JP2008022674A - 電動モータ - Google Patents

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Shinsuke Terada
真介 寺田
Masaya Segawa
雅也 瀬川
Noboru Niiguchi
昇 新口
Takashi Horikawa
傑 堀川
Hirohide Inayama
博英 稲山
Kouya Yoshida
航也 吉田
Hideki Touzu
秀起 東頭
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Abstract

【課題】コイルの絶縁被覆の損傷の発生を防止できて安価な電動モータを提供する。
【解決手段】本電動モータ1のステータコア11は、複数の分割コア16を環状に組み合わせてなる。各分割コア16は、そのティース15を挟んだ両側に、互いに周方向Tの逆向きに開放する一対のコイル収容溝18を有している。コイル収容溝18の内面とコイル13との間に、絶縁紙により形成された第1のインシュレータ20が介在している。この絶縁紙において、軸方向Sに平行な縁部20dは、切り取りによる破断部20fを含んでいる。この破断部20fは、ミシン目22の切り取り痕からなる。例えば、切り取り前の大きな絶縁紙を巻線前に組み付けておき、コイル収容溝18を確実に覆い、巻線後に、絶縁紙の余分な部分を切り取る。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動モータに関する。
電動モータのステータは、ステータコアと、ステータコアに巻回されたコイルとを有している。コイルとステータコアとの間には、インシュレータが介在している。このインシュレータは、コイルをステータコアに巻くときにコイルの絶縁被覆が損傷することを防ぐための絶縁体であり、通例、立体形状に型成形された樹脂成形品からなる。
また、電動モータには、ステータのコイル間の絶縁性を確保するために絶縁紙を利用している電動モータがある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、ステータの軸線方向に関しての絶縁紙の端部に、ミシン目が形成されていて、このミシン目から先端側にある絶縁紙の端部を切り取ることができるようにされている。
特開2005−20942号公報
しかし、従来のインシュレータは、立体形状に型成形された樹脂成形品からなるので、製造コストが高い。
また、電動モータの高出力化を図るために、インシュレータに薄い絶縁紙を用い、且つステータコアを周方向に分割した分割コアを用いることが考えられている。この場合、巻線後にコイルと分割コアとの間からはみ出した絶縁紙が、分割コア同士の間に挟まり易い。絶縁紙が分割コア同士の間に挟まると、出力が低下したり、モータの組立ができなくなる。従って、はみ出した絶縁紙が分割コア同士の間に挟まらないように、組立に多くの手間が掛かり、製造コストが高くなっていた。
そこで、本発明の目的は、コイルの絶縁被覆の損傷の発生を防止できて安価な電動モータを提供することである。
本発明の電動モータは、環状に形成されたヨーク、およびヨークの内周に突出形成されコイルが巻回された複数のティースを含むステータコアを備え、このステータコアは、それぞれ対応するティースを含む複数の分割コアを環状に組み合わせてなり、各分割コアは、そのティースをヨークの周方向に挟んだ両側に、互いにヨークの周方向の逆向きに開放する一対のコイル収容溝を有しており、コイル収容溝の内面とコイル収容溝に収容されるコイルとの間に、コイル収容溝に嵌め合わされた絶縁紙が介在しており、上記絶縁紙は、ステータコアの軸方向に平行な一対の縁部を含み、少なくとも一方の縁部は、切り取りによる破断部を含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、コイルの保護に安価な絶縁紙を利用できるので、製造コストを低減できる。また、例えば、切り取り前の大きな絶縁紙を組み付けた状態で、巻線を行うことができる。このとき、切り取り前の大きな絶縁紙は、コイル収容溝を確実に覆うことが可能となるので、コイルの損傷の発生を確実に防止できる。巻線後に、絶縁紙の一部を切り取って除去し、絶縁紙を組立の邪魔にならない大きさにできるので、巻線後の組立に手間が掛からない。
また、本発明において、上記縁部は、ミシン目の切り取り痕からなる場合がある。この場合、絶縁紙を容易に切り取ることができる。
以下では、本発明の実施形態の電動モータを、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の電動モータの概略構成を示す断面図である。
本電動モータ1は、フレームとしてのモータハウジング2と、このモータハウジング2に保持された軸受3,4と、これら軸受3,4により回動自在に支持されている出力軸5と、この出力軸5に一体回転するように設けられた筒状のロータ6と、ロータ6の外周面と径方向に対向してモータハウジング2内に固定される筒状のステータ7とを有している。
また、電動モータ1は、当該電動モータ1の内部における電気的な接続のためのバスバーと呼ばれる結線用基板8と、ロータ6の回転角度位置を検出する回転位置検出センサ(図示せず)とを有している。この回転位置検出センサとしては、例えば、レゾルバまたはロータリーエンコーダを利用することができる。
モータハウジング2は、筒形状をなすハウジング本体9と、一対の端部材10A,10Bとを有している。出力軸5の軸方向についてのハウジング本体9の両端部は、ともに開放されている。ハウジング本体9の両端部に、対応する端部材10A,10Bが取り付けられている。
なお、ハウジング本体9と、いずれか一方の端部材10A,10Bとが、単一の部材により一体に形成され、単一の部品を構成していてもよい。以下では、ハウジング本体9と、一対の端部材10A,10Bとの3つが、互いに別体の場合に則して説明する。
端部材10A,10Bは、板状をなしている。端部材10Aの中央部に貫通孔が形成されている。この貫通孔の周縁部に軸受3が支持されている。また、端部材10Bの中央部の凹部の周縁部に軸受4が支持されている。また、各端部材10A,10Bの外周縁部には、ハウジング本体9と連結するための連結部が設けられている。
ハウジング本体9は、内周面と外周面とを有している。また、軸方向についてのハウジング本体9の両端部は、対応する端部材10A,10Bの連結部に連結するための連結部を有している。ハウジング本体9の連結部と、対応する端部材10A,10Bの連結部とは、図示しないボルトにより互いに固定される。
モータハウジング2の内部に、ロータ6、ステータ7および結線用基板8が収容されている。ステータ7の外周面が、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面に固定されている。ステータ7がロータ6を取り囲んでいる。モータハウジング2と出力軸5とロータ6とステータ7とが、ブラシレスモータを構成している。また、結線用基板8は、ステータ7とは別体で形成されている。結線用基板8は、出力軸5の軸方向Sに関して、ステータ7に隣接して配置されている。結線用基板8は、ステータ7を介して、または直接にモータハウジング2に固定されている。
また、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面と、ロータ6の外周面と、ステータ7の内周面および外周面とは、出力軸5の中心軸線と互いに同心に配置されている。出力軸5と、ロータ6とは、出力軸5の中心軸線を回転中心軸線としてその回りに一体に回動する。
なお、図1および後述する各図には、出力軸5の軸方向S、径方向R、および周方向Tを必要に応じて図示している。これらの各方向は、モータハウジング2、ロータ6、ステータ7、後述するステータコア11、およびヨーク14の対応する各方向に一致している。
ロータ6は、出力軸5および軸受3,4を介して、モータハウジング2に回動自在に支持されている。ロータ6は、ロータ本体6aと、ロータマグネット6bと、スペーサ6cと、筒状の保護部材6dとを有している。
ロータマグネット6bは、周方向Tに離隔する複数の磁極を有する。ロータマグネット6bは、環状の永久磁石からなる。ロータマグネット6bの外周面にN極とS極との磁極が交互に周方向Tに並んで複数箇所に形成されている。ロータマグネット6bは、ロータ本体6aとスペーサ6cとを介して、出力軸5に固定されている。
