JP2008020049A - 自動変速機のシフト切換装置 - Google Patents
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【課題】パーキングブレーキの磨耗を回避できる、自動変速機のシフト切換装置を提供する。
【解決手段】ECUは、運転者による走行ポジションへのシフト操作を検出すると(S100にてYES)、車速Vを検出して(S200)、車速Vがしきい値V(0)よりも小さいと車両が停止していると判断するステップ(S300)と、車両が停止しているときであって(S300にてYES)パーキングブレーキが作動していると(S400にてYES)、運転者による走行ポジションへのシフト操作を破棄して非走行ポジションを維持するステップ(S500)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図7
【解決手段】ECUは、運転者による走行ポジションへのシフト操作を検出すると(S100にてYES)、車速Vを検出して(S200)、車速Vがしきい値V(0)よりも小さいと車両が停止していると判断するステップ(S300)と、車両が停止しているときであって(S300にてYES)パーキングブレーキが作動していると(S400にてYES)、運転者による走行ポジションへのシフト操作を破棄して非走行ポジションを維持するステップ(S500)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図7
Description
本発明は、自動変速機のシフトポジションを切換える装置に関し、特に、パーキングブレーキの作動状態に応じてシフトポジションを切換える、自動変速機のシフト切換装置に関する。
車両に搭載される自動変速機の中には、トルクコンバータなどの流体継手と歯車式変速機構とから構成される有段式の自動変速機や、油圧によって有効径を変化させる2つのプーリとそれらプーリに巻き掛けらた金属ベルトとから構成される無段式の自動変速機がある(なお、無段変速機にはベルト式以外のものもある)。
有段式の自動変速機は、エンジンと、トルクコンバータ等の流体継手を介して接続される。有段式の自動変速機は、複数の動力伝達経路を有してなる変速機構(歯車式変速機構)から構成され、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切換えを行なう、すなわち自動的に変速比(走行速度段)の切換えを行なうように構成される。有段式の自動変速機においては、摩擦要素である、クラッチ要素やブレーキ要素やワンウェイクラッチ要素が、所定の状態に係合および解放されることにより、ギヤ段が決定される。
無段式の自動変速機も、エンジンとトルクコンバータ等の流体継手を介して接続される。たとえばベルト式無段変速機は、金属ベルトと一対のプーリとを用いて、油圧によってプーリの有効径を変化させることで連続的に無段の変速を実現する。詳しくは、無端金属ベルトが、入力軸に取付けられた入力側プーリおよび出力軸に取付けられた出力側プーリに巻き掛けられて使用される。入力側プーリおよび出力側プーリは、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブをそれぞれ備え、溝幅を変えることで、無端金属ベルトの入力側プーリおよび出力側プーリに対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸と出力軸との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
このようないずれのタイプの自動変速機においても、一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるスライド式のシフトレバーが設けられ、シフトレバーのスライド操作に基づいて変速ポジション(たとえば、パーキングポジション(Pポジション)、後進走行ポジション(Rポジション)、ニュートラルポジション(Nポジション)、前進走行ポジション(Dポジション))が設定されている。
最近では、こうしたスライド式のシフトレバーによるシフト操作装置のみならず、いわゆるシフト・バイ・ワイア方式のシフト操作装置も知られている。こうした方式のシフト操作装置では、運転者のシフト操作をセンサやスイッチ(センサ類)によって検出し、その検出信号に応じて複数のポジションの中の1つのポジションを選択する構成となっている。さらに、このようなシフト・バイ・ワイア方式の場合には、シフトレバーはスライド式に限定されるものではなく、いわゆるジョイスティック方式の操作子やプッシュボタン方式の操作子の採用も提案されている。このジョイスティック方式の操作子では、運転者が前後左右にレバーを傾動させることでシフト操作が行なわれるようになっている。
また、車両には、車両の位置を保持するための駐車ブレーキ(パーキングブレーキ)が、備えられている。パーキングブレーキは、ケーブルやロッドで機械的に制動力を伝達している。パーキングブレーキの操作部は、一般的にはレバー式であるが、ペダル式もある。以下においては、レバー式のパーキングブレーキについて説明する。
