JP2008024771A - 半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂製造方法及び半導体の製造方法 - Google Patents

半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂製造方法及び半導体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、耐水性に優れ、フォトレジスト樹脂層に均一な塗膜形成が可能であり、さらにアルカリ現像液で溶解処理が可能であるレジスト保護膜用樹脂の製造方法及びその保護膜を使用した半導体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、下記式(1)
【化1】
Figure 2008024771

(上記式(1)において、Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される重合単位を少なくとも含む半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明の保護膜用樹脂は半導体集積回路用フォトレジスト及びカラーフィルタ用フォトレジスト材料などに有用なポジ型レジスト組成物に利用可能である。特に、液浸露光での半導体集積回路用フォトレジストへの保護膜として有用である。
半導体製造工程で用いられるフォトレジスト用樹脂は、光照射により照射部がアルカリ可溶性に変化する性質、シリコンウエハ(基板)への密着性、プラズマエッチング耐性、用いる光に対する透明性等の特性を兼ね備えていなくてはならない。該フォトレジスト用樹脂は、一般に、主剤であるポリマーと、光酸化剤と、上記特性を調整するための数種の添加剤を含む溶液として用いられる。
パターンをより微細化するため、半導体の製造に用いられるリソグラフィの露光光源は年々短波長になってきている。しかし、短波長の光を透過するガラス材料の種類には限度があることから、ウエハ等の基板と該基板に最も近いレンズ面との間のワーキングディスタンスを露光光を透過する液体で満たして、開口数を増大させることにより露光パターンの微細化を図る液浸型の露光装置が提案されている。このように液浸下で露光を行う方法は液浸露光法と呼ばれている。
従って、レジスト樹脂を液浸露光に使用する場合、液浸に使用される液、例えば水などであるが、レジスト樹脂は一般的にシリコン基板に密着させるために、極性基を導入するのが通常であり、それによって水などに膨潤する性質を有している。それを防止するためにレジスト樹脂の上層に水などに抵抗性のある保護膜が提案されている。例えば、特許文献1、特許文献2など。しかし、今後さらにパターンの微細化が望まれている状況下では、さらに機能性の高い保護膜及びその合理的な製造方法への要求は強い。
特開2006−047351号公報 特開2006−064711号公報
本発明の目的は、耐水性に優れ、フォトレジスト樹脂層に均一な塗膜形成が可能であり、さらにアルカリ現像液で溶解処理が可能であるレジスト保護膜用樹脂の製造方法及びその保護膜を使用した半導体の製造方法を提供することにある。

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸系の酸無水物を含む樹脂を酸無水物との反応による効果的な方法を見出すとともに、製造された樹脂をフォトレジスト保護膜に使用することにより、液浸露光による半導体の製造おいて、超微細なパターンの形成が可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2008024771
(上記式(1)において、Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
で表される重合単位を少なくとも含む半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法を提供する。
また本発明は、下記式(2)
Figure 2008024771
(上記式(2)において、Rは前記に同じ。)
で表される重合単位を少なくとも含むポリマーと、下記式(3)
Figure 2008024771
(上記式(3)において、Rは前記に同じ。)
で表される酸無水物による反応から得られることを特徴とする前記記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法を提供する。
更に本発明は、前記式(2)で表される重合単位を少なくとも含むポリマーをラジカル重合による製造後に、前記式(3)で表される酸無水物を添加して製造することを特徴とする前記記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法を提供する。
本発明はまた、前記式(2)で表される重合単位を少なくとも含むポリマーをラジカル重合による製造が、重合温度に昇温された溶媒へ、モノマー及び重合開始剤の溶液を添加しながら重合することを特徴とする前記記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法を提供する。
更に本発明はまた、前記式(2)で表される重合単位を少なくとも含むポリマーが更に、下記式(4)
Figure 2008024771
(上記式(4)において、Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1から20の炭化水素基を示し、Wは連結基または単結合を示す。)
で表される重合単位を含むことを特徴とする前記記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法を提供する。
前記のいずれかに記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法により製造された保護膜用樹脂による保護膜を使用した半導体の製造方法を提供する。
本発明の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法によれば、液浸露光法を使用する半導体の製造に関して、フォトレジスト膜を液浸に使用される液からその機能を維持し、微細なパターンを高い精度で形成することを可能とする保護膜用樹脂の効果的な製造方法を提供し、更に本発明の保護膜によれば、液浸露光法を使用する半導体の製造に関して、フォトレジスト膜を液浸に使用される液からその機能を維持し、微細なパターンを高い精度で形成することを可能とした。
本明細書においてアクリル基であるアクリルとメタクリル基であるメタクリルを総称して(メタ)アクリルとして記載する。
