JP2008024651A - カテキン類の着色抑制方法 - Google Patents

カテキン類の着色抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カテキン類の着色を抑制する方法、並びにカテキン類の着色が抑制されたハイドロゲル粒子の提供。
【解決手段】 カテキン類に、カテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマーを添加する、カテキン類の着色抑制方法、並びにカテキン類と、カテキン類と水不溶性の複合体を形成するポリマーとの水不溶性複合体を含有するハイドロゲル粒子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カテキン類の着色抑制方法、並びにカテキン類の水不溶性複合体を含有するハイドロゲル粒子に関する。
カテキンやタンニン等は茶葉に含まれるポリフェノール類として知られている。特に、カテキン類は、抗酸化作用、抗菌作用、血中コレステロール濃度抑制作用、血圧上昇抑制作用、血糖上昇抑制作用といった様々な生理機能を有することが知られているが、それ自身が強力な抗酸化物質であるために、保存期間中に酸化、重合を起こしてしまうという問題があった。さらに、カテキン類が酸化及び/又は重合すると変色を起こすといった問題から、製剤への使用の自由度が狭められていた。従って、カテキン類の酸化や重合を抑制する方法が求められている。
特許文献1には、再生セルロース物質の基材中に、不溶性ポリビニルピロリドンを含有せしめた複合材料からなるポリフェノール吸着剤が開示されている。しかしここに開示されている技術は、ポリフェノール類が製品中に過剰に存在すると商品価値を損なうために、ポリフェノール類を除去することを目的としており、カテキン類の酸化や重合を抑制する方法とは異なる。
特許文献2には、茶葉の熱湯抽出残渣を含水低級アルコールで抽出した抽出液を、水不溶性ポリビニルピロリドンで処理して、該抽出液中に存在するカテキン類を除去する茶葉サポニンの製造方法が開示されている。しかしここに開示されている技術は、目的物質のサポニン以外の不用物質であるカテキン類等を除去することを目的としており、カテキン類の酸化や重合を抑制する方法とは異なる。
特許文献3には、嫌気処理した茶葉を温水等にて抽出し、濾過した抽出液に、不溶性ポリビニルピロリドンを添加した後濾過する工程を含む除タンニン茶液の製造方法が開示されている。しかしここに開示されている技術は、抽出液中のタンニン成分を除去することを目的としており、カテキン類の酸化や重合を抑制する方法とは異なる。
特開平9−47654号公報 特開平8−333380号公報 特開平1−218550号公報
上記のように、カテキン類をポリビニルピロリドンに吸着させてカテキン類を吸着除去する技術は知られているが、カテキン類の酸化及び/又は重合を抑制して変色を防止する方法は知られていない。
本発明の課題は、カテキン類の着色を抑制して変色を防止する方法、並びにカテキン類の着色が抑制されたハイドロゲル粒子を提供することにある。
本発明は、カテキン類に、カテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマー(以下ポリマーAという)を添加する、カテキン類の着色抑制方法を提供する。
また、本発明は、カテキン類とポリマーAとの水不溶性複合体を含有するハイドロゲル粒子を提供する。
本発明によれば、カテキン類がポリマーAと水不溶性の複合体を形成し安定化することにより、カテキン類の着色を抑制することができる。
本発明において、カテキン類としては、非重合性カテキン類であって、例えばカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類;エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類などが挙げられる。カテキン類は、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された緑茶抽出物を濃縮、精製等を行うことによって得ることができる。また、市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」などの緑茶抽出物の濃縮物を用い、成分調整を行うことにより、本発明の目的に適う緑茶抽出物を得ることができる。
本発明に用いられるポリマーAとしては、カテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマーであれば特に限定されない。
尚、水不溶性の複合体とは、カテキン類の水溶液とポリマーAの水溶液を混合した際に不溶物として水中から析出する物質のことである。水不溶性の複合体の析出は、混合液の濁り、あるいは、混合液をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した際に水不溶性複合体由来のピークが存在することによって確認することができる。
ポリマーAとしては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられ、ポリビニルピロリドン(以下PVPと略記する場合もある)が好ましい。
ポリマーAの重量平均分子量は、カテキン類の着色を効果的に抑制する観点から、6000以上が好ましく、60000以上がより好ましく、400000以上が更に好ましく、1300000以上が特に好ましい。また、水不溶性複合体が塊状の凝集物となることを抑制し微細な水不溶性複合体を得る観点から、3000000以下が好ましく、2000000以下がより好ましい。
本発明において、ポリマーAの重量平均分子量は、一般的な重量平均分子量測定法である粘度法、あるいは、光散乱法等によって測定された値である。尚、ポリマーAがポリビニルピロリドンである場合は、粘度の測定値からFikentscherの公式に基づいて計算されたK-値によって重量平均分子量を決定する。
