JP2008023967A - 印刷装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数ユーザで複数の印刷装置を共有使用する場合に、印刷装置単体の占有を許容しつつ、同一ユーザが複数の印刷装置を独占してしまうことを防止できる新たな枠組みを提供する。
【解決手段】通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する印刷装置であって、所定のユーザを、該印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)として設定する占有権管理手段と、占有ユーザが設定されている場合、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する処理順序制御手段とを備える。占有権管理手段は、通信ネットワークを介して接続された複数の印刷装置のうち前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であることを条件として、前記所定のユーザを占有ユーザとして設定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)を設定可能な印刷装置及び、そのような印刷装置を通信ネットワークを介して複数台接続する場合に好適な制御技術に関する。
LANなどの通信ネットワークに接続した印刷装置を複数のユーザで共有使用する環境では、例えばユーザAが複数の印刷ジョブを連続して送信した場合でも、印刷装置においてユーザAの複数の印刷ジョブの間に他のユーザBの印刷ジョブを受信してしまう状況が起こり得る。通常、印刷ジョブは受信順に印刷処理が実行されることから、上記のような状況では、ユーザAの印刷物の間にユーザBの印刷物が混在した状態で出力されてしまうこととなり、各ユーザにとって印刷物の区分が煩雑となるだけでなく、印刷物の取り忘れなどの要因ともなり得る。
かかる問題に対して、印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)を設定可能な印刷装置が提案されている(特許文献1等)。かかる印刷装置では、例えばユーザAが複数の印刷ジョブを連続して印刷する場合、それら複数の印刷ジョブについて印刷が完了するまでの間、ユーザAを占有ユーザとして設定することができる。
特開2002−7092号公報
しかし、特許文献1等に記載される従来の占有可能な印刷装置は、いずれも印刷装置単体を対象として占有の可否を決定する構成となっている。そのため、複数ユーザで複数の印刷装置を共有使用する場合、個々の印刷装置ごとに占有状態が決定される結果、同一のユーザが複数の印刷装置を独占してしまう可能性があり、他のユーザの利便性が大きく損なわれるおそれがある。
そこで、本発明は、複数ユーザで複数の印刷装置を共有使用する場合に、印刷装置単体の占有を許容しつつ、同一ユーザが複数の印刷装置を独占してしまうことを防止できる新たな枠組みを提供することを目的とする。
本発明の印刷装置は、通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶手段に記憶し、該記憶した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する印刷装置であって、所定のユーザを、該印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)として設定する占有権管理手段と、占有ユーザが設定されている場合、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する処理順序制御手段と、を備え、前記占有権管理手段は、前記通信ネットワークを介して接続された複数の印刷装置のうち前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であることを条件として、前記所定のユーザを占有ユーザとして設定することを特徴とする。
かかる構成によれば、印刷装置は、通信ネットワークに接続された印刷装置全体の占有状況を考慮して自装置の占有可否を決定することができ、同一ユーザが占有できる印刷装置の最大数をコントロールすることが可能となるため、印刷装置単体の占有を許容しつつ、同一ユーザが複数の印刷装置(例えば、通信ネットワークに接続された全印刷装置)を独占してしまうことを防止することができる。
好適には、前記通信ネットワークを介して接続された他の印刷装置の占有ユーザの情報を取得する手段を備え、前記占有権管理手段は、前記取得した他の印刷装置の占有ユーザの情報に基づいて、前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であるか否かを判断する。
また好適には、前記所定のユーザは、印刷処理を実行する印刷ジョブに対応するユーザである。また、前記占有権管理手段は、印刷処理の終了時において前記印刷ジョブ記憶手段に占有ユーザの印刷ジョブが記憶されていない場合、占有ユーザの設定を解除する。かかる構成によれば、印刷ジョブ記憶手段に占有ユーザの印刷ジョブが保持されていないにも関わらず占有された状態が維持されてしまうといった状況は生じない。
