JP2008020211A - 時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型でかつ携帯される時計内部にお椀型音源を組み込むことができ、余韻が長い新たな音色を実現できる時計を提供することを目的とする。
【課題手段】時計は、時刻を計時して表示するムーブメント11と、ハンマーの打撃によって音を鳴らすお椀型音源910と、お椀型音源910をムーブメント11に固定する音源固定板920と、ハンマーを動作させる打撃制御手段とを備える。お椀型音源910は底部912と側壁911とを備える。ムーブメント11の一部や、ハンマー、打撃制御手段は、お椀型音源910の内部空間に配置される。音源固定板920は、お椀型音源910の底部912の中心に取り付けられる。さらに、前記ハンマーでお椀型音源910が打撃された際に、音源固定板920は、外装ケース1Aおよびムーブメント11に接触しない範囲で所定距離だけ移動可能に、前記お椀型音源を前記時計機構に固定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、時打ち(ソヌリ、ソネリ)機構や、リピータ、アラーム、タイマーなどの機械的な打撃によって音を出す機構を有する時計に関する。
従来より、ゴングおよびハンマーを内蔵し、ハンマーによってゴングを打って音を鳴らす時打ち時計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような時計に内蔵されるゴングは、ケース内周に沿って配置された略C字状の金属棒材で構成され、一端のみを地板等にネジ等で強固に固定し、他端側は固定せずに自由端とされていた。これにより、ゴングをハンマーで叩いた際にゴングが振動して音が発生するように構成されていた。
特表2004−525370号公報
しかしながら、ゴングを音源とする場合、その形状の特性から余韻の少ない音が発せられることになる。
そのため、本発明者は、腕時計や懐中時計のような携帯可能な小型の時計にも内蔵でき、かつ、従来にない特徴を有する音を発せられる音源を種々検討していた。
その結果、お鈴などのお椀型(釣鐘型)の音源を採用することで、これまでの時計にはない独自の音色と余韻を実現することができた。
しなしながら、このようなお椀型の音源は、前記ゴングに比べて体積が大きいために腕時計のような小型の時計内に組み込むには工夫が必要であった。その上、ゴングは端部を地板等に強固に固定するだけでよかったが、お椀型の音源はその固定の仕方で音色や余韻が大きく異なってしまうという新たな問題も見出された。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、腕時計のような小型でかつ携帯される時計内部にお椀型の音源を組み込むことができ、これまでの時計では得られない音色や余韻を実現できる時計を提供することを目的とする。
本発明の時計は、時刻を計時して表示する時計機構と、ハンマーと、このハンマーの打撃によって音を鳴らすお椀型音源と、前記お椀型音源を前記時計機構に固定する音源固定部材と、前記ハンマーを動作させる打撃制御手段と、を備え、前記お椀型音源は底部と側壁部とを備え、前記ハンマー、打撃制御手段および時計機構の少なくとも一部は、前記お椀型音源の底部および側壁部で囲まれた内部空間に配置され、前記音源固定部材は、前記お椀型音源の底部の中心に取り付けられ、かつ、前記ハンマーでお椀型音源が打撃された際に、時計の外装ケースおよび前記時計機構に接触しない範囲で所定距離だけ移動可能に前記お椀型音源を前記時計機構に固定していることを特徴とする。
ここで、時計機構とは、ムーブメントやモジュールと呼ばれる時刻の計時やその表示を行う従来から周知の構成である。従って、本発明の時計機構には、歯車、ゼンマイ、モータなどを用いて指針を駆動するアナログ表示式のものや、液晶ディスプレイ、ICおよび電池で駆動されるデジタル表示式のものも含まれる。
このような構造であれば、お椀型音源の底部の中心を、音源固定部材を介して時計機構に固定しているので、お鈴などのお椀型音源において、特に音の発生に影響する側壁部分の振動への影響を軽減でき、音の余韻を長くすることができる。
また、音源固定部材は、ハンマーで打たれたお椀型音源を所定距離だけ移動可能に取り付けているため、お椀型音源に打撃により伝わったエネルギが音源や音源固定部材の部品の変形に消費されないため、音源の振動が減衰し難くなり、音の余韻が長くなる。このため、音源としてゴングを用いた場合に比べて、特に余韻が長い音を発生させることができる。
さらに、通常の携帯時の振動、衝撃ではケースやムーブメントにお椀型音源が接触しないように設定されているため、通常の使用状況においてお椀型音源がケースなどに接触して音が鳴ってしまうことを防止できる。
本発明において、前記音源固定部材は、お椀型音源の底部に固定された固定部と、この固定部から突設された複数本の固定アーム部とを備えて構成され、前記固定アーム部は、時計機構に対して所定寸法の隙間を介して取り付けられ、この隙間によって前記お椀型音源は前記所定距離の移動が可能とされていることが好ましい。
音源固定部材の固定アーム部で時計機構に取り付けているので、指針の駆動軸等が設けられる時計機構の中心軸部分を避けて取り付けることができる。このため、時計機構における部品配置の調整が不要となり、既存の時計機構を用いることもでき、コストを低減できる。
また、音源固定部材を所定の隙間寸法を介して時計機構側に取り付けたので、ハンマーでお椀型音源を叩いた際に、音源固定部材は前記隙間寸法分の微少距離を移動できる。このため、お椀型音源に打撃により伝わったエネルギが音源や音源固定部材の変形に消費されないため、音源の振動が減衰し難くなり、音の余韻が長くなる。
本発明において、前記音源固定部材は、お椀型音源の底部に固定された固定部と、この固定部から突設された複数本の固定アーム部とを備えて構成され、前記固定アーム部はばね性を有し、かつ、時計機構に対して前記固定アーム部のばね性よりも弱いばね性のばね材を介して取り付けられ、前記ばね材が変形することによって前記お椀型音源は前記所定距離の移動が可能とされていることが好ましい。
この場合も固定アーム部を用いているので時計機構の中心軸部分を避けて音源固定部材を取り付けることができる。また、ハンマーでお椀型音源を叩いた際に、音源固定部材は前記ばね材が変形することで微少距離を移動できるため、音源の振動が減衰し難くなり、音の余韻が長くなる。
本発明において、前記音源固定部材は、お椀型音源の底部に固定され、かつ、時計機構の平面中心部に取り付けられたラバーブッシュで構成されていてもよい。
この場合も、ハンマーでお椀型音源を叩いた際に、ラバーブッシュで構成された音源固定部材自身が弾性変形するため、お椀型音源は微少距離を移動できる。このため、お椀型音源に打撃により伝わったエネルギが音源の変形に消費されないため、音源の振動が減衰し難くなり、音の余韻が長くなる。
本発明において、前記時計の外装ケースには、お椀型音源が移動した際に、前記音源固定部材の弾性変形域を超えない範囲で前記お椀型音源に当接してそれ以上の移動を規制するバックアップ部が設けられていることが好ましい。
ケース側にバックアップ部を設けたので、時計が落下した場合のように、大きな衝撃等でお椀型音源が移動した場合に、音源固定部材の弾性変形域を超えない範囲でお椀型音源にバックアップ部を当接させることができる。このため、音源固定部材が塑性変形域まで変形してしまうことを確実に防止でき、時計の耐衝撃性を確保することができる。
本発明において、前記お椀型音源が移動した後に、お椀型音源を元の位置に戻すセルフセンタリング機構を備えることが好ましい。
セルフセンタリング機構を備えているため、ハンマーで叩かれたお椀型音源を、元の位置に自動的に戻すことができる。このため、ハンマーと音源の側壁との距離が常に一定となり、ハンマーによってお椀型音源に加えられる打撃力が一定に維持されるため、音や余韻の発生状態も一定に維持できる。
なお、セルフセンタリング機構としては、ばねを利用したり、傾斜面およびお椀型音源の自重を利用したものなどが利用できる。
ここで、前記時計には、ハンマーの作動速度を調整するための調速装置が設けられていることが好ましい。
この調速装置としては、動力伝達手段を介して供給されるエネルギ蓄積手段のエネルギにより回転するロータと、前記ロータの回転軸に直交する翼平面を備えるとともに、ロータの回転による遠心力でロータの半径方向外周側に移動可能に設けられた翼と、前記ロータおよび翼間に配置されるとともに、前記翼をロータの半径方向内周側に引き戻す翼引き戻し手段と、前記ロータの外周に設けられ、かつ、前記翼がロータの半径方向外周側に移動した際に、その翼平面に対して所定の隙間寸法だけ離れて対向配置される対向面を備える対向物と、を備えるものが好ましい。
