JP2008020096A - 誘導加熱式純水加熱装置および純水加熱方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】純水を汚染することなく効率良く加熱することができる誘導加熱式純水加熱装置を提供する。
【解決手段】吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成され純水と接触し得るサセプタ3と、磁束透過性の材料からなりサセプタ3を収納するとともに純水を通すように構成された容器2と、この容器2を囲繞する若しくは容器2と隣接する状態で配置される誘導コイル6と、を備えてなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成され純水と接触し得るサセプタ3と、磁束透過性の材料からなりサセプタ3を収納するとともに純水を通すように構成された容器2と、この容器2を囲繞する若しくは容器2と隣接する状態で配置される誘導コイル6と、を備えてなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、誘導加熱によって純水を加熱する誘導加熱式純水加熱装置および純水加熱方法に関するものである。
従来、半導体や液晶の製造工程においてウェハやガラス基板を洗浄するために純水が用いられており、半導体の製造が高度になるのに伴って超純水も使用されている。
これらの超純水を含む純水は、洗浄効果を高める場合に加熱され、加熱純水として使用される。
また、加熱純水は、上記した分野以外に例えば医療、食品分野においても被洗浄物の洗浄を目的として利用することができる。
加熱純水は、抵抗加熱、ランプ加熱、誘導加熱などの様々な加熱方式によって得ることができるが、その加熱装置には、加熱効率が高いこと、純水を汚染しないこと、保守が容易なこと等の各要件が求められる。
上記抵抗加熱を利用する装置としては、純水容器の外側に抵抗加熱ヒータを配置して純水を間接的に加熱する加熱装置や、純水容器の内部にヒータを投入して純水を直接加熱する加熱装置が知られている。
上記ランプ加熱に関しては、純水に赤外線ランプからの光を照射して純水を加熱する装置が知られている。
上記誘導加熱を利用する装置としては、水の通路内に電磁誘導で加熱される発熱体を収納した加熱装置が知られている。この発熱体としては例えば、ジグザクの山型に折り曲げられた第一金属板と平たい第二金属板とを交互に積層し全体として円筒状の積層体としたものがあり、上記金属板の材質はステンレス製から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、両端部がそれぞれ配管に接続されているステンレス鋼管からなる曲管を発熱体として設け、この発熱曲管を取り囲むようにしてその外側にコイルを配置し、そのコイルに高周波電流を流すことにより上記発熱曲管を発熱させ、その内部を流れる流体を加熱する加熱装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
さらにまた、ガラス状炭素製の誘導発熱体を用いた温水器も例示されている。この温水器は、連通孔を有する多孔質のガラス状炭素部品を誘導発熱体として用い、ガラス状炭素部品の内部に形成された空隙に水を通しつつ、ガラス状炭素部品を誘導発熱させることで水を加熱するようになっている(例えば、特許文献3)
特開平9−168797号公報
特開2001−235228号公報
実開平5−59155号公報
しかしながら、従来の抵抗加熱を利用して間接的に加熱する加熱装置では、容器それ自体に幾分、断熱効果があるため、高い加熱効率を望むことはできない。また、直接的に加熱する加熱装置についても、ヒータ材料によって純水が汚染されることを避けるため抵抗線を石英やフッ素樹脂でそのヒータ材料を被覆する必要があり、加熱効率の低下することが避けられない。
また、上記被覆材に破損が生じるとヒータ材料から発生する不純物が製品を汚染してしまうため、被覆材が摩耗するのを避けるにはヒータ温度をあまり高くすることができないという制約がある。加えて、被覆材の破損を防止するには破損が生じる前に被覆材を交換する必要があり、そのための点検作業を頻繁に行わなければならず、結果として加熱装置の保守が繁雑化する。
また、上記ランプ加熱は、発光効率と、水の光吸収係数との問題から、加熱効率はそれほど高くなく、しかも、ランプには寿命があるため保守点検が欠かせない。
