JP2008013011A - ステアバイワイヤシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】転流装置のコンミテータやブラシの摩耗を抑えることが可能なステアバイワイヤシステムの提供を目的とする。
【解決手段】本発明のステアバイワイヤシステム10では、転流装置70に備えたブラシ75A,75Bが、正常時にはブラシ摺接端子73(コンミテータ74)から離されており、故障時にのみブラシ摺接端子73に摺接するから、従来のものよりブラシ75A,75Bやコンミテータ74の摩耗を抑えることができ、耐久性の向上を図ることができる。また、正常時にはブラシ75A,75Bがブラシ摺接端子73から離れているから、ブラシ75A,75Bとブラシ摺接端子73とが摺接する際の摺接音やハンドリングの粘っこさが解消され、正常時における操舵フィーリングが向上する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハンドルの操作に応じてモータ駆動制御回路が交流モータを駆動して、転舵輪を転舵するステアバイワイヤシステムに関する。
一般に、この種のステアバイワイヤシステムは、ハンドルの操舵位置を位置センサで検出し、その検出結果に基づきモータ駆動制御回路にて交流モータを駆動して転舵輪を転舵する構成になっている。このため、モータ駆動制御回路が故障した場合に備えて、モータ駆動制御回路の代わりに交流モータを駆動することが可能な転流装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−21550号公報([0027]−[0029]、第5図)
ところが、従来のステアバイワイヤシステムに備えられた転流装置は、ハンドルの操舵に連動して相互に相対回転するコンミテータとブラシとが、常時接触していた為、ブラシやコンミテータの摩耗が早いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、転流装置のコンミテータやブラシの摩耗を抑えることが可能なステアバイワイヤシステムの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係るステアバイワイヤシステム(10)は、車両(90)に備えたハンドル(11)の操作に応じてモータ駆動制御回路(31)が交流モータ(17)を駆動して、転舵輪(12)を転舵するステアバイワイヤシステム(10)であって、ハンドル(11)の操舵に連動して相互に相対回転するコンミテータ(74,174)とブラシ(75A,75B)とを有する転流装置(70,170)を備え、モータ駆動制御回路(31)の異常時に、そのモータ駆動制御回路(31)の代わりに転流装置(70,170)がバッテリー(35)からの直流を交流に変換して交流モータ(17)に付与するステアバイワイヤシステム(10)において、ブラシ(75A,75B)をコンミテータ(74,174)に向けて付勢するブラシ付勢スプリング(41A,41B,75S)と、正常時に励磁され、ブラシ付勢スプリング(41A,41B,75S)の弾発力に抗してブラシ(75A,75B)をコンミテータ(74,174)から離して保持可能なブラシ保持電磁石(41C,75C,175C)とを備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のステアバイワイヤシステム(10)において、ブラシ(75A,75B)は、カーボン製であるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステム(10)において、モータ駆動制御回路(31)の正常時であって所定条件が成立した場合に、ブラシ保持電磁石(41C,75C)の励磁を停止した状態でハンドル(11)が所定角操舵させることを待ってブラシ保持電磁石(41C,75C)を励磁する電磁石制御回路(38)を備えたところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項3に記載のステアバイワイヤシステム(10)において、車両(90)のイグニッションキースイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたことを所定条件としたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項3又は4に記載のステアバイワイヤシステム(10)において、所定条件は、所定値以下の車速で、ハンドル(11)が中立点から所定値以下の操舵角で操舵されたことであるところに特徴を有する。
