JP2008018124A - 骨補填材 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続的且つ効率的に骨補填材を充填させる共に、安全性の確保を図る。
【解決手段】
骨補填材10は、螺旋状に巻回され、且つ、その軸線に沿った平面上において所定直径で湾曲形成された金属製材料のコイルスプリング12からなり、前記軸線方向及び半径方向に弾発力を有する。そして、充填器具14を構成する筒状の導入管18を介して骨補填材10が椎体16の骨折部36へと供給されて充填される。
【選択図】図7

Description

本発明は、骨粗鬆症による椎体圧迫骨折等の骨折部、種々の疾病による骨疾患部等に充填するための骨補填材に関する。
近時の整形外科の骨粗鬆症治療、骨折治療等においては患者の負担軽減のため低侵襲であることが重要視されている。骨粗鬆症による椎体骨折に対応して経皮的椎体形成術(PVP)が行われるようになっている。このような経皮的椎体形成術では、例えば、リン酸カルシウム系骨セメントやポリメチルメタクリレート(PMMA)系骨セメント等の充填材を骨折部位内に送り込んで充填することにより、骨折部位の強度を維持している(例えば、特許文献1参照)。
特表2005−537098号公報
ところで、特許文献1に係る従来技術においては、施術に際しては充填材に圧力を加えて骨折部位内に送り込むため、これらの充填材が骨折部位から椎体外部へと漏れる可能性があり、副作用や生体不適合性が懸念されている。
また、上述した充填材を硬化させることにより強度を確保しているが、該充填材により骨折部位の強度のみが増大してしまうため、前記骨折部位に隣接した他の椎体に対する負荷が増大し、治療後に前記他の椎体が連鎖的に骨折してしまうことが懸念される。
本発明は、前記の課題を考慮してなされたものであり、副作用や生体不適合性を可及的に少なくし、隣接する椎体への懸念も少なく、しかも安全性を確保することが可能であり、且つ、連続的且つ効率的に充填することが可能な骨補填材を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、素線が軸線方向に沿って螺旋状に巻回されたコイル体からなり、該コイル体が前記軸線と略直交方向に所定直径で湾曲した湾曲形状で形成されることを特徴とする。
本発明によれば、骨補填材を、螺旋状に巻回されたコイル体とし、且つ、その軸線と略直交方向に所定直径で湾曲させることにより、該骨補填材を軸線方向及び湾曲した半径方向に弾発自在な構造としている。従って、骨補填材を骨折部内に供給した際に、弾発力を有する骨補填材が適度の指向性を備えているため、前記骨折部内において前記骨補填材を連続的且つ効率的に充填することができる。
また、骨補填材が変形可能であるため、該骨折部内において障害物に骨補填材が突き当たった場合でも該骨折部に過大な負荷を与えることがなく、且つ、骨セメントを充填した場合に懸念されるような骨折部の狭い隙間からの充填材の漏出がないため、安全性が確保されて良好である。
さらに、弾発力を有するコイル体を骨補填材に採用することにより、例えば、骨折部に対して骨セメントを充填して硬化させる場合と比較し、前記骨折部の強度が著しく増大してしまうことがなく、前記骨折部の強度を所定範囲内に抑制することができる。そのため、骨折部に骨補填材を充填させた際に、該骨折部と隣接した部位への負荷の集中が防止され、連鎖的に骨折してしまうことを防止できる。
また、コイル体の素線径を、0.10mm〜0.90mmの範囲内に設定するとことにより、前記コイル体の硬度が所望量に確保されて適度な指向性を維持することができるため、骨補填材を骨折部内に充填させる際に障害物を排除あるいは迂回して配置することが可能となる。
さらに、コイル体の直径を、素線径に対する比が2〜10の範囲内に設定することにより、前記コイル体を所望の硬度として適度な指向性を持たせることができるため、骨折部に対する骨補填材の充填効率を向上させることができると共に、その挿入性を高めることが可能となる。
さらにまた、コイル体の湾曲直径を、10mm〜100mmの範囲内に設定することにより、前記コイル体を骨折部に充填する際の充填効率と該骨折部に付与される負荷とを好適にバランスさせることが可能となる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、骨補填材を螺旋状に巻回されたコイル体とし、その軸線と略直交方向に所定直径で湾曲させることにより、前記骨補填材を骨折部内に供給した際に、前記骨折部内において前記骨補填材を連続的且つ効率的に充填することができる。
