JP2008024814A - 積層粘着シート間介在用フィルム、及びそれを用いた粘着シート・フィルム複合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所謂、タック材とタック材との間に介在させられるフィルムは1枚で済み、従って材料(フィルム)コストが低廉になるのみならず、かつ、材料(フィルム)管理も容易になり、最終製品(タック材とフィルムとの積層体)生産コストも低廉になり、更には廃棄フィルム量の枚数も少なくなり、かつ、細かくカットされたタック材の剥離(取出)作業性も向上する技術を提供することである。
【解決手段】 積層される粘着シートの間に介在させられるフィルムであって、
上側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの上面側には凹部が形成されてなり、
下側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの下面側には凸部が形成されてなる積層粘着シート間介在用フィルム。
【選択図】 図4

Description

本発明は、積層粘着シート間介在用フィルムおよび粘着シート・フィルム複合体に関する。例えば、半導体素子(装置)の熱損傷を防止する為、半導体素子(装置)をシャーシ等に接続して放熱を行わしめる為に用いられる、所謂、タック材と称される粘着シートの為の技術に関する。
半導体素子(装置)の熱損傷を防止する為、伝熱性に富む絶縁性粒子を分散させた伝熱・粘着(接着をも含む)性シートを半導体素子(装置)とシャーシとの間に配設することが知られている。
このような伝熱・粘着性シートは、例えば酸化アルミナが均一に分散させられた厚さが1〜2mm程度のシリコンエラストマーからなるシートである。そして、放熱の為に用いられるシートは、前もって、数mmから数cmの大きさのものにカットされている。すなわち、例えば大きさが十数cmないしは数十cmである伝熱・粘着性シートをフィルム上に配置した後、これを適宜な大きさにカット(所謂、ハーフカット)し、そして使用に際してはカットされた所望の大きさのものを所定の箇所に貼り付けている。
さて、上記のような伝熱・粘着性シートは、ベタツキが有る材であることから、当分野では、所謂、タック材と称されている。このタック材には、表裏両面が粘着(接着)性を有する両面タック材と、一面側しか粘着(接着)性を有さない片面タック材とが有る。
ところで、片面タック材でも、両面タック材でも、通常、何枚かが積層された形態で提供される。
例えば、図5に示される如く、フィルム13の上にタック材15を配置し、そしてフィルム13の上におかれたタック材15を所定の大きさにカットした後、前記フィルム13より厚さが薄いフィルム14を載せ、このフィルム14上に厚いフィルム13を配置し、そしてフィルム13上に第2層目のタック材15を配置し、続いて第2層目のタック材15を所定の大きさにカットした後、続いてフィルム14を載せ、更にフィルム13を配置し、以下同様に第n層目のタック材15を配置した後、薄いフィルム14を載せた形態の積層タック材が知られている。
ここで、タック材15とタック材15との間に、下側には薄いフィルム14が、上側には厚いフィルム13が介在させられていると言った如く、2枚のフィルムが用いられている。
特開2000−174070
さて、図5に示される如く、タック材15とタック材15との間に、下側には薄いフィルム14が、上側には厚いフィルム13が介在させられていると言った如く、2枚のフィルムが用いられているのは、次のような理由による。
もし、仮に、タック材15とタック材15との間に一枚のフィルムしか設けられていないとした場合、第k層目のタック材を使い終わって、表面に在るフィルムを剥がそうとした場合、この剥離しようとしたフィルムの下面に細かくカットされたタック材が幾つかくっ付いたままで剥がされてしまうことが起きる。
このような時、剥がそうとしたフィルムが薄いと、例えばピラピラの薄いフィルムであると、この薄いフィルムには細かくカットされたタック材がくっ付いて剥がされてしまうことは殆ど起きなかったのである。
このような理由で、薄いフィルム14と厚いフィルム13と言った如くの2枚の異なるフィルムがタック材15とタック材15との間に置かれていた。
しかしながら、2枚のフィルムをタック材の上に順番に載せて行くのは、それだけ作業性が低下する。コストが高く付いてしまう。又、材料費も高く付く。更には、材料の管理コストも高く付く。
そして、使用に際しては、廃棄することになるフィルムが多くなり、それだけコストアップを引き起こす。
又、従来のものにあっては、細かくカットされたタック材を剥がす場合に、タック材を綺麗に剥離でき難く、例えばタック材の側面に過大な力を加えてしまい、タック材が変形してしまい、使用できないものとなってしまうと言った問題も起きていた。すなわち、細かくカットされたタック材を綺麗な形で取り出し難く、作業性も悪いと言った問題が有った。