このような構成によれば、ゼンマイ等のエネルギ蓄積手段のエネルギは、歯車等の動力伝達手段を介してロータに伝達し、ロータは回転する。ロータが回転し始めると、翼はロータと共に回転し、回転速度に応じた遠心力を受ける。この遠心力が翼引き戻し手段の引き戻し力以下であれば翼は外周側に移動しないが、遠心力が引き戻し力以上になるとその差の分、翼はロータの回転軸から遠のく方向、つまりロータの半径方向外周側に移動する。
翼がロータの半径方向外周側に移動すると、翼には移動量に応じた流体粘性抵抗が加わる。すなわち、ロータ速度がある速度に達すると、速度に応じた遠心力を受けた翼が対向物と平面的に重なる。翼平面と対向物の対向面との距離を周囲の部材と翼平面との距離よりも小さい所定寸法に設定しておけば、翼が対向物と平面的に重なると、翼と対向物の間に翼と対向物が重なる前に翼の周囲に発生していた粘性抵抗より大きな粘性抵抗が働く。従って、粘性抵抗は翼と対向物が重なり始める速度を境に大きく変化する。つまり、翼は対向物の境界線(内周縁)付近で、ロータ速度増→翼移動量増→翼と対向物が重なり、粘性抵抗増→ロータ速度低下→翼引き戻される→翼と対向物の重なり無くなり、粘性負荷減→ロータ速度上昇、といった現象を繰り返す。
このため、翼に働く抵抗力がロータ速度に応じて刻々と変動することでロータは一定速度で回転する。従って、エネルギ蓄積手段が出力するエネルギと、翼に働く遠心力(翼重量、重心位置、増速比などで設定される)と、翼および対向物間の粘性流体(通常は空気だが液体でもよい)の粘度、翼引き戻し手段の引き戻し力等を適宜設定することで、ロータ速度に応じた翼の移動量を設定できる。このため、ある範囲内ではエネルギ残量の変化に影響されず、一定の速度でロータを駆動することができる。例えば、ゼンマイをエネルギ源とすると、トルクが急激に変化する手前まで巻き数の大部分の領域でロータ速度を一定に調速できる。
よって、エネルギ蓄積手段からロータまでの動力伝達経路中、またはロータ以降、もしくはロータへの動力伝達経路とは別経路でエネルギ蓄積手段から動力を受けるアクチュエータ、発電機などを配置した場合、前記調速装置によってロータ速度つまりはエネルギ蓄積手段におけるエネルギ供給速度(例えばゼンマイが解ける速度)が一定となるため、短期的に見ればアクチュエータや発電機の動作速度は変動するものの、一定期間中の回転総数は平均化され、ハンマー等のアクチュエータや発電機の動作を一定速度に制御できる。
このような調速装置によれば、次のような作用効果が得られる。
すなわち、この調速装置によれば、電子制御ではなく、機械的な制御によってエネルギ蓄積手段で駆動されるアクチュエータの作動速度をほぼ一定にできるので、制御回路やセンサ類を不要にでき、低コスト及び省スペース化を実現できる。また、機械式のため、電源が不要であり、リピータやソネリ機構搭載の機械式時計やオルゴールなど電源を持たない商品にも搭載できる。さらに、機械式で電源が不要なので、電子制御式機械時計に搭載した場合、発電調速機が発電した電力を使用する必要が無く、電力消費増大によって電子制御式機械時計の持続時間が短縮してしまうことを防止できる。
また、本調速装置は、流体粘性抵抗を利用する非接触式調速機のため、摩耗紛の発生が無く、装置の汚れや劣化を無くすことができる。そのため、摩耗紛による美観の劣化がなく、摩耗紛除去のための分解掃除や部品摩耗による部品交換、調整のメンテナンスサイクルを延長でき、メンテナンスコストも低減できる。
さらに、流体粘性抵抗を利用する非接触式調速機のため、雑音発生を防止できる。そのため、オルゴールやリピータ、ソネリ機構搭載の時計など、音色を楽しむための商品に搭載した場合、雑音発生が無いため、純粋に音源の音色を鑑賞できる。
さらに、ロータの回転方向は一方向にできるので、高速でロータを回転させても、往復運動のクラブツース脱進機などにみられる衝突部(ガンギと爪石、振り石とクワガタなど)の損傷、劣化を防止できる。
また、調速装置全体を薄型化でき、腕時計等の携帯機器にも容易に搭載できる。
粘性流体として空気を利用することもでき、空気を利用している場合には、粘性流体を密封するためのハウジングなどを設けなくてよいので、容易に小型化でき、ハウジングと軸とのシール構造によるロスも防止できる。
さらに、対向物に翼平面に対向する対向面を設けているので、翼に働く粘性負荷を大きくすることができる。このため、体積あたりの制動力の割合を大きくでき、調速装置及び調速装置を備えた機器を小型化できる。従って、増速輪列も増速比を小さくでき、その分、歯車の数を減らせるので、部品点数が減り、コスト低減を図れ、スペース効率も向上できる。
翼の外周側への飛び出し量は、遠心力つまりロータ速度に応じて変化するので、ロータ静止時の翼位置と対向物の間に前記ロータの半径方向の隙間を設けることで、ロータに働く粘性抵抗がある速度(翼が対向物と平面的に重なり始める速度)を境に大きく変化する。よって、翼は対向物の境界線(内周縁)付近で微小な変動を繰り返すことになる。従って、増速比、増速段数、エネルギ源の出力トルクのほか、前記半径方向の隙間を設定することでロータの速度を設定できる。
また、前記時計は、機械的エネルギ源と、前記機械的エネルギ源によって駆動されて誘起電力を発生して電気的エネルギを供給する発電機と、前記電気的エネルギにより駆動されて前記発電機の回転周期を制御する回転制御装置と、前記発電機の回転に連動して作動される時刻表示装置とを備える電子制御式機械時計であって、前記ハンマーを作動させるための機械的エネルギを蓄積するエネルギ蓄積手段と、このエネルギ蓄積手段のエネルギを前記調速装置に供給する動力伝達手段とを備え、前記打撃制御手段は、前記エネルギ蓄積手段から供給される機械的エネルギで駆動されて前記ハンマーを動作させることが好ましい。
この際、前記機械的エネルギ源およびエネルギ蓄積手段は、共に、ゼンマイを内蔵する香箱車などで構成できる。
このような電子制御式機械時計に前記お椀型音源を搭載した場合、時刻表示装置および調速装置とも雑音が発生しないため、機械式時計のように、脱進機のノイズもないことから、より純粋にお椀型音源の音色を聞くことができ、特に徐々に音圧が低下する余韻部分も十分に聞くことができる。
なお、電子制御式機械時計に前記お椀型音源を組み込む際に、前記香箱車は、指針駆動用(機械的エネルギ源)と音源作動用(エネルギ蓄積手段)とで別々のものを用いてもよいし、1つの香箱車を共用してもよい。例えば、ゼンマイの一端が接続される香箱車の回転を指針駆動用に利用し、ゼンマイの他端が接続されて前記香箱車とは逆方向に回転する角穴車を調速装置に供給して調速用に利用しても良い。この場合、持続時間は多少短くなるが、ゼンマイや香箱車の一部を省略でき、より小型化・薄型化を実現できる利点がある。
本発明によれば、腕時計のような小型でかつ携帯される時計内部にお椀型の音源を組み込むことができ、これまでの時計では得られない音色や余韻を実現できる時計を提供することができる。
〔第1実施形態〕
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の時計1を示す平面図である。時計1は、ベースとなる時計の文字板側にソネリ機構3が搭載されたものであり、このソネリ機構の動作に調速装置2が利用されたものである。
なお、時計1の指針を駆動するムーブメント(時計機構)は、機械式時計、アナログクオーツ時計、電子制御式機械時計のいずれのものを利用してもよい。但し、機械式時計では、テンプ・ヒゲゼンマイ・アンクル・ガンギからなる調速機による打刻音が発生し、アナログクオーツ時計では磁歪音・歯打ち音が発生し、ソネリ機構の音色を聞き取りにくい。このため、雑音が発生しにくい電子制御式機械時計を用いることが最も好ましい。
[調速装置の構成]
次に、調速装置2の構成について説明する。
調速装置2は、図2,3に示すように、ロータ200と、2枚の翼210と、翼引き戻し手段であるジグザグばね220と、対向物230とを備えて構成されている。
ロータ200は、地板5と輪列受け6との間に回転自在に配置されている。具体的には、ロータ200の上下のほぞ201部分が輪列受け6および地板5に組み込まれた各軸受ユニット240で受けられている。これらの軸受ユニット240は、ルビー等からなる中央の受石241、穴石242、およびこれらをガイドする真鍮性の受石ガイド243などで構成されている。
ロータ200は、前記ほぞ201が形成されたロータかな202と、このロータかな202に固定された翼案内板203とを備えている。
ロータかな202は小歯車であり、焼き入れした鋼製のものである。このロータかな202には、動力伝達手段である動力伝達輪列4の歯車が噛み合っている。動力伝達輪列4は、増速輪列であり、ゼンマイが内蔵された香箱車31に噛み合っている。このため、ロータ200は香箱車31から動力伝達輪列4を介して伝達される機械的エネルギによって回転される。
ロータかな202部分には、一対の翼案内板203が所定間隔離れて固定されている。ロータかな202に近接配置される翼案内板203は、ロータかな202部分に圧入固定され、もう一つの翼案内板203は、前記圧入固定された翼案内板203と翼ロック軸205とによって、ロータかな202に固定されている。翼案内板203は、ステンレスや真鍮製の薄板からなり、平面形状が円形とされている。
