JP2008018429A - 筒状フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 濾過寿命が長く、しかも加工性良く製造できる筒状フィルタを提供すること。
【解決手段】 本発明の筒状フィルタは、メルトブロー不織布からなる主濾過不織布と、この主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布とを含み、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが隣接して積層された状態で、多孔筒の周囲に配置されたものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は流体中の固形物を濾過することのできる筒状フィルタ、特には、液体中の固形物を濾過することのできる筒状フィルタに関する。
従来から液体中の固形物を濾過できるフィルタとして、襞折り加工された濾過材を多孔筒の周囲に配置した、いわゆるプリーツ型フィルタが知られている。このプリーツ型フィルタは濾過面積が広く、濾過寿命が長いため好適なフィルタである。このプリーツ型フィルタを構成する濾過材として、メルトブロー不織布を熱カレンダーロールにより加圧処理した不織布が知られている。この濾過材は微細な孔径を有するため、所望の濾過効率を得ることができるが、流体の通過性が悪いため目詰まりが生じやすく、濾過寿命が短いという問題があった。また、この濾過材は強度がないため、襞折り加工性が悪いという問題もあった。この襞折り加工性を改善するために、メルトブロー不織布にネットを積層した濾過材が知られている。このネットを積層した濾過材は襞折り加工性が向上するものの、ネットによって濾過材(メルトブロー不織布)を損傷する場合があった。また、ネットは濾過にほとんど寄与しないため、濾過寿命の点において十分に満足できるものではなかった。このような問題は、多孔筒の周囲に濾過材が平巻き状に巻回された、いわゆるデプス型フィルタの場合にも見受けられる場合があった。
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、濾過寿命が長く、しかも加工性良く製造できる筒状フィルタを提供することを目的とする。
本発明の別の筒状フィルタ(以下、「第2筒状フィルタ」ということがある)は、メルトブロー不織布からなる主濾過不織布と、この主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布とを含み、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが隣接して積層された状態で、多孔筒の周囲に配置されたものである。本発明の発明者らは鋭意研究の結果、メルトブロー不織布からなる主濾過不織布に、この主濾過不織布よりも平均流量孔径の大きい特定の補助濾過不織布、すなわち、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布を組み合わせると、メルトブロー不織布からなる主濾過不織布の濾過精度を損なうことなく、濾過寿命が長くなることを見い出したのである。また、前記の補助濾過不織布は接着した接着性繊維を含んでおり強度的にも優れるものであるため、加工性(例えば、襞折り加工性、巻回性)に優れていることも併せて見い出したのである。
本発明の筒状フィルタはいずれも、濾過寿命が長く、加工性(例えば、襞折り加工性、巻回性)に優れているものである。
本発明の第1筒状フィルタ及び第2筒状フィルタを構成している主濾過不織布は、いずれもメルトブロー不織布からなる。このメルトブロー不織布は強い延伸作用を受けていないメルトブロー繊維から構成されているため、加熱処理及び加圧処理を実施することによって、平均流量孔径の調整を容易に実施することができ、各種用途の要望に容易に対応することができる。この主濾過不織布の平均流量孔径は濾過する流体などによって適宜変化するため、特に限定するものではないが、0.5〜40μm程度であるのが好ましく、0.5〜20μm程度であるのがより好ましい。本発明における「平均流量孔径」はASTM−F316に規定されている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いて、ミーンフローポイント法により測定される値をいう。この「メルトブロー不織布」は、メルトブロー法により製造された不織布をいい、例えば、オリフィス径0.1〜0.5mmで、ピッチ0.3〜1.2mmでオリフィスが配置されたノズルピースを温度220〜370℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.02〜1.5g/minの割合で樹脂を吐出し、この吐出した樹脂に対して、温度220〜400℃、かつ質量比で樹脂吐出量の5〜2,000倍量の気体を作用させてメルトブロー繊維を形成した後、ロールやコンベアなどの捕集体により捕集して製造することができる。なお、メルトブロー繊維は熱可塑性樹脂から構成することができ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂など)、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂など1種類以上から構成することができる。これら樹脂の中でも、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリプロピレン)は耐薬品性に優れ、汎用性にも優れているため好適である。なお、メルトブロー繊維を構成する樹脂成分は1種類である必要はなく、2種類以上含んでいても良い。メルトブロー繊維が2種類の樹脂成分からなる場合、その断面形状は、例えば芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、或いは多重バイメタル型であることができる。このメルトブロー不織布はオリフィスから吐出されたメルトブロー繊維を捕集体で捕集して集積したものをそのまま使用しても良いし、平均流量孔径を調節するために、集積後に加熱処理及び/又は加圧処理を実施したものを使用しても良い。加熱処理及び加圧処理を実施する場合、加熱処理と加圧処理とを同時に実施しても良いし、加熱処理を実施した後に加圧処理を実施しても良い。いずれの場合の加熱温度も、メルトブロー繊維(メルトブロー繊維が融点の異なる2種類以上の熱可塑性樹脂からなる場合には、最も低い融点を有する樹脂)の融点よりも5〜120℃低い温度であるのが好ましく、いずれの場合の線圧力も0.3〜3kN/cmであるのが好ましい。本発明における「融点」は示差走査熱量計を用い、昇温温度10℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸熱曲線の極大値を与える温度をいう。なお、極大値が2つ以上ある場合には、最も高温の極大値を融点とする。本発明のメルトブロー不織布の面密度は20〜200g/m2程度であるのが好ましく、厚さは0.03〜1mm程度であるのが好ましく、見掛密度は0.2〜0.6g/cm3程度であるのが好ましい。
