JP2008020317A - ブレーキ装置の評価システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来のブレーキ装置の評価装置においては、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態を把握することができず不明であるため、該ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態が、ブレーキ装置に発生する振動や鳴きにどの程度影響を与えるのかを定量的に評価することができなかった。
【解決手段】 ブレーキローター2と、回転するブレーキローター2の制動を行うブレーキ装置1と、前記ブレーキローター2の制動時に発生する音を測定するマイクロフォン13とを備えるブレーキ装置の評価システムであって、前記ブレーキローター2とブレーキ装置1のブレーキパッド5との接触状態を測定する圧力センサPを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 ブレーキローター2と、回転するブレーキローター2の制動を行うブレーキ装置1と、前記ブレーキローター2の制動時に発生する音を測定するマイクロフォン13とを備えるブレーキ装置の評価システムであって、前記ブレーキローター2とブレーキ装置1のブレーキパッド5との接触状態を測定する圧力センサPを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ブレーキ装置に発生する振動や鳴きの現象等を測定・評価するブレーキ装置の評価システムに関する。
車両のブレーキ装置を作動させて車両を制動する場合に、ブレーキ装置に振動や鳴きが発生することがある。
例えば、ディスクブレーキ装置の場合には、取り付け誤差等によりブレーキローターが偏摩耗して、該ブレーキローターに比較的厚い部分と比較的薄い部分とが生じてしまうことがある。このような場合にディスクブレーキ装置を作動させると、ブレーキパッドがブレーキローターに比較的強く接触する「制動力が比較的強く働く状態」と、ブレーキパッドがブレーキローターに比較的弱く接触する「制動力が比較的弱く働く状態」とが高速で繰り返され、所謂制動トルク変動が起り振動や鳴きが発生してしまうことがある。
このような振動や鳴きは車両のドライバーに違和感を与える一因となるため排除することが望ましい。
例えば、ディスクブレーキ装置の場合には、取り付け誤差等によりブレーキローターが偏摩耗して、該ブレーキローターに比較的厚い部分と比較的薄い部分とが生じてしまうことがある。このような場合にディスクブレーキ装置を作動させると、ブレーキパッドがブレーキローターに比較的強く接触する「制動力が比較的強く働く状態」と、ブレーキパッドがブレーキローターに比較的弱く接触する「制動力が比較的弱く働く状態」とが高速で繰り返され、所謂制動トルク変動が起り振動や鳴きが発生してしまうことがある。
このような振動や鳴きは車両のドライバーに違和感を与える一因となるため排除することが望ましい。
従って、従来から、ブレーキ装置に生じる振動や鳴きを防止するために、振動や鳴きを模擬発生させたり解析したりする手法が種々考案されている。
例えば、特許文献1に記載されるように、脈動発生装置により付与されたブレーキ装置の振動を振動測定手段にて測定し、その測定結果の評価を振動評価手段により行う振動測定評価システムが考案されている。
特開2005−257630号公報
例えば、特許文献1に記載されるように、脈動発生装置により付与されたブレーキ装置の振動を振動測定手段にて測定し、その測定結果の評価を振動評価手段により行う振動測定評価システムが考案されている。
前述のように、ブレーキ装置に振動や鳴きが発生するのは、ブレーキパッドがブレーキローターに強く接触する状態と弱く接触する状態とが繰り返されることによるため、ブレーキ装置の振動や鳴きの発生を防止するためには、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態を把握することが重要である。
しかし、前述のごとく、脈動発生装置により付与されたブレーキ装置の振動を測定・評価した場合には、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態を把握することができず不明であるため、該ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態が、ブレーキ装置に発生する振動や鳴きにどの程度影響を与えるのかを定量的に評価することができなかった。
しかし、前述のごとく、脈動発生装置により付与されたブレーキ装置の振動を測定・評価した場合には、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態を把握することができず不明であるため、該ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態が、ブレーキ装置に発生する振動や鳴きにどの程度影響を与えるのかを定量的に評価することができなかった。
上記課題を解決するブレーキ装置の評価システムは、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載のごとく、ブレーキローターと、回転するブレーキローターの制動を行う制動手段と、前記ブレーキローターの制動を行う制動手段と、前記ブレーキローターの制動時に発生する音を測定する音測定手段とを備えるブレーキ装置の評価システムであって、前記ブレーキローターと制動手段との接触状態を測定する接触状態測定手段を備える。
これにより、ブレーキローターの状態を変化させたときに、ブレーキ装置の各部やその周辺にて発生する振動や鳴き(音)の周波数や大きさを測定するとともに、発生した振動や鳴き(音)の原因となり、ブレーキローターの傾斜・摩耗・変形状態に影響を受ける、ブレーキローターとブレーキパッドとの接触状態を測定し、測定したこれらの周波数や大きさおよび接触状態等を適宜解析することで、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を把握して、この接触状態等が発生する振動や鳴きにどの程度影響を与えるのかを定量的に評価する等、振動や鳴き(音)の発生メカニズムを解析・評価することができる。