また、上記誘導加熱を利用した加熱装置では、ステンレスによる金属汚染の可能性があり、極めて厳しい純度が要求される近年の超純水の加熱装置として使用するには改善の余地がある。
さらにまた、上記ガラス状炭素製の誘導発熱体を用いた加熱方法を純水加熱に適用することを試みたが、二つの改善すべき点が判明した。第一は加熱効率であり、第二は純水の汚染である。
まず、加熱効率に関し説明する。
物体を誘導加熱する場合、誘導電流はその物体の表面に近いほど大きく、内部にいくにつれて指数関数的に小さくなる。これを表皮効果という。
最表面の電流値を1としたとき、電流値が0.368となる深さを電気浸透深さ(δ、cm)といい、下記式(1)で算出される。
δ=5.03×(ρ/μf)1/2 式(1)
ただし、ρ:固有抵抗(μΩcm)
μ:比透磁率(非磁性体では1に等しい)
f:周波数(Hz)
ただし、ρ:固有抵抗(μΩcm)
μ:比透磁率(非磁性体では1に等しい)
f:周波数(Hz)
上記式(1)に、ガラス状炭素の一般的な固有抵抗の値4500(μΩcm)、周波数として例えば430kHzを代入すると、浸透深さδは0.51cmとなる。
すなわち、ガラス状炭素部品において誘導発熱するのはその表面からわずか深さ5mmまでの領域である。したがって、特許文献3に記載された発明のように、多孔質で且つ通水可能なほど肉厚の大きなガラス状炭素部品を誘導発熱させても、その部品の内部は発熱量が小さいため、水を効率良く加熱することが困難であることがわかる。なお、多孔質ガラス状炭素部品の厚さを5mm程度に薄くすると、加熱しようとする水のすべてを空隙に通過させることができなくなるため、大量の水の加熱には不向きとなる。
次に、純水の汚染について説明する。
純水を汚染する原因は多孔質のガラス状炭素を用いることに起因する。
ガラス状炭素は、一般にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の成形体を不活性雰囲気中で熱処理し炭素化することによって製造され、近年の熱硬化性樹脂と炭素化技術の進歩によりガラス状炭素の純度は極めて高い水準にある。しかしながら、原料としていかに高純度のものを使用しても、成形や炭素化、その他の製造工程で環境中から不純物元素が混入することを完全に防止することは難しい。
そこで、ガラス状炭素を誘導加熱させて純水を加熱する(純水と接触させる)ことを考えると、ガラス状炭素が含んでいる不純物がごくわずかであるが純水に移行する(純水を汚染する)。このような不純物の移行は、通常の温水器では問題にならないが、超LSI製造においては歩留まり低下などの弊害をもたらすことになる。
本発明は、上記した不純物の移行が、相対的に表面積が大きい多孔質のガラス状炭素部品を用いるときに顕著であることを見出すことによってなされたものであり、純水を汚染することなく効率良く加熱することができる誘導加熱式純水加熱装置および純水加熱方法を提供するものである。
本発明の誘導加熱式純水加熱装置は、吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成され、内部に純水を通すように構成された純水通過管と、この純水通過管を囲繞する若しくは上記純水通過管と隣接する状態で配置される誘導コイルと、を備えてなることを要旨とする。
本発明におけるガラス状炭素とは、実質的に気泡を含まない緻密な組織を意味する。
また、本発明の誘導加熱式純水加熱装置は、吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成され純水と接触し得るサセプタと、磁束透過性の材料からなり上記サセプタを収納するとともに上記純水を通すように構成された容器と、この容器を囲繞する若しくは上記容器と隣接する状態で配置される誘導コイルと、を備えてなることを要旨とする。
本発明においてサセプタとは、高周波磁場のエネルギを受けて発熱する部品・材料を意味する。
本発明において、上記サセプタとして、内部に純水を通過させ得る少なくとも一つの筒状部材、または純水と接触する状態で配置される少なくとも一つの円板状部材を有することができる。
本発明の純水加熱方法は、吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成された管内、または吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成されるサセプタを収納した容器内に純水を通過させ、上記管または上記容器を囲繞するか若しくは上記管または上記容器と隣接する状態で配置される誘導コイルに高周波電流を流すことにより、上記管または上記容器を流れる純水を加熱することを要旨とする。
吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成された管、または吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成されたサセプタを収納した容器に純水を通過させれば、超純水についても汚染することなく加熱することができる。
本発明の誘導加熱式純水加熱装置および純水加熱方法によれば、純水から超純水まで汚染することなく効率良く加熱することができる。
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
本発明の誘導加熱式純水加熱装置(以下、単に純水加熱装置と略称する)は、加熱対象の純水と、ガラス状炭素製誘導発熱体とを直接接触させて熱交換させることに特徴がある。
その熱交換させる純水加熱装置としては、
a.管状の加熱室(容器)内に誘導発熱体としてのサセプタを収納しその加熱室内に純水を流通させる第一の構成(請求項2)と、
b.誘導発熱体としての純水通過管それ自体を加熱室としその加熱室内に純水を流通させる第二の構成(請求項1)とが例示される。
a.管状の加熱室(容器)内に誘導発熱体としてのサセプタを収納しその加熱室内に純水を流通させる第一の構成(請求項2)と、
b.誘導発熱体としての純水通過管それ自体を加熱室としその加熱室内に純水を流通させる第二の構成(請求項1)とが例示される。
また、上記第一および第二の構成において、純水の汚染を低いレベルに抑えるための誘導発熱体の吸水率は、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%とする。
ガラス状炭素製誘導発熱体の肉厚は1〜5mmとすることが望ましい。1mm以下では機械的強度が低下する虞れがある。他方、5mm以上としても上述した表皮効果によって発熱効率の増大を期待できず、加えて炭素化工程において割れを生じさせないようにするには現実的な範囲で大きい昇温速度が求められるからである。
また、本発明の純水加熱装置は、誘導発熱体に純水を直接接触させて加熱するため、抵抗加熱やランプ加熱を用いた加熱方式よりも加熱効率を高めることができる。また、上記誘導発熱体は消耗することがないため、部品交換の手間を省略することができ、保守が容易になる。また、万一、誘導発熱体が破損しても純水を汚染することがないという利点もある。
一般に、ガラス状炭素は、例えばフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂成形体を通常、1000℃以上の温度に加熱して炭素化することにより製造される。
炭素として特徴的な性質は、概ね800℃以上の温度で炭素化することによって得られる。すなわち、800℃以上の温度で樹脂成形体を炭素化すると、誘導加熱の誘導発熱体として使用するのに差し支えない程度の導電性を得ることができる。
しかしながら、800℃程度の温度で炭素化したガラス状炭素を誘導発熱体として使用した場合、若干ではあるが、純水の汚染が生じることが確認された。
この原因について種々検討した結果、ガラス状炭素成形体が吸水性を有している場合に純水の汚染が生じやすいことが判明した。
吸水性と純水の汚染とは相関関係があり、吸水性が高まるにつれて純水の汚染、具体的には金属濃度が高まる。これは、吸水性が高いということは空隙等の存在によりガラス状炭素成形体の表面積が大きいからであり、表面積が大きいと不純物を内包している度合いが高くなり、この内包されている不純物が析出するからであると考えられる。
そこで、吸水率を0.5質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下とすることによって純水の汚染を抑制することが可能になる。
吸水率を0.5質量%以下に制御するには、炭素化処理温度を1400℃以上にすればよく、0.1質量%以下とするには1600℃以上にすればよい。
なお、上記吸水率は以下の測定方法することによって定義する。
すなわち、ガラス状炭素約10gを、目開き1mmのメッシュを通るように粉砕し、200℃の空気中で1時間乾燥させ秤量する。