各翼案内板203には、ルビーなどの硬石製の翼軸穴石204が圧入固定されているとともに、鋼製の翼ロック軸205、鋼製のばね掛け軸206の両端がそれぞれ圧入固定されている。翼軸穴石204は、ロータかな202を中心に点対称の位置に設けられている。
翼軸穴石204には、翼210に圧入固定された鋼製の翼軸211の軸が組み込まれている。この翼軸穴石204には適宜注油され、翼軸211がスムーズに回転できるようにされている。
ばね掛け軸206には、前記ジグザグばね220が固定されている。
ジグザグばね220は、ステンレス薄板を加工して形成されたものであり、中央に設けられたばね位置決め部221と、このばね位置決め部221の各端部から延長され、ジグザグ状に形成されたジグザグばね部222とを備えて構成されている。
そして、ジグザグばね220は、ばね位置決め部221に形成された2つの穴を前記ばね掛け軸206に差し込むことで翼案内板203間に回り止めされて取り付けられている。なお、ばね位置決め部221の中央の穴には、ロータかな202が貫通されている。
翼210は、ステンレス製の薄板からなり、平面形状が略半月状であり、前記翼軸211を中心に回動可能に設けられている。翼210には、翼軸211よりも翼210の先端側の位置で、かつ、翼210の重心よりも翼軸211側の位置に、鋼製の翼ばね掛けピン212が圧入されている。この翼ばね掛けピン212には、前記ジグザグばね220のジグザグばね部222端部に形成されたリング部が引っ掛けられて取り付けられている。なお、翼ばね掛けピン212先端には、ジグザグばね220が外れることを防止するための鍔が形成されている。従って、翼210は、ジグザグばね220によってその先端側がロータ200の回転軸(ロータかな202)に近づく方向に引き寄せられている。
このため、ロータ200が停止している場合には、図2(A)に示すように、翼210は、ジグザグばね220のばね力によってロータ200の中心側に引き寄せられ、先端が翼ロック軸205に押し付けられている。
一方、ロータ200が回転すると、その回転数に応じた遠心力を受けた翼210は、ジグザグばね220に抗って翼軸211を中心に回転し、図2(B)に示すように、外側(ロータ200の半径方向外周側)に移動する。
この際、翼210には、翼軸211の近傍に係止突起213が形成されており、翼210の外側への移動は、係止突起213が前記ばね掛け軸206に当接する位置(角度)までに規制されている。従って、本実施形態では、係止突起213およびばね掛け軸206によって翼飛び出し過多防止手段が構成されている。
また、ロータ200の回転が下がると、翼210に働く遠心力も回転数の低下に応じて小さくなり、その分だけ翼210はジグザグばね220に引き戻される。
なお、翼210は、ロータかな202を中心に点対称位置に配置された翼軸穴石204に軸支されているので、ロータ200に対して重量バランスが保たれた位置に取り付けられている。
対向物230は、地板5に圧入固定された円筒状の支持部材231と、支持部材231の鍔上にスペーサ232を介在させて配置された2枚の対向板233と、前記支持部材231にねじ止めされて対向板233を支持部材231との間で挟持する固定ねじ234とを備えて構成されている。
各対向板233間の寸法は、その間に介在されるスペーサ232の厚さ寸法によって設定される。従って、本実施形態では、厚さ寸法の異なる複数種類のスペーサ232を用意しておき、スペーサ232を選択して取り付けたり、後から交換することで、前記対向板233間の寸法を適切な寸法に設定している。
ロータ200は、対向板233に形成された穴233A内に配置されている。対向板233の穴233Aは、ロータ200の回転軸と同心円である。
また、前記翼210が遠心力で外側に移動した際には、各対向板233間の隙間部分に配置されるように構成されている。この際、翼210は、各対向板233間の隙間の略中央に配置され、翼210と各対向板233間の隙間がそれぞれ略同一となるように構成されている。
また、本実施形態の翼210の外周形状は、図2に示すように、先端が翼ロック軸205に押し付けられている場合には、翼案内板203の外周内に納まり、翼210の外周が翼案内板203からはみ出ないように形成されている。
さらに、遠心力で翼210が外側に移動し、翼210の係止突起213がばね掛け軸206に当接する最外周位置まで移動した場合に、翼210の外周形状の一部が穴233Aと同心円となるように形成されている。すなわち、図2(B)に示すように、穴233Aと同心円の点線235に、翼210の外周の一部が重なるような形状とされている。
[調速装置の動作]
このような構成の調速装置2では、次のように動作して速度を制御する。
すなわち、動力伝達輪列4を介してロータ200が回転すると、翼210に遠心力が働き、翼210が翼案内板203の外側に飛び出して、対向板233間に入り込む。翼210の翼平面と対向板233の対向面間の隙間は小さいため、翼210は対向板233間に入る前に比べて大きな空気粘性抵抗を受ける。その空気粘性抵抗でロータ200の速度が低下すると遠心力が弱くなり、翼案内板203の外に飛び出していた翼210は、ジグザグばね220によって引き戻される。
そして、ロータ200の速度が低下し、翼210が対向板233間から翼案内板203側に引き込まれると、翼210に働いていた空気粘性抵抗も小さくなるため、再びロータ200の速度は上昇し、翼210が翼案内板203の外に飛び出して翼案内板203間に入り込む。このような挙動を微少に繰り返すことで、ロータ200はある一定の回転速度に保たれる。
なお、実際には、動力伝達輪列4の歯車の噛み合い効率の変化や、駆動する装置(本実施形態では後述するソネリ機構)の作動変化などにより、ロータ200に伝わる機械的エネルギは刻々と変化するため、それに応じてロータの速度も変化する。しかし、その都度、翼210には、速度に応じた遠心力が働き、飛び出し量が変化してロータ200の速度、すなわち装置の作動速度はほぼ一定に保たれる。
[ソネリ機構]
次に、本実施形態の調速装置2によって作動速度が調速されるソネリ機構3について説明する。
なお、ソネリ機構3の概略構成は、音源としてゴングではなくお椀型音源を用いている以外は、従来から知られているものと同様なので、説明を省略あるいは簡略する。
従来のソネリ機構の構成は、例えば、Francois Lecoultre著、「A guide to complicated watches」、159〜179頁に開示されている。
ソネリ機構3は、時計1のムーブメントの文字板側に配置されており、図1にも示すように、ソネリ用のエネルギ蓄積手段であるゼンマイが内蔵された香箱車31と、香箱車31の回転力を前記調速装置2に伝達する増速輪列である動力伝達輪列4と、音を鳴らすためのお椀型音源910と、このお椀型音源910を打つハンマー34と、時刻に応じた数だけハンマー34を動作してお椀型音源910を打つ制御を行う打撃制御手段35とを備えている。
香箱車31は、時計1の指針を駆動するための香箱車とは別に、ソネリ機構専用に用意されたものであり、竜頭36を巻真36Aの0段目にした状態で回すことで、内蔵されたゼンマイを巻き上げることができるように構成されている。
お椀型音源910は、金属製のお鈴からなり、ソネリ機構3の外周(時計のムーブメントの外周)に沿って配置され、ムーブメントに固定されている。この固定構造に関しては後で詳細に説明する。
ハンマー34は、焼き入れした鋼製の部材であり、お椀型音源910の側壁911を打つように構成されている。ハンマー34は、ハンマー34の軸34Aに回転自在に取り付けられたハンマートリップ341と、前記ハンマー34をお椀型音源910側に付勢するハンマーばね342によって動作される。すなわち、ハンマーばね342は、ハンマー34のピン343に当接し、ハンマー34をその回転軸34Aを中心に図1中反時計回り方向に付勢している。一方、前記ピン343には、ハンマートリップ341も当接している。ハンマートリップ341は、ソネリ機構3が作動していない場合は、後述する突起902によって図1の状態に維持されるため、ハンマー34もお椀型音源910から離れた位置で静止している。なお、ハンマートリップ341は、ハンマートリップばね344で図1中時計回り方向に付勢されている。
打撃制御手段35は、スクリューナット40と、数取り車50と、リリースレバー(以下RLとも言う)60と、アワー・リピーティング・ラック(以下HRRとも言う)70と、センターホイール(以下CWとも言う)80と、を備えて構成されている。
これらの構成のうち、アワーリピーティングラック70と、センターホイール80とは、従来のソネリ機構から改良された部分があるため、その点は詳細に述べるが、他の部分は従来の機構と同様のものであるため、説明を簡略する。
