JP2008025087A - 製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置 - Google Patents

製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置 Download PDF

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済 藤原
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Abstract

【課題】 製紙原料懸濁液濃度を測定するに際して、2%以上を正確に測定できる濃度計が存せず、手作業で測定を行っているが、この濃度測定の自動化の要望に鑑みて、2%以下の濃度を最も正確に測定できる光学式濃度計を用いて、2%以上の濃度を測定できる製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置を提供する。
【解決手段】 採取口1a〜1fから計量槽3に採取した試料に対して予め求められている希釈倍率となるように希釈槽6で希釈し、希釈された希釈試料を光学式灰分計41と光学式濃度計15に供給し、この希釈試料の希釈濃度データx、wを測定する。希釈試料と採取されることになる試料との関係で予め求められたゲイン値a、pとバイアス値b、qとから、y=ax+b、w=sp+qより、試料の固形成分濃度yと灰分濃度wを求める。
【選択図】 図1

Description

この発明は、製紙原料の操業ラインから採取した試料により、この製紙原料の濃度を測定する方法に関し、特に光学式測定手段による測定方法と測定装置に関する。
紙パルプ製造工程においては、工程管理や物質収支を測定するためにパルプ濃度を測定する必要がある。この種の濃度測定は濃度計により行われ、例えば非特許文献1にあるように、ブレード式や回転式、マイクロ波式、光学式等の濃度計が用いられている。本願出願人は、これらの各方式の濃度計を試用した結果、0〜2%の濃度の場合には、光学式濃度計による測定結果に信頼性が高いことを見出した。特に、灰分を含有している古紙パルプあるいは脱墨パルプ等のDIP(デインキングパルプ)では、前記濃度範囲において最も高い信頼性を得た。
光学式濃度計としては、一連の異なった濃度の標準液について、その吸光度と濃度との関係を検量線として予め定めておき、被測定液の吸光度を測定して検量線から被測定液の目的物質の濃度を求める吸光光度法がある。しかし、前記検量線は低濃度から高濃度までの範囲にわたって適用できるものではなく、ある濃度を超えると直線関係が成立せずに誤差が大きくなって計測不可能となる。このような問題に鑑みて、測定濃度範囲が広い光学式濃度計測装置が、特許文献1に提案されている。この光学式濃度計測装置は、検水に光を投射し、該検水を透過したサンプル光信号と基準光信号とを比較して濃度計測を行う光学式濃度計測装置において、同一光線から投射される光を通過させるための光路であって、長さの異なる複数の光路を有し、検水が通流される計測セルを設け、濃度測定値に応じ
て前記複数の光路を切り換えて濃度計測を行うようにしたものである。
また、マイクロ波濃度計により被測定液の濃度測定値にその種類ごとに所定の一次線形補正を行うことによって種々の異なる種類の被測定液の絶乾濃度を正確に測定するために、被測定液に所定波長のマイクロ波を透過させ、受信マイクロ波の位相遅れから前記被測定液の濃度を測定するマイクロ波濃度計において、被測定液の種類ごとに補正定数(a、b)を求めておき、前記マイクロ波濃度計の濃度指示値としてXを得たときに、Y=aX+bの一次式に基づいて補正を行い、被測定液の絶対濃度Yを得るようにしたマイクロ波濃度計の補正方法及び補正装置が開示されている(特許文献2)。
紙パ技協誌 2002年第56巻第3号第33頁〜第44頁 特開平9−281034 特開平9−170987
しかしながら、特許文献1に開示されている光学式濃度計測装置は、特に上水道関連の浄水場での水質監視に適したものであり、パルプ懸濁液、特にDIP懸濁液のように灰分が含有されている被測定液に対しては利用することができない。また、特許文献2に開示された補正方法及び補正装置はマイクロ波濃度計を用いた場合についてであって、光学式濃度計の測定に利用することはできない。また、マイクロ波濃度計では、いわゆるバージンパルプでは濃度に拘わらずある程度の精度が確保されて測定できるが、灰分や気泡の影響を強く受けるため、DIP懸濁液のように灰分が多く、しかもその含有率が変動する場合には、測定が困難である。このため、DIP懸濁液等の場合には、従来は手作業による分析を行って濃度を算出していた。
一方、光学式濃度計では、その原理上、パルプ分と灰分とが合算された濃度を光の位相のシフトで全濃度値として検出し、気泡はキャンセルされることによる。すなわち、色や泡等の影響を効果的に軽減し、繊維を中心として測定される。このため、DIP懸濁液等に関しては光学式濃度計が有利であり、前述したように、測定結果に高い信頼性が得られ、光学式濃度計によって、従来よりも高い濃度のパルプ懸濁液の濃度測定を行うことが要望されている。
