JP2008006760A - 射出成形用金型及び該射出成形用金型を用いて射出成形されたゴム製品 - Google Patents

射出成形用金型及び該射出成形用金型を用いて射出成形されたゴム製品 Download PDF

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Abstract

【課題】ホットランナーを流れるゴムの早期加硫を防止しながらも、キャビティに充填されたゴムの加硫時間を短縮することもできる射出成形用金型を提供する。
【解決手段】射出成型用金型を、ホットランナーR〜R(Mは1以上の任意の整数)が設けられたものとして、ホットランナーR(mは1以上でM以下の整数)の末端部に、ホットランナーRの末端部よりも細い複数のゲートGm,1〜Gm,N(ただし、Nは2以上の整数)を設けた。同一のホットランナーRの末端部に設けられたゲートGm,1〜Gm,Nのゴム射出口は、キャビティ形成面における半径10mm以下の領域に配すると好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴムを射出成形するための射出成形用金型と、該射出成形用金型を用いて射出成形されたゴム製品とに関する。
ゴムの射出成形では、金型に囲まれて形成されたキャビティにゴムを射出して充填する射出工程と、金型を加熱してキャビティに充填されたゴムを加硫する加硫工程とを経て、キャビティに倣った形状の製品が成形される。ゴムは、熱伝導率が低く温度が上昇しにくい素材であるために、ゴムの射出成形に要する時間(成形サイクルタイム)の大部分が、加硫工程に割かれている。
このような実状に鑑みて、金型に設けられたホットランナーと呼ばれる流路でゴムを予め加熱することが行われている。これにより、キャビティに射出されるゴムの温度を予め高めておくことが可能になり、加硫工程に要する時間(加硫時間)を短縮することができるようになる。したがって、ゴムの射出成形品の生産性を向上させることも可能になる。
ゴムの加硫時間は、ゴムをホットランナーで加熱しておけばおくほど短縮することができるものの、加熱しすぎると、ゴムが早期加硫(いわゆるゴム焼け)してしまうおそれがある。ゴムが早期加硫すると、ゴムの歩留まりが低下するだけでなく、製品にウェルドマークが形成されやすくなり、製品の強度の低下や外観の悪化を招くおそれもある。ゴムの早期加硫を防止しながらも加硫時間の短縮を図ることは、非常に重要な課題となっている。
ところで、特許文献1には、ホットランナーが放射状に分岐された射出成形用金型が記載されている。放射状に分岐されたそれぞれのホットランナー(放射状ランナー)の先端にはピン状のゲートが設けられている。これにより、製品にウェルドマークが形成されるのを防止するだけでなく、ホットランナーに残存するゴムの量を削減してゴムの歩留まりを向上させることも可能になるとされている。
しかし、特許文献1の射出成型用金型でも、ゴムの早期加硫の防止と加硫時間の短縮とを両立させることは、必ずしも容易ではなかった。すなわち、放射状ランナーの断面積を広く確保して、ゴムの早期加硫を防止しようとすると、放射状ランナーを流れるゴムが剪断発熱しにくくなり、ゴムの加硫時間を長く確保しなければならなくなる。一方、放射状ランナーの断面積を狭くして、ゴムの加硫時間を短縮しようとすると、放射状ランナーを流れるゴムが過度に剪断発熱して早期加硫するおそれがある。
特公平07−057507号公報(特許請求の範囲、発明の効果、図1)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ホットランナーを流れるゴムの早期加硫を防止しながらも、キャビティに充填されたゴムの加硫時間を短縮することもできる射出成形用金型を提供するものである。また、上記の射出成形用金型を用いて射出成形されたゴム製品を提供することも本発明の目的である。
上記課題は、ゴムを加熱しながらキャビティまで案内するためのホットランナーR〜R(Mは1以上の任意の整数)が設けられた射出成形用金型であって、ホットランナーR(mは1以上でM以下の整数)の末端部に、ホットランナーRの末端部よりも細い複数のゲートGm,1〜Gm,N(ただし、Nは2以上の整数)が設けられていることを特徴とする射出成型用金型を提供することによって解決される。
ここで、ホットランナーR〜Rは、それぞれが独立して設けられたものであってもよいし、共通なホットランナーやスプルーから分岐して設けられたものであってもよい。また、「ホットランナーRの末端部よりも細い」とは、ゲートGm,1〜Gm,Nのそれぞれの断面積がホットランナーRの末端部における断面積よりも小さいことを意味する。
