JP2008024539A - セラミックス製部品の製造方法、この方法で得られた転動体を有する転がり支持装置 - Google Patents
セラミックス製部品の製造方法、この方法で得られた転動体を有する転がり支持装置 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】玉3を窒化珪素製とし、その表面に、比重が3.0以上で、ビッカース硬さが400以上で、平均粒径が200μm以上1000μm以下の粒子からなるショットを投射することにより、前記表面をなすセラミックス結晶に転位を導入するショットブラスト工程を行った後に、仕上げ研磨加工を行う。
【選択図】図2
Description
本発明において、転がり支持装置とは、互いに対向配置される軌道面を備えた第1部材および第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配設された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材および第2部材の一方が他方に対して相対移動する装置、具体的には、転がり軸受(ボールベアリング、ローラベアリング等)、ボールねじ、リニアガイド、ボールスプライン、リニアボールベアリング等を指す。
一方、半導体装置、液晶パネル、ハードディスク等は、製造工程で各種薬品で洗浄されるため、その製造過程で使用する装置に組み込まれた転がり支持装置には、腐食環境下で良好に作動することが要求される。また、潤滑油やグリース等の潤滑剤は、飛散して汚染の原因となる恐れがあるため使用できない。
下記の特許文献4には、セラミックス製品の表面強靱化方法として、硬さが、Hv(ビッカース硬さ)で500以上、且つ、対象となるセラミックス製品のHvに50を足した値以下であり、平均粒子サイズが0.1μm〜200μmであり、表面が凸曲面の微粒子からなる噴射材(ショット)を用いて、セラミックス製品の表面に均一に分布した直線状の転位組織を形成する方法が記載されている。
本発明の転がり支持装置は、dmn値が140万以上となる高速回転下や潤滑剤を使用できない腐食環境下における寿命が長い。
〔第1実施形態〕
図2は、本発明の転がり支持装置の実施形態である転がり軸受の構造を示す部分縦断面図である。
この転がり軸受は、呼び番号6000の深溝玉軸受(内径10mm、外径26mm、幅8mm、玉の直径4.76mm)であり、外周面に軌道面1aを有する内輪(第1部材)1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪(第2部材)2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の玉(転動体)3と、玉3を保持する保持器4と、からなる。
No. 1では、Hv1500の窒化珪素製素材を直径4.76mmの球状に加工し、表面粗さ(Ra)を0.008μmにした後、硬さがHv1650で、平均粒径が350μmで、比重が3.5のジルコンビーズをショットとして用い、投射圧:0.5MPa、投射速度:50m/s、投射量:400g/min、投射時間:10sの条件でショットブラストを行い、次いで、ボールラップ盤を用いて仕上げ研磨を行った。これを玉3として用いた。この玉3の表面粗さ(Ra)は、ショットブラスト前と同じ0.008μmであった。なお、仕上げ研磨前の表面粗さ(Ra)は、ショットブラスト前より0.02μm粗い0.028μmであった。
なお、表面粗さの測定は、Hv1500の窒化珪素製で、10mm×10mmで厚さが5mmの板状試験片を用いて行った。すなわち、No. 1では、この試験片の表面に対して、上述のNo. 1の玉3に対する方法と同じ方法でショットブラストと研磨を行ったものを用いた。No. 2では、この試験片の表面に対して、上述のNo. 2の玉3に対する方法と同じ方法でショットブラストを行ったものを用いた。No. 3では、この試験片をそのまま用いた。
なお、図1は、No. 1および2について、試験片の表面から各深さ位置で破壊靱性値を測定した結果を示すグラフである。図1において、No. 1の試験片の表面の破壊靱性値は15.3MPa・√mであるが、玉3としては仕上げ研磨によりショットブラスト後の表面から3μm程度が除去されたものを用いるため、No. 1の玉3の表面の破壊靱性値は15.0MPa・√mとなる。
また、軸11の回転装置として、モータ111とスピンドル112と連結継ぎ手113とからなる回転装置110を備えている。
雰囲気温度:常温
ラジアル荷重:9N
回転速度:3000min-1
そして、各試験用軸受の耐久性(回転寿命)を比較するために、サンプルNo. 3の転がり軸受の寿命を「1」とした時の相対値を算出した。その結果、寿命の相対値が、本発明の実施例に相当する方法で作製した玉3を用いたNo. 1では「10」であり、特許文献4の方法で作製した玉3を用いたNo. 2では「3」であった。