本発明の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂を構成する前記式(1)で示される重合単位のRは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。Rの炭素数1〜4のアルキル基として例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ターシャルブチル基が挙げられる。Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基であるが、フッ素化メチル基として例えば、モノフルオロメチル基。ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。
式(2)で示される重合単位は、式(2)で示される重合単位と式(3)で示される酸無水物との反応により製造されることが好ましい。式(2)において、Rは前記と同じものである。また、式(3)において、Rは前記と同じものである。
式(2)で示される重合単位に相当する単量体としては、例えば以下のものが挙げられる。
2−1 (メタ)アクリル酸
2−2 1−モノフルオロメチルアクリル酸
2−3 1−ジフルオロメチルアクリル酸
2−4 1−トリフルオロメチルアクリル酸
また、式(3)で示される酸無水物として、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等が挙げられる。また、これらの酸無水物は2種類以上を混合使用することも可能である。この酸無水物は式(2)で示される重合単位のカルボン酸を酸無水物へ誘導するための原料として使用される。
本発明の保護膜用樹脂は式(4)で示される重合単位を含むことも好ましい。重合単位式(4)は液浸露光時に使用する水などの液に対して疎水性を樹脂に付与する機能を有す。式(4)中、Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1から20の炭化水素基を示し、Wは連結基または単結合を示す。Rにおいてフッ素化メチル基として例えば、モノフルオロメチル基。ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基などが挙げられる。Rの炭素数1から20の炭化水素基としては飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基が挙げられる。ArFなどの遠紫外線に透明である飽和炭化水素基が好ましい。飽和炭化水素基として、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−または分岐したペンチル、n−または分岐したヘキシル、n−または分岐したヘプチル、n−または分岐したオクチル、n−または分岐したノニル、n−または分岐したデカニル、n−または分岐したウンデカニル、n−または分岐したドデカニル基などの飽和非環式炭化水素基、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン環などの単環式炭化水素を含んだ飽和炭化水素基、ノルボルナン、アダマンタン、ジシクロ[4.4.0]デカン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[8.4.0.03,8]トリデカンなどの有橋環式炭化水素を含んだ飽和炭化水素基などが挙げられる。炭化水素基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子などのハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボニルオキシ基などの酸素含有基などが挙げられる。
また、式(4)中、Wは連結基または単結合を示すが、連結基としては、−COO−基、−OCO−基、−O−基等である。これらの基において左側の結合を示す(−)は、重合体主鎖への結合を示し、右側の(−)はRへの結合を示すものである。
前記式(4)の重合単位に相当する単量体の具体的な例として、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸メチル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エチル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸n−プロピル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸イソプロピル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸n−ブチル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸イソブチル、α−トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸t−ブチル、等の直鎖または分岐構造を持つ(メタ)アクリル酸エステルまたはα位がフッ素原子で置換されたメチル基である(メタ)アクリル酸エステル等、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸ノロボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロ[4.4.0]デカニル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル、(メタ)アクリル酸トリシクロ[8.4.0.03,8]トリデカニルなどの脂環式骨格をエステル基に保有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。更に、これらの炭化水素基は置換基として、フッ素原子などのハロゲン原子、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボニルオキシ基などの酸素含有基などを含有することも可能である。
また、前記式(4)の重合単位に相当する単量体の具体的な例として、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニル系単量体、更に、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルへキシルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、ノルボルニルビニルエーテル、アダマンチルビニルエーテル等のビニルエーテル類なども挙げられる。
本発明の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂を構成する共重合単位の比率については、前記式(1)で示される重合単位は通常5〜60モル%であり、好ましくは10〜55モル%、特に好ましくは15〜50モル%である。前記式(1)で示される重合単位が5モル%より小さくなるとアルカリ可溶性が低下する。60モル%より大きくなると耐水性が悪くなる。
