JP2008007342A - 異方性多孔質セラミックス材料およびその製造方法 - Google Patents

異方性多孔質セラミックス材料およびその製造方法 Download PDF

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Tsuneji Kameda
常治 亀田
Takahiko Shindou
尊彦 新藤
Yuuji Kuri
裕二 久里
Yoshiyasu Ito
義康 伊藤
Shuichiro Kobayashi
主一郎 小林
Takeshi Matsushiro
武士 松代
Masanaga Niiyama
雅永 新山
Yukio Hiraoka
由紀夫 平岡
Seiichi Murayama
清一 村山
Takahiro Soma
孝浩 相馬
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Abstract

【課題】流体のフィルタにおいて、高精度で大量の分離処理が可能で、高い透過流束を確保し、また洗浄性を向上させることを可能にする異方性多孔質セラミックス材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】異方性多孔質セラミックス材料1は、セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔1aを含有し、それらの細孔1aが方向性を有する配列をなしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタ等に用いられる異方性多孔質セラミックス材料およびその製造方法に関する。
浄水場では、河川や貯水池などの水源から原水を取水し、凝集、フロック形成、沈殿、ろ過および殺菌の5つの単位プロセスによって、懸濁質とコロイド質の除去、および細菌等を無害化し、清澄な水道水として需要家に供給している。
凝集、フロック形成、沈殿、ろ過による一連の除濁処理には、凝集剤を用いる方法が一般的であり、凝集剤には鉄やアルミニウム等の無機金属塩が通常用いられる。凝集剤の効果はさまざまな物理的、生物化学的な影響を受け、最適凝集条件は、多くの因子によって定まる複雑な平衡の上に成り立っているため、一定の処理水質を確保するには熟練を要する。
平成8年10月に厚生省(現厚生労働省)より通達された「水道におけるクリプトスポリジウム暫定対策指針」では、ろ過池出口の濁度を常時把握し、ろ過池出口の濁度を0.1度以下に維持することが制定され、浄水場における濁度管理が重要な課題となっている。
このような背景のもと、精密ろ過膜や限外ろ過膜に関する研究開発が進み、我が国の浄水場において膜ろ過が急速に普及し始めており、海外においては既に日量数十万トン規模の膜ろ過浄水場が稼動している。精密ろ過膜や限外ろ過膜による膜ろ過は、確実に濁質物を除去し、良質な処理水質を得られるという利点がある。
一方、精密ろ過膜や限外ろ過膜の素材として最も普及している有機高分子化合物(例えば、酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリトニトリル)の膜は、運転時間の経過とともに膜の圧密化や損傷などの物理的劣化、加水分解・酸化などによる化学的劣化、微生物により膜が資化される生物的劣化など、膜自身の変質による性能低下や、微粒子・懸濁物質の膜表面への蓄積などの外的要因による性能低下によって、寿命が3年〜5年とされており、膜交換に要する費用のため、ランニングコストが高くなるという欠点がある。
こうしたランニングコストを低減する技術として、特許文献1に開示されたものがある。この技術は、凝集剤を利用して凝集フロックを形成し、これを砂ろ過により除去する。さらに耐久性の優れた金属膜ろ過装置により微粒子・懸濁物質を確実に除去する水処理システムである。
そして、特許文献1に開示された金属膜ろ過装置は、金属繊維を積層して焼結した不繊布状の金属膜をプリーツ状に折り畳んで円筒型としたエレメントで構成されている。
一方、金属膜以外のろ過膜として、特許文献2〜5には、微粒子を焼結した多孔質状のセラミックス膜が開示されている。
特開2001−225057号公報 特開2001−259324号公報 特開2001−259323号公報 特開平10−236887号公報 特開平10−235172号公報
特許文献1に開示された金属膜ろ過装置では、以下の問題があった。
(1)不繊布状構造による透過流束の低下
不繊布状構造の金属膜は、金属膜の表面だけでなく、金属膜内部でも捕捉する構造となっているため、金属表面では捕捉できない微小な粒子や懸濁物質を膜内部で捕捉できるメリットがある一方で、膜の内部に入り込んだ微粒子・懸濁物質が通常の洗浄で除去できず、運転時間の経過とともに透過流束が低下しやすい。
(2)凝集剤の添加による汚染懸念とフロック形成による処理物量の増大
上記のように、金属膜では、内部に入り込んだ微粒子・懸濁物質が洗浄しにくいため、フロック形成により予め除去可能な濁質をできるだけ除去しておく工程は不可避である。そのため、凝集剤の添加という薬物注入による汚染の懸念と、フロックを廃棄しなければならず処理物質量が増大する。
また、金属繊維を積層して焼結した不繊布状の金属膜の他に、金属微粉末を焼結した多孔質状の金属膜も検討されているが、上述したのと全く同様の問題を抱えている。
一方、特許文献2〜5に開示されたセラミックス膜は、金属膜に比較して微細な孔径が形成可能で、かつ逆洗性に優れるとの報告がある。しかし、基本的に微粒子がネットワーク状に焼結した多孔質体であるため、上述の金属膜と同様に、膜の表面だけでなく内部でも捕捉する構造となり、内部に入り込んだ微粒子・懸濁物質を洗浄しづらく、運転時間の経過とともに透過流束が低下しやすいという問題がある。また、細孔が複雑にネットワークを形成する構造のため、初期特性においても圧力損失が比較的大きい。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、流体のフィルタにおいて、高精度で大量の分離処理が可能で、透過流束の低下を軽減し、また洗浄性を向上させることを可能にする異方性多孔質セラミックス材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の異方性多孔質セラミックス材料は、セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなしていることを特徴とする。
