JP2008008638A - 圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】温度ドリフトを低減し、製造歩留まりを向上させることが可能な圧電デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】たとえば、中央基部7と、中央基部7から前後へ延出し、屈曲振動する1対の検出用振動アーム8a、8bと、検出用振動アーム8a、8bに直交して中央基部7から左右へ延出する1対の連結アーム9a、9bと、検出用振動アーム8a、8bに平行して連結アームの先端に設けられた基部から前後に延出し、屈曲振動する2対の駆動用振動アーム11a、11b、12a、12bと、電極を有する基板13と、中央基部7を支持し、中央基部7に一端が固定され、基板13の電極に他端が固定された金属タブテープ14と、金属タブテープ14に設けられた樹脂21と、を備えた圧電振動ジャイロ。
【選択図】図1
【解決手段】たとえば、中央基部7と、中央基部7から前後へ延出し、屈曲振動する1対の検出用振動アーム8a、8bと、検出用振動アーム8a、8bに直交して中央基部7から左右へ延出する1対の連結アーム9a、9bと、検出用振動アーム8a、8bに平行して連結アームの先端に設けられた基部から前後に延出し、屈曲振動する2対の駆動用振動アーム11a、11b、12a、12bと、電極を有する基板13と、中央基部7を支持し、中央基部7に一端が固定され、基板13の電極に他端が固定された金属タブテープ14と、金属タブテープ14に設けられた樹脂21と、を備えた圧電振動ジャイロ。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電デバイスに関する。
圧電デバイスは、たとえば圧電振動ジャイロとして、船舶・航空機・自動車等の姿勢制御やナビゲーションシステム、ビデオカメラなどの手振れ防止及び検出などにおける回転角速度センサに、また3次元立体マウスなどの回転方向センサに、広く利用されている。このような圧電振動ジャイロにおいては、たとえば、基板と基板に支持されたワイヤを備え、振動片をワイヤによって支持し、かつ、ワイヤが電気的に接続される構成が用いられていた(特許文献1参照)。
特開2003−294450
しかしながら、圧電振動ジャイロなどの圧電デバイスにおいては、温度変化によって振動の特性が変化してしまうもの(出力の温度ドリフトの生じるもの)が生じる。このため、この温度ドリフトの生じない圧電デバイスのみを使用することとすると、製造歩留まりが悪くなるという問題がった。
そこで、本発明は、温度ドリフトを低減し、製造歩留まりを向上させることが可能な圧電デバイスを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、温度ドリフトを低減し、製造歩留まりを向上させることが可能な圧電デバイスを提供することを目的とする。
本発明によれば、前記課題は、振動片と、電極を有する基板と、前記振動片に一端が固定され、前記基板の電極に他端が固定され、前記振動片を支持するリードと、前記リードに設けられた振動吸収部材と、を備えたことを特徴とする圧電デバイスにより、達成される。
本発明は、圧電デバイスに生じていた温度ドリフトが、ワイヤの製造ばらつきによって、ワイヤの固有共振モードが振動子の高調波と一致してしまうことに起因していることを見い出した。そこで、本発明は、振動片を支持するリードに振動吸収部材を設けることにより、このリードの振動を吸収することとし、圧電デバイスの温度ドリフトを低減することとした。本発明の構成によれば、リードの振動モードのQ値を低減し、振動片の高調波振動とリードの振動との共振の影響を小さくしつつ、振動片の面内振動のQ値を維持して、温度ドリフトの発生を抑制することが可能となる。
本発明は、圧電デバイスに生じていた温度ドリフトが、ワイヤの製造ばらつきによって、ワイヤの固有共振モードが振動子の高調波と一致してしまうことに起因していることを見い出した。そこで、本発明は、振動片を支持するリードに振動吸収部材を設けることにより、このリードの振動を吸収することとし、圧電デバイスの温度ドリフトを低減することとした。本発明の構成によれば、リードの振動モードのQ値を低減し、振動片の高調波振動とリードの振動との共振の影響を小さくしつつ、振動片の面内振動のQ値を維持して、温度ドリフトの発生を抑制することが可能となる。
本発明の構成において、前記振動吸収部材は、前記基板の電極に固定されたリードの他端に設けられている、ことが好ましい。
このようにすれば、振動片の振動が振動吸収部材によって抑制されにくくなるため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、振動片の面内振動のQ値がより維持されることとなる。
このようにすれば、振動片の振動が振動吸収部材によって抑制されにくくなるため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、振動片の面内振動のQ値がより維持されることとなる。
本発明の構成において、前記振動吸収部材は、前記振動片に固定されたリードの一端に設けられている、ことが好ましい。