本発明の第1筒状フィルタの場合、前述のような主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、メルトブロー繊維と熱可塑性延伸繊維とが混在している補助濾過不織布(以下、「第1補助濾過不織布」ということがある)が、前述のような主濾過不織布に隣接して積層された状態にある。この第1補助濾過不織布はメルトブロー法により製造されたメルトブロー繊維を含んでいることによって、濾過精度が高く、しかも熱可塑性延伸繊維を含んでいることによって適度な空隙を保持できるため、濾過流量を多くすることができる。更に、熱可塑性延伸繊維を含んでいるため強度があり、加工性を向上させることができる。この第1補助濾過不織布を構成するメルトブロー繊維の平均繊維径(100点以上の箇所における繊維径の平均値)は0.1〜20μmであるのが好ましく、0.1〜10μmであるのがより好ましい。また、このようなメルトブロー繊維は第1補助濾過不織布中、5〜95mass%含まれているのが好ましく、15〜85mass%含まれているのがより好ましい。本発明における「繊維径」とは、繊維の断面形状が円形である場合には、その繊維の直径をいい、繊維の断面形状が非円形である場合には、円形断面に換算した時の直径をいう。このメルトブロー法によりメルトブロー繊維を製造する条件は特に限定するものではないが、例えば、次のような条件で製造することができる。オリフィス径0.1〜0.5mmで、ピッチ0.3〜1.2mmでオリフィスが配置されたノズルピースを温度220〜370℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.02〜1.5g/minの割合で樹脂を吐出し、この吐出した樹脂に対して、温度220〜400℃、かつ質量比で繊維吐出量の5〜2,000倍量の気体を作用させて製造することができる。このメルトブロー繊維を構成する樹脂成分は熱可塑性樹脂であれば良く、前述の主濾過不織布を構成するメルトブロー繊維を構成する樹脂と全く同様であることができ、同様の理由でポリオレフィン系樹脂(特に、ポリプロピレン)からなるのが好ましい。なお、メルトブロー繊維を構成する樹脂成分は1種類である必要はなく、2種類以上含んでいることもできる。メルトブロー繊維が2種類以上の樹脂からなる場合、その断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型であることができる。他方、「熱可塑性延伸繊維」はメルトブロー繊維やスパンボンド繊維のように、ノズルから押し出した繊維に対して空気を作用させるなどして延伸した繊維ではなく、ノズルから押し出した繊維を延伸機などの機械的作用によって延伸した繊維をいう。この熱可塑性延伸繊維の平均繊維径は10〜100μmであるのが好ましく、15〜80μmであるのがより好ましい。また、このような熱可塑性延伸繊維は第1補助濾過不織布中、5〜95mass%含まれているのが好ましく、15〜85mass%含まれているのがより好ましい。なお、熱可塑性延伸繊維の平均繊維径は、熱可塑性延伸繊維が長繊維である場合には、100点以上の箇所における繊維径の平均値をいい、熱可塑性延伸繊維が短繊維である場合には、100本以上の熱可塑性延伸繊維の繊維径の平均値をいう。この熱可塑性延伸繊維は前述のようなメルトブロー繊維を構成する熱可塑性樹脂と同様の樹脂1種類以上から構成することができる。なお、熱可塑性延伸繊維が2種類以上の樹脂からなる場合、その断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型であることができる。このように熱可塑性延伸繊維が2種類以上の樹脂からなる場合、接着できる樹脂成分(接着成分)を接着させたとしても、接着しない樹脂成分(非接着成分)によって繊維形状を維持することができ、熱可塑性延伸繊維による適度な空間を維持できるため、流体の通過性に優れている。この場合、接着成分と非接着成分との融点差は10℃以上あるのが好ましく、20℃以上あるのがより好ましい。また、熱可塑性延伸繊維の接着成分はメルトブロー繊維の融点(メルトブロー繊維が2種類以上の樹脂からなる場合には、最も低い融点を有する樹脂の融点)よりも10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。この熱可塑性延伸繊維は長繊維であっても短繊維であっても良いが、メルトブロー繊維と均一に混合した状態で存在できるように、短繊維であるのが好ましい。短繊維である場合、その繊維長は5〜160mmであるのが好ましく、メルトブロー繊維と絡みやすいように25〜110mmであるのがより好ましい。この熱可塑性延伸繊維は1種類からなる必要はなく、繊維径、組成、或いは繊維長などの点で相違する2種類以上の熱可塑性延伸繊維を併用しても良い。このような第1補助濾過不織布は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、図1に示すように、前述のような条件でメルトブロー装置1により形成されるメルトブロー繊維2の流れに対して、開繊機3により開繊された熱可塑性延伸繊維4を供給して両者を混合した後、この混合した繊維群をコンベアなどの捕集体5で捕集して第1補助濾過不織布6を形成できる。この熱可塑性延伸繊維4を供給する開繊機3としては、カード機やガーネット機などを例示でき、また図2に示すような複数の開繊シリンダ31をハウジング32内に収納した開繊機3は、メルトブロー繊維2の流れに対して勢い良く熱可塑性延伸繊維4を衝突させて、第1補助濾過不織布6の厚さ方向においてもメルトブロー繊維2と熱可塑性延伸繊維4とを均一に混在させることができるため好適である。また、開繊機3によって熱可塑性延伸繊維4を供給する際には、熱可塑性延伸繊維4をメルトブロー繊維2と均一に混合できるように、メルトブロー繊維2の流れに対して、直角方向から熱可塑性延伸繊維4を供給するのが好ましい。例えば、メルトブロー装置1により形成されるメルトブロー繊維2の流れが水平方向である場合には、このメルトブロー繊維2の流れに対して直角方向上方から熱可塑性延伸繊維4を自然落下させて供給しても良いが、一般的にメルトブロー装置1により形成されるメルトブロー繊維2の流れ方向は重力の作用する方向と同じであるのが好ましいため、開繊機3から供給される熱可塑性延伸繊維4は、重力の作用する方向に対して直角方向から供給するのが好ましい。図2の開繊機3においては、このような角度(直角)であっても熱可塑性延伸繊維4を勢い良く供給できるように、エアを供給することのできるエアノズル33を備えている。なお、メルトブロー繊維2に対して熱可塑性延伸繊維4を供給する角度を調節することによって、第1補助濾過不織布6の厚さ方向における熱可塑性延伸繊維4の存在比率を変えることもできる。このメルトブロー繊維2と熱可塑性延伸繊維4とが混合された繊維群を捕集する捕集体5はロール状のものであっても、コンベア状のものであっても良いが、これら繊維群を搬送する気流との衝突によって第1補助濾過不織布6が乱れたり、飛散することがないように、捕集体5は通気性であるのが好ましく、捕集面とは反対側に気流吸引装置を設けるのが好ましい。このようにして製造された第1補助濾過不織布はそのまま使用しても良いが、加熱処理及び/又は加圧処理を実施して平均流量孔径を調整するのが好ましい。