また、本発明の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法は、セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなす異方性多孔質セラミックス材料の製造方法において、細孔を形成するためのテンプレートとともにマトリックスを成形する工程と、成形された前記マトリックスから前記テンプレートを除去して細孔を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の異方性多孔質セラミックス材料は、セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなしているので、流体のフィルタにおいて、高精度で大量の分離処理が可能で、透過流束の低下を軽減し、また洗浄性を向上させることができる。
また、本発明の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法によれば、テンプレートとともにマトリックスを成形し、その後テンプレートを除去して細孔を形成するので、方向性を有する細孔を含有する異方性多孔質セラミックス材料を容易に製造することができる。また、細孔の直径、細孔の直径のバラツキ等を容易に制御できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る異方性多孔質セラミックス材料の構造を示す概略図である。図1に示すように、本発明の異方性多孔質セラミックス材料1は、細孔1aを複数有する。異方性多孔質セラミックス材料1に含まれる細孔1aは、方向性を有する配列をなしている。上述の従来の金属膜あるいはセラミックス膜は、微細孔が3次元ランダムに連結した構造であり、これらに比較してその構造的な特徴が明らかに異なる。
このため、本発明の異方性多孔質セラミックス材料は、流体のフィルタに用いると、フィルタの表面で微粒子・懸濁物質を捕捉するので、高精度で大量の分離処理が可能で、透過流束の低下を軽減し、フィルタの洗浄性を向上させることができる。
ここで、細孔1aの直径は、0.01〜10μmであることが好ましい。細孔1aの直径が0.01〜10μmであれば、後述するテンプレートを用いた方法で作製が可能な範囲であり、直径が0.01μm未満の場合、作製が困難である。直径が10μmを超える場合、テンプレートを用いた方法でも作製が可能であるが、孔開け加工等の他の製造方法が可能になる範疇にある。これは、本発明の概念に含まれない。
また、細孔1aの体積含有率は、10〜60体積%であることが好ましい。細孔1aの体積含有率が10%以下の場合、流体透過性能が大幅に制限され、目的とする異方性多孔質セラミックス材料の特徴が発現されない。細孔1aの体積含有率が60%を超える場合、強度低下が大きくなる問題がある。
また、異方性多孔質セラミックス材料1に含まれる複数の細孔1aの直径のバラツキが、細孔1aの直径の±15%以下であることが好ましい。細孔1aの直径のバラツキが±15%を超えると、細孔1aの直径に起因したサイズ分離精度が低下する。細孔1aの直径のバラツキが±15%以下の場合の精度レベルのものを本発明の範囲とする。
また、異方性多孔質セラミックス材料1に含まれる複数の細孔1aの貫通率が40%以上であることが好ましい。細孔の貫通率は高い方が望ましく、40%未満では、流体透過性能が大幅に制限され、目的とする異方性多孔質セラミックス材料の特徴が発現されない。
異方性多孔質セラミックス材料1のマトリックスの材質は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ムライト、コーディライト、チタニア、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、非晶質ガラス、結晶質ガラスから選ばれる1種以上の組合せであることが好ましい。
また、細孔が、その形成方向が異なる2つ以上の配向グループに分類されるものであってもよい。図2は異方性の配列が2次元の異方性多孔質セラミックス材料の構造を示す概略図である。図2に示すように、異方性の配列が2次元の異方性多孔質セラミックス材料2は、細孔2a,2bをそれぞれ複数有する。細孔2aは第1の配向グループを構成し、貫通気孔2bは第2の配向グループを構成する。第1の配向グループの細孔形成方向と第2の配向グループの細孔形成方向とは互いに直交している。
図2に示す異方性の配列が2次元の異方性多孔質セラミックス材料は、図1に示す異方性の配列が1次元の異方性多孔質セラミックス材料を、一層ごとに細孔の方向が90°ずれるように積層した形態を有するものである。
本発明の異方性多孔質セラミックス材料の用途としては、図1に示す異方性の配列が1次元の異方性多孔質セラミックス材料については、フィルタ、異方向性断熱材、異方向性構造材料、異方向性伝熱材料、異方向性導電材料、整流材料をあげることができる。また、図2に示す異方性の配列が2次元の異方性多孔質セラミックス材料については、ヒートシンク材料、熱交換材料、異方向性断熱材、異方向性構造材料、異方向性伝熱材料、異方向性導電材料をあげることができる。
なお、上記の本実施の形態では、細孔が1つまたは2つの配向グループからなる異方性多孔質材料を示したが、分類される配向グループの数はこれに限らない。
