JP2008021915A - 電子部品装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低粘度、高粘度に拘らずBGAなどの実装領域からはみ出して外部にアンダーフィルが流出することを防止し、確実なバンプ電極の接続を確保する電子部品装置を提供する。
【解決手段】エリアアレイ9と、エリアアレイを載置する絶縁基板と、絶縁基板上の所定位置に配設した複数の導体ランド2と、導体ランドに対応して設置された複数のエリアアレイのバンプ電極8と、バンプ電極と導体ランドとを電気接続する電気接続手段6と、絶縁基板とエリアアレイとに挟まれた絶縁基板上に設けられ、電気接続手段の領域に貫通穴を有し、エリアアレイの搭載領域外側に屈曲部7aを設けた非導電シート7と、この非導電シートとエリアアレイとの隙間に注入され、非導電シートの貫通穴に充填されると共に非導電シートの屈曲部で堰きとめられるアンダーフィル10とを備えた電子部品装置。
【選択図】図1

Description

この発明は、エリアアレイ部品などを実装する電子部品装置及びその製造方法に関するものであり、特に表面実装したLSI部品であるBGAやCSPにアンダーフィルを充填するものに関する。
近年のBGA(BALL・GRID・ARRAY)やCSP(CHIP・SCALE・PACKAGE)部品の多ピン化・狭ピッチ化により、BGAやCSPとプリント配線板との接続の信頼性を確保するために、接続部であるはんだボール周辺にアンダーフィル(充填材)を充填する方法が取られている。BGAなどに充填するアンダーフィルは比較的粘度が低く充填途中にBGAの周囲や貫通ビアを通してプリント配線板の裏面側に流出するため、他の搭載部品や回路パターンとの隔離を必要とする。
また、アンダーフィルを充填するBGAなどが実装される領域の導体ランド(パッド)の周りには、導体パターン(引き出しパターン)や貫通・非貫通ビアが設置してある場合が多く、アンダーフィルのスムーズな流れが妨げられる。そのためフィラ−を多く含まない低粘度のアンダーフィルでなければ充填が困難であった。しかし、フィラ−を比較的多く含む高粘度のアンダーフィルを用いた方が冷熱サイクル試験時の耐性などから電子部品装置の品質上は有利ともされてきた。
アンダーフィルが流出しないようにするため、例えば、特開平10−261661号公報図1(特許文献1参照)には、ディスペンサ16によりプリント配線板11とベアチップLSI13の接合部に液状のアンダーフィル15を注入すると同時に、空気抜き用の孔11a、及び吸引ダクト18を介して吸引装置17でプリント配線板11とベアチップLSI13との間隙部分に残留する空気Aを抜くことによりアンダーフィル15が間隙部に満遍なく注入され充填させるようにしたアンダーフィル充填方法が開示されている。
また、特開2001ー244384号公報図1(特許文献2参照)には、ベアチップ2が搭載される個所とその外縁の外側近傍にわたって封止用樹脂組成物6の広がりを抑制する段差8が形成されている。又はベアチップ2が搭載される個所に沿って、その外縁の外側近傍に封止用樹脂組成物6の広がりを抑制する溝9、又は突起片10が形成されるようにしたベアチップ搭載プリント配線基板が開示されている。
また、特開昭62−229862号公報図2(特許文献3参照)には、封止樹脂10が流出しないように封止枠5として撥水性充填剤6を用いた半導体素子搭載用回路基板が開示されている。
また、特開2003−347718号公報段落[0022](特許文献4参照)には、封止充填剤として、熱可塑性樹脂を含有する封止充填剤を利用することで、実装後、仮にチップ部品を取り外す必要が生じた際、加熱して、熱可塑性樹脂を軟化あるいは溶融した状態とし、同時に、一旦はんだ接合を行った、はんだ材料を融解することで、チップ部品を回路基板上から容易に取り外すことを可能としたリペア性を有する表面実装方法が開示されている。
特開平10-261661号公報(第1図)
特開2001−244384号公報(第1図)
特開昭62−229862号公報(第2図)
特開2003−347718号公報(段落0022)