前記式(2)で示される重合単位が酸無水物とは反応せずに残存することも好ましく、式(2)で示される重合単位として、通常0〜50モル%であり、好ましくは5〜40モル%、特に好ましくは10〜35モル%である。前記式(3)で示される重合単位が50モル%を超えると、耐水性が悪化する。
式(4)で示される重合単位は樹脂中には存在しているほうが好ましく、通常20〜90モル%であり、好ましくは30〜80モル%、特に好ましくは35〜70モル%である。前記式(2)で示される重合単位が20モル%より小さくなると耐水性が悪くなり、90モル%を超えるとアルカリに可溶な単位が少なくなり、アルカリへの溶解性が悪化する。
本発明の保護膜用樹脂の原料となる重合単位式(2)を含む高分子化合物の重合方法は、ラジカル重合、アニオンまたはカチオン重合などの重合方法が採用され、中でもラジカル重合が好ましい。ラジカル重合でも、塊状重合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合などが使用可能である。中でも、溶液重合が好ましい。
本発明の保護膜用樹脂の原料となる重合単位式(2)を含む高分子化合物の重合方法において溶液重合を採用する場合は、モノマー及び重合開始剤を重合温度に制御された溶媒中へ、添加しながら重合する添加重合法を用いることが好ましい。重合方法として添加重合を用いると、得られるポリマーの分子量分布が狭く、溶媒への溶解性も良好であるため均一な膜を形成することができる。
ラジカル重合における重合開始剤としては一般的に使用されるものであれば良く特に限定はされないが、開始剤の分子中に二トリル基を含まないものが、ArFエキシマレーザを使用する半導体の製造方法において、使用される光源の波長に対して吸収が少ないので好ましい開始剤と言える。また、分子中にベンゼン骨格などを含まないものも好ましい。
好ましい重合開始剤として、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール類;P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のパーオキシケタール類;2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、サクシン酸パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステル類;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類;ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジエチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジブチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物が例示される。
中でも、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、サクシン酸パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジエチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、ジブチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ化合物が好ましい。
重合温度は使用される開始剤によっても好適な温度は異なるが、通常40〜180℃、好ましくは50〜150℃である。40℃より低いと重合時間が多大にかかり好ましくない。180℃を超えると連鎖移動反応や副反応が増加して好ましくはない。
重合に使用される溶媒はモノマーや生成する高分子化合物を溶解できる溶媒であれば特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテートなどのエステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類,ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類,ブチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが用いられる。これらの溶媒は単独で、または混合して使用してもよい。
式(3)で示される酸無水物と合成された高分子化合物との反応は、高分子化合物を単離してから、酸無水物と適当な溶媒を使用して反応させてもよく、また、高分子化合物の合成後、つまり重合後に、重合した溶液に酸無水物を添加して反応させても良い。効果的な方法としては、後者が挙げられる。重合後に酸無水物と反応させるときは、重合に使用する溶媒は、酸無水物と反応性のない溶媒、例えば活性水素を有するアルコール系の溶媒は避けたほうが良い。
重合後に酸無水物と反応させる時は、その反応温度は通常20〜180℃、好ましくは40〜150℃であり、重合温度をそのまま維持して反応する方法も好ましい。反応時間は採用される反応温度によっても好適な温度は変わるが、通常、5分〜10時間、好ましくは10分〜8時間程度である。
反応する高分子中に含まれる重合単位式(2)のモル数に対して、使用される酸無水物のモル数は通常50モル%(重合単位式(2)のモル数の半分を意味する)〜1000モル%であり、好ましくは70モル%〜800モル%、特に好ましくは100モル%〜600モル%程度である。使用する酸無水物の量に応じて、生成する式(1)で示される重合単位の量が変化する。使用する酸無水物の量が50モル%未満では高分子中に生成する重合単位式(2)の量が少なすぎて、耐水性とともにアルカリ可溶性である本来の機能が発揮できないので保護膜には使用できない。また、酸無水物が1000モル%を超えると、酸無水物が過剰すぎて、経済的ではない。
高分子化合物と酸無水物の反応が終了した後は、冷却して貧溶媒(沈殿溶媒;高分子化合物を沈殿させる溶媒)中へ反応液を添加して高分子化合物を沈殿させて、分離する方法が効果的である。貧溶媒としては特に限定されるものではないが、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)と、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)などとの混合物が好ましい。
