JP2008016643A - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液滴吐出法により導通ポストの周辺部に絶縁材料を配置する場合における導通不良の発生を防止し、歩留まりを向上できる、多層配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基体10A上に下層配線層11を形成し、下層配線層11上に導通ポスト20を形成する。そして、導通ポスト20の周辺部における濡れ性を、導通ポスト20の濡れ性に対して相対的に大きくする濡れ性変更処理工程をおこなう。その後、液滴吐出法を用いて導通ポスト20の周辺部に絶縁性機能液を塗布する。絶縁性機能液を硬化させ、層間絶縁膜14を形成し、層間絶縁膜14上に導通ポスト20に導通する上層配線層18を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線基板の製造方法に関する。
多層配線基板としては、層間絶縁膜を介して設けられた上層配線と下層配線との間を、導通ポストにより導通するものが知られている。この多層配線基板の製造方法としては、例えば液滴吐出法を用いることで下層配線上に形成した導通ポストの周辺部に層間絶縁膜を形成している(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−309369号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された製造方法では、例えば絶縁材料の吐出量が多くなってしまうと、絶縁材料によって導電ポストの上面が覆われてしまい、下層配線と上層配線との間で導通不良が発生し、歩留まりが低下するといった問題があった。このような問題を解消するためには、層間絶縁膜を構成するための絶縁材料の吐出量を厳密に制御する必要があるが、現状ではこのような厳密な制御は困難であり、したがってより有効な改善策が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、液滴吐出法により導通ポストの周辺部に絶縁材料を配置する場合における導通不良の発生を防止し、歩留まりを向上できる、多層配線基板の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の多層配線基板の製造方法は、複数の配線層と、該配線層間に設けられた層間絶縁膜と、前記配線層間を導通させる導通ポストと、を有してなる多層配線基板の製造方法において、基体上に下層配線層を形成する工程と、前記下層配線層上に該下層配線層に導通する導通ポストを形成する工程と、前記導通ポストの周辺部における濡れ性を、前記導通ポストの濡れ性に対して相対的に大きくする濡れ性変更処理工程と、該濡れ性変更処理工程の後、液滴吐出法を用いて前記導通ポストの周辺部に絶縁性機能液を塗布する工程と、該絶縁性機能液を硬化させ、前記層間絶縁膜を形成する工程と、該層間絶縁膜上に、前記導通ポストに導通する上層配線層を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の多層配線基板の製造方法によれば、濡れ性変更処理工程によって、導通ポストの周辺部における濡れ性を、前記導通ポストの濡れ性に対して相対的に大きくしたので、絶縁性機能液を塗布した際、導通ポストの周辺部に塗布された絶縁性機能液が濡れ性の高い導通ポストの周辺部に良好に濡れ拡がり、これにより前記絶縁性機能液に前記導通ポストが覆われてしまうことが防止され、層間絶縁膜が導通ポストを露出させた状態に形成される。したがって、このような導通ポストを介して上層配線と下層配線とを接続することで、多層配線間での導通不良の発生が防止され、これにより歩留まりを向上できる。
上記多層配線基板の製造方法においては、前記下層配線層、前記導通ポスト、及び前記上層配線層の少なくとも一つを液滴吐出法を用いて形成するのが好ましい。
このようにすれば、液滴吐出法を用いた工程により多層配線基板を形成できるので、フォトリリソグラフィ、エッチング工程等が不要となって、多層配線基板の製造工程を簡便にでき、これにより製造期間の短縮及び製造コストの低減を図ることができる。
上記多層配線基板の製造方法においては、前記導通ポストを液滴吐出法を用いて形成する場合に、前記下層配線層上に導通ポストを形成する前処理として、前記下層配線層に対して撥液処理を行うのが好ましい。
このようにすれば、撥液処理を施した下層配線層上に導電ポストを形成しているので、液滴吐出法を用いて導電ポストを形成する場合に、導電ポストの形成材料が配線層上で濡れ拡がってしまうのが防止され、十分な高さの導通ポストを形成することができる。