保護部材6dは、薄肉のステンレス鋼製の管材からなり、ロータ6の外周を形成し、ロータ6の径方向Rの外方からロータマグネット6bを取り囲んで保護している。
ロータ本体6aは、軸方向Sについてロータマグネット6bと同じ長さに形成された薄肉の環状部材であり、ロータマグネット6bを支持している。
スペーサ6cは、ロータ本体6aの内周面と出力軸5の外周面との間に介在する環状部材である。スペーサ6cは、軸方向Sに関してロータ本体6aよりも短く形成されている。
図2は、図1に示すステータ7の要部の断面図であり、図1のS2−S2断面を示す。図1および図2を参照して、ステータ7は、内周面と外周面とを有している。ステータ7の内周面は、ロータ6の外周面と径方向Rに所定間隔を開けて対向している。ステータ7は、環状をなす単一のステータコア11と、複数のインシュレータ12と、複数のコイル13とを有している。ステータコア11は、環状をなす単一のヨーク14と、複数のティース15とを有している。
インシュレータ12およびコイル13は、各ティース15ごとに設けられている。インシュレータ12はコイル13を保護するための絶縁体であり、後述するように複数の部材により構成されている。各コイル13は、絶縁被覆された電線をそれぞれ有している。各電線の両端部が、結線用基板8に接続され、これを介して、給電用の電線(図示せず)に接続されている。ステータコア11と、インシュレータ12と、コイル13とは、後述するように樹脂モールド成形されてなり、一体化されている。
ステータコア11は、軸方向Sについての一端11aおよび他端11bを有している。ステータコア11の外周面が、ステータ7の外周面を形成している。ステータコア11の内周面が、ステータ7の内周面を形成している。具体的には、各ティース15は、ヨーク14の内周面から径方向Rの内方へ突出している。各ティース15の突出した先端部が、ロータ6に近接して対向している。また、複数のティース15は、互いに同じ形状に形成されていて、周方向Tについて所定間隔のスロット11cを挟んで相互に離隔して均等に配置されている。
本実施形態では、ステータコア11は、周方向Tに分割された分割体としての複数の分割コア16を有している。また、ヨーク14は、複数の分割コア16に対応して周方向Tに分割された複数のヨーク片17を有している。
複数の分割コア16は、ステータコア11を縦割り分割されてなる。複数の分割コア16が環状に組み合わされることにより、環状のステータコア11が構成されている。例えば、複数の分割コア16が周方向Tに並べられた状態で、ハウジング本体9の内周面に嵌め入れられて、この内周面に、例えば圧入されることにより、または接着剤を介することにより固定されている。これにより、複数の分割コア16が互いに環状に連結される。
図3は、図1に示すステータ7の要部の分解斜視図であり、ステータコアとインシュレータの一部を図示している。図2および図3を参照して、各分割コア16は、単一のヨーク片17と、単一のティース15とを有している。これらティース15およびヨーク片17は、一体に形成されて単一の部品を構成している。各分割コア16の全体が、磁性粉11m(模式的に図示)を含み、磁性粉11mを用いて形成された焼結体からなる。
ヨーク片17は、内周部17aと、外周部17bと、対向面としての周方向Tについての一対の側面17cと、軸方向についての一対の端面17dとを有している。ヨーク片17の内周部17aに、対応するティース15が連結されている。
各ティース15は、ヨーク片17の内周部17aからステータ7の径方向Rに延びた主体部としてのティース本体15aと、ティース本体15aの延設端としての径方向Rの内方側の端部に設けられた突出部としての周方向突出部15bおよび軸方向突出部15cとを有している。
ティース本体15aは、ヨーク片17に比べて、ステータ7の周方向Tおよび軸方向Sについて、相対的に細く形成されている。
周方向突出部15bは、ステータ7の周方向Tの両側へティース本体15aの端部から突出している。周方向突出部15bは、ステータ7の周方向Tについてティース本体15aから遠ざかるにしたがって、肉厚(径方向寸法)が薄くなるように形成されている。軸方向突出部15cは、ステータ7の軸方向Sの両側へティース本体15aの端部から突出している。周方向突出部15bと軸方向突出部15cとは、互いに接続されていて、ティース本体15aを鍔状をなして取り囲んでいる。
ステータコア11の各分割コア16のティース15に、インシュレータ12を介してコイル13が巻回されている。また、各ティース15には、巻回されたコイル13を収容するためのコイル収容溝18,19が形成されている。すなわち、ステータ7の周方向Tに関して、各ティース15は、当該ティース15を挟んだ両側に、コイル巻回用の一対のコイル収容溝18を有している。また、ステータ7の軸方向Sに関して、各ティース15は、当該ティース15を挟んだ両側に、コイル巻回用の一対のコイル収容溝19を有している。これらのコイル収容溝18,19は、ティース15を取り囲んで環状をなし、互いに連通している。
一対のコイル収容溝18は、ステータ7の周方向Tについて、互いに逆向きに開放されている。各コイル収容溝18が、スロット11cの一部をなしている。コイル収容溝18は、内面としての以下の各部、すなわち、内壁18aと、外壁18bと、溝底18cとを有している。内壁18aは、相対的に径方向Rの内方側に配置されていて、対応するティース15の周方向突出部15bにより形成されている。外壁18bは、相対的に径方向Rの外方に配置されていて、ヨーク片17の対応する周方向端部により形成されている。内壁18aおよび外壁18bは、ステータ7の径方向Rに互いに対向している。溝底18cは、ティース本体15aにより形成されている。
一対のコイル収容溝19は、ステータ7の軸方向Sの外方に向けて、互いに逆向きに開放されている。コイル収容溝19は、内面としての以下の各部、すなわち、内壁と、外壁と、溝底とを有している。内壁は、相対的に径方向Rの内方側に配置されていて、対応する軸方向Sの外方に突出するティース15の軸方向突出部15cにより構成されている。外壁は、相対的に径方向Rの外方に配置されていて、ヨーク片17の対応する軸方向端部により構成されている。内壁および外壁は、ステータ7の径方向Rに互いに対向している。溝底は、軸方向Sについてのティース本体15aの端部により形成されている。
軸方向Sに関しての分割コア16の両端部は、軸方向Sについての向きが逆であることを除いて、互いに同様に形成されている。また、周方向Tに関して、分割コア16は、対称形状をなしている。例えば周方向Tについての一方のコイル収容溝18と、他方のコイル収容溝18とは、周方向Tの向きが逆であるが、それ以外は互いに同様に形成されている。また、これらのコイル収容溝18,19に取り付けられるインシュレータ12についても、コイル収容溝18,19と同様の関係で形成されている。
図1と図2を参照して、インシュレータ12は、分割コア16のコイル収容溝18に配置された第1のインシュレータ20と、分割コア16のコイル収容溝19に配置された第2のインシュレータ21とを有している。
図2と図3を参照して、第1のインシュレータ20は、後述するように絶縁紙のシート材が折り曲げ加工されて溝形状に形成されてなる。第1のインシュレータ20は、樋形状をなし、一方向に延びている。第1のインシュレータ20の長手方向(樋が延びる方向でもある。)が、コイル収容溝18に平行になるように、第1のインシュレータ20はコイル収容溝18に配置されている。第1のインシュレータ20は、コイル収容溝18の内壁18aに接する側壁部としての内壁部20aと、コイル収容溝18の外壁18bに接する側壁部としての外壁部20bと、コイル収容溝18の溝底18cに接する溝底部20cとを有している。第1のインシュレータ20は、コイル収容溝18に嵌め合わされた状態で、コイル収容溝18の上述の内面とコイル収容溝18に収容されるコイル13との間に介在している。
第1のインシュレータ20の側壁部としての内壁部20aおよび外壁部20bは、ステータ7の軸方向Sに平行な縁部20dをそれぞれ含んでいる。具体的には、縁部20dは、複数の切り込み部20eと、切り取りによる複数の破断部20fとを交互に有している。すなわち、縁部20dは、後述する切り込み部22aと非切り込み部22bとを交互に並べたミシン目22(図4A参照)が切り取られた形状をしている。破断部20fは、そのミシン目22の非切り込み部22bの切り取り痕からなり、手で引きちぎられた痕である。