本発明の保護膜用樹脂は有機溶媒に溶解してレジスト層の上に塗布されるが、使用される溶媒は樹脂を溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、2成分以上の混合溶媒であってもよい。なかでも、保護膜用樹脂を溶解し、塗布されているレジスト層を傷つけることのない溶媒が好ましい。溶媒の溶解性を低下させるために、水や炭化水素系の溶媒を添加することも好ましい。保護膜用樹脂の溶媒として、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテートなどのエステル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類,ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類,ブチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素などが用いられる。これらの溶媒は単独で、または混合して使用してもよい。
本発明におけるフォトレジスト用樹脂は、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aと、極性基を有する脂環式骨格を含む繰り返し単位Bとを少なくとも含有している。
酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aとしては、露光によって光酸発生剤から発生する酸の作用により一部分が脱離してアルカリ現像液に対して可溶性を示すもの(酸脱離性基を有する繰り返し単位)であれば特に限定されず、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステルに対応する繰り返し単位(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)などが挙げられる。「炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル」には、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有すると共に、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。前記脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。前記炭素数6〜20の脂環式炭化水素基は単環式炭化水素基であってもよく、多環式(橋かけ環式)炭化水素基であってもよい。このような(メタ)アクリル酸エステルに対応する単位の代表的な例として、下記式(Ia)、(Ib)で表される単位が例示される。
Figure 2008024771

また、「炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を含有し且つ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル」には、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有すると共に、該脂環式炭化水素基に−COORa基(Raは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、又はオキセパニル基を示す)が直接又は連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルも含まれる。−COORa基のRaにおける第3級炭化水素基としては、例えば、t−ブチル、t−アミル、2−メチル−2−アダマンチル、(1−メチル−1−アダマンチル)エチル基などが挙げられる。この第3級炭化水素基が有していてもよい置換基として、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などが挙げられる。また、Raにおけるテトラヒドロフラニル基には2−テトラヒドロフラニル基が、テトラヒドロピラニル基には2−テトラヒドロピラニル基が、オキセパニル基には2−オキセパニル基が含まれる。前記連結基としては、アルキレン基(例えば、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基等)などが挙げられる。前記脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。前記炭素数6〜20の脂環式炭化水素基は単環式炭化水素基であってもよく、多環式(橋かけ環式)炭化水素基であってもよい。このような(メタ)アクリル酸エステルに対応する単位の代表的な例として、前記式(Ic)で表される単位が例示される。
また、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aとして、(メタ)アクリル酸ヘミアセタールエステルに対応するモノマー単位が挙げられる。具体的には、前記式(Id)で表される単位が例示される。
また、酸によりその一部が脱離してアルカリ可溶性となる基を含む繰り返し単位Aとして、エステル結合を構成する酸素原子がラクトン環のβ位に結合し且つラクトン環のα位に少なくとも1つの水素原子を有する、ラクトン環を含む(メタ)アクリル酸エステルに対応する繰り返し単位(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)などを用いることも可能である。前記繰り返し単位Aは1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
繰り返し単位Aとしては、前記式(Ia)〜(Id)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位であるのが好ましい。式(Ia)〜(Id)中、環Zにおける炭素数6〜20の脂環式炭化水素環は単環であっても、縮合環や橋かけ環等の多環であってもよい。代表的な脂環式炭化水素環として、例えば、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環などが挙げられる。脂環式炭化水素環には、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、塩素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、オキソ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基などの置換基を有していてもよい。環Zは例えばアダマンタン環等の多環の脂環式炭化水素環(橋かけ環式炭化水素環)であるのが好ましい。
式(Ia)〜(Id)中のR、並びに式(Ia)、(Ib)、(Id)中のR〜R、R10、R11における置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜6のアルキル基;トリフルオロメチル基等の炭素1〜6のハロアルキル基などが挙げられる。Rとしては、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特に水素原子又はメチル基が好ましい。式(Ic)中、Rにおけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素1〜20程度のアルキル基が挙げられる。Rにおける保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、−COORb基などが挙げられる。前記Rbは水素原子又はアルキル基を示し、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。Rにおいて、−COORa基のRaは前記と同様である。