請求項1のステアバイワイヤシステムによれば、モータ駆動制御回路の異常時には、ブラシ付勢スプリングの弾発力によりブラシがコンミテータに摺接する一方、正常時には、ブラシ保持電磁石が励磁されてブラシがコンミテータから離れた位置に保持される。これにより、ブラシやコンミテータの摩耗を抑えることができ、耐久性の向上を図ることができる。また、ブラシとコンミテータとが摺接する際の摺接音やハンドリングの粘っこさが解消され、正常時における操舵フィーリングが向上する。
請求項2の発明によれば、ブラシ自体の軽量化により、異常が生じた場合にブラシを速やかにコンミテータに接触させることができる。
請求項3の発明によれば、モータ駆動制御回路の正常時であって所定条件が成立した場合に、ハンドルの操舵に連動して、ブラシとコンミテータとが接触しながら所定角度だけ相対回転する。これにより、コンミテータの摺接面に付着した異物等を予め取り除くことができ、異常発生時のブラシとコンミテータとの導通状態を安定させることができる。ここで、所定条件は、請求項4の発明のようにイグニッションキースイッチがオフ状態からオン状態に切り替わったことにしてもよいし、請求項5の発明のように、所定値以下の車速で、ハンドルが中立点から所定値以下の操舵角で操舵されたことにしてもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1には、本発明に係るステアバイワイヤシステム10を備えた車両90が示されている。車両90に備えた1対の転舵輪12,12の間には、転舵シャフト13が差し渡され、この転舵シャフト13が車両90に固定された固定スリーブ14内を直動する。また、転舵シャフト13の中間部には図示しないラックが形成され、このラックに噛合したピニオン15が固定スリーブ14に回転可能に軸支されている。そして、ピニオン15に対して転舵減速機16を介して転舵モータ17が連結されている。なお、転舵減速機16は、図示しないウォームギアとウォームホイールとを内蔵して備え、転舵モータ17のロータシャフトがウォームギアに一体回転可能に固定される一方、ピニオン15がウォームホイールに一体回転可能に固定されている。
転舵モータ17は、例えばブラシレスの三相交流モータであって、U相とV相とW相からなる三相巻線17A(図3参照)を備えている。また、転舵モータ17には、転舵角センサ18(図1参照)が一体に備えられ、転舵モータ17の三相巻線17Aと転舵角センサ18の信号線とが共にECU30(ECUは、Electric Control Unitの略)に接続されている。なお、転舵モータ17は本発明に係る「交流モータ」に相当する。
図1に示すように車両90に備えたハンドル11は、転舵輪12,12に対して機械的に切り離されている。そして、ハンドル11には、操舵抵抗を発生させるための反力発生モータ20が操舵減速機21を介して連結されている。この反力発生モータ20もブラシレスの三相交流モータであり、反力発生モータ20のうち操舵減速機21と反対側の端部には操舵角センサ23が備えられている。また、図3に示すように、操舵減速機21には、ウォームホイール21Aと、そのウォームホイール21Aに噛合したウォームギヤ21Bとが備えられている。そして、ウォームギヤ21Bに反力発生モータ20(図1参照)のロータシャフト20Sが一体回転可能に固定される一方、ウォームホイール21Aに、ハンドル11の中心から延びたステアリングシャフト11Sが一体回転可能に固定されている。さらに、ステアリングシャフト11Sの中間部分には、ステアリングシャフト11Sの捻れ変形量に基づいてハンドル11に係る負荷トルクを検出するトルクセンサ22(図1参照)が備えられている。そして、図1に示すように反力発生モータ20の三相巻線とトルクセンサ22、操舵角センサ23及び車速センサ19の各信号線とが共にECU30に接続されている。
図2に示すようにECU30には、転舵モータ17に三相交流を給電するためのインバータ回路31(本発明に係る「モータ駆動制御回路」に相当する)が備えられている。このインバータ回路31は、FETの3相ブリッジ回路である。詳細には、インバータ回路31は、バッテリー35の正極35Aと負極35Bとの間に並列接続された3つの並列ライン32U,32V,32Wにそれぞれ1対のFET33,33を直列接続して備え、各並列ライン32U,32V,32WにおけるFET33,33の共通接続部に出力ライン34U,34V,34Wを分岐接続した構造になっている。そして、これら出力ライン34U,34V,34Wがライン切替スイッチ56を通して、転舵モータ17に接続可能になっている。