このように、ゲートGm,1〜Gm,Nを細く形成することによって、ゲートGm,1〜Gm,Nを通過するゴムの剪断発熱量を増加させることが可能になり、ゴムの温度をキャビティに射出される直前に上昇させることができるようになる。したがって、ホットランナーRでの早期加硫を防止してゴムの歩留まりを向上させながらも、ゴムの加硫時間を短縮することが可能になる。また、ゲートGm,1〜Gm,N付近で加硫されたゴムを細くして、該ゴムを破断しやすくし、製品を射出成形用金型から引き剥がす際に、製品の表面が抉り取られるのを防止することも可能になる。
そして、ホットランナーRの末端部に複数のゲートGm,1〜Gm,Nを設けることによって、ゴムの圧力損失を少なく抑えるばかりか、ホットランナーR〜Rの本数(Mの値)を増やすことなくゴムの射出時間を短縮することも可能になる。したがって、キャビティで加硫されたゴム(製品)のウェルド面を少なくして、製品の強度を高めることもできるようになる。
上記の射出成形用金型においては、ゲートGm,1〜Gm,Nから射出される複数本のゴムの流れ方向が互いに平行となるように、ゲートGm,1〜Gm,Nを同じ向きにしてもよいが、ゲートGm,1〜Gm,Nを異なる向きにすることも好ましい。キャビティの形状や使用するゴムの特性などによっては、ゲートGm,1〜Gm,Nから射出される複数本のゴムの流れを複雑に絡ませたい場合や、ゲートGm,1〜Gm,Nから射出される複数本のゴムの流れを拡散させたい場合もあるからである。
射出成形用金型のキャビティ形成面(射出成形用金型の各面のうち、キャビティを形成する面(製品に接触する面))に凹部を設け、該凹部にゲートGm,1〜Gm,Nを配することも好ましい。これにより、キャビティで加硫されたゴム(製品)におけるゲートGm,1〜Gm,Nと接続する部分に凸部を設けることが可能になる。したがって、製品を射出成型用金型から引き剥がす際に万が一製品の表面がえぐり取られたとしても、それによる損傷が製品として使用される部分にまで達するのを防止することができる。
射出成形用金型における少なくともホットランナーRの末端部及びゲートGm,1〜Gm,Nを含む部分を他の部分から取り外し可能な着脱体で形成することも好ましい。これにより、キャビティに充填するゴムの種類などに応じて、ゲートGm,1〜Gm,Nの個数(Nの値)や断面積を変更したい場合であっても、着脱体を他種のものへ切り替えるだけで対応することが可能になり、射出成形用金型を汎用性に優れたものとすることができる。また、着脱体を取り外してゲートGm,1〜Gm,Nを掃除するなど、射出成形用金型のメンテナンスを容易に行うことも可能になる。また、その際には、予備の着脱体を用意しておくことによって、射出成形用金型の稼動を長時間止めることなくメンテナンスすることもできるようになる。
上記の射出成形用金型において、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径は、ホットランナーRの末端部における直径よりも短ければとくに限定されない。しかし、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径が小さすぎると、ゲートGm,1〜Gm,Nでゴム焼けが生じたり、ゲートGm,1〜Gm,Nでの圧力損失が大きくなるばかりか、ゴムの射出時間が長くなるおそれもある。このため、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径は、通常、0.5mm以上に設定される。ゲートGm,1〜Gm,Nの直径は、0.8mm以上であると好ましく、0.9mm以上であるとより好ましい。
一方、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径が大きくなりすぎると、ゲートGm,1〜Gm,Nを流れるゴムが剪断発熱しにくくなり、ゴムの加硫時間の短縮が困難になるばかりか、製品を金型から綺麗に引き剥がしにくくなるおそれもある。このため、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径は、通常、5mm以下に設定される。ゲートGm,1〜Gm,Nの直径は、3mm以下であると好ましく、2mm以下であるとより好ましい。
ただし、ゲートGm,1〜Gm,Nの断面形状が円形でない場合には、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径を下記式1によって定義する。
Figure 2008006760
ここで、dは、ゲートGm,1〜Gm,Nの直径であり、Sは、ゲートGm,1〜Gm,Nの断面積である。πは、円周率である。