本発明の異方性多孔質セラミックス材料は、細孔を形成するためのテンプレートとともにマトリックスを成形する工程と、成形されたマトリックスからテンプレートを除去して細孔を形成する工程とを経て製造することができる。テンプレートを除去する工程では、加熱することでテンプレートを燃焼除去する。そして、一旦冷却した後、さらに高温で加熱して、マトリックスとなるセラミックスの焼結を行う。
これにより、方向性を有する細孔を含有する異方性多孔質セラミックス材料を容易に製造することができる。また、細孔の直径、細孔の直径のバラツキ、細孔の形状等を容易に制御できる。
テンプレートの除去は、マトリックスを焼結する工程の中で同時に行うこともできる。テンプレートが入ったままのマトリックスを焼結する温度にまで加熱すると、焼結温度に達する前の段階でテンプレートが分解除去される。これにより、テンプレートを除去する工程と、マトリックスを焼結する工程とを兼ねることができる。
テンプレートとともにマトリックスを成形する方法は、押出し成形、含浸・レイアップ、ゲルキャスト、鋳込み、振動、プレス、シート成形から選ばれる1種以上の組合せとすればよい。
また、テンプレートを除去する方法は、加熱溶融、加熱分解、溶解あるいは腐食性溶液による抽出、溶解性あるいは腐食性ガスによる抽出から選ばれる1種以上の組合せを適用することができる。
また、テンプレートの材質は、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、合成繊維、およびこれらのチョップあるいはウィスカー、並びにカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバから選ばれた1種以上の組合せとすることができる。さらに、マトリックスの原料は、ナノセラミック粉末または前駆体アルコキシドの形態とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例、比較例を参照して説明する。
(実施例1)
実施例1に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例1について、図3、図4を参照して説明する。図3は含浸・レイアップ成形法の説明図、図4は実施例1に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
まず、ボビン11から供給されるカーボン連続繊維(モノフィラメント径:φ8μm)に、含浸槽12でアルミナ粉末スラリーを含浸させてから、8角柱状のドラム13に巻取った(ステップS10)。その後、巻き取ったものを切断することで、繊維が一方向に配列したシートを成形した(ステップS20)。
次に、このシートを積層し、プレス成形によりバルク成形体とした(ステップS30)。その後、このバルク成形体を2枚の平板の間に挟んで重りを置いた状態で、大気中40℃の温度の乾燥器に入れ、20時間乾燥した。この中間乾燥体に、さらにアルミナのゲルキャスト成形用スラリーを含浸し、アルミナ部分の成形体密度を十分に向上させた後、成形体の硬化を行ない、引続き大気中25℃の乾燥器中で72時間乾燥させた(ステップS40)。
得られた最終乾燥体について、空気流中700℃で48時間保持することで、カーボン繊維を燃焼除去した(ステップS50)。その後、大気中1300℃で4時間保持することで、アルミナを焼結した(ステップS60)。その後、適当な膜厚への研磨加工、形状を整えるための研磨加工等を行った(ステップS70)。
より詳細な製造条件は、以下の通りである。8角柱状の巻取りドラム13は、一面の寸法が約60×100mmのサイズとした。アルミナ粉末は、大明化学工業(株)製易焼結性アルミナ(商品名:タイミクロン)を使用し、これを40vol%含有した水系のスラリー(分散剤;1wt%、バインダー;2wt%)を調整した。
そして、開線処理を施したカーボンの連続繊維をこのスラリーに浸漬し、アルミナスラリーを含浸させた繊維束を定速で巻取り成形した。巻取りにはトラバース機構を付け、扁平なシート状に成形した。巻取りは、約1.2mmの厚さになるまで重ねて行なった。
これから、アルミナスラリーが含浸した繊維が一方向に配向したシート(50×50×1.2mm)を切出し、寸法を合わせた金型の中で300kg/cmの圧力でプレス成形した。これを金属メッシュ板で挟み、全体の形状を崩さないように中間乾燥体を作製した。
そして、金属メッシュ板で挟んだままの中間乾燥体に、アルミナのゲルキャスト成形用スラリーを重ねて含浸した。成形体の硬化反応が進行した後、保形用の金属メッシュ板をはずし、引続き大気中25℃の乾燥器中で72時間乾燥させて、最終乾燥体とした。その後のカーボン粉末除去、マトリックスの焼結については、上述の条件で実施した。
得られた焼結体は、約φ5.5μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、52vol%であった。
(実施例2)
実施例2に示す異方性多孔質セラミックス材料は、図2に示すような、異方性の配列が2次元のものである。実施例1と同様に、カーボン連続繊維(モノフィラメント径:φ8μm)にアルミナ粉末スラリーを含浸させながら8角柱状のドラム13に巻取った(ステップS10)。そして、これを切断することで繊維が一方向に配列したシートを成形した(ステップS20)。
次に、このシートを繊維の配向方向が90°ずれるように積層しプレス成形によりバルク成形体とした(ステップS30)。その後、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS40〜S70)。
得られた焼結体は、約φ5.5μmの細孔が2方向に配列、積層した、2次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、47vol%であった。
(実施例3)
