JP2008014247A - 点火コイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点火コイル1は、これに装着したスパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えている。一次コイル41及び二次コイル42の内周側には、磁性体からなる中心コア5が配置してあり、一次コイル41及び二次コイル42の外周側には、磁性体からなる外周コア6が配置してある。中心コア5の軸方向Lの上端側の端面である中心コア上端面51は、外周コア6の軸方向Lの上端側の端面である外周コア上端面61よりも上端側に突出している。中心コア上端面51と外周コア上端面61との間の軸方向Lのずれ寸法Xを、イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてある。
【選択図】図2
Description
そして、イオン電流検出回路において、イオン電流の検出を行う際には、上記残留磁気によるノイズも検出してしまうおそれがあるため、イオン電流の検出を行う際には、所定時間の経過を待った後、検出を行っている。
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法を、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてあることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
次いで、エンジンの気筒において正常に燃焼が行われたときには、燃料に含まれる成分がイオン化することにより、イオン電流がスパークプラグにおける一対の電極間を流れる。そのため、このイオン電流の発生を上記イオン電流検出機能によって検出することにより、エンジンにおいて正常に燃焼が行われたことを確認することができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法Xは、3〜12.5mmの範囲内にあり、
上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、上記ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、上記ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有していることを特徴とする点火コイルにある(請求項5)。
これにより、中心コア及び外周コアを通過することなく、これらの外部に漏れ出す漏れ磁束が、点火コイルの周辺に残留磁気として残留することを抑制することができ、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間を、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収めることができる。
それ故、本発明の点火コイルによっても、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
本発明において、上記軸方向上端側とは、上記点火コイルにおいてスパークプラグを配設する側(高電圧側)とは反対側のことをいう。また、上記一次コイル及び二次コイルの軸方向上端側には、当該点火コイルと上記エンジン制御装置との電気的接続を行うためのコネクタ部を配設することができる。
また、上記ずれ寸法を3mm未満にすることは、点火コイルの構造設計上困難であり、ずれ寸法が12.5mmを越える場合には、残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内に収めることが困難になる。
この場合には、上記漏れ磁束が、点火コイルの周辺に残留磁気として残留することをさらに容易に抑制することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内にさらに容易に収めることができる。
この場合には、上記残留磁気ノイズの残存時間を一層短縮することができ、上記残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間内にさらに容易に収めることができる。
本例の点火コイル1は、図1に示すごとく、一次コイル41及び二次コイル42の軸方向Lの下端側にスパークプラグ35を装着し、このスパークプラグ35における一対の電極351間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えている。
また、一次コイル41及び二次コイル42の内周側には、磁性体からなる中心コア5が配置してあり、一次コイル41及び二次コイル42の外周側には、磁性体からなる外周コア6が配置してある。
図1に示すごとく、上記一次コイル41は、円筒状樹脂からなる一次スプール411の外周面に、絶縁被覆した一次ワイヤを複数回巻回してなり、上記二次コイル42は、円筒状樹脂からなる二次スプール421の外周面に、絶縁被覆した二次ワイヤを一次ワイヤよりも多い巻回数で巻回してなる。また、二次コイル42は、一次コイル41の内周側に挿通配置してあり、二次コイル42の内周側には、上記中心コア5が挿通配置してある。
また、一次コイル41の外周側には、上記外周コア6が配置してあり、外周コア6は、円筒状樹脂からなるコイルケース2内に挿通配置してある。
そして、コイルケース2内に収容した一次コイル41、二次コイル42、中心コア5、外周コア6等によって、コイル本体部11が形成されている。
また、本例のコイルケース2は、上記一次コイル41、二次コイル42、中心コア5及び外周コア6等を収容するケース本体部21と、このケース本体部21の軸方向Lの上端側に連結するコネクタケース部22と、ケース本体部21の軸方向Lの下端側に連結するプラグケース部23とからなる。ケース本体部21、コネクタケース部22及びプラグケース部23は、いずれも樹脂から構成してある。