この加熱処理及び加圧処理は同時に実施しても良いし、加熱処理を実施した後に加圧処理を実施しても良い。加熱処理と加圧処理とを同時に実施する場合の加熱温度は、熱可塑性延伸繊維の接着成分の融点より5〜120℃低い温度であるのが好ましく、この場合の線圧力は0.1〜4kN/cmであるのが好ましい。他方、加熱処理を実施した後に加圧処理を実施する場合の加熱温度は、熱可塑性延伸繊維の接着成分の融点より5〜40℃高い温度であるのが好ましく、この場合の線圧力は0.1〜4kN/cmであるのが好ましい。なお、加熱処理のみを実施する場合の加熱温度は、熱可塑性延伸繊維の接着成分の融点より5〜40℃高い温度であるのが好ましい。本発明の第1筒状フィルタにおける第1補助濾過不織布はメルトブロー繊維と熱可塑性延伸繊維とが混在しているものであるが、その平均流量孔径は主濾過不織布の平均流量孔径よりも大きいものである。そのため、この第1補助濾過不織布によって大きな固形物を濾過し、主濾過不織布の負荷を低減することにより主濾過不織布の濾過寿命を長くすることができる。また、第1補助濾過不織布によって主濾過不織布同士の密着を抑制して、主濾過不織布の濾過性能を十分に発揮させることができる。このような第1補助濾過不織布の平均流量孔径の大きさの程度は濾過する流体などによって適宜変化するため、特に限定するものではないが、第1補助濾過不織布の平均流量孔径は主濾過不織布の平均流量孔径よりも2〜40μm程度大きいのが好ましく、2〜20μm程度大きいのがより好ましい。つまり、前述のように主濾過不織布の平均流量孔径は0.5〜40μm程度であるのが好ましく、0.5〜20μm程度であるのがより好ましいため、第1補助濾過不織布の平均流量孔径は2.5〜80μm程度であるのが好ましく、2.5〜60μm程度であるのがより好ましく、2.5〜40μm程度であるのが更に好ましい。本発明の第1補助濾過不織布の面密度は5〜200g/m2程度であるのが好ましく、厚さは0.005〜2mm程度であるのが好ましく、見掛密度は0.05〜0.7g/cm3程度であるのが好ましい。
本発明の第2筒状フィルタにおいては、前述のような主濾過不織布と、この主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布(以下、「第2補助濾過不織布」ということがある)とが積層された状態にある。そのため、この第2補助濾過不織布によって大きな固形物を濾過し、主濾過不織布の負荷を低減することにより濾過寿命を長くすることができる。また、第2補助濾過不織布によって主濾過不織布同士の密着を抑制して、主濾過不織布の濾過性能を十分に発揮させることができる。更に、この第2補助濾過不織布は孔径分布が狭いため、筒状フィルタの濾過精度を更に向上させることができる。このような第2補助濾過不織布の平均流量孔径の大きさの程度は濾過する流体などによって適宜変化するため、特に限定するものではないが、第2補助濾過不織布の平均流量孔径は主濾過不織布の平均流量孔径よりも2〜40μm程度大きいのが好ましく、2〜20μm程度大きいのがより好ましい。つまり、前述のように主濾過不織布の平均流量孔径は0.5〜40μm程度であるのが好ましく、0.5〜20μm程度であるのがより好ましいため、第2補助濾過不織布の平均流量孔径は2.5〜80μm程度であるのが好ましく、2.5〜60μm程度であるのがより好ましく、2.5〜40μm程度であるのが更に好ましい。本発明の第2補助濾過不織布の面密度は5〜200g/m2程度であるのが好ましく、厚さは0.005〜2mm程度であるのが好ましく、見掛密度は0.05〜0.7g/cm3程度であるのが好ましい。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)においては、繊維の均一分散性を損なうことがないように、実質的にフィブリル化していない繊維から製造される。この「フィブリル化していない繊維」とは、複数の繊維が結合していない繊維を意味し、例えば、一本の繊維から無数の繊維が枝分かれした状態の繊維(例えば、ビーターなどによって叩解した繊維、パルプなど)や、複数の繊維が既に結合してネットワーク状態にある繊維(例えば、フラッシュ紡糸法により得られる繊維)ではないことを意味する。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は、太い繊維が混在していることによって繊維の配列が乱され、大きな開孔径を形成することがないように、繊維径が20μm未満の繊維(好ましくは、繊維径18μm以下の繊維)から製造されたものである。より具体的には、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含んでいる。前者の極細繊維は均一に分散して均一な孔径を形成できるように繊維径は4μm以下であり、3μm以下であるのがより好ましい。この極細繊維の繊維径の下限は特に限定するものではないが、0.1μm以上であるのが好ましく、0.3μm以上であるのがより好ましく、0.5μm以上であるのが更に好ましく、0.75μm以上であるのが最も好ましい。前述のような極細繊維によって均一な孔径を形成できるように、極細繊維の繊維径はほぼ同じであるのが好ましい。つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を、極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下(好ましくは0.18以下)であるのが好ましい。なお、極細繊維の繊維径が全て同じである場合には標準偏差値が0になるため、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を極細繊維の繊維径の平均値で除した値の下限値は0である。この極細繊維の「繊維径の平均値」は、第2補助濾過不織布(湿式不織布)の電子顕微鏡写真を撮影し、その電子顕微鏡写真における100本以上(n本)の極細繊維の繊維径を計測し、その計測した繊維径を平均した値をいう。また、極細繊維の「標準偏差値」は計測した繊維径(χ)から次の式により算出した値をいう。
標準偏差={(nΣχ2−(Σχ)2)/n(n−1)}1/2
ここでnは測定した極細繊維の本数を意味し、χはそれぞれの極細繊維の繊維径を意味する。なお、繊維径が4μm以下の極細繊維が2種類以上存在する場合には、各々の極細繊維について、上記の関係が成立するのが好ましい。また、極細繊維は均一な孔径を有する第2補助濾過不織布(湿式不織布)を形成できるように、極細繊維の繊維軸方向において実質的に同じ直径を有しているのが好ましい。このようなほぼ同じ繊維径を有する極細繊維、或いは繊維軸方向において実質的に同じ直径を有している極細繊維は、例えば、紡糸口金部で海成分中に口金規制して島成分を押し出して複合する複合紡糸法で得た海島型繊維の海成分を除去することにより得ることができる。なお、一般的に混合紡糸法といわれる、島成分を構成する樹脂と海成分を構成する樹脂とを混合した後に紡糸する方法によって得た海島型繊維の海成分を除去することによっては、ほぼ同じ繊維径を有する極細繊維や繊維軸方向において実質的に同じ直径を有している極細繊維を得ることは困難である。