実施例3に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。カーボン連続繊維の代りにポリエステル連続繊維(モノフィラメント径:φ2μm)を用い、アルミナスラリーの代りにアルミナ前駆体アルコキシドを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製し、その後、焼結体を作製した(ステップS10〜S70)。
得られた焼結体は、約φ1.6μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、32vol%であった。
(実施例4)
実施例4に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例4について、図5、図6を参照して説明する。図5は押出し成形法の説明図、図6は実施例4に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
まず、カーボン繊維チョップ(モノフィラメント径:φ14μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、ホッパー22を介して押出し成形機21内に投入した。投入された混練物はスクリュー23の回転により成形金型24に搬送され、φ30の断面形状を持つ円柱が成形された(ステップS110)。その後、成形体をφ30×5mmに切断した(ステップS120)。そして、乾燥、脱脂を行い(ステップS130)、実施例1と同様の条件で有機繊維チョップの完全除去(ステップS140)、マトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
得られた焼結体は、約φ10.5μmの細孔が押出し成形方向に沿って一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、31vol%であった。
(実施例5)
実施例5に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、実施例4と同様の方法で、押出し成形機21によりφ30mmの断面形状を持つ円柱を成形し(ステップS110)、これをφ30×5mmに切断した(ステップS120)。そして、乾燥、脱脂を行い(ステップS130)、実施例1と同様の条件でポリエステル繊維チョップの完全除去(ステップS140)、マトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
得られた焼結体は、約φ6.0μmの細孔が押出し成形方向に沿って一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、31vol%であった。
(実施例6)
実施例6に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにシリカのナノ粉末スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製し、その後、焼結体を作製した(ステップS10〜S70)。
シリカ粉末は、エアロゾルシリカ(ナノ粒子)を使用し、これを30vol%含有したアルコール系のスラリー(分散剤;1wt%、バインダー;2wt%)を調整した。
得られた焼結体は、約φ5.0μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのシリカ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、36vol%であった。
(実施例7)
実施例7に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにジルコニアスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1550℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
ジルコニア粉末は第一稀元素(株)製イットリア安定化ジルコニアを使用し、これを42vol%含有した水系のスラリー(分散剤;2wt%、バインダー;2wt%)を調整した。
得られた焼結体は、約φ6.2μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのジルコニア焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は41vol%であった。
(実施例8)
実施例8に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにムライトスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1400℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
得られた焼結体は、約φ6.2μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのムライト焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、39vol%であった。
(実施例9)
実施例9に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにコーディライトスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1250℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
得られた焼結体は、約φ6.7μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのコーディライト焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、36vol%であった。
