JP2008018822A - ハブユニット軸受 - Google Patents

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Takashi Sakaguchi
尚 坂口
Toru Takehara
徹 竹原
Takeshi Saito
剛 齋藤
Hiroyuki Uchida
啓之 内田
Tatsuo Wakabayashi
達男 若林
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Abstract

【課題】良好なフランジ振れ精度を長期にわたり維持可能なハブユニット軸受を提供する。
【解決手段】ハブユニット軸受1は、車輪取り付け用フランジ6を有すると共に中心軸部の外周面に内輪3を一体化させたハブ2と、ハブ2の内輪3に転動体5を介して連結される外輪4とを備える。そして、少なくとも車輪取り付け用フランジ6のブレーキロータとの対向面には、非鉄のショット材(例えば、ブレーキロータに対して潤滑効果を持つ固体潤滑材)を用いたショットピーニングにより金属被膜が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輪側部材取付用のフランジ部を有するホイール用のハブユニット軸受に関するものである。
従来、ディスクブレーキのロータをブレーキパッドで挟持して制動を行う際に発生するブレーキジャダーと呼ばれる振動騒音現象の対策として、ブレーキロータ面の振れ精度を向上させる技術が進められている。
ブレーキロータ面の振れ精度の向上に関しては、以前よりアクスルAssy組立後のブレーキロータ面の二次加工などの方法がとられてきたが、ブレーキロータとタイヤとは同じハブボルトでハブフランジに組みつけられているため、タイヤ交換の際にブレーキロータの締結が外される状態となり、再組付けの際の位相差によりフランジ振れ精度が悪化する場合がある。そこで、最近では、ブレーキロータとハブフランジとをランダムに組み立てても、良好なフランジ振れ精度が得られるような工夫がなされてきた。
ハブフランジを軸受と一体化したホイール軸受ユニットにおけるフランジ振れ精度の向上方法として、ハブフランジ面を、ハブボルト圧入後に仕上げ加工した二次切削面とするというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、ハブボルト圧入によるフランジ振れ精度への影響を実質的にゼロに抑制している。
特開2003−154801号公報
ところで、泥水に晒され、ホイールに駆動力、制動力、車体の荷重を伝達し、ブレーキロータからは制動力が入力されるハブフランジ面には、フレッチング摩耗が発生しやすく、このフレッチング摩耗によってフランジ振れ精度が悪化することがわかっている。
上記特許文献1に記載のホイール軸受ユニットにあっては、初期品質としてのフランジ振れ精度を確保することができるものの、ハブフランジ面のフレッチング摩耗の発生を抑制することはできないため、このフレッチング摩耗に起因するフランジ振れ精度の悪化を抑制することができず、長期にわたるフランジ振れ精度の維持は困難である。
また、フランジ面のフレッチング摩耗対策として鍍金や塗膜が考えられるが、ホイール用軸受ユニットにおいて、ハブフランジ面を持つ部材の一部には軌道面が形成され、軌道面部には軸受として適切な熱処理と高精度な研磨加工が施されているため、鍍金後の水素除去ベーキングや焼付け塗膜による加工は好ましくない。
そこで、本発明は、良好なフランジ振れ精度を長期にわたり維持可能なハブユニット軸受を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に係るハブユニット軸受は、外周面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、前記内方部材及び前記外方部材の何れかに車輪側部材を固定するフランジ部が形成されたハブユニット軸受であって、少なくとも前記フランジ部の車輪側部材と対向する面に、非鉄のショット材を用いたショットピーニングによる金属被膜が形成されていることを特徴としている。
また、請求項2に係るハブユニット軸受は、請求項1に係る発明において、前記ショット材は、前記車輪側部材の材質に対して潤滑効果を持つ固体潤滑材であることを特徴としている。
さらに、請求項3に係るハブユニット軸受は、請求項1に係る発明において、前記ショット材は、前記フランジ部の材質に対して防錆効果を持つ当該フランジ部の材質より貴な金属であることを特徴としている。
