JP2008014247A - 点火コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン電流の検出精度を向上させることができる点火コイルを提供すること。
【解決手段】点火コイル1は、これに装着したスパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えている。一次コイル41及び二次コイル42の内周側には、磁性体からなる中心コア5が配置してあり、一次コイル41及び二次コイル42の外周側には、磁性体からなる外周コア6が配置してある。中心コア5の軸方向Lの上端側の端面である中心コア上端面51は、外周コア6の軸方向Lの上端側の端面である外周コア上端面61よりも上端側に突出している。中心コア上端面51と外周コア上端面61との間の軸方向Lのずれ寸法Xを、イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてある。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジン等の内燃機関において、スパークプラグからスパークを発生させるために用いる点火コイルに関する。
車両等のエンジンに配設して使用する点火コイルは、これに取り付けたスパークプラグからスパークを発生させることにより、各気筒における燃焼の着火を行っている。このとき、スパークプラグにおける一対の電極間には、燃焼時に燃料がイオン化することによりイオン電流が流れる。そのため、上記点火コイルにおいて、このイオン電流の有無をイオン電流検出回路によって検出し、各気筒において失火が発生していないかの監視を行っている。
ところで、上記点火コイルにおいては、一次コイルへの通電を遮断したときに生じる誘導磁界によって、二次コイルに誘導起電力を発生させ、この誘導起電力によってスパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させている。そのため、スパークを行った直後においては、上記誘導磁界の発生に伴う残留磁気が残存している。
そして、イオン電流検出回路において、イオン電流の検出を行う際には、上記残留磁気によるノイズも検出してしまうおそれがあるため、イオン電流の検出を行う際には、所定時間の経過を待った後、検出を行っている。
また、例えば、特許文献1においては、イオン電流検出回路における電気素子に工夫を行い、イオン電流の検出を安定させる旨が開示されている。また、例えば、特許文献2においては、点火コイルにおける点火エネルギの増大を目的として、外装鉄心(外周コア)の断面積を中央鉄心(中心コア)の断面積の75〜100%の範囲内にする旨が開示されている。
しかしながら、イオン電流の検出を安定させるためには、上記従来の点火コイルによっては十分ではない。すなわち、上記従来の点火コイルにおいては、中心コアの軸方向上端面(スパークプラグを装着する側とは反対側の端面)と、外周コアの軸方向上端面との位置関係には特に工夫を行っておらず、イオン電流の検出精度を一層向上させるための工夫はなされていない。
特開平9−195913号公報 登録実用新案第3028977号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、イオン電流の検出精度を向上させることができる点火コイルを提供しようとするものである。
第1の発明は、一次コイル及び二次コイルの軸方向下端側にスパークプラグを装着し、該スパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えた点火コイルにおいて、
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法を、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明の点火コイルにおいて、一次コイルに通電を行ったときには、中心コア及び外周コアを通過する磁界が形成される。そして、上記通電を遮断したときには、上記磁界の形成方向とは反対方向に向けて、中心コア及び外周コアを通過する誘導磁界が形成される。これにより、二次コイルに誘導起電力を発生させて、スパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させることができる。
次いで、エンジンの気筒において正常に燃焼が行われたときには、燃料に含まれる成分がイオン化することにより、イオン電流がスパークプラグにおける一対の電極間を流れる。そのため、このイオン電流の発生を上記イオン電流検出機能によって検出することにより、エンジンにおいて正常に燃焼が行われたことを確認することができる。
本発明の点火コイルにおいては、上記中心コア上端面が上記外周コア上端面から突出する軸方向のずれ寸法をできるだけ小さくし、中心コア及び外周コアを通過することなく、これらの外部に漏れ出す漏れ磁束の量を減少させるために、中心コア上端面が外周コア上端面から突出する軸方向のずれ寸法を、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が上記システム要求時間内に収まる寸法に設定している。
つまり、本発明においては、中心コア上端面が外周コア上端面から突出する軸方向のずれ寸法をできるだけ小さくすることにより、スパークプラグにおけるスパーク発生直後において、上記漏れ磁束が点火コイルの周辺に残留磁気として残留することを抑制することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内に収めることができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