インバータ回路31の各FET33は、CPU38Aを有した制御回路38によってオンオフ制御される。具体的には、制御回路38は、操舵角センサ23、転舵角センサ18、トルクセンサ22及び車速センサ19等から運転状況に関する情報を取り込み、それら情報に基づいて転舵モータ17への電流指令値を決定する。そして、電流指令値に応じた電流がインバータ回路31から転舵モータ17へと流れるように、インバータ回路31の各FET33をオンオフ制御する。
なお、図示しないが、ECU30には反力発生モータ20用のインバータ回路も備えられ、このインバータ回路は上記したインバータ回路31と同様な構成になっている。
図2に示すように本実施形態のステアバイワイヤシステム10には、インバータ回路31が作動不能になった場合に備えて転流装置70が設けられている。この転流装置70に備えた出力ライン46U,46V,46Wも、上記したインバータ回路31と同様に、ライン切替スイッチ56を通して、転舵モータ17に接続可能になっている。なお、転流装置70に関しては後に詳説する。
ライン切替スイッチ56は、転舵モータ17に対して転流装置70の出力ライン46U,46V,46W群とインバータ回路31の出力ライン34U,34V,34W群との何れか一方を択一的に接続する。
詳細には、ライン切替スイッチ56の入力部には、転流装置70の出力ライン46U,46V,46Wと、インバータ回路31の出力ライン34U,34V,34Wとが接続される一方、ライン切替スイッチ56の出力部には転舵モータ17の三相巻線17A(図3参照)が接続されている。また、ライン切替スイッチ56は、例えば図示しないソレノイドと弾性部材とを有し、イグニッションスイッチをオンするとソレノイドが励磁されて作動し、インバータ回路31のみを転舵モータ17との間に接続する。そして、イグニッションキースイッチをオフしたとき又はインバータ回路31の故障時に、ソレノイドの励磁が停止されて弾性部材の弾発力により作動し、転流装置70のみを転舵モータ17に接続する。
図4に示すように転流装置70は、車両90に固定された固定部材71の内側に回転部材72を回転可能に軸支して備えている。回転部材72は、軸方向の中間部分に円盤部72Aを有し、図6に示すように円盤部72Aの外周面に、U相,V相,W相の3種類計12個のブラシ摺接端子73が保持されている。これら12個のブラシ摺接端子73は、U相とV相とW相の3種類4個ずつのブラシ摺接端子73に分けられ、図6において時計回り方向に、U相、V相、W相のブラシ摺接端子73の順番で繰り返されている。そして、これらブラシ摺接端子73と円盤部72Aとからコンミテータ74が構成されている。
また、回転部材72には、円盤部72Aより小径で長くなった円形軸部72Bが備えられ、その円形軸部72Bの外周面には、3つのスリップリング75U,75V,75Wが設けられている。これらスリップリング75U,75V,75Wは、回転部材72の内部を通過した中継ライン76U,76V,76Wを介してU相,V相,W相の各ブラシ摺接端子73にそれぞれ接続されている。
これに対して固定部材71は、回転部材72の円形軸部72Bを収容した軸収容部71Aと、円盤部72Aを収容した円盤収容部71Bとを有している。そして、軸収容部71Aの軸方向の両端部に設けた1対のベアリング42J,42Jにて回転部材72が固定部材71に回転可能に軸支されている。また、円形軸部72Bの端部は固定部材71の一端から外側に延ばされて反力発生モータ20(図1参照)のロータシャフト20Sに連結され、これにより回転部材72がハンドル11に連動回転する。
さて、固定部材71のうち円盤部72Aを覆った円盤収容部71Bの内周面には、所定の2位置に1対の凹部71C,71Cが形成され、それら各凹部71C,71Cにブラシ75A,75Bが直動可能に嵌合されている。このブラシ75A,75Bには、バッテリー35の正極35Aと負極35Bが接続されている。
より詳細には各ブラシ75A,75Bは、例えばカーボン製であって、ブラシ摺接端子73との摺接面の反対側の端部には、一端有底のキャップ形状をなした可動鉄芯75Pが嵌合固定されている。また、各凹部71C,71Cの奥面と各ブラシ75A,75Bの可動鉄芯75Pとの間には圧縮コイルバネ75S,75S(本発明に係る「ブラシ付勢スプリング」に相当する)が収容され、これら圧縮コイルバネ75S,75Sの弾発力によって各ブラシ75A,75Bがブラシ摺接端子73(コンミテータ74)に向けて付勢されている。また、円盤収容部71Bには各凹部71C,71C内に磁力を発生させる電磁コイル75C,75C(本発明に係る「ブラシ保持電磁石」に相当する)が内蔵されている。
固定部材71のうち軸収容部71Aの内周面には、3つの凹部71D,71D,71Dが形成され、それら各凹部71D,71D,71Dに中継ブラシ77U,77V,77Wが直動可能に嵌合されている。これら中継ブラシ77U,77V,77Wも、上記したブラシ75A,75Bと同様に例えばカーボン製である。