従って、本発明が解決しようとする課題は、所謂、タック材とタック材との間に介在させられるフィルムは1枚で済み、従って材料(フィルム)コストが低廉になるのみならず、かつ、材料(フィルム)管理も容易になり、最終製品(タック材とフィルムとの積層体)生産コストも低廉になり、更には廃棄フィルム量の枚数も少なくなり、かつ、細かくカットされたタック材の剥離(取出)作業性も向上する技術を提供することである。
前記の課題は、積層される粘着シートの間に介在させられるフィルムであって、
上側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの上面側には凹部が形成されてなり、
下側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの下面側には凸部が形成されてなる
ことを特徴とする積層粘着シート間介在用フィルムによって解決される。
特に、積層される粘着シートの間に介在させられるフィルムであって、
上側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの上面側には凹部が形成されてなり、
下側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの下面側には凸部が形成されてなり、
そして、前記フィルムで挟まれている一枚の粘着シートは幾つかの大きさに分割されたものであり、
前記フィルムに形成されてなる一つの凹部または凸部の大きさは、該粘着シートが分割された一つの大きさより小さな大きさである
ことを特徴とする積層粘着シート間介在用フィルムによって解決される。
又、上記の積層粘着シート間介在用フィルムであって、
粘着シートが軟性・粘着シートであり、
フィルムが前記粘着シートより硬い素材のフィルムである
ことを特徴とする積層粘着シート間介在用フィルムによって解決される。
又、上記の積層粘着シート間介在用フィルムであって、
フィルムは、その一面側を押圧することによって、該フィルムの押圧面側である一面側には凹部が形成され、該フィルムの他面側には凸部が形成されたものである
ことを特徴とする積層粘着シート間介在用フィルムによって解決される。
又、上記の積層粘着シート間介在用フィルムであって、
粘着シートは、絶縁性で、かつ、伝熱性を有する粉末が樹脂中に分散させられてなる絶縁・伝熱性を有する粘着シートである
ことを特徴とする積層粘着シート間介在用フィルムによって解決される。
又、前記の課題は、粘着シートと粘着シートとの間にフィルムが介在させられてなる粘着シート・フィルム複合体であって、
前記フィルムは上記のフィルムであり、
前記粘着シートは上記の粘着シートであり、
前記フィルムに形成されている凹部が上側に位置する粘着シートに対向するよう、かつ、前記フィルムに形成されている凸部が下側に位置する粘着シートに対向するよう配設されてなる
ことを特徴とする粘着シート・フィルム複合体によって解決される。
本発明によれば、所謂、タック材とタック材との間に介在させられるフィルムは1枚で済み、従って材料(フィルム)コストが低廉になる。かつ、材料(フィルム)管理も容易になり、最終製品(タック材とフィルムとの積層体)生産コストも低廉になる。更には、廃棄フィルム量の枚数も少なくなり、後始末が容易である。かつ、細かくカットされたタック材の剥離(取出)作業性が向上する。すなわち、細かくカットされたタック材の剥離(取出)に際して、タック材を傷付け難い。
その理由は次の通りである。
タック材とタック材との間に配設されていたフィルムを、従来、二枚必要としていた理由は、フィルムの剥離に際して、剥離されるフィルムに細かくカットされたタック材がくっ付いていたからである。
本発明では、下側に在るタック材に対向しているフィルムにはライン状の凸部が設けられていることから、第k層目のフィルムの下側に在るタック材と第k層目のフィルムとの接触面積Sと、第k層目のフィルムの下側に在るタック材と第k層目のフィルムより一つ下に在る第k−1層目のフィルムとの接触面積Sk−1とを比べると、図4からも判る通り、S<Sk−1である。従って、第k層目のフィルムを剥離しようとした場合、第k層目のフィルムの下側に在るタック材は、第k−1層目のフィルムとの接触面積が大きいことから、第k−1層目のフィルムとの粘着(接着)強度が大きく、第k層目のフィルムの下側に在るタック材が第k層目のフィルムにくっ付いたまま剥がれてしまうと言った事故を効果的に防止できる。
すなわち、本発明の如くに構成させることによって、タック材(粘着シート)とタック材(粘着シート)との間に介在させるフィルムが一枚で済むことになる。
