JP2008008986A - 再帰反射シート - Google Patents
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Abstract
通常の封入型再帰反射シートと同様に製造できる着色された封入型再帰反射シートで、再帰反射性能の改善された再帰反射シートの提供。
【解決手段】
少なくとも表面保護層、硝子球を保持する保持層、硝子球、焦点形成層、と鏡面反射層からなる封入レンズ型再帰反射シートにおいて、該再帰反射シートの該表面保護層と該保持層に含まれる着色剤総量の70%以上が保持層に含まれていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
このような再帰反射シートとしては、微小ガラス球と金属、ほとんどの場合アルミニウムを真空蒸着して鏡面反射層をもうけたものを再帰反射素子として用いた、封入レンズ型再帰反射シートがよく知られている。
図1に示される、封入レンズ型再帰反射シートは、表面保護層(1)と、硝子球(4)を保持する透明な保持層(3)、微小球の焦点位置に配置された鏡面反射層(6)と、鏡面反射層を焦点位置配置させるための焦点形成層(5)よりなっている。
焦点樹脂層を形成する樹脂は特に制限されるものではないが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。耐久性から、アクリル樹脂、ブチラール樹脂が好ましく、塗工性を考えると、アクリル樹脂が最も好ましい。
50万以上の樹脂をイソシアネート系架橋剤等の架橋剤を用いて架橋反応させた樹脂を用いると特に優れた保持力が得られ最も好適である。
図2に示される、封入レンズ型再帰反射シートは、表面保護層(1)と、硝子球(4)を保持する透明な保持層(3a)と着色された保持層(3b)、硝子球の焦点位置に配置された鏡面反射層(6)と、鏡面反射層を焦点位置配置させるための焦点形成層(5)よりなっている。
焦点樹脂層を形成する樹脂は特に制限されるものではないが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。耐久性から、アクリル樹脂、ブチラール樹脂が好ましく、塗工性を考えると、アクリル樹脂が最も好ましい。
50万以上の樹脂をイソシアネート系架橋剤等の架橋剤を用いて架橋反応させた樹脂を用いると特に優れた保持力が得られ最も好適である。
工程基材表面保護層用の樹脂を塗工、乾燥する。工程基材は、十分な強度があり、熱をかけた際に膨張、収縮が十分小さいものであれば特に制限されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、塩化ビニル、PP等の材質の基材が使用可能であり、PETが特に好ましい。
この半乾燥の程度で、硝子球を保持層中へ埋設する埋設率を調節することができ、例えば樹脂としてアクリルを使用する場合は、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃、特に好ましくは80℃〜120℃で5分間ほど乾燥し、硝子球を埋設し易くするのがよい。
次いで、この着色された保持層の上に硝子球を散布する。
この半乾燥の程度で、硝子球を保持層中へ埋設する埋設率を調節することができ、例えば樹脂としてアクリルを使用する場合は、50℃〜150℃、好ましくは70℃〜130℃、特に好ましくは80℃〜120℃で5分間ほど乾燥し、硝子球を埋設し易くするのがよい。
日本電色製色差計(Model SE-2000)を用い、JIS Z 9117に従って再帰反射シートの色相を測定し、Y値にて発色の強さを求めた。
再帰反射性能測定器として、アドバンスト・レトロ・テクノロジー社(Advantced RetroTechnology,INC)製「Model 920」を用い、100mm × 100mm の再帰反射シート試料の再帰反射光量を JISZ9117 に準じて、観測角0.2°、入射角5°により適宜の5点について測定して、その平均値をもって再帰反射性能の値とした。
得られた再帰反射シートが夜間ヘッドライトを点灯した車の運転席にて、正面反射性能(入射角 0.2°、観測角5°における再帰反射性能)の改善があったと感じられるかを18才〜60才の50人のモニターが目視で判定した。
判定基準:
0点:従来の同色反射シートと比較して、改善なし
1点:従来の同色反射シートと比較して、やや改善された
2点:従来の同色反射シートと比較して、良好な反射性能がある
3点:従来の同色反射シートと比較して、優れた反射性能がある
判定結果:
×: 30点以下(反射性能に改善なし)
△: 30点以上、90未満(観察する人間により反射性能の改善なし)
○: 90以上、120未満(良好な反射性能)
◎: 120以上(優れた反射性能)
キャリヤーフィルムとして帝人株式会社製の厚さ75μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名、帝人テトロンフィルムS−75)を用い、その上に、恩希愛化工有限公司製アクリル樹脂溶液(商品名、RS−1200)を100重量部に、株式会社三和ケミカル製のメチル化メラミン樹脂溶液(商品名、ニカラックMS−11)を14重量部に特殊色料株式会社製セルロース誘導体(商品名、CAB)4重量部に、シプロ化成株式会社製紫外線吸収剤(商品名、シーソープ103)を0.5重量部に、ビックケミー・ジャパン株式会社製レベリング剤(商品名、BYK−300)を0.04重量部に、大日本インキ化学工業株式会社製触媒(商品名、ベッカミンP−198)を0.12重量部に、溶剤としてMIBK/トルエン=8/2の比になるように16.7重量部を加えて、攪拌混合したものを塗布して厚さ36μmの表面保護層を形成した。
次いで、RS−3000を100重量部に株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-4300)を130重量部に、スミジュールN−75を21重量部にトルエンを21重量部に、MIBKを50重量部混合攪拌したものを光入射側の保持層の上に塗布し、100℃で5分間乾燥し、厚み13μmで透過率50%の焦点形成層側の保持層を得た。
顕微鏡で断面を観察したところ、ガラスビーズの頭は、表面保護層に接しており、光入射側の保持層にガラス球の直径のほぼ1/5が保持されていた。