しかしながら特許文献1に記載のものでは、吸引装置が必要であり、装置が大型化すると言う問題点があった。
特許文献2に記載のものではアンダーフィル(封止用樹脂組成物)の流出を防ぐためにソルダーレジストで段差をつくりダムとしているがソルダーレジスト厚は約30μm程度で、アンダーフィルの流出を完全に防ぐための段差としては十分でない。
特許文献3に記載のものでは撥水性充填剤を用いて枠を設けダム(封止枠)をつくっている。この方法ではアンダーフィルの流出を防ぐには十分な効果が期待できるものの、通常の工程に加えて特別にダムを形成しその後、ダムを研磨する工程が増えると言う問題点があった。
特許文献4に記載のものでは充填の困難さを避けるため、アンダーフィル材をBGA部品実装前にはんだバンプ部にあらかじめ塗布しておき、リフローはんだ付けを行うと同時にアンダーフィル材を熱硬化させる方法を用いているので、アンダーフィルを充填する工程を省略できるという利点がある。しかしながらこの方法では熱可塑性を有するアンダーフィルを使用するので、温度の変化により状態が変化するため信頼性が低下すると言う問題点があった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされたものであり、低粘度、高粘度に拘らずBGAなどの実装領域からはみ出して外部にアンダーフィルが流出することを防止し、確実なバンプ電極の接続を確保する電子部品装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る電子部品装置は、エリアアレイと、このエリアアレイを載置する絶縁基板と、この絶縁基板上の所定位置に配設した複数の導体ランドと、この導体ランドに対応して設置された複数の前記エリアアレイのバンプ電極と、このバンプ電極と前記導体ランドとを電気接続する電気接続手段と、前記絶縁基板と前記エリアアレイとに挟まれた前記絶縁基板上に設けられ、前記電気接続手段の領域に貫通穴を有し、前記エリアアレイの搭載領域外側に屈曲部を設けた非導電シートと、この非導電シートと前記エリアアレイとの隙間に注入され、前記非導電シートの貫通穴に充填されると共に前記非導電シートの屈曲部で堰きとめられるアンダーフィルとを備えたものである。
請求項2の発明に係る電子部品装置は、前記非導電シートは、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートであることを特徴とする請求項1に記載のものである。
請求項3の発明に係る電子部品装置の製造方法は、導電材を積層した絶縁基板の表層を所望のマスクパターンで写真製版し、導体ランドパターンを選択的に形成する写真製版工程と、前記導体ランドパターン上に電気接続手段を塗布する印刷工程と、周縁を屈曲させると共に前記導体ランドパターンに対応して設けた貫通穴を前記導体ランドパターンと位置決めした非導電シートを前記絶縁基板上に載置する位置決め工程と、前記導体ランドパターンに対応したエリアアレイのバンプ電極を前記非導電シートの貫通穴を通して前記導体ランドパターン上の前記電気接続手段領域に載置する部品実装工程と、前記絶縁基板を加熱し、前記電気接続手段を介して前記エリアアレイのバンプ電極と前記導体ランドパターンとを溶着させると共に前記非導電シートと前記絶縁基板とを融着させるリフロー工程と、前記エリアアレイと前記非導電シートとの隙間にアンダーフィルを注入し、前記隙間からはみ出したアンダーフィルを屈曲させた非導電シートの周縁で堰きとめるアンダーフィル注入工程とを備えたものである。
以上のようにこの発明に係る電子部品装置によれば、エリアアレイ部品と基板との間に装着したトレイ状をした非導電シートにより、アンダーフィル充填の際、エリアアレイからのアンダーフィルの流出を防ぐことができる。また、絶縁基板の上部に載置された非導電シートにより、導体パターン(実装パッド)の周囲にある貫通ビアから基板の裏面側へのアンダーフィルの流出も防止することが可能となり、貫通ビアを塞ぐための特別なマスキングを施す必要がなくなると言う利点もある。
実施例1.