しかも、細かくカットされたタック材を剥がそうとした場合、タック材の下側に在るフィルムの上面(剥がそうとするタック材との対向面)には凹部が形成されているから、この凹部によって出来るタック材との隙間にタック材取出部材の先端を簡単に差し入れることが出来、従ってタック材を損傷せずに取り出せるようになる。又、その作業性も向上する。
本発明は、積層される粘着シートの間に介在させられるフィルム(積層粘着シート間介在用フィルム)である。そして、上側に位置する粘着シートに対向する側であるフィルムの上面側には凹部が形成されると共に、下側に位置する粘着シートに対向する側であるフィルムの下面側には凸部が形成されている。フィルムは、その一面側を押圧することによって、該フィルムの押圧面側である一面側には凹部が形成され、該フィルムの他面側には凸部が形成されたものである。凹部(凸部)は、特に、ライン状の凹部(凸部)である。フィルムで挟まれている一枚の粘着シートは幾つかの大きさに分割されたものであり、該フィルムに形成されてなる一つの凹部または凸部の大きさは該粘着シートが分割された一つの大きさより小さな大きさである。例えば、平面視における一つの凹部(凸部)の大きさは、カットされた粘着シートの大きさの1/10より小さなものである。尚、下限値は粘着シートの大きさによって変わるので、一義的には決められ難い。そして、平面視における一つの凹部(凸部)の大きさは、具体的には、例えば1〜5mm程度の大きさである。粘着シートは軟性・粘着シートであり、フィルムは前記粘着シートより硬い(剛性に富む:撓み難い)素材のフィルムである。すなわち、粘着シートが柔らかくて多少の変形をするような場合でも、フィルムが硬質(剛性に富む:撓み難い)であることから、フィルムが粘着シートの変形に追随せず、フィルムと粘着シートとの間には、フィルムに形成された凹部(凸部)に起因した空間が潰れず、この空間部ではフィルムと粘着シートとがくっ付いてないようになっている。尚、フィルムのどちらの面に凹部(又は凸部)が形成されているかを判り易くする為のマークが所定の面に付されている。又、粘着シートは、絶縁性で、かつ、伝熱性を有する粉末が樹脂中に分散させられてなる絶縁・伝熱性を有する粘着シートである。
もう一つの本発明は、粘着シートと粘着シートとの間にフィルムが介在させられてなる粘着シート・フィルム複合体である。そして、このフィルムは上記のフィルムであり、粘着シートは上記の粘着シートである。しかも、該フィルムに形成されている凹部が上側に位置する粘着シートに対向するよう、かつ、該フィルムに形成されている凸部が下側に位置する粘着シートに対向するよう配設されている。
以下、具体的な実施例を挙げて説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態を示すもので、図1は本発明のフィルムとフィルムとの間に粘着シート(所謂、タック材)が設けられている状態の斜視図、図2は本発明のフィルムの表面に形成されている凹部(凸部)の模様を示す説明図、図3は本発明のフィルムの一部を示す断面図、図4は粘着シートと粘着シートとの間にフィルムが介在させられてなる粘着シート・フィルム複合体の側面図である。
各図中、1はフィルムである。尚、このフィルムは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフイン、或いはポリエチレンテレフタレー等のポリエステル、又はポリ塩化ビニル等の各種の樹脂で出来た機械的強度に富む(硬質、撓み難い、剛性に富む)フィルムである。厚さに格別な制約はないが、本実施形態では、0.3mm程度である。一般的には、0.2〜0.5mm程度である。
2は、両面が粘着性を有する粘着シート(所謂、タック材)である。尚、粘着シート2の厚さは、目的に適って適宜なものであるが、本実施形態では、フィルム1の厚さより厚く、例えば1〜3mm程度である。このタック材2は、フィルム1の上に載せられた後、使用目的に応じた所望の大きさにカットされる。図では、そのカットラインが線で示されている。図4で示される符号9,10,11は、細かく(例えば、1cm程度から数cm程度の大きさ)カットされたタック材を示している。そして、本タック材は、シリコンエラストマー(又はアクリルエラストマー、若しくはゲルシート)中にアルミナ粉末が分散させられたものであって、アルミナ粉末に起因して熱伝導性が良く、又、シリコンエラストマー(又はアクリルエラストマー、若しくはゲルシート)に起因して軟性、かつ、粘着性を有している。
3は、フィルム1の一面側に付されたマークである。このマーク3が付された側の面は凹部が形成されている面であることを示す為のものである。