これにより、該振動や鳴き(音)の発生原因を早期に発見して、それに対する対策を実施することが可能となる。
即ち、請求項1記載のごとく、ブレーキローターと、回転するブレーキローターの制動を行う制動手段と、前記ブレーキローターの制動を行う制動手段と、前記ブレーキローターの制動時に発生する音を測定する音測定手段とを備えるブレーキ装置の評価システムであって、前記ブレーキローターと制動手段との接触状態を測定する接触状態測定手段を備える。
これにより、ブレーキローターの状態を変化させたときに、ブレーキ装置の各部やその周辺にて発生する振動や鳴き(音)の周波数や大きさを測定するとともに、発生した振動や鳴き(音)の原因となり、ブレーキローターの傾斜・摩耗・変形状態に影響を受ける、ブレーキローターとブレーキパッドとの接触状態を測定し、測定したこれらの周波数や大きさおよび接触状態等を適宜解析することで、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を把握して、この接触状態等が発生する振動や鳴きにどの程度影響を与えるのかを定量的に評価する等、振動や鳴き(音)の発生メカニズムを解析・評価することができる。
これにより、該振動や鳴き(音)の発生原因を早期に発見して、それに対する対策を実施することが可能となる。
また、請求項2記載のごとく、前記接触状態測定手段は、前記制動手段のブレーキパッドにかかるブレーキローターからの面圧を測定する圧力測定器と、前記ブレーキローターの、回転面に対する垂直方向の変位を測定する変位測定器とを備える。
これにより、ブレーキローターとブレーキパッドとの間の相対的な運動状態や位置変動を明確に捉えることができ、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を的確に把握することができる。
これにより、ブレーキローターとブレーキパッドとの間の相対的な運動状態や位置変動を明確に捉えることができ、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を的確に把握することができる。
また、請求項3記載のごとく、前記ブレーキ装置の評価システムは、該ブレーキ装置が設けられる車輪の旋回方向の加速度を測定する加速度測定器と、前記ブレーキローターの表面温度を測定する表面温度測定器と、前記ブレーキローターの駆動トルクおよび制動トルクを測定するトルク測定器と、前記ブレーキローターの回転角を測定する回転角測定器と、前記制動手段の操作手段の操作力を測定する操作力測定器と、前記制動手段の作動油圧を測定する油圧測定器と、前記ブレーキ装置の関連部材に伝達される振動を測定する振動測定器と、をさらに備える。
これにより、さらに詳細な解析を行うことができ、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を高い精度で把握することができる。
これにより、さらに詳細な解析を行うことができ、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を高い精度で把握することができる。
本発明によれば、ブレーキ装置やその周辺にて発生する振動や鳴き(音)の周波数や大きさ、およびブレーキローターとブレーキパッドとの接触状態を測定し、測定したこれらの周波数や大きさおよび接触状態等を適宜解析することで、ブレーキパッドとブレーキローターとの接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を把握して、この振動や鳴き(音)の発生メカニズムを解析することができる。
これにより、該振動や鳴き(音)の発生原因を早期に発見して、それに対する対策を実施することが可能となる。
これにより、該振動や鳴き(音)の発生原因を早期に発見して、それに対する対策を実施することが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示すブレーキ装置の評価システム10は、例えば車両のブレーキ装置1に適用されるものであり、該ブレーキ装置1に発生する振動や鳴きの現象等を測定・評価するものである。
ブレーキ装置1は、車軸8を中心に回転駆動されるブレーキローター2と、ブレーキローター2に圧接させることで該ブレーキローター2の制動を行うブレーキパッド5と、ブレーキパッド5が装着され、該ブレーキパッド5を駆動するためのピストン4を備えたキャリパ3を備えている。
ブレーキ装置1は、車軸8を中心に回転駆動されるブレーキローター2と、ブレーキローター2に圧接させることで該ブレーキローター2の制動を行うブレーキパッド5と、ブレーキパッド5が装着され、該ブレーキパッド5を駆動するためのピストン4を備えたキャリパ3を備えている。
前記ブレーキ装置1においては、前記ブレーキローター2の制動手段となるブレーキパッド5は所定間隔を隔てて対向配置した状態で一対設けられており、一対のブレーキパッド5間にブレーキローター2が配置されている。
前記一対のブレーキパッド5は車軸8方向に摺動可能に構成されるとともに、両ブレーキパッド5が離れる方向に付勢されており、非制動時には該ブレーキパッド5とブレーキローター2との間に隙間が形成されていて、該ブレーキローター2は回転自在となっている。
また、制動時においては、車両のドライバーがブレーキペダル6を踏み込むと、該ブレーキペダル6の踏力がブレーキ配管26内の作動油に伝達され、この作動油の油圧によりキャリパ3のピストン4が駆動され、前記一対のブレーキパッド5が互いに近づく方向へ摺動する。
これにより、該ブレーキパッド5がブレーキローター2に圧接して、該ブレーキローター2の回転が制動されることとなる。
前記一対のブレーキパッド5は車軸8方向に摺動可能に構成されるとともに、両ブレーキパッド5が離れる方向に付勢されており、非制動時には該ブレーキパッド5とブレーキローター2との間に隙間が形成されていて、該ブレーキローター2は回転自在となっている。
