JP2008018429A - 筒状フィルタ - Google Patents
筒状フィルタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008018429A JP2008018429A JP2007227055A JP2007227055A JP2008018429A JP 2008018429 A JP2008018429 A JP 2008018429A JP 2007227055 A JP2007227055 A JP 2007227055A JP 2007227055 A JP2007227055 A JP 2007227055A JP 2008018429 A JP2008018429 A JP 2008018429A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nonwoven fabric
- fiber
- filtration nonwoven
- fibers
- filtration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【解決手段】 本発明の筒状フィルタは、メルトブロー不織布からなる主濾過不織布と、この主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布とを含み、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが隣接して積層された状態で、多孔筒の周囲に配置されたものである。
【選択図】 なし
Description
標準偏差={(nΣχ2−(Σχ)2)/n(n−1)}1/2
ここでnは測定した極細繊維の本数を意味し、χはそれぞれの極細繊維の繊維径を意味する。なお、繊維径が4μm以下の極細繊維が2種類以上存在する場合には、各々の極細繊維について、上記の関係が成立するのが好ましい。また、極細繊維は均一な孔径を有する第2補助濾過不織布(湿式不織布)を形成できるように、極細繊維の繊維軸方向において実質的に同じ直径を有しているのが好ましい。このようなほぼ同じ繊維径を有する極細繊維、或いは繊維軸方向において実質的に同じ直径を有している極細繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去することにより得ることができる。なお、一般的に混合紡糸法といわれる、島成分を構成する樹脂と海成分を構成する樹脂とを混合した後に紡糸する方法によって得た海島型繊維の海成分を除去することによっては、ほぼ同じ繊維径を有する極細繊維や繊維軸方向において実質的に同じ直径を有している極細繊維を得ることは困難である。この極細繊維を構成する樹脂は特に限定されるものではないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン系共重合体などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート系共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート系共重合体などのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、オレフィン系共重合体などのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル重合体などの合成樹脂1種類以上から構成することができる。なお、極細繊維が接着に関与できる樹脂成分(以下、「接着成分」ということがある)を含み、この接着成分により接着していると、確実に極細繊維を固定することができ、極細繊維が脱落したり、毛羽立つことがないため好適な実施態様である。この極細繊維を接着させる場合、極細繊維は前述のような樹脂からなる接着成分のみから構成することもできるし、接着成分とこの接着成分の融点よりも高い融点を有する成分(以下、「非接着成分」ということがある)の2種類以上の樹脂成分から構成することもできる。後者のように極細繊維が接着成分と非接着成分を含む2種類以上の樹脂成分から構成されていると、極細繊維を接着させても繊維形態を維持して、極細繊維本来の働きである、均一な孔径の形成を妨げないためより好適である。極細繊維が2種類以上の樹脂成分から構成されている場合、接着成分は接着に関与できるように、極細繊維表面の少なくとも1部を占めている(極細繊維の断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型である)のが好ましく、極細繊維表面全体(極細繊維の断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型である)を接着成分が占めているのがより好ましい。他方、非接着成分は繊維形状を維持できるように、接着成分の融点よりも10℃以上高いのが好ましく、20℃以上高いのがより好ましい。なお、後述の接着性繊維を接着させる際の熱によっても繊維形状を維持できるように、非接着成分は後述の接着性繊維の接着成分の融点よりも10℃以上高い融点を有するのが好ましく、20℃以上高い融点を有するのがより好ましい。この好適である接着成分と非接着成分とを含む2種類以上の樹脂成分からなる極細繊維は、常法の複合紡糸法により紡糸する際に、島成分を押し出す口金として、前述のような断面形状(例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型など)を形成できるものを使用して海島型繊維を紡糸し、海成分を除去することにより得ることができる。なお、極細繊維は前述のような接着性を有する以外に、巻縮発現性、分割性などの性能を有するものであっても良い。前者の巻縮発現性を有する極細繊維として、断面形状が偏芯型又はサイドバイサイド型であるように、2種類以上の樹脂成分が配置した極細繊維を使用でき、後者の極細繊維として、断面形状が海島型、オレンジ型或いは多重バイメタル型であるように、2種類以上の樹脂成分が配置した極細繊維を使用できる。