12における有機基としては、炭化水素基及び/又は複素環式基を含有する基が挙げられる。炭化水素基には脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらが2以上結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基(C1-8アルキル基等);アリル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルケニル基(C2-8アルケニル基等);プロピニル基等の直鎖状または分岐鎖状のアルキニル基(C2-8アルキニル基等)などが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(3〜8員シクロアルキル基等);シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基(3〜8員シクロアルケニル基等);アダマンチル、ノルボルニル基等の橋架け炭素環式基(C4-20橋架け炭素環式基等)などが挙げられる。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基等のC6-14芳香族炭化水素基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した基としては、ベンジル、2−フェニルエチル基などが挙げられる。これらの炭化水素基は、アルキル基(C1-4アルキル基等)、ハロアルキル基(C1-4ハロアルキル基等)、ハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシメチル基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、オキソ基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記複素環式基としては、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環式基が挙げられる。
好ましい有機基として、C1-8アルキル基、環式骨格を含む有機基等が挙げられる。前記環式骨格を構成する「環」には、単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性の炭素環又は複素環が含まれる。なかでも、単環又は多環の非芳香族性炭素環、ラクトン環(非芳香族性炭素環が縮合していてもよい)が特に好ましい。単環の非芳香族性炭素環として、例えば、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などの3〜15員程度のシクロアルカン環などが挙げられる。
多環の非芳香族性炭素環(橋架け炭素環)として、例えば、アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルンネン環、ボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環;ノルボルナン環、ノルボルネン環、ボルナン環、イソボルナン環、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン環等のノルボルナン環又はノルボルネン環を含む環;パーヒドロインデン環、デカリン環(パーヒドロナフタレン環)、パーヒドロフルオレン環(トリシクロ[7.4.0.03,8]トリデカン環)、パーヒドロアントラセン環などの多環の芳香族縮合環が水素添加された環(好ましくは完全水素添加された環);トリシクロ[4.2.2.12,5]ウンデカン環などの2環系、3環系、4環系などの橋架け炭素環(例えば、炭素数6〜20程度の橋架け炭素環)などが挙げられる。前記ラクトン環として、例えば、γ−ブチロラクトン環、4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン環、4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−5−オン環などが挙げられる。
前記環式骨格を構成する環は、メチル基等のアルキル基(例えば、C1-4アルキル基など)、トリフルオロメチル基などのハロアルキル基(例えば、C1-4ハロアルキル基など)、塩素原子やフッ素原子等のハロゲン原子、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいメルカプト基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいスルホン酸基などの置換基を有していてもよい。保護基としては有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。
前記環式骨格を構成する環は、式(Id)中に示される酸素原子(R12の隣接位の酸素原子)と直接結合していてもよく、連結基を介して結合していてもよい。連結基としては、メチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;カルボニル基;酸素原子(エーテル結合;−O−);オキシカルボニル基(エステル結合;−COO−);アミノカルボニル基(アミド結合;−CONH−);及びこれらが複数個結合した基などが挙げられる。
10、R11、R12のうち少なくとも2つは、互いに結合して隣接する原子とともに環を形成していてもよい。該環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのシクロアルカン環;テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、オキセパン環などの含酸素環;橋架け環などが挙げられる。
前記極性基を有する脂環式骨格を含む繰り返し単位Bは、下記式(IIa)〜(IId)
Figure 2008024771


によって表されるが、その単位Bとして、(1)ラクトン環を含有する炭素数6〜20の脂環式炭化水素基[ラクトン環と単環又は多環(橋かけ環)の脂環式炭素環とが縮合した構造を有する基等]がエステル結合を構成する酸素原子に結合している(メタ)アクリル酸エステルに対応するモノマー単位B1(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)が含まれる。このような繰り返し単位B1の代表的な例として、前記式(IIa)のうちV1〜V3の少なくとも1つが−COO−である単位、及び(IIb)、(IIc)、(IId)で表される単位が例示される。