このように、本発明の実施例に相当するNo. 1の玉3を用いた転がり軸受は、No. 2および3を用いた転がり軸受と比較して、腐食性環境下での寿命が著しく長くなる。
図4は、本発明の転がり支持装置の実施形態である転がり軸受の構造を示す部分縦断面図である。
この転がり軸受は、呼び番号70BNR10Tのアンギュラ玉軸受(内径70mm、外径100mm、幅20mm、玉の直径8.73mm)であり、外周面に軌道面1aを有する内輪(第1部材)1と、軌道面1aに対向する軌道面2aを内周面に有する外輪(第2部材)2と、両軌道面1a,2a間に転動自在に配された複数の玉(転動体)3と、玉3を保持する保持器4とからなる。
そして、組み立てた各転がり軸受を図5に示す試験機にかけて、オイルエアー潤滑での耐焼付き性を調べる試験を行った。この試験機は、ベルト21で駆動される回転軸22を有し、この回転軸22とハウジング23との間に試験軸受24として、図4の転がり軸受を取り付ける。また、回転軸22のベルト21とは反対側の端部に、サポート軸受25が取り付けられている。また、各試験軸受24の軸受空間に向かう流路26を設け、その入口26aに、オイルエアー導入チューブのコネクタを取り付ける。さらに、試験軸受24の外輪の温度を測定する熱電対27が設けてある。
雰囲気温度:常温
アキシャル荷重:200N
回転速度:5000min-1、10000min-1、15000min-1、20000min-1、25000min-1、30000min-1
オイルエアーとして供給した潤滑油:VG22(鉱油)
オイルエアー供給量:0.2ミリリットル/min
1a 軌道面
2 外輪(第1部材)
2a 軌道面
3 玉(転動体)
4 保持器
10 試験軸受
11 軸
11a 軸の先端部
110 回転装置
111 モータ
112 スピンドル
113 連結継ぎ手
12 ハウジング
13 プレート
14 振動計
15 ワイヤー
16 重り
20 容器
30 台
31 アーム
32 滑車
21 ベルト
22 回転軸
23 ハウジング
24 試験軸受
25 サポート軸受
26 オイルエアー導入用流路
26a オイルエアー導入口
27 熱電対
W 水
Claims (3)
- セラミックス製部品の表面に、比重が3.0以上で、ビッカース硬さが400以上で、平均粒径が200μm以上1000μm以下の粒子からなるショットを投射することにより、前記表面をなすセラミックス結晶に転位を導入するショットブラスト工程を有することを特徴とするセラミックス製部品の製造方法。
- 前記ショットブラスト工程の後に、仕上げ研磨加工を行うことを特徴とする請求項1記載のセラミックス製部品の製造方法。
- 互いに対向配置される軌道面を備えた第1部材および第2部材と、両部材の軌道面間に転動自在に配設された複数個の転動体と、を少なくとも備え、転動体が転動することにより第1部材および第2部材の一方が他方に対して相対移動する転がり支持装置において、
前記転動体はセラミックス製部品であり、請求項2記載の方法で得られ、表面をなすセラミックス結晶に転位組織が均一に形成されていることを特徴とする転がり支持装置。
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JP2006197191A JP5017948B2 (ja) | 2006-07-19 | 2006-07-19 | 転がり支持装置用転動体の製造方法 |
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JP2013013998A (ja) * | 2011-07-04 | 2013-01-24 | Comadur Sa | ノンマーキング・マットセラミックを製造する方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08295569A (ja) * | 1995-04-27 | 1996-11-12 | Kyocera Corp | 窒化珪素質焼結体およびその製造方法 |
WO2002024605A1 (fr) * | 2000-09-21 | 2002-03-28 | Sintokogio, Ltd. | Procede pour renforcer une ceramique et produit ceramique |
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2006
- 2006-07-19 JP JP2006197191A patent/JP5017948B2/ja not_active Expired - Fee Related
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