なお、後述のように、極細繊維は均一分散しやすいように、自由度の高い短繊維(繊維長が30mm以下)であるのが好ましいが、極細繊維又は海島型繊維を裁断する際に極細繊維同士又は島成分同士が圧着してしまうと、フィブリル化した繊維と同様の状態となるため、裁断する際に極細繊維同士又は島成分同士が圧着しにくい極細繊維又は海島型繊維を使用するのが好ましい。このような圧着しにくい極細繊維又は海島型繊維としては、例えば、結晶性の高い極細繊維(海島型繊維の場合には島成分)がある。より具体的には、極細繊維(海島型繊維の場合には島成分)がポリメチルペンテンやシンジオタクチックポリスチレンを含んでいたり、ポリプロピレンを含んでいる場合には、そのポリプロピレンの融点が166℃以上(好ましくは168℃以上)であると、圧着しにくい。他方、接着性繊維は極細繊維を接着して極細繊維を固定するとともに、第2補助濾過不織布(湿式不織布)に強度を付与できるように、極細繊維よりも太く、繊維径が8μm以上である。また、接着性繊維によって極細繊維の配列が乱されて大きな開孔径を形成することがないように、繊維径が20μm未満である。接着性繊維のより好ましい繊維径は8μm以上、18μm以下である。この接着性繊維は単一成分からなるものであっても良いが、接着後においても繊維形態を維持して強度的に優れるように、2種類以上の樹脂成分からなるのが好ましい。この2種類以上の樹脂成分の配置状態としては、例えば、繊維断面形状が芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型などであることができる。これらの中でも、接着に関与できる樹脂、つまり接着成分の多い芯鞘型、偏芯型、又は海島型であるのが好ましい。この接着性繊維は極細繊維と同様の樹脂から構成することができるが、極細繊維を接着させない場合には、接着性繊維を接着させる際の熱によって極細繊維が溶融しないように、接着性繊維の接着成分の融点は極細繊維のいずれの樹脂成分の融点よりも10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。他方、極細繊維の接着成分も接着させる場合には、接着性繊維の接着成分の接着と極細繊維の接着成分の接着とを同時に実施できるように、接着性繊維の接着成分と極細繊維の接着成分との融点差は35℃以内であるのが好ましく、30℃以内であるのがより好ましい。なお、接着性繊維の接着成分の融点と極細繊維の接着成分の融点(複数種類の極細繊維が存在する場合には、接着性繊維の接着成分の融点に最も近い融点を有する樹脂成分の融点)との差が10℃以上、35℃以内である場合には、極細繊維の接着成分を接着させることもできるし、極細繊維を接着させないこともできる。また、極細繊維が接着成分と非接着成分とを含む場合には、極細繊維が繊維形状を維持できるように、接着性繊維の接着成分の融点は極細繊維の非接着成分の融点よりも10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。更に、接着性繊維が2種類以上の樹脂成分からなる場合には、接着性繊維を接着させる際の熱によっても接着性繊維が繊維形状を維持できるように、接着成分以外の樹脂成分(非接着成分)の融点は接着成分の融点よりも10℃以上高いのが好ましく、20℃以上高いのがより好ましい。このような接着性繊維は常法の複合紡糸法又は混合紡糸法により容易に紡糸できる。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は前述のような極細繊維及び接着性繊維を含んでいる。これらの繊維の質量比率は筒状フィルタの具体的用途や要求物性などによって適宜変化するが、(極細繊維):(接着性繊維)=30〜70:70〜30であるのが好ましい。極細繊維量が30mass%以上であれば、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を得ることができ、他方、接着性繊維量が30mass%以上であれば、極細繊維を十分に固定することができるため極細繊維の脱落が生じにくく、しかも湿式不織布に強度を付与することができる。より好ましい質量比率は(極細繊維):(接着性繊維)=35〜65:65〜35である。なお、これらの質量比率は第2補助濾過不織布(湿式不織布)の質量全体に対する比率をいう。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は前述のような極細繊維及び接着性繊維以外に、繊維径が4μmを越え、8μm未満の繊維(以下、「中間繊維径繊維」ということがある)を含んでいることもできる。この中間繊維径繊維の含有量は極細繊維及び接着性繊維との関係から、40mass%以下であるのが好ましく、30mass%以下であるのがより好ましい。つまり、(極細繊維):(接着性繊維):(中間繊維径繊維)=30〜70:70〜30:0〜40であるのが好ましく、(極細繊維):(接着性繊維):(中間繊維径繊維)=35〜65:65〜35:0〜30であるのがより好ましい。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)は未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、ノズルから押し出した繊維を延伸機などの機械的作用によって延伸した繊維であるのが好ましい。また、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)の繊維長は特に限定するものではないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、均一に分散させることが可能であるため、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維の繊維長は0.5〜30mmであるのが好ましい。好ましくは、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)は繊維長が0.5〜30mmに切断されている。なお、本発明における「繊維長」はJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は前述のような繊維から構成された、最大孔径が平均流量孔径の2倍以下(より好ましくは1.9倍以下)の、孔径分布の狭いものである。