また、制動時においては、車両のドライバーがブレーキペダル6を踏み込むと、該ブレーキペダル6の踏力がブレーキ配管26内の作動油に伝達され、この作動油の油圧によりキャリパ3のピストン4が駆動され、前記一対のブレーキパッド5が互いに近づく方向へ摺動する。
これにより、該ブレーキパッド5がブレーキローター2に圧接して、該ブレーキローター2の回転が制動されることとなる。
前記ブレーキ装置の評価システム10は、前記ブレーキパッド5に設けられ、該ブレーキパッド5にかかるブレーキローター2からの面圧を測定する圧力センサPと、前記ブレーキパッド5の回転面に対する垂直方向(車軸8の方向)の変位を測定する変位センサLと、前記ブレーキローター2の制動時に発生する音を測定するマイクロフォン13と、該ブレーキ装置1が設けられる車輪の旋回手段であるステアリング7の旋回方向の加速度を測定する加速度センサ14と、前記ブレーキローター2の表面温度を測定する表面温度計15と、前記ブレーキローター2の駆動トルクおよび制動トルクを測定するトルクメーター16と、前記ブレーキローター2の回転角を測定するロータリーエンコーダー17と、前記ブレーキパッド5の操作手段であるブレーキペダル6の操作力(踏力)を測定する踏力計18と、前記ブレーキパッド5の作動油圧を測定する油圧ゲージ19とを備えている。
また、ブレーキ装置の評価システム10においては、前記ブレーキ装置1に関連する部材である、車軸8、キャリパ3、およびナックルアーム9等の部材に、それぞれ加速度センサ21・22・23が設けられており、これらのブレーキ装置1の関連部材に伝達される振動を測定可能としている。
また、前記加速度センサ14は、ステアリング7の旋回方向の加速度を測定することで、ブレーキ装置1が設けられる車輪の旋回方向の加速度を間接的に測定することが可能である。
また、前記加速度センサ14は、ステアリング7の旋回方向の加速度を測定することで、ブレーキ装置1が設けられる車輪の旋回方向の加速度を間接的に測定することが可能である。
図2に示すように、前記圧力センサPは、前記各ブレーキパッド5の周方向および半径方向に複数個配列されている。
本例では、周方向に3個の圧力センサPが略等間隔に配置され、半径方向においては外周側と内周側との2列に圧力センサPが配列されており、計6個の圧力センサPが各ブレーキパッド5に設けられている。
本例では、周方向に3個の圧力センサPが略等間隔に配置され、半径方向においては外周側と内周側との2列に圧力センサPが配列されており、計6個の圧力センサPが各ブレーキパッド5に設けられている。
具体的には、一対のブレーキパッド5のうち、一方のブレーキパッド5a(図2に示すブレーキパッド)においては、外周側に圧力センサPi11・Pi21・Pi31が配置され、内周側に圧力センサPi12・Pi22・Pi32が配置されている。
また、他方のブレーキパッド5b(図3に示すブレーキパッド)においては、外周側に圧力センサPo11・Po21・Po31が配置され、内周側に圧力センサPo12・Po22・Po32が配置されている。
また、他方のブレーキパッド5b(図3に示すブレーキパッド)においては、外周側に圧力センサPo11・Po21・Po31が配置され、内周側に圧力センサPo12・Po22・Po32が配置されている。
また、前記変位センサLは、ブレーキパッド5の場合と同様に、ブレーキローター2の回転面の両側に、それぞれ複数個設けられている。
本例の場合、ブレーキローター2の一方の回転面側には、内周側から外周側へ向けて3個の変位センサLi1・Li2・Li3が配置され(図2参照)、他方の回転面側には、内周側から外周側へ向けて3個の変位センサLo1・Lo2・Lo3が略等間隔に配置されている(図3参照)。
また、変位センサLは、車軸8を中心としてブレーキパッド5と対向する位置に配置されているが、これに限るものではなく任意の位置に配置することができる。
本例の場合、ブレーキローター2の一方の回転面側には、内周側から外周側へ向けて3個の変位センサLi1・Li2・Li3が配置され(図2参照)、他方の回転面側には、内周側から外周側へ向けて3個の変位センサLo1・Lo2・Lo3が略等間隔に配置されている(図3参照)。
また、変位センサLは、車軸8を中心としてブレーキパッド5と対向する位置に配置されているが、これに限るものではなく任意の位置に配置することができる。
このように構成されたブレーキ装置の評価システム10における、ブレーキ装置1の振動や鳴きの測定および評価について、以下に説明する。
なお、振動や鳴きはブレーキローター2の振れ(傾き)や摩耗や変形等に起因して発生し、これらの振れや摩耗や変形等は実際には複合的に存在するが、以下の説明では、説明を簡単にするために、ブレーキローター2の振れ、摩耗、および変形が単独で存在している場合について、それぞれ説明を行う。
なお、振動や鳴きはブレーキローター2の振れ(傾き)や摩耗や変形等に起因して発生し、これらの振れや摩耗や変形等は実際には複合的に存在するが、以下の説明では、説明を簡単にするために、ブレーキローター2の振れ、摩耗、および変形が単独で存在している場合について、それぞれ説明を行う。
まず、ブレーキローター2の回転面が車軸8の方向に対する垂直方向から傾いていて、該ブレーキローター2が回転すると振れ回り運動をする場合について説明する。
図4には、ブレーキローター2の回転面が車軸8方向に対して垂直な方向から角度θだけ傾いている状態を示す。
このように車軸8と垂直な方向から傾斜している場合は、ブレーキローター2のブレーキパッド5と接触する部分は、回転により車軸8方向へ変位することとなる。つまり、回転によりブレーキローター2とブレーキパッド5との相対距離が周期的に変化する。
従って、このブレーキローター2の車軸8方向への変位を、前記変位センサLにて測定するように構成している。
図4には、ブレーキローター2の回転面が車軸8方向に対して垂直な方向から角度θだけ傾いている状態を示す。
このように車軸8と垂直な方向から傾斜している場合は、ブレーキローター2のブレーキパッド5と接触する部分は、回転により車軸8方向へ変位することとなる。つまり、回転によりブレーキローター2とブレーキパッド5との相対距離が周期的に変化する。