第2の発明は、一次コイル及び二次コイルの軸方向下端側にスパークプラグを装着し、該スパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えた点火コイルにおいて、
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法Xは、3〜12.5mmの範囲内にあり、
上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、上記ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、上記ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有していることを特徴とする点火コイルにある(請求項5)。
本発明の点火コイルにおいては、上記ずれ寸法Xが3〜12.5mmの範囲内にあり、上記断面積比B/A(%)は、ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有している。
これにより、中心コア及び外周コアを通過することなく、これらの外部に漏れ出す漏れ磁束が、点火コイルの周辺に残留磁気として残留することを抑制することができ、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間を、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収めることができる。
それ故、本発明の点火コイルによっても、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記軸方向上端側とは、上記点火コイルにおいてスパークプラグを配設する側(高電圧側)とは反対側のことをいう。また、上記一次コイル及び二次コイルの軸方向上端側には、当該点火コイルと上記エンジン制御装置との電気的接続を行うためのコネクタ部を配設することができる。
また、上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法は、3〜12.5mmとすることが好ましい(請求項2)。この場合には、スパークプラグにおけるスパーク発生直後において、中心コアと外周コアとの間から漏れ出した漏れ磁束が、点火コイルの周辺に残留磁気として残留することを容易に抑制することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内に容易に収めることができる。
また、上記ずれ寸法を3mm未満にすることは、点火コイルの構造設計上困難であり、ずれ寸法が12.5mmを越える場合には、残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内に収めることが困難になる。
また、上記ずれ寸法は、3〜8mmとすることがさらに好ましい(請求項3)。
この場合には、上記漏れ磁束が、点火コイルの周辺に残留磁気として残留することをさらに容易に抑制することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内にさらに容易に収めることができる。
また、上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの大きさの比率である断面積比B/A(%)は、90〜120%とすることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記残留磁気ノイズの残存時間を一層短縮することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内にさらに容易に収めることができる。
以下に、本発明の点火コイルにかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル41及び二次コイル42の軸方向Lの下端側にスパークプラグ35を装着し、このスパークプラグ35における一対の電極351間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えている。
また、一次コイル41及び二次コイル42の内周側には、磁性体からなる中心コア5が配置してあり、一次コイル41及び二次コイル42の外周側には、磁性体からなる外周コア6が配置してある。
また、図2に示すごとく、中心コア5の軸方向Lの上端側の端面である中心コア上端面51は、外周コア6の軸方向Lの上端側の端面である外周コア上端面61よりも上端側に突出している。そして、本例の点火コイル1においては、中心コア上端面51と外周コア上端面61との間の軸方向Lのずれ寸法Xを、イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置(エンジン8の電子制御ユニット、以下エンジンECUという。)におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてある。
以下に、本例の点火コイル1につき、図1〜図7と共に詳説する。