さらに、パルプ懸濁液中の灰分濃度を測定することができる光学式灰分計が開発されるに至った。
そこで、この発明は、従来よりも高い濃度のパルプ懸濁液、特にDIP懸濁液であっても、光学式濃度計を用いることによって、手分析測定によらずに、極力正確に濃度を測定できるようにした製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法は、抄紙機に供せられて紙匹の生成に用いられる製紙原料を含む懸濁液を採取して、その製紙原料の濃度を測定する製紙原料の試料濃度測定方法において、採取した試料を対応する倍率で希釈し、前記希釈した希釈試料に関して光学式濃度計により固形成分希釈濃度データxを取得し、前記固形成分希釈濃度データxと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた固形成分に関する補正定数a、bとから、
y = ax+b (式1)
により、前記採取した試料に含有された固形成分の濃度yを算出し、前記希釈した希釈試料に関して光学式灰分計により灰分希釈濃度データsを取得し、前記灰分希釈濃度データsと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた灰分に関する補正定数p、qとから、
w = ps+q (式2)
により、前記採取した試料に含有された灰分の濃度wを算出することを特徴としている。
採取された試料を光学式濃度計によって測定できる濃度まで希釈し、その希釈された希釈試料の濃度データに対して所定の補正を行うことにより採取された試料、すなわち製紙原料となる懸濁液の固形成分濃度と灰分濃度とを求めるようにしたものである。製紙原料である懸濁液の濃度は、懸濁液の種類、例えばKP(クラフトパルプ)やTMP(サーモメカニカルパルプ)、DIP等によって異なると共に、抄紙機に供する前処理工程における採取位置によっても異なり、これら製紙原料の種類や採取位置による条件に応じて予め所定の濃度に調製されているため、大凡の基準となる濃度は把握できている。この基準濃度の試料を所定の倍率で希釈して希釈試料を生成する。他方、この希釈試料の濃度と製紙原料の濃度との関係を手分析等によって予め求め、これらの関係を予め固形成分に関する補正定数a、bと灰分に関する補正定数p、qとして登録する。前記所定の倍率は、試料となる製紙原料の性質や採取位置に応じた試料を希釈した場合に前記補正定数a、b、p、qを適用できる濃度となるようにする。そして、希釈試料を光学式濃度計によって測定し、求められた固形成分希釈濃度データxと当該懸濁液に対応した前記補正定数a、bとを、前記式1に代入すれば、この懸濁液の固形成分の濃度yが求められる。また、光沢式灰分計により求められた灰分希釈濃度データsと当該懸濁液の対応した前記補正定数p、qとを、前記式2に代入すれば、この懸濁液の灰分の濃度wが求められる。
また、請求項2の発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法は、前記固形成分の濃度yから前記灰分の濃度wを減じることにより、パルプ分の濃度を算出することを特徴としている。
すなわち、懸濁液中の固形成分の濃度から灰分の濃度を減じることにより、当該懸濁液中のパルプ分の濃度が求められる。
また、請求項3の発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法は、前記希釈倍率は、前記希釈試料の濃度が2%以下となるように、試料の濃度に応じて選択することを特徴としている。
光学式濃度計では2%以下の濃度を高精度に測定することができるから、採取された試料を2%以下の濃度となるまで希釈するようにしたものである。
また、請求項4の発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法は、前記試料がDIP懸濁液であることを特徴としている。
DIP懸濁液の場合には、3%以上の濃度は、マイクロ波濃度計をはじめ、前述したいずれの方式による濃度計でも測定できないが、2%以下となるまで希釈することにより測定可能となり、この希釈試料を光学式濃度計で測定するようにしたものである。
一方、この発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置は、抄紙機に供せられて紙匹の生成に用いられる製紙原料を含む懸濁液を採取して、その製紙原料の濃度を測定する製紙原料の試料濃度測定装置において、前記製紙原料の給送路に、試料を採取するために設けた採取口と、前記採取口から採取した試料の容量を計測する計量槽と、前記計量槽内の試料を流入させると共に、希釈液を供給して所定の倍率に希釈して希釈試料を生成する希釈槽と、前記希釈槽内の希釈試料を攪拌する攪拌装置と、前記希釈槽内の希釈試料を抽出して光学式濃度計と光学式灰分計とに給送する試料給送手段とからなり、前記光学式濃度計により計測した希釈試料の固形成分希釈濃度データxと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた固形成分に関する補正定数a、bとから、