従って、このブレーキローター2の車軸8方向への変位を、前記変位センサLにて測定するように構成している。
ブレーキローター2の一方の回転面と変位センサLi1・Li2・Li3との間の変位、およびブレーキローター2の他方の回転面と変位センサLo1・Lo2・Lo3との間の変位を、該変位センサLi1・Li2・Li3および変位センサLo1・Lo2・Lo3にて測定すると、図5に示すような出力が得られる。
図5によれば、変位センサLi1・Li2・Li3と変位センサLo1・Lo2・Lo3との出力では、位相がπだけずれた出力が得られる。
図5によれば、変位センサLi1・Li2・Li3と変位センサLo1・Lo2・Lo3との出力では、位相がπだけずれた出力が得られる。
また、図5における値Lo1’・Lo2’・Lo3’は、次式(1)にて示される関係により求められる値であり、値Lo1’・Lo2’・Lo3’と変位センサLi1・Li2・Li3の出力値とからブレーキローター2の厚み寸法を算出することが可能となっている。
なお、ここで、Ldは、ブレーキローター2の一方の回転面側に配置される変位センサLi1・Li2・Li3と、他方の回転面側に配置される変位センサLo1・Lo2・Lo3との距離を示している。
また、変位センサLi1・Li2・Li3および変位センサLo1・Lo2・Lo3の出力のピーク値は、ブレーキローター2の傾き角度θと、各変位センサLi1・Li2・Li3および変位センサLo1・Lo2・Lo3とブレーキローター2との距離に比例するため、前記各変位センサLi1・Li2・Li3・Lo1・Lo2・Lo3の出力値を測定して解析することで、ブレーキローター2とブレーキパッド5との間の距離変化が、ブレーキローター2の振れ(傾き)に起因するものか否かが判り、また、その傾きの角度θ等を求めることもできる。
例えば、ブレーキローター2の傾きの角度θは、ブレーキローター2の回転中心から最も外周側に配置される変位センサLi3・Lo3までの距離をrとし、最も内周側の変位センサLi1・Lo1と最も外周側の変位センサLi3・Lo3との間の距離をΔrとすると、次式(2)により算出することができる。
また、回転運動しているブレーキローター2にブレーキパッド5を圧接させると、該ブレーキローター2とブレーキパッド5との間に摩擦が生じ、該ブレーキロータ2が制動されるが、この制動状態のときにブレーキパッド5にかかっている該ブレーキローター2からの面圧を、前記圧力センサPにて測定するように構成している。
制動時のようにブレーキローター2にブレーキパッド5を圧接させている状態では、図6に示すように、該ブレーキローター2の回転面が車軸8方向に対する垂直方向から傾いていなければ、一方のブレーキパッド5に設けられる各圧力センサPi11・Pi21・Pi31・Pi12・Pi22・Pi32、および他方のブレーキパッド5に設けられる各圧力センサPo11・Po21・Po31・Po12・Po22・Po32の出力値は、略等しくなる。
しかし、図7および図8に示すように、ブレーキローター2の回転面が車軸8方向に対する垂直方向から傾いている場合、同一位相のブレーキローター2から受ける面圧がブレーキパッド5の位置によって異なるとともに、ブレーキローター2のブレーキパッド5と接触する部分が、回転時に車軸8方向へ変位するため、各圧力センサPi11・Pi21・Pi31・Pi12・Pi22・Pi32、および各圧力センサPo11・Po21・Po31・Po12・Po22・Po32の出力値は、ブレーキローター2の回転角度によって変化する。
例えば、他方のブレーキパッド5bに設けられる各圧力センサPo11・Po21・Po31、および各圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値は、図9に示すようになる。
つまり、ブレーキローター2が傾斜している場合には、例えば、ブレーキパッド5bに設けられる各圧力センサPo11・Po21・Po31、および各圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値の大きさは、ブレーキローター2の回転角度に応じて増減し、図7に示すような、ブレーキローター2の、他方のブレーキパッド5bの外周部への接触面圧が、他方のブレーキパッド5bの内周部への接触面圧よりも大きくなる状態(他方のブレーキパッド5bについて言えば、ブレーキローター2の外周部への接触面圧が内周部への接触面圧よりも小さくなる状態)と、図8に示すような、ブレーキローター2の、他方のブレーキパッド5bの外周部への接触面圧が、他方のブレーキパッド5bの内周部への接触面圧よりも小さくなる状態(他方のブレーキパッド5bについて言えば、ブレーキローター2の外周部への接触面圧が内周部への接触面圧よりも大きくなる状態)とが交互に現れる。
また、圧力センサPo11・Po21・Po31の出力値波形と、圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値波形とは、位相がπだけずれた波形となる。
つまり、ブレーキローター2が傾斜している場合には、例えば、ブレーキパッド5bに設けられる各圧力センサPo11・Po21・Po31、および各圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値の大きさは、ブレーキローター2の回転角度に応じて増減し、図7に示すような、ブレーキローター2の、他方のブレーキパッド5bの外周部への接触面圧が、他方のブレーキパッド5bの内周部への接触面圧よりも大きくなる状態(他方のブレーキパッド5bについて言えば、ブレーキローター2の外周部への接触面圧が内周部への接触面圧よりも小さくなる状態)と、図8に示すような、ブレーキローター2の、他方のブレーキパッド5bの外周部への接触面圧が、他方のブレーキパッド5bの内周部への接触面圧よりも小さくなる状態(他方のブレーキパッド5bについて言えば、ブレーキローター2の外周部への接触面圧が内周部への接触面圧よりも大きくなる状態)とが交互に現れる。