また、骨補填材がその弾発作用下に変形可能であるため、該骨折部に対して骨補填材が突き当たった場合でも該骨折部に過大な負荷を与えることがなく、且つ、骨セメントを充填した場合に懸念される骨折部からの充填材の漏出がないため、副作用や生体不適合性を可及的に少なくし、隣接する椎体への懸念もなく、安全性を確保することが可能となる。
本発明に係る骨補填材について、椎体圧迫骨折部への適用を一例として好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
図1において、参照符号10は、本発明の実施の形態に係る骨補填材を示す。
この骨補填材10は、図1〜図3に示されるように、金属製材料(例えば、Ni−Ti合金)から形成され、同一径からなる素線12aが軸線方向に沿って螺旋状に巻回されたコイルスプリング(コイル体)12からなる。このコイルスプリング12からなる骨補填材10は、その軸線に沿った仮想平面上において所定の半径若しくは直径で円弧状に湾曲して形成される。
すなわち、骨補填材10は、軸線方向に沿って弾発力を有すると共に、該軸線に沿った仮想平面上においても湾曲形状を維持する方向に弾発力を有している。
骨補填材10の素線径dは、0.10mm〜0.90mmの範囲内(0.10≦d≦0.90)に設定され、好ましくは、0.20mm〜0.60mmの範囲内(0.10≦d≦0.90)に設定するとよく、さらに、0.40mm〜0.50mmの範囲内(0.30≦d≦0.50)に設定すると最適である。
すなわち、骨補填材10の素線径dを大きく設定した場合には、コイルスプリング12が硬くなり所望の弾発力が得られず、後述する導入管18を通じた挿入が困難となり、反対に、前記素線径dを小さく設定した場合には、骨補填材10を椎体16内に充填する場合に湾曲し過ぎてしまい、充填する際の方向性(指向性)が定まらずに推力が得られない。そのため、骨補填材10の素線径dは、所望の弾発力及び指向性とがバランスした状態で得られる前記の大きさに設定される。
また、螺旋状に巻回された骨補填材10のコイル直径D1は、該コイル直径D1と素線径dとの比(D1/d)が2〜10の範囲内(2≦D1/d≦10)となるように設定され、好ましくは、3〜5の範囲内(3≦D1/d≦5)に設定するとよく、さらには、3〜4の範囲内(3≦D1/d≦4)に設定すると最適である。なお、ここでいうコイル直径D1とは、図3に示されるように、骨補填材10の軸線を中心とした外径D1aと内径D1bとの中間値をいう。このコイル直径D1を小さく設定するとコイルスプリング12の製造が困難となり、反対に、前記コイル直径D1を大きくすると素線径dを小さくしなければならず骨補填材10を挿入する際の推力が得られない。
一方、骨補填材10の長さは、骨折した椎体16における骨折部36の容量及び該椎体16内に充填する骨補填材10の数量に応じて設定される。
さらに、骨補填材10は、湾曲した骨補填材10の湾曲中心Cに対して所定の湾曲直径D2で湾曲し、この湾曲直径D2は、10mm〜100mmの範囲内(10≦D2≦100)に設定され、好ましくは、15mm〜60mmの範囲内(15≦D2≦60)に設定するとよく、さらに、20mm〜40mmの範囲内(20≦D2≦40)に設定すると最適である。
すなわち、湾曲直径D2が小さい場合には、後述する導入管18に対する挿入が困難となり、該湾曲直径D2が大きい場合には骨内部における充填密度が大きくならず、さらに、該湾曲直径D2が大きく骨補填材10が略直線状の場合には、椎体16の挿入口34(後述する)の延長線上の皮質骨に突き当たって止まってしまうこととなる。
なお、ここでいう湾曲直径D2とは、図2に示されるように、骨補填材10の湾曲中心Cに対する該骨補填材10の外径D2aと内径D2bとの中間値をいう。すなわち、この湾曲直径D2によって骨補填材10における半径方向への弾発力が設定されることとなる。
また、湾曲直径D2は、骨折した椎体16における骨折部36の内周径を目安として設定される(図5参照)。すなわち、骨折部36の内周径に対して前記湾曲直径D2を大きく設定した場合には、骨補填材10における半径方向への弾発力が前記椎体16の内壁面に対して付与されることとなる。これを回避するために、前記椎体16の内周径と略同等、若しくは、若干小さく設定するとよい。
なお、骨補填材10は、該骨補填材10の長さ及び湾曲直径D2によって前記骨補填材10の両端部が所定間隔離間した円弧状に形成される場合や、前記両端部が互いに重なり合った環状に形成される場合もある。