外壁部20bの縁部20dは、互いに隣接する分割コア16のヨーク片17の側面17c同士の合わせ目に近接して配置されている。縁部20dと側面17cとの距離N1は、所定範囲の値、例えば0mm<N1≦1mmが好ましく、例えば0.5mmとされている。この範囲内の値に上述の距離を設定することにより、分割コア16のヨーク片17の側面17cと内周部17aとの間に形成されるエッジ部17acに、絶縁紙のミシン目22を沿わせて、非切り込み部22bを容易に破断することができる。
また、内壁部20aの縁部20dは、ティース15の周方向突出部15bの先端に近接して配置されている。縁部20dと周方向突出部15bの先端との距離N2は、所定範囲の値N2で設定されているのが、好ましい。値N2は上述の値N1に等しく設定されている。これにより、ティース15の周方向突出部15bの先端のエッジ部15b2に絶縁紙のミシン目22を沿わせて、非切り込み部22bを容易に破断することができる。
ここで、縁部20dは、起伏しているので、上述の距離N1,N2としては、起伏の中心的な位置に基づいた距離としてもよいし、起伏の頂部または底部に基づいた距離としてもよいし、図2に図示したように切り込み部20eに基づいた距離としてもよい。
図4Aおよび図4Bは、図2に示す第1のインシュレータ20の製造途中の状態を示す斜視図であり、図4Aに素材を、図4Bに製造途中の状態を図示している。図4Aおよび図4Bを参照して、第1のインシュレータ20は、素材としての絶縁紙のシート材23から、製造用中間体としての樋状部材24を経て、製作されてなる。
シート材23は、一方に長い矩形をなしている。長手方向に沿う一対の端縁23aから所定距離離れて、一対のミシン目22が形成されている。各ミシン目22は、複数の切り込み部22aと、複数の非切り込み部22bとを有している。これらの複数の切り込み部22aは、シート材23の長手方向に平行に一列に並んで、所定間隔毎に互いに独立して形成されている。切り込み部22aの間に非切り込み部22bが形成されている。これにより、隣接する切り込み部22a同士の間にある絶縁紙の部分である非切り込み部22bをワンタッチで破断させることができる。
切り込み部22aは、シート材23の両面を貫通していて、例えば円孔または長孔の孔形状に形成されている。また、切り込み部22aとしては、上述の孔形状の他、開口していない切れ目であってもよい。この切れ目は、当該切れ目の相対向する縁部同士が互いに接触している。
シート材23が一対の折り曲げ部23bに沿って樋状に折り曲げ加工されて、樋状部材24になる。一対の折り曲げ部23bは、一対のミシン目22の間に、ミシン目22に平行に、互いの間に所定距離を隔てて形成されている。
樋状部材24は、側壁部24aと、側壁部24bと、溝底部24cとを有している。シート材23の一対の端縁23aは、樋状部材24の側壁部24a,24bの端縁24dになる。また、シート材23の一対の折り曲げ部23bの間の部分が、樋状部材24の溝底部24cになる。また、後述するようにステータ7を組み立てるときに、樋状部材24の一部がミシン目22で切り取られて、第1のインシュレータ20になる。
図3および図4Bを参照して、樋状部材24の溝底部24cは、第1のインシュレータ20の溝底部20cになる。樋状部材24の側壁部24aの一部であって溝底部24cからミシン目22までの部分24a1が、第1のインシュレータ20の内壁部20aになる。樋状部材24の側壁部24bの一部であって溝底部24cからミシン目22までの部分24b1が、第1のインシュレータ20の外壁部20bになる。また、樋状部材24の側壁部24a,24bの残りの部分、すなわち、側壁部24a,24bの一部であってミシン目22から縁部24dまでの部分24a2,24b2は、コイル巻回時に分割コア16のエッジ部15b2,17acを覆う保護部として機能するとともに、コイル巻回後に除去される被除去部になる。
また、樋状部材24において、ミシン目22の切り込み部22aの縁部の一部分であって、部分24a1,24b1側にある一部分が、第1のインシュレータ20の縁部20dの切り込み部20eになる。樋状部材24において、ミシン目22の非切り込み部22bが引き破られた後に残った部分であって、部分24a1,24b1側にある部分が、第1のインシュレータ20の縁部20dの破断部20fになる。
図5A,図5Bおよび図5Cは、ステータ7の組立途中の状態を示す断面図であり、図5A,図5Bおよび図5Cの順で工程が進行する。図5Aを参照して、ステータ7の組み立てでは、先ず、各分割コア16に、インシュレータ12およびコイル13が取り付けられる。各分割コア16が単品の状態であるときに、コイル収容溝18に第1のインシュレータ20の製造用中間体としての樋状部材24が取り付けられ、コイル収容溝19に第2のインシュレータ21が取り付けられる。なお、以下では、第2のインシュレータ21についての説明は省略する。樋状部材24は、コイル収容溝18に接着剤により貼り付けられて保持される。
図5Bを参照して、次に、コイル13がティース15に巻き付けられる。このとき、樋状部材24の側壁部24a,24bの保護部としての部分24a2,24b2が、ティース15の周方向突出部15bのエッジ部15b2および分割コア16のヨーク片17のエッジ部17acを覆う。これにより、コイル13の絶縁被覆の破損を防止することができる。コイル13が巻回された状態で、樋状部材24は、ティース15のコイル収容溝18の内面とコイル13との間に介在している。樋状部材24の側壁部24a,24bの上述の被除去部としての部分24a2,24b2がコイル13からはみ出している。
図5Cを参照して、巻線後に、樋状部材24の被除去部としての部分24a2,24b2が、ミシン目22に沿って引きちぎられて除去される。これにより、第1のインシュレータ20が完成する。被除去部が除去されているので、コイル13付きの複数の分割コア16が環状に組み合わせられるときに、手間がかからない。例えば、分割コア16のヨーク片17の側面17c同士の合わせ目に、第1のインシュレータ20の一部が挟まることはない。
図1と図2を参照して、次に、複数の分割コア16が、コイル13およびインシュレータ12が取り付けられた状態で、環状に連結される。この状態で、ステータコア11と、インシュレータ12と、コイル13とは、樹脂モールドされて、一体化される。このように一体化されたステータ7が、モータハウジング2に組み付けられる。
このように本実施形態の電動モータ1は、環状に形成されたヨーク14、およびヨーク14の内周としてのヨーク片17の内周部17aに突出形成されコイル13が巻回された複数のティース15を含むステータコア11を備えている。このステータコア11は、それぞれ対応するティース15を含む複数の分割コア16を環状に組み合わせてなる。各分割コア16は、そのティース15をヨーク14の周方向Tに挟んだ両側に、互いにヨーク14の周方向Tの逆向きに開放する一対のコイル収容溝18を有している。コイル収容溝18の内面としての内壁18a,外壁18bおよび溝底18cと、コイル収容溝18に収容されるコイル13との間に、コイル収容溝18に嵌め合わされた絶縁紙としての第1のインシュレータ20が介在している。上記第1のインシュレータ20は、ステータコア11の軸方向Sに平行な一対の縁部20dを含み、これら縁部20dは、切り取りによる破断部20fを含んでいるようにしている。
本実施形態によれば、コイル13の保護に安価な絶縁紙を利用できるので、製造コストを低減できる。また、例えば、切り取り前の大きな絶縁紙(樋状部材24が相当する。)を組み付けた状態で、巻線を行う。切り取り前の大きな絶縁紙である樋状部材24は、コイル収容溝18,19を確実に覆うことができる。従って、コイル13を巻くときに、コイル13の損傷が生じることを確実に防止することができる。巻線後に、絶縁紙の一部を切り取り除去し、これにより、絶縁紙としての第1のインシュレータ20を、組立にとって邪魔にならない適度な大きさに形成することができる。例えば、保護部としての部分24a2,24b2は、コイル収容溝18とコイル13との間からはみ出して、余分な部分になるが、この余分な部分24a2,24b2は、切り取りにより除去される。絶縁紙の切り取りは、組み付け後であっても、手間が掛からずに済む。従って、巻線後の組立に手間が掛からない。