また、圧力センサPo11・Po21・Po31の出力値波形と、圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値波形とは、位相がπだけずれた波形となる。
また、ブレーキパッド5aに設けられる各圧力センサPi11・Pi21・Pi31、および各圧力センサPi12・Pi22・Pi32の出力値の大きさも同様に、ブレーキローター2の回転角度に応じて増減する。
このように、ブレーキローター2のブレーキパッド5への接触圧は、ブレーキペダル6の踏力が一定であれば、ブレーキローター2とブレーキパッド5との間の距離に比例するため、ブレーキローター2の振れ回りによる車軸8方向の変位に比例して変動することとなる。
また、圧力センサPi11・Pi21・Pi31・Pi12・Pi22・Pi32、および圧力センサPo11・Po21・Po31・Po12・Po22・Po32といったように、各ブレーキパッド5a・5bの複数箇所に圧力センサを配置することで、この制動時における時のブレーキパッド5a・5bの面内の圧力分布を測定することが可能となっている。
また、圧力センサPi11・Pi21・Pi31・Pi12・Pi22・Pi32、および圧力センサPo11・Po21・Po31・Po12・Po22・Po32といったように、各ブレーキパッド5a・5bの複数箇所に圧力センサを配置することで、この制動時における時のブレーキパッド5a・5bの面内の圧力分布を測定することが可能となっている。
なお、前記各圧力センサの出力値は、ブレーキローター2およびブレーキパッド5が剛体であるとし、ブレーキパッド5のストロークもブレーキローター2への押し付け方向のみの1自由度とした場合である。
実際のブレーキ装置1では、摩擦材であるブレーキパッド5は剛体ではなく弾性を有しており、また、ブレーキパッド5がブレーキローター2に押し付けられたときには、該ブレーキローター2の摺動面にならって該ブレーキパッド5の摺動面が傾くため、図9に示した出力値とは若干異なるが、説明を簡単にするため、ブレーキパッド5の弾性とブレーキパッド5の摺動面の傾きについては、本説明では考慮していない。
実際のブレーキ装置1では、摩擦材であるブレーキパッド5は剛体ではなく弾性を有しており、また、ブレーキパッド5がブレーキローター2に押し付けられたときには、該ブレーキローター2の摺動面にならって該ブレーキパッド5の摺動面が傾くため、図9に示した出力値とは若干異なるが、説明を簡単にするため、ブレーキパッド5の弾性とブレーキパッド5の摺動面の傾きについては、本説明では考慮していない。
また、ブレーキパッド5とブレーキローター2とが接触すると、該ブレーキパッド5が接触した位置で制動力が発生するが、車軸8に対する制動力は、ブレーキパッド5の摩擦係数μ、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触圧、およびブレーキパッド5の接触位置と車軸8との距離(制動半径)の積で表される。
本ブレーキ装置の評価システム10においては、前記車軸8にトルクメーター16を設けているため(図1参照)、該トルクメーター16により、前述のブレーキパッド5とブレーキローター2とが接触することにより発生した制動力を直接測定することが可能となっている。
本ブレーキ装置の評価システム10においては、前記車軸8にトルクメーター16を設けているため(図1参照)、該トルクメーター16により、前述のブレーキパッド5とブレーキローター2とが接触することにより発生した制動力を直接測定することが可能となっている。
このように、本ブレーキ装置の評価システム10では、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触圧を前記各圧力センサPにより測定し、制動力を前記トルクメーター16により測定することができ、ブレーキパッド5の接触位置と車軸8との距離(制動半径)は予め定められているため、この制動半径と測定した接触圧および制動力とを用いて、ブレーキパッド5の摩擦係数μを算出することができる。
また、傾斜しているブレーキローター2の回転時には、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の寸法が周期的に変化し、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触圧も変化するが、前記制動力は接触圧に比例するため、該制動力もブレーキローター2の回転に伴って変化する。
この制動力の変化は、車軸8に対して捻り変動として働く(つまり車軸8が加振される)。
この車軸8に対する加振は、該車軸8に設けた加速度センサにて測定することができる。また、車軸8に対する加振は前記ステアリング7へ伝達して、該ステアリング7の振動として現れるが、この振動もステアリング7に設けた加速度センサ14により測定することができる。
この制動力の変化は、車軸8に対して捻り変動として働く(つまり車軸8が加振される)。
この車軸8に対する加振は、該車軸8に設けた加速度センサにて測定することができる。また、車軸8に対する加振は前記ステアリング7へ伝達して、該ステアリング7の振動として現れるが、この振動もステアリング7に設けた加速度センサ14により測定することができる。
さらに、この車軸8に対する加振により、ブレーキパッド5やキャリパ3やナックルアーム9(図1参照)等の車両の足回り部品が、共振して振動や鳴き(音)を発生する。
これらの振動や鳴き(音)は、キャリパ3やナックルアーム9に設けた加速度センサ22・23、およびブレーキ装置1の近傍に配置したマイクロフォン13により測定することができる。
これらの振動や鳴き(音)は、キャリパ3やナックルアーム9に設けた加速度センサ22・23、およびブレーキ装置1の近傍に配置したマイクロフォン13により測定することができる。
また、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の寸法の変化、およびブレーキパッド5とブレーキローター2との接触圧の変化に伴い、各ブレーキパッド5a・5bをそれぞれブレーキローター2側へ押圧するピストン4に供給される作動油の油圧Paやブレーキペダル6の踏力、および該ピストン4の押し込みストローク量Δsも変化する(図9参照)。