また、コイルケース2内の各隙間、すなわちコイル本体部11、コネクタケース部22及びプラグケース部23によって囲まれた内部の隙間には、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂15が充填してある。
イオン電流検出出力は、スパークプラグ35における一対の電極351間を介して二次コイル42を流れる電流による電圧信号V2にディジタル処理を行い、パルス信号Pとして取り出す(図3参照)。そして、上記システム要求時間は、図5に示すごとく、残留磁気ノイズの全体の継続時間(残留磁気ノイズの全体が擬似的にイオン出力として現れる時間の幅)Taと、図6に示すごとく、残留磁気ノイズのパルス1つの継続時間(残留磁気ノイズのパルス1つが擬似的にイオン出力として現れる時間の幅)Tpとして、点火コイル1のイオン電流検出性能に要求される。
なお、Taが1000μsを超える又はTpが416μsを超えると、残留磁気ノイズをイオン電流と間違えて検出し、誤判定してしまうおそれがある(失火していても失火を検出できなくなるおそれがある)。
そこで、図4〜図6に示すごとく、イオン電流検出回路C2においてイオン電流の検出を行う際には、上記残留磁気によるノイズ(残留磁気ノイズ)を検出してしまうことを防止するために、エンジンECUから、イオン電流の検出を行う前に所定時間の経過を待つ指示がなされる。この所定時間は、エンジンECUにおけるシステム要求時間(Ta≦1000μs、Tp≦416μs)として設定されている。
それ故、本例の点火コイル1によれば、残留磁気がイオン電流の検出に悪影響を及ぼしてしまうことを防止することができ、イオン電流の検出精度を向上させることができる。
本確認試験においては、中心コア上端面51と外周コア上端面61との間の軸方向Lのずれ寸法Xと、残留磁気ノイズの全体の継続時間Ta及び残留磁気ノイズのパルス1つの継続時間Tpとの関係を測定した。また、この測定においては、外周コア6を構成する電磁鋼板の積層枚数を異ならせて、中心コア5の断面積Aに対する外周コア6の断面積Bである断面積比B/Aが異なる3種類について行った。
この測定を行った結果を図7に示す。同図は、横軸にコア間の軸方向Lのずれ寸法Xをとり、縦軸にTa及びTpをとって、両者の関係を示すグラフである。
同図に示すごとく、ずれ寸法Xが大きくなると、Ta、Tpのいずれもが大きくなることがわかる。
また、断面積比B/Aが91%(外周コア6の電磁鋼板が4枚)のときには、ずれ寸法Xが10mmを超えると、Tp(波形ダレ)が大きくなり、断面積比B/Aが68%(外周コア6の電磁鋼板が3枚)のときには、ずれ寸法Xが6mmを超えると、Tp(波形ダレ)が大きくなることがわかった。
両図において、ずれ寸法Xが大きくなるとTa及びTpが大きくなる一方、断面積比B/Aを大きくするとTa及びTpを小さくできることがわかった。
図10は、横軸にずれ寸法Xをとり、縦軸に断面積比B/Aをとって、両者の関係を示すグラフである。同図に示すごとく、ずれ寸法Xが大きくなると、断面積比B/Aを大きくすることにより、残留磁気ノイズの検出時間をシステム要求時間(Ta≦1000μs、Tp≦416μs)内に収めることができることがわかる。
そのため、中心コア5の断面積Aに対する外周コア6の断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有するよう決定することが好ましいことがわかった。
2 コイルケース
35 スパークプラグ
351 電極
41 一次コイル
42 二次コイル
5 中心コア
51 中心コア上端面
6 外周コア
61 外周コア上端面
L 軸方向
X ずれ寸法
B/A 断面積比
Claims (5)
- 一次コイル及び二次コイルの軸方向下端側にスパークプラグを装着し、該スパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えた点火コイルにおいて、
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法を、上記イオン電流検出機能におけるイオン電流検出出力に乗る残留磁気ノイズの検出時間が、エンジン制御装置におけるシステム要求時間内に収まる寸法にしてあることを特徴とする点火コイル。 - 請求項1において、上記ずれ寸法は、3〜12.5mmであることを特徴とする点火コイル。
- 請求項2において、上記ずれ寸法は、3〜8mmであることを特徴とする点火コイル。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、90〜120%であることを特徴とする点火コイル。
- 一次コイル及び二次コイルの軸方向下端側にスパークプラグを装着し、該スパークプラグにおける一対の電極間に流れるイオン電流を検出するイオン電流検出機能を備えた点火コイルにおいて、
上記一次コイル及び二次コイルの内周側には、磁性体からなる中心コアが配置してあり、上記一次コイル及び二次コイルの外周側には、磁性体からなる外周コアが配置してあり、
上記中心コアの軸方向上端側の端面である中心コア上端面は、上記外周コアの軸方向上端側の端面である外周コア上端面よりも上端側に突出しており、
上記中心コア上端面と上記外周コア上端面との間の軸方向のずれ寸法Xは、3〜12.5mmの範囲内にあり、
上記軸方向に直交する断面において、上記中心コアの断面積Aに対する上記外周コアの断面積Bの比率である断面積比B/A(%)は、上記ずれ寸法Xが3〜6mmの範囲内にあるときには、B/A≧54.3の関係を有し、上記ずれ寸法Xが6〜12.5mmの範囲内にあるときには、B/A≧7.11×(X−6)+54.3の関係を有していることを特徴とする点火コイル。
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