また、ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長は、キャビティに充填するゴムの種類などによっても異なり、とくに限定されない。しかし、ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長が短すぎると、ゲートGm,1〜Gm,Nを通過するゴムの剪断発熱量が低下し、ゴムの加硫時間をそれほど短縮できなくなるおそれがある。このため、ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長は、通常、1mm以上に設定される。ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長は、1.5mm以上であると好ましく、2mm以上であるとより好ましい。
一方、ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長が長すぎると、ゴムがゲートGm,1〜Gm,Nで早期加硫されてしまい、ゲートGm,1〜Gm,Nが詰まりやすくなったり、ゴムの歩留まりが低下するおそれがある。また、ゲートGm,1〜Gm,Nの掃除が困難になるおそれもある。このため、ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長は、通常、10mm以下に設定される。ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長は、5mm以下であると好ましく、4mm以下であるとより好ましい。
同一のホットランナーRの末端部に設けられたゲートGm,1〜Gm,Nのゴム射出口は、ある程度散らばって配されていてもよいが、キャビティ形成面における狭い範囲に配されていると好ましい。具体的には、同一のホットランナーRの末端部に設けられたゲートGm,1〜Gm,Nのゴム射出口がキャビティ形成面における半径10mm以下の領域に配されていると好ましい。これにより、ゲートGm,1〜Gm,Nのそれぞれのゴム射出口から射出されるゴムの温度にばらつきが生じるのを防いで、キャビティCで加硫されたゴム(製品)にウェルド面が形成されるのを抑えることが可能になる。同一のホットランナーRの末端部に設けられたゲートGm,1〜Gm,Nのゴム射出口は、キャビティ形成面における半径8mm以下の領域に配されているとより好ましく、半径7mm以下の領域に配されているとさらに好ましい。
以上のように、本発明の射出成型用金型によって、ホットランナーRを流れるゴムの早期加硫を防止してゴムの歩留まりを向上させながらも、キャビティに充填されたゴムの加硫時間を短縮することもできるようになる。また、ゲートGm,1〜Gm,N付近で加硫されたゴムを細く破断しやすいものとして、キャビティで加硫されたゴム(製品)を射出成形用金型から引き剥がす際に、製品の表面が抉り取られるのを防止することも可能になる。さらに、ゴムの圧力損失を少なく抑えることも可能になる。さらにまた、ホットランナーR〜Rの本数(Mの値)を増やすことなくゴムの射出時間を短縮することも可能になる。そして、キャビティで加硫されたゴム(製品)のウェルド面を少なくして、製品の強度を高めることもできるようになる。加えて、生産性に優れたゴム製品を提供することも可能になる。
本発明の射出成形用金型について図面を用いてより具体的に説明する。図1は、キャビティにゴムが充填されていないときの射出成型用金型を示した断面図である。図2は、キャビティにゴムが充填されたときの射出成形用金型を示した断面図である。図3は、ゲートG1,1とゲートG1,2の下端部を内向きに形成した射出成形用金型のゲート周辺部を拡大した状態を示した断面図である。図4は、ゲートG1,1とゲートG1,2の下端部を外向きに形成した射出成形用金型のゲート周辺部を拡大した状態を示した断面図である。図5は、上型に着脱体を嵌め込む様子を示した断面図である。図6は、上型から取り外された着脱体を上方から見た状態を示した平面図である。図7は、着脱体が取り外された上型を上方からみた状態を示した平面図である。図8は、他の実施態様の着脱体を上方から見た状態を示した平面図である。図9は、さらに他の実施態様の着脱体を上方から見た状態を示した平面図である。
射出成形用金型の形態(射出成形用金型の分割数や分割方向、射出成形用金型の内部に形成されるキャビティCの形状など)は、キャビティCに充填されたゴムを所望の形状に成形できるものであればとくに限定されない。本実施態様の射出成形用金型は、キャビティCに充填されたゴムを略筒状に成形するためのものとなっており、図1に示すように、キャビティCの上面形状を規定するための上型10と、キャビティCの下面形状を規定するための下型20と、キャビティCの外周面形状を規定するための外側パイプ40と、キャビティCの内周面形状を規定するための内側パイプ50とを備えたものとなっている。
上型10は、その外周部を上型ホルダ11によって支持されており、上型10の上方には、上熱板12が配されている。上型10の上面と上熱板12の下面は、互いに接触した状態となっている。上熱板12は、図示省略の加熱手段に接続されており、キャビティCに充填されたゴムや、ホットランナーR,Rを流れるゴムを上方から加熱することができるようになっている。