パーキングブレーキは、操作部であるパーキングブレーキレバーと、ブレーキケーブル(またはブレーキロッド)と、パーキングブレーキ本体とから構成される。パーキングブレーキレバーは、その内部にラチェット機構を備え、パーキングブレーキレバーを引き上げた位置が保持されてパーキングブレーキ本体を作動させ続けることができる。なお、パーキングブレーキレバー先端のボタンを押すと、ラチェット機構の爪を爪車から離すことができ、パーキングブレーキレバーを元の位置まで下げてパーキングブレーキを解除することができる。
パーキングブレーキレバーを引き上げると、ブレーキケーブルまたはブレーキロッドが引かれて、パーキングブレーキ本体が作動する。パーキングブレーキレバーを元の位置まで下げると、パーキングブレーキ本体などに内蔵されたスプリングの力で、パーキングブレーキの作動状態が解除される。
パーキングブレーキ本体は、フットブレーキに使用されるドラムブレーキやディスクブレーキが共用されることが多いが、一部のディスクブレーキではパーキングブレーキ専用のドラムブレーキ本体を併設するものもある。
このパーキングブレーキは、車両の停止状態を維持するために運転者により操作される。このパーキングブレーキとシフトポジション(Pポジション)とに関連する技術が開示された以下の公報がある。
実開平3−6163号公報(特許文献1)は、エンジンがかかった状態で停止中でも、特定の条件のときには自動的にPポジションに切換えるようにして、安全性の向上を図ることを目的としたスイッチ式自動車用オートチェンジのパーキング装置を開示する。このスイッチ式自動車用オートチェンジのパーキング装置は、スイッチ操作によりアクチュエータで各ポジションを切換える手段を備えた自動車用オートチェンジにおいて、イグニッションスイッチがオンで車速が所定値以下であり、かつ、パーキングブレーキスイッチがオン、または着座検出スイッチがオフのときのいずれか一方を満足するときに、シフトポジションをPポジションに切換えることを特徴とする。
このスイッチ式自動車用オートチェンジのパーキング装置によると、イグニッションスイッチがオンで車速が所定値以下のとき、すなわち、エンジンがかかっている状態で停車中のときに、パーキングブレーキ検出スイッチがオン、つまり、パーキングブレーキが引かれているとき、または着座検出スイッチがオフのとき、つまり運転者が一時降車しているときのいずれか一方を満足するときに、シフトポジションがPポジションに切換えられる。したがって、パーキングブレーキの引きが甘いときや運転者が一時的降車したときでもPポジションに切換わるので、自動車が勝手に動き出すおそれがなくなり、安全性が向上するようになる。
実開平3−6163号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたスイッチ式自動車用オートチェンジのパーキング装置において、パーキングブレーキが引かれているときにPポジションに切換えられる。その後に、運転者がシフトポジションを走行ポジション(DポジションやRポジション)に切換えて車両が走行されると、パーキングブレーキが作動された状態で、車両が走行するので、パーキングブレーキが磨耗するという問題が発生する可能性がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、パーキングブレーキの磨耗を回避できる、自動変速機のシフト切換装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機のシフト切換装置は、運転者による操作に従った電気信号に基づいて、アクチュエータにより複数のシフトポジションの中から操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるためのシフト切換手段と、車両のパーキングブレーキの状態を検出するためのブレーキ検出手段と、操作に従って、シフトポジションを非走行ポジションから走行ポジションに切換える運転者の要求を検出するための検出手段と、シフトポジションを走行ポジションに切換える運転者の要求が検出されたときに、車両の走行状態についての予め定められた条件が満足されて、かつ、ブレーキ検出手段によりパーキングブレーキが作動状態であると判断されると、シフト切換手段を制御して、シフトポジションを走行ポジションに切換える運転者の要求を破棄して、シフトポジションを非走行ポジションに維持するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、シフト切換手段によりPポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジション(に加えて手動変速モードを選択するためのMポジションの場合もある)のいずれか1つのシフトポジションにアクチュエータにより切換えられる(いわゆるシフト・バイ・ワイア方式を採用した自動変速機)。運転者が非走行ポジションから走行ポジションへシフトポジションを切換えるように要求しても、車両の走行状態を考慮して(たとえば車両の走行状態が停止状態であるとき)、パーキングブレーキが作動中である場合には、運転者のシフト操作を破棄して、車両を走行させるシフトポジションに切換えない。これにより、パーキングブレーキが作動した状態で車両が前進したり後進したりすることがなくなるので、パーキングブレーキの磨耗を回避できる。その結果、パーキングブレーキの磨耗を回避できる、自動変速機のシフト切換装置を提供することができる。