また、絶縁紙からなる第1のインシュレータ20は、薄肉なので、電動モータ1の出力トルクの向上に寄与する。
また、本実施形態では、縁部20dは、ミシン目22の切り取り痕からなるようにしている。この場合、樋状部材24の絶縁紙を容易に切り取ることができる。
また、第1の実施形態について、以下のような変形例を考えることができる。以下の説明では、上述の実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、上述の第1の実施形態において、絶縁紙としては、例えば以下(1) 〜(4) の各種の絶縁紙、すなわち、(1) 紙繊維からなる絶縁紙、例えばクラフト紙、(2) 紙繊維と絶縁油とを含む絶縁紙、(3) 合成樹脂を含む絶縁紙、(4) 合成樹脂のフィルムまたは不織布からなる絶縁紙、のなかから少なくとも1種を選択して利用することができる。このうち、紙繊維を含む(1) ,(2) および(3) の絶縁紙は、工具を利用せずに、容易に切り取ることができる。なお、後述する実施形態における絶縁紙も同様に各種の絶縁紙を利用できる。
図23Aは、第1の実施形態の変形例としてのシート材23の平面図であり、図23Bは、図23AのS23B−S23B断面の一部拡大断面図である。図23Aと図23Bを参照して、破断部20fは、ミシン目22の切り取り痕の他、いわゆるハーフカット50の切り取り痕であってもよい。ハーフカット50は、シート材23の一方の表面に形成された所定深さのV溝状の切り込み部50aと、この切り込み部50aの底と他方の表面との間の薄肉部としての非切り込み部50bとを有している。切り込み部50aは、シート材23において、ミシン目22(図4A参照)と同じ位置に形成され、シート材23の長手方向に沿って直線状に延びていて、他方の表面には貫通していない。非切り込み部50bが引きちぎられて、破断部20fになる。この場合の破断部20fは、縁部20dに沿って全域に形成されることになる。
また、第1の実施形態において、分割コア16としては、上述のタイプの分割コア16、すなわち、(1) 軸方向端部11a,11bにコイル収容溝19が形成されていて、当該分割コア16の全体が磁性粉11mにより形成されたタイプの分割コア16に限定されず、以下の(2) 〜(4) のタイプの分割コア16であってもよい。(2) 軸方向Sについての端部11a,11bにコイル収容溝19が形成され、分割コア16は、磁性粉11mにより形成された部分と、積層鋼板により形成された部分とを含むタイプの分割コア16。なお、(2) のタイプの分割コア16の一例を、後述する第8の実施形態で説明する。(3) 軸方向Sについての端面が平坦に形成され、軸方向端部11a,11bにコイル収容溝19が形成されず、当該分割コア16の全体が磁性粉11mにより形成されているタイプの分割コア16。(4) 軸方向Sについての端面が平坦に形成され、軸方向端部11a,11bにコイル収容溝19が形成されず、当該分割コア16の全体が積層鋼板からなるタイプの分割コア16。
また、第1のインシュレータ20において、いずれか一方の縁部20dが、破断部20fを含んでもよく、少なくとも一方の縁部20dが、破断部20fを含めばよい。
図6は、本発明の第2の実施形態の電動モータ1の半断面図である。図7A,図7B,図8A,図8B,図9Aおよび図9Bの各図は、図6のステータ7および結線用基板8の組立途中状態を示す断面図であり、上述の図面の記載の順に工程が進行する。
第2の実施形態では、上述の第1の実施形態の(1) のタイプの分割コア16を有する場合において、ステータ7と結線用基板8とが、一体に樹脂モールド成形されてなる。なお、第2の実施形態を、第1の実施形態の(2) 〜(4) の分割コア16を有する場合に適用してもよい。
ステータ7は、樹脂モールドされてなる。ステータ7は、ステータコア11と、インシュレータ12と、コイル13と、第1の樹脂モールド部25とを有している。
第1の樹脂モールド部25は、合成樹脂部材がステータコア11のスロット11c内に充填されてなる。充填された合成樹脂部材が、コイル13の線間の隙間を埋め、また、コイル13とインシュレータ12との間の隙間を埋めてその間に介在し、また、インシュレータ12とステータコア11との間の隙間を埋めてその間に介在している。
ステータ7の複数のコイル13には、3相交流の各相が印加される3相のコイル13、すなわち、U相のコイル13と、V相のコイル13と、W相のコイル13とが含まれている。各相のコイル13は、複数個のコイル13をそれぞれ含んでいる。
結線用基板8は、第1、第2、第3および第4の導体26,27,28,29と、絶縁性を有するシート材としての複数の絶縁紙30と、第2の樹脂モールド部31とを有している。第1、第2、第3および第4の導体26,27,28,29が、絶縁紙30を介して、出力軸5の軸方向Sに交互に積層されている。また、各導体26,27,28,29および各絶縁紙30と、モータハウジング2との間に第2の樹脂モールド部31が介在している。導体26,27,28,29と、絶縁紙30とが、コイル13の電線の一部および電力供給ライン(図示せず)の一部とともに、樹脂モールドされてなる。また、電力供給ラインは、コネクタ等の接続用端子を含んでいてもよい。この接続用端子は、電線と導体との間に介在することにより電線と導体との間を互いに接続していて、接続用端子の一部が、樹脂モールドされてもよい。
各導体26,27,28,29は、環状をなし、導電性を有し、出力軸5を取り囲んでいる。第1の導体26は、U相のコイル13の一方の端部に電気的に接続され、U相の電力供給ラインとしての電線に電気的に接続されている。第2の導体27は、V相のコイル13の電線の一方の端部に電気的に接続され、V相の電力供給ラインに電気的に接続されている。第3の導体28は、W相のコイル13の電線の一方の端部に電気的に接続され、W相の電力供給ラインに電気的に接続されている。第4の導体29は、上述の各コイル13の電線の他方の端部に互いに接続されていて、Y結線(スター結線)の中性点を形成している。
絶縁紙30は、互いに積層された導体26,27,28,29同士の間を絶縁し、積層された導体26,27,28,29のうちで最も端にある導体29とモータハウジング2との間を絶縁している。
本実施形態では、ステータ7と、結線用基板8とは、合成樹脂部材により一体に樹脂モールドされてなり、ステータユニット32を構成している。
ステータユニット32は、上述のステータ7の各部11,12,13,25と、結線用基板8の各部26,27,28,29,30とを有している。ステータユニット32では、第1および第2の樹脂モールド部25,31は、合成樹脂部材により、一体に形成されている。上述の合成樹脂部材は、難燃性および絶縁性を有している。以下、ステータユニット32の製造方法を説明する。
図7Aを参照して、先ず、ステータ7の仮組み品34を組み立てる。この仮組み品34は、ステータユニット32の製造用中間体であり且つ骨格体として機能する。すなわち、各分割コア16に、インシュレータ12およびコイル13を組み付ける。コイル13およびインシュレータ12が組付けられた複数の分割コア16を、互いに環状に保持する。これにより上述のステータ7の仮組み品34が得られる。ステータ7の仮組み品34が、モータハウジング2のハウジング本体9の所定位置に組み込まれる。なお、軸方向Sについてのモータハウジング2のハウジング本体9の両端部は、開放されている。
図7Bを参照して、次に、結線用基板8の仮組み品35を組み立てる。この仮組み品35は、ステータユニット32の製造用中間体であり、結線用基板8の製造用中間体でもある。すなわち、第1〜第4の導体26,27,28,29と、複数の絶縁紙30とを、軸方向Sに交互に積層し、第1〜第4の導体26,27,28,29同士の間に、絶縁紙30を挟む。これにより、仮組み品35が得られる。この仮組み品35の各導体26,27,28,29および絶縁紙30は、積層状態で保持されている。また、仮組みされた第1〜第4の導体26,27,28,29に、ステータ7の各コイル13の電線の端部が電気的に接続され、電力供給ラインの端部が電気的に接続される。なお、電気的な接続と積層との順序は、いずれが先でも、同時でもよい。
また、モータハウジング2には、治具36が取り付けられる。この治具36は、軸状部材からなり、後工程で結線用基板8の仮組み品35を径方向Rおよび軸方向Sについてモータハウジング2に位置決めするための位置決め治具として機能する。