また好適には、実行権限を占有する印刷装置の数が前記閾値を越えるユーザについて、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する該ユーザの印刷ジョブを前記通信ネットワークを介して接続された他の印刷装置に転送する手段を備える。かかる構成によれば、占有ユーザ以外のユーザの印刷ジョブについて早期に印刷処理を実行することができる。
本発明の印刷装置は、通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶手段に記憶し、該記憶した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する印刷装置であって、
印刷処理を実行する印刷ジョブに対応するユーザを、該印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)として設定する手段と、占有ユーザが設定されている場合、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する手段と、印刷処理の終了時において前記印刷ジョブ記憶手段に占有ユーザの印刷ジョブが記憶されていない場合、占有ユーザの設定を解除する手段と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、印刷ジョブ記憶手段に占有ユーザの印刷ジョブが保持されていないにも関わらず占有された状態が維持されてしまうといった状況は生じない。
本発明の制御方法は、通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶手段に記憶する工程及び該記憶した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する工程を備えた印刷装置の制御方法であって、所定のユーザを、前記印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)として設定する占有権管理工程と、占有ユーザが設定されている場合、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する処理順序制御工程と、を備え、前記占有権管理工程は、前記通信ネットワークを介して接続された複数の印刷装置のうち前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であることを条件として、前記所定のユーザを占有ユーザとして設定することを特徴とする。
本発明の制御方法は、例えば印刷装置が備える情報処理部(コンピュータ)により実施することができるが、そのためのプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリ及び通信ネットワークなどの各種の媒体を通じてインストールまたはロードすることができる。また、プログラムが、プリンタ用カードやプリンタ用オプションボードに記録されて流通する場合も含む。
以上、本発明によれば、複数ユーザで複数の印刷装置を共有使用する場合に、印刷装置単体の占有を許容しつつ、同一ユーザが複数の印刷装置を独占してしまうことを防止できる新たな枠組みを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態の印刷システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、印刷システム1は、それぞれ所定のユーザに対応するホスト装置10A〜10C、複数のユーザで共有使用されるプリンタ装置20A〜Cを含んでいる。
ホスト装置10A〜C、プリンタ装置20A〜Cは、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に構成されている。通信ネットワークNは、LAN、インターネット、専用線、パケット通信網、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線、無線の両方を含んでいてよい。なお、図1では、ホスト装置、プリンタ装置について、それぞれ3台ずつを記載しているが、それぞれの台数は複数(2以上)であれば設計に応じて定めることができる。
ホスト装置10A〜C(以下、区別する必要がない場合、まとめてホスト装置10と呼ぶ)は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、I/Oコントローラ、通信インタフェース、HDD等のハードウェアを備えて構成されており、CPUは、バスを介して各手段にアクセス可能に構成されている。
ホスト装置10は、通常のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置と同様の機能を備える。例えば、ホスト装置は、ユーザからI/Oコントローラ等を介して種々の入力を受け付ける/情報を出力する入出力手段11、他の装置との間で通信インタフェースを介して種々のデータを送受信する通信手段12、プリンタ装置を制御するプリンタドライバ手段13などを備えている(図2参照)。これらの各手段は、ホスト装置10内のROMやRAM、HDD、外部の記憶媒体等に格納されるプログラムをCPUが実行することにより機能的に実現される。
プリンタドライバ手段13は、通常のプリンタドライバと同様に、プリンタ装置20A〜Cが印刷処理可能な形式で印刷ジョブを作成する機能を備える。なお、プリンタ装置20A〜Cにそれぞれ対応する個別のプリンタドライバ手段を備える構成としてもよい。