y = ax+b (式1)
により、前記採取した試料に含有された固形成分の濃度yを算出し、前記希釈した希釈試料に関して光学式灰分計により灰分希釈濃度データsを取得し、前記灰分希釈濃度データsと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた灰分に関する補正定数p、qとから、
w = ps+q (式2)
により、前記採取した試料に含有された灰分の濃度wを算出することを特徴としている。
抄紙機に供するのに適宜な性質となるように前処理工程で調製された製紙原料は、その給送経路の適宜位置に予め配設された前記採取口から試料として採取されて、前記計量槽に導入される。計量槽で測定に必要な容量に計量されると、試料は前記希釈槽へ供給される。この希釈槽へ清水等の希釈液を供給すると前記試料が希釈される。このとき、試料の容量に対する希釈液の容量を調整することにより、所定の倍率の希釈試料が生成される。また、希釈槽内が攪拌装置によって攪拌されることにより、試料が均一化する。この希釈試料を試料用ポンプ等の試料給送手段により給送し、光学式濃度計と光学式灰分計に供して固形成分濃度と灰分濃度とを計測する。得られた固形成分希釈濃度データを前記式1に、補正定数と共に代入すれば製紙原料である懸濁液の固形成分の濃度を、得られた灰分希釈濃度データを前記式2に、補正定数と共に代入すれば懸濁液の灰分の濃度を、それぞれ求めることができる。
前記採取口を製紙原料の給送路に、必要に応じて複数箇所に設けることにより、それぞれの箇所における濃度を計測することができる。なお、測定箇所を変更する場合には、前記計量槽や希釈槽、給送路を構成する配管等を洗浄して、先の計測に供せられた試料や希釈試料が残留しないようにする。
また、請求項6の発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置は、前記固形成分の濃度yから前記灰分の濃度wを減じることにより、パルプ分の濃度を算出することを特徴としている。
すなわち、懸濁液の固形成分の濃度から灰分の濃度を減じてパルプ分の濃度を求めるようにした試料濃度測定装置としたものである。
また、請求項7の発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置は、前記希釈槽には、前記計量槽から供給された試料の容量と前記懸濁液について予め判明している濃度とから、希釈後の希釈試料の濃度が2%以下となるように希釈液を供給することを特徴としている。
前処理工程で調製された製紙原料を含む懸濁液は大凡の濃度が把握されているから、その試料を計量槽で計量し、その容量に対して希釈液を供給することにより、この希釈試料の大凡の濃度が把握できる。この希釈試料の大凡の濃度を2%以下とすることにより、光学式濃度計による測定濃度の精度に信頼性を具備させるようにしたものである。
また、請求項8の発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置は、前記試料がDIP懸濁液であることを特徴としている。
この製紙原料の試料濃度測定装置によってDIP懸濁液の濃度を測定するようにしたものである。
この発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法によれば、光学式濃度計を用いて濃度を測定できるから、精度の高い測定を行うことができる。しかも、測定は試料が希釈された希釈試料によって行うことになるが、簡単な計算によって製紙原料の濃度を迅速に求めることができる。このため、測定結果を迅速に抄紙機による紙匹の製造に反映させることができる。
また、請求項2の発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法によれば、パルプ分濃度を求めることにより、紙パルプ製造工程における工程管理や物質収支の測定にパルプ濃度を用いることができる。
また、請求項3の発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法によれば、光学式濃度計と光学式灰分計による測定結果に高い信頼性を得ることができる2%以下の濃度で希釈試料の濃度測定を行うようにしたから、高精度で濃度を測定することができる。
また、請求項4の発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法によれば、DIP懸濁液の濃度を測定できて、紙質が安定した再生紙の抄造を行うことができる。
