディスクとフライホイールとの部分の概略分解斜視図である。 実施の形態3におけるクラッチディスクのディスクプレートにクラッチハブを配置したときの概略平面図である。 実施の形態4におけるクラッチディスクのディスクプレートにクラッチハブを配置したときの概略平面図である。 実施の形態5における第1のクラッチディスクとフライホイールとの部分の概略分解斜視図である。 実施の形態5における第1のクラッチディスクのディスクプレートに転動部材を配置したときの概略平面図である。 (a)は、実施の形態5における第1のクラッチディスクのクラッチハブの概略斜視図であり、(b)は、実施の形態5における第2のクラッチディスクのクラッチハブの概略斜視図である。 実施の形態5におけるクラッチハブをクラッチディスクに対して一体化する部分の概略斜視図である。 実施の形態5における第1のクラッチディスクを周方向に沿った面で切断したときの概略断面図である。 実施の形態5における他の転動部材の概略斜視図である。 実施の形態5におけるさらに他の転動部材の概略斜視図である。 実施の形態6におけるクラッチディスクとフライホイールとの部分の概略分解斜視図である。 従来の技術に基づくクラッチディスクの捩れ角度と出力トルクとの関係を説明する第1のグラフである。 従来の技術に基づくクラッチディスクの捩れ角度と出力トルクとの関係を説明する第2のグラフである。
符号の説明
1〜3 ディスクプレート、1a 穴部、1b 案内壁部、2a,3a 凹部、3b 高低部、3c 案内壁部、3d ストッパ溝、5〜8 クラッチディスク、9 ハブ挿通穴、10 リベット穴、11,12 ディスクプレート、11a 穴部、11b 案内壁部、12a 凹部、15 スペーサ、16 リベット、17,18 クラッチライニング、19 ハブ挿通穴、21〜27 クラッチハブ、25a 突出部、27a 凹部、27b ストッパピン、28,29 シャフト挿通部、28a 窪み部、30 ディスクスプリング、31〜34 押圧部材、31a,34a 当接部、31b,34b 弾性部、34c 高低部、41〜43 転動部材、44 リング、45 積層体、46 クラッチハブ、46a 凹部、46b 高低部、48 隙間、51 クラッチレリーズフォーク、52 クラッチレリーズシリンダ、53 スプリング、61 ピボットリング、62 フライホイール、63 クラッチカバー、70 ダイヤフラムスプリング、80 クラッチレリーズベアリング、90 プレッシャプレート、91 支柱、92 インプットシャフト、93 エンジンシャフト、94 ハウジング、100〜105 矢印。

Claims (15)

  1. 回転力が入力されることにより回転するように形成されている動力入力部材と、
    回転力が出力可能に形成されている動力出力部材と、
    前記動力入力部材の回転力を前記動力出力部材に伝達するための伝達部材と
    を備え、
    前記動力入力部材および前記動力出力部材は、ほぼ同一の回転軸を有し、
    前記動力入力部材と前記動力出力部材との相対的な捩れ角度に対する、前記動力出力部材から出力されるトルクの大きさのグラフが連続的な曲線状に変化する捩れ特性を有する、動力伝達装置。
  2. 前記伝達部材は、前記動力出力部材および前記動力入力部材のうち、一方を押圧するために他方に配置された押圧部材を含み、
    前記押圧部材は、前記他方の回転の周方向に沿って略等間隔に配置され、
    前記押圧部材は、前記一方を前記放射状に押圧するように付勢され、
    前記動力入力部材と前記動力出力部材との相対的な捩れ角度に応じた前記押圧部材の押圧力によって、前記トルクの大きさが変化するように形成されている、請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記一方は、平面視したときに角部を有するように形成され、
    前記押圧部材は、前記一方の平面形状の辺に対応する端面に接触するように配置され、
    前記押圧部材が前記角部を乗り越える動力が前記動力入力部材に入力されたときに、前記動力入力部材が前記動力出力部材に対して回転するように形成されている、請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記一方は、平面視したときに角部を有するように形成され、
    前記押圧部材は、前記一方の平面形状の辺に対応する端面に接触するように配置され、
    前記押圧部材が前記角部を乗り越えないように形成された回転防止部を備える、請求項2に記載の動力伝達装置。
  5. 前記押圧部材は、前記一方に接触する当接部と、
    前記当接部を、前記一方に向かって付勢するための弾性部と
    を含む、請求項2から4のいずれかに記載の動力伝達装置。
  6. 前記一方は、平面形状が多角形に形成され、
    前記押圧部材は、前記多角形の辺に対応する端面に接触している、請求項2から5のいずれかに記載の動力伝達装置。
  7. 前記一方は、前記多角形のそれぞれの辺が内側に向かって窪むように形成されている、請求項6に記載の動力伝達装置。
  8. 前記押圧部材は、コイルスプリングおよび板ばねのうち少なくとも一方を含む、請求項2から7のいずれかに記載の動力伝達装置。
  9. 前記伝達部材は、前記動力出力部材および前記動力入力部材に挟まれるように配置され、転がるように形成された転動部材を含み、
    前記動力出力部材および前記動力入力部材のうち、一方は高さが高い部分と低い部分とが連続的に形成されている高低部を有し、
    前記高低部は、前記一方の表面のうち、他方に対向する表面に回転の周方向に沿って形成され、
    前記転動部材は、前記高低部に配置され、
    前記動力出力部材および前記動力入力部材のうち、前記他方は前記転動部材を前記高低部に向かって押圧するための押圧部材を含み、
    前記動力入力部材と前記動力出力部材との相対的な捩れ角度に応じた前記押圧部材の押圧力によって、前記トルクの大きさが変化するように形成されている、請求項1に記載の動力伝達装置。
  10. 前記転動部材が前記高低部のうち前記高い部分を乗り越える動力が前記動力入力部材に入力されたときに、前記動力入力部材が前記動力出力部材に対して相対的に回転するように形成されている、請求項9に記載の動力伝達装置。
  11. 前記転動部材が前記高低部のうち前記高い部分を乗り越えないように形成された回転防止部を備える、請求項9に記載の動力伝達装置。
  12. 前記転動部材は、球体、円柱状体およびテーパ状の柱状体のうち、少なくとも一の形状を有する、請求項9から11のいずれかに記載の動力伝達装置。
  13. 前記動力出力部材は、実質的に同一の回転軸の範囲内で、前記動力入力部材に対して回転の径方向に移動可能に形成されている、請求項1から12のいずれかに記載の動力伝達装置。
  14. 回転力が入力されることにより回転するように形成されている動力入力部材と、
    回転力が出力可能に形成されている動力出力部材と、
    前記動力入力部材の回転力を前記動力出力部材に伝達するための伝達部材と
    を備え、
    前記動力入力部材および前記動力出力部材は、ほぼ同一の回転軸を有し、
    所定の大きさを超える動力が前記動力入力部材に入力されたときに、前記動力入力部材が前記動力出力部材に対して無制限に回転するように形成されている、動力伝達装置。
  15. 前記動力入力部材と前記動力出力部材との相対的な捩れ角度に対する、前記動力出力部材から出力されるトルクの大きさが周期的に変化する捩れ特性を有する、請求項14に記載の動力伝達装置。
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