(実施例10)
実施例10に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにチタニアのナノ粉末スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製し(ステップS10,S20)、焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
得られた焼結体は、約φ6.1μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのチタニア焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、39vol%であった。
(実施例11)
実施例11に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにマグネシアスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1400℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
得られた焼結体は、約φ6.2μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのマグネシア焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、39vol%であった。
(実施例12)
実施例12に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りに炭化ケイ素スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。
そして、このシートを積層し、プレス成形によりバルク成形体とした後、実施例1と同様の条件で乾燥を行った(ステップS30,S40)。得られた最終乾燥体について、乾燥後、樹脂溶解剤に浸漬し、40℃で48時間保持することで、カーボン繊維を除去した(ステップS50)。その後、真空中2000℃で4時間保持することで、炭化ケイ素を焼結した(ステップS60)。その後、適当な膜厚への研磨加工、形状を整えるための研磨加工等を行った(ステップS70)。
得られた焼結体は、約φ6.2μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスの炭化ケイ素焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、40vol%であった。
(実施例13)
実施例13に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。テンプレートとしてポリエステル連続繊維(モノフィラメント径:φ8μm)を用い、アルミナスラリーの代りに窒化ケイ素スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。
そして、このシートを積層し、プレス成形によりバルク成形体とした後、実施例1と同様の条件で乾燥を行った(ステップS30,S40)。得られた最終乾燥体について、乾燥後、樹脂溶解剤に浸漬し、40℃で48時間保持することで、ポリエステル繊維を除去した(ステップS50)。その後、窒素ガス中1780℃で4時間保持することで、窒化ケイ素を焼結した(ステップS60)。その後、適当な膜厚への研磨加工、形状を整えるための研磨加工等を行った(ステップS70)。
得られた焼結体は、約φ6.1μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスの窒化ケイ素焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、41vol%であった。
(実施例14)
実施例14に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。テンプレートとしてポリエステル連続繊維(モノフィラメント径:φ2μm)を用い、アルミナスラリーの代りにサイアロンスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。
そして、このシートを積層し、プレス成形によりバルク成形体とした後、実施例1と同様の条件で乾燥を行った(ステップS30,S40)。得られた最終乾燥体について、乾燥後、樹脂溶解剤に浸漬し、40℃で48時間保持することで、ポリエステル繊維を除去した(ステップS50)。その後、真空中1800℃で4時間保持することで、サイアロンを焼結した(ステップS60)。その後、適当な膜厚への研磨加工、形状を整えるための研磨加工等を行った(ステップS70)。
得られた焼結体は、約φ6.2μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのサイアロン焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、39vol%であった。
(実施例15)
実施例15に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りに非常質ガラススラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を750℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
得られた焼結体は、約φ6.8μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスの非常質ガラス焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、40vol%であった。
(実施例16)