また、請求項5の発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置によれば、採取口から採取された製紙原料の試料を確実に所定の倍率で希釈できるから、適正な補正定数を確実に設定できて、製紙原料の濃度を高精度に確実に求めることができる。しかも、複数の採取口を設けて、それらを計量槽に連通させることにより、これら複数の採取箇所から採取した試料を共通の計量槽や希釈槽、光学式濃度計を用いて濃度を測定することができる。このため、設備コストの増加を抑制することができる。さらに、試料の採取から濃度の測定までを人手によらずに行うことができるから、煩雑な作業を必要とせず、安定した計測を行うことができる。
また、請求項6の発明に係る製紙原料の試料濃度測定によれば、紙パルプ製造工程における工程管理や物質収支の測定にパルプ濃度を用いて、確実、かつ、迅速に製造される紙パルプの質の向上に反映させることができる。
また、請求項7の発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置によれば、光学式濃度計と光学式灰分計とによって高い精度で計測できる濃度に調整することにより、製紙原料の濃度を極力正確に求めることができる。しかも、前記計量槽と希釈槽とを組み合わせた構成であるから、確実に所定の倍率に希釈することができる。なお、濃度の計測対象となる製紙原料は、前処理工程で調製されているものであるから、大凡の濃度は把握できている。このため、計量槽に採取すべき試料の容量と希釈倍率を一定として、試料に応じた倍率となるように希釈槽に希釈液を供給することによるから、倍率を予め固定して処理することができ、濃度計測の作業性が良好となる。
また、請求項8の発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置によれば、DIP懸濁液の濃度を測定することにより安定した性質の再生紙を抄造することができる。
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいて、この発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置を具体的に説明する。
図1はこの発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置を説明するための概略の構成図である。この実施形態では、前処理工程から抄紙機に至る原料の給送路の適宜位置に6箇所の採取口1a、1b、1c、1d、1e、1fが設けられており、これら採取口1a〜1fに接続された試料供給管2a、2b、2c、2d、2e、2fが計量槽3に連通させてあり、採取口1a〜1fから採取された製紙原料の試料がこの計量槽3に各別に供給されるようにしてある。この計量槽3の底部に設けられた試料給送管4が、試料投入弁5を介して希釈槽6に連通させてある。
前記希釈槽6の底部には排出管7が接続されており、この排出管7を途中で二方向に分岐させて一方を排出弁8から系外へ排出するようにし、他方を出口弁9を介して循環ポンプ10の吸込側に接続させてある。この循環ポンプ10の吐出側に接続された吐出管10aは二方向に分岐され、一方は吐出弁11と希釈試料循環弁12を介して希釈槽6に環流させ、他方は吐出弁13と希釈試料計測弁14を介して光学式灰分計41と光学式濃度計15とに順次導入させてある。そして、この光学式濃度計15では、希釈槽6から導入された希釈試料の固形成分に関する濃度を測定する。また、光学式灰分計41では、希釈槽6から導入された希釈試料の灰分に関する濃度を測定する。なお、この実施形態では光学式灰分計41と光学式濃度計15とを直列に連通させた構成を示してあるが、これらは並列に配置して連通させる構成とすることもできる。
前記光学式灰分計41と光学式濃度計15とに導入され、濃度が測定された希釈試料は、戻り管16から希釈槽6に戻される。また、戻り管16の途中から採取管17が分岐され、この採取管17から手作業による分析のための試料を採取するための開放口18が、採取弁18aを介して設けられている。
前記戻り管16の途中には洗浄水を供給するための清水管19が逆洗弁20を介して接続されている。また、清水管19から前記希釈槽6へ供給弁21を介して、清水を供給できるようにしてある。さらに、清水管19から前記計量槽3へ洗浄弁22を介して清水を供給できるようにしてある。
また、前記循環ポンプ10から光学式灰分計41に至る配管の途中から逆洗配管23が逆洗弁24を介して希釈槽6に接続させてある。
そして、前記光学式濃度計15の固形成分希釈濃度データxに係る出力信号と、前記光学式灰分計41の灰分希釈濃度データsは、図2に示すように、CPU31に入力されている。CPU31には入力装置32から、例えば抄造に係る紙の銘柄等が入力される。CPU31には銘柄毎に固形成分濃度に関するゲイン値aとバイアス値bとのデータが格納された記憶装置33yと、灰分濃度に関するゲイン値pとバイアス値qとのデータが格納された記憶装置33wとが具備されており、入力装置32によって入力された銘柄等に応じたこれら処理値a、b、p、qがCPU31に提供される。CPU31からは演算装置34に前記光学式濃度計15の濃度値xと記憶装置33yから読み出されたゲイン値a、バイアス値bとを提供し、