この極細繊維を構成する樹脂は特に限定されるものではないが、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン系共重合体などのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート系共重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート系共重合体などのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、オレフィン系共重合体などのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタン、ビニル重合体などの合成樹脂1種類以上から構成することができる。なお、極細繊維が接着に関与できる樹脂成分(以下、「接着成分」ということがある)を含み、この接着成分により接着していると、確実に極細繊維を固定することができ、極細繊維が脱落したり、毛羽立つことがないため好適な実施態様である。この極細繊維を接着させる場合、極細繊維は前述のような樹脂からなる接着成分のみから構成することもできるし、接着成分とこの接着成分の融点よりも高い融点を有する成分(以下、「非接着成分」ということがある)の2種類以上の樹脂成分から構成することもできる。後者のように極細繊維が接着成分と非接着成分を含む2種類以上の樹脂成分から構成されていると、極細繊維を接着させても繊維形態を維持して、極細繊維本来の働きである、均一な孔径の形成を妨げないためより好適である。極細繊維が2種類以上の樹脂成分から構成されている場合、接着成分は接着に関与できるように、極細繊維表面の少なくとも1部を占めている(極細繊維の断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型である)のが好ましく、極細繊維表面全体(極細繊維の断面形状は、例えば、芯鞘型、偏芯型、海島型である)を接着成分が占めているのがより好ましい。他方、非接着成分は繊維形状を維持できるように、接着成分の融点よりも10℃以上高いのが好ましく、20℃以上高いのがより好ましい。なお、後述の接着性繊維を接着させる際の熱によっても繊維形状を維持できるように、非接着成分は後述の接着性繊維の接着成分の融点よりも10℃以上高い融点を有するのが好ましく、20℃以上高い融点を有するのがより好ましい。この好適である接着成分と非接着成分とを含む2種類以上の樹脂成分からなる極細繊維は、常法の複合紡糸法により紡糸する際に、島成分を押し出す口金として、前述のような断面形状(例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型など)を形成できるものを使用して海島型繊維を紡糸し、海成分を除去することにより得ることができる。なお、極細繊維は前述のような接着性を有する以外に、巻縮発現性、分割性などの性能を有するものであっても良い。前者の巻縮発現性を有する極細繊維として、断面形状が偏芯型又はサイドバイサイド型であるように、2種類以上の樹脂成分が配置した極細繊維を使用でき、後者の極細繊維として、断面形状が海島型、オレンジ型或いは多重バイメタル型であるように、2種類以上の樹脂成分が配置した極細繊維を使用できる。なお、後述のように、極細繊維は均一分散しやすいように、自由度の高い短繊維(繊維長が30mm以下)であるのが好ましいが、極細繊維又は海島型繊維を裁断する際に極細繊維同士又は島成分同士が圧着してしまうと、フィブリル化した繊維と同様の状態となるため、裁断する際に極細繊維同士又は島成分同士が圧着しにくい極細繊維又は海島型繊維を使用するのが好ましい。このような圧着しにくい極細繊維又は海島型繊維としては、例えば、結晶性の高い極細繊維(海島型繊維の場合には島成分)がある。より具体的には、極細繊維(海島型繊維の場合には島成分)がポリメチルペンテンやシンジオタクチックポリスチレンを含んでいたり、ポリプロピレンを含んでいる場合には、そのポリプロピレンの融点が166℃以上(好ましくは168℃以上)であると、圧着しにくい。他方、接着性繊維は極細繊維を接着して極細繊維を固定するとともに、第2補助濾過不織布(湿式不織布)に強度を付与できるように、極細繊維よりも太く、繊維径が8μm以上である。また、接着性繊維によって極細繊維の配列が乱されて大きな開孔径を形成することがないように、繊維径が20μm未満である。接着性繊維のより好ましい繊維径は8μm以上、18μm以下である。この接着性繊維は単一成分からなるものであっても良いが、接着後においても繊維形態を維持して強度的に優れるように、2種類以上の樹脂成分からなるのが好ましい。この2種類以上の樹脂成分の配置状態としては、例えば、繊維断面形状が芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型などであることができる。これらの中でも、接着に関与できる樹脂、つまり接着成分の多い芯鞘型、偏芯型、又は海島型であるのが好ましい。この接着性繊維は極細繊維と同様の樹脂から構成することができるが、極細繊維を接着させない場合には、接着性繊維を接着させる際の熱によって極細繊維が溶融しないように、接着性繊維の接着成分の融点は極細繊維のいずれの樹脂成分の融点よりも10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。他方、極細繊維の接着成分も接着させる場合には、接着性繊維の接着成分の接着と極細繊維の接着成分の接着とを同時に実施できるように、接着性繊維の接着成分と極細繊維の接着成分との融点差は35℃以内であるのが好ましく、30℃以内であるのがより好ましい。なお、接着性繊維の接着成分の融点と極細繊維の接着成分の融点(複数種類の極細繊維が存在する場合には、接着性繊維の接着成分の融点に最も近い融点を有する樹脂成分の融点)との差が10℃以上、35℃以内である場合には、極細繊維の接着成分を接着させることもできるし、極細繊維を接着させないこともできる。また、極細繊維が接着成分と非接着成分とを含む場合には、極細繊維が繊維形状を維持できるように、接着性繊維の接着成分の融点は極細繊維の非接着成分の融点よりも10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。更に、接着性繊維が2種類以上の樹脂成分からなる場合には、接着性繊維を接着させる際の熱によっても接着性繊維が繊維形状を維持できるように、接着成分以外の樹脂成分(非接着成分)の融点は接着成分の融点よりも10℃以上高いのが好ましく、20℃以上高いのがより好ましい。このような接着性繊維は常法の複合紡糸法又は混合紡糸法により容易に紡糸できる。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は前述のような極細繊維及び接着性繊維を含んでいる。これらの繊維の質量比率は筒状フィルタの具体的用途や要求物性などによって適宜変化するが、(極細繊維):(接着性繊維)=30〜70:70〜30であるのが好ましい。極細繊維量が30mass%以上であれば、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を得ることができ、他方、接着性繊維量が30mass%以上であれば、極細繊維を十分に固定することができるため極細繊維の脱落が生じにくく、しかも湿式不織布に強度を付与することができる。