下型20は、その外周部を下型ホルダ21によって支持されており、下型の下方には、下熱板22が配されている。下型20の下面と下熱板22の上面は、互いに接触した状態となっている。下熱板22は、図示省略の加熱手段に接続されており、キャビティCに充填されたゴムを下方から加熱することができるようになっている。
本実施態様の射出成形用金型においては、上型10が可動型で下型20が固定型となっており、上型10を下型20に向かって下降させることによって型締めし、上型10を上昇させることによって型開きするものとなっているが、射出成形用金型の型締め構造は、これに限定されない。例えば、上型が固定型で下型が可動型となっていてもよいし、上型と下型の両方が可動型であってもよい。
外側パイプ40は、その外周部を中間型30によって支持されている。中間型30は、上型ホルダ11と下型ホルダ21との間に配されており、その中央部には、外側パイプ40を挿入するための貫通孔が設けられている。内側パイプ50は、上型10の下面中央から下方に突出して設けられた突起部と、下型20の上面中央から上方に突出して設けられた突起部とに嵌め込まれている。
また、上型10には、未加硫状態のゴムをキャビティCまで案内するためのホットランナーR,Rが設けられている。本実施態様の射出成形用金型において、ホットランナーR,Rは、共通なホットランナーR(図1、図5、図7を参照)から分岐した形態のものとなっている。共通のホットランナーRには、図示省略のスプルーが接続されている。
このとき、ホットランナーRの分岐点(ホットランナーRの基端部)からホットランナーRの末端部までの経路長と、ホットランナーRの分岐点(ホットランナーRの基端部)からホットランナーRの末端部までの経路長とに差があると、ホットランナーRを流れるゴムとホットランナーRを流れるゴムとに温度差が生じてしまい、キャビティCで加硫されたゴムにウェルド面が形成されやすくなるおそれがある。このため、これらの経路長は、通常、等しく設定される。ホットランナーR,Rの直径についても同様である。
そして、ホットランナーRの末端部には、ホットランナーRの末端部よりも細い2つのゲートG1,1,G1,2が設けられている。一方、ホットランナーRの末端部には、ホットランナーRの末端部よりも細い2つのゲートG2,1,G2,2(図示省略)が設けられている。このため、ホットランナーRを流れるゴムは、ゲートG1,1とゲートG1,2の2箇所からキャビティCに射出され、ホットランナーRを流れるゴムは、ゲートG2,1とゲートG2,2の2箇所からキャビティCに射出されるようになっている。
本実施態様の射出成形用金型においては、図1に示すように、ゲートG1,1とゲートG1,2(ゲートG2,1とゲートG2,2)を互いに平行に設けており、同じ向きに向けている。しかし、図3に示すように、ゲートG1,1とゲートG1,2(ゲートG2,1とゲートG2,2)の下端部を内向きに形成することも好ましい。これにより、ゲートG1,1とゲートG1,2(ゲートG2,1とゲートG2,2)から射出されたゴムの流れを複雑に絡ませることができる。
一方、図4に示すように、ゲートG1,1とゲートG1,2(ゲートG2,1とゲートG2,2)の下端部を外向きに形成することも好ましい。これにより、ゲートG1,1とゲートG1,2(ゲートG2,1とゲートG2,2)から射出されたゴムの流れを拡散させることもできる。このように、ゲートG1,1とゲートG1,2(ゲートG2,1とゲートG2,2)を異なった向きに形成することで、キャビティの形状や使用するゴムの特性などに応じてゴムを射出する向きを変更することが可能になる。
ところで、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2の断面形状(ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2をゴムの流れ方向に垂直な面で切断した断面の形状)は、とくに限定されないが、本実施態様の射出成形用金型においては、いずれも円形としている。ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2の直径は、ホットランナーR,Rの末端部の直径よりも大きければ、とくに限定されない。しかし、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2のそれぞれの直径が異なると、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2のそれぞれのゴム射出口から射出されるゴムの温度にばらつきが生じてしまい、キャビティCで加硫されたゴム(製品)にウェルド面が形成されやすくなるおそれがある。このため、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2の直径は、通常、同じ値に設定される。本実施態様の射出成形用金型において、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2の直径は、いずれも2mmで等しく設定されている。