本発明の方法において、ポリマーAの添加量は、カテキン類の着色を効果的に抑制する観点から、カテキン類に対して1〜4重量倍が好ましく、1〜3重量倍がより好ましく、1.2〜2.2重量倍が更に好ましい。
本発明においては、カテキン類の水溶液等に、ポリマーAの水溶液等を添加し、攪拌機等で混合することにより水不溶性複合体が形成され、カテキン類の着色を抑制することができる。
本発明のハイドロゲル粒子は、カテキン類とポリマーAとの水不溶性複合体を含有するものである。
本明細書にいう「ハイドロゲル」とは、水を溶媒として形成された、水に不溶な高分子(ゲル形成剤)の含水膨潤体をいう。ゲル形成剤としては、天然系高分子化合物が好ましく、例えば、寒天、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、ファーセレラン、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻抽出物;グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、タラガム、カシアガム等の植物種子粘質物質;ペクチン、アラビノガラクタン等の植物果実粘質物;キサンタンガム、スクレログルカン、プルラン、デキストラン、ジュランガム、カードラン等の微生物産生粘質物;ゼラチン、アルブミン、カゼイン等の動物蛋白質;大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白質;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース等のセルロース及びその誘導体;澱粉、澱粉リン酸エステル、澱粉グリコール酸エステル等の澱粉及びその誘導体が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。物理的に崩壊しやすい脆いゲル粒子を形成する高分子として、κ−カラギーナン、寒天、ジュランガムが好ましい。
なお、寒天の水への溶解温度は、一般に75℃以上、その主なものについては75〜90℃であり、寒天を水に溶解させた後、冷却したときのゲル化温度は30〜45℃である。
本発明のハイドロゲル粒子中において、カテキン類とポリマーAとの水不溶性複合体はゲル形成剤及び水を含む連続相中に分散して内包されている。水不溶性複合体中のカテキン類に対するポリマーAの割合は、カテキン類の着色を効果的に抑制する観点から、1〜4重量倍が好ましく、1〜3重量倍がより好ましく、1.2〜2.2重量倍が更に好ましい。
本発明のハイドロゲル粒子中の、カテキン類とポリマーAとの水不溶性複合体の含有量は、水不溶性複合体が塊状の凝集物となることを抑制し微細な水不溶性複合体を得る観点から、12重量%以下が好ましく、8重量%以下がより好ましく、6重量%以下が更に好ましい。
本発明のハイドロゲル粒子中のゲル形成剤の含有量は、ハイドロゲル粒子を他の剤へ配合する時の壊れを防止する観点から、0.25〜5.0重量%が好ましく、0.5〜4.0重量%がより好ましく、1.0〜3.0重量%が更に好ましい。
本発明のハイドロゲル粒子は、本発明の水不溶性複合体、ゲル形成剤及び水以外に、糖類、多価アルコール等の水溶性有機化合物や、着色剤、防腐剤、水溶性香料等の成分を含有していてもよい。
糖類としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、マンニトール、サッカロース、マルトース、ラクトース等が挙げられる。
多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、オリゴサッカライド等が挙げられる。
本発明のハイドロゲル粒子の平均粒径は、外観及び生産性の観点から、5〜10000μmが好ましく、100〜10000μmがより好ましく、200〜5000μmが特に好ましい。ハイドロゲル粒子の平均粒径は、各種目開きのふるいを用い、粒子100gを水中で湿式分級し、余分な水分を濾紙で除去した後に重量を測定して重量平均粒径で表す(フルイ法)。
また、本発明のハイドロゲル粒子の形状は、特に限定されないが、曲面で構成された回転体の形状を有することが好ましい。ここで、「曲面で構成された回転体」とは、仮想軸及び連続的な曲線で構成された閉じた図を仮想軸で回転させたものをいい、三角錐や円柱等の平面を有する形状は含まない。ハイドロゲル粒子の形状は、美観の観点から、球状又は楕円状であることがより好ましい。
本発明のハイドロゲル粒子の製造法は特に限定されないが、例えば、寒天等のゲル形成剤及びポリマーAをイオン交換水と混合し、その溶解温度以上の温度に加熱して十分に溶解させる。ここにカテキン類の水溶液を添加混合した後、一般的な滴下法、噴霧法、或いは、攪拌法等によりハイドロゲル粒子を得ることができる。
滴下法は、孔から混合液を吐出させ、吐出された混合液がその表面張力又は界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を空気等の気相中又は液相中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。なお、粒径の均一なハイドロゲル粒子を製造する観点から、孔から吐出される混合液に振動を与えることが好ましい。
噴霧法は、噴霧ノズルを用い、噴霧ノズルから混合液を気相に噴霧させると共に、その表面張力によって液滴を形成させ、その液滴を気相で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。
攪拌法は、混合液と実質的に混じり合わない性状を有し且つゲル化温度以上の温度に調整した液に混合液を投入し、攪拌による剪断力により混合液を微粒化し、界面張力によって液滴になる性質を利用し、その液滴を混合液と実質的に混じり合わない液中で冷却固化させてハイドロゲル粒子を製造する方法である。