図1に示すごとく、上記一次コイル41は、円筒状樹脂からなる一次スプール411の外周面に、絶縁被覆した一次ワイヤを複数回巻回してなり、上記二次コイル42は、円筒状樹脂からなる二次スプール421の外周面に、絶縁被覆した二次ワイヤを一次ワイヤよりも多い巻回数で巻回してなる。また、二次コイル42は、一次コイル41の内周側に挿通配置してあり、二次コイル42の内周側には、上記中心コア5が挿通配置してある。
また、一次コイル41の外周側には、上記外周コア6が配置してあり、外周コア6は、円筒状樹脂からなるコイルケース2内に挿通配置してある。
そして、コイルケース2内に収容した一次コイル41、二次コイル42、中心コア5、外周コア6等によって、コイル本体部11が形成されている。
また、中心コア5は、絶縁被膜を備えた平板状の電磁鋼板(本例では珪素鋼板)を点火コイル1の軸方向Lに直交する方向に複数積層してなる。また、外周コア6は、軸方向Lにスリット(間隙)を形成してなる円筒状の電磁鋼板(本例では珪素鋼板)を、径方向に複数積層してなる。そして、中心コア5及び外周コア6によって、一次コイル41に電流を流したときに生ずる磁束の経路(磁気回路)を形成している。また、中心コア5の外周面には、応力緩和用の絶縁シート55が巻き付けてある。
図1に示すごとく、上記一次コイル41及び二次コイル42の軸方向Lの上端側には、当該点火コイル1と上記エンジンECUとの電気的接続を行うためのコネクタ部12が配設してある。
また、本例のコイルケース2は、上記一次コイル41、二次コイル42、中心コア5及び外周コア6等を収容するケース本体部21と、このケース本体部21の軸方向Lの上端側に連結するコネクタケース部22と、ケース本体部21の軸方向Lの下端側に連結するプラグケース部23とからなる。ケース本体部21、コネクタケース部22及びプラグケース部23は、いずれも樹脂から構成してある。
コネクタケース部22は、点火コイル1の制御を行う電力回路等を搭載したイグナイタ223を配設する配設部221と、イグナイタ223をエンジンECUに電気的に接続するための接続部222とを有している。この接続部222には、プラス電源用ピン、マイナス電源用ピン、スパーク信号用ピン及びイオン電流検出用ピン等がインサート成形してあり、各ピンは、イグナイタ223における対応するピンにそれぞれ接続されている。
また、図3に示すごとく、イグナイタ223は、エンジンECUからの信号によって、一次コイル41へ電力を供給する電力制御回路C1、及びスパークプラグ35の一対の電極351間に流れるイオン電流の検出を行うイオン電流検出回路C2等を備えている。また、上記点火コイル1におけるイオン電流検出機能は、イグナイタ223におけるイオン電流検出回路C2によって構成してある。
また、図1に示すごとく、上記プラグケース部23には、絶縁及び防水等を行うゴム製のプラグキャップ31が装着してあり、このプラグキャップ31のプラグ嵌入口32には、スパークプラグ35の碍子部352が嵌入してある。また、プラグケース部23の内周側と、二次スプール421の軸方向Lの下端側から延長形成した延長形成部422との間には、二次コイル42の高電圧巻線端部と導通する高電圧ターミナル(高電圧端子)33が配設してあり、この高電圧ターミナル33には、スパークプラグ35の端子部353と導通するコイルバネ34が配設してある。
本例の点火コイル1は、コイル本体部11の軸方向Lの下端側及びスパークプラグ35を、エンジン(シリンダーヘッドカバー)8のプラグホール81内に挿入配置して用いるスティックタイプのものである。なお、イグナイタ223を配設したコネクタ部12及びコイル本体部11の軸方向Lの上端側の端部は、プラグホール81の外部に配置される。また、プラグホール81の底部には、点火コイル1に装着したスパークプラグ35が螺合してあり、スパークプラグ35における一対の電極351は、エンジン8の気筒の燃焼室82内に配置されている。
また、コイルケース2内の各隙間、すなわちコイル本体部11、コネクタケース部22及びプラグケース部23によって囲まれた内部の隙間には、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂15が充填してある。
図4は、横軸に時間をとり、縦軸にイオン電流検出回路C2の出力(イオン電流検出出力)をとって、この出力の変化を示すグラフである。
イオン電流検出出力は、スパークプラグ35における一対の電極351間を介して二次コイル42を流れる電流による電圧信号V2にディジタル処理を行い、パルス信号Pとして取り出す(図3参照)。そして、上記システム要求時間は、図5に示すごとく、残留磁気ノイズの全体の継続時間(残留磁気ノイズの全体が擬似的にイオン出力として現れる時間の幅)Taと、図6に示すごとく、残留磁気ノイズのパルス1つの継続時間(残留磁気ノイズのパルス1つが擬似的にイオン出力として現れる時間の幅)Tpとして、点火コイル1のイオン電流検出性能に要求される。
残留磁気ノイズの全体の継続時間Taと、残留磁気ノイズのパルス1つの継続時間Tpとは、これらが長くなるとイオン電流の検出に悪影響を与えるため、点火コイル1のイオン電流検出性能に要求される値である。本例のシステム要求時間は、Ta≦1000μsであり、Tp≦416μsである。
なお、Taが1000μsを超える又はTpが416μsを超えると、残留磁気ノイズをイオン電流と間違えて検出し、誤判定してしまうおそれがある(失火していても失火を検出できなくなるおそれがある)。