次に、飽和した塩化ナトリウム水溶液上で、25℃において48時間放置したのち再度秤量する。
乾燥重量からの質量増加分(質量%)をもって吸水率とする。
また、本発明の純水加熱装置に係る第一の構成において、加熱室内に収納されるサセプタの形状については純水の流路に沿って配置される円筒形(円筒状サセプタ)とすることができるが、この円筒形は直管に限らず、例えばU字管のように曲げ部を有するものであってもよい。さらに、加熱室そのものについては特に制限はなく、管の他、例えば直方体の容器であってもよい。
さらにまた、円板状の誘導発熱体をサセプタ(円板状サセプタ)として使用することもできる。この場合、加熱室内を流れる純水の移動方向と交差する方向にそのサセプタを配置してもよい。また、上記円板状とは例えばプロペラの如くその一部に切欠きを有するものであってもよい。
なお、加熱室内に円筒状(または円板状)サセプタを配置する場合、収納されるサセプタは一つである必要はなく、複数のサセプタを収納することもできる。
なお、上記純水通過管およびサセプタは公知の方法によって製造することができる。
具体的には、原料としてフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用い、この熱硬化性樹脂を所定の形状に成形した後、それを炭素化するか、若しくは熱硬化性樹脂を炭素化したガラス状炭素成形体から所望の形状のガラス状炭素部品を機械加工により切り出すことによって製造することができる。
なお、フェノール樹脂以外にも例えばフラン樹脂、ポリイミド等を使用することができる。
また、サセプタを収納する加熱室の材質や形状については特に制限はないが、石英製あるいはポリフッ化エチレン製のパイプを使用することが好ましい。要するに、磁束を通過させることができる材料であればよい。
ガラス状炭素の原料として群栄化学工業製液状フェノール樹脂、PL−4804を使用した。なお、この原料の特性は、比重(at 25℃):1.198、粘度(cP,at 25℃):690、ゲル化時間(at 150℃):7分50秒、不揮発成分(%):72.5である。
上記フェノール樹脂を、内径30mm、長さ300mmの円筒金型を有する遠心成形機を用いて遠心成形し、外径29mm、長さ295mmの熱硬化性樹脂円筒管を得た。
この熱硬化性樹脂円筒管を250℃で50時間加熱して完全硬化させた後、窒素雰囲気中で1000℃ないし2000℃の異なる温度で5時間熱処理して炭素化させ、その結果、外径25mm、肉厚2mm、長さ250mmのガラス状炭素製円筒(後述する円筒状サセプタおよび純水通過管として使用する)を得た。
a.本発明の第一の構成
a−1.加熱室内に円筒状サセプタを収納する構成
図1に示す純水加熱装置1は、半導体洗浄用としての超純水を加熱する構成を示したものである。
a−1.加熱室内に円筒状サセプタを収納する構成
図1に示す純水加熱装置1は、半導体洗浄用としての超純水を加熱する構成を示したものである。
この純水加熱装置1は、外径40mm、内径30mm、長さ300mmのテフロン(登録商標)製パイプからなる加熱室(磁束透過性からなる容器)2を有し、この加熱室2内に円筒状に形成された円筒状サセプタ(筒状部材)3が収納されている。
すなわち、加熱室2とその加熱室2よりも径が小さい円筒状サセプタ3は、筒軸方向から見て同心円上に配置されている。
加熱室2の一方端は、純水入口部4aを備えたテフロン(登録商標)製の栓体4によって閉塞され、他方端は、純水出口部5aを備えたテフロン(登録商標)製の栓体5によって閉塞されている。
超純水は上記純水入口部4aから加熱室2内に供給され、加熱された純水は純水出口部5aから排出されるようになっている。
なお、円筒状サセプタ3は図示しない支持体によって加熱室2内に保持されており、この構成では、超純水は円筒状サセプタ3の内面側と外面側に分かれて流れる際に純水接触管3の内壁および外壁と接触し加熱される。
また、円筒状サセプタ3の両端を上記栓体4,5によって挟み込むことによってその純水接触管3を支持することもでき、この場合、純水は純水接触管3の内壁と接触し加熱される。
純水入口部4aには流量調節弁を介してポンプが接続されており、超純水製造装置によって製造された超純水を設定された流量で加熱室2に供給するようになっている。
また、加熱室2の外周には、外径φ6mmの水冷銅管を螺旋状に20回巻回してなる高周波誘導コイル6が設けられている。なお、螺旋状に形成された上記水冷銅管の内径は50mm、コイルピッチは10mmとした。
7は高周波誘導コイル6に接続されている高周波電源であり、8は加熱室2の入口側温度を測定する温度センサ、9は出口側温度を測定する温度センサである。
上記構成を有する純水加熱装置1を用い、水温25℃の超純水を2l/分の流速で加熱室2内に流しつつ、高周波誘導コイル6に対し周波数430kHz、出力2kW、電流5Aの条件で高周波電力を投入し、加熱室2入口側と出口側の水温をそれぞれ温度センサ8,9で測定し、さらに、出口側の水質、具体的には金属濃度をセイコーインスツルメンツ社製ICP質量分析装置SP9000SEで測定した。
表1は測定された水温、金属濃度を示したものである。なお、表中の番号は、異なる炭素化温度で作製された供試体の番号を示している。
表1からわかるように、ガラス状炭素の炭素化温度に関わらず、すべての供試体について超純水を80℃以上に加熱することが可能であった。
しかしながら、ガラス状炭素の吸水率が0.6〜3.2質量%である番号1〜3については、加熱された超純水に含まれる金属濃度が41〜610ppbと比較的高かった。
一方、吸水率が0.4質量%以下である番号4〜7については、加熱された超純水に含まれる金属濃度は8.3ppb以下となり極めて低い値を示した。それにより、加熱超純水として好適であることが確認できた。
超純水から析出される金属とは、具体的には、鉄、セレン、ニッケル、ナトリウム、銅等が示されるが、これらの金属は、ガラス状炭素原料の樹脂中に含まれているか、若しくは樹脂製造工程中において環境から混入したものと思われる。
また、番号5〜7に示すように吸水率が0.1質量%以下のガラス状炭素については金属濃度が0.4ppb以下となり、半導体製造において要求される超純水の金属濃度(1ppb)と略同等になり、超純水を汚染する虞れのないことを示している。
なお、1ppbは、1m3の水中に1μgの不純物がある場合の濃度である。また、出口純水の金属濃度は、加熱流通開始から10分後に測定したものである。
a−2.加熱室内に円板状サセプタを収納する構成
図2は上記加熱室2内に収納されるサセプタの変形例を示したものである。なお、同図において図1と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
図2は上記加熱室2内に収納されるサセプタの変形例を示したものである。なお、同図において図1と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
図2に示す円板状サセプタ3aはそれぞれ同じサイズのガラス状炭素製円板から構成されており、石英製円筒からなる加熱室2の管軸方向に配列されている。
詳しくは、純水を通過させることができる加熱室2の内部に、複数の円板状サセプタ3aを、その中心軸が加熱室2の中心軸と同軸となるように配置し、加熱室2の周囲に高周波誘導コイル6を巻回している。なお、各円板状サセプタ3aは、図示しない支持体によって加熱室2内に保持されている。
この構成では、高周波誘導コイル6より発生する高周波磁場によって円板状サセプタ3aが誘導発熱し、それにより加熱室2内を流れる純水が加熱されるが、円板状サセプタ3aは純水の流路に対して直交する方向に配置されているため、加熱室2内で乱流が発生し、円板状サセプタ3aと純水との熱交換効率を高くすることができる。
また、円板状サセプタ3aを、上述したように、吸水率が低く汚染の少ないガラス状炭素で構成すれば、純水への不純物混入を極力抑えることが可能になる。
b.本発明の第二の構成
純水通過管で加熱室を構成した場合
図3は上述した外径25mm、肉厚2mm、長さ250mmのガラス状炭素製円筒を加熱室として使用する純水加熱装置の構成を示したものである。
純水通過管で加熱室を構成した場合
図3は上述した外径25mm、肉厚2mm、長さ250mmのガラス状炭素製円筒を加熱室として使用する純水加熱装置の構成を示したものである。
同図において、純水加熱装置10は、ガラス状炭素製円筒からなる純水通過管で加熱室11を構成し、この加熱室11がそれ自体、誘導発熱体として機能するようになっている。
その加熱室10の一方端は、純水入口部12aを備えたテフロン(登録商標)製の栓体12によって閉塞され、他方端は、純水出口部13aを備えたテフロン(登録商標)製の栓体13によって閉塞されている。
超純水は上記純水入口部12aから加熱室11内に供給され、加熱された純水は純水出口部13aから排出されるようになっている。