各中継ブラシ77U,77V,77Wのうち、スリップリング75U,75V,75Wとの摺接面とは反対側の端部には、可動鉄芯77Pが固定されている。また、凹部71Dの奥面と可動鉄芯75Pとの間には圧縮コイルバネ77S(本発明に係る「ブラシ付勢スプリング」に相当する)が収容され、これら圧縮コイルバネ77Sの弾発力によって各中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wに向けて付勢されている。また、軸収容部71Aには各凹部77D内に磁力を発生させる電磁コイル77C(本発明に係る「ブラシ保持電磁石」に相当する)が内蔵されている。そして、固定部材71を内外に貫通した出力ライン46U,46V,46Wが中継ブラシ77U,77V,77Wに接続されている。この構成により、車両90に固定された転舵モータ17のU相,V相,W相の配線と、車両90に対して回転するブラシ摺接端子73群との間を、ハンドル11の操舵位置に拘わらず、安定して導通状態に保持可能になっている。
本実施形態の構成は以上である。次に、上記構成からなる本実施形態の作用効果について説明する。ステアバイワイヤシステム10は、正常時には、インバータ回路31がバッテリー35と転舵モータ17との間に接続される。そして、ハンドル11の操舵に応じてインバータ回路31のFET33がオンオフして転舵モータ17に交流が付与され、転舵輪12,12が転舵する。
また、正常時には転流装置70に備えた各電磁コイル75C,77Cに対して、ECU30に備えた制御回路38から励磁電流が付与される。すると、可動鉄芯75P,77Pが圧縮コイルバネ75S,77Sの付勢力に抗して凹部71C,71D内に吸引されて、各ブラシ75A,75Bがブラシ摺接端子73から離間し、中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wから離間した状態になる(図4の状態)。即ち、ハンドル11の操舵に連動して回転部材72が回転しても、ブラシ75A,75Bがブラシ摺接端子73に摺接したり、中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wに摺接することはない。
これに対し、インバータ回路31の故障等、ECU30が制御を続けられなくなった場合には、ライン切替スイッチ56の作動により、インバータ回路31に代えて転流装置70が、バッテリー35と転舵モータ17との間に接続される。また、インバータ回路31が故障すると、制御回路38によって励磁電流の付与が停止され、各電磁コイル75C,77Cの励磁が停止される。すると、圧縮コイルバネ75S,77Sの弾発力によってブラシ75A,75Bがブラシ摺接端子73に押し付けられ、中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wに押し付けられる(図5及び図6の状態)。
これにより、回転部材72の回転位置に応じてU相、V相、W相の3種類のブラシ摺接端子73のうち1種類又は2種類のブラシ摺接端子73に一方のブラシ75Aが接触し、残りの種類のブラシ摺接端子73に他方のブラシ75Bが接触する(図6を参照)。つまり、転流装置70の出力ライン46U,46V,46Wに転舵モータ17が接続された状態で、回転部材72がハンドル11の動作に連動して回転すると、3種類のブラシ摺接端子73に対するブラシ75A,75Bの接続状態が機械的にスイッチングされて、転舵モータ17に三相交流が付与され転舵輪12,12が転舵する。従って、車両90の走行中にインバータ回路31が故障しても、転流装置70により転舵モータ17に交流を付与することができ、ハンドル11の操作に応じて転舵輪12,12を転舵させて、路肩等に車両90を避難させることができる。
このように、本実施形態のステアバイワイヤシステム10では、転流装置70に備えたブラシ75A,75B及び中継ブラシ77U,77V,77Wが、正常時にはコンミテータ74及びスリップリング75U,75V,75Wから離されており、故障時にのみコンミテータ74及びスリップリング75U,75V,75Wに摺接するから、ブラシ75A,75B、中継ブラシ77U,77V,77W、コンミテータ74及びスリップリング75U,75V,75Wの摩耗を抑えることができ、耐久性の向上を図ることができる。よってブラシ75A,75B及び中継ブラシ77U,77V,77Wの長さを従来より短くすることができ、転流装置70を小型化することができる。また、ブラシ75A,75Bとブラシ摺接端子73及び、中継ブラシ77U,77V,77Wとスリップリング75U,75V,75Wとが摺接する際の摺接音やハンドリングの粘っこさが解消され、正常時における操舵フィーリングが向上する。さらに、ブラシ75A,75B及び中継ブラシ77U,77V,77Wをカーボン製にして軽量化したことで、故障発生時に、ブラシ75A,75B及び中継ブラシ77U,77V,77Wを速やかにコンミテータ74及びスリップリング75U,75V,75Wに接触させることができる。