このようにすれば、振動片の振動が振動吸収部材によって抑制されにくくなるため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、振動片の面内振動のQ値がより維持されることとなる。
このようにすれば、振動片の振動が振動吸収部材によって抑制されにくくなるため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、振動片の面内振動のQ値がより維持されることとなる。
なお、本発明の構成において、前記振動吸収部材が、前記基板の電極に固定されたリードの他端と前記振動片に固定されたリードの一端とに設けられている場合は、複数の部分に振動吸収部材が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
本発明の構成において、前記振動吸収部材は、前記リードの一端から他端の間に設けられている、ことが好ましい。
このようにすれば、リード全体に振動吸収部材が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
このようにすれば、リード全体に振動吸収部材が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
本発明の構成において、前記リードを複数有し、前記振動吸収部材は、前記複数のリードに跨って設けられている、ことが好ましい。
このようにすれば、リードのQ値をより低減することができる。ここで、振動吸収部材は、リードの一端から他端の間に跨って設けられてもよいし、リードの他端または一端に跨って設けられてもよい。なお、リードの一端から他端の間に跨って振動吸収部材を設ける場合は、リードとリードの幅を狭くすることができ、リードのQ値をより低減することができる。
このようにすれば、リードのQ値をより低減することができる。ここで、振動吸収部材は、リードの一端から他端の間に跨って設けられてもよいし、リードの他端または一端に跨って設けられてもよい。なお、リードの一端から他端の間に跨って振動吸収部材を設ける場合は、リードとリードの幅を狭くすることができ、リードのQ値をより低減することができる。
本発明の構成において、前記振動吸収部材は、前記振動片の振動方向に対して直角方向に設けられている、ことが好ましい。
このようにすれば、振動片の振動方向には振動吸収部材が存在しないこととなるため、振動片の振動が振動吸収部材によって抑制されにくくなる。したがって、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、振動片の面内振動のQ値がより維持されることとなる。
このようにすれば、振動片の振動方向には振動吸収部材が存在しないこととなるため、振動片の振動が振動吸収部材によって抑制されにくくなる。したがって、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、振動片の面内振動のQ値がより維持されることとなる。
本発明の構成において、前記振動吸収部材は、限定されないが、例えばニッケル、アルミニウムあるいは金などの金属膜または金属多孔体、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂あるいはエポキシ樹脂などの合成樹脂、またはゴムなどの樹脂または樹脂の発泡体であることが好ましい。
振動吸収部材として粘性の高い樹脂を用いれば、リードの振動を好適に吸収できるため、リードのQ値をより低減することができる。
振動吸収部材として粘性の高い樹脂を用いれば、リードの振動を好適に吸収できるため、リードのQ値をより低減することができる。
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る圧電振動ジャイロの概略を説明する図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。ここで、圧電振動ジャイロは、圧電デバイスの一例である。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る圧電振動ジャイロにおいては、パッケージ1の中に振動片2とこれを駆動制御するICチップ3とが実装されている。パッケージ1は、複数のセラミック薄板を積層した矩形箱型構造をなしかつその中に画定される空所の底部にICチップ3を固定したべース4と、その上端にシールリング5を介して気密に接合された金属製の蓋6とを有する。
図1に示すように、第1の実施の形態に係る圧電振動ジャイロにおいては、パッケージ1の中に振動片2とこれを駆動制御するICチップ3とが実装されている。パッケージ1は、複数のセラミック薄板を積層した矩形箱型構造をなしかつその中に画定される空所の底部にICチップ3を固定したべース4と、その上端にシールリング5を介して気密に接合された金属製の蓋6とを有する。