第2の発明に係る自動変速機のシフト切換装置においては、第1の発明の構成に加えて、予め定められた条件は、車両が略停止状態であるという条件である。
第2の発明によると、車両が停止しているときであってパーキングブレーキが作動しているときに、シフトポジションを走行ポジションに切換えることを回避できる。
第3の発明に係る自動変速機のシフト切換装置は、第1の発明の構成に加えて、車両の走行状態が略停止状態で、かつ、ブレーキ検出手段によりパーキングブレーキが作動状態であると判断されると、シフト切換手段を制御して、シフトポジションが走行ポジションである場合には非走行ポジションに切換えるための手段をさらに含む。
第3の発明によると、運転者がパーキングブレーキを作動させた以上、運転者に車両を走行させる意思はないと判断できる。このため、走行ポジションであるシフトポジションを非走行ポジションに切換える。これにより、運転者がパーキングブレーキを作動状態に操作するだけでシフトポジションを非走行ポジションに切換えることができる。その結果、運転者のシフト操作を簡略化できる。
第4の発明に係る自動変速機のシフト切換装置においては、第1〜3のいずれかの発明の構成に加えて、走行ポジションは、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションのいずれかである。
第4の発明によると、パーキングブレーキが作動しているときに、シフトポジションを、非走行ポジションからDポジション(前進走行ポジション)またはRポジション(後進走行ポジション)に切換えることを回避できる。このため、パーキングブレーキが作動したまま車両が前進走行したり後進走行したりすることを回避して、パーキングブレーキの磨耗を回避できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置が適用される車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置を搭載した車両は、FF以外の車両であってもよく、6速でなくてもよい。また、自動変速機は以下に示すような遊星歯車式の有段自動変速機ではなく、ベルト式などの無段変速機であってもよい。また、この自動変速機は、シフト・バイ・ワイア方式のシフト操作装置を採用している。また、パーキングブレーキの操作部は、レバー式であるとして説明するが、レバー式以外のペダル式やその他の方式(電気信号によるプッシュボタン式等)であってもよい。なお、以下においては、手動変速モードを、マニュアルシフトモード、シーケンシャルシフトモードと区別しないで記載する。
車両は、エンジン1000と、トランスミッション2000と、トランスミッション2000の一部を構成するプラネタリーギヤユニット3000と、トランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。なお、内燃機関の代わりに外燃機関を用いても良い。また、エンジン1000の代わりに回転電機などを用いてもよい。
トランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。トランスミッション2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。プラネタリーギヤユニット3000については、後で詳述する。
ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結されている。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8005と、アクセルペダル8006のアクセル開度センサ8007と、ブレーキペダル8008に設けられたストップランプスイッチ8009と、油温センサ8010とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転数から車両の車速を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置(Pポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジション、手動変速モードを有する場合には、これらに加えてMポジション)は、ポジションスイッチ8005により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、トランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8007は、アクセルペダル8006の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。ストップランプスイッチ8009は、ブレーキペダル8008のオン/オフ状態を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。なお、ストップランプスイッチ8009の代わりに、ブレーキペダル8008のストローク量を検出するストロークセンサを設けてもよい。油温センサ8010は、トランスミッション2000のATF(Automatic Transmission Fluid)の温度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8005およびアクセル開度センサ8007、ストップランプスイッチ8009、油温センサ8010などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