実施例16に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りに結晶化ガラススラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を900℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
得られた焼結体は、約φ6.8μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスの結晶化ガラス焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、40vol%であった。
(実施例17)
実施例17に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例17について、図7を参照して説明する。図7は実施例17に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
まず、ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナのゲルキャスト成形用スラリーを調整し、ゲル硬化が開始した直後にキャピラリーから押出し、φ5の断面形状を持つ円柱を成形した(ステップS210)。その後、成形体をφ5×1mmに切断した(ステップS220)。ゲル硬化反応を完了させた後、乾燥、脱脂を行い(ステップS230)、実施例1と同様の条件でポリエステル繊維チョップの完全除去(ステップS240)、マトリックスの焼結を行なった(ステップS250)。その後、研磨加工等を行った(ステップS260)。
得られた焼結体は、約φ6.0μmの細孔がキャピラリーの抽出方向に沿って一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、30vol%であった。
(実施例18)
実施例18に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例18について、図8を参照して説明する。図8は実施例18に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
まず、カーボン連続繊維(モノフィラメント径:φ8μm)を8角柱状のドラムに巻取り(ステップS310)、これを切断することで繊維が一方向に配列したシートを成形した(ステップS320)。
次に、このシートを多孔質樹脂型のキャビティ内に積層し、これにアルミナの鋳込み成形用スラリーを注入、かつ機械的な振動を振動機により与えて、スラリーを繊維の周囲に含浸・鋳込み成形した(ステップS330)。
得られた成形体を、一度プレスにより加圧成形した後、平板同士の間に挟んで重りを置いた状態で、大気中40℃の温度の乾燥器に入れ、20時間乾燥した。この中間乾燥体に、さらにアルミナの鋳込み成形用スラリーを含浸し、アルミナ部分の成形体密度を十分に向上させた後、大気中25℃の乾燥器中で72時間乾燥させた(ステップS340)。
得られた最終乾燥体について、空気流中700℃で48時間保持することで、カーボン繊維を燃焼除去した(ステップS350)。その後、大気中1300℃で4時間保持することで、アルミナを焼結した(ステップS360)。その後、適当な膜厚への研磨加工、形状を整えるための研磨加工等を行った(ステップS370)。
得られた焼結体は、約φ5.4μmの細孔が一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、45vol%であった。
(実施例19)
実施例19に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、実施例4と同様の方法で、押出し成形機21によりφ30の断面形状を持つ円柱を成形し(ステップS110)、これをφ30×1mmに切断した(ステップS120)。乾燥させた後(ステップS130)、樹脂溶解剤に浸漬し、40℃で48時間保持することで、ポリエステル繊維チョップを除去した(ステップS140)。その後、実施例1と同様の条件で、マトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
得られた焼結体は、約φ6.0μmの細孔が押出し成形方向に沿って一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、32vol%であった。
(実施例20)
実施例20に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、実施例4と同様の方法で、押出し成形機21によりφ30の断面形状を持つ円柱を成形し(ステップS110)、これをφ30×0.5mmに切断、研磨した(ステップS120)。乾燥させた後(ステップS130)、クレゾールガス雰囲気中で、40℃で48時間保持することで、ポリエステル繊維チョップを除去した(ステップS140)。その後、実施例1と同様の条件でマトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
得られた焼結体は、約φ6.0μmの細孔が押出し成形方向に沿って一方向に配列した、1次元の異方性多孔質セラミックス材料であり、マトリックスのアルミナ焼結体は、開気孔のほぼ存在しない緻密なものであった。また、見かけ密度から求めた細孔の体積含有率は、32vol%であった。
上記各実施例に係る異方性多孔質セラミックス材料について、その細孔の直径、細孔の体積含有率(気孔率)を測定した結果を表1,2に示す。
Figure 2008007342
Figure 2008007342
(比較例1)
有機繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナのゲルキャスト成形用スラリーを調合し、50×50×5mmの型に充填、成形体の硬化反応が進行した後、脱型・乾燥した。その後の有機繊維除去、マトリックスの焼結については、実施例1と同様の条件で実施した。