また、請求項4に係るハブユニット軸受は、請求項1に係る発明において、前記ショット材は、前記フランジ部の材質に対して犠牲防錆効果を持つ当該フランジ部の材質より卑な金属であることを特徴としている。
さらにまた、請求項5に係るハブユニット軸受は、請求項1に係る発明において、前記ショット材は、亜鉛及び亜鉛系合金の何れかであることを特徴としている。
また、請求項6に係るハブユニット軸受は、請求項1に係る発明において、前記金属被膜は、異なる複数のショット材による複層構造であることを特徴としている。
さらに、請求項7に係るハブユニット軸受は、請求項6に係る発明において、前記金属被膜は、軟質な金属層の上に硬質な金属層が形成された2層構造であることを特徴としている。
また、請求項8に係るハブユニット軸受は、請求項6に係る発明において、前記金属被膜は、前記フランジ部の材質より卑な金属層の上に、前記フランジ部の材質より貴な金属層が形成された2層構造であることを特徴としている。
さらにまた、請求項9に係るハブユニット軸受は、請求項1に係る発明において、前記ショット材は、複数の材質が含有されていることを特徴としている。
また、請求項10に係るハブユニット軸受は、請求項9に係る発明において、前記ショット材の主成分が亜鉛であり、残りの成分がニッケルであることを特徴としている。
さらに、請求項11に係るハブユニット軸受は、請求項1〜10の何れか1項に係る発明において、前記フランジ部に圧入する車輪側部材固定用の締結部材の表面に、前記ショット材を用いたショットピーニングによる金属被膜が形成されていることを特徴としている。
本発明に係るハブユニット軸受によれば、ハブフランジの車輪側部材と対向する面に非鉄のショット材を用いたショットピーニング加工を施して金属被膜を形成するので、ブレーキジャッターの原因となるフランジ振れ精度悪化を長期にわたって防止することができ、車両の品質向上を実現することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る軸受ユニットの一実施形態の構造を示す縦断面図である。なお、以降の説明においては、ハブユニット軸受を自動車等の車両に取り付けた状態において、車幅方向外側を向いた部分を外端側部分と称し、車幅方向中央側を向いた部分を内端側部分と称する。すなわち、図1においては、左側が外端側となり、右側が内端側となる。
図中、符号1はハブユニット軸受であり、このハブユニット軸受1は、ハブ2と、内輪3と、外輪4と、二列の転動体5とを備えており、ハブ2の外周面の外端側部分には、図示しない車輪側部材(車輪やブレーキロータ)を取り付けるための車輪取り付け用フランジ6(以下、ハブフランジともいう)が設けられている。この車輪取り付け用フランジ6の外端側の側面(車輪側部材との対向面)には、図示しない車輪やブレーキロータがハブボルト7を介して取り付けられるようになっており、この外端側の側面には、非鉄のショット材を用いたショットピーリング加工が施されている。
また、ハブ2の内端側部分には外径の小さい円筒部8が形成されており、該円筒部8に内輪3が圧入され、内輪3よりも内端側に突出している円筒部8の先端部分8aが径方向外方に塑性変形されて、内輪3とハブ2とが一体的に加締め固定されている。
ハブ2の外周面の軸方向中間部及び内輪3の外周面には、それぞれ軌道面が形成され、内輪軌道面20a,20bとされている。また、外輪4の内周面には両内輪軌道面20a,20bに対応する外輪軌道面21a,21bが形成されている。さらに、内輪軌道面20a,20bと外輪軌道面21a,21bとの間には、それぞれ複数の転動体5が転動自在に配置されており、内輪3とハブ2とが一体的に固定されたものが外輪4の内側で回転自在とされている。
なお、各転動体5は、それぞれ保持器9によって転動自在に保持されている。また、乗用車のような比較的軽量の車両用のハブユニット軸受の場合には、転動体として玉が使用されることが多いが、重量が嵩む車両用のハブユニット軸受の場合には、転動体としてころが使用される場合が多い。例えば、大型自動車用のハブユニット軸受の場合には円すいころ、鉄道車両用のハブユニット軸受の場合には円すいころ又は円筒ころが使用される場合が多い。
さらに、外輪4の外端側部分の内周面とハブ2の中間部の外周面との間には、シール部材12が設けられている。また、外輪4の内端側の開口部はカバー14で塞がれており、水、塵埃等の異物の侵入防止が図られている。
そして、外輪4の外周面には、車輪取り付け用フランジ6から離間する側の端部に、懸架装置取り付け用フランジ10が設けられている。