プリンタ装置20A〜C(以下、区別する必要がない場合、まとめてプリンタ装置20と呼ぶ)は、通常のプリンタ装置と同様の構成を備える。
例えば、プリンタ装置20は、用紙をプリンタ装置内に供給する給紙機構、印字を行う印刷エンジン、及び用紙をプリンタ機外に排出する排紙機構等により構成される動力機構部を備える。印刷エンジンは、通常、紙送機構、キャリッジ機構、印刷ヘッドなどを含んで構成され、インクジェットプリンタや熱転写プリンタのように1文字単位で印刷するシリアルプリンタ、1行単位で印刷するラインプリンタ、ページ単位で印刷するページプリンタ等に対応する各種印刷エンジンを用いることができる。
また例えば、プリンタ装置20は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM、通信インタフェース、コンソールパネル等のユーザインタフェース等からなる情報処理部を備える。プリンタ装置20のCPUは、バスを介して各手段にアクセス可能に構成されており、例えば通信インタフェースを介して送られてくる印刷ジョブに従い、動力機構部を制御して実際に印刷動作を行なわせる。
プリンタ装置20の情報処理部の機能は、原則として従来のプリンタ装置の情報処理部の機能と同様である(図2参照)。例えば、印刷ジョブを受信してプリントキュー21に記憶するジョブ受信手段22、印刷ジョブを解析してラスタ形式の印刷イメージを1バンド分又は1ページ分生成してイメージバッファに格納する解析・イメージ生成手段23、印刷ジョブ中の制御コマンドに基づいて、所定単位分(例えば1パス分)の印刷イメージをイメージバッファから印刷エンジンに転送し、印刷エンジンを制御しながら印刷を実行する印刷制御手段24等を備えている。
また、所定のユーザに、プリンタ装置20における印刷処理の実行権限を占有させる機能、すなわち、プリンタ装置20における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(占有ユーザ)の識別情報を記憶する占有ユーザ情報記憶手段25、占有ユーザの設定・解除を行う占有権管理手段26、占有ユーザが設定されている場合、プリントキュー21に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する処理順序制御手段27などを備える(図2参照)。
ただし、本実施形態のプリンタ装置20は、更に、通信ネットワークNを介して接続された他のプリンタ装置20B、Cの占有ユーザの情報を取得する他装置占有情報取得手段28を備えており、そして、占有権管理手段26が、プリンタ装置20B、Cのうち、前記所定のユーザが実行権限を占有するプリンタ装置の数が予め定めた閾値以下であることを条件として、前記所定のユーザを占有ユーザとして設定する点で、従来のプリンタ装置とは異なっている。
なお、これらの各手段は、プリンタ装置20内のROMやRAM、外部の記憶媒体等に格納されるプログラムをCPUが実行することにより機能的に実現される。
以下、図3〜図5に示すフローチャートを参照し、印刷システム1における印刷処理の実行権限を占有させる枠組みを説明する。なお、各工程(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。また、以下の説明では、プリンタ装置20Aに対して印刷ジョブが送信された場合を例に説明するが、プリンタ装置20B、Cに対して印刷ジョブが送信された場合も同様とする。
(印刷ジョブ蓄積段階:図3)
ホスト装置10のプリンタドライバ手段13は、外部又はホスト装置10上で動作しているアプリケーションプログラムやユーザからプリンタ装置20Aを指定した印刷要求を受け付けると(S100)、プリンタ装置20Aが解釈可能な所定のプリンタ制御言語に基づき印刷ジョブを作成し(S101)、これを通信ネットワークNを介してプリンタ装置20Aに出力する(S102)。
印刷ジョブは、例えば、ジョブID、印刷指示日時、ホスト装置10の情報(名称など)、印刷要求を行ったユーザ(以下、「印刷ジョブオーナ」という)の識別情報(ユーザ名、ユーザIDなど)、ドキュメント名、出力先プリンタの情報(IPアドレス、機種情報など)、印刷設定情報などの情報を含むように構成することができる。
プリンタ装置20Aのジョブ受信手段22は、ホスト装置10(プリンタドライバ手段13)から通信ネットワークNを介して印刷ジョブを受信すると(S103)、かかる印刷ジョブからジョブID、印刷ジョブオーナの識別情報などを抽出し、これらに対応づけてプリントキュー21(印刷ジョブ記憶手段)に印刷ジョブを記憶する(S104)。なお、印刷ジョブに含まれるユーザ名等の情報に基づきLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバに印刷ジョブオーナの識別子を問い合わせて、これを識別情報として記憶する構成としてもよい。図6に、プリントキュー21のデータ構造の例を模式的に示す。
(印刷処理実行段階:図4、図5)
プリンタ装置20Aの処理順序制御手段27は、プリントキュー21に印刷ジョブが記憶されるているかどうかを判断し(S200)、記憶されている場合、プリントキュー21の先頭の印刷ジョブを選択する(以下、「選択ジョブ」という)(S201)。
次に、占有権管理手段26は、プリントキュー21を参照して、選択ジョブに対応する印刷ジョブオーナ(以下、「選択ジョブオーナ」という)の識別情報を取得する(S202)。