振動片2は、図1(a)に示すように、中央基部7と、中央基部7から前後へ延出し、屈曲振動する1対の検出用振動アーム8a、8bと、検出用振動アーム8a、8bに直交して中央基部7から左右へ延出する1対の連結アーム9a、9bと、検出用振動アーム8a、8bに平行して連結アーム9a、9bの先端に設けられた基部10a 、10bから前後に延出し、屈曲振動する2対の駆動用振動アーム11a、11b、12a、12bと、を備えている。この振動片2は、その中央基部7に、リードの一例である金属タブテープ14の一端が固定されている。金属タブテープ14の他端は、基板13の電極に固定されている。振動片2は、その中央基部7において、金属タブテープ14によって支持されている。金属タブテープ14には、振動吸収部材21が設けられている。なお、各検出用振動アーム8a、8b及び駆動用振動アーム11a、11b、12a、12bには、その上下主面及び側面に検出電極及び駆動電極(図示せず)がそれぞれ形成されている。
図2(a)は、第1の実施の形態に係る圧電振動ジャイロにおいて、金属タブテープ14が中央基部7を支持する構成の概略を示す図である。
図2(a)に示すように、金属タブテープ14は、一端が中央基部7に固定され、他端が基板13の電極に固定されている。金属タブテープ14は、基板13の電極から、折曲されて斜め上方へ中央基部7に向けて延長し、中央基部7の下面と平行に折曲されている。これにより、振動片2は、基板13の上方に水平に保持されている。金属タブテープ14と中央基部7との固定は、中央基部7の金属膜15を被着した下面に固定部材16を設け、これを金属タブテープ14に溶着させることにより、行う。金属タブテープ14は、例えば各検出用振動アーム8a、8bに沿ってその下側に各2本、及び各連結アーム9a、9bに沿ってその下側に各1本設けられる。基板13は、ICチップ3の上方に水平に配置して、ベース4内に固定される。中央基部7の上面には、前記検出電極及び駆動電極に接続するための及び接地用の電極パッド17が形成され、基板13の中央に設けた大きな開口18を通して、それぞれボンディングワイヤ19でICチップ3上面の電極パッド20と電気的に接続されている。
ここで、振動吸収部材21は、たとえば図2(a)に示すように、金属タブテープ14の下面に設けられていることが好ましい。このようにすれば、検出用振動アーム8a、8bの振動方向に振動吸収部材21が存在しないこととなるため、検出用振動アーム8a、8bの振動が振動吸収部材21によって抑制されにくくなる。このため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、検出用振動アーム8a、8bの面内振動のQ値がより維持されることとなる。
図2(a)に示すように、金属タブテープ14は、一端が中央基部7に固定され、他端が基板13の電極に固定されている。金属タブテープ14は、基板13の電極から、折曲されて斜め上方へ中央基部7に向けて延長し、中央基部7の下面と平行に折曲されている。これにより、振動片2は、基板13の上方に水平に保持されている。金属タブテープ14と中央基部7との固定は、中央基部7の金属膜15を被着した下面に固定部材16を設け、これを金属タブテープ14に溶着させることにより、行う。金属タブテープ14は、例えば各検出用振動アーム8a、8bに沿ってその下側に各2本、及び各連結アーム9a、9bに沿ってその下側に各1本設けられる。基板13は、ICチップ3の上方に水平に配置して、ベース4内に固定される。中央基部7の上面には、前記検出電極及び駆動電極に接続するための及び接地用の電極パッド17が形成され、基板13の中央に設けた大きな開口18を通して、それぞれボンディングワイヤ19でICチップ3上面の電極パッド20と電気的に接続されている。
ここで、振動吸収部材21は、たとえば図2(a)に示すように、金属タブテープ14の下面に設けられていることが好ましい。このようにすれば、検出用振動アーム8a、8bの振動方向に振動吸収部材21が存在しないこととなるため、検出用振動アーム8a、8bの振動が振動吸収部材21によって抑制されにくくなる。このため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、検出用振動アーム8a、8bの面内振動のQ値がより維持されることとなる。
図2(b)は、図1(b)に示す圧電振動ジャイロをA−A面で切り、これをベース4側から蓋6の方向に向けて見た図である。
図2(b)に示すように、第1の実施の形態においては、振動吸収部材21が基板13の電極に固定された金属タブテープ14の他端に設けられている。このため、検出用振動アーム8a、8bの振動が振動吸収部材21によって抑制されにくくなるため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、検出用振動アームの面内振動のQ値がより維持されることとなる。
図2(b)に示すように、第1の実施の形態においては、振動吸収部材21が基板13の電極に固定された金属タブテープ14の他端に設けられている。このため、検出用振動アーム8a、8bの振動が振動吸収部材21によって抑制されにくくなるため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、検出用振動アームの面内振動のQ値がより維持されることとなる。
このような圧電振動ジャイロにおいて、上記した駆動電極に交流電極を印加すると、駆動用振動アーム11a、11b、12a、12bは、その主面を含むXY平面内で矢印で示すように屈曲振動し、この状態で振動片2がXY平面内で即ちZ軸周りに回転すると、駆動用振動アームの長手方向に沿ってコリオリ力が交互に左右逆向きに発生し、その作用によって連結アーム9a、9bが同じくXY平面内で屈曲振動し、これが中央基部7を介して伝達されて、検出用振動アーム8a、8bを同じくXY平面内で屈曲振動させる。検出用振動アームの屈曲振動による圧電材料の歪みを前記検出電極が検出して信号を発生し、これをICチップ3が処理することによって、Z軸周りの面内での回転及び角速度等が求められる。