以下、この発明の実施例1について図1を用いて説明する。図1は、BGAを実装した電子部品装置の部分断面図である。図1において、1は絶縁基板(絶縁性基板)であり、1aは表層基板、1bは内層基板である。2は絶縁基板1にパターン形成された導体ランド(導体ランドパターン)もしくは実装パッド(パッド)、3は導体ランド2などからの信号を伝達する信号線(引き出しパターン)であり、3aは表層パターン、3bは内層パターンである。4は信号線3を層間接続するビアであり、4aは貫通ビア、4bは非貫通ビアである。5は表層の信号線3を保護するソルダーレジスト材で構成された絶縁層、6は無鉛(鉛フリー)や共晶のクリームはんだ材などであって、実装する電子部品の電極に対応する絶縁基板1の導体ランド2上に印刷形成した電気接続手段(接続手段)である。
7は絶縁基板1に設置された非導電性のプリプレグシート(非導電シート 非導体シートとも呼ぶ)であり、7aは周縁を折り曲げたプリプレグシート7の屈曲部を示す。8ははんだ材などの導体で構成されたバンプ(バンプ電極)、9はエリアアレイとしてのBGAであり、通常バンプ電極8と一体化構成されている。10は絶縁基板1上のプリプレグシート7とBGA9との隙間に注入され、BGA9のバンプ電極(はんだバンプ)8領域に充填されたアンダーフィル(充填材)である。
なお、プリプレグシート7は平織のガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させ、半硬化状態(Bステージ)にしたものである。このプリプレグシート7は後述するようにシートに加工を施してパンチ穴を設け、シートの周縁に切込みを設けその切込み部をシートの転移温度(Tg)以上で昇温して折り曲げて屈曲部を形成する処理を行い、加えて処理後のシートをBGA9と絶縁基板1との間に装着し、リフロー炉でリフローし、シートと絶縁基板1とを融着するものであるので以下のようなものである。加工品質面では、(1)Bステージのプリプレグシート7のポットライフは保管条件20℃50%RHで3ヶ月程度である。(2)融着させる際、絶縁基板1上にあるビア4などにシートの樹脂の一部が流動したりして付着しないもの。(3)リフロー時のはんだクリーム材による導体ランド2とバンプ電極8の溶着時間より硬化時間(ゲルタイム)が短いもの。以上のような条件から、適用できるプリプレグ材は、例えば松下電工社製プリプレグR-1661や日立化成社製プリプレグGEA−67N等が適当である。
次に絶縁基板1とBGA9との間隙に装着するプリプレグシート7の加工方法について図2を用いて説明する。図2(a)はプリプレグシート7の部分平面図を示したものである。図2(a)において7bはプリプレグシート7に設けられた貫通穴(加工穴)であり、参考表示した絶縁基板1の導体ランド2のパッド径がφ0.6mmに対してプリプレグシート7側の穴径をφ0.8mmとしたものである。図2(b)は図2(a)で示したプリプレグシート7の加工順序を説明する斜視図であり、プリプレグシート7は穴加工後、周縁を折り曲げ屈曲部7aを形成する。
BGA9のバンプ電極8のそれぞれに対応する導体ランド2の周囲にプリプレグシート7を装着するが、BGA9のバンプ電極8や絶縁基板1の導体ランド2がプリプレグシート7で隠れてしまわないように、プリプレグシート7にあらかじめパンチ穴(加工穴)7bをあける。パンチ穴7bのサイズは導体ランド2の直径プラス0.2mm程度を目安とする。例えば図2で示すように導体ランド2のサイズが0.6mmで、BGA9のバンプ電極8のピッチが1.0mmの場合孔径は0.8mmとなる。