次に、他装置占有情報取得手段28は、他のプリンタ装置20B、Cの占有ユーザの情報を取得する(S203)。
具体的には、他装置占有情報取得手段28は、プリンタ装置20B、Cに対して、各装置の占有ユーザの識別情報を問い合わせる。プリンタ装置20B、Cの占有権管理手段26は、他装置からの前記問い合わせを受信した場合、自装置の占有ユーザ情報記憶手段25を参照して、前記問い合わせに回答する。他装置占有情報取得手段28は、かかる回答に基づき、例えば図7に示すような管理テーブルを用いて、各プリンタ装置を識別する情報(例えばIPアドレス)に対応づけて占有ユーザ識別情報を記憶・管理する。
次に、占有権管理手段26は、他装置占有情報取得手段28が記憶・管理する管理テーブルを参照し、通信ネットワークNを介して接続されたプリンタ装置B、Cのうち選択ジョブオーナが実行権限を占有するプリンタ装置の数(占有装置数)が閾値P以下であるか否かを判断する(S204)。なお、占有装置数は、管理テーブル中に含まれる、選択ジョブオーナの識別情報に対応づけられているプリンタ装置の数を計数すれば得られる。
閾値Pを越えると判断した場合、占有権管理手段26は、選択ジョブについて印刷処理を実行せずに、プリントキュー21の次の印刷ジョブを選択し(S205)、S202に再帰する。なお、図示していないが、S205においてプリントキュー21に選択する印刷ジョブがない場合は、例えば一定期間経過するまで又は新たに印刷ジョブを受信するまで待機してから、S201に再帰する。
一方、閾値P以下であると判断した場合、占有権管理手段26は、選択ジョブオーナをプリンタ装置20Aの占有ユーザとして設定すべく、選択ジョブオーナの識別情報を占有ユーザ識別情報として占有ユーザ情報記憶手段25に記憶する(S206)。
次に、プリンタ装置20Aの各手段(解析・イメージ生成手段23、印刷制御手段24など)は、従来と同様にして、選択ジョブに基づいて印刷処理を実行する(S207)。すなわち、プリントキュー21から選択ジョブを削除するとともに、選択ジョブを解析してラスタ形式の印刷イメージを1バンド分又は1ページ分生成してイメージバッファに格納し、選択ジョブ中の制御コマンドに基づいて、所定単位分(例えば1パス分)の印刷イメージをイメージバッファから印刷エンジンに転送し、印刷エンジンを制御しながら印刷を実行する。
印刷処理の実行中、占有権管理手段26は、例えばジョブモニタリングMIBを参照するなどして、選択ジョブに基づく印刷処理が終了したかどうかをチェックし(S208)、終了した場合、プリントキュー21に占有ユーザ識別情報(選択ジョブオーナの識別情報)に対応する印刷ジョブ(以下、「占有ユーザジョブ」という)が記憶されているかどうかを判断する(S209)。
プリントキュー21に占有ユーザジョブが記憶されていない場合、占有権管理手段26は、プリンタ装置20Aにおける占有ユーザの設定を解除すべく、占有ユーザ情報記憶手段25から占有ユーザ識別情報を消去し(S210)、S200に再帰する。
一方、プリントキュー21に占有ユーザジョブが記憶されている場合、処理順序制御手段27は、占有ユーザ(選択ジョブオーナ)の占有状態を継続すべく、かかる記憶されている占有ユーザジョブを印刷処理の対象として選択し(S211)、S207に再帰する。
以下、図6、図7に示す例に基づき、閾値Pによって同一ユーザが占有できる印刷装置の最大数をコントロールできることを説明する。
図6に示す例では、プリントキュー21の先頭(キュー番号1)にあるUser1の印刷ジョブが選択ジョブとなる。また、図7に示す管理テーブルから、User1の占有装置数が1であることがわかる。
例えば閾値Pを0に設定した場合、User1の占有装置数は閾値Pを超えるので、User1は占有ユーザとして設定されない。つまり、閾値P=0の場合、プリンタ装置20Bを占有しているUser1は、それ以上他のプリンタ装置を占有できない(同一ユーザが占有できる印刷装置の最大数が1となるようにコントロールされる)。
一方、閾値Pを1に設定した場合、User1の占有装置数は閾値P以下となるので、User1は占有ユーザとして設定される。つまり、閾値P=1の場合、User1は、プリンタ装置20Bに加えて、プリンタ装置20Aも占有することができる(同一ユーザが占有できる印刷装置の最大数が2となるようにコントロールされる)。
なお、閾値Pは、設計に応じて予め定めることができるが、同一ユーザによる複数のプリンタ装置の独占を防止する観点からは、少なくとも(通信ネットワークNに接続されたプリンタ装置数−2)以下に設定することが望ましい。