また、骨補填材10の表面に、PTFE(テフロン:登録商標)でコーティング処理を施したり、シリコンオイルを塗布するようにしてもよい。これにより、骨補填材10の表面抵抗が低減されるため、該骨補填材10を椎体16内に充填する際により一層円滑に移動させることができる。
さらに、骨補填材10の表面をアルカリ処理することにより、前記骨補填材10が骨折部36に充填された際の親和性を向上させ、前記骨折部36における骨形成を促進させることができる。
なお、上述した骨補填材10を構成するコイルスプリング12の構成材料は、特に限定されるものではなく、生体為害性に問題のない合成樹脂材料、金属材料等を用いると好適である。詳細には、合成樹脂材料として、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトンのようなケトン系樹脂や、ポリフェニレンサルフィド、ポリサルフォン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。一方、金属材料としては、Ti、Ti−4Al−6V、Ni−Ti等のTi合金、ステンレス鋼等が挙げられる。純Tiは適度に塑性変形し、周辺骨とよくなじみ好ましい。また、超弾性合金は、比較的柔軟であると共に復元性を有している。そのため、コイルスプリング12を超弾性合金で構成することにより、十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、骨折した椎体16の内部で障害物を避けながら、骨折部36の形状に追従させて安定的に充填させることができる。
この超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52原子%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金、38.5〜41.5重量%ZnのCu−Zn合金、1〜10重量%XのCu−Zn−X合金(Xは、Be、Si、Sn、Al、Gaのうちの少なくとも1種)、36〜38原子%AlのNi−Al合金等が挙げられる。この中でも特に好ましいものは、上述したNi−Ti系合金である。
次に、本発明の実施の形態に係る骨補填材10を患者の椎体16内に充填するための充填器具14について説明する。
この充填器具14は、図4及び図6に示されるように、骨補填材10を椎体16内へと導く筒状の導入管18と、前記導入管18内に挿通されるインパクタ20とを含む。
この導入管18は、例えば、ステンレス、チタン等の金属製材料から形成され、長尺な主筒部18aと、該主筒部18aに対して拡径した短い拡径部18bとを有する。なお、主筒部18aと拡径部18bとの間はテーパ形状で滑らかに接続されている。主筒部18a及び拡径部18bの内部には、骨補填材10が挿通される通路24が形成され、前記通路24の内周径は、骨補填材10のコイル直径D1に対して若干大きく形成される。
また、導入管18は、後述するようにX線画像を術者が見ながら手技を行う際に、患部に照射するX線に対して術者が被曝することのない位置から遠隔操作が可能であって、且つ操作性を損なわない程度の長さに設定するとよい。
インパクタ20は、導入管18に挿通されて骨補填材10を押し出す軸部26と、該軸部26の端部に設けられ、術者が把持する把持部28とを備え(図4参照)、前記軸部26において把持部28側となる部位には半径外方向に拡径したストッパ30が設けられる。なお、インパクタ20が導入管18に挿通された際、そのストッパ30が拡径部18bのテーパ形状に係合されることにより、前記インパクタ20の導入管18側へと変位が規制される(図7参照)。
軸部26は、導入管18の軸長より長く形成されて可撓性を有すると共に、圧縮方向には硬い材質で形成されている。従って、軸部26の一端部に設けられた把持部28を押すことにより導入管18の通路24に挿通された他端部が骨補填材10を押すように作用する。なお、軸部26の直径は、導入管18における通路24の内周径より小さく設定される。
次に、このように構成される充填器具14を用いて、経皮的椎体形成術として骨折部36に骨補填材10を充填する方法について説明する。以下、骨粗鬆症の患者の患部である椎体16内の骨折部36に対して骨補填材10を充填する場合を例にして説明する。
先ず、初期処置として患者に対する麻酔や患部の椎体16の位置をX線CTモニタ等により確認し、図5に示されるように、背部より導入管18と金属製の穿刺針32とを組み合わせて用いて、前記椎体16に対して挿入口34を開ける。この椎体16の内部には骨折部36があり、挿入口34は該骨折部36に連通する。この穿刺針32を引き抜くと導入管18が留置される。