プリプレグシート7の厚みに関しては、BGA9と絶縁基板1との間の絶縁基板1側に装着し、その後アンダーフィル10を充填するので、プリプレグシート7の厚さが厚すぎるとBGA9と絶縁基板1との間隔が狭くなり、アンダーフィル10の充填が困難になる。またプリプレグシート7をリフローで絶縁基板1と融着(接着)させるが、プリプレグシート7の厚みが0.1mmを超えるとプリプレグ中のガラスクロスのたわみが大きくなるので絶縁基板1との密着性が弱くなる。そのためプリプレグシート7の厚さは0.1mm以下とし、好ましくは0.06mm以下にすることが好ましい。
プリプレグシート7のサイズは、折り曲げたときのトレイ状の高さが実装するBGA9の高さと略同一となるようにする。よってプリプレグシート7の一辺の長さは、実装するBGA9の一辺の長さとBGA9のバンプ電極8を含めた高さの和に3mm程度の余裕を持たせた長さとする。
折り曲げにあたっては所望の周縁領域の折り曲げ線(折り曲げ位置)に沿って切り溝を入れ、折り曲げ線が交差した端部の不要領域は切り取り、その後プリプレグシート7の折り曲げ線に沿って局部的に加熱し周縁を屈曲させる。互いに直交する屈曲部7aの交差部は熱硬化性樹脂で適宜接着し、枠を形成する。この局部加熱は、スポット径が約100μm程度の赤外線加熱器で300℃前後の温度を熱放射する。また人的には簡単な熱板(棒)を用いて手動で加熱しながら折り曲げても良い。このプリプレグシート7の周縁はアンダーフィル10を堰きとめることが目的なのでアンダーフィル10が低粘度の場合にはプリプレグシート7の屈曲部7aはプリプレグシート7の平面に対して直立させることが好ましいが高粘度のチクソ性を有するものであればこの限りではない。
次にBGA9を実装する基材(基板、プリント配線板とも呼ぶ場合がある)の形成方法について図1及び図3図を用いて説明する。図1に示すようにガラス布基材エポキシ樹脂を用いた外層(表層)基板1a及び内層基板1bのそれぞれに予め形成された銅箔を所望のマスクパターンを用いて写真製版により露光・現像・エッチングする。すなわち、図3に示すようにBGA9のバンプ電極8の位置に対応する導体ランド2及び導体ランド2に電気的に接続する信号線(引き出しパターン)3や貫通ビア4a及び非貫通ビア4bの引き出しパターン3a、3bを形成する。その後、外層基板1aと内層基板1bとを積層し、所定位置に対して穴加工を行い、ニッケル(Ni)や金(Au)材を用いて無電解めっきや電解めっきを施す。なお、穴加工は積層前の前処理段階で実施しても良い。
次に上記プリント配線板を用いた電子部品装置の組み立て(製造順序)について図4〜図9を用いて説明する。図4に示すように、プリント配線板上のBGA9のバンプ電極8に対応する導体ランド2の周囲に導体ランド2を囲むようにソルダーレジスト材を用いてスクリーン印刷し所望の絶縁層5のパターンを形成する。もしくは全面印刷後写真製版技術で絶縁層5を形成しても良い。