このピストン4の作動油の油圧Paの変化は前記油圧ゲージ19に測定し、ブレーキペダル6の踏力の変化は前記踏力計18により測定することができる。
このピストン4の作動油の油圧Paの変化は前記油圧ゲージ19に測定し、ブレーキペダル6の踏力の変化は前記踏力計18により測定することができる。
例えば、作動油の油圧Paは、圧力センサPo11・Po21・Po31および圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値が小さいときに小さく、圧力センサPo11・Po21・Po31または圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値が大きいときに大きくなる。
また、前記押し込みストローク量Δsは、圧力センサPo11・Po21・Po31および圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値が小さいときに大きく、圧力センサPo11・Po21・Po31または圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値が大きいときに小さくなる。
また、前記押し込みストローク量Δsは、圧力センサPo11・Po21・Po31および圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値が小さいときに大きく、圧力センサPo11・Po21・Po31または圧力センサPo12・Po22・Po32の出力値が大きいときに小さくなる。
また、傾斜しているブレーキローター2が回転することにより生じる振動や音の周波数は、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の寸法変化の周期(ブレーキローター2の回転周期)、および車軸8の回転速度に比例すると考えられる。
さらに、発生する振動や音の周波数は、ブレーキ装置1の各部等の共振周波数の影響を受けるため、ブレーキローター2の回転周期による基本周波数のほかに、該基本周波数を低倍した振動や音も発生する。
さらに、発生する振動や音の周波数は、ブレーキ装置1の各部等の共振周波数の影響を受けるため、ブレーキローター2の回転周期による基本周波数のほかに、該基本周波数を低倍した振動や音も発生する。
従って、前述のように各種センサ等の測定機器により測定した、ブレーキローター2の回転により生じた振動および音の大きさや周波数、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触圧、および測定値から算出したブレーキローター2の傾き角度θやブレーキパッド5の摩擦係数μ等を解析することで、該ブレーキローター2の傾斜と発生した振動および音との因果関係を解明するように構成している。
次に、ブレーキローター2が片側の面が摩耗している場合について説明する。
本例においては、例えば図10、図11に示すように、ブレーキローター2の一側面2aおよび他側面2bのうち、他側面2bのみが摩耗している場合について説明する。
本例においては、例えば図10、図11に示すように、ブレーキローター2の一側面2aおよび他側面2bのうち、他側面2bのみが摩耗している場合について説明する。
他側面2bが摩耗しているブレーキローター2においては、摩耗している側の他側面2bと、前記変位センサLo1・Lo2・Lo3との間の距離は、該ブレーキローター2の回転に伴って変位する。
一方、該ブレーキローター2の回転において、摩耗していない側の一側面2aと、前記変位センサLi1・Li2・Li3との間の距離は一定であり、変位は発生しない。
一方、該ブレーキローター2の回転において、摩耗していない側の一側面2aと、前記変位センサLi1・Li2・Li3との間の距離は一定であり、変位は発生しない。
この場合の変位センサLo1・Lo2・Lo3、および変位センサLi1・Li2・Li3の出力は、図12に示すような出力が得られる。
つまり、他側面2b側の変位センサLo1・Lo2・Lo3の出力値は、各変位センサLo1・Lo2・Lo3が配置された部分のブレーキローター2の摩耗度合いに応じて変化しており、一側面2a側の変位センサLi1・Li2・Li3の出力値は、一定で変化しない。
また、図12によれば、変位センサLi1・Li2・Li3と変位センサLo1・Lo2・Lo3との出力では、位相がπだけずれた出力が得られる。
つまり、他側面2b側の変位センサLo1・Lo2・Lo3の出力値は、各変位センサLo1・Lo2・Lo3が配置された部分のブレーキローター2の摩耗度合いに応じて変化しており、一側面2a側の変位センサLi1・Li2・Li3の出力値は、一定で変化しない。
また、図12によれば、変位センサLi1・Li2・Li3と変位センサLo1・Lo2・Lo3との出力では、位相がπだけずれた出力が得られる。
また、図12における値Lo1’・Lo2’・Lo3’は、前記式(1)にて示される関係により求められる値であり、値Lo1’・Lo2’・Lo3’と変位センサLi1・Li2・Li3の出力値とからブレーキローター2の厚み寸法を算出することが可能となっている。
また、ブレーキローター2の他側面2bの摩耗量WoXは、各変位センサLi1・Li2・Li3の出力値の変化量(最大値と最小値との差)と、各変位センサLo1・Lo2・Lo3の出力値の変化量(最大値と最小値との差)との差分を算出することで求めることができる。
また、ブレーキローター2の厚みは、製造された時点でも加工誤差等により均一ではない場合があるが、前述のブレーキローター2の厚み寸法を算出する手法を用いて、このブレーキローター2の各部の肉厚の差(偏肉)を計測することも可能である。
また、ブレーキローター2の厚みは、製造された時点でも加工誤差等により均一ではない場合があるが、前述のブレーキローター2の厚み寸法を算出する手法を用いて、このブレーキローター2の各部の肉厚の差(偏肉)を計測することも可能である。