そして、骨補填材10を導入管18の拡径部18bから通路24内へと挿入する。この骨補填材10は、既に説明したように所定半径で弾発力を有した湾曲状に形成されているため、術者は、湾曲した骨補填材10を前記弾発力に抗して一直線状となるように変形させながら通路24内へと挿入する。なお、この場合、導入管18に対して単一の骨補填材10を挿入させてよいし、複数の骨補填材10を連続的に挿入させるようにしてもよい。
次に、術者が把持部28を介してインパクタ20を把持し、その軸部26を導入管18の拡径部18bから椎体16側(図6中、矢印A方向)に向かって挿通させ、該椎体16側に向かって変位させることにより、前記軸部26の端部によって骨補填材10が椎体16側に向かって押圧される。そして、骨補填材10が椎体16の骨折部36へと充填される。この際、骨補填材10は、導入管18内で直線状に変形していた状態から弾発力によって再び湾曲状に復帰し、前記骨折部36内に充填される(図7参照)。
また、椎体16の内部は、スポンジのような海綿構造を有する海綿骨38で満たされている。このため、骨補填材10は骨粗鬆症等によって海綿骨38に生じた空間へと充填され、海綿骨38内に生じていた空間が骨補填材10によって好適に満たされる。
そして、術者は、モニタの画像を見ながら骨折部36への骨補填材10の充填状況を確認し、その充填が不十分である場合には、前記骨補填材10を継続的に充填する。
この場合、椎体16内まで挿入されたインパクタ20を導入管18の拡径部18b側(図7中、矢印B方向)に向かって引張し、前記拡径部18bから軸部26を一旦取り出した後、次の骨補填材10を拡径部18bから挿入する。そして、インパクタ20を再び拡径部18bから導入管18へと挿通させて椎体16側(図7中、矢印A方向)に向かって押圧することにより、軸部26を介して骨補填材10が椎体16の骨折部36へと充填される。この骨補填材10は、先に充填された骨補填材10と同様に骨折部36において生じている海綿骨38の空間に供給される。
このように、骨補填材10の充填が終了するたびに、術者は骨折部36への骨補填材10の充填状況を確認し、その充填が不十分である場合には、一旦、インパクタ20を導入管18から離脱させて次の骨補填材10を挿入した後に、再び前記骨補填材10の充填を継続的に行う。
この骨欠損部に対する骨補填材10の充填が十分であることを術者がモニタによって確認し、前記骨補填材10の充填作業を終了する。
最後に、挿入口34から充填器具14の導入管18を抜き取り、開口した挿入口34を所定のプラグ40で塞ぐ等の手技を行う(図8参照)。そして、患部の縫合等の所定の後処置を行い、経皮的椎体形成術を終了する。
ここで、患者の椎体モデルを作成し、該椎体モデルに対する骨補填材の挿入性を確認するための挿入試験について説明する。この椎体モデルは、直径約20mm、高さ20mmの厚紙からなる円筒体を形成し、該円筒体内に海綿骨モデル(SAWBONES Item #1521-59 Open Cell Rigid Form(7.5pcf) SAWBONES社製)を充填することにより形成している。
この挿入試験は、円筒体の側部に開口された挿入穴から導入管を挿入し、図9に示されるような材質、素線径d、コイル直径D1、湾曲直径D2の異なる骨補填材を前記導入管の端部から順番に挿入して行う。次に、前記導入管内に挿入された骨補填材をインパクタを用いて椎体モデル側に向かって押圧して前記椎体モデル内に充填させている。このインパクタで骨補填材を押し込む際に、該インパクタの端部に応力測定器(HANDY FORCE GAUGE serial No.HF-10,ALGOL社製)を取り付け、前記骨補填材を充填させる際の応力を測定している。なお、この応力の測定結果は、図9に示される基準形態を1とした場合の応力比率で表している。
この結果、図9に示されるように、骨補填材を湾曲させることなく直線状とした比較例では、椎体モデルに挿入した際に該骨補填材が海綿骨モデルに突き当たってしまい充填させることができなかった。一方、骨補填材の湾曲直径D2を20mmとした試験例1〜試験例6では、その材質が純Ti、Ni−Tiのいずれの場合にも椎体モデルに対して容易に挿入させることが可能であった。すなわち、骨補填材の挿入性は、純Ti、Ni−Tiという材質にかかわらず、その湾曲直径D2に起因していることが諒解される。