このようなハブユニット軸受1を自動車に組み付けるには、外輪4の外周面に形成した懸架装置取り付け用フランジ10により、外輪4を図示しない懸架装置に固定し、車輪を、車輪側部材固定用の締結部材であるハブボルト7を介して車輪取り付け用フランジ6に固定する。その結果、ハブユニット軸受1によって車輪が懸架装置に対し回転自在に支持される。
この図1において、ハブ2及び内輪3が内方部材に相当し、外輪4が外方部材に相当している。
次に、車輪取り付け用フランジ6に施すショットピーニング加工について詳述する。
本実施形態では非鉄のショット材を適用し、そのショット材を投射装置のショットノズルから噴射して車輪取り付け用フランジ6(以下、母材ともいう)に衝突させる。そして、車輪取り付け用フランジ6上に衝突したときのショット材とフランジ面との微小滑りによる摩擦熱でショット材の表面を溶融し、車輪取り付け用フランジ6上に付着させて被膜形成するようになっている。
ここで、ショット材としては、鋳鉄または鋳鋼製、所謂鉄系材料であるブレーキロータに対して潤滑性のある固体潤滑材、例えば、二硫化モリブデン、黄銅、青銅などの銅合金、テフロン(登録商標)などの潤滑性樹脂を適用する。
図2は、ショットピーニング加工方法を示す図である。この図2に示すように、加工時には、ハブユニット軸受1の車輪取り付け用フランジ6にハブボルト7を圧入した状態で、懸架装置取り付け用フランジ10を投射装置30の基台31上にセットし、内方部材(車輪取り付け用フランジ6及び内輪3)を回転自在に保持する。そして、ショットノズル32をチャンバー33内で遥動させると共に、内方部材を回転させることにより、車輪取り付け用フランジ6のブレーキロータと対向する面及びハブボルト7のネジ面に対してショット材を噴射し、被膜を形成する。
このようなショットピーニング加工による被膜形成は、電気鍍金や化学鍍金のように処理過程において水素が発生することがないので、遅れ破壊や白色剥離の心配がない。また、溶融鍍金のように処理過程において高温に曝されることがないので、母材の硬さ低下や表面組織の変質を生じさせることなく金属被膜を形成することができる。
さらに、加工表面にはショットピーニングの効果で圧縮残留応力層が形成されるため、フランジ面の強度を高めることができる。
また、車輪取り付け用フランジ6にハブボルト7を圧入した状態でハブボルト7も併せて加工することで、車輪取り付け用フランジ6のフランジ面に加えてハブボルト7のネジ面の防錆と表面強化の両方の効果を得ることができる。
なお、この加工はハブボルト7の圧入前に実施し、車輪取り付け用フランジ6のフランジ面、すなわちハブフランジのブレーキロータとの対向面のみに金属被膜を形成するようにしても効果的である。また、上記対向面のみでなく、範囲を広げて被膜形成を行うこともできる。例えば、ホイールパイロットやブレーキパイロット面に被膜を形成すれば、錆付きによるブレーキロータやホイールの固着を防ぐことができ、メンテナンスや交換作業が楽になる。
ところで、従来、前輪を中心に制動力に優れたディスクブレーキが普及している。ディスクブレーキのロータをブレーキパッドで挟持して制動を行う場合、特に60〜100km/hの速度域において、ブレーキジャダーと呼ばれる振動騒音現象が発生することがある。
最近では、車両自体の乗り心地向上技術が進化し、車両が低騒音、低振動になってきたため、ブレーキジャダーが相対的に目立つようになり、その対策が大きな技術課題となっている。このブレーキジャダーの発生メカニズムは完全には解析されていないものの、ブレーキロータ面の振れ精度を向上させることが有効な対策であることがわかっている。
ブレーキロータ面の振れ精度の向上に関しては、以前よりアクスルAssy組立後のブレーキロータ面の二次加工などの方法が取られてきたが、複雑な形状をもつアクスルAssyの姿のままでの二次加工には特別な装置が必要となる。
また、ブレーキロータとタイヤとは同じハブボルトでハブフランジに組み付けられているため、タイヤ交換の際にはブレーキロータの締結が解除される状態となり、再組付けの際の位相差により、フランジ振れ精度が悪化する場合がある。
そのため、最近では、ブレーキロータとハブフランジとをランダムに組み立てても良好なフランジ振れ精度が得られるように、それぞれに振れ精度を規制する工夫が行われるようになった。
ハブフランジを軸受と一体化したホイール軸受ユニットにおけるフランジ振れ精度の向上方法としては、ハブフランジ面を、ハブボルト圧入後に仕上げ加工した二次切削面とするというものが知られている。この方法によると、ハブボルト圧入によるフランジ振れ精度への影響を実質的にゼロに抑制することができるため、初期品質としてのフランジ振れ精度は確保することができる。