しかも、ブラシ摺接端子73群が車両90に対して回転する一方、1対のブラシ75A,75B及びブラシ75A,75Bをブラシ摺接端子73に押し付ける圧縮コイルバネ75S,75Sが車両90に固定された固定部材71に保持されているので、これらに遠心力がかかることはなく、ブラシ75A,75Bとブラシ摺接端子73との間の導通状態が安定する。
[第2実施形態]
本実施形態のステアバイワイヤシステム10の構造は前記第1実施形態と同じであり、動作のみが前記第1実施形態と異なる。以下、動作について説明する。
正常時において、車両90のイグニッションキースイッチをオンするとECU30が起動する。すると、ECU30に備えた制御回路38(本発明に係る「電磁石制御回路」に相当する)は、図7に示す転流装置制御プログラムPG1を所定周期で繰り返し実行する。
転流装置制御プログラムPG1では、まず、車速センサ19にて検出した車速Vhが予め設定された所定値V1以下でありかつ、操舵角センサ23にて検出したハンドル11の操舵角θhがハンドル11の中立点(直進走行するときの位置)に対して予め設定された基準操舵角θ1以下であるか否かをチェックする(S11)。
上記ステップS1において何れの条件も成立している場合(S11でYES)には、電磁コイル75C,77Cの励磁を停止して(S12)、ブラシ75A,75Bがコンミテータ74に接触しかつ、中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wに接触した状態にする。
次に、ハンドル11の操舵角θhが所定角θ2に達したか否かをチェックする(S13)。ハンドル11の操舵角θhが所定角θ2に達していない場合(S13でNO)には、電磁コイル75C,77Cの励磁を停止したままとし、操舵角θhが所定角θ2に達した場合(S13でYES)、即ち、ブラシ75A,75Bがコンミテータ74に接触しかつ中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wに接触した状態で、転流装置70の回転部材72が所定数回転した場合には、電磁コイル75C,77Cの励磁を開始して(S14)、各ブラシ75A,75Bをコンミテータ74から離間させると共に、中継ブラシ77U,77V,77Wをスリップリング75U,75V,75Wから離間させる。
より具体的に説明すると、例えば、車両90を走行させている途中で、ハンドル11を中立点としたまま一旦停止すると、車速Vhが所定値V1以下でかつ操舵角θhが基準操舵角θ1以下、という条件が成立する(ステップS11でYES)。これにより、電磁コイル75C,77Cの励磁が停止して(ステップS12)、ブラシ75A,75Bがコンミテータ74に接触し、中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wに接触する。その後、車両90を再発進させて、右左折又は車線変更する過程で操舵角θhが所定角θ2以上になると(ステップS13でYES)、電磁コイル75C,77Cの励磁が開始されて(ステップS14)、各ブラシ75A,75Bがブラシ摺接端子73(コンミテータ74)から離間し、中継ブラシ77U,77V,77Wがスリップリング75U,75V,75Wから離間する。そして、車速Vhが所定値V1以下でかつ操舵角θhが基準操舵角θ1以下、という条件が再度成立するまで、この離間状態が保持される。
このように本実施形態によれば、正常時に、ハンドル11の操舵角θhが所定角θ2になるまでブラシ75A,75Bとコンミテータ74及び中継ブラシ77U,77V,77Wとスリップリング75U,75V,75Wとを摺接させておくので、この間にブラシ摺接端子73及びスリップリング75U,75V,75Wの摺接面に付着した異物を予め取り除くことができる。これにより、故障発生時のブラシ75A,75Bとブラシ摺接端子73との導通状態及び、中継ブラシ77U,77V,77Wとスリップリング75U,75V,75Wとの導通状態を安定させることができる。
[第3実施形態]
本実施形態は図8及び図9に示されている。図8に示すように転流装置に備えられたブラシ75A,75Bは、円盤収容部71Bの内周面に一端が固定された片持ち状の板バネ41A,41B(本発明の「ブラシ付勢スプリング」に相当する)の先端部に備えられている。この板バネ41A,41Bによってブラシ75A,75Bはコンミテータ74側に付勢されている。さらに、円盤収容部71Bの内周面のうち、各ブラシ75A,75Bに対して径方向外側位置には、ブラシ75A,75Bをコンミテータ74の外周面に対して接離させるための電磁コイル41C,41Cが備えられている。