また、加熱室2の外周には、外径φ6mmの水冷銅管を、内径50mm、コイルピッチ10mmで螺旋状に20回巻回し高周波誘導コイル14とした。
上記構成を有する純水加熱装置10を用い、水温25℃の超純水を2l/分の流速で加熱室11内に流しつつ、高周波誘導コイル14に対し周波数430kHz、出力2kW、電流5Aの条件で高周波電力を投入し、加熱室11の上流側と下流側の水温をそれぞれセンサ8,9で測定し、さらに、出口側の水質(金属濃度)を測定した。
表2は測定された水温、金属濃度を示したものである。
表2からわかるように、ガラス状炭素の炭素化温度に関わらず、すべての供試体に超純水を80℃以上に加熱することが可能であった。
しかしながら、ガラス状炭素の吸水率が0.6〜3.2質量%である番号8〜10については、加熱された超純水に含まれる金属濃度が16〜230ppbと比較的高かった。
一方、吸水率が0.4質量%以下である番号11〜14については、加熱された超純水に含まれる金属濃度は3.9ppb以下となり極めて低い値を示した。それにより、加熱超純水として好適であることが確認できた。
また、番号12〜14に示すように吸水率が0.1質量%以下のガラス状炭素については金属濃度が0.2ppb以下となり、半導体製造において要求される超純水の金属濃度(1ppb)と略同等になり、超純水を汚染する虞れのないことを示している。
なお、出口純水の金属濃度は、加熱流通開始から10分後に測定したものである。
また、図3に示した純水加熱装置の構成によれば、図1に示した構成に比べほぼ同じ加熱効率を得つつ、構造をシンプルにすることができる。
また、図1〜図3に示した構成では、加熱室の周囲に高周波誘導コイル6を巻回(囲繞)させたが、これに限らず、加熱室の近傍に高周波誘導コイル6を隣接させる構成であってもよい。
なお、上記第一および第二の構成の純水加熱装置は、半導体製造分野において半導体の洗浄用として、食品加工分野において食品容器等の洗浄用として、医療分野において検査装置や手術用具等の洗浄用としてそれぞれ使用することができる。
1 純水加熱装置
2 加熱室
3 円筒状サセプタ
3a 円板状サセプタ
4 栓体
4a 純水入口部
5 栓体
5a 純水出口部
6 高周波誘導コイル
7 高周波電源
8,9 温度センサ
10 純水加熱装置
11 加熱室
12 栓体
12a 純水入口部
13 栓体
13a 純水出口部
14 高周波誘導コイル
2 加熱室
3 円筒状サセプタ
3a 円板状サセプタ
4 栓体
4a 純水入口部
5 栓体
5a 純水出口部
6 高周波誘導コイル
7 高周波電源
8,9 温度センサ
10 純水加熱装置
11 加熱室
12 栓体
12a 純水入口部
13 栓体
13a 純水出口部
14 高周波誘導コイル
Claims (4)
- 吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成され、内部に純水を通すように構成された純水通過管と、この純水通過管を囲繞する若しくは上記純水通過管と隣接する状態で配置される誘導コイルと、を備えてなることを特徴とする誘導加熱式純水加熱装置。
- 吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成され純水と接触し得るサセプタと、磁束透過性の材料からなり上記サセプタを収納するとともに上記純水を通すように構成された容器と、この容器を囲繞する若しくは上記容器と隣接する状態で配置される誘導コイルと、を備えてなることを特徴とする誘導加熱式純水加熱装置。
- 上記サセプタとして、内部に純水を通過させ得る少なくとも一つの筒状部材、または純水と接触する状態で配置される少なくとも一つの円板状部材を有する請求項2記載の誘導加熱式純水加熱装置。
- 吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成された管内、または吸水率0.5質量%以下のガラス状炭素で構成されるサセプタを収納した容器内に純水を通過させ、上記管または上記容器を囲繞するか若しくは上記管または上記容器と隣接する状態で配置される誘導コイルに高周波電流を流すことにより、上記管または上記容器を流れる純水を加熱することを特徴とする純水加熱方法。
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