以上説明した第1の実施の形態に係る圧電ジャイロによれば、中央基部7を支持する金属タブテープ14に振動吸収部材21が設けられているため、この金属タブテープ14の振動が吸収され、振動片2の温度ドリフトが低減される。このため、第1の実施の形態に係る圧電振動ジャイロによれば、金属タブテープ14の振動モードのQ値を低減し、検出用振動アーム8a、8bの高調波振動と金属タブテープ14の振動との共振の影響と小さくしつつ、検出用振動アーム8a、8bの面内振動のQ値を維持して、温度ドリフトの発生を抑制することが可能となる。
図3(a)は、第1の実施の形態に係る圧電振動ジャイロの温度特性を示す図であり、図3(b)は、比較例に係る圧電振動ジャイロの温度特性を示す図である。比較例に係る圧電振動ジャイロにおいては、金属タブテープ14に振動吸収部材21を設けていない。ここで、縦軸は、振動片の振動量を示す0点出力(°/S)であり、横軸は、振動片の周囲における温度(℃)である。ここで、振動吸収部材21には樹脂を用いた。
図3に示すように、比較例においては、−40度から−20度の間で、0点出力(°/S)が高くなり、振動片の振動量が大きくなっている。これは、−40度から−20度の間で、金属タブテープ14の固有共振モードが検出用振動アーム8a、8bの高調波(特に、3倍高調波)と一致してしまうことに起因しているものと考えられる。これに対し、第1の実施の形態においては、金属タブテープ14に設けられた振動吸収部材21が金属タブテープ14の振動を吸収するため、−40度から−20度の間における0点出力(°/S)が低く抑えられている。
なお、金属タブテープ14の固有共振モードが検出用振動アーム8a、8bの高調波(特に、3倍高調波)と一致してしまう原因の一つとしては、金属タブテープ14の特性のばらつきに加え、金属タブテープ14と中央基部7とを固定する固定部材16の特性がばらついていることも影響していると考えられる。したがって、固定部材16についても、その特性にばらつきが生じないようにすることが好ましい。たとえば、固定部材16を、中央基部7から金属タブテープ14に向けて、クロムスパッタ膜、金スパッタ膜、金バンプ、金メッキ膜、ニッケルメッキ膜、銅箔の順に構成した場合、ニッケルメッキ膜の厚みにはばらつきが生じやすく、このばらつきが、振動片の特性のばらつきに影響を与えていると考えられる。実際に、クロムスパッタ膜を0.05μm、金スパッタ膜を0.05μm、金バンプを20μm、金メッキ膜を0.5μm、ニッケルメッキ膜を8μm、銅箔を15μmとして固定部材16を形成した場合、ニッケルメッキ膜の標準偏差が2.5μmとなった。他方で、ニッケルメッキ膜を使用しなくとも、銅はくと金メッキ膜との接合強度を維持できた。したがって、固定部材16を形成するにあたっては、ニッケルメッキ膜を使用しない方が好ましい。
図3に示すように、比較例においては、−40度から−20度の間で、0点出力(°/S)が高くなり、振動片の振動量が大きくなっている。これは、−40度から−20度の間で、金属タブテープ14の固有共振モードが検出用振動アーム8a、8bの高調波(特に、3倍高調波)と一致してしまうことに起因しているものと考えられる。これに対し、第1の実施の形態においては、金属タブテープ14に設けられた振動吸収部材21が金属タブテープ14の振動を吸収するため、−40度から−20度の間における0点出力(°/S)が低く抑えられている。
なお、金属タブテープ14の固有共振モードが検出用振動アーム8a、8bの高調波(特に、3倍高調波)と一致してしまう原因の一つとしては、金属タブテープ14の特性のばらつきに加え、金属タブテープ14と中央基部7とを固定する固定部材16の特性がばらついていることも影響していると考えられる。したがって、固定部材16についても、その特性にばらつきが生じないようにすることが好ましい。たとえば、固定部材16を、中央基部7から金属タブテープ14に向けて、クロムスパッタ膜、金スパッタ膜、金バンプ、金メッキ膜、ニッケルメッキ膜、銅箔の順に構成した場合、ニッケルメッキ膜の厚みにはばらつきが生じやすく、このばらつきが、振動片の特性のばらつきに影響を与えていると考えられる。実際に、クロムスパッタ膜を0.05μm、金スパッタ膜を0.05μm、金バンプを20μm、金メッキ膜を0.5μm、ニッケルメッキ膜を8μm、銅箔を15μmとして固定部材16を形成した場合、ニッケルメッキ膜の標準偏差が2.5μmとなった。他方で、ニッケルメッキ膜を使用しなくとも、銅はくと金メッキ膜との接合強度を維持できた。したがって、固定部材16を形成するにあたっては、ニッケルメッキ膜を使用しない方が好ましい。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る圧電振動ジャイロを、図1(b)A−A面と同様の箇所で切り、これをベース4側から蓋6の方向に向けて見た図である。第2の実施の形態は、振動吸収部材21を設ける箇所の点で、第1の実施の形態と異なっている。