しかしながら、泥水に晒され、ホイールに駆動力、制動力、車体の荷重を伝達し、ブレーキロータからは制動力が入力されるハブフランジ面には、フレッチング摩耗が発生しやすく、長期にわたるフランジ振れ精度の維持は困難であった。
ハブフランジとブレーキロータとの当接面にあっては、鋼製であるハブフランジと鋳鉄又は鋳鋼製であるブレーキロータとが共締めされるため、所謂共金(ともがね)現象によりフレッチング摩耗が発生しやすい。また、そこに潤滑の効果のない腐食性の液体、例えば水が存在すると、フレッチング摩耗は著しく促進される。
これを解決するために、鍍金や塗膜が考えられるが、ホイール用軸受ユニットにおいて、ハブフランジ面を持つ部材の一部には軌道面が形成され、軌道面部には軸受として適切な熱処理と高精度な研磨加工が施されているため、上記鍍金後の水素除去ベーキングや焼付け塗膜による加熱は好ましくなく、フランジ面の有効なフレッチング摩耗対策がなかった。
これに対して、本実施形態では、ハブフランジのブレーキロータとの対向面に非鉄のショット材、具体的にはブレーキロータに対して潤滑性のある固体潤滑材を用いてショットピーニング加工を施し、フランジ面に被膜を形成するので、ハブフランジ面のフレッチング摩耗を抑制して、長期にわたってフランジ振れ精度を維持することができる。
つまり、ショットピーニング加工により金属被膜を形成する手法を採用することで、鍍金とは異なり、水素チャージによる遅れ破壊や高温処理による母材の硬さ低下等の心配がない。
また、ショット材として非鉄の材質を適用することで、ハブフランジとブレーキロータとの共金現象の発生を抑制して、フレッチング摩耗を抑制することができる。さらに、そのショット材としてブレーキロータに対して潤滑性のある材質を適用することで、フレッチング摩耗の促進をより効果的に抑制することができる。
このように、上記実施形態では、ハブフランジとブレーキロータとの当接面におけるフレッチング摩耗を抑制して、長期にわたって高精度なフランジ振れ精度を維持することができ、ブレーキジャダーを効果的に抑制することができる。その結果、車両の品質向上とホイール用軸受ユニットの商品性向上とを実現することができる。
なお、上記実施形態においては、ショット材としてブレーキロータに対して潤滑性のある材質を適用する場合について説明したが、ハブフランジ(鉄系材料)に対して防錆効果のある材質を適用することもできる。ここで、防錆効果を持つ金属としては、貴な金属が挙げられる。貴な金属として金や銀などがあるが高価であるため、錫やコバルト、ニッケルが現実的である。
これらの貴な金属は鉄よりも錆びにくいため、ハブフランジ面に、当該ハブフランジを構成する金属材料の主成分である鉄よりも貴な金属によって金属被膜を形成すれば、フランジ部が保護されて発錆が抑制される。これにより、フレッチング摩耗の促進を抑制することができる。
また、ショット材として犠牲防錆効果のある材質を適用することもできる。ここで、犠牲防錆効果を持つ金属としては、鉄より卑な金属、特に亜鉛が適切である。アルミニウムの被膜でも防錆は可能であるが、アルミニウムのショット材は引火性が強いので、安全性上好ましくない。
このように、ハブフランジ面に、当該ハブフランジを構成する金属材料の主成分である鉄よりも卑な金属(亜鉛)によって金属被膜を形成すれば、錆が発生しやすいような環境下でも亜鉛が優先的に溶け出し(自己犠牲型防錆作用)、フランジ部中の鉄が溶出して錆となることが抑制される。したがって、フランジ部の防錆効果が得られる。
また、上記実施形態においては、1回のショットピーニング加工によって単層の金属被膜を形成する場合ついて説明したが、異なる複数のショット材を用いて複数回の加工を行い、複層の金属被膜を形成することもできる。
例えば、金属被膜を2層構造とし、表面側をニッケル、コバルト、クロムなど硬質な金属による被膜とし、母材側を亜鉛など軟質な金属による被膜とすることができる。これにより、表面硬質層がフレッチング摩耗を防止し、内側軟質層が母材を守るというような役割分担が可能となり、高いフレッチング摩耗の抑制効果が得られる。
他にも、表面層を錫やニッケルなど鉄より貴な金属による被膜とし、内側層を亜鉛など鉄より卑な金属による被膜とすることができる。これにより、卑な金属の犠牲防食による溶出消耗を防止して、より高い防錆効果が得られる。
このように、金属被膜を複層にすることで、単層では得られない効果を得ることができる。
さらに、上記実施形態においては、金属被膜の組成を単一のショット材によるものとする場合について説明したが、異なる複数の材質を含有した金属被膜とすることもできる。