図3に示すごとく、上記エンジンECUからパルス状のスパーク発生信号がイグナイタ223に送信されると、イグナイタ223における電力制御回路C1が動作し、一次コイル41に電流が流れて、中心コア5及び外周コア6を通過する磁界が形成される。次いで、一次コイル41に流れる電流を遮断すると、上記磁界の形成方向とは反対方向に向けて、中心コア5及び外周コア6を通過する誘導磁界が形成される。そして、この誘導磁界の形成により、二次コイル42に誘導起電力(逆起電力)が発生し、点火コイル1に装着したスパークプラグ35からスパークを発生させることができる。このスパークにより燃料混合気に着火を行い、エンジン8の気筒の燃焼室82内において燃焼を行う。
次いで、エンジン8において正常に燃焼が行われたときには、燃料に含まれる成分がイオン化することにより、イオン電流がスパークプラグ35における一対の電極351の間を流れる。そのため、図3に示すごとく、このイオン電流の発生を上記イオン電流検出回路C2によって検出することにより、エンジン8において正常に燃焼が行われたことを確認することができる。また、図4において、イオン電流の発生は、イオン電流検出波形(イオン電流による波形)が、イオン電流検出基準値を超えたときに検出する。
また、上記スパークプラグ35からスパークを発生した直後においては、中心コア5と外周コア6とによる磁気回路においては、上記誘導磁界の形成に伴う残留磁気が残存している。
そこで、図4〜図6に示すごとく、イオン電流検出回路C2においてイオン電流の検出を行う際には、上記残留磁気によるノイズ(残留磁気ノイズ)を検出してしまうことを防止するために、エンジンECUから、イオン電流の検出を行う前に所定時間の経過を待つ指示がなされる。この所定時間は、エンジンECUにおけるシステム要求時間(Ta≦1000μs、Tp≦416μs)として設定されている。
図2に示すごとく、本例の点火コイル1においては、中心コア上端面51が外周コア上端面61から突出する軸方向Lのずれ寸法Xをできるだけ小さくし、中心コア5及び外周コア6を通過することなく、これらの外部に漏れ出す漏れ磁束の量を減少させるために、中心コア上端面51が外周コア上端面61から突出する軸方向Lのずれ寸法Xを、3〜12.5mmの範囲内に設定している。また、点火コイル1の軸方向Lに直交する断面において、中心コア5の断面積Aに対する外周コア6の断面積Bの大きさの比率である断面積比B/A(%)は、90〜120%の範囲内に設定している。
つまり、本例の点火コイル1においては、中心コア上端面51が外周コア上端面61から突出する軸方向Lのずれ寸法Xをできるだけ小さくし、かつ断面積比B/Aを適切に設定することにより、スパークプラグ35におけるスパーク発生直後において、上記漏れ磁束が点火コイル1の周辺に残留磁気として残留することを抑制することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間(Ta≦1000μs、Tp≦416μs)内に収めることができる。
それ故、本例の点火コイル1によれば、残留磁気がイオン電流の検出に悪影響を及ぼしてしまうことを防止することができ、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
(確認試験)
本確認試験においては、中心コア上端面51と外周コア上端面61との間の軸方向Lのずれ寸法Xと、残留磁気ノイズの全体の継続時間Ta及び残留磁気ノイズのパルス1つの継続時間Tpとの関係を測定した。また、この測定においては、外周コア6を構成する電磁鋼板の積層枚数を異ならせて、中心コア5の断面積Aに対する外周コア6の断面積Bである断面積比B/Aが異なる3種類について行った。
この測定を行った結果を図7に示す。同図は、横軸にコア間の軸方向Lのずれ寸法Xをとり、縦軸にTa及びTpをとって、両者の関係を示すグラフである。
同図に示すごとく、ずれ寸法Xが大きくなると、Ta、Tpのいずれもが大きくなることがわかる。
そして、断面積比B/Aが91%(外周コア6の電磁鋼板が4枚)のときには、Taを1000μs以下にし、かつTpを416μs以下にするためには、ずれ寸法Xを12.5mm以下にすることが好ましいことがわかった。また、断面積比B/Aが68%(外周コア6の電磁鋼板が3枚)のときには、Taを1000μs以下にし、かつTpを416μs以下にするためには、ずれ寸法Xを8mm以下にすることが好ましいことがわかった。
また、断面積比B/Aが91%(外周コア6の電磁鋼板が4枚)のときには、ずれ寸法Xが10mmを超えると、Tp(波形ダレ)が大きくなり、断面積比B/Aが68%(外周コア6の電磁鋼板が3枚)のときには、ずれ寸法Xが6mmを超えると、Tp(波形ダレ)が大きくなることがわかった。
また、図8、図9は、上記測定を行った結果を、横軸に断面積比B/Aをとり、縦軸にTa又はTpをとって、両者の関係を示すグラフである。なお、両図においては、断面積比B/Aの違いをパラメータとして、両者の関係を示す。
両図において、ずれ寸法Xが大きくなるとTa及びTpが大きくなる一方、断面積比B/Aを大きくするとTa及びTpを小さくできることがわかった。
そこで、本確認試験においては、各ずれ寸法Xに対して、Taが1000μsとなるときの断面積比B/A、及びTpが416μsとなるときの断面積比B/Aを取り出し、ずれ寸法Xと断面積比B/Aとの関係を導き出した。