図4に示すように、第2の実施の形態では、振動吸収部材21は、中央基部7に設けられている。このようにすれば、振動吸収部材21がZ方向に設けられることとなるため、検出用振動アーム8a、8bの振動方向であるXY方向には振動吸収部材21が存在しないこととなり、検出用振動アーム8a、8bの振動が振動吸収部材21によって抑制されにくくなる。このため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、検出用振動アーム8a、8bの面内振動のQ値がより維持されることとなる。
図4に示すように、第2の実施の形態では、振動吸収部材21は、中央基部7に設けられている。このようにすれば、振動吸収部材21がZ方向に設けられることとなるため、検出用振動アーム8a、8bの振動方向であるXY方向には振動吸収部材21が存在しないこととなり、検出用振動アーム8a、8bの振動が振動吸収部材21によって抑制されにくくなる。このため、温度ドリフトの発生を抑制するにあたり、検出用振動アーム8a、8bの面内振動のQ値がより維持されることとなる。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る圧電振動ジャイロを、図1(b)A−A面と同様の箇所で切り、これをベース4側から蓋6の方向に向けて見た図である。第3の実施の形態は、振動吸収部材21を設ける箇所の点で、第1の実施の形態と異なっている。
図5に示すように、第3の実施の形態では、振動吸収部材21が、基板13の電極に固定された金属タブテープ14の他端と中央基部141414に設けられている。このようにすれば、複数の部分に振動吸収部材21が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
図5に示すように、第3の実施の形態では、振動吸収部材21が、基板13の電極に固定された金属タブテープ14の他端と中央基部141414に設けられている。このようにすれば、複数の部分に振動吸収部材21が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る圧電振動ジャイロを、図1(b)A−A面と同様の箇所で切り、これをベース4側から蓋6の方向に向けて見た図である。第4の実施の形態は、振動吸収部材21を設ける箇所の点で、第1の実施の形態と異なっている。
図6に示すように、第4の実施の形態では、振動吸収部材21は、金属タブテープ14の一端から他端の間に設けられている。このようにすれば、金属タブテープ14の全体に振動吸収部材21が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
図6に示すように、第4の実施の形態では、振動吸収部材21は、金属タブテープ14の一端から他端の間に設けられている。このようにすれば、金属タブテープ14の全体に振動吸収部材21が存在することとなるため、リードのQ値をより低減することができる。
図7は、本発明の第5の実施の形態に係る圧電振動ジャイロを、図1(b)A−A面と同様の箇所で切り、これをベース4側から蓋6の方向に向けて見た図である。第5の実施の形態は、振動吸収部材21を設ける箇所の点で、第1の実施の形態と異なっている。
図7に示すように、第5の実施の形態では、金属タブテープ14を複数有し、振動吸収部材21が、金属タブテープの一端から他端の間において、複数の金属タブテープ14に跨って設けられている。このようにすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。ここで、金属タブテープ14と金属タブテープ14の幅を狭くすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。
図7に示すように、第5の実施の形態では、金属タブテープ14を複数有し、振動吸収部材21が、金属タブテープの一端から他端の間において、複数の金属タブテープ14に跨って設けられている。このようにすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。ここで、金属タブテープ14と金属タブテープ14の幅を狭くすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。
図8は、本発明の第6の実施の形態に係る圧電振動ジャイロを、図1(b)A−A面と同様の箇所で切り、これをベース4側から蓋6の方向に向けて見た図である。第6の実施の形態は、振動吸収部材21を設ける箇所の点で、第1の実施の形態と異なっている。
図8に示すように、第6の実施の形態では、金属タブテープ14を複数有し、振動吸収部材21が、金属タブテープの他端において、複数の金属タブテープ14に跨って設けられている。このようにすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。ここで、金属タブテープ14と金属タブテープ14の幅を狭くすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。