例えば、ショット材の主成分(90質量%以上)を亜鉛とし、残りの成分をニッケルとする。亜鉛のショット材の中に1〜2質量%のニッケルのショット材を加えてショットピーニング加工を行うと、3〜10質量%のニッケルを含み、残りが亜鉛の被膜ができる。ここで、ニッケルと亜鉛の混合比は粒径やメーカー毎のショット材の組成に応じて決定される。ショット材の混合比に比べ被膜のニッケルの比率が高くなるのは、ニッケルの質量が大きく熱伝導性が悪いことにより、ニッケルの方が溶融しやすいためである。
このような組成を得ることにより、高価なニッケルをあまり使うことなく、防錆性能を向上することができる。特に、ブレーキロータにアルミ合金が用いられている場合には、アルミと鉄の陰極度の差によりガルバニックコロージョンと呼ばれる電流を伴った激しい腐食が発生すること、そしてその対策として、ニッケルを3〜10質量%含むニッケル亜鉛鍍金が安価で有効なことが知られており、上記の方法では、これと同じ組成の被膜を作ることが可能となる。
さらに好ましくは、これらのショット被膜の上に、電気絶縁性を持つ熱硬化型の樹脂コーティング材(水溶性か有機溶剤系かは問わない)を塗布すれば、より高いガルバニックコローションの抑止効果を得ることができる。
なお、上記実施形態においては、本発明を従動輪のハブユニット軸受に適用する場合について説明したが、駆動輪のハブユニット軸受に適用することもできる。
また、上記実施形態においては、本発明を外輪4に懸架装置取り付け用フランジ10が形成され、ハブ2に車輪取り付け用フランジ6が形成されたハブユニット軸受に適用する場合ついて説明したが、少なくとも回転側の部材の外径面に車輪取り付け用フランジが形成されたハブユニット軸受であれば本発明を適用することができる。
本発明の実施形態におけるハブユニット軸受の構造を示す断面図である。 ショットピーニング加工方法を説明するための図である。
符号の説明
1…ハブユニット軸受、2…ハブ、3…内輪、4…外輪、5…転動体、6…車輪取り付け用フランジ、7…ハブボルト、9…保持器、10…懸架装置取り付け用フランジ、12…シール部材、20a…内輪軌道面、20b…内輪軌道面、21a…外輪軌道面、21b…外輪軌道面

Claims (11)

  1. 外周面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体とを備え、前記内方部材及び前記外方部材の何れかに車輪側部材を固定するフランジ部が形成されたハブユニット軸受であって、
    少なくとも前記フランジ部の車輪側部材と対向する面に、非鉄のショット材を用いたショットピーニングによる金属被膜が形成されていることを特徴とするハブユニット軸受。
  2. 前記ショット材は、前記車輪側部材の材質に対して潤滑効果を持つ固体潤滑材であることを特徴とする請求項1に記載のハブユニット軸受。
  3. 前記ショット材は、前記フランジ部の材質に対して防錆効果を持つ当該フランジ部の材質より貴な金属であることを特徴とする請求項1に記載のハブユニット軸受。
  4. 前記ショット材は、前記フランジ部の材質に対して犠牲防錆効果を持つ当該フランジ部の材質より卑な金属であることを特徴とする請求項1に記載のハブユニット軸受。
  5. 前記ショット材は、亜鉛及び亜鉛系合金の何れかであることを特徴とする請求項1に記載のハブユニット軸受。
  6. 前記金属被膜は、異なる複数のショット材による複層構造であることを特徴とする請求項1に記載のハブユニット軸受。
  7. 前記金属被膜は、軟質な金属層の上に硬質な金属層が形成された2層構造であることを特徴とする請求項6に記載のハブユニット軸受。
  8. 前記金属被膜は、前記フランジ部の材質より卑な金属層の上に、前記フランジ部の材質より貴な金属層が形成された2層構造であることを特徴とする請求項6に記載のハブユニット軸受。
  9. 前記ショット材は、複数の材質が含有されていることを特徴とする請求項1に記載のハブユニット軸受。
  10. 前記ショット材の主成分が亜鉛であり、残りの成分がニッケルであることを特徴とする請求項9に記載のハブユニット軸受。
  11. 前記フランジ部に圧入する車輪側部材固定用の締結部材の表面に、前記ショット材を用いたショットピーニングによる金属被膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のハブユニット軸受。
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