なお、理想的には最大孔径が平均流量孔径の1倍、つまり全孔径が同じ大きさである。この「最大孔径」はポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いてバブルポイント法により測定される値をいう。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)が実質的に二次元的に配置していると、繊維の配置が規則的であることによって、より一層孔径分布を狭くすることができるため好適な態様である。なお、「繊維が実質的に二次元的に配置している」とは、厚さ方向に向いた繊維が実質的に配置していない状態をいい、例えば、湿式法により形成した繊維ウエブに対して、水流などの流体流を作用させることなく、接着のみによって結合した場合に得ることのできる状態である。このような第2補助濾過不織布(湿式不織布)は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、実質的にフィブリル化していない、少なくとも極細繊維と接着性繊維とを用意する。この極細繊維として、繊維径がほぼ同じもの、つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を、極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下(好ましくは0.18以下、0以上)の極細繊維を使用することにより、孔径分布が狭い補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。なお、極細繊維や接着性繊維などの繊維長は0.5〜30mmであるのが好ましい。また、切断する際に圧着しにくい繊維(例えば、極細繊維など)を使用すると、繊維の分散性が向上して、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。次いで、これらの繊維を使用して、常法の湿式法により繊維ウエブを形成する。使用する繊維は実質的にフィブリル化していないため、分散浴である水中に繊維を均一に分散させることができ、また繊維を抄き上げるワイヤーに繊維が絡みつくということもないため、地合いの優れる所望の第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造することができる。この繊維ウ
エブを形成する際、繊維の均一な分散状態を維持するために増粘剤を加えたり、水と繊維との親和性を高めるために界面活性剤を加えたり(特に、水との親和性の低い樹脂成分からなる繊維を用いる場合)、攪拌等によって生じる気泡を取り除くために消泡剤を加えると、繊維の分散性が向上して、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。次いで、この繊維ウエブを乾燥すると同時、又は乾燥した後に、接着性繊維の接着成分が接着可能(場合により極細繊維の接着成分も接着可能)な熱(必要により圧力も)を作用させることにより、接着性繊維の接着成分(場合により極細繊維の接着成分も)を接着して、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を得ることができる。このように繊維ウエブに水流などの流体流を作用させることなく、接着性繊維の接着成分(場合により極細繊維の接着成分)を接着させて第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造すると、繊維が二次元的に配置した状態にあるため、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。
オリフィス径0.3mm、ピッチ0.8mmでオリフィスが配置されたノズルピースを温度330℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.33g/minの割合でポリプロピレン樹脂を吐出し、この吐出したポリプロピレン樹脂に対して、温度330℃、かつ質量比で樹脂吐出量の240倍量の空気を作用させて形成したメルトブロー繊維をコンベア上に集積させて(ノズルピースとコンベアとの距離:49cm)メルトブロー繊維ウエブを製造した。次いで、このメルトブロー繊維ウエブを金属ロールと樹脂ロールとからなる、温度80℃に設定されたカレンダーロール間(線圧力:0.5kN/cm)を通して、面密度80g/m2、厚さ0.15mm、見掛密度0.53g/cm3、平均繊維径1.7μm、平均流量孔径1.9μmのメルトブロー不織布(主濾過不織布)を製造した。他方、オリフィス径0.2mm、ピッチ0.8mmでオリフィスが配置されたノズルピースを温度320℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.06g/minの割合でポリプロピレン樹脂を吐出し、この吐出したポリプロピレン樹脂に対して、温度330℃、かつ質量比で樹脂吐出量の70倍量の空気を作用させ、重力の作用する方向と同じ方向に平均繊維径1.8μmのポリプロピレン製メルトブロー繊維2(融点:160℃)の流れを形成した。このポリプロピレン製メルトブロー繊維2の流れに対して直角方向から、図2に示すような2本の開繊シリンダ31をハウジング32内に収納し、しかもエアノズル33を備えた開繊機3から、芯成分がポリプロピレン樹脂(融点:160℃)からなり、鞘成分がポリエチレン樹脂(融点:135℃)からなる、繊維径21.6μm、繊維長38mmの芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4を供給し、前記ポリプロピレン製メルトブロー繊維2と混合した。なお、ポリプロピレン製メルトブロー繊維2と芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4との混合質量比率は、(ポリプロピレン製メルトブロー繊維2):(芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4)=65:35であった。