さて、本発明のフィルム1にあっては、例えば押圧手段によって、フィルム1の一面側(本実施形態にあっては下面側)に飛び出した凸部5(図4では符号7)が形成されている。凸部5,7の高さは0.05〜0.2mm程度である。本実施形態では0.1mmである。そして、フィルムの他面側(本実施形態にあっては上面側)には、凸部5,7に対向して、凹部が形成されていることになる。そして、凹部以外の箇所にあっては、フィルム1の他面(本実施形態にあっては上面)は平坦面である。尚、この平坦面の箇所を図3では符号4で示している。そして、フィルム1の下面側にあっても、平坦面部4に対応する箇所は平坦である。又、本実施形態では、凸部5,7はライン状のものである。そして、その形状は、図2に示される如く、一辺の長さが1mm程度の六角形(亀甲模様)である。勿論、この形状に限られるものでは無い。
そして、図4に示される通り、フィルム1の凹部形成面側の上にタック材2が載せられている。タック材2の上には、このタック材2に対向する側に凸部5が位置するようにフィルム1が載せられる。以下、同様なステップが繰り返され、フィルム1とタック材2とが積層される。尚、一番上のタック材1の上には、フィルム1を載せても良いが、フィルム1の如きの凹部が形成されていない凸部のみが形成されたフィルム8を載せても良い。そして、このような形態の粘着シート・フィルム複合体がユーザーに提供される。
ユーザーは、使用に際しては、先ず、一番上に在るフィルム8を剥離する。この剥離に際しては、タック材2とフィルム8との粘着力はタック材2とフィルム1との粘着力より小さいから、細かくカットされたタック材9はフィルム8にくっ付くことなく、フィルム8のみが剥がれる。従って、無駄が無い。
フィルム8が剥がされて、タック材9を取り出すに際して、タック材9と下側のフィルム1との間には、フィルム1上面に形成されている凹部が有ることから、この凹部の隙間にピンセットの先端を簡単に差し込むことが出来、細かくカットされたタック材9を簡単に取り出すことが出来る。全てのタック材9を使い終わると、その下に在るフィルム1を剥がす。このフィルム1の剥離に際しても、フィルム1の下側のタック材がくっ付いた状態で剥がれることは無い。従って、無駄なくタック材9を利用できる。
本発明になるフィルムとフィルムとの間に粘着シートが設けられた状態での斜視図 本発明になるフィルム表面に形成されている凹部(凸部)の模様の平面図 本発明になるフィルムの一部断面図 本発明になる粘着シート・フィルム複合体の側面図 従来の粘着シート・フィルム複合体の側面図
符号の説明
1 フィルム
2,9,10,11 粘着シート(タック材)
5,7 凸部

代 理 人 宇 高 克 己

Claims (6)

  1. 積層される粘着シートの間に介在させられるフィルムであって、
    上側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの上面側には凹部が形成されてなり、
    下側に位置する粘着シートに対向する側である前記フィルムの下面側には凸部が形成されてなる
    ことを特徴とする積層粘着シート間介在用フィルム。
  2. フィルムは、その一面側を押圧することによって、該フィルムの押圧面側である一面側には凹部が形成され、該フィルムの他面側には凸部が形成されたものである
    ことを特徴とする請求項1の積層粘着シート間介在用フィルム。
  3. フィルムで挟まれている一枚の粘着シートは幾つかの大きさに分割されたものであり、
    該フィルムに形成されてなる一つの凹部または凸部の大きさは、該粘着シートが分割された一つの大きさより小さな大きさである
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2の積層粘着シート間介在用フィルム。
  4. 粘着シートが軟性・粘着シートであり、
    フィルムが前記粘着シートより硬い素材のフィルムである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの積層粘着シート間介在用フィルム。
  5. 粘着シートは、絶縁性で、かつ、伝熱性を有する粉末が樹脂中に分散させられてなる絶縁・伝熱性を有する粘着シートである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかの積層粘着シート間介在用フィルム。
  6. 粘着シートと粘着シートとの間にフィルムが介在させられてなる粘着シート・フィルム複合体であって、
    前記フィルムは請求項1〜請求項5いずれかのフィルムであり、
    前記粘着シートは請求項1〜請求項5いずれかの粘着シートであり、
    前記フィルムに形成されている凹部が上側に位置する粘着シートに対向するよう、かつ、前記フィルムに形成されている凸部が下側に位置する粘着シートに対向するよう配設されてなる
    ことを特徴とする粘着シート・フィルム複合体。
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