得られた焼結体は、細孔の配向がランダムであり、上記各実施例に係る異方性多孔質セラミックス材料とは異なる構造が得られた。
(比較例2)
有機繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナのプレス成形用造粒粉を調合し、50×50×5mmの金型に充填、500kg/cmの圧力でプレス成形した。脱脂後、有機繊維除去、マトリックスの焼結については、実施例1と同様の条件で実施した。
得られた焼結体は、プレス成形方向に垂直方向に細孔が配向する傾向も若干観察されたが明確なものではなく、ほぼ細孔の配向はランダムであり、上記各実施例に係る異方性多孔質セラミックス材料とは異なる構造が得られた。
本発明の実施の形態に係る異方性多孔質セラミックス材料の構造を示す概略図である。 異方性の配列が2次元の異方性多孔質セラミックス材料の構造を示す概略図である。 含浸・レイアップ成形法の説明図である。 実施例1に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。 押出し成形法の説明図である。 実施例4に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。 実施例17に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。 実施例18に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1,2 異方性多孔質セラミックス材料
1a,2a,2b 細孔
11 ボビン
12 含浸槽
13 ドラム
21 押出し成形機
22 ホッパー
23 スクリュー
24 成形金型

Claims (10)

  1. セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなしていることを特徴とする異方性多孔質セラミックス材料。
  2. 前記複数の細孔の直径が0.01〜10μmであり、細孔の体積含有率が10〜60体積%であり、前記複数の細孔の直径のバラツキが前記細孔の直径の±15%以下であり、前記複数の細孔の貫通率が40%以上であることを特徴とする請求項1に記載の異方性多孔質セラミックス材料。
  3. 前記マトリックスの材質が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ムライト、コーディライト、チタニア、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、非晶質ガラス、結晶質ガラスから選ばれる1種以上の組合せであることを特徴とする請求項1または2に記載の異方性多孔質セラミックス材料。
  4. 前記複数の細孔が、形成方向が異なる2つ以上の配向グループに分類されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性多孔質セラミックス材料。
  5. セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなす異方性多孔質セラミックス材料の製造方法において、
    細孔を形成するためのテンプレートとともにマトリックスを成形する工程と、
    成形された前記マトリックスから前記テンプレートを除去して細孔を形成する工程と
    を含むことを特徴とする異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
  6. セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなす異方性多孔質セラミックス材料の製造方法において、
    細孔を形成するためのテンプレートとともにマトリックスを成形する工程と、
    成形された前記マトリックスから前記テンプレートを除去して細孔を形成するとともに、前記マトリックスの焼結を行う工程と
    を含むことを特徴とする異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
  7. 前記マトリックスを成形する工程において、押出し成形、含浸・レイアップ、ゲルキャスト、鋳込み、振動、プレス、シート成形から選ばれる1種以上の組合せにより前記マトリックスを成形することを特徴とする請求項5または6に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
  8. 前記細孔を形成する工程において、加熱溶融、加熱分解、溶解あるいは腐食性溶液による抽出、溶解性あるいは腐食性ガスによる抽出から選ばれる1種以上の組合せにより前記テンプレートを除去して細孔を形成することを特徴とする請求項5または6に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
  9. 前記テンプレートの材質が、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、合成繊維、およびこれらのチョップあるいはウィスカー、並びにカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバから選ばれた1種以上の組合せであることを特徴とする請求項5または6に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
  10. 前記マトリックスの原料が、ナノセラミック粉末または前駆体アルコキシドの形態であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
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