スクリューナット40は、分針を駆動する筒かな7と一体で回転するものであり、突起41によってリリースレバー60を駆動するように構成されている。
すなわち、筒かな7の外周には角取り部が形成され、中心に角穴のあいたスクリューナット40が文字板側から挿入されている。このため、スクリューナット40は、筒かな7(2番車=分針)と一体的に回転する。
スクリューナット40の外周部の突起41は、ベースのムーブメントが正時を指す(分針が12時位置を指す)少し前にリリースレバー60に接触し、リリースレバー60を図1中反時計回りに回転させる。
さらに、スクリューナット40の円板部にはピン42が突設されている。
数取り車50は、12枚の歯51Aが形成された星形歯車51と、回転中心からの長さが順次異なる12個の側面52Aを有する数取り板52とを備える。各側面52Aは、最も回転軸に近い側面の回転中心からの長さをL1とし、この長さL1とその次に近い側面の回転中心からの長さL2との差をΔLとした場合、長さL2=L1+ΔLであり、3番目に短い側面の回転中心からの長さL3は、L3=L1+2×ΔLである。
すなわち、各側面52Aの長さを、短い方向から順にL1〜L12とすると、Ln(nは1〜12)=L1+(n−1)×ΔLであり、ΔL毎、順次加算された長さに設定されている。
この数取り車50は、前記スクリューナット40のピン42が星形歯車51の歯51Aに係合することによって、1時間に1/12毎回転する。
リリースレバー60は、図4にも示すように、略Y字状に形成されたレバー本体61と、レバー本体61の一方の腕61Aの先端に取り付けられたビーク62と、レバー本体61の他方の腕61Bの先端に取り付けられたリリースレバークリック63と、レバー本体61に基端部が固定され、2本の線状弾性部がビーク62、リリースレバークリック63に係合されたリリースレバーばね64とを備えて構成されている。
このリリースレバー60は、回転軸65によって地板5に回動自在に取り付けられ、前記スクリューナット40の回転に伴い、図1中反時計回りに回転される。
ここで、ビーク62は、レバー本体61に対して回転自在に取り付けられ、前記リリースレバーばね64によって図4中反時計回り(A方向)に回転するように付勢されている。但し、図4に示すように、ビーク62がレバー本体61に当接する位置でその回転は規制されている。
一方、例えば、竜頭36の操作で分針を反時計回りに移動した場合など、ビーク62に図4中時計回り(B方向)の力が加わった場合には、ビーク62がB方向に回動し、その後、リリースレバーばね64の付勢力で元の位置に戻るようになっている。これにより、ビーク62つまりはリリースレバー60の破損を防止できる。
また、リリースレバークリック63は、リリースレバーばね64によって、図4中反時計回り(C方向)に回転するように付勢され、後述するようにセンターホイール80のリリースラチェット82の三角歯821に噛み合っている。
そして、リリースレバー60が反時計回りに回転された際には、リリースレバークリック63はリリースラチェット82の三角歯821を押し、リリースラチェット82を反時計回りに回転させる。
アワー・リピーティング・ラック(HRR)70は、数取り車50で表される現時刻を、お椀型音源910を打つ回数に相当するストロークに変換するとともに、ソネリ機構3の停止時は香箱車31の解け止めを行うものである。
HRR70は、図5にも示すように、地板5および輪列受け6間に回転自在に支持された回転軸71と、この回転軸71に圧入固定されたラック本体72と、ラック本体72に回転自在に取り付けられHRRクリック73と、回転軸71に案内されて前記HRRクリック73を付勢するHRRクリックばね74とを備えている。
ラック本体72は、前記回転軸71を中心とする円弧状に配置された歯75を備えている。また、この円弧部分の端部には、後述するようにセンターホイール80に当接してセンターホイール80の回転を規制する規制部76が設けられている。
HRRクリック73は、略T字形に形成され、前記数取り車50の各側面52Aに当接可能な端子部(時刻読み取り端子)731と、前記HRRクリックばね74に係合可能な2つの係止部732とを備えている。そして、HRRクリック73は、HRRクリック73に形成された長穴(トラック穴)733をラック本体72に圧入されたピンに挿入することでラック本体72に回転自在に取り付けられている。
HRRクリックばね74は、図6にも示すように、三角歯741を有するばねであり、この三角歯741の斜面には小さな凹部742が2箇所形成されている。そして、この凹部742に前記係止部732が嵌合することで、HRRクリック73の静止位置が決められている。
そして、HRRクリック73が前記数取り車50の側面52Aに接触している状態で、針合わせ操作を行い、数取り車50が回転して数取り板52がHRRクリック73の側面にぶつかった場合には、前記係止部732が凹部742から外れてHRRクリック73が回転できるので、HRRクリック73が破損することがない。
また、数取り車50のHRRクリック73への接触状態が解除されると、前記係止部732が三角歯741の斜面に案内され、係止部732が凹部742に嵌合する静止位置まで自動的に戻る。
また、HRR70は、地板5に固定されたHRR用ばね77によって、回転軸71を中心に図1中反時計回りの方向に付勢されている。
センターホイール(CW)80は、図7,8にも示すように、ドライビングローラ(以下DRoとも言う)81、リリースラチェット82、センターホイールピニオン(以下CWピニオンとも言う)83、リリースピン84、センターホイールリリースクリック(以下CWリリースクリックとも言う)85、センターホイールリリースクリックばね(以下CWリリースクリックばねとも言う)86、ギャザリングラックピニオン(以下GRPとも言う)87、ギャザリングラックピニオン位置決めピン(以下GRP位置決めピンとも言う)88、ドライビングラチェット(以下DRaとも言う)89、アワーラチェット90を備えて構成されている。
ドライビングローラ81は、円板811および軸812で構成されている。この軸812は、地板5および輪列受け6に回転自在に支持されている。
リリースラチェット82は、ドライビングローラ81の地板5側に配置され、前記軸812に回転自在に挿入されている。このリリースラチェット82は略円板状に形成され、その外周面には前記リリースレバー60のリリースレバークリック63が噛み合う三角歯821が形成されている。
センターホイールピニオン83は、リリースラチェット82の挿入後、その地板5側から前記軸812に圧入固定されている。センターホイールピニオン83は、円板状の歯車であり、図1に示すように、香箱車31からの回転を伝達する増速輪列32に噛み合っている。
リリースピン84は、リリースラチェット82に圧入され、ドライビングローラ81の円板811に形成された穴813に貫通して配置されている。なお、穴813は円板811の円周方向に所定長さを有する長穴とされている。
CWリリースクリック85は、ツバピン851でドライビングローラ81の円板811上に回転自在に取り付けられている。そして、CWリリースクリック85は、前記リリースピン84に係止可能な係止部852と、後述するドライビングラチェット89の三角歯891に噛合可能な爪部853とを備えている。
CWリリースクリックばね86は、ピン861でドライビングローラ81の円板811上に固定されている。このCWリリースクリックばね86の先端は、前記CWリリースクリック85に係合し、CWリリースクリック85をツバピン851を軸として時計回りに回転する方向に付勢している。
ギャザリングラックピニオン87は、外周に歯形が形成されているが、外周の一部には歯形が形成されていない無歯形部871が形成されている。ギャザリングラックピニオン87の中心には貫通孔が形成され、穴石872が圧入固定されている。このギャザリングラックピニオン87は、円板811の輪列受け6側から軸812に差し込まれて回転自在に支持されている。
GRP位置決めピン88は、ギャザリングラックピニオン(GRP)87に圧入され、かつ、ドライビングラチェット89及びアワーラチェット90にも挿入されている。従って、GRP位置決めピン88により、GRP87、ドライビングラチェット89、アワーラチェット90の位置が決められている。
ドライビングラチェット89は、ギャザリングラックピニオン87の地板5側に配置され、前記GRP位置決めピン88に圧入されて位置決めされている。このドライビングラチェット89の外周全周には三角歯891が形成されている。この三角歯891には、前記CWリリースクリック85の爪部853が噛合する。
アワーラチェット90は、ギャザリングラックピニオン87の輪列受け6側に配置され、前記GRP位置決めピン88に圧入されて位置決めされている。アワーラチェット90の外周の一部には12枚の三角歯901が形成されている。
さらに、アワーラチェット90には、ソネリ機構3が停止状態の際にハンマー34が動作することを禁止するハンマー鳴り止め用の突起902が形成されている。
[お椀型音源の固定構造]
次に、お椀型音源910のムーブメント11への固定構造に関して図9〜12を参照して説明する。
お鈴、梵鐘、和時計の鐘、目覚まし時計の鐘等のお椀型に形成されたお椀型音源910は、特に側壁911部分が振動して音を発生させるため、側壁部分を固定することはできず、お椀の底部912の中心で固定する必要がある。
さらに、本発明者が様々な試行を行ったところ、底部912の中心を固定する場合でも強固に固定してしまうとお椀型音源910全体の振動状態が規制されて余韻が短くなってしまうことが新たに判明した。
その上、腕時計のような小型の時計内に、お椀型音源910を組み込む場合、時計を小型化するために、お椀型音源910内にムーブメント11を配置する必要がある。ここで、アナログ時計のムーブメント11を用いた場合、お椀型音源910の底部912の平面中心位置は、アナログ時計の指針を駆動する軸の位置に一致してしまう。ムーブメント11における指針の駆動軸部分に、前記お椀型音源910を固定するためのネジ等を設けることができない。
そこで、本実施形態では、図9,10に示すように、お椀型音源910をムーブメント11に直接固定するのではなく、音源固定部材である音源固定板920を介して固定する新たな構造を採用している。
音源固定板920は、金属製の板材からなり、お椀型音源910の底部912の中心に固定される固定部921と、固定部921からムーブメント11の外周側に向かって突設された固定アーム部922とを備えている。
固定部921には、段付きの孔921Aが形成されている。そして、前記孔921Aからお椀型音源910の底部912の中心位置に形成された貫通孔912Aに音源固定ピン925を差し込み、音源固定ピン925の先端側をかしめることで、お椀型音源910の底部912の中心に音源固定板920を固定している。
固定アーム部922は、本実施形態では4本設けられている。この固定アーム部922の本数は4本に限定されないが、お椀型音源910の平面位置を容易に設定・保持できる点で、3本以上設けられていることが好ましい。
各固定アーム部922の先端部には、ムーブメント11に固定するための孔922Aが形成されている。
前記孔922Aには、図12に拡大して示すように、ムーブメント11側に設けられたピン923と、音源固定板スペーサ924とが挿入されている。音源固定板スペーサ924は、鍔付の円筒部材で構成されている。
そして、前記ピン923に音源固定板スペーサ924を挿通し、さらに音源固定板920の孔922Aを挿通した状態で、前記ピン923のネジ穴に固定ねじ926をねじ込むことで、音源固定板920が時計ムーブ受11Aを有するムーブメント11に取り付けられている。
この際、お椀型音源910の底部912を下方に配置し、ムーブメント11を上方に配置した場合、つまりお椀型音源910が自重で下方にさがっている場合には、前記音源固定板920の上面と音源固定板スペーサ924の鍔(フランジ)部分との間に寸法L1の隙間が生じ、かつ、孔922Aの内周面と音源固定板スペーサ924との間に寸法L2の隙間が生じるように各部材の寸法が設定されている。
この隙間寸法L1,L2は、例えば、0.01〜0.1mm程度に設定すればよい。この隙間が大きすぎるとハンマー34でお椀型音源910を叩いた場合等に、お椀型音源910が移動し過ぎてしまう。この場合、ハンマー34とお椀型音源910の側壁911との間隔が変化してハンマー34によってお椀型音源910に加えられる打撃力が変化し、それにより音色も変化してしまう。
一方、隙間寸法が小さすぎると、お椀型音源910が微少距離移動できなくなり、ハンマー34で打たれた際に、お椀型音源910に伝わったエネルギがお椀型音源910や音源固定板920の変形に消費されてしまい、お椀型音源910の振動が減衰してしまい、余韻が短くなってしまう。
これに対し、上記のように適切な隙間寸法に設定すれば、お椀型音源910が微少距離移動できるため、ハンマー34で打たれた際に、お椀型音源910に伝わったエネルギがお椀型音源910や音源固定板920の変形に消費されず、お椀型音源910の振動が減衰しにくくなり、余韻を長くすることができる。
なお、お椀型音源910の底部912には、前記固定ねじ926をピン923にねじ込む際に利用される貫通孔913がそれぞれ形成されている。
また、お椀型音源910の側壁911には、竜頭36の巻真36Aを挿通するための貫通孔914が形成されている。
なお、お椀型音源910やムーブメント11が内蔵される時計1の外装ケース1Aにも、前記巻真36Aを挿通するための貫通孔1Bが形成されている。
ここで、音源固定板920の固定アーム部922は、ばね性を有しており、お椀型音源910は、通常、音源固定板920以外の部品(ムーブメント11や外装ケース1A等)と接触せずに吊られている。すなわち、固定アーム部922のばね性(弾性力)は、通常の使用状態において、お椀型音源910がムーブメント11や外装ケース1Aに接触する位置まで移動することがないような強度(剛性)に設定されている。
一方、時計1が落下するなどで強い衝撃を受けた場合、ばね性を有する音源固定板920がお椀型音源910の重量を受けて変形する。この際、その変形量が音源固定板920の弾性変形域を超えてしまうと音源固定板920が塑性変形してしまう。
そのため、時計1の胴や裏蓋からなる外装ケース1Aには、お椀型音源910の移動を規制するバックアップ部930が設けられている。バックアップ部930は、例えば、板状の部材で構成され、ケース内周面において、お椀型音源910の周囲に90度間隔で4個配置されている。バックアップ部930は、お椀型音源910の外周面の形状に合わせて形成されて、お椀型音源910に対して所定の隙間寸法だけ離れた設けられた受け面931を備えている。
従って、時計1を落下させた場合など、お椀型音源910に大きな力が加わって前記お椀型音源910が移動しても、前記いずれかのバックアップ部930の受け面931にお椀型音源910が当接し、それ以上移動することを防止している。
[ソネリ機構の動作]
次に、このような構成のソネリ機構3の動作に関し、簡単に説明する。
通常の状態では、香箱車31の回転力(トルク)は増速輪列32を介してセンターホイール80に伝達され、CW80は図1中反時計回り方向に回転力を受けている。しかし、GRP87の無歯形部871とHRR70の規制部76とが押し付けられているので、CW50は回転せずに停止している。
一方、筒かな7が回転してスクリューナット40の突起41がビーク62に当接し、リリースレバー60が図1中反時計回りに回転すると、三角歯821に噛み合うリリースレバークリック63によってリリースラチェット82も回転する。すると、リリースピン84がドライビングローラ81の長穴813に沿って移動し、CWリリースクリック85をCW80の中心側に押し付けようとするCWリリースクリックばね86に抗って図1中反時計回り方向に回転させる。
これにより、ドライビングラチェット89の三角歯891に噛み合っていたCWリリースクリック85の爪部853が三角歯891から外れる。
爪部853が外れると、GRP87はドライビングローラ81に対して自由に回転可能になる。このため、アワーリピーティングラック70の歯75に噛み合っているギャザリングラックピニオン87は、撓められていたHRR用ばね77の力で図1中反時計回り方向に回転するHRR70により、HRRクリック73の先端が数取り車50の側面52Aに当接するまで図1中時計回り方向に瞬間的に回転する。
このときGRP87に固定されているアワーラチェット90は、外周の三角歯901でハンマー34の軸に回転自在に取り付けられたハンマートリップ341を弾きながら、時計回りに回転する。
HRRクリック73の先端が当接する数取り車50の数取り板52の外周は12分割され、中心から時刻に応じた距離を有する側面(辺)52Aが形成されている。従って、CWリリースクリック85がドライビングラチェット89から外れたときにセンターホイール80が回転する角度、つまりアワーリピーティングラック70が回転する角度は、数取り車50の回転位置によって決まる。
すなわち、数取り車50は数取り板52の下側に12本の歯51Aを持つ星形歯車51を有する。スクリューナット40は、筒かな(分針)7と一体になって1時間に1回転する際に、ビーク62に突起41が接触する前に、円板に圧入されたピン42が数取り車50の星形歯車51に係合し、数取り車50を1時間分(1/12回転=30度)だけ回転させる。このとき、星形歯車51は、三角歯のクリックが押し付けられているため、数取り車50はクリック感をもって回転し、位置決めされる。
ここで、CWリリースクリック85が外れた時、ハンマートリップ341を乗り越えていくアワーラチェット90の三角歯901の数は、数取り車50の示す時数と一致するように、ギャザリングラックピニオン87、アワーリピーティングラック70、数取り車50などの寸法が設定してある。
CWリリースクリック85が外れ、ギャザリングラックピニオン87との拘束から解放された時、ドライビングローラ81は香箱車31から増速輪列32、センターホイールピニオン83を介して伝達されるトルクで図1中反時計回り方向に回転を始める。
このドライビングローラ81の回転速度は、香箱車31の回転速度で設定され、香箱車31の回転速度は、前述したように調速装置2で調速され、非常にゆっくりした速度で回転する。
センターホイールピニオン83と一体のドライビングローラ81が回転すると、リリースレバークリック63に押されたままのリリースラチェット82はそのまま停止しているので、リリースピン84に押し上げられていたCWリリースクリック85はCWリリースクリックばね86のばね力で再びドライビングラチェット89に噛み合う。
これによりギャザリングラックピニオン87は、CWリリースクリック85に拘束され、ドライビングローラ81と一体になって反時計回り方向に回転する。
このとき、ハンマートリップ341を乗り越えたアワーラチェット90の三角歯901は、ハンマートリップ341に当たり反時計回り方向に回転する。ハンマートリップ341の回転に伴い、ハンマー34はハンマーばね342の付勢力に抗ってお椀型音源910から離れる方向に持ち上がる。そして、アワーラチェット90の回転に伴い、三角歯901とハンマートリップ341との係合が外れると、ハンマー34はハンマーばね342によってお椀型音源910側に戻り、お椀型音源910に打ち付けられる。
このお椀型音源910を打つ動作は、センターホイール80が回転してアワーラチェット90の三角歯901がハンマートリップ341に当たる度に行われるので、数取り車50の回転位置つまり数取り車50から読み取った時刻の時数分だけお椀型音源910が鳴らされる。従って、利用者は、鳴らされた音の数で時刻を知ることができる。
数取り車50から読み取った時刻の時数分だけお椀型音源910が鳴らされると、ギャザリングラックピニオン87の無歯形部871と、アワーリピーティングラック70の規制部76とが接触し、センターホイール80の回転が停止する。
この際、図1に示すように、アワーラチェット90の突起902がハンマートリップ341に当接し、ハンマートリップ341が反時計回り方向に回転することを防止している。このとき、ハンマートリップ341はハンマー34のピン343に当接し、ハンマー34をお椀型音源910から離れた位置に静止させている。このため、腕時計を携帯中に拍手したり、腕を強く振るなどした場合でも、ソネリ機構3が作動していない場合にお椀型音源910が鳴ることはない。
リリースレバー60は、筒かな7の回転により、ビーク62がスクリューナット40の突起41から外れると、ばね力によって時計回り方向に回転し、初期位置に戻る。
以上が、ソネリ(時打ち)機構3の一連の動作である。
[第1実施形態の効果]
以上のような構成の本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)本実施形態では、お椀型音源910の底部912の中心を、音源固定板920に固定するとともに、音源固定板920をムーブメント11に取り付ける際に、音源固定板920と音源固定板スペーサ924との間に所定の隙間寸法L1,L2を設定したので、ハンマー34でお椀型音源910を叩いた際に、音源固定板920は前記隙間寸法分の微少距離を移動できる。このため、お椀型音源910に打撃により伝わったエネルギが音源910や音源固定板920の部品の変形に消費されないため、音源910の振動が減衰し難くなり、音の余韻が長くなる。このため、音源としてゴングを用いた場合に比べて、特に余韻が長い音を発生させることができ、利用者は音の余韻を十分に鑑賞でき、緩やかで心地よい時の流れを感じることができる。
(2)音源固定板920をムーブメント11に取り付ける際に、固定部921を直接ムーブメント11に取り付けるのではなく、固定アーム部922の先端部分で取り付けているので、ムーブメント11の中心軸部分を避けて取り付けることができる。このため、音源固定板920を固定するためのピン923も、ムーブメント11において時計ムーブ受11Aの取り付けなどに設けられていたピンの長さ寸法を延長したものを利用でき、ムーブメント11において音源固定板920を取り付けるための新たなピンを用意する必要がない。このため、ムーブメント11における各部品のレイアウトを変更する必要が無く、ソネリ機構を備えない時計と共通のムーブメント11を利用することもできるので、コストを低減できる。
(3)音源固定板920は、固定部921から突設された固定アーム部922を備えてばね性を有しており、このバネの設定は、通常の携帯時の振動、衝撃ではケースやムーブメント11にお椀型音源910が接触しないように設定されているため、通常の使用状況においてお椀型音源910がケースなどに接触して音が鳴ってしまうことを防止できる。
(4)時計1を落下した場合などで衝撃が加わり、お椀型音源910が移動した場合に、ばね性を有していない音源固定板の場合には、音源固定板が直ちに塑性変形してしまう可能性が高くなる。
一方、本実施形態では、ばね性を有する音源固定板920を用いているので、お椀型音源910がある程度移動した場合でも、音源固定板920の弾性変形域を超えない限り、音源固定板920は、弾性変形によってお椀型音源910の移動による力を吸収し、元の状態に戻すことができる。
(5)さらに、本実施形態では、ケース側にバックアップ部930を設けたので、時計1の落下等でお椀型音源910が移動した場合に、音源固定板920の弾性変形域を超えない範囲でお椀型音源910に当接してその移動を規制することができる。このため、音源固定板920の塑性変形を確実に防止でき、時計1の耐衝撃性を確保することができる。
(6)お椀型音源910の内部にムーブメント11を配置しているので、腕時計のような小型の時計1においても、その内部スペースを効率よく利用することができる。その上、時計内部に収納するお椀型音源910のサイズを可能な限り大きくすることができ、その分、音の余韻も長くすることができる。
また、側壁911に、巻真36Aが挿通される貫通孔914を形成したので、お椀型音源910とムーブメント11とを上下方向にずらして配置する必要が無く、その分、時計1の厚さ寸法を押さえることができる。
さらに、側壁911を通して巻真36Aを配置する場合、側壁911に開口側から溝を形成して配置することも考えられるが、この場合、前記溝がお椀型音源910の振動状態に影響し、音が発生し難くなってしまう。これに対し、本実施形態では、側壁911に貫通孔914を明けるだけであるため、お椀型音源910の振動状態への影響を小さくでき、余韻のある音を発生させることができる。
(7)さらに、お椀型音源910を裏蓋などの外装ケース1A側に取り付けてしまうと、巻真36Aが貫通孔914および貫通孔1Bに挿通されているため、お椀型音源910および裏蓋を取り外すことが困難になる。これに対し、本実施形態では、お椀型音源910をムーブメント11に取り付けているので、ムーブメント11からお椀型音源910を取り外すことなく胴から裏蓋を取り外すことができ、組立やメンテナンス性を向上できる。
(8)本実施形態の調速装置2は、機械的な制御によって香箱車31で駆動されるソネリ機構3の作動速度をほぼ一定にできるので、制御回路やセンサ類を不要にでき、低コスト及び省スペース化を実現できる。また、調速装置2は、機械式で電源が不要なので、電子制御式機械時計1に搭載した場合、発電調速機が発電した電力を使用する必要が無く、電力消費増大によって電子制御式機械時計1の持続時間が短縮することを防止できる。
(9)調速装置2は、流体粘性抵抗を利用する非接触式調速機のため、摩耗紛の発生が無く、装置の汚れや劣化を無くすことができる。そのため、摩耗紛による美観の劣化がなく、摩耗紛除去のための分解掃除や部品摩耗による部品交換、調整のメンテナンスサイクルを延長でき、メンテナンスコストも低減できる。
さらに、流体粘性抵抗を利用する非接触式調速機のため、雑音発生を防止できる。そのため、ソネリ機構搭載の時計1において、雑音発生が無いため、純粋に音源の音色を鑑賞できる。
(10)調速装置2において、ロータ200の回転方向は一方向にできるので、高速でロータ200を回転させても、往復運動のクラブツース脱進機などにみられる衝突部の損傷、劣化を防止できる。
また、翼210を利用した調速装置2であるため、調速装置2全体を薄型化でき、腕時計1にも容易に搭載できる。
(11)粘性流体として空気を利用しているので、粘性流体を密封するためのハウジングなどを設けなくてよいので、容易に小型化でき、ハウジングと軸とのシール構造によるロスも防止できる。
(12)対向物230に翼平面に対向する対向面を設けているので、翼210に働く粘性負荷を大きくすることができる。このため、体積あたりの制動力の割合を大きくでき、調速装置2及び調速装置2を備えた時計1を小型化できる。従って、動力伝達輪列4も増速比を小さくでき、その分、歯車の数を減らせるので、部品点数が減り、コスト低減を図れ、スペース効率も向上できる。
(13)翼210の両側に対向板233を設けているので、翼210の両面で流体粘性抵抗による制動力が働き、片面のみに対向板233を設けた場合に比べて、調速装置2のロータ200や対向物230の平面サイズは同じにしたままで、制動力(ブレーキ力)を倍増できる。
また、翼210の両面に対向板233が設けられているので、あがきによって翼210が一方の対向板233側に寄ってその隙間寸法が小さくなっても、他方の対向板233との隙間寸法は大きくなるため、トータルでの粘性抵抗の変化は少なくなり、調速装置2の速度は安定し、機器の作動速度も略一定に維持できる。
(14)翼210の外側への飛び出し量を規制する翼飛び出し過多防止手段を設けたので、携帯中の衝撃など設定以上のトルクがロータ200に伝わったり、過度の力が翼210に加わるなどしても、翼210が設定位置以上に外側に飛び出すことがないため、翼210が他の部材に接触することを未然に防止することができる。さらに、翼飛び出し過多防止手段は、ばね掛け軸206および係止突起213で構成できるので、シンプルでかつ軽量、安価な構成にできる。
(15)翼210は、複数の翼は重量バランスが保たれる位置に配置されるので、翼210に粘性抵抗が働いても回転軸上でバランスが保たれ、ロータ200が傾いたり、コジリが生じたりすることを防止でき、ロータ200は安定した回転を持続できる。
(16)翼210の外周形状の一部は、翼210が最も外側に位置した状態でロータ回転軸に同心の円周に重なる形状とされているので、翼210が最も外側に位置した際の対向物230と翼210が平面的に重なる面積を最大にでき、かつ、周速度が一番高い翼外周部付近の面積が大きく取れるので、制動力を大きくできる。このため、調速装置2のサイズに対する制動力の比を大きくでき、省スペースでありながら、十分な制動力が得られる調速装置2を実現できる。
(17)翼引き戻し手段として、板状のジグザグばね220を用いたので、ばねの薄さと撓み量の大きさを両立でき、ロータ200および調速装置2を薄く形成できる。従って、翼210と重ねて配置しても全体を薄くでき、平面レイアウトの自由度を増すことができる。さらに、翼材料とばねを一体にすることもでき、部品コスト、組立コストを削減できる。
その上、ジグザグばね220は、2つの翼210に対応する2つのジグザグばね部222と、これらを連結するばね位置決め部221とで一体に形成されているので、位置決め用の部位が一組でよく、全体をコンパクトにでき、バネ製造の工数も減るため、組立や取扱いも容易になる。
(18)翼210は、略半月状であり、かつ、ロータ200に対して翼軸211を介して回転自在に軸支され、前記翼軸211は翼重心位置よりも翼の一方の端部側に形成されているので、翼をロータ200の半径方向に平行移動する場合に比べて、翼210の保持構造による摩擦抵抗が小さく、翼210をスムースに動かすことができ、調速装置2の回転速度を安定化できる。
(19)さらに、ジグザグばね220は、翼210の重心よりも翼軸211側に取り付けられているので、翼210が回転した際のばねの変位を小さくできる。このため、ばね220の設定がし易く、ばね220の伸び縮みがスムースになる。また、ジグザグばね220の回転方向の変位を小さくできるため、ジグザグばね220の捩れが少なく、容易に伸び縮みできる。さらに、リング状、C字状にしたばね220の先端を翼ばね掛けピン212に引っ掛けても、ばね220とピン212の摺動が少なく摩耗の心配がない。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図13に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態の音源固定板920とムーブメント11との固定構造を変更したものであり、その他の構成は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第2実施形態では、音源固定板920の孔922A部分に、ラバーブッシュ927が設けられている。
ラバーブッシュ927は、音源固定板920よりも弱いばね性、つまりより小さな力で変形する材料(ゴム)で構成されている。
従って、ラバーブッシュ927と音源固定板スペーサ924との間に、前記第1実施形態のような所定寸法の隙間が形成されていなくても、ハンマー34で叩かれた際にはラバーブッシュ927が変形するため、お椀型音源910に伝わったエネルギがお椀型音源910や音源固定板920の変形に消費されず、お椀型音源910の振動が減衰し難くなり、余韻を長くすることができる。
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図14に基づいて説明する。第3実施形態も、第1実施形態の音源固定板920とムーブメント11との固定構造を変更したものであり、その他の構成は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第3実施形態では、音源固定板スペーサ924と、音源固定板920との間に、針座などに利用されるリング状の板バネ928が介装されている。板バネ928は、りん青銅などかならるバネ材を曲面形状にクセ付けすることなどで構成されている。
このような本実施形態では、ハンマー34で叩いた際にお椀型音源910が音源固定板スペーサ924に対して微少距離移動しても、板バネ928のばね力で元の位置に戻される。すなわち、音源固定板スペーサ924がお椀型音源910の孔922Aの中心軸部分に、自動的に戻るセルフセンタリング構造とされている。
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
その上、板バネ928を設けてセルフセンタリング機構を実現しているため、ハンマー34で叩かれたお椀型音源910を、元の位置に自動的に戻すことができる。このため、ハンマー34と側壁911との距離が常に一定となり、ハンマー34によってお椀型音源910に加えられる打撃力が一定に維持されるため、音や余韻の発生状態も一定に維持できる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図15に基づいて説明する。第4実施形態も、第1実施形態の音源固定板920とムーブメント11との固定構造を変更したものであり、その他の構成は第1実施形態と同一であるため、説明を省略する。
第4実施形態では、前記音源固定板スペーサ924の代わりに、両端にフランジ929Aを有する音源固定板スペーサ929を設けている。
音源固定板スペーサ929の各フランジ929Aは、他のフランジ929Aに対向する面同士が、音源固定板スペーサ929の外周から中心軸に向かうにしたがって徐々に近接するように傾斜されて形成されている。
なお、音源固定板スペーサ929は、各フランジ929Aが設けられている部分で2分割されており、一方の音源固定板スペーサ929をピン923に挿通して配置した後、前記音源固定板920を挿入し、さらに、他方の音源固定板スペーサ929を一方の音源固定板スペーサ929に係合させ、さらにピン923に固定ねじ926をねじ込むことで、一体的に配置されている。
このような本実施形態では、お椀型音源910がハンマー34で叩いた際に音源固定板スペーサ924に対して微少距離移動すると、音源固定板920がフランジ929Aの傾斜面に乗り上げ、その後、音源固定板920の自重により前記傾斜面を滑り落ちる。従って、音源固定板スペーサ929によって、お椀型音源910が移動しても、元の位置に自動的に戻るセルフセンタリング機構が実現されている。
このような本実施形態においても、前記第1,3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
その上、音源固定板スペーサ929のフランジ929Aの傾斜面を利用し、お椀型音源910および音源固定板920の自重によってセルフセンタリングを行うことができる構造を採用しているため、ハンマー34でお椀型音源910を打った際には、お椀型音源910は容易に微少移動でき、かつ、打ち終わると、お椀型音源910は容易に元の位置に戻すことができる。このため、余韻の長さを十分に確保でき、音色も一定にできる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、図16に基づいて説明する。第5実施形態は、前記各実施形態のような板状の音源固定板920を用いずに、ムーブメント11にラバーブッシュからなる音源固定部材950をねじ951で固定し、この音源固定部材950をお椀型音源910の底部912の中心に固定したものである。