y = ax+b (式1)
に代入する。また、前記光学式灰分計41の濃度値sと記憶装置33wから読み出されたゲイン値p、バイアス値qとを提供し、
w = sp+q (式2)
に代入する。
前記記憶装置33yと記憶装置33wのそれぞれに記憶されているゲイン値a、p及びバイアス値b、qは、予め手作業により濃度を測定して対応させてある。例えば、製紙原料の濃度と前記希釈槽6内で3倍に希釈した希釈試料の場合の濃度との関係から、処理値a、b、p、qを求める。希釈倍率は、製紙原料の濃度に応じて予め定め、希釈試料の濃度が2%以下となるように設定する。すなわち、古紙パルプの含有が多い場合には、倍率を高くして希釈し、少ない場合には低くして希釈する。あるいは、製紙原料の採取位置に応じても希釈倍率が変更される。これらの倍率と処理値a、b、p、qとは抄造に係る製紙原料と試料の採取位置とを対応させて前記記憶装置33yと記憶装置33wとに記憶させてあり、前記入力装置32で、これら銘柄と採取位置等の情報を入力することにより、CPU31によって対応する情報が指定されて読み出される。
前記演算装置34には表示装置35が接続されており、演算装置34による演算結果が表示されるようにしてある。さらに、プリンタ等の出力装置を接続させて、演算結果を出力させることもできる。
以上の構成を備えた実施形態について、その作用を以下に説明する。
前記採取口1a〜1fのいずれかである一の採取口1nから製紙原料の試料を採取する。このとき、前記入力装置32より、抄造に係る銘柄といずれの採取口1nから採取するかを入力することにより、その製紙原料に対する希釈倍率が決定され、前記CPU31に前記記憶装置33yと記憶装置33wのそれぞれから該当するゲイン値ann、pnnとバイアス値bnn、qnnとが読み出される。
採取口1nから採取された試料は前記計量槽3に給送されて、所定の容量が計測されると、採取が終了する。採取された試料は、前記試料投入弁5の開放によって計量槽3から前記希釈槽6に給送される。この希釈槽6には前記清水管19から供給弁21を通って希釈液である清水が供給され、試料が希釈されることになる。このとき、決定された希釈倍率に応じた量の清水が供給される。また、清水の供給と共に、前記循環ポンプ10が作動して、吐出管10a、吐出弁11、希釈試料循環弁12とを経由させることにより、希釈槽6内の希釈試料が循環されて試料と清水とが攪拌されて均一化した状態に混合される。
希釈槽6内で所定の希釈倍率で希釈された試料は、前記吐出弁13と希釈試料計測弁14が開放されることにより前記循環ポンプ10から吐出管10aを通って前記光学式灰分計41と光学式濃度計15とに供給されて灰分濃度と固形成分濃度とが測定される。この測定結果の固形成分希釈濃度データxと灰分希釈濃度データsとが前記CPU31に送出され、予め読み出されたゲイン値ann、pnn及びバイアス値bnn、qnnと共に、前記演算装置34に提供されて、前記式1及び式2とが実行されて試料に含有された固形成分の濃度yと灰分の濃度wとが求められる。求められた濃度y、wは前記表示装置35に表示され、あるいは図示しないプリンタによって印字される。また、固形成分の濃度yから灰分の濃度wを減じることによりパルプ分の濃度を求めて、これを前記表示装置35に表示させ、プリンタにより印字させることもできる。
一の採取口1nから採取された試料について濃度測定が終了すると、他の採取口1mから採取される試料についての濃度測定を行うこととなる。この場合、先に採取口1nから採取された試料が計量槽3や希釈槽6、循環ポンプ10、光学式濃度計15等と、これらを連通させた配管内とに残留していては、他の採取口1mから採取された試料と混合してしまい、採取口1mから採取された試料の濃度を正確に測定できない。このため、前記計量槽や希釈槽6、循環ポンプ15、配管内等、先の試料の濃度測定に係わった装置や部分等を洗浄液で洗浄する必要がある。なお、洗浄液としては清水が用いられる。
この測定装置の洗浄を行うには、先に採取して滞留させた試料を希釈槽6から前記排出弁8を開放させて排出させ、この希釈槽6と前記計量槽3とを空として、排出弁8を閉じる。この状態で前記洗浄弁22を開放して清水を計量槽3に供給して計量槽3の洗浄を行う。計量槽3に供給された清水は試料供給管4を通って希釈槽6に流入する。また、希釈槽6には、前記供給弁21を開放して清水を供給する。そして、循環ポンプ10を作動させて希釈槽6内の清水を、排出管7と循環ポンプ10、吐出管10a、吐出弁11、希釈試料循環弁12を通して循環させて、希釈槽6とこれら排出管7、循環ポンプ10等を洗浄する。また、前記逆洗弁20を開放して清水を導入すると、前記戻り管16を通って光学式濃度計15と光学式灰分計41とに、濃度の測定時とは逆方向に流れ、前記逆洗弁24を開放すると、この清水が希釈槽6に流入する。これにより、光学式濃度計15及び光学式灰分計41とこれに連通された配管16等が洗浄される。