このポリプロピレン製メルトブロー繊維2と芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4とが混合された繊維群をコンベヤーベルトで捕集して混在繊維ウエブを形成した。なお、コンベヤーベルトはメッシュ体からなり、ベルトの捕集面とは反対側から気体吸引装置により空気を吸引して、混在繊維ウエブを構成する繊維の乱れを防いだ。次いで、この混在繊維ウエブを温度145℃雰囲気のドライヤーにより3分間加熱処理を実施して、芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4の鞘成分のみを接着して、面密度50g/m2、厚さ0.33mm、平均流量孔径13.7μmの混在不織布(第1補助濾過不織布)を製造した。次いで、前記主濾過不織布を2枚の前記第1補助濾過不織布で挟んだ状態で、襞折り加工機により折り幅14mmで襞折り加工を実施して積層濾過材を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、山数が100山となるように前記積層濾過材を配置し、次いでこの積層濾過材の両端を超音波ウエルダー加工機により融着した。そして、多孔筒の長さ方向における両端面にガスケットを接着して、内径30mm、外径69mm、長さ250mmのプリーツ型筒状フィルタを製造した。
海島型繊維として、ポリ−L−乳酸(以下、「PLLA」と表記する)からなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により製造した繊維(繊度:1.65dtex、繊維長:3mm)を用意した。次いで、この海島型繊維を、温度80℃、10mass%の水酸化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬し、海島型繊維の海成分であるPLLAを抽出除去して、ポリプロピレン極細繊維(平均繊維径:1.8μm、繊維径分布の標準偏差値:0.15、融点:172℃、繊維長3mmに切断されたもの、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する)を得た。他方、接着性繊維として、芯成分がポリプロピレン(融点:158℃)からなり、鞘成分(接着成分)が高密度ポリエチレン(融点:131℃)からなる芯鞘型複合接着性繊維(繊維径:11.8μm、繊維長10mmに切断されたもの、フィブリル化していない、延伸されている)を用意した。次いで、前記ポリプロピレン極細繊維と芯鞘型複合接着性繊維とを質量比50:50の割合で、水からなる分散浴に分散させ、抄紙機により抄造した後、温度140℃で乾燥すると同時に芯鞘型複合接着性繊維の接着成分のみを接着させ、面密度38g/m2、厚さ0.34mm、見掛密度0.11g/cm3、平均流量孔径12.1μmの湿式不織布(第2補助濾過不織布)を製造した。この湿式不織布(第2補助濾過不織布)を構成する繊維は二次元的に配置しており、また最大孔径は平均流量孔径の1.7倍であった。他方、実施例1と全く同様にして製造した主濾過不織布を用意した。次いで、前記主濾過不織布を2枚の前記第2補助濾過不織布で挟んだ状態で、襞折り加工機により折り幅14mmで襞折り加工を実施して積層濾過材を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、山数が100山となるように前記積層濾過材を配置し、次いでこの積層濾過材の両端を超音波ウエルダー加工機により融着した。そして、多孔筒の長さ方向における両端面にガスケットを接着して、内径30mm、外径69mm、長さ250mmのプリーツ型筒状フィルタを製造した。
実施例1と同じ主濾過不織布を用意した。他方、面密度34g/m2、厚さ0.25mm、見掛密度0.14g/cm3、目合1mm×2mmのポリプロピレン製ネットを用意した。次いで、前記主濾過不織布を前記2枚のポリプロピレン製ネットにより挟んだ状態で、襞折り加工機により折り幅14mmで襞折り加工を実施して積層濾過材を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、山数が100山となるように前記積層濾過材を配置し、次いでこの積層濾過材の両端を超音波ウエルダー加工機により融着した。そして、多孔筒の長さ方向における両端面にガスケットを接着して、内径30mm、外径69mm、長さ250mmのプリーツ型筒状フィルタを製造した。
実施例1と同様にして製造した主濾過不織布(60cm長)、及び実施例1と同様にして製造した混在不織布(第1補助濾過不織布、320cm長)を用意した。また、面密度が80g/m2で平均流量孔径3μmのメルトブロー不織布A(40cm長)、面密度が80g/m2で平均流量孔径5μmのメルトブロー不織布B(40cm長)、及び面密度が80g/m2で平均流量孔径10μmのメルトブロー不織布C(40cm長)をそれぞれ用意した。次いで、前記混在不織布(第1補助濾過不織布)の左端から120cmの所と前記主濾過不織布の左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記主濾過不織布を積層し、次いで、前記主濾過不織布の右端とメルトブロー不織布Aの左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記メルトブロー不織布Aを積層し、次いで、前記メルトブロー不織布Aの右端とメルトブロー不織布Bの左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記メルトブロー不織布Bを積層し、そして、前記メルトブロー不織布Bの右端とメルトブロー不織布Cの左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記メルトブロー不織布Cを積層して、濾過材積層体を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、前記濾過材積層体の主濾過不織布等を積層した面が内側となるように、前記濾過材積層体の左端から平巻き状に巻回し、内径3cm、外径6.5cm、長さ25cmのデプス型筒状フィルタを製造した。