なお、それぞれの保持層の厚み及び透過率は、別途、厚み75μmで透過率93%の帝人株式会社製ポリエステルフィルム(商品名、帝人テトロンフィルムS−75)上に塗布乾燥したものを用い、厚みは総厚みから75を引いて求め、透過率はポリエステルフィルムに積層した状態で透過率を測定し、0.93で割って求めた。
実施例1において、表面保護層の塗工液を、恩希愛化工有限公司製アクリル樹脂溶液(商品名、RS−1200)を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR−6100)を5重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR−6300)を2.5重量部に、株式会社三和ケミカル製のメチル化メラミン樹脂溶液(商品名、ニカラックMS−11)を14重量部に、特殊色料株式会社製セルロース誘導体(商品名、CAB)4重量部に、シプロ化成株式会社製紫外線吸収剤(商品名、シーソープ103)を0.5重量部に、ビックケミー・ジャパン株式会社製レべリング剤(商品名、BYK−300)を0.04重量部に、大日本インキ化学工業株式会社製触媒(商品名、ベッカミンP−198)を0.12重量部に、溶剤としてMIBK/トルエン=8/2の比になるように13.1重量部を加えて、攪拌混合したものを表面保護層の塗工液とし、焦点形成層側の保持層の塗工液としてRS−3000を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-6300)を32重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-6100)を6重量部に、スミジュールN−75を15重量部にトルエンを5重量部に、MIBKを12重量部混合攪拌したものを使用して光入射側の保持層の上に塗布し、100℃で5分間乾燥し、厚み13μmで透過率20%の焦点形成層側の保持層を得た以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
実施例1において、焦点形成層側の保持層を、RS−3000を100重量部に株式会社トクシキ製カラーベース(商品名AR-6300)を30重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR−6300)を10重量部に、スミジュールN−75を15重量部にトルエンを5重量部に、MIBKを12重量部混合攪拌したものとして光入射側の保持層の上に塗布し、100℃で5分間乾燥し、厚み13μmで透過率20%の焦点形成層側の保持層を得た以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
実施例1において表面保護層を、RS−1200を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR-N-4100)を26重量部に、株式会社三和ケミカル製のメチル化メラミン樹脂溶液(商品名、ニカラックMS−11)を14重量部に特殊色料株式会社製セルロース誘導体(商品名、CAB)4重量部に、シプロ化成株式会社製紫外線吸収剤(商品名、シーソープ103)を0.5重量部に、ビックケミー・ジャパン株式会社製レベリング剤(商品名、BYK−300)を0.04重量部に、大日本インキ化学工業株式会社製触媒(商品名、ベッカミンP−198)を0.12重量部に、溶剤としてMIBK/トルエン=8/2の比になるように16.7重量部を加えて、攪拌混合したものを塗布して、厚さ36μmの表面保護層を形成し、焦点形成層側の保持層を設けなかった以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
比較例1において、表面保護層の塗工液処方をRS−1200を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR-6100)を15重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR-6300)を11重量部に、株式会社三和ケミカル製のメチル化メラミン樹脂溶液(商品名、ニカラックMS−11)を14重量部に特殊色料株式会社製セルロース誘導体(商品名、CAB)4重量部に、シプロ化成株式会社製紫外線吸収剤(商品名、シーソープ103)を0.5重量部に、ビックケミー・ジャパン株式会社製レベリング剤(商品名、BYK−300)を0.04重量部に、大日本インキ化学工業株式会社製触媒(商品名、ベッカミンP−198)を0.12重量部に、溶剤としてMIBK/トルエン=8/2の比になるように14.8重量部を加えて、攪拌混合したものを塗布して、厚さ36μmの表面保護層を形成し、保持層の塗工液処方を、恩希愛有限公司製アクリル樹脂(商品名RS−3000)を100重量部に、株式会社トクシキ製カラーベース(商品名、AR-6300)を22重量部に、住友バイエルウレタン株式会社製イソシアネート系架橋剤(商品名、スミジュールN−75)を14重量部に、溶剤としてトルエンを20重量部に、MIBKを9重量部混合攪拌したものとし、焦点形成層側の保持層を設けなかった以外は実施例1と同様にして再帰反射シートを得た。
得られた再帰反射シートの性状、反射性能と外観を表1に示した。
2 印刷層
3、3a、3b 保持層
4 硝子球
5 焦点形成層
6 鏡面反射層
7 接着剤層
8 剥離基材
9 光の入射方向
Claims (5)
- 少なくとも表面保護層と硝子球を保持する1層以上の保持層と硝子球と焦点形成層と鏡面反射層からなる封入レンズ型再帰反射シートにおいて、該再帰反射シートの該表面保護層と該保持層に含まれる着色剤総量の70%以上が保持層に含まれていることを特徴とする再帰反射シート。
- 該表面保護層が着色されていることを特徴とする請求項1記載の再帰反射シート。
- 該表面保護層と該保持層との界面から硝子球の頂部までの距離が15μm以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の再帰反射シート。
- 該距離が5μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の再帰反射シート。
- 該保持層が2層以上であって、光入射側の保持層が透明であって、該透明な保持層中に該硝子球の直径の1/15以上が保持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の再帰反射シート。
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