なお、シフトレバー8004のポジションスイッチ8005からの信号は、SBW(Shift By Wire)−ECU9000を介してECU8000に入力される。さらに、ECU8000には、パーキングブレーキレバー8011に設けられたパーキングブレーキスイッチ8012からの信号が入力される。パーキングブレーキレバーを引き上げた位置が保持されてパーキングブレーキ本体が作動していると、ECU8000には、パーキングブレーキスイッチ8012からのオン状態の信号が入力される。パーキングブレーキレバー先端のボタンを引き下げてパーキングブレーキ本体が非作動の状態に切換えられると、ECU8000に入力されていたパーキングブレーキスイッチ8012からのオン状態の信号は、オフ状態に切換わる。
さらに、ECU8000は、パーキングブレーキスイッチ8012からのオン状態の信号が入力されたことに対応して、パーキングスイッチ作動表示灯8013を点灯させる。
なお、本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置は、このSBW−ECU9000により実現してもよい。この場合、車速センサ8002からの車速信号およびパーキングブレーキスイッチ8012からのパーキングブレーキ作動信号は、SBW−ECU9000に入力される必要がある。
図2を参照して、プラネタリーギヤユニット3000について説明する。プラネタリーギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリーギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と係合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と係合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と係合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。「○」は係合を表している。「×」は解放を表している。「◎」はエンジンブレーキ時のみの係合を表している。「△」は駆動時のみの係合を表している。この作動表に示された組合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
B2ブレーキ3620と並列にワンウェイクラッチF3660が設けられているため、作動表に「◎」で示されているように、1速ギヤ段(1ST)形成時のエンジン側からの駆動状態(加速時)にはB2ブレーキ3620を係合させる必要は無い。本実施の形態において、ワンウェイクラッチF3660は、1速ギヤ段の駆動時には、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止する。エンジンブレーキを利かせる場合、ワンウェイクラッチF3660は、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止しない。
この自動変速機は、シフト・バイ・ワイア方式を採用し、図4に示すような、シフトレバー8004が溝に摺動して移動されるシフトレバー操作部を備える。シフトレバー8004が運転者により溝に沿って移動操作されることにより、Pポジション→Rポジション→Nポジション→Dポジション、Dポジション→Nポジション→Rポジション→Pポジションとシフトポジションが切換えられる。ECU8000には、Pポジション、Rポジション、Nポジション、Dポジションのいずれのシフトポジションであるのかを示すシフトポジション信号が入力される。
また、この自動変速機が手動変速モード(マニュアルシフトモード、シーケンシャルシフトモード)を有する場合には、ECU8000には、シーケンシャルシフト信号が入力される。本実施の形態に係る車両は、図4に示すようなシーケンシャルシフトパターンを有するシーケンシャルシフトマチック機構を搭載したシフトレバー操作部を備える。
ここで、シーケンシャルシフトマチック機構とは、シフトレバーをDポジション横に設定したMポジションに切換えて、さらに、シフトレバーをアップシフト部(+側)まで前へ押すとアップシフト(+)し、ダウンシフト部(−側)まで後へ引くとダウンシフト(−)し、マニュアル感覚の操作が可能な機構である。シーケンシャルシフトマチック機構において、運転者がシフトレバーを操作していない場合には、中立位置であるMポジションの位置に戻る。なお、シーケンシャルシフトマチック機構を備える場合には、ステアリングホイールの背面(車両前方側)にパドルシフトスイッチを設けてもよい。
図6を参照して、本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置の機能ブロック図について説明する。
図6に示すように、シフト切換装置は、制御部である演算ユニット部と、この演算ユニット部に接続された、(1)車速を検出する車速検出部、(2)シフト切換部(P、R、N、D、Mの複数のシフトポジションの中から1つのシフトポジションに切換え)からの信号を受けるシフトポジション検出部、(3)操作部であるパーキングブレーキレバー近傍に設けられたパーキングブレーキスイッチからの信号を受けるパーキングブレーキ検出部(4)シフトポジションを切換えるためのシフト切換アクチュエータとを含む。
演算ユニット部は、シフトポジションをDポジションやRポジションに切換えることを許可する条件を判断する切換条件判断部と、パーキングブレーキの作動状態を判断する入力判断部と、切換条件判断部および入力判断部からの信号を受けるシフトポジション切換判断部とを含む。
切換条件判断部は、車両の走行状態についての条件である車速に基づいて車両が停止しているか否かを判断する車両停止判断部と、シフトポジションについての条件である運転者が非走行ポジションから走行ポジションへのシフトポジションの切換えを要求したか否かを判断(特にDポジションやRポジションへの切換え要求があるか否かを判断)するシフトポジション切換要求判断部とを含む。切換条件判断部は、車両の走行状態と運転者の非走行ポジションから走行ポジションへのシフト切換え要求とに基づいて、シフトポジション切換判断部に条件の成立(車両停止かつ切換え要求あり)/非成立(車両非停止または切換え要求なし)の判断を与える。
シフトポジション切換判断部は、切換条件判断部において条件が成立しているとの判断(車両停止かつ切換え要求あり)および入力判断部を介してパーキングブレーキ検出部から入力された信号の状態に基づいて、シフトポジションを非走行ポジションから走行ポジションに切換えるか否かを判断して、切換える時には(パーキングブレーキが非作動)、シフト切換アクチュエータに切換信号を出力する。なお、シフトポジション切換判断部は、切換えない時には(パーキングブレーキが作動)、シフト切換アクチュエータに切換信号を出力しない。
さらに、切換条件判断部においては、車両停止判断部において車両が停止していると判断され、かつ、入力判断部においてパーキングブレーキが作動状態であると判断されると、シフトポジション切換要求判断部で非走行ポジションへの切換え要求があると判断されなくても、シフトポジション切換判断部で非走行ポジションへ切換えると判断して、シフト切換アクチュエータに非走行ポジションへの切換信号を出力する(後述する変形例に対応するものである)。
このような機能ブロックを有する本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECUに含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとしてシフト切換装置を実現した場合を説明する。
図7を参照して、本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置であるECU8000において実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、上述したように、このプログラムはSBW−ECUにおいて実行されてもよい。さらに、このフローチャートで示されるプログラムは、予め定められたサイクルタイム(たとえば80msec)で繰返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU8000は、運転者による走行ポジション(前進走行のDポジション、後進走行のRポジション)へのシフト操作を検出したか否かを判断する。このとき、ECU8000は、ポジションスイッチ8005から入力されたシフトレバー8004の位置を示す信号に基づいて、シフトレバー8004の動きに基づいてシフト操作を検出して、走行ポジションへのシフト操作の有無を判断する。運転者による走行ポジション(Dポジション、Rポジション)へのシフト操作を検出すると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、この処理は終了する。
S200にて、ECU8000は、車速Vを検出する。このとき、ECU8000は、車速センサ8002から入力された車速信号に基づいて、車速を検出する。
S300にて、ECU8000は、検出された車速Vが極低速のしきい値V(0)よりも小さいか否かを判断する。このとき、しきい値V(0)として、略零の正の値が設定されるので、車両が停止しているか否かを判断することになる。車速Vがしきい値V(0)よりも小さいと車両が停止していると判断されて(S300にてYES)、処理はS400へ移される。もしそうでないと(S300にてNO)、この処理は終了する。
S400にて、ECU8000は、パーキングブレーキ信号がオン状態であるか否かを判断する。このとき、ECU8000は、パーキングブレーキスイッチ8012から入力された信号(オン/オフ)に基づいて、パーキングブレーキ信号の状態を判断する。パーキングブレーキ信号がオン状態であると(S400にてYES)、処理はS500へ移される。もしそうでないと(S400にてNO)、処理はS600へ移される。
S500にて、ECU8000は、運転者による走行ポジション(Dポジション、Rポジション)へのシフト操作を破棄する。なお、このとき、警告灯を点灯(たとえば、パーキングスイッチ作動表示灯8013を点滅)させたり、警告音を鳴らしたりしてもよい。運転者にパーキングブレーキが作動状態であって、走行ポジションへのシフト操作がキャンセルされたことを報知するためである。
S600にて、ECU8000は、運転者による走行ポジション(Dポジション、Rポジション)へのシフト操作を実行する。このとき、シフトポジションインジケータが、たとえば「P」から「D」や「R」に変化する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態に係る自動変速機のシフト切換装置の動作について説明する。
運転者が非走行ポジションから走行ポジションへのシフト操作を行なうと(S100にてYES)、車速が検知されて(S200)、車速に基づいて車両が停止していると判断され(S300にてYES)かつパーキングブレーキが作動状態であると(S400にてYES)、運転者のシフト操作にかかわらず、シフトポジションが走行ポジション(Dポジション、Rポジション)に切換えられない。
以上のように、シフト・バイ・ワイア方式を採用した自動変速機において、運転者が非走行ポジションから走行ポジションへシフト操作を行なっても、パーキングブレーキが作動中である場合には、運転者のシフト操作を破棄して、車両を走行させない。これにより、パーキングブレーキが作動した状態で車両が前進したり後進したりすることがなくなるので、パーキングブレーキの磨耗を回避できる。
<変形例>
なお、上述した制御に加えて、以下のような制御を加えてもよい。
なお、上述した制御に加えて、以下のような制御を加えてもよい。
車両が停止状態であって、かつ、パーキングブレーキが作動状態であることが検出されると、シフトポジションが走行ポジションであるときには非走行ポジションに切換えるように制御する。
このようにすると、運転者がパーキングブレーキを作動させた以上、運転者に車両を走行させる意思はないと判断できるので、シフトポジションを非走行ポジションに切換える。これにより、運転者がパーキングブレーキを作動状態に操作するだけでシフトポジションを切換えることができ、運転者のシフト操作を簡略化できるとともに、車両を走行させる意思がないときにシフトポジションを非走行ポジション(Pポジション)に切換えることを忘れてもシフトポジションを切換えることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1000 エンジン、2000 トランスミッション、3000 プラネタリーギヤユニット、4000 油圧回路、5000 ディファレンシャルギヤ、6000 ドライブシャフト、7000 前輪、8000 ECU、9000 SBW−ECU。
Claims (4)
- 車両に搭載された自動変速機のシフト切換装置であって、
運転者による操作に従った電気信号に基づいて、アクチュエータにより複数のシフトポジションの中から前記操作に対応する1つのシフトポジションに切換えるためのシフト切換手段と、
前記車両のパーキングブレーキの状態を検出するためのブレーキ検出手段と、
前記操作に従って、シフトポジションを非走行ポジションから走行ポジションに切換える運転者の要求を検出するための検出手段と、
前記シフトポジションを走行ポジションに切換える運転者の要求が検出されたときに、前記車両の走行状態についての予め定められた条件が満足されて、かつ、前記ブレーキ検出手段により前記パーキングブレーキが作動状態であると判断されると、前記シフト切換手段を制御して、前記シフトポジションを走行ポジションに切換える運転者の要求を破棄して、シフトポジションを非走行ポジションに維持するための制御手段とを含む、自動変速機のシフト切換装置。 - 予め定められた条件は、前記車両が略停止状態であるという条件である、請求項1に記載の自動変速機のシフト切換装置。
- 前記自動変速機のシフト切換装置は、前記車両の走行状態が略停止状態で、かつ、前記ブレーキ検出手段により前記パーキングブレーキが作動状態であると判断されると、前記シフト切換手段を制御して、前記シフトポジションが走行ポジションである場合には非走行ポジションに切換えるための手段をさらに含む、請求項1に記載の自動変速機のシフト切換装置。
- 前記走行ポジションは、前進走行ポジションおよび後進走行ポジションのいずれかである、請求項1〜3のいずれかに記載の自動変速機のシフト切換装置。
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JPH06137415A (ja) * | 1992-10-23 | 1994-05-17 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 変速機の発進制御装置 |
JPH09242867A (ja) * | 1996-03-04 | 1997-09-16 | Kubota Corp | 作業機の伝動装置 |
-
2006
- 2006-07-14 JP JP2006194537A patent/JP2008020049A/ja active Pending
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