また、極性基を有する脂環式骨格を含む繰り返し単位Bには、(2)ヒドロキシル基、カルボキシル基、オキソ基などの極性基を有する炭素数6〜20の脂環式炭化水素基(特に、橋かけ環式炭化水素基)がエステル結合を構成する酸素原子に結合している(メタ)アクリル酸エステルに対応するモノマー単位B2(炭素−炭素二重結合部位で重合した場合の繰り返し単位)も含まれる。このような繰り返し単位B2の代表的な例として、前記式(IIa)のうちV1〜V3の少なくとも1つが−CO−であるか、又はR13〜R15のうち少なくとも1つが、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、又は保護基で保護されていてもよいカルボキシル基である単位が例示される。
繰り返し単位Bは、極性基によりシリコンウエハーなどの基板に対する密着性を付与すると共に、脂環式骨格によりドライエッチング耐性を付与する。繰り返し単位Bは1種のみであってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。繰り返し単位Bとしては、前記式(IIa)〜(IId)から選択された少なくとも1種の繰り返し単位であるのが好ましい。また、繰り返し単位Bとして繰り返し単位B1と繰り返し単位B2とを組み合わせると、基板密着性、ドライエッチング耐性、レジスト溶剤に対する溶解性等の特性をバランスよく具備するだけでなく、重合時における均質反応性にも優れる(分子量や分子構造において均一性の高いポリマーが生成する)という大きな利点が得られる。
式(IIa)〜(IId)中のRは前記(Ia)〜(Id)中のRと同様である。式(IIa)〜(IId)中、R13〜R21におけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル基などの直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜13のアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基としては、例えば、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等のC1-4アルコキシ基など)などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基としては、前記保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基が炭素数1〜6のアルキレン基を介して結合している基などが挙げられる。保護基で保護されていてもよいカルボキシル基としては、−COORb基などが挙げられる。Rbは前記と同様である。
本発明におけるフォトレジスト用樹脂は、アルカリ可溶性(酸脱離性)、基板密着性、ドライエッチング耐性、レジスト溶剤への溶解性などの特性を損なわない範囲で、前記繰り返し単位A及びB以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。このような繰り返し単位としては、繰り返し単位Aに対応する単量体及び繰り返し単位Bに対応する単量体と共重合可能な単量体に対応する単位であって、且つレジスト特性を損なわないようなものであれば特に限定されない。例えば、(メタ)アクリル酸又はその誘導体、マレイン酸又はその誘導体、フマル酸又はその誘導体、環状オレフィン類などに対応する単位が挙げられる。前記(メタ)アクリル酸又はその誘導体としては、例えば、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ,γ−ジメチル−γ−ブチロラクトン等の、ラクトン環(γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環など)を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。このラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステルは、ポリマーに基板密着性を付与しうる。
フォトレジスト用樹脂における前記繰り返し単位Aの含有量は、例えば5〜90モル%、好ましくは10〜80モル%、さらに好ましくは20〜70モル%である。繰り返し単位Aの含有量が5モル%未満の場合には、アルカリ現像の際のレジスト膜の溶解性が不十分となり、解像度が低下し、微細なパターンを精度よく形成することが困難となる。また、繰り返し単位Aの含有量が90モル%を超える場合には、基板密着性やドライエッチング耐性が低下し、現像によりパターンが剥がれて残らないという問題が起こりやすい。
フォトレジスト用樹脂における前記繰り返し単位Bの含有量は、例えば10〜95モル%、好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは30〜80モル%である。繰り返し単位Bの含有量が10モル%未満の場合には基板密着性やドライエッチング耐性が低下しやすくなり、95モル%を超えるとアルカリ可溶性単位の導入量が少なくなることから、アルカリ現像の際のレジスト膜の溶解性が不十分になりやすい。繰り返し単位Bとして繰り返し単位B1と繰り返し単位B2とを組み合わせる場合、両者の割合は特に限定されないが、一般には前者/後者(モル比)=5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは30/70〜70/30程度である。
フォトレジスト用樹脂の重量平均分子量(Mw)は、例えば3000〜15000の範囲であり、好ましくは4000〜14000であり、さらに好ましくは5000〜13000程度である。フォトレジスト用樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば1.1〜3.5、好ましくは1.3〜3.0、特に好ましくは1.5〜2.5程度である。なお、前記Mnは数平均分子量を示し、Mn、Mwともにポリスチレン換算の値である。樹脂の重量平均分子量、分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定できる。
本発明に使用されるフォトレジスト用樹脂組成物は、フォトレジスト用樹脂と光酸発生剤とを含んでいる。 光酸発生剤としては、露光により効率よく酸を生成する慣用乃至公知の化合物、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(例えば、ジフェニルヨードヘキサフルオロホスフェートなど)、スルホニウム塩(例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムメタンスルホネートなど)、スルホン酸エステル[例えば、1−フェニル−1−(4−メチルフェニル)スルホニルオキシ−1−ベンゾイルメタン、1,2,3−トリスルホニルオキシメチルベンゼン、1,3−ジニトロ−2−(4−フェニルスルホニルオキシメチル)ベンゼン、1−フェニル−1−(4−メチルフェニルスルホニルオキシメチル)−1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルメタンなど]、オキサチアゾール誘導体、s−トリアジン誘導体、ジスルホン誘導体(ジフェニルジスルホンなど)、イミド化合物、オキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなどを使用できる。これらの光酸発生剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