次に、上述した椎体モデルに充填される海綿骨モデルを砂(粒径0.5〜2.0mm)とした場合の挿入試験について図10を参照しながら説明する。なお、上述した図9の挿入試験に対して海綿骨モデルのみを変更し、その他の椎体モデルの円筒体、導入管、インパクタ、応力測定器は同一のものを用いることとする。
この場合には、図10から諒解されるように、骨補填材の湾曲直径D2を、20mmと40mmに変更した試験例7〜試験例10のいずれの場合でも、前記骨補填材を椎体モデルに対して容易に挿入することができた。すなわち、コイルスプリングからなる骨補填材を所定の湾曲半径で湾曲させることにより、前記骨補填材の挿入性が向上することが諒解される。
以上のように、本実施の形態では、骨補填材10を、螺旋状に巻回され、且つ、所定直径で湾曲させたコイルスプリング12から形成し、該骨補填材10をその軸線方向及び半径方向に弾発可能な構造としている。そのため、骨補填材10が椎体16の骨折部36内に供給された際に、該骨補填材10に適度の指向性を持たせることが可能となり、椎体16内において内壁面や海綿骨38によって移動が妨げられることがなく所望の部位へと連続的且つ効率的に充填することができる。
また、骨補填材10を椎体16の骨折部36内に充填させた際、該骨補填材10が前記骨折部36内において変形可能であるため、該骨折部36に対して骨補填材10が突き当たった場合でも該骨折部36に過大な負荷を与えることがなく安全である。
さらに、例えば、骨折部36に対してリン酸カルシウム系骨セメント等を充填して硬化させる場合と比較し、前記骨補填材10が弾発力を備えているため該骨折部36の強度が著しく増大してしまうことがなく、前記骨折部36の強度を所定範囲内に抑制することができる。
すなわち、骨粗鬆症等では、一般的に、骨折した椎体16と同様に該椎体16に隣接した他の椎体の骨強度も低下している。そのため、骨折した椎体16の強度を骨セメント等の充填材の充填によって一気に増大させてしまった場合に、その隣接した他の椎体に対して負荷がかかることとなり、その結果、隣接した椎体16が連鎖的に骨折してしまうことがある。このような場合に対し、本発明によれば、骨補填材10による骨折部36における強度の急激な増大を抑制することができるため、該椎体16に隣接した椎体が連鎖的に骨折してしまうことが防止される。
またさらに、骨補填材10をコイルスプリング12から形成することにより、例えば、リン酸カルシウム系骨セメント等を充填した場合に懸念される充填材の骨折部36からの漏出がなく安全性が確保される。
本発明の実施の形態に係る骨補填材の全体斜視図である。 図1の骨補填材の平面図である。 図2に示す骨補填材における端部の拡大平面図である。 本発明の実施の形態に係る骨補填材を充填するための充填器具を示す分解斜視図である。 穿刺針によって挿入口を開けた椎体の拡大断面図である。 充填器具の導入管を介して骨補填材が骨折部内に充填され始めた状態を示す拡大断面図である。 図6の骨折部が充填された骨補填材によって満たされた状態を示す拡大断面図である。 図7の椎体内の挿入口がプラグによって封止された状態を示す拡大断面図である。 患者の椎体モデルを作成し、前記椎体モデルに対する骨補填材の挿入性を確認するための挿入試験の測定結果を示す一覧表である。 図9の挿入試験に対して海綿骨モデルの条件を変更した挿入試験の測定結果を示す一覧表である。
符号の説明
10…骨補填材 12…コイルスプリング
14…充填器具 16…椎体
18…導入管 18a…主筒部
18b…拡径部 20…インパクタ
24…通路 26…軸部
28…把持部 30…ストッパ
32…穿刺針 34…挿入口
36…骨折部 38…海綿骨

Claims (4)

  1. 素線が軸線方向に沿って螺旋状に巻回されたコイル体からなり、該コイル体が前記軸線と略直交方向に所定直径で湾曲した湾曲形状で形成されることを特徴とする骨補填材。
  2. 請求項1記載の骨補填材において、
    前記コイル体の素線径は、0.10mm〜0.90mmの範囲内に設定されることを特徴とする骨補填材。
  3. 請求項2記載の骨補填材において、
    前記コイル体の直径は、前記素線径に対する比が2〜10の範囲内に設定されることを特徴とする骨補填材。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の骨補填材において、
    前記コイル体の湾曲直径は、10mm〜100mmの範囲内に設定されることを特徴とする骨補填材。
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