滴下法、噴霧法、及び攪拌法のいずれの場合も、吐出時、噴霧時、又は投入時の混合液の温度を、ゲル化温度以上で且つ100℃以下の温度とすることが好ましい。また、美観に優れた球状の粒子を容易に製造することができるという観点から、その水中油型分散液の温度を、ゲル化温度+10℃以上とすることが好ましく、ゲル化温度+20℃以上とすることがより好ましい。なお、この温度の上限は、水の沸点である100℃である。
以下の実施例において、ハイドロゲル粒子の平均粒径は、上記のフルイ法で測定した。
実施例1
イオン交換水330gにポリビニルピロリドン(ISP製、K−15、重量平均分子量8000)を20g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gにカテキン粉末(太陽化学(株)製、サンフェノン100S)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合し(8000r/min、1分)、表1に示す組成のカテキン/PVP複合体水分散液を得た。
Figure 2008024651
実施例2
イオン交換水321.5gに寒天(伊那食品工業(株)製、UP−37)を12.5g、PVP(ISP製、K−30、重量平均分子量60000)を4g、PVP(ISP製、K−90、重量平均分子量1300000)を12g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gにカテキン粉末(サンフェノン100S)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって表2に示す組成のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。ハイドロゲル粒子の平均粒径は195μmであった。
Figure 2008024651
比較例1
イオン交換水490gにカテキン粉末(サンフェノン100S)を10g溶解し、2重量%のカテキン水溶液を調製した。
試験例1
実施例1で得られたカテキン/PVP複合体水分散液、実施例2で得られたカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子、比較例1で得られたカテキン水溶液を用い、表3に示す組成の製剤を調製した。得られた製剤を50℃にて1ヶ月間保存し、保存前後の明度差を下記方法により測定し、この明度差によって変色度合いを評価した。結果を表3に示す。
<明度差の測定法>
保存後の製剤を透明で内容量が3cm×3cm×1cmのケース(AS ONE社、PS CASE No.1)にいっぱいになるように詰める。そのケースと共に、色濃度標準としてKODAK GRAY SCALEのA、2、4,6,8,10、12、14、Bの9点(色濃度1〜9とする)と、CASMATCH(大日本印刷製)が同視野に入るようにし、白紙の上で撮影を行った。撮影条件はリングライト一様照明の下、一定のシャッター速度、しぼり、焦点距離で行った。撮影した画像をADOBE PHOTOSHOP上にてCASMATCHを基準に用いて色補正後、WINROOF(三谷商事株式会社)にて被測定部位の明度(HSBカラーモデルのBrightness)を定量化し、50℃、1ヶ月保存品の明度と初期の明度の差異を下記式で求め、変色度とした。
変色度=(50℃、1ヶ月保存後の明度)−(初期の明度)
Figure 2008024651
表3から明らかなように、実施例1のカテキン/PVP複合体水分散液、実施例2のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を配合した場合には、比較例1のカテキ水溶液を配合した場合に比べ変色が抑制され、特に実施例2のハイドロゲル粒子を配合した場合には、変色が大幅に抑制されている。従って、実施例1のカテキン/PVP複合体水分散液、実施例2のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子では、カテキンが酸化及び/又は重合して変色を起こすことが抑制されて、カテキンが安定化されていることがわかる。
試験例2
実施例1で得られたカテキン/PVP複合体水分散液、実施例2で得られたカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子、比較例1で得られたカテキン水溶液を用い、表4に示す組成のラウリル硫酸ナトリウム水溶液を調製した。室温で1ケ月保存後のラウリル硫酸ナトリウム水溶液中に溶出したカテキン量を下記方法で定量し、溶出率を求めた。結果を表4に示す。
<ラウリル硫酸ナトリウム水溶液中のカテキン濃度の定量法>
試料(ラウリル硫酸ナトリウム水溶液)を1.0g採取し、リン酸緩衝液19.0g、及び酒石酸鉄試薬5.0gを混合する。調製した混合液の540nmにおける吸光度を測定する。次いで、カテキン粉末(サンフェノン100S)を用い濃度既知のカテキン水溶液を調製して作成した検量線から試料中のカテキン濃度を計算し、溶出率を求める。なお、酒石酸鉄試薬は、硫酸第一鉄(7水塩)100mgと酒石酸ナトリウムカリウム500mgを水に溶かして100mlとして調製し、リン酸緩衝液はM/15リン酸水素二ナトリウム溶液とM/15リン酸水素二カリウム溶液を84:16の割合に混合して調製する。
Figure 2008024651
試験例1の明度差の測定結果を用い、試験例2で得られたカテキンの溶出率と明度差の関係をプロットした結果を図1に示す。図1から、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液への溶出率が少ないほど明度差が小さいことが分かった。すなわち、PVP/カテキン複合体をラウリル硫酸ナトリウム水溶液と混合した時のラウリル硫酸ナトリウム水溶液中へのカテキンの溶出率が低いほど変色抑制効果が高く、カテキンの酸化及び/又は重合を抑制でき、カテキンの安定性が高いことがわかった。