次に導体ランド2上にクリームはんだ6をスクリーン印刷する。次に図5及び図6に示すように、プリプレグシート7を絶縁基板1のBGA9搭載領域の導体ランド2側に設置する。その際、各々の導体ランド2がプリプレグシート7の加工穴7bから完全に露出するように位置合わせする。位置決めは人的位置合わせでも良いが、あらかじめ絶縁基板1やプリプレグシート7の端部などに同径の基準穴を設け、位置決めピンを用いて位置合わせする。絶縁基板1とプリプレグシート7との固定にはプリプレグシート7の周縁部を除く平面4隅を利用して接着剤等を塗布し仮固定する。
その後プリプレグシート7が仮固定された絶縁基板1をチップマウンタなどの部品実装装置(自装機)にセットし、図7に示すようにBGA9を絶縁基板1の表面に実装する。
次にBGA9を含む表面実装部品を自装後、設定温度が240℃前後のリフロー炉で表面実装部品の通常のリフロー温度条件でリフローはんだ付けを行い、電子部品と絶縁基板1の導体ランド2との電気接続をクリームはんだ6を介して行う。同時にプリプレグシート7も基材の転移温度よりも高い温度で加熱されるので絶縁基板1とプリプレグシート7の接着は強固になり、完全接着状態となりプリプレグシート7も硬化し、Aステージ(硬化)状態となる。
次にアンダーフィル6の塗布方法について説明する。図8は、BGA9を実装した電子部品装置の部分断面図であり、図1と同一である。アンダーフィル10は、BGA9の搭載領域外側に設けられたトレイ状の屈曲部7aの屈曲していない周縁の一端からプリプレグシート7とBGA9との隙間に注入され、プリプレグシート7の貫通穴7bにも充填され、プリプレグシート7の屈曲部7aで堰きとめられる構成となっている。
図9はアンダーフィル10を注入する方法を説明する図である。図9においてアンダーフィル10をあらかじめ収納したディスペンサ100からアンダーフィル10をBGA9のバンプ電極8の領域に充填する際には図に示すように基材(プリント配線板)を傾斜させてアンダーフィル10を注入する。この角度(θ)は水平面に対して15〜75度が好ましい。また基材はアンダーフィル10の特性に応じて加熱しながら充填することが好ましい。加熱が足りない場合アンダーフィル10の流動性が悪く、加熱しすぎるとアンダーフィル10の反応が進み硬化時間が早くなり、大型のBGA部品では充填可能領域が狭くなるので45〜55℃の環境温度と基板温度で管理することが望ましい。なお、図1乃至図9中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
アンダーフィル10の充填が進行するにつれて、BGA9の周囲からアンダーフィル10は流出するが、BGA9の周囲に設けられたトレイ状に折り曲げられたプリプレグシート7の周縁部によりアンダーフィル10は堰塞される。
以上からBGA9の導体ランド2周囲にあるビア4や引き出しパターン3は、プリプレグシート7を装着していない場合にはアンダーフィル10の塗布領域平面に露出しており、そのためアンダーフィル10の流れを妨げるが、プリプレグシート7を装着することによりBGA9の搭載領域全体にわたる平滑性が得られ、広範囲にアンダーフィル10を注入することが可能となる効果がある。
またビア4がプリプレグシート7により覆われるので導体ランド2の周囲にあるビア4からS面側へのアンダーフィル10が流出することも防ぐことができ、ビア4を塞ぐためのマスキングを施す工程が不要になると言う利点もある。
実施例2.