実施例3で用いた第1補助濾過不織布に代えて、比較例1と同じポリプロピレン製ネットを使用したこと以外は、実施例3と全く同様にして、内径3cm、外径6.5cm、長さ25cmのデプス型筒状フィルタを製造した。
1.通水抵抗
各々の筒状フィルタに流量25L/分で通水した時の圧力損失を測定し、通水抵抗とした。この結果は表1に示す通りであった。
2.濾過効率
JIS11種の塵埃を水に分散させた濃度10ppmの試験液を均一に攪拌しながら、各々の筒状フィルタに所定流量で通水(プリーツ型の場合には25L/分、デプス型の場合には10L/分)して、通水1分後の濾液を採取した。この濾液及び濾過前の試験液に含まれる各粒径別の粒子数を粒度分布測定機(コールター(COULTER)社製、コールターマルチサイザーツー(COULTERMultisizerII))により測定した。次いで、それぞれの粒径における濾過効率を下記の式から算出し、100%の濾過効率が得られる粒径をその筒状フィルタの濾過精度とした。この結果は表1に示す通りであった。
濾過効率[%]={(A−B)/A}×100
A:濾過前の粒子数、B:濾過後の粒子数
3.濾過寿命
JIS11種の塵埃を水に分散させた所定濃度の試験液(プリーツ型の場合には20ppm、デプス型の場合には10ppm)を均一に攪拌しながら、各々の筒状フィルタに所定流量で通水(プリーツ型の場合には25L/分、デプス型の場合には10L/分)させた。圧力損失を各通水量に対して順次測定し、初期圧力との差圧が所定値(プリーツ型の場合には200kPa、デプス型の場合には100kPa)になるまでに処理された総通水量を濾過寿命とした。この結果は表1に示す通りであった。
2 メルトブロー繊維
3 開繊機
31 開繊シリンダ
32 ハウジング
33 エアノズル
4 熱可塑性延伸繊維
5 捕集体
6 第1補助濾過不織布
Claims (5)
- メルトブロー不織布からなる主濾過不織布と、この主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布とを含み、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが隣接して積層された状態で、多孔筒の周囲に配置されていることを特徴とする筒状フィルタ。
- 前記補助濾過不織布において、前記極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を、前記極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の筒状フィルタ。
- 多孔筒の周囲に、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが巻回された状態で配置された領域を有していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の筒状フィルタ。
- 多孔筒の周囲に、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが襞折り加工された状態で配置された領域を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の筒状フィルタ。
- 前記補助濾過不織布よりも平均流量孔径の大きい粗濾過繊維シートが配置された領域を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の筒状フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007227055A JP4464433B2 (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 筒状フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007227055A JP4464433B2 (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 筒状フィルタ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000144367A Division JP2001321620A (ja) | 2000-05-17 | 2000-05-17 | 筒状フィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008018429A true JP2008018429A (ja) | 2008-01-31 |
JP4464433B2 JP4464433B2 (ja) | 2010-05-19 |
Family
ID=39074800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007227055A Expired - Fee Related JP4464433B2 (ja) | 2007-08-31 | 2007-08-31 | 筒状フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4464433B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112011101706T5 (de) | 2010-05-20 | 2013-04-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Polymerelektrolyt, Herstellungsverfahren für Polymerelektrolyt, Imidmonomer und Batterie |
JP2020114953A (ja) * | 2019-01-17 | 2020-07-30 | 関西電子株式会社 | 積層シート体の製造装置 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04240253A (ja) * | 1991-01-18 | 1992-08-27 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 地合の良好なスパンレース不織布およびその製造法 |