光酸発生剤の使用量は、光照射により生成する酸の強度や高分子化合物の性質に応じて適宜選択でき、例えば、高分子化合物100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜20重量部程度の範囲から選択できる。
フォトレジスト用樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂など)などのアルカリ可溶成分、着色剤(例えば、染料など)、有機溶媒(例えば、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エステル類、アミド類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、カルビトール類、グリコールエーテルエステル類、これらの混合溶媒など)などを含んでいてもよい。
このフォトレジスト用樹脂組成物及び保護膜を基材又は基板上に塗布し、乾燥した後、所定のマスクを介して、塗膜(レジスト膜)に光線を露光して(又は、さらに露光後ベークを行い)潜像パターンを形成し、次いで現像することにより、微細なパターンを高い精度で形成できる。
基材又は基板としては、シリコンウエハ、金属、プラスチック、ガラス、セラミックなどが挙げられる。フォトレジスト用樹脂組成物及び保護膜の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどの慣用の塗布手段を用いて行うことができる。レジスト樹脂層及び保護膜のそれぞれの塗膜の厚みは、例えば0.01〜20μm、好ましくは0.02〜2μm程度である。
露光には、種々の波長の光線、例えば、紫外線、X線などが利用でき、半導体レジスト用では、通常、g線、i線、エキシマレーザー(例えば、XeCl、KrF、KrCl、ArF、ArCl、F、Kr、KrAr、Arなど)などが使用される。露光エネルギーは、例えば0.1〜1000mJ/cm2程度である。
液浸露光に使用される液は、メタノール、エタノールなどのアルコール系液体、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系液体または水などが挙げられる。更にこれらの液体の混合液も使用できる。
液浸露光の間、レジスト層は保護膜により液浸に使用される液体に対して完全に保護され、レジスト層は露光により光酸発生剤から酸が生成し、この酸により、レジスト樹脂はアルカリ可溶に変化し、保護膜はアルカリ現像液に溶解し、レジスト樹脂のアルカリ可溶部分も溶解することにより、所定のパターンを精度よく形成できる。
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例により限定されるものではない。
製造例1
下記構造の樹脂の合成(レジスト樹脂として使用したもの)
Figure 2008024771
還流管、撹拌子、3方コックを備えた100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン(THF)10gを入れ、温度を60℃に保ち、撹拌しながら、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン1.7g(7.7mmol)、2−メチル−2−メタクリロイルオキシアダマンタン1.7g(7.3mmol)、3−ヒドロキシ−1−メタクリロイルオキシアダマンタン1.7g(7.2mmol)、開始剤(和光純薬工業製、商品名「V−65」)0.50g及びTHF16gを混合したモノマー溶液を2時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに6時間撹拌を続けた。重合反応終了後、得られた反応液をヘキサンと酢酸エチルの9:1(体積比;25℃)混合液500ml中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別し、減圧乾燥(25℃)することによりすることにより、所望の樹脂3.6gを得た。回収したポリマーをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9500、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であった。また、得られたポリマーの共重合比率はNMR分析によると、重合に供した比率とほぼ同じであった。
実施例1
下記構造の樹脂の合成
Figure 2008024771
還流管、撹拌子、3方コックを備えた100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、酢酸エチル10gを入れ、温度を60℃に保ち、撹拌しながら、メタクリル酸1.20g(14mmol)、シクロヘキシルメタクリレート2.35g(14mmol)、開始剤(和光純薬工業製、商品名「V−601」)0.50g及び酢酸エチル16gを混合したモノマー溶液を2時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに6時間撹拌を続けた。重合反応終了後、無水酢酸4.3g(42mmol)を10分かけて添加した。添加後、2時間同温度で反応を続けた。得られた反応液をヘキサンと酢酸エチルの9:1(体積比;25℃)混合液500ml中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別し、減圧乾燥(25℃)することによりすることにより、所望の樹脂3.6gを得た。回収したポリマーをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析したところ、重量平均分子量(Mw)が9000、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であった。上記式中の酸無水物重合単位の樹脂中の比率は30モル%であった。(NMR分析による)
製造例1で得られたレジスト樹脂100重量部とトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート10重量部とを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と混合して、ポリマー濃度17重量%のフォトレジスト用樹脂組成物を調製した。この組成物をシリコンウエハ上にスピンコーティング法により塗布し、厚み90nmの感光層を形成し、ホットプレート上で温度100℃で150秒間プリベークした。更に、実施例1で合成した樹脂1.5gをメチルイソブチルケトンとn−ブチルエーテルの50:50(重量比)の混合液8.5gに溶解し、レジスト樹脂を塗布したシリコンウエハにスピンコーティング法により厚み50nmの保護膜層を形成し、真空乾燥した。
実施例2
下記構造の樹脂の合成
Figure 2008024771


還流管、撹拌子、3方コックを備えた100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、酢酸エチル10gを入れ、温度を60℃に保ち、撹拌しながら、メタクリル酸1.20g(14mmol)、n−ブチルメタクリレート1.99g(14mmol)、開始剤(和光純薬工業製、商品名「V−601」)0.50g及びTHF16gを混合したモノマー溶液を2時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに6時間撹拌を続けた。重合反応終了後、無水酢酸4.3g(42mmol)を10分かけて添加した。添加後、2時間同温度で反応を続けた。得られた反応液をヘキサンと酢酸エチルの9:1(体積比;25℃)混合液500ml中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別し、減圧乾燥(25℃)することによりすることにより、所望の樹脂3.6gを得た。回収したポリマーをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析したところ、重量平均分子量(Mw)が8700、分子量分布(Mw/Mn)が1.9であった。上記式中の酸無水物重合単位の樹脂中の比率は35モル%であった。(NMR分析による)
製造例1で得られたレジスト樹脂100重量部とトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート10重量部とを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と混合して、ポリマー濃度17重量%のフォトレジスト用樹脂組成物を調製した。この組成物をシリコンウエハ上にスピンコーティング法により塗布し、厚み90nmの感光層を形成し、ホットプレート上で温度100℃で150秒間プリベークした。更に、実施例2で合成した樹脂1.5gをメチルイソブチルケトンとn−ブチルエーテルの30:70(重量比)の混合液8.5gに溶解し、レジスト樹脂を塗布したシリコンウエハにスピンコーティング法により厚み50nmの保護膜層を形成し、真空乾燥した。
比較例1
製造例1で得られたレジスト樹脂100重量部とトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート10重量部とを溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と混合して、ポリマー濃度17重量%のフォトレジスト用樹脂組成物を調製した。この組成物をシリコンウエハ上にスピンコーティング法により塗布し、厚み90nmの感光層を形成し、ホットプレート上で温度100℃で150秒間プリベークした。このシリコンウエハを比較対照とした。
評価試験
実施例1、2及び比較例1で得られたウエハのそれぞれは純水に常温で10分浸漬して乾燥した。各ウエハは波長193nmのArFエキシマレーザーを用い、マスクを介して、照射量30mJ/cm2で露光した後、100℃の温度で60秒間ポストベークした。次いで、0.3Mのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により60秒間現像し、純水でリンスした。実施例1及び2のウエハは鮮明なパターンが得られたが、比較例1のウエハはパターンにおおきな崩れが見られた。保護膜は水浸漬に対して保護の機能は充分に発揮し、水浸漬の液浸フォトレジストの保護膜として有用であることが判った。





Claims (6)

  1. 下記式(1)
    Figure 2008024771
    (上記式(1)において、Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    で表される重合単位を少なくとも含む半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法。
  2. 下記式(2)
    Figure 2008024771
    (上記式(2)において、Rは前記に同じ。)
    で表される重合単位を少なくとも含むポリマーと、下記式(3)
    Figure 2008024771
    (上記式(3)において、Rは前記に同じ。)
    で表される酸無水物による反応から得られることを特徴とする請求項1記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法。
  3. 前記式(2)で表される重合単位を少なくとも含むポリマーをラジカル重合による製造後に、前記式(3)で表される酸無水物を添加して製造することを特徴とする請求項2記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法。
  4. 前記式(2)で表される重合単位を少なくとも含むポリマーをラジカル重合による製造が、重合温度に昇温された溶媒へ、モノマー及び重合開始剤の溶液を添加しながら重合することを特徴とする請求項3記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法。
  5. 前記式(2)で表される重合単位を少なくとも含むポリマーが更に、下記式(4)
    Figure 2008024771
    (上記式(4)において、Rは水素原子、メチル基またはフッ素化メチル基を示し、Rは置換基を有していてもよい炭素数1から20の炭化水素基を示し、Wは連結基または単結合を示す。)
    で表される重合単位を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レジスト樹脂の保護膜用樹脂の製造方法により製造された保護膜用樹脂による保護膜を使用した半導体の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018129365A (ja) * 2017-02-07 2018-08-16 東京応化工業株式会社 ダイシング用保護膜基材、ダイシング用保護膜組成物、ダイシング用保護シート、及び被加工ウエーハの製造方法

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