このような本実施形態においても、お椀型音源910をハンマー34で打った際には、音源固定部材950が変形してお椀型音源910が微少距離移動できるので、お椀型音源910に伝わったエネルギがお椀型音源910の変形に消費されず、音源910の振動を減衰しにくくでき、余韻も長くできるという前記各実施形態と同じ作用効果を奏することができる。
さらに、ラバーブッシュ製の音源固定部材950を用いているので、前記音源固定板920を用いる場合に比べてコストを低減できる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限らない。
音源固定板920としては、固定アーム部922が3本設けられたものや、5本以上設けられたものでもよく、その具体的な構造は、前記実施形態のものに限定されない。
また、バックアップ部930は、リブ状に突設されたものに限らず、例えば外装ケース1Aの内面をその全周に渡って前記お椀型音源910の外周面に沿った形状にすることで形成してもよい。さらに、バックアップ部930は、必ずしも必須の構成ではなく、バックアップ部930を設けない構成としてもよい。
さらに、音源固定板920をムーブメント11に固定する構造としては、前記各実施形態の構造を組み合わせてもよい。
例えば、第4実施形態の音源固定板スペーサ929を用いるとともに、この音源固定板スペーサ929と音源固定板920との間に第3実施形態の板バネ928を設けてもよい。この場合、いずれもセルフセンタリング機能を有しているため、セルフセンタリング機能を強化できる利点がある。
また、時計機構としては前記ムーブメント11に限定されず、例えば、液晶ディスプレイとIC等からなるデジタル表示式のモジュールで構成してもよい。但し、前記ハンマー34を作動させるための機構も組み込む必要はある。
さらに、本発明のお椀型音源910を有する時計としては、時打ち(ソネリ)機構を有するものに限らず、リピータ、アラーム、タイマーなどの機械的な打撃によって音を出す機構を有する各種の時計に本発明を適用できる。
次に、音源固定板920を介してお椀型音源910を固定した際の固定構造の相違による余韻の変化に関し、実際に評価した実施例について説明する。
本実施例では、前記第1実施形態のように、音源固定板スペーサ924と音源固定板920との間に所定寸法(実施例ではL1=L2=0.03mm)の隙間を設定した場合と、第2実施形態のようにラバーブッシュ927を配置して音源固定板スペーサ924と音源固定板920とで挟み込んだ場合と、音源固定板スペーサ924と音源固定板920との間に隙間は設定せずに固定ねじ926を緩く締めてガタにより音源固定板920を僅かに移動可能に設定した場合と、音源固定板スペーサ924と音源固定板920との間に隙間は設定せずに固定ねじ926で完全に固定し、音源固定板920を時計ムーブ受11Aに対して移動できないようにした場合の4種類の固定方法を評価した。
これらの各固定方法において、ハンマー34でお椀型音源910を打ってからの経過時間に伴う音圧の変化を図17のグラフに示す。
図17の「ボルト固定」の結果に示すように、音源固定板920を固定ねじ926で完全に固定した場合、音圧は短時間で一気に低下している。すなわち、高次の周波数で短時間だけ振動し、実際にも余韻は殆ど無い状態であった。
一方、音源固定板920の微少距離移動可能にした他の3つの固定方法では、高次の周波数振動の後、一次の周波数振動が比較的長く続き、実際にも余韻のある音が発生できた。特に、図17の「隙間設定」の結果に示すように、所定寸法の隙間を設定すれば、比較的音圧が高い状態で長く振動状態を継続でき、余韻を十分に長くすることができることが判明した。従って、本発明の有用性が確認できた。
本発明の第1実施形態による電子制御式機械時計におけるソネリ機構を示す平面図。 第1実施形態における調速装置を示す平面図。 第1実施形態における調速装置を示す断面図。 ソネリ機構のリリースレバーを示す平面図。 ソネリ機構のアワー・リピーティング・ラックを示す平面図。 ソネリ機構のアワー・リピーティング・ラックにおいてHRRクリックが回転した状態を示す平面図。 ソネリ機構のセンターホイールを示す平面図。 ソネリ機構のセンターホイールを示す断面図。 第1実施形態におけるお椀型音源の固定構造を示す分解斜視図。 第1実施形態におけるお椀型音源の固定構造を示す断面図。 第1実施形態における音源固定板を示す平面図。 第1実施形態におけるお椀型音源の固定構造の要部を示す拡大断面図。 第2実施形態におけるお椀型音源の固定構造の要部を示す拡大断面図。 第3実施形態におけるお椀型音源の固定構造の要部を示す拡大断面図。 第4実施形態におけるお椀型音源の固定構造の要部を示す拡大断面図。 第5実施形態におけるお椀型音源の固定構造を示す断面図。 実施例における実験結果を示すグラフ。
符号の説明
1…電子制御式機械時計、2…調速装置、3…ソネリ機構、4…動力伝達輪列、5…地板、6…輪列受け、7…筒かな、31…香箱車、32…増速輪列、34…ハンマー、35…打撃制御手段、40…スクリューナット、41…突起、42…ピン、50…数取り車、51…星形歯車、52…数取り板、60…リリースレバー、62…ビーク、63…リリースレバークリック、70…アワーリピーティングラック、73…HRRクリック、80…センターホイール、81…ドライビングローラ、82…リリースラチェット、83…センターホイールピニオン、84…リリースピン、85…CWリリースクリック、86…CWリリースクリックばね、87…ギャザリングラックピニオン、88…GRP位置決めピン、89…ドライビングラチェット、90…アワーラチェット、200…ロータ、203…翼案内板、205…翼ロック軸、206…ばね掛け軸、210…翼、211…翼軸、212…翼ばね掛けピン、220…ジグザグばね、221…ばね位置決め部、222…ジグザグばね部、230…対向物、232…スペーサ、233…対向板、341…ハンマートリップ、910…お椀型音源、911…側壁、912…底部、920…音源固定板、921…固定部、922…固定アーム部、923…ピン、924…音源固定板スペーサ、925…音源固定ピン、926…固定ねじ、927…ラバーブッシュ、928…板バネ、929…音源固定板スペーサ、930…バックアップ部、950…音源固定部材。

Claims (6)

  1. 時刻を計時して表示する時計機構と、
    ハンマーと、
    このハンマーの打撃によって音を鳴らすお椀型音源と、
    前記お椀型音源を前記時計機構に固定する音源固定部材と、
    前記ハンマーを動作させる打撃制御手段と、を備え、
    前記お椀型音源は底部と側壁部とを備え、
    前記ハンマー、打撃制御手段および時計機構の少なくとも一部は、前記お椀型音源の底部および側壁部で囲まれた内部空間に配置され、
    前記音源固定部材は、前記お椀型音源の底部の中心に取り付けられ、かつ、前記ハンマーでお椀型音源が打撃された際に、時計の外装ケースおよび前記時計機構に接触しない範囲で所定距離だけ移動可能に前記お椀型音源を前記時計機構に固定していることを特徴とする時計。
  2. 請求項1に記載の時計において、
    前記音源固定部材は、お椀型音源の底部に固定された固定部と、この固定部から突設された複数本の固定アーム部とを備えて構成され、
    前記固定アーム部は、時計機構に対して所定寸法の隙間を介して取り付けられ、この隙間によって前記お椀型音源は前記所定距離の移動が可能とされていることを特徴とする時計。
  3. 請求項1に記載の時計において、
    前記音源固定部材は、お椀型音源の底部に固定された固定部と、この固定部から突設された複数本の固定アーム部とを備えて構成され、
    前記固定アーム部はばね性を有し、かつ、時計機構に対して前記固定アーム部のばね性よりも弱いばね性のばね材を介して取り付けられ、前記ばね材が変形することによって前記お椀型音源は前記所定距離の移動が可能とされていることを特徴とする時計。
  4. 請求項1に記載の時計において、
    前記音源固定部材は、お椀型音源の底部に固定され、かつ、時計機構の平面中心部に取り付けられたラバーブッシュで構成されていることを特徴とする時計。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の時計において、
    前記時計の外装ケースには、お椀型音源が移動した際に、前記音源固定部材の弾性変形域を超えない範囲で前記お椀型音源に当接してそれ以上の移動を規制するバックアップ部が設けられていることを特徴とする時計。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の時計において、
    前記お椀型音源が移動した後に、お椀型音源を元の位置に戻すセルフセンタリング機構を備えることを特徴とする時計。
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