また、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2のそれぞれのランド長(ゴムの流れ方向に沿った方向の長さ)が異なっても、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2のそれぞれのゴム射出口から射出されるゴムの温度にばらつきが生じてしまい、キャビティCで加硫されたゴム(製品)にウェルド面が形成されやすくなるおそれがある。このため、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2のランド長も、通常、等しく設定される。本実施態様の射出成形用金型において、ゲートG1,1,G1,2,G2,1,G2,2のランド長は、いずれも3mmで等しく設定されている。
さらに、ホットランナーRの末端部に設けられたゲートG1,1のゴム射出口とゲートG1,2のゴム射出口は、ある程度離れて配されていてもよいが、キャビティ形成面における狭い範囲に集まって配されていると好ましい。本実施態様の射出成形用金型において、ゲートG1,1のゴム射出口とゲートG1,2のゴム射出口は、キャビティ形成面における半径5mm以下の領域に集まって配されている。ホットランナーRの末端部に設けられたゲートG2,1のゴム射出口とゲートG2,2のゴム射出口についても同様である。
本実施態様の射出成形用金型は、図1に示すように、上型10のキャビティ形成面(下面)における2箇所に凹部14,15が設けられたものとなっており、ゲートG1,1とゲートG1,2のゴム射出口が一方の凹部14の底部に集まって配され、ゲートG2,1とゲートG2,2のゴム射出口が他方の凹部15の底部に集まって配されたものとなっている。このため、図2に示すように、キャビティCで加硫されたゴム(製品)におけるゲートG1,1,G1,2と接続する部分に凸部61を設け、キャビティCで加硫されたゴム(製品)におけるゲートG2,1,G2,2と接続する部分に凸部62を設けることができるようになっている。キャビティ形成面に設ける凹部14,15の形状は、とくに限定されず、錐台状などであってもよいが、本実施態様の射出成形用金型においては、円柱状となっている。
また、本実施態様の射出成形用金型においては、図5に示すように、ホットランナーRの末端部とゲートG1,1,G1,2を含む部分と、ホットランナーRの末端部とゲートG2,1,G2,2を含む部分が、上型10の他の部分と別個に形成された着脱体13となっており、上型10の他の部分から取り外すことができるようになっている。このため、着脱体13を、予備のものへと取り替えたり、図8や図9に示すような他種のものへと変更することが可能になっている。
本発明の射出成形用金型に用いるゴムの種類は、射出成形する製品の種類などによって異なり、とくに限定されない。本発明の射出成形用金型に好適に用いることのできるゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)などのジエン系ゴムや、ブチルゴム(IIR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、シリコーンゴム(Q)、アクリルゴム(ACM)又はエピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)などの非ジエン系ゴムが例示される。ここで、ゴム名称後の括弧内におけるアルファベットは、JISK6397における略号である。これらのゴムは、1種のみで用いてもよいし、複数種を合わせてブレンドゴムとしてもよい。
また、本発明の射出成形用金型は、キャビティCの形状などを変更することによって、様々な形態のゴム製品を射出成形することができる。自動車用途としては、ラバーブッシュやエンジンマウントなどに用いることができる。とくに、エンジンマウントなどの比較的体積の大きなゴム製品は、本発明の射出成形用金型で射出成形すると好ましい。体積の大きなゴム製品は、長い射出時間と加硫時間とを要していたが、このようなゴム製品を本発明の射出成形用金型で射出成形すると、射出時間や加硫時間を大幅に短縮することも可能である。
従来の射出成形用金型(ゲート形態:直径2mm×1個)と、本発明の射出成形用金型(ゲート形態:直径2mm×2個、直径1.5mm×3個、直径1mm×4個)とを用いて、最適加硫時間の測定を行ったところ、下記表1のようになった。ここで、最適加硫時間は、加硫時間の異なるゴム製品(加硫時間240秒、270秒、300秒)を40℃のトルエン溶液に22時間浸漬した後の膨潤度を「ゴム試験法 第3版」(日本ゴム協会 編)における「平衡膨潤度による加硫度試験」に準拠する方法によって測定し、膨潤度が最小となった成形時間をゴム製品の最適加硫時間とした。