図8Aを参照して、治具36が組付けられたハウジング本体9に、結線用基板8の仮組み品35が組み付けられる。このとき、治具36の段部に、結線用基板8の仮組み品35において最下層に配置された導体26,27,28,29または絶縁紙30(本実施形態では第1の導体26)が軸方向Sに位置決めされる。例えば、仮組み品35の第1の導体26が、軸方向Sにステータ7の仮組み品34と所定距離を隔てて位置決めされる。また、結線用基板8の仮組み品35の各導体26,27,28,29および絶縁紙30が径方向Rに位置決めされる。これにより、完成したステータユニット32の結線用基板8と、軸受3および出力軸5とが互いに干渉することはない。なお、モータハウジング2へ仮組み品35の各部品を組み付けながら、これらの部品同士の積層および電気的な接続を行ってもよい。
図8Bを参照して、蓋としての一方の端部材10Aを、ハウジング本体9に上方から組み付ける。これにより、ステータユニット32の仮組み品37が得られる。この仮組み品37は、ステータユニット32の製造用中間体であり、ハウジング本体9、端部材10A、上述の仮組み品34,35および治具36を有している。
図9Aを参照して、ステータユニット32の仮組み品37の上下を反転して、上述の一方の端部材10Aを、ハウジング本体9の下側に配置する。この状態で、樹脂モールド成形する。すなわち、加熱されることにより溶融状態とされた合成樹脂部材をハウジング本体9の上方から成形機33により流し込む。流れ込んだ加熱溶融樹脂は、分割コア16同士の間のスロット11cに流れ込み、コイル13の線間およびコイル13とインシュレータ12との間、インシュレータ12と分割コア16との間の隙間の少なくとも一部を埋める。また、これとともに、加熱溶融樹脂は、モータハウジング2と各導体26,27,28,29または絶縁紙30との間の隙間に流れ込み、これらの隙間の少なくとも一部を埋めるとともに、仮組み品34,35を互いに連結する。また、加熱溶融樹脂は、結線用基板8の各導体26,27,28,29および絶縁紙30の間の隙間に流れ込み、これらの隙間の少なくとも一部を埋めてもよい。
ここで、上述の一方の端部材10Aは、上述の第2の樹脂モールド部31の軸方向Sの端面を形成するための成形型として機能する。また、モータハウジング2のハウジング本体9は、上述の各樹脂モールド部25,31の径方向Rの外周面を形成するための成形型として機能する。また、治具36は、各樹脂モールド部25,31の径方向Rの内面を形成するための成形型として機能する。
図9Bを参照して、合成樹脂部材が硬化すると、上述の各樹脂モールド部25,31になる。これにより、ステータユニット32が完成するとともに、モータハウジング2へのステータユニット32の組み込みおよび固定も完了する。その後、治具36は取り外される。硬化した状態で、合成樹脂部材は、各導体26,27,28,29間の絶縁材として機能し、ステータ7の樹脂モールド部として機能し、ステータ7と結線用基板8とをモータハウジング2に連結する連結部材として機能する。
従来、電動モータのコイルに電流を流すと、銅損により発熱が生じる。その結果、電動モータを構成する部品、例えば絶縁部材に劣化が生じるという問題や、トルクロスが多くなるという問題があった。これらの課題を解決するべく、コイルからの放熱のために、ステータに樹脂モールドを施すようにしている。その一方で、樹脂モールドを施すことにより、製造コストが高くなっていた。
これに対して、本実施形態では、ステータ7と結線用基板8との各構成部材が一体に樹脂モールドされたステータユニット32を備えるようにしている。これにより、樹脂モールドによりステータ7のコイル13からの放熱性を高めることができる。しかも、結線用基板8とステータ7とをともに樹脂モールド成形して一体化することにより、結線用基板8の樹脂成形と、モータハウジング2への結線用基板8の固定と、ステータ7の樹脂モールド成形とを、単一の工程で一括して行うことができる。その結果、製造工程を削減でき、製造コストを低減できる。
また、結線用基板8が、モータハウジング2に組み込まれた状態で、モータハウジング2の形状に合わせて樹脂モールドされる。従って、モータハウジング2への結線用基板8の組み込み時にこれら両者の干渉が生じることを防止するために、組み込み前に結線用基板8の外形を高い寸法精度で加工する必要がない。また、安価な絶縁紙30を利用して、製造コストを低減できる。
図10Aおよび図10Bは、第3の実施形態のステータ7の組立途中状態を示す断面図であり、上述の図面の記載の順に工程が進行する。
第3の実施形態では、上述の第1の実施形態の(1) のタイプの分割コア16が用いられる場合において、ステータ7が、単品の状態で樹脂モールド成形されてなる。なお、第3の実施形態を、第1の実施形態の(2) のタイプの分割コア16を有する場合に適用してもよい。
図10Aを参照して、先ずステータ7の上述の仮組み品34に、治具38が組付けられる。治具38は、ステータコア11の内周面に嵌合し、ステータコア11の軸方向についての一方の端面を覆っている。この状態で、樹脂モールド成形する。すなわち、加熱されることにより溶融状態とされた合成樹脂部材を仮組み品34の上方から成形機33により流し込む。合成樹脂部材は、第2の実施形態の合成樹脂部材を利用できる。流れ込んだ加熱溶融樹脂は、分割コア16同士の間のスロット11cに流れ込み、コイル13の線間の隙間、コイル13とインシュレータ12との間の隙間、インシュレータ12と分割コア16との間の隙間、および分割コア16同士の間の隙間の少なくとも一部を埋める。
図10Bを参照して、合成樹脂部材が硬化すると、樹脂モールド部25Aになる。その後、治具38は取り外される。これにより、ステータ7が完成する。
なお、上述の治具38は、樹脂モールドするときに、樹脂モールド部25Aの軸方向Sの一方の端面を形成するための成形型として機能するとともに、樹脂モールド部25Aの径方向Rの内面を形成するための成形型として機能する。
このように、本実施形態のステータ7は、ステータコア11と、インシュレータ12と、コイル13と、上述の樹脂モールド部25Aとを有している。
樹脂モールド部25Aは、第2の実施形態のステータ7の第1の樹脂モールド部25と同様に形成されていて、同様に機能する。また、本実施形態の樹脂モールド部25Aは、ステータ7の軸方向Sに関して、ステータコア11の端面としてのティース15の軸方向突出部15cおよびヨーク14の軸方向端部と、同じ位置にまで形成されていて、例えば面一に形成されていて、軸方向Sに関しての最外方にある端部の少なくとも一部を形成している。また、樹脂モールド部25は、コイル13を完全に覆っている。
また、本実施形態のステータ7は、図1に示す場合と同様に、モータハウジング2に組み付けられる。ステータコア11の外周面は、モータハウジング2のハウジング本体9の内周面に嵌合する嵌合面としての円筒面に形成されている。この円筒面は、軸方向Sに関して、コイル13およびインシュレータ12を含むステータ7の軸方向Sの全長に等しい長さで延びていて、ハウジング本体9の内周面に連続して接して嵌合できるようになっている。
ステータコア11の外周面は、ハウジング本体9の内周面と、隙間なく互いに嵌合していて、圧入状態で全周にわたって密着して互いに固定され、または接着剤を介して互いに固定されている。
従来のブラシレスモータでは、コイルの放熱性を向上させつつ振動を抑制するため、ステータは、樹脂モールドを施されている。しかし、従来、軸方向に関して、ステータの外周面とモータハウジングとの嵌合面の長さは、ステータの軸方向長さよりも短く形成されていた。その結果、軸方向についてのステータの端部は、モータハウジングとの間に隙間を介在させていて、コイルからの放熱に寄与していなかった。一方で、放熱性の向上が要請されている。
そこで、本実施形態では、軸方向Sについて、ステータコア11の外周面の嵌合面の長さをステータ7の軸方向Sの全長に等しい長さに形成し、これとともに、ステータ7をその軸方向端部まで樹脂モールドするようにしている。これにより、コイル13の放熱性を高めつつ、コイル13の振動を抑制することができる。
また、軸方向Sに関して、より好ましくは周方向Tに関しても、ステータ7の外周面とモータハウジング2の内周面とが、連続して互いに接することにより、コイル13からの放熱性をより一層高めることができる。
図11は、本発明の第4および第5の実施形態の電動モータ1の断面図である。なお、図11では、第4および第5の実施形態をともに図示しているが、第4および第5の実施形態の両方を同時に実施してもよいし、いずれか一方のみを実施してもよい。