上記多層配線基板の製造方法においては前記濡れ性変更処理工程として、光照射を行うのが好ましい。
このようにすれば、光照射によって前記層間絶縁膜の濡れ性を容易に向上できるので、例えば前記導通ポストの周辺部が前記層間絶縁膜を主体として構成される場合に、上記濡れ性変更処理を良好に行うことができる。
以下、本発明に係る多層配線基板の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る製造方法によって得られた多層配線基板100を示す図である。
図1に示すように、多層配線基板100には、ガラエポ基板10上に層間絶縁膜14,15を介して複数の配線層11,16,18が設けられ、該各配線層11,16,18間は導通ポスト20、21により導通されている。
前記ガラエポ基板10は、ガラス繊維を織った薄い生地を、エポキシ(樹脂)で貼り合わせて重ねた基板本体10Aを主体として構成されたものである。この基板本体10Aには、スルーホールHが形成され、該スルーホールH内に銅配線11が引き回されることで基板の両面側での導通が可能となっている。また、基板本体10Aの裏面には、前記銅配線11に接続された、ボールパッドからなる端子部12が設けられていて、該端子部12を露出させるように絶縁膜13が設けられている。
ガラエポ基板10上にはポリイミドからなる第1層間絶縁膜14が設けられ、該第1層間絶縁膜14上には後述するように液滴吐出法(インクジェット法)により形成された銀配線(配線層)18が形成されている。また、銀配線18と前記基板本体10Aの上面に引き回されている銅配線(配線層)11との間が、銀(Ag)からなる第1導通ポスト(導通ポスト)20により導通されている。
そして、前記第1層間絶縁膜14上にはポリイミドからなる第2層間絶縁膜15が設けられ、該第2層間絶縁膜15上には銀パッド(配線層)16が設けられている。また、前記銀パッド16と前記銀配線18との間は、第2導通ポスト(導通ポスト)21により導通されたものとなっている。なお、前記銀パッド16の表面にはNi/Auメッキ層17が形成されている。
前記第1層間絶縁膜14及び前記第2層間絶縁膜15は、後述する製造方法により形成されたもので、前記第1及び第2導通ポスト20,21の上面は前記第1及び第2絶縁層14,15から露出した状態に形成されたものとなっている。よって、導通ポスト20,21と各配線層11,16,18とは確実に接触しているので、これら接続部における導通不良が防止されている。
続いて、上記多層配線基板100の製造方法について説明する。なお、本実施形態では、ガラエポ基板10上に形成された前記第1層間絶縁膜14までを基体として、該第1層間絶縁膜14上に銀配線(下層配線)18を形成し、第2導通ポスト(導通ポスト)21、及び銀パッド(上層配線)16を形成する場合について説明する。
上記銀配線18、第2導通ポスト21、及び銀パッド16は、インクジェット法(液滴吐出法)を用いて吐出された導電性インクを焼成して形成される。
ここで、インクジェット法により吐出される導電性インクについて説明する。本実施形態では、例えば直径10nm程度の銀微粒子が有機溶剤に分散した銀微粒子分散液の分散媒をテトラデカンで置換してこれを希釈し、濃度が60wt%、粘度が8mPa・s、表面張力が0.022N/mとなるように調整したものが導電性インクとして用いられる。
ここで、インクジェット法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm程度の超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に適量の材料を的確に配置できるという利点を有する。本実施形態では、特にピエゾ素子を用いた方式が好適に用いられる。
本製造方法では、まず、上記導電性インクを第1層間絶縁膜(基体)14上に吐出し、導電性インクの溶剤を120℃で1時間程度乾燥させることで焼成し、銀配線18を形成する。なお、この銀配線18は、図1に示したように第1導電ポスト20を介してガラエポ基板10に導通されている。
その後、インクジェット法により銀配線18上に導電性インクを吐出し、前記銀配線18と同様の条件にて焼成処理を行い、図2に示すように第2導通ポスト21を形成する。なお、図2中においては、前記第1層間絶縁膜14より下層であるガラエポ基板10、及び第1導電ポスト20の図示を省略している。
このようにして第2導通ポスト21を形成した後、該第2導通ポスト20の周辺領域(周辺部)における濡れ性を、第2導通ポスト21の濡れ性に対して相対的に大きくする濡れ性変更処理を行う。ここで、上記濡れ性とは、後述する第2層間絶縁膜15を形成するためのインクに対する濡れ性を示すものである。本実施形態では、ポリイミドを溶剤(N−メチル−2−ピロリドン)に希釈して、例えば粘度が20[mPa・s]となるように調整したものがインクとして用いられる。
ここで、第2導通ポスト21の周辺領域について説明する。
図3は、銀配線18上に形成された第2導通ポスト21の平面図であり、同図中Aで示される領域が第2導通ポスト21の周辺領域Aである。図3に示すように、周辺領域Aには、銀配線18及び第1層間絶縁膜14の一部が含まれている。
第2導通ポスト21の周辺領域Aにおける濡れ性とは、図中Aで示される領域内における、前記インクに対する銀配線18の濡れ性と、前記インクに対する第1層間絶縁膜14の濡れ性との平均によって規定される。
前記第1層間絶縁膜14は、初期状態において前記インクに対し撥液性となり、第2導通ポスト21の方が前記第1層間絶縁膜14を含む周辺領域Aに比べて濡れ性が高くなっている。
そのため、吐出されたインクは、濡れ性の高い第2導通ポスト21上にも濡れ拡がり、第2導通ポスト21の上部を覆ってしまう。このインクを硬化して形成される第2層間絶縁膜15は、第2導通ポスト21における上部の少なくとも一部を覆ってしまう。よって、第2導通ポスト21上に形成された銀パッド16は、第2導通ポスト21との間で導通不良等の不具合が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態では、前記したように導通ポスト20の前記周辺領域Aにおける濡れ性を該導通ポスト20の濡れ性に対して小さくする濡れ性変更処理を行った後、インクを塗布している。
本実施形態では、上記濡れ性変更処理として、エキシマUVを照射することで行う。図4のグラフは、エキシマUV照射により、第2導通ポスト21及び第1層間絶縁膜14に対するインクの静的接触角の変化を示している。
図4に示すようにエキシマUVが照射され続けると、次第に第1層間絶縁膜14の静的接触角が低下する。よって、インクに対する濡れ性が高くなって、前記インクが濡れ拡がりやすくなる。一方、エキシマUVが照射され続けても、第2導通ポスト21の静的接触角は変化することがなく、インクに対しての濡れ性も変化することがない。なお、前記第2導通ポスト21と同様の材料である銀から構成された銀配線18の濡れ性も変化することがない。
初期状態においては、インクに対する濡れ性が、第1層間絶縁膜14よりも第2導通ポスト21の方が高くなっているが、図4に示すように所定時間を越えてエキシマUV照射を行うことで、前記第1層間絶縁膜14における濡れ性の方が高くなる。よって、第1層間絶縁膜14及び銀配線18の濡れ性の平均値で規定される第2導通ポスト21の周辺領域Aの濡れ性は、相対的に前記第2導通ポスト21の濡れ性に対して高くなる。
なお、上記濡れ性変更処理としては、前記第2導通ポスト20の周辺領域Aがインク22に対して相対的に親液性を示すのであれば、例えば第2導通ポスト21にのみ撥液処理を施すようにしてもよい。
図5は、上記インク22の濡れ拡がり状態を示す概略図で、説明を簡単にするため、銀配線18の図示を省略している。
上記の濡れ性変更処理を行った後、前記第2導通ポスト21の周辺領域Aにインク22を配置する。このとき、上述したように第2導通ポスト21の周辺領域Aの濡れ性が、第2導通ポスト21の濡れ性に対して相対的に高くなっているので、図5に示すように前記インク22は、第2導通ポスト21を覆うことなく周辺領域Aに良好に濡れ拡がる。
このとき、インク22の濡れ拡がりを考慮し、前記第2導通ポスト21から数滴分だけ離れた位置にインク22を吐出するようにしてもよい。これにより、第2導通ポスト21に付着するインク22の量を低減することができ、第2導通ポスト21をインク22からより確実に露出させることができる。
また、図3に示したように、周辺領域Aにおける外側の領域は、濡れ性の高い第1層間絶縁膜14を主体として構成されているので、該外側の領域における銀配線18上にもインク22が良好に濡れ拡がる。続いて、例えば波長365nmのUVを60秒程度照射することで、インク22を硬化する。これにより、第2層間絶縁膜15は、第2導通ポスト21を露出させた状態に形成される。
続いて、前記第2導通ポスト21を構成する導電性インクを、インクジェット法により前記第2導通ポスト21上に吐出し、導電性インクを焼成することで銀パッド16を形成する。さらに、銀パッド16の表面に従来公知の方法によりNi/Auメッキ17を形成する。第2導通ポスト21が上述したように第2層間絶縁膜15から露出しているので、図6に示すように第2導通ポスト21と銀パッド16とは確実に接触することで良好に導通されたものとなる。
なお、上記周辺領域Aにおける濡れ性の状態によっては、図6中2点鎖線で示すように、第2導通ポスト21に第2層間絶縁膜15が接触しない状態に形成することもできる。この場合、第2層間絶縁膜15と第2導通ポスト21との間に生じる隙間が大きくなるものの、前記銀パッド16を構成する導電性インクが、前記隙間に入り込むことで銀パッド16と第2導通ポスト21との接触面積が増大し、これにより導通信頼性を向上させることができる。
本実施形態に係る多層配線基板の製造方法によれば、上述した濡れ性変更処理を行っているので、インクジェット法により前記インク22を吐出した際に、インク22が濡れ性の高い周辺領域Aに濡れ拡がることから、前記第2導通ポスト21が覆われてしまうのを防止できる。よって、インク22を硬化させた第2層間絶縁膜15は、少なくとも第2導通ポスト21の上面を露出させる。したがって、このような第2導通ポスト21を介して、上層配線としての銀パッド16と下層配線としての銀配線18とを接続できるので、多層配線間での導通不良の発生が防止され、これにより歩留まりを向上できる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態では、前記第1層間絶縁膜14よりも上層を形成する場合について説明したが、本発明は、図1に示した、ガラエポ基板10の銅配線11と、該銅配線11上に第1層間絶縁膜14を介して設けられた銀配線18との間を導通する第1導通ポスト20を形成する場合についても適用することができる。
以下、第1導通ポスト20の周辺領域を覆う第1層間絶縁膜14を形成する場合について説明する。なお、基板本体(基材)10Aに下層配線としての銅配線18が形成されるガラエポ基板10の製造工程については説明を省略する。
前記銅配線11の表面には、予め層間絶縁膜との密着性を高めるため凹凸部が形成されている。本実施形態では、前記銅配線11上に第1導通ポスト20を形成するに際し、エキシマUV照射によってガラエポ基板10を洗浄し、表面に付着した汚れを除去する。このとき、エキシマUV照射工程によって前記銅配線11上に親液性が付与されてしまう。
この状態にて、親液性を示す銅配線11上に上記実施形態と同様に、インクジェット法を用いて第1導通ポスト20を形成すると、第1導通ポスト20を構成するための導電性インクが濡れ拡がってしまい、第1導通ポスト20の高さを十分に稼ぐことができない。
そこで、前記銅配線11上に撥液処理を施す。本実施形態では、前記銅配線11に撥液性を付与する方法として、有機分子などからなる自己組織化膜(自己組織化単分子膜:SAM(Self Assembled Monolayer))を形成する方法を採用した。
ここで、上記自己組織化膜とは、銅配線11の表層原子と反応可能な結合性官能基とそれ以外の直鎖分子とからなり、直鎖分子の相互作用により極めて高い配向性を有する化合物を配向させて形成された膜である。この自己組織化膜は単分子を配向させて形成されているので、膜厚が極めて薄く、しかも、分子レベルで均一な膜となる。すなわち、膜の表面に同じ分子が位置することにより、膜の表面に均一でしかも優れた撥液性を付与することができる。
自己組織化膜を形成する以外に、撥液性を付与する手段として、常圧又は真圧中でプラズマ照射を行ってもよい。例えば、4フッ化メタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロデカン等のフルオロカーボン系ガスを処理ガスとして用いることができる。
上記撥液処理を行った後、インクジェット法により前記銅配線11上に第1導通ポスト20を構成するための導電性インクを吐出し、焼成処理を行うことで、図7に示す第1導通ポスト20を形成する。このとき、上記撥液処理によって導電性インクの濡れ拡がりが防止されるので、第1導通ポスト20を十分な高さに形成することができる。
続いて、第1層間絶縁膜14を構成するためのインクを液滴吐出装置により吐出する。このインクとしては、上記第2層間絶縁膜15を構成するために用いたインク22と同様のものが用いることができる。
このインク22を吐出するに際し、上記実施形態と同様に、第1導通ポスト20の周辺領域における濡れ性を該導通ポスト20の濡れ性に対して小さくする濡れ性変更処理を行う。ここで、第1導通ポスト20の周辺領域とは、図8中矢印Bに示される領域であって、銅配線11及びガラエポ基板10を構成する基板本体10Aを含むものである。よって、第1導通ポスト20の周辺領域における濡れ性は、銅配線11の濡れ性と基板本体10Aの濡れ性との平均の値から規定される。そして、濡れ性変更処理を行うことで、第1導通ポスト20の周辺領域Bの濡れ性を第1導通ポスト20の濡れ性に対して相対的に高い状態にする。なお、濡れ性変更処理としては、第1導通ポスト20の周辺領域Bにおける濡れ性を相対的に高めることができる方法であれば、従来公知の方法である親液処理や撥液処理等、種々の方法を採用できる。
上記の濡れ性変更処理を行った後、液滴吐出法を用いて、前記第1導通ポスト20の周辺領域Bにインク22を配置する。このとき、上述したように第1導通ポスト20の周辺領域Bの濡れ性が、第1導通ポスト20の濡れ性に対して高くなっているので、前記インク22は前記第1導通ポスト20よりも周辺領域Bに濡れ拡がり、第1導通ポスト20を露出させる。
そして、例えば波長365nmのUVを、前記インク22に60秒程度照射することで硬化させる。これにより、図9に示すように第1導通ポスト20を露出させた状態に第1層間絶縁膜14をガラエポ基板10上に形成できる。続いて、上記実施形態と同様に、インクジェット法により、銀インクを前記第1導通ポスト20上に吐出し、焼成することで銀配線18を形成する。このとき、第1導通ポスト20が上述したように第1層間絶縁膜14から露出しているので、図9に示したように第1導通ポスト20と銀配線18とは確実に接触し良好に導通されたものとなる。
このように濡れ性変更処理を行うことで、インクジェット法によって第1導通ポスト21の周辺部にインク22を吐出した際に、インク22は濡れ性の高い周辺部に濡れ拡がることから、前記第1導通ポスト20が覆われてしまうのを防止できる。よって、このインク22を硬化させた第1層間絶縁膜14は、少なくとも第2導通ポスト21の上面を露出させた状態に形成できる。したがって、このような第2導通ポスト21を備えることで多層配線間での導通不良の発生を防止でき、歩留まりを向上できる。
一実施形態に係る製造方法から得た多層配線基板を示す概略図である。 第2導電ポストを形成する工程を示す図である。 銀配線上に形成された第2導通ポストの周辺領域を示す平面図である。 エキシマUV照射時間と静的接触角の変化との関係を示す図である。 第2導通ポストの周辺にインクを配置する工程を示す図である。 第2層間絶縁膜上に銀パッドを形成する工程を示す図である。 多層配線基板の製造方法の他の実施形態を説明する図である。 銅配線上に形成された第1導通ポストの周辺領域を示す平面図である。 第1層間絶縁膜上に銀配線を形成した状態を示す図である。
符号の説明
10…ガラエポ基板(基体)、11…銅配線(配線層)、14…第1層間絶縁膜(層間絶縁膜)、15…第2層間絶縁膜(層間絶縁膜)、16…銀パッド(配線層)、18…銀配線(配線層)、20…第1導通ポスト、21…第2導通ポスト、100…多層配線基板

Claims (4)

  1. 複数の配線層と、該配線層間に設けられた層間絶縁膜と、前記配線層間を導通させる導通ポストと、を有してなる多層配線基板の製造方法において、
    基体上に下層配線層を形成する工程と、
    前記下層配線層上に該下層配線層に導通する導通ポストを形成する工程と、
    前記導通ポストの周辺部における濡れ性を、前記導通ポストの濡れ性に対して相対的に大きくする濡れ性変更処理工程と、
    該濡れ性変更処理工程の後、液滴吐出法を用いて前記導通ポストの周辺部に絶縁性機能液を塗布する工程と、
    該絶縁性機能液を硬化させ、前記層間絶縁膜を形成する工程と、
    該層間絶縁膜上に、前記導通ポストに導通する上層配線層を形成する工程と、を備えることを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 前記下層配線層、前記導通ポスト、及び前記上層配線層の少なくとも一つを液滴吐出法を用いて形成することを特徴とする請求項1に記載の多層配線基板の製造方法。
  3. 前記導通ポストを液滴吐出法を用いて形成する場合に、前記下層配線層上に導通ポストを形成する前処理として、前記下層配線層に対して撥液処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の多層配線基板の製造方法。
  4. 前記濡れ性変更処理工程として、光照射を行うことを特徴とする請求項請求項1〜3のいずれか一項に記載の多層配線基板の製造方法。
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