本例のように、ブレーキローター2に摩耗が生じている場合は、ブレーキローター2の回転に伴って、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の寸法が相対的に変化しているため、前述のブレーキローター2が傾斜している場合と同様に、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触圧が変動し、車軸8のトルクやピストン4の作動油圧の変動が発生する。
これにより、ブレーキ装置1およびその周辺部材に振動や鳴き(音)の発生といった現象を計測することができる。
この振動や鳴き(音)の周波数や大きさは、ブレーキローター2の摩耗状態により変化する。
例えば、図12に示した場合は、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の寸法変化の周期が車軸8の1回転に対応して現れるため、振動や鳴き(音)の周波数は車軸8の回転数に比例する。
これにより、ブレーキ装置1およびその周辺部材に振動や鳴き(音)の発生といった現象を計測することができる。
この振動や鳴き(音)の周波数や大きさは、ブレーキローター2の摩耗状態により変化する。
例えば、図12に示した場合は、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の寸法変化の周期が車軸8の1回転に対応して現れるため、振動や鳴き(音)の周波数は車軸8の回転数に比例する。
従って、本例の場合も、ブレーキローター2が傾斜している場合と同様に、前記各種センサ等の測定機器により測定した、ブレーキローター2の回転により生じた振動および音の大きさや周波数を解析することで、該ブレーキローター2の摩耗状態と発生した振動および音との因果関係を解明することが可能となる。
次に、ブレーキローター2が変形している場合について説明する。
本例においては、例えば図13に示すように、ブレーキローター2を車軸8側に締結するためのハブボルト31・31・・・の締め付けに伴い、該ブレーキローター2が変形している場合について説明する。
本例においては、例えば図13に示すように、ブレーキローター2を車軸8側に締結するためのハブボルト31・31・・・の締め付けに伴い、該ブレーキローター2が変形している場合について説明する。
図13に示すブレーキローター2の半径方向におけるW位置の断面の展開図を図14に示す。
本例の場合、ハブボルト31・31・・・は、例えばブレーキローター2の4箇所に配置されており、該ブレーキローター2はハブボルト31・31・・・の配置位置に応じて変形している。
本例の場合、ハブボルト31・31・・・は、例えばブレーキローター2の4箇所に配置されており、該ブレーキローター2はハブボルト31・31・・・の配置位置に応じて変形している。
また、ブレーキローター2の変形の影響は、該ブレーキローター2の一側面2aおよび他側面2bの両方に現れるため、ブレーキローター2と各ブレーキパッド5a・5bとの間の相対距離が、ブレーキローター2の回転に伴って変化するが、前記変位センサLo1・Lo2・Lo3および変位センサLi1・Li2・Li3の出力値は、ハブボルト31・31・31・・・の位置(本例の場合、ブレーキローター2の1回転あたり4箇所)でピークが現れる。
従って、この場合に各種センサにより計測される振動や鳴き(音)の周波数は、前述のブレーキローター2の1回転あたりに1回のピークが現れるブレーキローター2が傾斜した場合や摩耗した場合に対して4倍の周波数となる。
そして、本例の場合も、ブレーキローター2が傾斜している場合等と同様に、各種センサ等の測定機器により測定した、ブレーキローター2の回転により生じた振動および音の大きさや周波数を解析することで、該ブレーキローター2の変形状態と発生した振動および音との因果関係を解明することが可能となる。
そして、本例の場合も、ブレーキローター2が傾斜している場合等と同様に、各種センサ等の測定機器により測定した、ブレーキローター2の回転により生じた振動および音の大きさや周波数を解析することで、該ブレーキローター2の変形状態と発生した振動および音との因果関係を解明することが可能となる。
以上のように、ブレーキローター2が傾斜、摩耗、および変形している状態といったように、ブレーキローター2の状態を変化させたときに、ブレーキ装置1の各部やその周辺にて発生する振動や鳴き(音)の周波数や大きさを測定するとともに、発生した振動や鳴き(音)の原因となり、ブレーキローター2の傾斜・摩耗・変形状態に影響を受ける、ブレーキローター2とブレーキパッド5との接触状態を測定し、測定したこれらの周波数や大きさおよび接触状態等を適宜解析することで、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を把握して、この接触状態等が発生する振動や鳴きにどの程度影響を与えるのかを定量的に評価する等、振動や鳴き(音)の発生メカニズムを解析・評価することができる。
これにより、該振動や鳴き(音)の発生原因を早期に発見して、それに対する対策を実施することが可能となる。
これにより、該振動や鳴き(音)の発生原因を早期に発見して、それに対する対策を実施することが可能となる。
特に、本ブレーキ装置の評価システム10では、ブレーキ装置1のブレーキパッド5にかかるブレーキローター2からの面圧を測定する圧力センサPと、前記ブレーキローター2の、回転面に対する垂直方向の変位を測定する変位センサLとを用いて、ブレーキローター2とブレーキパッド5との接触状態、およびブレーキローター2の傾斜・摩耗・変形状態を測定しているので、ブレーキローター2とブレーキパッド5との間の相対的な運動状態や位置変動を明確に捉えることができ、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を的確に把握することができる。