実施例1では絶縁基板1上に搭載するBGA9について説明を行なったが、実施例2ではBGA9とBGA9以外の電子部品とを同時に搭載する場合について図10を用いて説明する。図10はBGA9と他の電子部品とを同一基材に搭載する電子部品装置の実装模式図である。図10において、70はBGA9の搭載領域の基材上に融着するプリプレグシート、71はBGA以外の電子部品搭載領域の基材上に融着するプリプレグシート、72はS面側の基材上に融着するプリプレグシート、110は電子回路の入出力用のコネクタ、120は基材に搭載されたディスクリートの抵抗器、120aは抵抗器120の電極(リード電極)、130は表面実装されたコンデンサ、130aはコンデンサ130の電極(チップ電極)である。なお、図中、図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。
図11は図10に示した実装模式図のBGA9搭載領域側の基材のX−X’領域の部分断面図であり、70bはプリプレグシート70に設けられた貫通穴(加工穴)である。図中、図1及び図10と同一符号は同一又は相当部分を示す。
図12は図10に示した実装模式図のBGA9以外の電子部品搭載側の電子部品装置のX−X’領域の部分断面図であり、抵抗器120のリード電極120aは絶縁基板1を貫通して設置されている。又コンデンサ130のチップ電極130aは絶縁基板1の表層に表面実装される。図中、図1及び図10と同一符号は同一又は相当部分を示す。
実施例1と異なる大きな点は、実施例1の図5においては絶縁層5を設けたが実施例2では絶縁層5を設けていない点で異なる。又、加工穴70bは実施例1とは異なり、絶縁基板1の導体ランド2の外周端部覆うように設置することにより、プリプレグシート70と導体ランド2の一部パターンとを融着させる構成とする。
すなわち、図13(a)に示すように絶縁基板1の表裏を貫通して電子部品のリード電極を挿入する場合、リード電極径が0.5mmでは、導体ランド2の穴径を0.7mmとし、プリプレグシートに設けられた中空の穴径0.85mmより大きな導体ランド2の外形とする。又、図13(b)に示すように絶縁基板1の表面に電子部品のチップ電極を取り付ける場合、少なくとも導体ランド2の外周端部の一部を覆うようにプリプレグシートが位置するようにプリプレグシートを位置決めして載置する。同時に導体ランド2パターン内に設置された電気接続手段領域からは外れた領域にプリプレグシートの中空部があるように載置する。
次に絶縁基板1の両面にプリプレグシート70、71、72を載置し融着させるので、プリプレグシート71、72部分の固定方法について詳述する。
まずクリームはんだ6が塗布された絶縁基板1を乾燥させ、パンチ穴加工されたプリプレグシート71、72に図14に示す参考図の層構成のもので、プリプレグシート71、72の周縁に例えば厚さ50〜75μmの離型フィルム(旭ガラス社製のアフレックス等テトラフルオロエチレン、エチレン共重合体)を貼り付けその上部にクッション材として厚さが100μmの耐熱紙を3枚程度重ね合せて貼りつける。
絶縁基板1の導電ランド2とプリプレグシート71、72との位置合わせは予め絶縁基板1とプリプレグシート71、72の層構成単位に同一径の穴を設けておき、位置合わせ用のピンを用いて、絶縁基板1とプリプレグシート71、72との層構成単位で位置合わせを行う。位置合わせ後に絶縁基板1とプリプレグシート71、72の周縁の離型フィルムと耐熱紙とを設置した領域にポリイミドテープを用いて基材の側面を介して両面で固定する。次に、温度130〜150℃、圧力10kg/cmで30分程度熱圧着を行い、絶縁基板1とプリプレグシート71、72とを仮固定する。仮固定後、位置合わせ用のピンを抜き、離型フィルムなどを剥がす。次にBGA9やその他電子部品などを自装機で絶縁基板1上に実装し、実施例1同様のリフローを行う。
以上から実施例1で説明した絶縁層5に替えてプリプレグシート71、72を絶縁基板1の両面に設置することによりBGA9両域のみならずBGA9以外の電子部品設置領域にある貫通ビア4aや非貫通ビア4bもプリプレグシート71、72により覆われるので導体ランド2の周囲にある貫通ビア4aからS面側へのアンダーフィル10が流出することを防ぐ効果がある。
また、実施例1ではBGA9搭載領域に設けたプリプレグシート7は周縁部分に屈曲部7aを設けたが、屈曲部7aを通常の平坦なプリプレグシートとすることにより、プリプレグシート70は実施例1で説明したソルダーレジスト材で構成された絶縁層5の代替となる。
すなわち、実施例1で示した絶縁層5の配置パターンと同一の配置パターンをプリプレグのシート70で構成し、絶縁層5では覆うことが不可能であった貫通ビア4aや非貫通ビア4bの穴(スルーホール穴)をプリプレグのシートで覆うことにより、短絡を含む絶縁耐圧の向上や信号線(配線パターン)などの腐食防止のために用いる絶縁層5の印刷又は写真製版による30〜50μm程の厚みの積層工程が省略できると共に自装機による電子部品装置の搬送時の吸着工程(真空チャック)にあっては貫通ビア4aからの空気漏れによる吸着不良を改善でき、且つ貫通ビア4aや非貫通ビア4b内の無電解めっきや電解めっき工程で生じた導電性の残渣を完全に絶縁基板1の内部に封じ込め導電物質の飛散による短絡不良を防止できる効果がある。
実施例3.