JPH08144166A (ja) * | 1994-11-21 | 1996-06-04 | Toyobo Co Ltd | ポリアミド極細繊維不織布およびその製造法 |
JPH08192016A (ja) * | 1995-01-11 | 1996-07-30 | Toyobo Co Ltd | 微小粒子の濾過材 |
JPH09150023A (ja) * | 1995-11-28 | 1997-06-10 | Japan Vilene Co Ltd | 濾 材 |
JP2001252510A (ja) * | 2000-03-10 | 2001-09-18 | Japan Vilene Co Ltd | 筒状フィルタ |
-
2007
- 2007-08-31 JP JP2007227055A patent/JP4464433B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04240253A (ja) * | 1991-01-18 | 1992-08-27 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 地合の良好なスパンレース不織布およびその製造法 |
JPH08144166A (ja) * | 1994-11-21 | 1996-06-04 | Toyobo Co Ltd | ポリアミド極細繊維不織布およびその製造法 |
JPH08192016A (ja) * | 1995-01-11 | 1996-07-30 | Toyobo Co Ltd | 微小粒子の濾過材 |
JPH09150023A (ja) * | 1995-11-28 | 1997-06-10 | Japan Vilene Co Ltd | 濾 材 |
JP2001252510A (ja) * | 2000-03-10 | 2001-09-18 | Japan Vilene Co Ltd | 筒状フィルタ |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112011101706T5 (de) | 2010-05-20 | 2013-04-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Polymerelektrolyt, Herstellungsverfahren für Polymerelektrolyt, Imidmonomer und Batterie |
JP2020114953A (ja) * | 2019-01-17 | 2020-07-30 | 関西電子株式会社 | 積層シート体の製造装置 |
JP7253769B2 (ja) | 2019-01-17 | 2023-04-07 | 関西電子株式会社 | 積層シート体の製造装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4464433B2 (ja) | 2010-05-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN107923092B (zh) | 过滤介质用纳米纤维、包含其的过滤介质、其制备方法及包含其的过滤单元 | |
JPWO2015046564A1 (ja) | 極細繊維を含む繊維積層体およびそれからなるフィルター | |
JP5281719B1 (ja) | フィルタ材 | |
WO1998013123A1 (fr) | Filtre a haute precision | |
JPH1190135A (ja) | プリーツフィルター | |
JP2022530806A (ja) | ポリアミドナノファイバー層を含むろ過媒体 | |
JP4083951B2 (ja) | 筒状フィルタ | |
JP5823205B2 (ja) | カートリッジフィルター | |
JP2021525168A (ja) | ろ過性能が向上した不織布の製造方法 | |
JP4369572B2 (ja) | 不織布及びそれを用いた濾過材 | |
JP2001321620A (ja) | 筒状フィルタ | |
JP4464433B2 (ja) | 筒状フィルタ | |
JP3677385B2 (ja) | 濾過材及びこれを用いたフィルタ | |
JP2001096110A (ja) | 筒状フィルタ | |
JP2001327815A (ja) | 筒状フィルタ | |
JP4839709B2 (ja) | フィルターおよびその製造方法 | |
JP4464434B2 (ja) | 筒状フィルタ | |
JP4073150B2 (ja) | 筒状フィルタ | |
JP4139141B2 (ja) | 筒状フィルター及びその製造方法 | |
JP2008114177A (ja) | 吸気用フィルター不織布 | |
JP3660055B2 (ja) | カートリッジフィルター及びその製造方法 | |
JP4519674B2 (ja) | 濾過材及びそれを用いた筒状フィルタ | |
JP3421846B2 (ja) | コンクリート又は石材のスラッジを含む懸濁液の濾過方法 | |
JPH0691105A (ja) | カートリッジフィルター | |
JP2000279727A (ja) | フィルターカートリッジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100209 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100218 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4464433 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130226 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140226 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |