JP2008015085A - 円筒状マスク構成体 - Google Patents

円筒状マスク構成体 Download PDF

Info

Publication number
JP2008015085A
JP2008015085A JP2006184334A JP2006184334A JP2008015085A JP 2008015085 A JP2008015085 A JP 2008015085A JP 2006184334 A JP2006184334 A JP 2006184334A JP 2006184334 A JP2006184334 A JP 2006184334A JP 2008015085 A JP2008015085 A JP 2008015085A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mask
cylindrical
mask material
transparent
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006184334A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Kawamoto
忠志 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2006184334A priority Critical patent/JP2008015085A/ja
Publication of JP2008015085A publication Critical patent/JP2008015085A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】円筒状の継ぎ目のないマスクにおいて、網点やベタ図柄など大小画像が混在した連続図柄のデザインが可能であると共に、高耐久性を可能とするシームレスマスク構成体の提供。
【解決手段】円筒状基材とマスク材とからなる円筒状マスク構成体であって、該基材が活性光線に実質的に透明であること、かつ該マスク材が該基材上に継ぎ目なく配されていることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は円筒状マスク構成体を通して活性光線を露光、複製処理を行う活性光線露光方式に関するもので、特に継ぎ目のない連続した図柄を大量に複製するための円筒状マスク構成体に関する。
活性光線を用いた露光方式により大量複製する方式では、複製しようとする図柄に対応する陽画(ポジ)又は陰画(ネガ)の図柄を配したマスク材が使用されている。このようなマスク材としては湿式現像処理方式である旧来タイプの銀塩フィルムなどが一般的に使われている。最近では当該方式により発生する現像廃液の海洋投棄に関わる汚染問題対策から、非銀塩フィルムのような現像処理を必要としないでレーザー光を利用したマスクフィルム材料に切り替わってきている。この方式ではマスク材料がレーザー感応層であり紫外線吸収層でもあるため、その層を直接融除し図柄を形成できる。そのため、現像工程がないことから前記湿式銀塩方式に対しドライ式非銀塩方式と呼ばれている。
これらのマスク画像担体は、活性光線に対し透明で寸法安定性に優れたポリエステルフィルムなどのプラスチック材料や、ガラスなどの無機透明材料などが支持体として使用されており、その支持体表面には活性光線を実質的に透過しない不透明な層が図柄付けされ、活性光線マスク材として使用されている。これらのマスク画像担体はいずれもシート状のプラスチックフィルムやガラス板を基材としているため、連続模様の図柄には対応できていなかった。
活性光線を用いる露光方式により大量複製する場合のマスク材には、使用される活性光線に対する透過性能と遮蔽性能、更には透過部から遮蔽部にかけての透過性変化のシャープさ、いわゆる透過部から遮蔽部へと変化する部分の輪郭(フリンジと呼ぶ)のキレの良否や、マスク材が被照射材に対して密着して使用されるような場合には、被照射材に対するマスク材の密着性やマスク材の耐キズ性、表面耐磨耗性などその用途や使われ方によってそれらの要求特性に対する対応が求められる。
マスク材に要求される光学的な特性としては、活性光線に対する透過性と不透過性やその境界部分であるフリンジ部のキレの良さが必要である。更に、活性光線に対する不透過性は、従来の銀塩フィルムのような無機の酸化銀粒子で構成されているマスク材は、その物理構造がために隠蔽性に優れ活性光線の波長依存性を受け難い特徴がある。他方、ドライフィルムと呼ばれるレーザー焼き飛ばしによるマスク材のような有機材料系のものでは、その分子構造に吸収する波長が依存するため、適用できる波長範囲は銀塩フィルムに比べおのずと限られる欠点がある。
マスク材を透して活性光線で大量複製する場合のマスク材の取り付け方法としては、従来は銀塩フィルムに代表されるフレキシブルなシート状のマスク材をそのまま、あるいは金属製の型枠に取り付けて固定して使ったり、ガラス板や透明プラスチック板など活性光線に透明で剛性のある板状基材、あるいは透明円筒状基材の表面に当該マスク材を巻きつけるように貼り付けて固定化して、被照射材に対してマスクを介して活性光線を照射し使用される。平面露光などの活性光線による露光の場合には、当該マスクを被照射材と重ね合わせたり一定の隙間を設けながら、当該活性光線を所定時間点灯したり、活性光線近くに設けた遮蔽板などシャッターを作動させて所定量を照射する方法が行われている。
一方、前述のような透明円筒状基材表面に設けたマスク材の場合活性光線は当該円筒状基材の中に配置されて構成し、被照射材の要求する活性光線量に見合った照射量は電流調整をしたり、円筒状基材の速度と連動する被照射材の移動速度を調整したりして、複製作業を休むことなく連続的に行う方法が行われる。この時、円筒状基材上のマスク材と被照射材の間は一般的には密着しながら行なわれるが、被照射材や活性光線の特性によっては一定の隙間を介した状態で活性光線露光が行なわれることもある。
しかし、従来から使用されているマスク材はいずれもマスク支持体がシート状であることから、連続的に被照射材に活性光線照射処理による複製作業を行うことはできたものの、連続模様図柄のような複雑な図柄には対応できていなかった(特許文献1および2)。
近年、コンデンサーや電磁波シールド分野向け電子材料に要求される緻密化、高精細化は利用される製品の要求性能に追随するためにその進展は著しく、その線解像性も20ミクロンまたはそれ以下のより細い線解像性が要求されてきている。また、当該分野では競合が激しいことからコスト要求には強いものがあり、生産性においてもコスト低減がより可能な自動化且つ連続的な生産方式へ、更には製品化最終段階では所望の製品サイズを任意に選ぶことができるいわばサイズフリー化、すなわち連続図柄化にすることでこれまで最終製品サイズごとに生産してきたもののサイズ在庫の大幅な削減や、より高い生産性、低コスト化などへの追求が求められている。
特開平8−305030号公報 特開2001−324815号公報
本発明は複雑な連続模様の図柄はもちろん、従来のようにシート状のマスク材を透明な円筒状基材上に貼り込みをすることなく、マスク材と透明円筒状基材とが一体化した連続露光複製方式に使用できる円筒状マスク構成体を提供することを目的とする。
本発明によれば、従来のようにシート状のマスク材を透明な円筒状基材上に貼り込みをすることなく、被照射材に対して連続模様図柄のような複雑な図柄の作成に対応できる。
本発明者は、緻密化、高精細化、高生産性、更にはサイズ制約のない連続図柄での複製の要求に答えるため鋭意研究を進めた結果、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.円筒状基材とマスク材とからなる円筒状マスク構成体であって、該基材が活性光線に実質的に透明であること、かつ該マスク材が該基材上に継ぎ目なく配されていることを特徴とする円筒状マスク構成体。
2.カブリ濃度FDが0.5以下で、光学濃度ODとカブリ濃度FDの比OD/FDが3以上である請求項1記載の円筒状マスク構成体。
3.マスク材上にオーバーコート層が設けられている上記の円筒状マスク構成体。
本発明について以下具体的に説明する。
本発明で使用される円筒状基材は活性光線に実質的に透明ものである。このような円筒状基材の例としては、ポリエステル、ポリカーボネートやアクリル樹脂、メタクリル樹脂、AS(アクリルニトリルスチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリルブタジェンスチレン)樹脂、ポリエチレン樹脂など紫外線から可視光線域における透明性に優れ、且つ機械的な強度に優れたプラスチックなどが挙げられる。これらは、本発明の目的を損なわない範囲で、単体で使用しても、複合して使用してもよい。また活性光線に実質的に透明であれば、ガラス繊維などで強化した強化プラスチック類などの複合材料も使用することができる。さらに、無機材料としての汎用ガラスやパイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスなども、高い紫外線〜可視光線透過性を有するため使用できる。これらのうち、光学特性、機械的物性、製造加工性などの特性からメタクリル樹脂、パイレックス(登録商標)ガラスなどが好ましい。
円筒状基材の厚みは、円筒状基材の機械的強度などによって最適値が異なるが、0.02mm以上25mm以下のものが一般的に使用できる。円筒状基材上に剥離可能な状態で円筒状基材を補助的に設けることができ、この場合薄いフィルム(例えば0.015mm〜0.07mm)のようなものが円筒状基材への密着性の点で有利であるため好ましく、支持体となる円筒状基材を含めた円筒状マスク構成体全体の厚みとしては活性光線透過性、基材材料強度や取り扱い性などの点から1mm以上10mm以下が望ましい。
マスク材の材質は特に限定されないが、赤外線照射により除去可能であり、円筒状透明基材表面に塗工、もしくは実用上継ぎ目なく密着貼り付けできる材料が好ましい。このような素材としては、例えば特開2002−28548号公報や特開2002−23348号公報に開示されているような赤外線感受性材料などがあり、特に円筒状の基材表面に継ぎ目なく均一に塗工する点から塗工方式に見合った濃度や乾燥性などを満足する希釈溶剤で構成されることが好ましい。
マスク材は、円筒状透明基材表面への均質な被膜形成能と活性光線遮へい性、赤外線照射による除去特性を付与する点から、バインダポリマーと赤外線を熱に変換する物質と、非赤外部の活性光線領域に吸収を有する物質とを含むことが好ましい。
バインダーポリマーとは、非赤外線領域に実質的に透明であれば特に限定されるものではないが、好ましくは赤外線を熱に変換する物質や非赤外部の活性光線領域に吸収を有する物質などとの相溶性や、円筒状透明基材表面への均質な被膜形成能を有するものが良い。例えばニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルブチレート、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、スチレンとブタジェンまたはイソプレンの線状及び放射状ブロックコポリマーのような熱可塑性エラストマー系ポリマー、環状ゴムなどの高分子物質などが挙げられる。これらのうち、塗膜の柔軟性や前記物質の相溶性などの点からスチレンブタジェンブロックコポリマーやポリアミドポリマーなどが好ましい。マスク材中のバインダーポリマーの含有量は、20〜90wt%であることが好ましい。
マスク材の不透明化のための材料は、可視光から紫外光にかけての活性光線遮蔽性に優れ、830nm以上の赤外線レーザーに感応性を有するものが使用できる。具体的には、特開平8−305030号公報や特開平9−166875号公報などに開示されているカーボンブラックやポリフタロシアニン化合物などの少なくとも1つの赤外線吸収性物質と、カーボンブラックやアルミニウムのような非赤外部の活性光線領域に吸収を有する物質と紫外光から可視光域の活性光線不透過性材料からなることが好ましい。マスク材の不透明化材料は、合計質量がマスク材全質量に対して10〜80wt%であることが好ましい。
また、特開2000−56447号公報や特開2001−260551号公報などに開示されている赤外光により非赤外の活性光線に不透明、すなわち紫外光から可視光域の活性光線に実質的に不透明となるマスク材も使用できる。このようなマスク材は、少なくとも1つの赤外線を熱に変換する物質と、熱により非赤外部の活性光線領域において大きな吸収を有する化合物を生成できる物質を含むものから構成されることが好ましい。
赤外線を熱に変換する物質は、赤外線を吸収する染料、顔料、色素及びそれらの混合物から適宜選択することができ、シアニン染料、スクアリリウム染料、オキシインドリジン染料、ナフトキノン系色素、ポリ(置換)フタロシアニン化合物、金属チオレート染料及びキノイド染料などが上げられ、シアニン系染料は紫外光から可視光域の透過性の点に優れ好ましい。また、熱により非赤外部の活性光線領域において大きな吸収を有する化合物を生成できる物質としては、例えば物質の接触に基づく発色反応を生じる成分を挙げることができる。具体的には酸発生の光分解性ジアゾ化合物とカプラーの組み合わせ、ロイコ染料と電子受容性化合物である顕色剤との組み合わせ、または有機金属塩と還元剤の組み合わせなどが挙げられる。
円筒状透明基材表面に赤外線感応性のマスク材を継ぎ目なく塗工する方法としては特開2002−28548号公報に開示されているロールコーター塗工方式や、特開2002−23348号公報に開示されているリングコーター法など公知の塗工方法が使用でき、それらの塗工方式や材料条件に合わせて塗工溶剤からなる最適な組成が選定される。特に、この塗工液の溶剤組成は円筒状透明基材表面への赤外線感応性のマスク材の密着性や均一性に重要な特性を与えるものである。
また、円筒状透明基材上にマスク材を塗工する際に赤外レーザー描画時のマスク材の融除を容易にしたり、基材へのマスク材の密着性を上げるための、下地処理や下地層など下引き層を必要に応じて継ぎ目なく剥離可能な状態で設けることができる。また高価な円筒状透明基材を利用するような場合には、使用後に再利用する目的から円筒状透明基材の上に薄い透明材料を剥離可能な状態で設けた円筒状マスク構成体とすることもできる。このように、マスク材を設けるための円筒状透明基材には下地処理や下地層、さらには必要に応じ剥離可能な薄層などをマスク材と透明円筒基材の間に組み合わせることができる。
基材への密着性を上げるための下地処理や下地層などの下引き層としては、マスク材を均一塗工し易く補助したり、基材との密着性を上げるものとして柔軟で保存性に優れ、そして赤外線吸収性の低いSBSやSISなどのゴム系樹脂材料などが上げられる。また、剥離可能な薄層としては継ぎ目のない熱シュリンク性PETフィルムなどを用いることがその目的達成に効果がある。
赤外線感応性マスク材に図柄を描画する方法は特開平08−300600号公報などに記載されている微小なスポットレーザー光により、赤外線感応性マスク材を融除して目的とするマスクを作成するものなどが知られている。また、グリッド線のような規則的な図柄をモアレ現象なく連続描画する方法としては、特開2003−195470号公報に開示されている描画プログラムなどを利用して、モアレのない均一な連続マスクを作ることができる。
活性光線に透明な円筒状基材上で絵柄付けされたマスク材は、マスク材の耐久性を高めたり被照射材との密着性を最適化するため、その表面に活性光線照射に支障のない範囲で実質的に透明な材料を既知の塗工方法などを用い、耐キズ性保護膜層や密着改良層などオーバーコート層を設けることもできる。
耐キズ性保護膜層としてのオーバーコート層は、マスク材に損傷を与えず、使用する活性光線に対し実質的に透明で、基材及びマスク材との密着性が良いものが望ましいが、ポリアミド、ポリビニルアルコールなど基材やマスク材などを侵さない溶媒に可溶な樹脂が塗工に際しては好適である。また、密着改良層としては前記オーバーコート層そのものの厚みや硬さを選択することや、放射線重合メチルメタクリレート微粒子粉を内添したり、オーバーコート層の表面に前記微粒子粉を吹き付けたりして表面粗度を制御することにより行うことができる。
本発明の円筒状マスク構成体は、連続パターンを有する印刷基材の製造等に好適に用いられる。このような印刷基材の製造方法としては、例えば、以下のような方法がある。円筒状マスク構成体上に、活性光線に反応する被照射材(例えば感光性樹脂等)を配した後、ケミカルランプや高圧水銀灯などの紫外線ランプや可視光ランプなどの活性光線源を円筒状マスク構成体の内側に配置し、マスク構成体の内側から被照射材に対し、密着又は隙間を設けて露光によりマスクパターンを転写することができる。このとき被照射材は、通常、円筒マスク構成体と同じ線速度で送られ、その送り速度や光源の強さを調整することで感光性樹脂等の被照射材に適度な露光量を、同時に被照射材に連続パターンを付与することができる。
以下、本発明の円筒状マスク構成体の具体例を示す。
YAGレーザーに感応性を有し可視光から紫外線領域の活性光線に不透明なマスク材を、当該活性光線に実質的に透明な円筒状基材表面に継ぎ目なく均一に塗工し、円筒状マスク構成体を作成した。当該円筒状マスク構成体を高速で回転しながら、その表面にYAGレーザーで所定の高精細グリッド線図柄データを描画したところ、継ぎ目が全く気にならない均一な高精細グリッド線の連続図柄マスクが出来あがった。この画像部の線幅は22ミクロンで、グリッド線間ピッチは254ミクロン、描画角度は45度でキレの良い均一性に優れた再現を示し、マスク材を融除した後の円筒状基材表面は平滑でその透過濃度も実用十分なものであった。
本発明の円筒状マスク材構成体の活性光線遮蔽性能は被照射材の感光性能にもよるが、一般的に活性光線遮蔽性能としては光学濃度ODで1.0以上、好ましくは2.0以上で、そのマスク材の活性光線透過部のカブリ濃度(FD)はより高い透過性、つまりより低いカブリ濃度であることが望ましく、0.5以下、好ましくは0.3以下であれば実用上使用可能である。更には、活性光線遮蔽性能(OD)と同透過性能(FD)との比が重要でその比が3倍以上、好ましくは5倍以上あればマスクとしての性能はより好ましいものとなる。この時、カブリ濃度FDは低いほど活性光線照射効率が優れ、照射時間が短く生産性に有利なばかりか、被照射材への損傷は少なく解像性にも有利に作用することが多く好ましい。
マスク材構成体の活性光線遮蔽成分が、従来から良く知られた銀塩やカーボンブラックのような無機成分からなる物理的遮蔽作用を有する材料の場合には、そのマスクの遮蔽性能は活性光線の波長依存性は小さく、本発明で言う所の光学濃度(OD)とカブリ濃度(FD)は透過濃度計Gretag D200II(商品名:Gretag−Macbeth AG社製、)などのタングステンランプを光源とした公知の測定装置により測定することができる。他方、特開2000−56447号公報や特開2001−260551号公報などに開示されているような化学構造により遮蔽作用を有するマスク材の場合などでは特定の活性光線波長域に強い吸収を示す場合が多いことから、遮蔽性能はその化合物構造特有の波長域依存性は避けがたい。そのようなマスク材の被照射材に有効な活性光線遮蔽性能をより正確に知るためには、被照射材に有効に作用する波長領域における光学濃度ODやカブリ濃度FDを定義するやり方が有効で、そのための方法としては測定装置光源に予め色ガラスフィルターなどを用いて所定の波長域とした光源を用いてマスク遮蔽部、同透明部の光学濃度を測定する方法も利用できる。
実施例に基づき、本発明の詳細を述べる。
外径287mm、肉厚約10mm、長さ1mの市販アクリル樹脂製パイプを、圧縮空気を吹き付けて表面のクリーニングを行い表面に異物がないことを確認した。そのパイプを塗工装置であるリングコーターに立てかけ、リング状のニトリルゴムシートを取り付けた塗工釜を当該パイプの上限にセットした。次いで、当該釜に赤外線感応成分を溶解、分散させた塗工液XBL−030B(商品名/旭化成ケミカルズ(株)製)を満たして、500mm/minの均一な速度で塗工釜を押し下げた。アクリルパイプの表面にはムラやピンホールのない均一な黒い膜が形成され、その透過濃度(光学濃度OD)は4.6であった。
塗工液XBL−030Bは、その主成分として小粒径カーボンブラックとバインダー樹脂としてSBSポリマーからなり、更に塗膜形成後のカーボンブラック粒の分散性を高めるため高分子活性剤を少量添加したものからなる。このものは、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピルアセテート溶剤で約13%の固形分濃度に調製され、その中にカーボンブラックを20%含ませたものである。
赤外線感応層が表面に継ぎ目なく塗工されたアクリルパイプを、特別に作成したパイプの両端圧着方式の固定持具により芯出しをした上で保持し、レーザー描画装置(商品名:CDI/販売元:エスコグラフィックス社)にセットした。レーザー出力8W、パイプ回転速度600rpm、描画解像度2509dpiで線幅30ミクロン、線間ピッチ254ミクロン、格子線角度45°の描画を行った。描画後得られたアクリルパイプ表面のマスクは、透明部には赤外線感応層の汚れのないシャープな格子線マスクが線幅25ミクロンで得られ、格子線図柄の継ぎ目も目視では全く判らないものであった。このものの透明部の透過濃度(カブリ濃度FD)は0.12であった。
このアクリルパイプマスクを用いて作成した電磁波シールドフィルムは、旧来のポリエステル基材からなるシート状の銀塩フィルムの格子状図柄マスク(OD=5.0、FD=0.04、線幅25ミクロン、線間ピッチ254ミクロン、角度45度)を透明アクリルパイプ表面に巻き付けて作成したものと遜色のない仕上がりであった。更には、銀塩フィルムによる従来マスクでは継ぎ目が明らかに目視できたのに対し前記アクリルパイプマスクによるもので作成したものは継ぎ目が全く判らない良好な仕上がりであった。
また、耐キズ性保護膜層の実施例としては以下に述べるように、前記アクリルパイプ表面に継ぎ目なく格子線マスクとして線幅25ミクロンで作成したものを用いた。耐キズ保護膜層となるオーバーコート液は、ポリビニルアルコールGL−05(商品名:ゴーセノール/日本合成化学(株)製)を用い、水:エタノール=1:2重量比に外割4%となるように加え60℃加温浴下、攪拌しながら2時間十分に溶解させた。一夜室温で放置し耐キズ性保護層用のオーバーコート液を準備した。前記格子線マスクが描画されたアクリルパイプを、塗工液XBL−030B(商品名/旭化成ケミカルズ(株)製)を塗工したと同じリングコーターに同じように立てかけ、新たなリング状のニトリルゴムシートを取り付けた塗工釜を当該パイプの上限にセットした。次いで、当該釜に作成した前記オーバーコート液を満たし、400mm/minの均一な速度で塗工釜を押し下げ耐キズ性保護膜層を塗工した。その後、室温下で8時間乾燥放置したところ、当該アクリルパイプの表面にはムラやピンホールのない均一な保護膜層が得られ、格子線マスクへの影響は全くないものが得られた。
このものの表面、つまり格子線マスク面を布でエタノール拭きしたところ、全く拭き跡はもちろん拭きキズも見られない良好な耐キズ性が得られた。他方、耐キズ性保護膜層を設けなかったものは同じ布を用いてエタノール拭きをしたが、拭き跡ムラが目立つばかりでなく格子線マスクにもキズが入ることが判った。また、耐キズ性保護膜層を設けた前記アクリルパイプの紫外光から可視光域の透過特性には殆ど変化はなく、同保護膜層を設けなかった物と比べ実用における露光条件変更は特に必要なかった。
本発明は、マスク材と透明円筒状基材とが一体化した円筒状マスク構成体として、連続図柄印刷の分野において好適に利用できる。

Claims (3)

  1. 円筒状基材とマスク材とからなる円筒状マスク構成体であって、該基材が活性光線に実質的に透明であること、かつ該マスク材が該基材上に継ぎ目なく配されていることを特徴とする円筒状マスク構成体。
  2. カブリ濃度FDが0.5以下で、光学濃度ODとカブリ濃度FDの比OD/FDが3.0以上である請求項1記載の円筒状マスク構成体。
  3. マスク材上にオーバーコート層が設けられている請求項1記載の円筒状マスク構成体。
JP2006184334A 2006-07-04 2006-07-04 円筒状マスク構成体 Pending JP2008015085A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006184334A JP2008015085A (ja) 2006-07-04 2006-07-04 円筒状マスク構成体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006184334A JP2008015085A (ja) 2006-07-04 2006-07-04 円筒状マスク構成体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008015085A true JP2008015085A (ja) 2008-01-24

Family

ID=39072187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006184334A Pending JP2008015085A (ja) 2006-07-04 2006-07-04 円筒状マスク構成体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008015085A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014501934A (ja) * 2010-08-23 2014-01-23 ローイス インコーポレイテッド 近接場リソグラフィのためのマスク及びその製造方法
JP2016181007A (ja) * 2012-03-27 2016-10-13 株式会社ニコン 露光装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07209848A (ja) * 1994-01-20 1995-08-11 Kimoto & Co Ltd 遮光性マスキングフィルム
JP2000035677A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Adtec Engineeng:Kk 露光装置
JP2000317669A (ja) * 1999-05-12 2000-11-21 Canon Inc レーザ加工装置
JP2004504633A (ja) * 2000-07-17 2004-02-12 チャップマン テクノロジーズ インコーポレイテッド リソグラフ処理及び像形成用のドライ多層無機合金感熱レジスト
JP2006178111A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 円筒状マスク構成体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07209848A (ja) * 1994-01-20 1995-08-11 Kimoto & Co Ltd 遮光性マスキングフィルム
JP2000035677A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Adtec Engineeng:Kk 露光装置
JP2000317669A (ja) * 1999-05-12 2000-11-21 Canon Inc レーザ加工装置
JP2004504633A (ja) * 2000-07-17 2004-02-12 チャップマン テクノロジーズ インコーポレイテッド リソグラフ処理及び像形成用のドライ多層無機合金感熱レジスト
JP2006178111A (ja) * 2004-12-21 2006-07-06 Asahi Kasei Chemicals Corp 円筒状マスク構成体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014501934A (ja) * 2010-08-23 2014-01-23 ローイス インコーポレイテッド 近接場リソグラフィのためのマスク及びその製造方法
JP2015004994A (ja) * 2010-08-23 2015-01-08 ローイス インコーポレイテッド 近接場リソグラフィのためのマスクの製造方法
JP2016181007A (ja) * 2012-03-27 2016-10-13 株式会社ニコン 露光装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6901410B2 (ja) 印刷版原版、原版の製造方法、及び原版からの印刷版の作製方法
JP5155654B2 (ja) レリーフ画像の製造方法
EP2313270B1 (en) Employing secondary back exposure of flexographic plate
US5888697A (en) Flexographic printing element having a powder layer
CN102239447B (zh) 柔性版元件及成像方法
JP4942882B2 (ja) 印刷胴のコーティング方法およびコーティング装置
JP5691274B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版
JPH08305007A (ja) フレキソグラフ印刷板の作成方法
JP2001328365A (ja) レーザー彫刻可能な凸版印刷要素の製造のためのグラフト共重合体の使用方法
CN1950749A (zh) 凸版印刷用感光性原稿印版及制作凸版印版的方法以及用于该方法的遮光墨
JP4442187B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版、その製造方法およびこれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法
JP5050821B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版
CN101137935A (zh) 显影凸版印刷用感光性层合印刷原版及使用该印刷原版的显影凸版印刷版的制造方法
JP2008015085A (ja) 円筒状マスク構成体
JP2012068423A (ja) 感光性樹脂印刷版原版およびその製造方法
JP3761359B2 (ja) グラビア印刷版材の製造方法
JP4457748B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版、その製造方法およびこれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法
JP2006178111A (ja) 円筒状マスク構成体
JP2012163685A (ja) 凸版印刷版の製造方法
JP2016118652A (ja) フレキソctp印刷版及びその製造方法
JP2009244314A (ja) 感光性樹脂印刷版原版
JP2009229484A (ja) 感光性樹脂板製版用カバーフィルム
JP4736734B2 (ja) 感光性樹脂印刷版原版の製造方法およびこれを用いた樹脂凸版印刷版の製造方法
CN106814542B (zh) 一种烧蚀胶片及其应用
JPS6321889B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111101