実施例2ではBGA9とBGA9以外の電子部品とを搭載する領域のプリプレグシート70とプリプレグシート71、72とは分離されたものであった。実施例3では実装する電子部品の全領域に亘って一体化形成したプリプレグシートについて図15を用いて説明する。図15は一体化されたプリプレグシートの平面図であり、73は一体化されたプリプレグシート(非導電シート)、73aはプリプレグシート73の屈曲部、73bはプリプレグシート73に設けられた絶縁基板1の導体ランド2に対応する加工穴、73cは表層(表面)部品はんだ付けリード穴、73dは表面実装部品搭載穴、73eは背面(S面)部品はんだ付けリード穴、73fは背面(S面)実装部品搭載穴、73gはコネクタ搭載用の導体ランド2に対応する加工穴である。
次にプリプレグシート73に設置された加工穴73b〜73gの構成について説明する。加工穴73bは図1で示すBGA9のバンプ電極8に対応する穴であり、導体ランド2の外周端部を覆う。加工穴73cは抵抗器120などのリード電極120aを絶縁基板1の表層で導体ランド2に電気接続手段で取り付ける場合の導体ランド2の外周端部を覆う。加工穴73dは抵抗器やコンデンサ130などのチップ部品を表層に搭載する場合の矩形穴であり、チップ電極130aなどは絶縁基板1の表層で導体ランド2に電気接続手段で取り付けられ、加工穴73dは導体ランド2の外周端部を覆う。
加工穴73eは抵抗器120などのリード電極120aを絶縁基板1のS面表層で導体ランド2に電気接続手段で取り付ける場合の導体ランド2の外周端部を覆う。加工穴73fは抵抗器120やコンデンサ130などのチップ部品をS面表層に搭載する場合の矩形穴であり、チップ電極130aなどは絶縁基板1のS面表層で導体ランド2に電気接続手段で取り付けられ、加工穴73fは導体ランド2の外周端部を覆う。加工穴73gはコネクタ110の端子(図示せず)を貫通させ、コネクタ110の端子と電気接続する導体ランド2の外周端部を覆う。加えて、加工穴73hは部品リード挿入穴であり、挿入位置に導体ランド2が設けられる場合には導体ランド2の外周端部を覆う。なお、絶縁基板1の表層に露出した内層回路接続用のスルーホールはすべてプリプレグシート73で覆われる。
なお、図15においてはプリプレグシート73の屈曲部73aは折り曲げてアンダーフィル10の流れ止めとするが、アンダーフィル10がチクソ性を有するものであれば、屈曲部73aは形成されなくとも良い。
以上からプリプレグシート73を一体化構成し、絶縁基板1の表層に融着させることにより、ソルダーレジストなどによる絶縁層5の代替として使用できるので、実施例2で示した効果の他にプリプレグシートの部品数の削減を図ることができる。
なお、実施例1乃至3においては非導電シートとしてBステージのプリプレグシートを使用したが、ソルダーレジストフィルムやポリミドフィルムを穴あけ加工して絶縁基板1と熱圧着しても相応の効果がある。
この発明の実施例1によるBGAを実装した電子部品装置の部分断面図である。 この発明の実施例1による電子部品装置のプリプレグシートの加工方法について説明する図であり、図2(a)はプリプレグシートの平面図、図2(b)は加工順序を示す。 この発明の実施例1による電子部品装置の導電ランドや信号線の模式パターン図である。 この発明の実施例1による電子部品装置の組み立て順序を説明する部分断面図である。 この発明の実施例1による電子部品装置の組み立て順序を説明する部分断面図である。 この発明の実施例1による電子部品装置の非導電シートの載置方法を説明する斜視図である。 この発明の実施例1による電子部品装置のBGAの搭載方法を説明する斜視図である。 