図11を参照して、第4の実施形態では、第1の実施形態の(1) のタイプの分割コア16を有する場合において、結線用基板8を、ロータ本体6aと出力軸5との間にある環状空間39内に配置している。なお、第4の実施形態を、第1の実施形態の(2) 〜(4) のタイプの分割コア16を有する場合や、第2および第3の実施形態に適用してもよい。
第4の実施形態では、一対の環状空間39が、ロータ6の径方向Rの内方に、ロータ6の軸方向Sについてスペーサ6cを挟んだ両側に区画されている。各環状空間39は、ロータ6の径方向Rについてロータ本体6aの内周と出力軸5の外周との間に区画され、ロータ6の軸方向Sについてスペーサ6cの端面により区画されている。
結線用基板8は、ブラケット8bを介して、モータハウジング2の端部材10Aに固定されている。なお、結線用基板8は、ステータ7に固定されてもよい。
ロータ6の軸方向Sについての結線用基板8の一部8aが、一方の環状空間39の一部に配置されている。なお、結線用基板8の少なくとも一部が、少なくとも一方の上述の環状空間39の少なくとも一部に配置されていればよい。
従来、軸方向に関して、結線用基板はステータに隣接して配置されていたので、電動モータの軸方向長さが長くなり、ひいては、電動モータが大型化していた。
そこで、本実施形態では、結線用基板8が上述の環状空間39に配置されている。これにより、従来空きスペースとされていた環状空間39を有効利用できる。また、これに伴い、結線用基板8を、軸方向Sについてステータ7に隣接して配置せずに済み、電動モータ1の軸方向長さを短くすることができる。
第5の実施形態では、上述の第1の実施形態の(1) のタイプの分割コア16の場合において、ロータ6の保護部材6dを、後述するガラス繊維で強化された樹脂チューブにより構成している。なお、第5の実施形態を、第1の実施形態の(2) 〜(4) のタイプの分割コア16を有する場合や、第2および第3の実施形態に適用してもよい。
第5の実施形態では、ロータマグネット6bは、ロータ本体6aに貼り付けられている。保護部材6dは、ロータマグネット6bの外周を径方向外方から覆う筒部6eと、ロータマグネット6bおよびロータ本体6aの端面を軸方向外方から覆う一対の環状の縮径部6fとを有している。
なお、保護部材6dの縮径部6fは、軸方向Sについてのロータ本体6aの端面の少なくとも一部を露出させている場合や、ロータマグネット6bの端面の一部を露出させている場合も考えられ、少なくともロータマグネット6bの端面の少なくとも一部を覆っていればよい。
図12Cは、保護部材6dおよびロータマグネット6bを模式的に示す一部切欠断面図である。図12Cを参照して、保護部材6dは、複数のガラス繊維40と、複数のポリエステル系繊維41とを有している。保護部材6dの筒部6eでは、ガラス繊維40は、ロータ6の周方向Tに延びている。ポリエステル系繊維41は、ロータ6の軸方向Sに延びている。両繊維40,41は、互いに直交する方向に延びている。保護部材6dは、樹脂チューブからなり、以下のように形成されてなる。
図12Aと図12Bは、第5の実施形態のロータ6の組立方法を示す模式図であり、組立途中のロータ6を示し、上述の図面の記載の順に工程が進行する。図12Aを参照して、保護部材6dの素材として、帯状の樹脂材料からなるテープ材42が利用されている。テープ材42は、ガラス繊維40と、ポリエステル系繊維41とを有している。ガラス繊維40は、テープ材42の長手方向(テープ材42のロール方向でもある。)に延びている。ポリエステル系繊維41は、テープ材42の幅方向(長手方向に直交しテープ材42の表面に沿う方向に相当する。)に延びている。テープ材42の幅方向寸法は、ロータ6の軸方向Sに関してのロータマグネット6bの長さよりも、大きく形成されている。
テープ材42が、ロータマグネット6bに少なくとも1周を巻回される。このとき、テープ材42の幅方向がロータ6の軸方向Sに平行に配置されている。テープ材42は、接着剤により、ロータマグネット6bの外周に固定され、また、周方向Tについてのテープ材42の両端部が互いに結合され、筒状に形成される。また、テープ材42の幅方向の両端部、すなわち、両端縁から所定幅の部分42aが、軸方向Sについてのロータマグネット6bの両端面からそれぞれはみ出すようにして巻かれる。
テープ材42は、ロータマグネット6bに巻かれた状態で、径方向Rの外方からおよび軸方向S外方から、加熱手段としてのヒータ43により加熱される。加熱により、テープ材42は全体的に縮径し、ロータマグネット6bの外周に密着する。また、テープ材42においてロータマグネット6bの端面からはみ出した部分42aが、ロータマグネット6bの端面に沿って縮径し、この端面を容易に且つ確実に覆うことができる。
従来のロータでは、ロータマグネットが遠心力を受けたときの飛散を防止するために、保護部材としてステンレス鋼製の管が利用されていた。しかし、この管は、製造上、薄肉化に限界がある。その結果、ステータの内周とロータマグネットの外周との間の径方向の間隔を広くする必要があった。また、ステンレス鋼には、渦電流が発生する。その結果、出力トルクの向上が困難であった。また、従来の保護部材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)により形成されたチューブを利用することも考えられている。しかし、このチューブの強度は、低いので、飛散の防止には不十分な場合が想定される。
そこで、本実施形態では、保護部材6dとして、上述の樹脂チューブ製の保護部材6dを利用している。この樹脂チューブは、ガラス繊維40により補強されているので、PET樹脂からなる樹脂チューブよりも高強度にできる。その結果、遠心力に起因したロータマグネット6bの飛散を確実に防止することができる。
また、上述の樹脂チューブ製の保護部材6dは、従来のステンレス鋼製の管よりも薄肉にできるので、径方向Rについてのステータ7とロータマグネット6bの間の間隔を短くすることができる。また、保護部材6dは、合成樹脂部材からなるので、渦電流による損失が生じない。従って、電動モータ1の出力トルクを容易に向上させることができる。
図13は、本発明の第6の実施形態の電動モータ1の断面図である。図13を参照して、第6の実施形態では、上述の第1の実施形態の(3) のタイプの分割コア16を有する電動モータ1において、結線用基板8を、ロータ6の径方向Rの内方に区画された上述の環状空間39に配置している。なお、第6の実施形態を、第1の実施形態の(4) のタイプの分割コア16を有する場合や、第2および第5の実施形態に適用してもよい。
本実施形態では、軸方向Sについて、分割コア16の端部は、平坦に形成されている。コイル13およびインシュレータ12が、分割コア16の端面から突出している。軸方向Sについての結線用基板8の一部8aが、一方の環状空間39の一部に配置されている。なお、結線用基板8の少なくとも一部が、上述の少なくとも一方の環状空間39の少なくとも一部に配置されていればよい。また、軸方向Sについて、結線用基板8は、コイル13の端部の位置と同じ位置または、この位置よりも軸方向Sの内方に配置されている。
図14は、本発明の第7の実施形態の電動モータ1のステータ7の要部の断面図であり、図15および図16のS14−S14断面を示す。図15は、図14のS15−S15断面の断面図である。図16は、図14のS16−S16断面の断面図である。
図14を参照して、第7の実施形態では、上述の第1の実施形態の(1) のタイプの分割コア16を有する場合において、分割コア16の表面にコーティングを施している。なお、第7の実施形態を、上述の第1の実施形態の(3) のタイプの分割コア16を有する場合や、第2〜第6の各実施形態に適用してもよい。
分割コア16は、コア本体44と、コア本体44の表面に形成されたコーティング被膜45とを有している。分割コア16の表面は、被膜45が形成された部分と、コア本体44が露出した部分とを有している。
図14および図15を参照して、コア本体44は、ヨーク片17を形成し、ティース15を形成している。コア本体44は、上述の第1の実施形態の(1) タイプの分割コア16と同様に形成されている。コア本体44の全体が磁性粉11mにより形成された焼結体からなる。