図8に示すように、第6の実施の形態では、金属タブテープ14を複数有し、振動吸収部材21が、金属タブテープの他端において、複数の金属タブテープ14に跨って設けられている。このようにすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。ここで、金属タブテープ14と金属タブテープ14の幅を狭くすれば、金属タブテープ14のQ値をより低減することができる。
なお、上記した振動吸収部材21として、粘性の高い物質が検出用振動アーム8a、8bの振動を吸収しやすく好ましく、特に、樹脂であることが好ましい。このようにすれば、金属タブテープ21の振動を好適に吸収できるため、リードのQ値をより低減することができる。なお、樹脂としては、たとえば、シリコン系のサブミクロン金ペーストなどが粘性が高く、好ましい。
1・・・パッケージ、2・・・ 振動片、3・・・ ICチップ、4・・・べース、5・・・ シールリング、6 ・・・ 蓋、7・・・中央基部、8a、8b・・・検出用振動アーム、9a、9b・・・ 連結アーム、10a、10b・・・基部、11a、11b、12a、 12b・・・駆動用振動アーム、13・・・基板、14・・・金属タブテープ、15、・・・金属膜、16・・・ 固定部材、17・・・ 電極パッド、18・・・ 開口、19・・・ ボンディングワイヤ、21・・・振動吸収部材
Claims (7)
- 振動片と、
電極を有する基板と、
前記振動片に一端が固定され、前記基板の電極に他端が固定され、前記振動片を支持するリードと、
前記リードに設けられた振動吸収部材と、
を備えたことを特徴とする圧電デバイス。 - 前記振動吸収部材は、前記基板の電極に固定されたリードの他端に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
- 前記振動吸収部材は、前記振動片に固定されたリードの一端に設けられている、ことを特徴とする請求項1又2に記載の圧電デバイス。
- 前記振動吸収部材は、前記リードの一端から他端の間に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
- 前記リードを複数有し、
前記振動吸収部材は、前記複数のリードに跨って設けられている、
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の圧電デバイス。 - 前記振動吸収部材は、前記振動片の振動方向に対して直角方向に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
- 前記振動吸収部材は、樹脂である、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧電デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006176383A JP2008008638A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | 圧電デバイス |
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JP2006176383A JP2008008638A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | 圧電デバイス |
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JP2008008638A true JP2008008638A (ja) | 2008-01-17 |
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ID=39066996
Family Applications (1)
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JP2006176383A Pending JP2008008638A (ja) | 2006-06-27 | 2006-06-27 | 圧電デバイス |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008008638A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010048688A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Epson Toyocom Corp | ジャイロ振動子及びジャイロ振動子の製造方法 |
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2006
- 2006-06-27 JP JP2006176383A patent/JP2008008638A/ja active Pending
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JP2010048688A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Epson Toyocom Corp | ジャイロ振動子及びジャイロ振動子の製造方法 |
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