以上のように、本実施形態では、プリンタ装置20Aにおいてあるユーザを占有ユーザとして設定する場合、通信ネットワークNを介してプリンタ装置B、Cの占有状況を確認し、前記あるユーザが占有する他のプリンタ装置の数が閾値P以下であることを条件として占有ユーザの設定を許可するように構成している。かかる構成によれば、通信ネットワークNに接続されたプリンタ装置全体の占有状況を考慮してプリンタ装置20Aの占有可否を決定することができ、同一ユーザが占有できるプリンタ装置の最大数をコントロールすることが可能となるため、プリンタ装置単体の占有を許容しつつ、同一ユーザが複数のプリンタ装置(例えば、通信ネットワークNに接続された全プリンタ装置)を独占してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では、選択ジョブについて印刷処理を実行する場合、選択ジョブオーナが自動的に占有ユーザとして設定される(別言すれば、印刷処理を実行する印刷ジョブに対応するユーザが自動的に占有ユーザとして設定される)。そして、印刷処理の終了時においてプリントキュー21に占有ユーザの印刷ジョブがある場合は、占有状態が自動的に継続され、プリントキュー21に占有ユーザの印刷ジョブが無い場合は、占有状態が自動的に解除される。従って、一定の制限時間やジョブ数に基づいて占有権を設定する方法と比べて、プリントキュー21に占有ユーザの印刷ジョブが保持されていないにも関わらず占有された状態が維持されてしまうといった状況は生じない。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。例えば、上記実施形態では、印刷装置としてプリンタ装置を例に説明したが、本発明は、複写機、ファクシミリ、複合機などの印刷装置を備える印刷システムに対しても適用可能である。
また、プリントキュー21など印刷ジョブを記憶する手段は、プリンタ装置20によってアクセス可能であれば、必ずしもプリンタ装置20が備えていなくてもよい。例えば、印刷ジョブ管理サーバや外部記憶手段(USBメモリや携帯端末なども含む)に印刷ジョブを記憶する構成としてもよい。
また上記実施形態では、プリンタ装置B、Cに対して、占有ユーザの識別情報を問い合わせる構成としているが、例えば、選択ジョブオーナの識別情報をプリンタ装置B、Cに送信し、選択ジョブオーナがプリンタ装置B(又はC)において占有ユーザとなっているか否かを問い合わせる構成としてもよい。この場合、選択ジョブオーナが占有ユーザとなっていると回答したプリンタ装置の数が、占有装置数となる。
また上記実施形態では、プリンタ装置20が占有ユーザ情報記憶手段25を備える構成としているが、例えば、所定のサーバにて各プリンタ装置20の占有ユーザの情報を集中的に管理する構成としてもよい。この場合、プリンタ装置20は、該サーバに対して占有ユーザの情報を問い合わせて取得することになる。更に、該サーバにて、占有装置数が閾値P以下であるか否かを判断する構成としてもよい。この場合、プリンタ装置20は、選択ジョブオーナの識別情報を該サーバに送信し、選択ジョブオーナに占有させてよいかどうか、すなわち、通信ネットワークを介して接続された複数のプリンタ装置のうち選択ジョブオーナが実行権限を占有する印刷装置の数が閾値P以下であるかどうかを問い合わせる。そして、閾値P以下であるとの回答が得られた場合に、選択ジョブオーナを占有ユーザとして設定する。
また上記実施形態では、選択ジョブオーナの占有装置数が閾値P以下である場合に自動的に占有ユーザとして設定し、印刷処理の終了時にプリントキュー21に該設定した占有ユーザの印刷ジョブがあるか否かによって占有の解除/継続を決定する構成としているが、他の方法によって占有の設定/解除/継続を決定するように構成してもよい。例えば、選択ジョブオーナの占有装置数が閾値P以下であることに加えて、選択ジョブに占有の設定を指示する情報が含まれている場合に、選択ジョブオーナを占有ユーザとして設定し、該設定した占有ユーザから占有の解除を指示する情報が含まれた印刷ジョブを受信するまで占有を継続させる構成としてもよい。また例えば、選択ジョブオーナの占有装置数が閾値P以下である場合に、一定期間又は一定の数の印刷ジョブを処理する間、選択ジョブオーナを占有ユーザとして設定する構成とすることも考えられる。
また上記実施形態では、占有ユーザ情報記憶手段25に占有ユーザ識別情報が記憶されているか否かによって占有ユーザの設定の有無を示す構成としているが、占有ユーザの設定/解除を示すフラグ等を用いて占有ユーザの設定の有無を示す構成としてもよい。
また上記実施形態では、S211において印刷処理が実行されなかった印刷ジョブは保留され、再度選択された際に占有装置数に関する条件が成立していれば実行される構成としているが、本発明はこのような構成に限られるものではない。例えばS211で印刷処理が実行されなかった印刷ジョブを、該印刷ジョブを処理可能な他のプリンタ装置に転送する構成としてもよい。転送する態様としては、例えば、印刷処理が実行されなかった印刷ジョブについて、該印刷ジョブの印刷ジョブオーナが占有ユーザとなっている他のプリンタ装置があるか否かを判断し、そのようなプリンタ装置がある場合にのみ該プリンタ装置に転送する態様、又はそのようなプリンタ装置がある場合に該プリンタ装置へ優先して転送する態様や、転送するか保留するかを例えばプリンタ装置又はユーザごとに予め設定しておく態様などを考えることができる。
なお、印刷ジョブを転送した場合、プリンタ装置20は、転送先のプリンタ装置の情報とともに印刷ジョブを転送したことを該ユーザに通知することが望ましい。通知方法は、ホスト装置10にその旨の情報を通知する構成や、プリンタ装置20のコンソールパネルなどにその旨の情報を表示する構成とすることが考えられる。
印刷システム1のハードウェア構成を示すブロック図である。 ホスト装置10、プリンタ装置20の機能構成を示すブロック図である。 印刷ジョブ蓄積段階を説明するためのフローチャートである。 印刷処理実行段階を説明するためのフローチャートである。 印刷処理実行段階を説明するためのフローチャートである。 プリントキュー21のデータ構造例を示す図である。 他のプリンタ装置の占有情報を管理するテーブルの例を示す図である。