被膜45は、難燃性および絶縁性を有する合成樹脂材料が、例えば粉体塗装によりコーティングされてなる。被膜45は、分割コア16においてコイル13が巻回されるときにコイル13が擦れる虞のある以下の各表面に形成されている。
被膜45は、コア本体44のコイル収容溝18の内面全体、すなわち、内壁18a、外壁18bおよび溝底18cにそれぞれ形成されている。被膜45は、コア本体44のコイル収容溝19の内面全体、すなわち、内壁19a、外壁19bおよび溝底19cにそれぞれ形成されている。このように、被膜45は、少なくともコイル収容溝18,19の内面に形成するのが好ましい。
さらに、被膜45は、以下の各表面に形成するのがより好ましい。すなわち、被膜45は、コア本体44のティース15の周方向突出部15bの先端部15b1と、ティース15の軸方向突出部15cの先端部15c1と、コア本体44のヨーク片17の軸方向Sについての端面17dとに形成されている。なお、ティース15の径方向Rの内面15dおよびヨーク片17の周方向Tについての側面17cには、被膜45の形成が回避されている。
このように、本実施形態では、ステータコア11にコーティングによる被膜45を形成するようにしている。これにより、従来のインシュレータを簡素化したり、廃止したりすることができるので、電動モータ1を安価に製造できる。
例えば、本実施形態においては、第1の実施形態の絶縁紙からなる簡素な第1のインシュレータ20を併用することにより、確実にコイル13の絶縁被覆の破損を防止しつつ、製造コストを安価にすることができる。さらに、インシュレータ12の全体を廃止することも考えられる。
また、コーティングにより、ステータコア11の複数の面に一括して単一工程で、被膜45を形成できるので、電動モータ1の製造コストを低減することができる。
図16を参照して、本実施形態では、径方向Rに沿って見たときの断面において、ティース本体15aの軸方向端部が、湾曲形状としての半円をなす円弧形状をなしている。これにより、コイル収容溝18,19の溝底18c,19c同士が互いに滑らかに接続されて、コイル13の電線が延びる方向についてコイル収容溝18,19内に角がなくなっている。これにより、コイル13の絶縁被覆の破損の発生を確実に防止できる。
図17は、本発明の第8の実施形態の電動モータ1のステータ7の要部の斜視図である。図18は、図17のステータ7の要部の断面図であり、図21のS18−S18断面を示す。図19は、図17のステータ7の要部の断面図であり、図21のS19−S19断面を示す。図20は、図18のS20−S20断面の断面図である。図21は、図18のS21−S21断面の断面図である。
図21を参照して、第8の実施形態では、上述の第1の実施形態の(2) のタイプの分割コア16を有する場合において、コイル13の絶縁被覆の保護のために、分割コア16にコーティングによる被膜45を形成するとともに、貼着テープ46を用いている。なお、第8の実施形態を、第2〜第6の各実施形態に適用してもよい。
図17を参照して、上述の(2) のタイプの分割コア16は、軸方向Sに分割された3つの部分、すなわち、一対の軸方向端部47と、軸方向中間部48とを有している。一方の軸方向端部47と軸方向中間部48とは、互いに連結されている。他方の軸方向端部47と、軸方向中間部48とは、互いに連結されている。なお、図17は、被膜45および貼着テープ46が無い状態の分割コア16を図示している。
図17、図18、図20および図21を参照して、軸方向端部47は、コア本体44と、被膜45とを有している。コア本体44は、ヨーク片17の軸方向端部を形成し、ティース15の軸方向端部を形成している。コア本体44の全体が磁性粉11mにより形成された焼結体からなる。被膜45は、上述の第7の実施形態と同様に、第7の実施形態での軸方向端部47に対応する部分に形成されている。
図17、図19、図20および図21を参照して、軸方向中間部48は、ヨーク片17の軸方向中間部およびティース15の軸方向中間部を一体に形成している。軸方向中間部48は、複数の電磁鋼板11nが互いに積層されてなる積層鋼板からなり、積層方向が軸方向Sに平行に設定されている。軸方向中間部48の表面の一部には、貼着テープ46が貼着されている。
貼着テープ46は、軸方向中間部48におけるコイル収容溝18の内面全体に貼着されている。少なくともこの内面全体に、貼着テープ46が貼着されるのが好ましい。また、貼着テープを以下の表面にも貼着すれば、より好ましい。すなわち、貼着テープ46は、ティース15の周方向突出部15bの先端部15b1にも貼着されている。なお、軸方向中間部48において、ティース15の径方向Rの内面15dおよびヨーク片17の周方向Tについての側面17cには、貼着テープ46の貼着が回避されている。貼着テープ46は、難燃性および絶縁性を有する合成樹脂部材により形成されている。
本実施形態では、積層鋼板および磁性粉11mを組み合わせたタイプの分割コア16を用いることにより、磁性粉のヒシテリシス損が電磁鋼板に比べて非常に大きいという欠点を緩和しつつ、磁性粉により形状の自由度を高めることができる。
また、磁性粉11mにより形成された分割コア16の部分としての軸方向端部47には、コーティングによる被膜45を形成し、積層鋼板により形成された分割コア16の部分としての軸方向中間部48には、貼着テープ46を貼着して、コイル13の絶縁被覆の破損を防止するようにしている。これにより、上述の第7の実施形態と同様に、上述の従来のインシュレータを簡素化したり、廃止したりすることができるので、電動モータ1を安価に製造できる。
また、コーティングにより、ステータコア11の分割コア16の軸方向端部47の複数の面に一括して単一工程で、被膜45を形成できるので、電動モータ1の製造コストを低減することができる。
軸方向中間部48では、軸方向Sの長さが一定であり、一定幅の安価な貼着テープ材46を簡便に貼着させることができる。
図21を参照して、本実施形態では、第7の実施形態と同様に、径方向Rに沿って見たときの断面において、ティース本体15aの軸方向端部が、湾曲形状としての半円をなす円弧形状に形成されている。これにより、コイル13の絶縁被覆の破損の発生を確実に防止できる。
図22は、上述の各実施形態の電動モータ1が適用される車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置101の模式図である。
上述の各実施形態の電動モータ1は、例えば、車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置101に適用されている。なお、上述の各実施形態の電動モータ1は、電動パワーステアリング装置以外の装置にも適用されてもよい。以下、電動パワーステアリング装置に則して説明する。
電動パワーステアリング装置101は、操向輪102を操舵するために操舵部材としてのステアリングホイール103に加えられる操舵トルクを伝達するステアリングシャフト104と、ステアリングシャフト104からの操舵トルクにより操向輪102を操舵するための例えばラックアンドピニオン機構からなる操舵機構105と、ステアリングシャフト104および操舵機構105の間に設けられてこの間において回転を伝達するための軸継手としての中間軸106とを有している。
ステアリングシャフト104は、ステアリングコラム107の内部を挿通して、ステアリングコラム107により回転自在に支持されている。ステアリングコラム107はブラケット108を介して車体109に支持されている。ステアリングシャフト104の一方の端部にステアリングホイール103が連結されていて、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト104の他方の端部に中間軸106を介して、操舵機構105が連結されている。
操舵機構105は、入力軸としてのピニオン軸113と、自動車の横方向(直進方向と直交する方向である。)に延びる転舵軸としてのラックバー114とを有している。ピニオン軸113のピニオン歯と、ラックバー114のラック歯とが互いに噛み合っている。ラックバー114は、ラックハウジングに直線往復動自在に支持されている。ラックバー114の各端部はそれぞれ、タイロッドおよびナックルアーム(図示せず)を介して対応する操向輪102に連結されている。
ステアリングホイール103が操舵されると、その操舵トルクがステアリングシャフト104等を介して操舵機構105に伝達される。これにより操向輪102を操舵することができる。
電動パワーステアリング装置101は、操舵トルクに応じて操舵補助力を得られるようになっている。すなわち、電動パワーステアリング装置101は、操舵トルクを検出するトルクセンサ116と、制御部としてのECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)117と、操舵補助用の電動モータ1と、減速機119とを有している。
ステアリングシャフト104の入力軸122に操舵トルクが入力されたときに、トーションバー124が弾性ねじり変形し、これにより、入力軸122および出力軸123が相対回転する。トルクセンサ116は、トーションバー124を介する入力軸122および出力軸123間の相対回転変位量に基づいてトルクを検出する。トルク検出結果は、ECU117に与えられる。
ECU117は、マイクロコンピュータ等を含む制御部117aと、電動モータ1を駆動するための駆動回路117bとを有している。制御部117aは、上述のトルク検出結果や図示しない車速センサから与えられる車速検出結果等に基づいて、駆動回路117bを介して電動モータ1を制御する。
ステアリングホイール103が操作されると、操舵トルクがトルクセンサ116により検出され、トルク検出結果および車速検出結果等に応じて電動モータ1が操舵補助力を発生させる。操舵補助力は、減速機119を介してピニオン軸113に伝達され、ステアリングホイール103の動きとともに操舵機構105に伝わり、操向輪102が操舵される。
また、ECU117の駆動回路117bは、回転位置検出センサからの信号に基づいて、電動モータ1のステータ7のコイル13への通電を制御してもよいし、また、いわゆるセンサレス制御によりコイル13への通電を制御してもよい。
後者のセンサレス制御の場合、通電制御用の回転位置検出センサは、廃止されている。駆動回路117bは、ロータ6がステータ7に対して相対回転したときのコイル13に生じる電圧(逆起電力)または電流の変動に基づいて、ステータ7に対するロータ6の相対角度位置を検出部により検出し、検出部により検知された相対位置に基づいてステータ7のコイル13に所定のタイミングで通電制御部により通電するようにしている。
また、駆動回路117bが前者の方式でコイル13への通電を制御される場合には、位置検出センサとして、簡易なホールセンサ(図示せず)を用いてもよい。この場合、レゾルバやロータリーエンコーダを用いる場合に比べて、電動モータ1を小型化することができる。
ところで、近年、電動パワーステアリング装置用の電動モータの出力向上が要請されている。一方で、電動モータの小型化も要請されている。
そこで、上述の各実施形態で説明したように、ステータコア11の少なくとも一部を磁性粉11mにより形成している。この場合には、ステータコア11の形状自由度が高まり、3次元形状に容易に形成できる。3次元形状のステータコア11を利用して、ロータマグネット6bの磁束をより一層有効利用できる。その結果、電動モータ1の大型化を抑制しつつ、出力トルクを高めることができる。
また、ブラシレスモータからなる電動モータ1の通電制御に、センサレス制御方式を用いる場合には、回転位置検出センサを廃止することができる。その結果、電動モータ1の内部構造を簡素化できるので、電動モータ1を小型化することができる。また、回転位置検出センサとして簡易なホールセンサを利用する場合にも、電動モータ1を小型化することができる。
このように、電動パワーステアリング装置101には、ステータコア11を磁性粉11mにより形成し、且つセンサレス制御方式により駆動される電動モータ1を好ましく適用することができる。
また、上述の第2〜第8の各実施形態において、ステータコア11が、全ての分割コア16が一体に形成されたものである場合や、インシュレータとして樹脂成形品を用いる場合も考えられる。
また、上述の各実施形態において、分割コア16が、磁性粉11mにより形成された部分を有する場合には、この部分は、焼結体からなっていた。この焼結体は、磁性粉11mを含み、成形型を用いて成形されてなる成形品からなる。このような磁性粉11mにより形成されたステータコア11としては、上述の焼結体の他、磁性粉11mが高圧力で圧縮成形されてなる圧粉磁心でもよいし、樹脂成形品でもよい。この樹脂成形品は、磁性粉11mとしての鉄粉と、絶縁部材としての合成樹脂とを含む複合材料により形成されている。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
図1は、本発明の第1の実施形態の電動モータの概略構成を示す断面図である。 図2は、図1に示すステータの要部の断面図であり、図1のS2−S2断面を示す。 図3は、図1に示すステータの要部の分解斜視図であり、ステータコアとインシュレータの一部を図示している。 図4Aおよび図4Bは、図2に示す第1のインシュレータの製造途中の状態を示す斜視図であり、図4Aに素材を、図4Bに製造途中の状態を図示している。 図5A,図5Bおよび図5Cは、ステータの組立途中の状態を示す断面図であり、図5A,図5Bおよび図5Cの順で工程が進行する。 図6は、本発明の第2の実施形態の電動モータの半断面図である。 図7Aおよび図7Bは、図6のステータおよび結線用基板の組立途中状態を示す断面図であり、図7Aおよび図7Bの順に工程が進行する。 図8Aおよび図8Bは、図6のステータおよび結線用基板の組立途中状態を示す断面図であり、図7Bに続いて図8A、図8Bの順で工程が進行する。 図9Aおよび図9Bは、図6のステータおよび結線用基板の組立途中状態を示す断面図であり、図8Bに続いて図9A、図9Bの順で工程が進行する。 図10Aおよび図10Bは、第3の実施形態のステータの組立途中状態を示す断面図であり、図10A、図10Bの順に工程が進行する。 図11は、本発明の第4および第5の実施形態の電動モータの断面図である。 図12Aと図12Bは、第5の実施形態のロータの組立方法を示す模式図であり、組立途中のロータを示し、図12Aと図12Bの順に工程が進行する。また、図12Cは、完成状態の保護部材およびロータマグネットを模式的に示す一部切欠断面図である。 図13は、本発明の第6の実施形態の電動モータの断面図である。 図14は、本発明の第7の実施形態の電動モータのステータの要部の断面図であり、図15および図16のS14−S14断面を示す。 図15は、図14のS15−S15断面の断面図である。 図16は、図14のS16−S16断面の断面図である。 図17は、本発明の第8の実施形態の電動モータのステータの要部の斜視図である。 図17のステータの要部の断面図であり、図21のS18−S18断面を示す。 図17のステータの要部の断面図であり、図21のS19−S19断面を示す。 図18のS20−S20断面の断面図である。 図18のS21−S21断面の断面図である。 本発明の各実施形態の電動モータが適用される車両用操舵装置としての電動パワーステアリング装置の模式図である。 図23Aは、第1の実施形態の変形例としてのシート材の平面図であり、図23Bは、図23AのS23B−S23B断面の一部拡大断面図である。
符号の説明
1…電動モータ、11…ステータコア、13…コイル、14…ヨーク、15…ティース、16…分割コア、17a…内周部(ヨークの内周)、18…コイル収容溝、18a…内壁(内面)、18b…外壁(内面)、18c…溝底(内面)、20…第1のインシュレータ(絶縁紙)、20d…縁部、20f…破断部、22…ミシン目、S…ステータコアの軸方向、T…周方向

Claims (2)

  1. 環状に形成されたヨーク、およびヨークの内周に突出形成されコイルが巻回された複数のティースを含むステータコアを備え、
    このステータコアは、それぞれ対応するティースを含む複数の分割コアを環状に組み合わせてなり、
    各分割コアは、そのティースをヨークの周方向に挟んだ両側に、互いにヨークの周方向の逆向きに開放する一対のコイル収容溝を有しており、
    コイル収容溝の内面とコイル収容溝に収容されるコイルとの間に、コイル収容溝に嵌め合わされた絶縁紙が介在しており、
    上記絶縁紙は、ステータコアの軸方向に平行な一対の縁部を含み、少なくとも一方の縁部は、切り取りによる破断部を含んでいることを特徴とする電動モータ。
  2. 請求項1において、上記縁部は、ミシン目の切り取り痕からなることを特徴とする電動モータ。
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