JP2008007342A - 異方性多孔質セラミックス材料およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異方性多孔質セラミックス材料1は、セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔1aを含有し、それらの細孔1aが方向性を有する配列をなしている。
【選択図】図1
Description
不繊布状構造の金属膜は、金属膜の表面だけでなく、金属膜内部でも捕捉する構造となっているため、金属表面では捕捉できない微小な粒子や懸濁物質を膜内部で捕捉できるメリットがある一方で、膜の内部に入り込んだ微粒子・懸濁物質が通常の洗浄で除去できず、運転時間の経過とともに透過流束が低下しやすい。
上記のように、金属膜では、内部に入り込んだ微粒子・懸濁物質が洗浄しにくいため、フロック形成により予め除去可能な濁質をできるだけ除去しておく工程は不可避である。そのため、凝集剤の添加という薬物注入による汚染の懸念と、フロックを廃棄しなければならず処理物質量が増大する。
実施例1に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例1について、図3、図4を参照して説明する。図3は含浸・レイアップ成形法の説明図、図4は実施例1に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
実施例2に示す異方性多孔質セラミックス材料は、図2に示すような、異方性の配列が2次元のものである。実施例1と同様に、カーボン連続繊維(モノフィラメント径:φ8μm)にアルミナ粉末スラリーを含浸させながら8角柱状のドラム13に巻取った(ステップS10)。そして、これを切断することで繊維が一方向に配列したシートを成形した(ステップS20)。
実施例3に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。カーボン連続繊維の代りにポリエステル連続繊維(モノフィラメント径:φ2μm)を用い、アルミナスラリーの代りにアルミナ前駆体アルコキシドを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製し、その後、焼結体を作製した(ステップS10〜S70)。
実施例4に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例4について、図5、図6を参照して説明する。図5は押出し成形法の説明図、図6は実施例4に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
実施例5に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、実施例4と同様の方法で、押出し成形機21によりφ30mmの断面形状を持つ円柱を成形し(ステップS110)、これをφ30×5mmに切断した(ステップS120)。そして、乾燥、脱脂を行い(ステップS130)、実施例1と同様の条件でポリエステル繊維チョップの完全除去(ステップS140)、マトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
実施例6に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにシリカのナノ粉末スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製し、その後、焼結体を作製した(ステップS10〜S70)。
実施例7に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにジルコニアスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1550℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例8に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにムライトスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1400℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例9に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにコーディライトスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1250℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例10に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにチタニアのナノ粉末スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製し(ステップS10,S20)、焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例11に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りにマグネシアスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を1400℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例12に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りに炭化ケイ素スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。
実施例13に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。テンプレートとしてポリエステル連続繊維(モノフィラメント径:φ8μm)を用い、アルミナスラリーの代りに窒化ケイ素スラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。
実施例14に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。テンプレートとしてポリエステル連続繊維(モノフィラメント径:φ2μm)を用い、アルミナスラリーの代りにサイアロンスラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。
実施例15に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りに非常質ガラススラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を750℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例16に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。アルミナスラリーの代りに結晶化ガラススラリーを用いる他は、実施例1と同様の方法で繊維が一方向に配向したシートを作製した(ステップS10,S20)。その後、焼結を900℃で行う他は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した(ステップS30〜S70)。
実施例17に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例17について、図7を参照して説明する。図7は実施例17に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
実施例18に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。実施例18について、図8を参照して説明する。図8は実施例18に係る異方性多孔質セラミックス材料の製造方法を示すフローチャートである。
実施例19に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、実施例4と同様の方法で、押出し成形機21によりφ30の断面形状を持つ円柱を成形し(ステップS110)、これをφ30×1mmに切断した(ステップS120)。乾燥させた後(ステップS130)、樹脂溶解剤に浸漬し、40℃で48時間保持することで、ポリエステル繊維チョップを除去した(ステップS140)。その後、実施例1と同様の条件で、マトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
実施例20に示す異方性多孔質セラミックス材料は、異方性の配列が1次元のものである。ポリエステル繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナの押出し成形用混練物を調整し、実施例4と同様の方法で、押出し成形機21によりφ30の断面形状を持つ円柱を成形し(ステップS110)、これをφ30×0.5mmに切断、研磨した(ステップS120)。乾燥させた後(ステップS130)、クレゾールガス雰囲気中で、40℃で48時間保持することで、ポリエステル繊維チョップを除去した(ステップS140)。その後、実施例1と同様の条件でマトリックスの焼結を行なった(ステップS150)。その後、研磨加工等を行った(ステップS160)。
有機繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナのゲルキャスト成形用スラリーを調合し、50×50×5mmの型に充填、成形体の硬化反応が進行した後、脱型・乾燥した。その後の有機繊維除去、マトリックスの焼結については、実施例1と同様の条件で実施した。
有機繊維チョップ(モノフィラメント径:φ8μm、長さ:800μm)を30vol%添加したアルミナのプレス成形用造粒粉を調合し、50×50×5mmの金型に充填、500kg/cm2の圧力でプレス成形した。脱脂後、有機繊維除去、マトリックスの焼結については、実施例1と同様の条件で実施した。
1a,2a,2b 細孔
11 ボビン
12 含浸槽
13 ドラム
21 押出し成形機
22 ホッパー
23 スクリュー
24 成形金型
Claims (10)
- セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなしていることを特徴とする異方性多孔質セラミックス材料。
- 前記複数の細孔の直径が0.01〜10μmであり、細孔の体積含有率が10〜60体積%であり、前記複数の細孔の直径のバラツキが前記細孔の直径の±15%以下であり、前記複数の細孔の貫通率が40%以上であることを特徴とする請求項1に記載の異方性多孔質セラミックス材料。
- 前記マトリックスの材質が、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ムライト、コーディライト、チタニア、マグネシア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、サイアロン、非晶質ガラス、結晶質ガラスから選ばれる1種以上の組合せであることを特徴とする請求項1または2に記載の異方性多孔質セラミックス材料。
- 前記複数の細孔が、形成方向が異なる2つ以上の配向グループに分類されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性多孔質セラミックス材料。
- セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなす異方性多孔質セラミックス材料の製造方法において、
細孔を形成するためのテンプレートとともにマトリックスを成形する工程と、
成形された前記マトリックスから前記テンプレートを除去して細孔を形成する工程と
を含むことを特徴とする異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。 - セラミックス焼結体からなるマトリックス中に複数の細孔を含有し、前記複数の細孔が方向性を有する配列をなす異方性多孔質セラミックス材料の製造方法において、
細孔を形成するためのテンプレートとともにマトリックスを成形する工程と、
成形された前記マトリックスから前記テンプレートを除去して細孔を形成するとともに、前記マトリックスの焼結を行う工程と
を含むことを特徴とする異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。 - 前記マトリックスを成形する工程において、押出し成形、含浸・レイアップ、ゲルキャスト、鋳込み、振動、プレス、シート成形から選ばれる1種以上の組合せにより前記マトリックスを成形することを特徴とする請求項5または6に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
- 前記細孔を形成する工程において、加熱溶融、加熱分解、溶解あるいは腐食性溶液による抽出、溶解性あるいは腐食性ガスによる抽出から選ばれる1種以上の組合せにより前記テンプレートを除去して細孔を形成することを特徴とする請求項5または6に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
- 前記テンプレートの材質が、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、合成繊維、およびこれらのチョップあるいはウィスカー、並びにカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバから選ばれた1種以上の組合せであることを特徴とする請求項5または6に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
- 前記マトリックスの原料が、ナノセラミック粉末または前駆体アルコキシドの形態であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の異方性多孔質セラミックス材料の製造方法。
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