符号の説明
1 印刷システム、10 ホスト装置、11 入出力手段、12 通信手段、13 プリンタドライバ手段、20 プリンタ装置、21 プリントキュー、22 ジョブ受信手段、23 解析・イメージ生成手段、24 印刷制御手段、25 占有ユーザ情報記憶手段、26 占有権管理手段、27 処理順序制御手段、28 他装置占有情報取得手段

Claims (8)

  1. 通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶手段に記憶し、該記憶した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する印刷装置であって、
    所定のユーザを、該印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(以下、「占有ユーザ」という)として設定する占有権管理手段と、
    占有ユーザが設定されている場合、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する処理順序制御手段と、を備え、
    前記占有権管理手段は、前記通信ネットワークを介して接続された複数の印刷装置のうち前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であることを条件として、前記所定のユーザを占有ユーザとして設定することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記通信ネットワークを介して接続された他の印刷装置の占有ユーザの情報を取得する手段を備え、
    前記占有権管理手段は、前記取得した他の印刷装置の占有ユーザの情報に基づいて、前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であるか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記所定のユーザは、印刷処理を実行する印刷ジョブに対応するユーザであることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷装置。
  4. 前記占有権管理手段は、印刷処理の終了時において前記印刷ジョブ記憶手段に占有ユーザの印刷ジョブが記憶されていない場合、占有ユーザの設定を解除することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の印刷装置。
  5. 実行権限を占有する印刷装置の数が前記閾値を越えるユーザについて、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する該ユーザの印刷ジョブを前記通信ネットワークを介して接続された他の印刷装置に転送する手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
  6. 通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶手段に記憶し、該記憶した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する印刷装置であって、
    印刷処理を実行する印刷ジョブに対応するユーザを、該印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(以下、「占有ユーザ」という)として設定する手段と、
    占有ユーザが設定されている場合、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する手段と、
    印刷処理の終了時において前記印刷ジョブ記憶手段に占有ユーザの印刷ジョブが記憶されていない場合、占有ユーザの設定を解除する手段と、を備えることを特徴とする印刷装置。
  7. 通信ネットワークを介して受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶手段に記憶する工程及び該記憶した印刷ジョブに基づき印刷処理を実行する工程を備えた印刷装置の制御方法であって、
    所定のユーザを、前記印刷装置における印刷処理の実行権限を占有するユーザ(以下、「占有ユーザ」という)として設定する占有権管理工程と、
    占有ユーザが設定されている場合、前記印刷ジョブ記憶手段に記憶する印刷ジョブのうち、占有ユーザの印刷ジョブが印刷処理の対象となるように制御する処理順序制御工程と、を備え、
    前記占有権管理工程は、前記通信ネットワークを介して接続された複数の印刷装置のうち前記所定のユーザが実行権限を占有する印刷装置の数が予め定めた閾値以下であることを条件として、前記所定のユーザを占有ユーザとして設定することを特徴とする制御方法。
  8. 請求項7記載の制御方法をコンピュータで実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109426462A (zh) * 2017-09-05 2019-03-05 北京立思辰计算机技术有限公司 一种用于网络打印的用户权限管理方法

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