より好ましい質量比率は(極細繊維):(接着性繊維)=35〜65:65〜35である。なお、これらの質量比率は第2補助濾過不織布(湿式不織布)の質量全体に対する比率をいう。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は前述のような極細繊維及び接着性繊維以外に、繊維径が4μmを越え、8μm未満の繊維(以下、「中間繊維径繊維」ということがある)を含んでいることもできる。この中間繊維径繊維の含有量は極細繊維及び接着性繊維との関係から、40mass%以下であるのが好ましく、30mass%以下であるのがより好ましい。つまり、(極細繊維):(接着性繊維):(中間繊維径繊維)=30〜70:70〜30:0〜40であるのが好ましく、(極細繊維):(接着性繊維):(中間繊維径繊維)=35〜65:65〜35:0〜30であるのがより好ましい。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)は未延伸状態であることもできるが、強度的に優れているように、ノズルから押し出した繊維を延伸機などの機械的作用によって延伸した繊維であるのが好ましい。また、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)の繊維長は特に限定するものではないが、繊維長が短いほど繊維の自由度が高く、均一に分散させることが可能であるため、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維の繊維長は0.5〜30mmであるのが好ましい。好ましくは、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)は繊維長が0.5〜30mmに切断されている。なお、本発明における「繊維長」はJIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる長さをいう。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)は前述のような繊維から構成された、最大孔径が平均流量孔径の2倍以下(より好ましくは1.9倍以下)の、孔径分布の狭いものである。なお、理想的には最大孔径が平均流量孔径の1倍、つまり全孔径が同じ大きさである。この「最大孔径」はポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いてバブルポイント法により測定される値をいう。この第2補助濾過不織布(湿式不織布)を構成する繊維(例えば、極細繊維、接着性繊維、中間繊維径繊維など)が実質的に二次元的に配置していると、繊維の配置が規則的であることによって、より一層孔径分布を狭くすることができるため好適な態様である。なお、「繊維が実質的に二次元的に配置している」とは、厚さ方向に向いた繊維が実質的に配置していない状態をいい、例えば、湿式法により形成した繊維ウエブに対して、水流などの流体流を作用させることなく、接着のみによって結合した場合に得ることのできる状態である。このような第2補助濾過不織布(湿式不織布)は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、実質的にフィブリル化していない、少なくとも極細繊維と接着性繊維とを用意する。この極細繊維として、繊維径がほぼ同じもの、つまり、極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を、極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下(好ましくは0.18以下、0以上)の極細繊維を使用することにより、孔径分布が狭い補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。なお、極細繊維や接着性繊維などの繊維長は0.5〜30mmであるのが好ましい。また、切断する際に圧着しにくい繊維(例えば、極細繊維など)を使用すると、繊維の分散性が向上して、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。次いで、これらの繊維を使用して、常法の湿式法により繊維ウエブを形成する。使用する繊維は実質的にフィブリル化していないため、分散浴である水中に繊維を均一に分散させることができ、また繊維を抄き上げるワイヤーに繊維が絡みつくということもないため、地合いの優れる所望の第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造することができる。この繊維ウ
エブを形成する際、繊維の均一な分散状態を維持するために増粘剤を加えたり、水と繊維との親和性を高めるために界面活性剤を加えたり(特に、水との親和性の低い樹脂成分からなる繊維を用いる場合)、攪拌等によって生じる気泡を取り除くために消泡剤を加えると、繊維の分散性が向上して、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。次いで、この繊維ウエブを乾燥すると同時、又は乾燥した後に、接着性繊維の接着成分が接着可能(場合により極細繊維の接着成分も接着可能)な熱(必要により圧力も)を作用させることにより、接着性繊維の接着成分(場合により極細繊維の接着成分も)を接着して、第2補助濾過不織布(湿式不織布)を得ることができる。このように繊維ウエブに水流などの流体流を作用させることなく、接着性繊維の接着成分(場合により極細繊維の接着成分)を接着させて第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造すると、繊維が二次元的に配置した状態にあるため、孔径分布の狭い第2補助濾過不織布(湿式不織布)を製造しやすくなる。
前述のような補助濾過不織布(第1補助濾過不織布又は第2補助濾過不織布、以下同様)は前述のような主濾過不織布と隣接して積層された状態にある。この補助濾過不織布は主濾過不織布の片面のみに隣接していても良いし、両面に隣接していても良い。例えば、いわゆるデプス型筒状フィルタの場合には、主濾過不織布の片面のみに対して補助濾過不織布が隣接していれば十分であり、いわゆるプリーツ型筒状フィルタの場合には、主濾過不織布の両面に補助濾過不織布が隣接しているのが好ましい。なお、補助濾過不織布が主濾過不織布の両面に隣接している場合には、平均流量孔径の点において同じ補助濾過不織布が隣接していても良いし、平均流量孔径の点において異なる補助濾過不織布が隣接していても良い。なお、主濾過不織布と補助濾過不織布とは結合した状態にあっても、結合していない状態にあっても良い。前者のように結合した状態としては、例えば、主濾過不織布と補助濾過不織布とを積層した後に加熱処理、又は加熱処理及び加圧処理を実施することにより接着一体化した状態、超音波処理により一体化した状態、ニードルや流体流(好ましくは水流)により絡合一体化した状態、接着剤により接着一体化した状態などがある。また、主濾過不織布に隣接して積層される補助濾過不織布は1種類である必要はなく、2種類以上の補助濾過不織布が積層されていても良い。このように2種類以上の補助濾過不織布が積層されている場合、流体の流入側から流体の流出側へ順に平均流量孔径の小さい補助濾過不織布となるように積層されているのが好ましい。なお、2種類以上の補助濾過不織布が積層されている場合、これら補助濾過不織布は結合した状態にあっても、結合していない状態にあっても良い。前者のように結合した状態としては、例えば、加熱処理、又は加熱処理及び加圧処理により接着一体化した状態、超音波処理により一体化した状態、ニードルや流体流(好ましくは水流)により絡合一体化した状態、接着剤により接着一体化した状態などがある。