この発明の実施例1による電子部品装置の組み立て順序を説明する部分断面図である。 この発明の実施例1による電子部品装置のアンダーフィル注入方法を説明する図である。 この発明の実施例2による電子部品装置の実装模式図である。 この発明の実施例2による電子部品装置のBGA領域側の部分断面図である。 この発明の実施例2による電子部品装置のBGA領域を除く電子部品側の部分断面図である。 この発明の実施例2による電子部品装置の導体ランドとプリプレグシートとの中空部との位置関係を説明する図であり、図13(a)は表裏貫通する実装部品の場合であり、図13(b)は表面実装部品の場合である。 この発明の実施例2による非導電シートの貼り付け方法を説明する図である。 この発明の実施例3による非道電シートの平面図である。
符号の説明
1 絶縁基板、 1a 表層基板、 1b 内層基板、 2 導体ランド(実装パッド)、 3 信号線(引き出しパターン)、 3a 表層パターン、 3b 内層パターン、 4 ビア、 4a 貫通ビア、 4b 非貫通ビア、 5 絶縁層、 6 電気接続手段、 7 非導電シート(プリプレグシート)、 7a 屈曲部、 7b 加工穴(貫通穴)、 8 バンプ電極、 9 BGA(エリアアレイ)、 10 アンダーフィル、 70 非道電シート、 71非道電シート、 72 非導電シート、 73a 屈曲部、 73b〜73h 加工穴(貫通穴)、 100 ディスペンサ、 110 コネクタ、 120 抵抗器、 120a 電極、 130 コンデンサ、 130a 電極。

Claims (3)

  1. エリアアレイと、このエリアアレイを載置する絶縁基板と、この絶縁基板上の所定位置に配設した複数の導体ランドと、この導体ランドに対応して設置された複数の前記エリアアレイのバンプ電極と、このバンプ電極と前記導体ランドとを電気接続する電気接続手段と、前記絶縁基板と前記エリアアレイとに挟まれた前記絶縁基板上に設けられ、前記電気接続手段の領域に貫通穴を有し、前記エリアアレイの搭載領域外側に屈曲部を設けた非導電シートと、この非導電シートと前記エリアアレイとの隙間に注入され、前記非導電シートの貫通穴に充填されると共に前記非導電シートの屈曲部で堰きとめられるアンダーフィルとを備えた電子部品装置。
  2. 前記非導電シートは、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品装置。
  3. 導電材を積層した絶縁基板の表層を所望のマスクパターンで写真製版し、導体ランドパターンを選択的に形成する写真製版工程と、前記導体ランドパターン上に電気接続手段を塗布する印刷工程と、周縁を屈曲させると共に前記導体ランドパターンに対応して設けた貫通穴を前記導体ランドパターンと位置決めした非導電シートを前記絶縁基板上に載置する位置決め工程と、前記導体ランドパターンに対応したエリアアレイのバンプ電極を前記非導電シートの貫通穴を通して前記導体ランドパターン上の前記電気接続手段領域に載置する部品実装工程と、前記絶縁基板を加熱し、前記電気接続手段を介して前記エリアアレイのバンプ電極と前記導体ランドパターンとを溶着させると共に前記非導電シートと前記絶縁基板とを融着させるリフロー工程と、前記エリアアレイと前記非導電シートとの隙間にアンダーフィルを注入し、前記隙間からはみ出したアンダーフィルを屈曲させた非導電シートの周縁で堰きとめるアンダーフィル注入工程とを備えた電子部品装置の製造方法。
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