実施例3
イオン交換水327.5gに寒天(UP−37)を12.5g、PVP(K−30、重量平均分子量60000)を10.0g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水145gにカテキン粉末(サンフェノン100S)5gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって、表5に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。
実施例4
PVPとして、PVP(ISP製、K−60、重量平均分子量400000)を10.0g用いる以外は、実施例3と同様にして表5に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。
実施例5
PVPとして、PVP(K−90、重量平均分子量1300000)を10.0g用いる以外は、実施例3と同様にして表5に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。
Figure 2008024651
試験例3
実施例3〜5で作製したカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を用い、表6に示す組成のラウリル硫酸ナトリウム水溶液を調製した。室温で10日保存後のラウリル硫酸ナトリウム水溶液中に溶出したカテキン量を、試験例2と同様に定量し、溶出率を求めた。結果を表6に示す。
Figure 2008024651
表6の結果から、ハイドロゲル粒子中のPVPの分子量が高いほどラウリル硫酸ナトリウム水溶液への溶出率が低減できていることが分かる。試験例1の明度差との関係を利用すると、PVPの分子量が高いほど変色抑制効果が高く、カテキンの酸化及び/又は重合を抑制でき、カテキンの安定性が高いことがわかった。
実施例6
イオン交換水325.5gに寒天(UP−37)を12.5g、PVP(K−30)を3.0g、PVP(K−90)を9.0g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gにカテキン粉末(サンフェノン100S)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって、表7に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。
実施例7
イオン交換水323.5gに寒天(UP−37)を12.5g、PVP(K−30)を3.5g、PVP(K−90)を10.5g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gにカテキン粉末(サンフェノン100S)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって、表7に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。
実施例8
イオン交換水323.5gに寒天(UP−37)を12.5g、PVP(K−30)を5.0g、PVP(K−90)を15.0g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gにカテキン粉末(サンフェノン100S)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって、表7に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を得た。
実施例9
イオン交換水323.5gに寒天(UP−37)を12.5g、PVP(K−30)を5.5g、PVP(K−90)を16.5g溶解させて調製した水溶液(85℃)と、イオン交換水140gにカテキン粉末(サンフェノン100S)10gを溶解させて調製した水溶液(20℃)を、ホモミキサーによって混合(8000r/min、1分)した後、気相中に噴霧することによって、表7に示す組成及び平均粒径のカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を調製した。
Figure 2008024651
試験例4
実施例2、実施例6〜9で得られたカテキン/PVP複合体内包ハイドロゲル粒子を用い、表8に示す組成のラウリル硫酸ナトリウム水溶液を調製した。室温で20日保存後のラウリル硫酸ナトリウム水溶液中に溶出したカテキン量を、試験例2と同様に定量し、溶出率を求めた。結果を表8に示す。
Figure 2008024651
表8から明らかなように、カテキン/PVPの重量比率が1.0/1.6のハイドロゲル粒子を配合した場合に溶出率が極小値をとっていることが分かる。すなわち、ハイドロゲル粒子中のカテキン/PVP比率を1.0/1.6とした場合に最も変色抑制効果が高く、カテキンの着色を抑制でき、カテキンの安定性が高いことが分かった。
試験例1で得られた明度差と試験例2で得られたカテキンの溶出率との関係を示す図である。

Claims (6)

  1. カテキン類に、カテキン類と水不溶性の複合体を形成する水溶性ポリマー(以下ポリマーAという)を添加する、カテキン類の着色抑制方法。
  2. ポリマーAがポリビニルピロリドンである請求項1記載の抑制方法。
  3. ポリマーAの重量平均分子量が、6000〜3000000である請求項1又は2記載の抑制方法
  4. ポリマーAを、カテキン類に対して1〜4重量倍添加する請求項1〜3いずれかに記載の抑制方法
  5. カテキン類と請求項1記載のポリマーAとの水不溶性複合体を含有するハイドロゲル粒子。
  6. ポリマーAがポリビニルピロリドンである請求項5記載のハイドロゲル粒子。
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