本発明の筒状フィルタは前述のような主濾過不織布と補助濾過不織布とが隣接して積層された状態で、多孔筒の周囲に配置されたものである。この配置状態としては、例えば、主濾過不織布と補助濾過不織布とが多孔筒の周囲に巻回された領域を有する状態(いわゆるデプス型)や、主濾過不織布と補助濾過不織布とが襞折り加工されて、多孔筒の周囲に配置された領域を有する状態(いわゆるプリーツ型)、或いはこれら両方の領域を有する状態、などがある。
前者のデプス型筒状フィルタにおいては、主濾過不織布と補助濾過不織布とが多孔筒の周囲に巻回された領域を有するが、その巻回数は特に限定されるものではない。なお、主濾過不織布と補助濾過不織布の巻回数は同じであっても異なっていても良い。つまり、主濾過不織布と補助濾過不織布とが全周にわたって隣接している必要はなく、一部の領域においてのみ隣接している状態にあっても良い。主濾過不織布と補助濾過不織布とが一部の領域においてのみ隣接している場合には、処理流体の流出側において主濾過不織布と補助濾過不織布とが隣接しているのが好ましい。つまり、処理流体が筒状フィルタの外側から流入して内側へと流出する場合には、筒状フィルタの内側の層において主濾過不織布と補助濾過不織布とが隣接して巻回された領域を有するのが好ましい。また、処理流体が筒状フィルタの内側から流入して外側へと流出する場合には、筒状フィルタの外側の層において主濾過不織布と補助濾過不織布とが隣接して巻回された領域を有するのが好ましい。この主濾過不織布及び/又は補助濾過不織布はどのように巻回されていても良く、平巻き状に巻回されていても良いし、螺旋状に巻回されていても良い。また、デプス型の場合、主濾過不織布に隣接して積層されている補助濾過不織布は1種類である必要はなく、平均流量孔径の点で相違する2種類以上の補助濾過不織布が、主濾過不織布から流体流入側へ順に平均流量孔径の大きい補助濾過不織布となるように積層されているのが好ましい。このように補助濾過不織布が積層されていることにより、更に濾過寿命を長くすることができる。より具体的には、主濾過不織布よりも平均流量孔径が2〜40μm程度大きい補助濾過不織布が、主濾過不織布から流体流入側へ順に積層されているのが好ましい。なお、主濾過不織布と補助濾過不織布とが隣接して巻回されている領域とは異なる領域に、前記補助濾過不織布よりも平均流量孔径が2〜40μm程度大きい粗濾過繊維シートを巻回又は襞折り加工した状態で配置した領域を有していても良い。このような粗濾過繊維シートが配置した領域を有することにより、更に濾過寿命を長くすることができる。この粗濾過繊維シートは補助濾過不織布と結合した状態にあっても、結合していない状態にあっても良い。前者のように結合した状態としては、例えば、少なくとも加熱処理(好ましくは加熱処理及び加圧処理する)により接着一体化した状態、超音波シールにより一体化した状態、ニードルや流体流(好ましくは水流)により絡合一体化した状態、接着剤により接着一体化した状態、などがある。この粗濾過繊維シートは補助濾過不織布(2種類以上ある場合には、最も平均流量孔径の大きい補助濾過不織布)よりも平均流量孔径の大きい(2〜40μm程度)ものであれば良く、例えば、補助濾過不織布と同様にして平均流量孔径が大きいように製造した湿式不織布、補助濾過不織布と同様にして平均流量孔径が大きいように製造したメルトブロー繊維と熱可塑性延伸繊維とが混在している不織布、主濾過不織布と同様にして平均流量孔径が大きいように製造したメルトブロー不織布、或いは平均流量孔径が大きいように製造したスパンボンド不織布などであることができる。また、主濾過不織布と補助濾過不織布とが巻回された領域以外に、主濾過不織布及び/又は補助濾過不織布が襞折り加工された状態で配置された領域を有していても良い。
本発明の別の筒状フィルタは主濾過不織布と補助濾過不織布とが襞折り加工された状態で多孔筒の周囲に配置された領域を有するプリーツ型筒状フィルタである。このプリーツ型筒状フィルタの襞折り数は用途や必要物性によって適宜設定すれば良く、特に限定されるものではない。このプリーツ型筒状フィルタにおいては、主濾過不織布と補助濾過不織布とが襞折り加工された場合、主濾過不織布の表面同士が密着して濾過面積を減ずる可能性があるばかりでなく、裏面同士が密着して濾過面積を減ずる可能性があるため、主濾過不織布の両面に補助濾過不織布が積層されているのが好ましい。このように主濾過不織布の両面に補助濾過不織布が積層されている場合、同じ平均流量孔径の補助濾過不織布が主濾過不織布の表裏面に積層されていても良いし、異なる平均流量孔径の補助濾過不織布が主濾過不織布の表裏面に積層されていても良い。また、プリーツ型筒状フィルタの場合も、主濾過不織布に隣接して積層されている補助濾過不織布は1種類である必要はなく、平均流量孔径の点で相違する2種類以上の補助濾過不織布が、主濾過不織布から流体流入側へ順に平均流量孔径の大きい補助濾過不織布となるように積層されていても良い。このように補助濾過不織布が積層されていることにより、更に濾過寿命を長くすることができる。より具体的には、主濾過不織布から流体流入側へ順に平均流量孔径が2〜40μm程度づつ大きい補助濾過不織布が積層されているのが好ましい。このように補助濾過不織布が2種類以上積層されている場合、主濾過不織布の両面に積層されていても良いし、片面のみに積層されていても良いが、主濾過不織布の片面にのみ補助濾過不織布が2種類以上積層されている場合であっても、主濾過不織布の他面には主濾過不織布同士の密着を抑制するために、補助濾過不織布が1枚積層されているのが好ましい。なお、主濾過不織布の片面のみに2種類以上の補助濾過不織布が積層されている場合、2種類以上の補助濾過不織布が積層されている側が処理流体の流入側となるように配置されているのが好ましい。なお、主濾過不織布と補助濾過不織布とが襞折り加工された状態で配置されている領域とは異なる領域に、前記補助濾過不織布よりも平均流量孔径が2〜40μm程度大きい粗濾過繊維シートを巻回した領域を有していても良い。このような粗濾過繊維シートが巻回された領域を有していると、濾過寿命を更に長くすることができる。この粗濾過繊維シートは補助濾過不織布と結合した状態にあっても、結合していない状態にあっても良い。前者のように結合した状態としては、例えば、少なくとも加熱処理(好ましくは加熱処理及び加圧処理する)により接着一体化した状態、超音波シールにより一体化した状態、ニードルや流体流(好ましくは水流)により絡合一体化した状態、接着剤により接着一体化した状態、などがある。この粗濾過繊維シートは補助濾過不織布(2種類以上ある場合には、最も平均流量孔径の大きい補助濾過不織布)よりも平均流量孔径の大きい(2〜40μm程度)ものであれば良く、例えば、補助濾過不織布と同様にして平均流量孔径が大きいように製造した湿式不織布、補助濾過不織布と同様にして平均流量孔径が大きいように製造したメルトブロー繊維と熱可塑性延伸繊維とが混在している不織布、主濾過不織布と同様にして平均流量孔径が大きいように製造したメルトブロー不織布、或いは平均流量孔径が大きいように製造したスパンボンド不織布などであることができる。また、主濾過不織布と補助濾過不織布とが襞折り加工された状態で配置された領域以外に、主濾過不織布及び/又は補助濾過不織布が巻回された領域を有していても良い。なお、襞折り加工は襞折り加工機により実施することができ、その山高さ、山間隔などは使用用途や所望物性などによって適宜設定することができる。
本発明の円筒状フィルタを構成する多孔筒は、従来から公知の材料、例えば金属やプラスチックからなるものを使用することができる。また、本発明の筒状フィルタは上述のような基本構成からなるが、処理流体が散逸するのを防ぐために、筒状フィルタの両端がキャップで封鎖されていたり、筒状フィルタの形状を保持できるように、筒状フィルタの最外表面に金属やプラスチックからなる多孔網筒が設置されているなど、従来から採られている構成が付加されていても良い。
本発明の筒状フィルタは、例えば、食品・飲料、電子、医薬、化学、水処理、写真、塗料、メッキ、染色、機械・鉄鋼など各製造プロセスにおいて使用する液体、又は使用した液体などの流体の濾過に好適に使用することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
オリフィス径0.3mm、ピッチ0.8mmでオリフィスが配置されたノズルピースを温度330℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.33g/minの割合でポリプロピレン樹脂を吐出し、この吐出したポリプロピレン樹脂に対して、温度330℃、かつ質量比で樹脂吐出量の240倍量の空気を作用させて形成したメルトブロー繊維をコンベア上に集積させて(ノズルピースとコンベアとの距離:49cm)メルトブロー繊維ウエブを製造した。次いで、このメルトブロー繊維ウエブを金属ロールと樹脂ロールとからなる、温度80℃に設定されたカレンダーロール間(線圧力:0.5kN/cm)を通して、面密度80g/m2、厚さ0.15mm、見掛密度0.53g/cm3、平均繊維径1.7μm、平均流量孔径1.9μmのメルトブロー不織布(主濾過不織布)を製造した。他方、オリフィス径0.2mm、ピッチ0.8mmでオリフィスが配置されたノズルピースを温度320℃に加熱し、1つのオリフィスあたり0.06g/minの割合でポリプロピレン樹脂を吐出し、この吐出したポリプロピレン樹脂に対して、温度330℃、かつ質量比で樹脂吐出量の70倍量の空気を作用させ、重力の作用する方向と同じ方向に平均繊維径1.8μmのポリプロピレン製メルトブロー繊維2(融点:160℃)の流れを形成した。このポリプロピレン製メルトブロー繊維2の流れに対して直角方向から、図2に示すような2本の開繊シリンダ31をハウジング32内に収納し、しかもエアノズル33を備えた開繊機3から、芯成分がポリプロピレン樹脂(融点:160℃)からなり、鞘成分がポリエチレン樹脂(融点:135℃)からなる、繊維径21.6μm、繊維長38mmの芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4を供給し、前記ポリプロピレン製メルトブロー繊維2と混合した。なお、ポリプロピレン製メルトブロー繊維2と芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4との混合質量比率は、(ポリプロピレン製メルトブロー繊維2):(芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4)=65:35であった。このポリプロピレン製メルトブロー繊維2と芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4とが混合された繊維群をコンベヤーベルトで捕集して混在繊維ウエブを形成した。なお、コンベヤーベルトはメッシュ体からなり、ベルトの捕集面とは反対側から気体吸引装置により空気を吸引して、混在繊維ウエブを構成する繊維の乱れを防いだ。次いで、この混在繊維ウエブを温度145℃雰囲気のドライヤーにより3分間加熱処理を実施して、芯鞘型熱可塑性延伸短繊維4の鞘成分のみを接着して、面密度50g/m2、厚さ0.33mm、平均流量孔径13.7μmの混在不織布(第1補助濾過不織布)を製造した。次いで、前記主濾過不織布を2枚の前記第1補助濾過不織布で挟んだ状態で、襞折り加工機により折り幅14mmで襞折り加工を実施して積層濾過材を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、山数が100山となるように前記積層濾過材を配置し、次いでこの積層濾過材の両端を超音波ウエルダー加工機により融着した。そして、多孔筒の長さ方向における両端面にガスケットを接着して、内径30mm、外径69mm、長さ250mmのプリーツ型筒状フィルタを製造した。
(実施例2)
海島型繊維として、ポリ−L−乳酸(以下、「PLLA」と表記する)からなる海成分中に、ポリプロピレンからなる島成分が25個存在する、複合紡糸法により製造した繊維(繊度:1.65dtex、繊維長:3mm)を用意した。次いで、この海島型繊維を、温度80℃、10mass%の水酸化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬し、海島型繊維の海成分であるPLLAを抽出除去して、ポリプロピレン極細繊維(平均繊維径:1.8μm、繊維径分布の標準偏差値:0.15、融点:172℃、繊維長3mmに切断されたもの、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する)を得た。他方、接着性繊維として、芯成分がポリプロピレン(融点:158℃)からなり、鞘成分(接着成分)が高密度ポリエチレン(融点:131℃)からなる芯鞘型複合接着性繊維(繊維径:11.8μm、繊維長10mmに切断されたもの、フィブリル化していない、延伸されている)を用意した。次いで、前記ポリプロピレン極細繊維と芯鞘型複合接着性繊維とを質量比50:50の割合で、水からなる分散浴に分散させ、抄紙機により抄造した後、温度140℃で乾燥すると同時に芯鞘型複合接着性繊維の接着成分のみを接着させ、面密度38g/m2、厚さ0.34mm、見掛密度0.11g/cm3、平均流量孔径12.1μmの湿式不織布(第2補助濾過不織布)を製造した。この湿式不織布(第2補助濾過不織布)を構成する繊維は二次元的に配置しており、また最大孔径は平均流量孔径の1.7倍であった。他方、実施例1と全く同様にして製造した主濾過不織布を用意した。次いで、前記主濾過不織布を2枚の前記第2補助濾過不織布で挟んだ状態で、襞折り加工機により折り幅14mmで襞折り加工を実施して積層濾過材を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、山数が100山となるように前記積層濾過材を配置し、次いでこの積層濾過材の両端を超音波ウエルダー加工機により融着した。そして、多孔筒の長さ方向における両端面にガスケットを接着して、内径30mm、外径69mm、長さ250mmのプリーツ型筒状フィルタを製造した。
(比較例1)
実施例1と同じ主濾過不織布を用意した。他方、面密度34g/m2、厚さ0.25mm、見掛密度0.14g/cm3、目合1mm×2mmのポリプロピレン製ネットを用意した。次いで、前記主濾過不織布を前記2枚のポリプロピレン製ネットにより挟んだ状態で、襞折り加工機により折り幅14mmで襞折り加工を実施して積層濾過材を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、山数が100山となるように前記積層濾過材を配置し、次いでこの積層濾過材の両端を超音波ウエルダー加工機により融着した。そして、多孔筒の長さ方向における両端面にガスケットを接着して、内径30mm、外径69mm、長さ250mmのプリーツ型筒状フィルタを製造した。
(実施例3)
実施例1と同様にして製造した主濾過不織布(60cm長)、及び実施例1と同様にして製造した混在不織布(第1補助濾過不織布、320cm長)を用意した。また、面密度が80g/m2で平均流量孔径3μmのメルトブロー不織布A(40cm長)、面密度が80g/m2で平均流量孔径5μmのメルトブロー不織布B(40cm長)、及び面密度が80g/m2で平均流量孔径10μmのメルトブロー不織布C(40cm長)をそれぞれ用意した。次いで、前記混在不織布(第1補助濾過不織布)の左端から120cmの所と前記主濾過不織布の左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記主濾過不織布を積層し、次いで、前記主濾過不織布の右端とメルトブロー不織布Aの左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記メルトブロー不織布Aを積層し、次いで、前記メルトブロー不織布Aの右端とメルトブロー不織布Bの左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記メルトブロー不織布Bを積層し、そして、前記メルトブロー不織布Bの右端とメルトブロー不織布Cの左端とが一致するように、前記混在不織布の上に前記メルトブロー不織布Cを積層して、濾過材積層体を製造した。次いで、ポリプロピレン製多孔筒の周囲に、前記濾過材積層体の主濾過不織布等を積層した面が内側となるように、前記濾過材積層体の左端から平巻き状に巻回し、内径3cm、外径6.5cm、長さ25cmのデプス型筒状フィルタを製造した。
(比較例2)
実施例3で用いた第1補助濾過不織布に代えて、比較例1と同じポリプロピレン製ネットを使用したこと以外は、実施例3と全く同様にして、内径3cm、外径6.5cm、長さ25cmのデプス型筒状フィルタを製造した。
実施例1〜3及び比較例1〜2の筒状フィルタの性能を、次のようにして調べた。
1.通水抵抗
各々の筒状フィルタに流量25L/分で通水した時の圧力損失を測定し、通水抵抗とした。この結果は表1に示す通りであった。
2.濾過効率
JIS11種の塵埃を水に分散させた濃度10ppmの試験液を均一に攪拌しながら、各々の筒状フィルタに所定流量で通水(プリーツ型の場合には25L/分、デプス型の場合には10L/分)して、通水1分後の濾液を採取した。この濾液及び濾過前の試験液に含まれる各粒径別の粒子数を粒度分布測定機(コールター(COULTER)社製、コールターマルチサイザーツー(COULTERMultisizerII))により測定した。次いで、それぞれの粒径における濾過効率を下記の式から算出し、100%の濾過効率が得られる粒径をその筒状フィルタの濾過精度とした。この結果は表1に示す通りであった。
濾過効率[%]={(A−B)/A}×100
A:濾過前の粒子数、B:濾過後の粒子数
3.濾過寿命
JIS11種の塵埃を水に分散させた所定濃度の試験液(プリーツ型の場合には20ppm、デプス型の場合には10ppm)を均一に攪拌しながら、各々の筒状フィルタに所定流量で通水(プリーツ型の場合には25L/分、デプス型の場合には10L/分)させた。圧力損失を各通水量に対して順次測定し、初期圧力との差圧が所定値(プリーツ型の場合には200kPa、デプス型の場合には100kPa)になるまでに処理された総通水量を濾過寿命とした。この結果は表1に示す通りであった。
Figure 2008018429
この表1から本発明のプリーツ型筒状フィルタ及びデプス型筒状フィルタは、いずれも通水抵抗が低く、濾過精度及び濾過寿命の優れるものであることがわかった。また、本発明の筒状フィルタに使用した主濾過不織布及び補助濾過不織布からなる積層濾過材は主濾過不織布を損傷することなく、加工(襞折り加工、巻回加工)することができるものであった。このことは、表1の濾過精度を損なうことなく、濾過寿命が長く、優れた濾過性能を有するという結果からも、加工時に主濾過不織布が損傷していないことがわかった。また、本発明の積層濾過材は襞折り加工時や巻回加工時の取り扱い作業性にも優れるものであった。
第1補助濾過不織布の製造工程の一例を表す工程図 開繊機の一例の断面模式図
符号の説明
1 メルトブロー装置
2 メルトブロー繊維
3 開繊機
31 開繊シリンダ
32 ハウジング
33 エアノズル
4 熱可塑性延伸繊維
5 捕集体
6 第1補助濾過不織布

Claims (5)

  1. メルトブロー不織布からなる主濾過不織布と、この主濾過不織布よりも平均流量孔径が大きく、実質的にフィブリル化していない、繊維径20μm未満の繊維から製造された湿式不織布であり、前記繊維として、繊維径が4μm以下の極細繊維と、繊維径が8μm以上、20μm未満の接着した接着性繊維とを含み、しかも最大孔径が平均流量孔径の2倍以下の湿式不織布からなる補助濾過不織布とを含み、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが隣接して積層された状態で、多孔筒の周囲に配置されていることを特徴とする筒状フィルタ。
  2. 前記補助濾過不織布において、前記極細繊維の繊維径分布の標準偏差値を、前記極細繊維の繊維径の平均値で除した値が0.2以下であることを特徴とする、請求項に記載の筒状フィルタ。
  3. 多孔筒の周囲に、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが巻回された状態で配置された領域を有していることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の筒状フィルタ。
  4. 多孔筒の周囲に、前記主濾過不織布と前記補助濾過不織布とが襞折り加工された状態で配置された領域を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の筒状フィルタ。
  5. 前記補助濾過不織布よりも平均流量孔径の大きい粗濾過繊維シートが配置された領域を有していることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれかに記載の筒状フィルタ。
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