その他の構成は、上記第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
さて、正常時には、各電磁コイル41C,41Cが励磁しているので、板バネ41A,41Bの弾発力に抗してブラシ75A,75Bが吸引されコンミテータ74から離間する。従って、ハンドル11の操舵に連動して回転部材72が回転しても、ブラシ75A,75Bがコンミテータ74に摺接することはない(図8を参照)。
これに対し、インバータ回路31の故障時には、図9に示すように、電磁コイル41C,41Cに励磁電流が付与されなくなり、電磁コイル41C,41Cの励磁が停止する。すると、板バネ41A,41Bの弾発力によってブラシ75A,75Bがコンミテータ74の外周面に押し付けられる。これにより、ハンドル11の操舵に応じてコンミテータ74の各ブラシ摺接端子73とブラシ75A,75Bとの接触状態が機械的にスイッチングされ、転舵モータ17に三相交流が付与されて転舵輪12,12が転舵する。本実施形態の構成によっても第1実施形態と同様の作用効果を奏する。なお、中継ブラシ77U,77V,77Wに対して上記構成を適用して、スリップリング75U,75V,75Wと接離するように構成してもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、ブラシ75A,75B及び中継ブラシ77U,77V,77Wをカーボン製としていたが、金属ブラシや貴金属ブラシであってもよい。
(2)電磁コイル41C,75Cは、励磁状態のときにブラシ75A,75B又は中継ブラシ77U,77V,77Wを吸引してコンミテータ74又はスリップリング75U,75V,75Wから離して保持できればよく、上記実施形態の電磁コイル41C,75Cのような構造や配置に限定するものではない。
(3)前記第1実施形態では、正常時には、各ブラシ75A,75Bと中継ブラシ77U,77V,77Wの両方をコンミテータ74及びスリップリング75U,75V,75Wから離していたが、各ブラシ75A,75Bだけをコンミテータ74から離しおく構造でもよい。この場合、電磁コイル77Cは不要となる。
(4)上記第2実施形態において、転流装置制御プログラムPG1は、所定周期で繰り返し実行される構成であったが、イグニッションキースイッチがオフからオンに切り替わった後で1回だけ実行されるようにしてもよい。即ち、イグニッションキースイッチがオンされた後で、一回だけ、ブラシ75A,75Bとコンミテータ74及び、中継ブラシ77U,77V,77Wとスリップリング75U,75V,75Wとを摺接させるようにしてもよい。
(5)前記実施形態では、転流装置70に12個のブラシ摺接端子73を備えた構造を例示したが、ブラシ摺接端子73の数は12個に限定するものではなく、例えば9個であってもよい。
(6)また、転流装置70におけるブラシ75A,75B,41A,41Bの配置に関しても、前記実施形態に限定されるものではない。
(7)前記実施形態では、転流装置70及びインバータ回路31と、転舵モータ17との間にライン切替スイッチ56を備えていたが、転流装置70及びインバータ回路31と、バッテリー35との間にライン切替スイッチ56を備えた構成にしてもよい。
(8)上記実施形態では、中継ブラシ77U,77V,77Wとスリップリング75U,75V,75Wとを摺接させることで、コンミテータ74の各ブラシ摺接端子73と転流装置70の出力ライン46U,46V,46Wとを電気的に接続していたが、図10に示すように各ブラシ摺接端子73に接続された中継ライン76U,76V,76Wを回転部材72の内外に貫通させて、これをライン切替スイッチ56の入力部に接続した構造でもよい。このような構造とすれば、中継ブラシ77U,77V,77Wとスリップリング75U,75V,75Wを備えたものと比較して、部品点数の削減が図られ構造を簡素化することができる。また、軸方向(図10における左右方向)の寸法をコンパクト化することも可能である。
(9)前記実施形態では、転流装置70のうちハンドル11に連動回転する回転部材72にコンミテータ74を配置し、車両90に固定された固定部材71にブラシ75A,75Bを配置していたが、図11に示すように、回転部材172にブラシ75A,75Bを配置し、固定部材171にコンミテータ174を配置してもよい。