図10は、横軸にずれ寸法Xをとり、縦軸に断面積比B/Aをとって、両者の関係を示すグラフである。同図に示すごとく、ずれ寸法Xが大きくなると、断面積比B/Aを大きくすることにより、残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間(Ta≦1000μs、Tp≦416μs)内に収めることができることがわかる。
そして、ずれ寸法Xと断面積比B/Aとの関係を線形近似し、システム要求時間を満足できるずれ寸法Xと断面積比B/Aとの関係を導き出した。この関係は、Taの値に比べてTpの値の方が、システム要求時間に対してより厳しい値となったため、Tpの値を基準に導き出した。この結果、ずれ寸法Xが6mm以下である場合には、断面積比B/A(%)は54.3%以上にし、ずれ寸法Xが6mmを超える場合には、断面積比B/Aは、7.11×(X−6)+54.3以上にすることにより、システム要求時間を満足できることがわかった。
また、ずれ寸法Xを3mm未満にすることは、点火コイル1の構造設計上困難であり、ずれ寸法Xが12.5mmを越える場合には、Tpを小さく維持することが困難になる。
そのため、中心コア5の断面積Aに対する外周コア6の断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有するよう決定することが好ましいことがわかった。
また、Ta、Tpを小さく抑えるためには、断面積比B/Aをできるだけ大きくすることが好ましく、この断面積比B/Aは、実用的には90%以上にすることが好ましいことがわかった。また、断面積比B/Aを大きくし過ぎると、外周コア6の厚みが大きくなって点火コイル1の外径が拡大してしまう。そのため、断面積比B/Aは、120%以下にすることが好ましいことがわかった。なお、図10においては、ずれ寸法Xと断面積比B/Aとの関係の適正領域Sを示した。
実施例における、点火コイルを示す断面説明図。 実施例における、点火コイルのコネクタ部の周辺を拡大して示す断面説明図。 実施例における、イオン電流検出回路を模式的に示す回路説明図。 実施例における、横軸に時間をとり、縦軸にイオン電流検出回路の出力をとって、この出力の変化を示すグラフ。 実施例における、横軸に時間をとり、縦軸にパルス電圧をとって、残留磁気ノイズの全体の継続時間Taを示すグラフ。 実施例における、横軸に時間をとり、縦軸にパルス電圧をとって、残留磁気ノイズのパルス1つの継続時間Tpを示すグラフ。 確認試験における、横軸にコア間の軸方向のずれ寸法Xをとり、縦軸にTa及びTpをとって、両者の関係を示すグラフ。 確認試験における、横軸に断面積比B/Aをとり、縦軸にTaをとって、両者の関係を示すグラフ。 確認試験における、横軸に断面積比B/Aをとり、縦軸にTpをとって、両者の関係を示すグラフ。 確認試験における、横軸にずれ寸法Xをとり、縦軸に断面積比B/Aをとって、両者の関係を示すグラフ。
符号の説明
1 点火コイル
2 コイルケース
35 スパークプラグ
351 電極
41 一次コイル
42 二次コイル
5 中心コア
51 中心コア上端面
6 外周コア
61 外周コア上端面
L 軸方向
X ずれ寸法
B/A 断面積比

Claims (5)

  1. 一次コイル及び二次コイルの軸方向下端側にスパークプラグを装着し、該スパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えた点火コイルにおいて、
    上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
    上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
    上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法を、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてあることを特徴とする点火コイル。
  2. 請求項1において、上記ずれ寸法は、3〜12.5mmであることを特徴とする点火コイル。
  3. 請求項2において、上記ずれ寸法は、3〜8mmであることを特徴とする点火コイル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、90〜120%であることを特徴とする点火コイル。
  5. 一次コイル及び二次コイルの軸方向下端側にスパークプラグを装着し、該スパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えた点火コイルにおいて、
    上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
    上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
    上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法Xは、3〜12.5mmの範囲内にあり、
    上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、上記ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、上記ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有していることを特徴とする点火コイル。
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