さらに、本ブレーキ装置の評価システム10では、圧力センサPおよび変位センサLに加えて、前記マイクロフォン13と、ステアリング7の加速度センサ14と、ブレーキローター2の表面温度計15と、ブレーキローター2(車軸8)のトルクメーター16およびロータリーエンコーダー17と、ブレーキペダル6の踏力計18と、ブレーキパッド5の作動油圧の油圧ゲージ19と、ブレーキ装置1の関連部材の加速度センサ21・22・23とを用いて、発生した振動や鳴き(音)を測定するように構成しているので、さらに詳細な解析を行うことができ、ブレーキパッド5とブレーキローター2との接触状態等と、発生した振動や鳴き(音)の周波数や大きさとの因果関係を高い精度で把握することができる。
なお、本例では、振動や鳴き(音)の発生原因を作り出すために、ブレーキローター2の状態を変化させた例を示したが、実際に振動や鳴き(音)が発生する原因は、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間の相対距離(接触状態)のほかに、ブレーキパッド5とブレーキローター2との間に発生する摩擦の動的な変化によるものもある。
つまり、摩擦材であるブレーキパッド5は、ブレーキローター2との接触面の全体にわたって同じ摩擦係数を示すものではなく、ばらつきを有している。また、ブレーキ装置1の構成部材の変形等によりブレーキパッド5の接触面が微細に変動したり、摩擦熱によりブレーキパッド5の摩擦係数が微細に変動したりすることもある。
つまり、摩擦材であるブレーキパッド5は、ブレーキローター2との接触面の全体にわたって同じ摩擦係数を示すものではなく、ばらつきを有している。また、ブレーキ装置1の構成部材の変形等によりブレーキパッド5の接触面が微細に変動したり、摩擦熱によりブレーキパッド5の摩擦係数が微細に変動したりすることもある。
これらのばらつきや微細変動が振動や鳴き(音)の発生に影響を与えることがあるため、前記表面温度計15によりブレーキローター2の表面温度を測定したり、ブレーキパッド5に設ける前記圧力センサPをより密に配置したりして、ブレーキパッド5が受ける面圧の微細な変動を計測・解析することで、さらに詳細に振動や鳴き(音)の発生メカニズムを把握することが可能となる。
L 変位センサ
P 圧力センサ
1 ブレーキ装置
2 ブレーキローター
3 キャリパ
4 ピストン
5 ブレーキパッド
6 ブレーキペダル
7 ステアリング
8 車軸
10 ブレーキ装置の評価システム
13 マイクロフォン
14 加速度センサ
15 表面温度系
16 トルクメーター
17 ロータリーエンコーダー
18 踏力計
19 油圧ゲージ
21・22・23 加速度センサ
P 圧力センサ
1 ブレーキ装置
2 ブレーキローター
3 キャリパ
4 ピストン
5 ブレーキパッド
6 ブレーキペダル
7 ステアリング
8 車軸
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13 マイクロフォン
14 加速度センサ
15 表面温度系
16 トルクメーター
17 ロータリーエンコーダー
18 踏力計
19 油圧ゲージ
21・22・23 加速度センサ
Claims (3)
- ブレーキローターと、
回転するブレーキローターの制動を行う制動手段と、
前記ブレーキローターの制動時に発生する音を測定する音測定手段とを備えるブレーキ装置の評価システムであって、
前記ブレーキローターと制動手段との接触状態を測定する接触状態測定手段を備えることを特徴とするブレーキ装置の評価システム。 - 前記接触状態測定手段は、
前記制動手段のブレーキパッドにかかるブレーキローターからの面圧を測定する圧力測定器と、前記ブレーキローターの、回転面に対する垂直方向の変位を測定する変位測定器と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置の評価システム。 - 前記ブレーキ装置の評価システムは、
該ブレーキ装置が設けられる車輪の旋回方向の加速度を測定する加速度測定器と、
前記ブレーキローターの表面温度を測定する表面温度測定器と、
前記ブレーキローターの駆動トルクおよび制動トルクを測定するトルク測定器と、
前記ブレーキローターの回転角を測定する回転角測定器と、
前記制動手段の操作手段の操作力を測定する操作力測定器と、
前記制動手段の作動油圧を測定する油圧測定器と、
前記ブレーキ装置の関連部材に伝達される振動を測定する振動測定器と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキ装置の評価システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006192223A JP2008020317A (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | ブレーキ装置の評価システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006192223A JP2008020317A (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | ブレーキ装置の評価システム |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008020317A true JP2008020317A (ja) | 2008-01-31 |
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ID=39076364
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006192223A Pending JP2008020317A (ja) | 2006-07-12 | 2006-07-12 | ブレーキ装置の評価システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008020317A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-07-12 JP JP2006192223A patent/JP2008020317A/ja active Pending
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