詳細には、本実施形態の転流装置170は、互いに相対回転する回転部材172と固定部材171とを備えている。固定部材171は円柱状をなし、一端側の外周面に複数のブラシ摺接端子73が均等配置されたコンミテータ174が備えられている。
これに対し、回転部材172は一端有底の円筒状をなし、コンミテータ174の外周を覆うようにして備えられている。そして、回転部材172の内周面に1対のブラシ75A,75Bが備えられている。ブラシ75A,75Bは、回転部材172の内周面から突出した筒体175H,175Hの内部に直動可能に嵌合されている。各ブラシ75A,75Bは、例えばカーボン製であって、コンミテータ174との摺接面の反対側の端部には、一端有底のキャップ形状をなした可動鉄芯175P,175Pが嵌合固定されている。また、各筒体175H,175Hの奥面と各ブラシ75A,75Bの可動鉄芯175P,175Pとの間には圧縮コイルバネ75S,75Sが収容され、これら圧縮コイルバネ75S,75Sの弾発力によって各ブラシ75A,75Bがコンミテータ174に向けて付勢されている。また、筒体175H,175Hの外側には、その内部に磁力を発生させる電磁コイル175C,175C(本発明に係る「ブラシ保持電磁石」に相当する)が巻回されている。なお、各ブラシ75A,75B及び電磁コイル175C,175Cは、回転部材172を内外に貫通した図示しない電力ラインによって給電される。
そして、転舵モータ17がインバータ回路31から交流を付与されている場合、即ち、正常時には、これら電磁コイル175C,175Cが励磁されて、ブラシ75A,75Bがコンミテータ174から離間した状態になり、インバータ回路31の故障時には、励磁が停止されてブラシ75A,75Bが圧縮コイルバネ75S,75Sの弾発力によりコンミテータ174に押し付けられた状態になり、転流装置170から転舵モータ17に交流が付与される。このような構成であっても、上記実施形態と同様な効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係るステアバイワイヤシステムの概念図 ECUの回路図 ハンドルと転流装置との連結状態を示した概念図 正常時の転流装置の側断面図 故障時の転流装置の側断面図 図5におけるA−A切断面における断面図 第2実施形態に係る転流装置の動作を示すフローチャート 第3実施形態に係る転流装置の正常時における断面図 故障時における転流装置の断面図 他の実施形態(8)に係る転流装置の側断面図 他の実施形態(9)に係る転流装置の側断面図
符号の説明
10 ステアバイワイヤシステム
11 ハンドル
12 転舵輪
17 転舵モータ(交流モータ)
31 インバータ回路(モータ駆動制御回路)
38 制御回路(電磁石制御回路)
41A 板バネ(ブラシ付勢スプリング)
70,170 転流装置
75A,75B,75A,75B ブラシ
41C,75C,175C 電磁コイル(ブラシ保持電磁石)
75S 圧縮コイルバネ(ブラシ付勢スプリング)
74,174 コンミテータ

Claims (5)

  1. 車両に備えたハンドルの操作に応じてモータ駆動制御回路が交流モータを駆動して、転舵輪を転舵するステアバイワイヤシステムであって、前記ハンドルの操舵に連動して相互に相対回転するコンミテータとブラシとを有する転流装置を備え、前記モータ駆動制御回路の異常時に、そのモータ駆動制御回路の代わりに前記転流装置がバッテリーからの直流を交流に変換して前記交流モータに付与するステアバイワイヤシステムにおいて、
    前記ブラシを前記コンミテータに向けて付勢するブラシ付勢スプリングと、
    正常時に励磁され、前記ブラシ付勢スプリングの弾発力に抗して前記ブラシを前記コンミテータから離して保持可能なブラシ保持電磁石とを備えたことを特徴とするステアバイワイヤシステム。
  2. 前記ブラシは、カーボン製であることを特徴とする請求項1に記載のステアバイワイヤシステム。
  3. 前記モータ駆動制御回路が正常時であって所定条件が成立した場合に、前記ブラシ保持電磁石の励磁を停止した状態で前記ハンドルが所定角操舵されることを待って前記ブラシ保持電磁石を励磁する電磁石制御回路を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のステアバイワイヤシステム。
  4. 車両のイグニッションキースイッチがオフ状態からオン状態に切り替えられたことを前記所定条件としたことを特徴とする請求項3に記載のステアバイワイヤシステム。
  5. 前記所定条件は、所定値以下の車速で、前記ハンドルが中立点から所定値以下の操舵角で操舵されたことであることを特徴とする請求項3又は4に記載のステアバイワイヤシステム。
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