測定装置の洗浄が完了したならば、次の採取口1mから試料を採取して前述したように、希釈槽6において適宜な倍数に希釈した希釈試料について濃度を測定することにより、他の採取口1nから採取された試料が混合していないから、この採取口1mから採取された試料の代表的濃度を確実に測定することができる。
この発明に係る製紙原料の試料濃度測定方法及び測定装置によれば、最も信頼性の高い光学式濃度計を用いて、製紙原料、特にDIPの濃度を測定できるから、抄造する紙の品質向上に迅速に寄与することができる。
この発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置の概略構成を説明する系統図である。 この発明に係る製紙原料の試料濃度測定装置の概略のブロック図である。
符号の説明
1a〜1f 採取口
2a〜2f 試料供給管
3 計量槽
6 希釈槽
10 循環ポンプ
15 光学式濃度計
19 清水管
31 CPU
32 入力装置
33 記憶装置
34 演算装置
35 表示装置
41 光学式灰分計

Claims (8)

  1. 抄紙機に供せられて紙匹の生成に用いられる製紙原料を含む懸濁液を採取して、その製紙原料の濃度を測定する製紙原料の試料濃度測定方法において、
    採取した試料を対応する倍率で希釈し、
    前記希釈した希釈試料に関して光学式濃度計により固形成分希釈濃度データxを取得し、
    前記固形成分希釈濃度データxと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた固形成分に関する補正定数a、bとから、
    y = ax+b
    により、前記採取した試料に含有された固形成分の濃度yを算出し、
    前記希釈した希釈試料に関して光学式灰分計により灰分希釈濃度データsを取得し、
    前記灰分希釈濃度データsと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた灰分に関する補正定数p、qとから、
    w = ps+q
    により、前記採取した試料に含有された灰分の濃度wを算出することを特徴とする製紙原料の試料濃度測定方法。
  2. 前記固形成分の濃度yから前記灰分の濃度wを減じることにより、パルプ分の濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の製紙原料の試料濃度測定方法。
  3. 前記希釈倍率は、前記希釈試料の濃度が2%以下となるように、試料の濃度に応じて選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製紙原料の試料濃度測定方法。
  4. 前記試料がDIP懸濁液であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の製紙原料の試料濃度測定方法。
  5. 抄紙機に供せられて紙匹の生成に用いられる製紙原料を含む懸濁液を採取して、その製紙原料の濃度を測定する製紙原料の試料濃度測定装置において、
    前記製紙原料の給送路に、試料を採取するために設けた採取口と、
    前記採取口から採取した試料の容量を計測する計量槽と、
    前記計量槽内の試料を流入させると共に、希釈液を供給して所定の倍率に希釈して希釈試料を生成する希釈槽と、
    前記希釈槽内の希釈試料を攪拌する攪拌装置と、
    前記希釈槽内の希釈試料を抽出して光学式濃度計と光学式灰分計とに給送する試料給送手段とからなり、
    前記光学式濃度計により計測した希釈試料の固形成分希釈濃度データxと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた固形成分に関する補正定数a、bとから、
    y = ax+b
    により、前記採取した試料に含有された固形成分の濃度yを算出し、
    前記希釈した希釈試料に関して光学式灰分計により灰分希釈濃度データsを取得し、
    前記灰分希釈濃度データsと、予め求めた前記懸濁液の性質に応じた灰分に関する補正定数p、qとから、
    w = ps+q
    により、前記採取した試料に含有された灰分の濃度wを算出することを特徴とする製紙原料の試料濃度測定装置。
  6. 前記固形成分の濃度yから前記灰分の濃度wを減じることにより、パルプ分の濃度を算出することを特徴とする請求項5に記載の製紙原料の試料濃度測定装置。
  7. 前記希釈槽には、前記計量槽から供給された試料の容量と前記懸濁液について予め判明している濃度とから、希釈後の希釈試料の濃度が2%以下となるように希釈液を供給することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の製紙原料の試料濃度測定装置。
  8. 前記試料がDIP懸濁液であることを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれかに記載の製紙原料の試料濃度測定装置。
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