Figure 2008006760
上記表1をみると、従来の射出成形用金型による最適加硫時間は300秒であったのに対して、本発明の射出成形用金型による最適加硫時間は240〜270秒となっており、本発明の射出成形用金型が従来の射出成形用金型よりも加硫時間を10〜20%も短縮できるものであることが分かる。
また、本発明の射出成形用金型によって射出成形された製品は、ウェルド面が少なく強度に優れているだけでなく、膨潤しにくいために、産業用途にも好適に用いることができる。産業用途のゴム製品としては、建設機械の防振ゴム(エンジンマウントやミッションマウントなど)や産業機器用の防振マウント類などが例示される。
キャビティにゴムが充填されていないときの射出成型用金型を示した断面図である。 キャビティにゴムが充填されたときの射出成形用金型を示した断面図である。 ゲートG1,1とゲートG1,2の下端部を内向きに形成した射出成形用金型のゲート周辺部を拡大した状態を示した断面図である。 ゲートG1,1とゲートG1,2の下端部を外向きに形成した射出成形用金型のゲート周辺部を拡大した状態を示した断面図である。 上型に着脱体を嵌め込む様子を示した断面図である。 上型から取り外された着脱体を上方から見た状態を示した平面図である。 着脱体が取り外された上型を上方からみた状態を示した平面図である。 他の実施態様の着脱体を上方から見た状態を示した平面図である。 さらに他の実施態様の着脱体を上方から見た状態を示した平面図である。
符号の説明
10 上型
11 上型ホルダ
12 上熱板
13 着脱体
14 凹部
15 凹部
20 下型
21 下型ホルダ
22 下熱板
30 中間型
40 外側パイプ
50 内側パイプ
60 ゴム
61 凸部
62 凸部
C キャビティ
ホットランナー(主ホットランナー)
ホットランナー(支ホットランナー)
ホットランナー(支ホットランナー)
1,1 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
1,2 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
1,3 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
1,4 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
2,1 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
2,2 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
2,3 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)
2,4 ゲート(ホットランナーRの末端部に設けられたゲート)

Claims (7)

  1. ゴムを加熱しながらキャビティまで案内するためのホットランナーR〜R(Mは1以上の任意の整数)が設けられた射出成形用金型であって、ホットランナーR(mは1以上でM以下の整数)の末端部に、ホットランナーRの末端部よりも細い複数のゲートGm,1〜Gm,N(ただし、Nは2以上の整数)が設けられていることを特徴とする射出成型用金型。
  2. ゲートGm,1〜Gm,Nが異なる向きに配された請求項1記載の射出成形用金型。
  3. キャビティ形成面に凹部が設けられ、該凹部にゲートGm,1〜Gm,Nが配された請求項1又は2記載の射出成形用金型。
  4. 少なくともホットランナーRの末端部及びゲートGm,1〜Gm,Nを含む部分が、他の部分から取り外し可能な着脱体で形成された請求項1〜3いずれか記載の射出成形用金型。
  5. ゲートGm,1〜Gm,Nの直径が0.5〜5mmであり、ゲートGm,1〜Gm,Nのランド長が1〜10mmである請求項1〜4いずれか記載の射出成形用金型。
  6. 同一のホットランナーRの末端部に設けられたゲートGm,1〜Gm,Nのゴム射出口がキャビティ形成面における半径10mm以下の領域に配された請求項1〜5いずれか記載の射出成形用金型。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の射出成形用金型を用いて射出成形されたゴム製品。
JP2006181576A 2006-06-30 2006-06-30 射出成形用金型 Active JP4800128B2 (ja)

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