JP2008004864A - 非晶質軟磁性材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】強度に優れると共に、軟磁性材料としての磁気特性に優れた非晶質軟磁性材料を提供すること。
【解決手段】Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す)で表わされる過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラス粉末1の表面に絶縁層を形成して、非晶質相を主相とする軟磁性材料を固化成形するに際して、上記絶縁層を無機質の粉末2により構成し、その粒径を上記金属ガラス粉末の平均粒径の0.2倍以下のものとする。
【選択図】図3

Description

本発明は、非晶質相を主相とし、高強度で、透磁率が大きく、保磁力の小さい軟磁性材料に係り、例えば磁気シールド材や磁気ヘッド、モータのコア、各種制御用機器の磁心などに好適に用いられる非晶質軟磁性材料に関するものである。
保磁力が低く、コアロスが低い圧粉磁心を得るために、金属ガラス合金の粉末に絶縁材を加えて混合し、この混合物を圧縮成形することが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−151317号公報
しかしながら、上記特許文献1の開示内容によれば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、PVA(ポリビニルアルコール)などの液状又は粉末状の樹脂、あるいはゴムや水ガラス、酸化物ガラス粉末、ゾルゲル法により生成するガラス状物質等のいずれか、あるいはこれらの混合物を用いるようにしているため、焼結によって固化したコアの強度が低く、電動機のロータなどには適用しにくいという問題があった。
本発明は、上記した従来技術における上記課題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、強度に優れると共に、軟磁性材料としての磁気特性に優れた非晶質軟磁性材料を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、絶縁材料や焼結条件などについて、鋭意検討を重ねた結果、絶縁材料として、例えばアルミナや金属窒化物などの無機質粉末を用いると共に、当該無機質粉末の粒径を金属ガラス粉末よりも十分に細粒とすることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の非晶質軟磁性材料は、非晶質相を主相とするものであって、Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラス粉末の表面に絶縁層を形成して成形され、上記絶縁層が無機質の粉末を含み、当該粉末の粒径が上記金属ガラス粉末の平均粒径の0.2倍以下であることを特徴としている。
なお、上記過冷却液体領域の温度間隔ΔTxとは、ΔTx=Tx−Tg(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す)により定義される。
本発明によれば、所定の金属を主成分とし、過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが所定値以上の金属ガラス粉末の表面に、金属ガラス粉末の平均粒径に対して0.2倍以下の平均粒径を有する無機質粉末を含む絶縁層を形成して固化成形されて成るものとしたことから、軟磁性材料として優れた磁気特性を有すると共に、高強度の非晶質軟磁性材料を提供することが可能となる。
以下、本発明の非晶質軟磁性材料について、その製造方法などと共に、さらに詳細に説明する。
本発明の非晶質軟磁性材料は、上記したように、非晶質相を主相とする軟磁性材料であって、Fe、Ni若しくはCo、又はこれらを任意に組み合わせた金属を主成分とし、ΔTx=Tx−Tg(式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す)により表される過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラス粉末の表面に絶縁層を形成して固化成形されて成るものであって、当該絶縁層が上記金属ガラス粉末の平均粒径の0.2倍以下である粒径を有する無機質粉末を含んでおり、微細な無機質粉末が金属ガラス粉末の表面に侵入することによって、金属ガラス粉末の間が強固に結合されるために、当該非晶質軟磁性材料の強度が向上することになる。
このとき、過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20Kに満たない場合には、成形時のワーク内温度分布により部分的に結晶化して、本来の特性が得られないという不都合が生じる。
また、上記金属ガラス粉末は、Fe、Ni及びCoのいずれか又は、これらを任意に組み合わせた金属を主成分とするものであるが、本発明において「主成分」とは、これら金属が単独又は合計で70%以上を占めていることを意味する。そして、「主相」とは、最も比率の多い成分であることを意味する。
上記絶縁層に含まれる無機質粉末としては、例えばアルミナやシリカ、チタニア、ジルコニア、酸化モリブデンなどの酸化物粉末や、CaF、MgFなどのフッ化物粉末を好適に用いることができる。
また、後述するように、AlN、TiN、CrN、SiNなどの窒化物粉末を用いることも望ましい。
上記絶縁層に含まれる無機質粉末については、その粒径を金属ガラス粉末の平均粒径の0.1倍以下とすることが望ましく、これによって金属ガラス粉末の結合力は小さくなるものの、表面に付着する無機粉末が細かいと無機物層は薄くなるため、成形した非晶質軟磁性材料中に含まれる無機質の体積割合が減少し、磁気特性の向上と高強度化を両立させることが可能となる。
本発明の非晶質軟磁性材料においては、金属ガラス粉末として、平均粒径の異なる2種類以上のものを用意し、その少なくとも1種に絶縁層を施し、絶縁層が形成されていない他の金属ガラス粉末と共に固化成形することもでき、これによって成形後の非晶質軟磁性材料体の密度が高くなると共に、いずれも軟磁気特性を有する材料であるため、絶縁物を配合したことによる飽和磁束密度などの磁気特性の低下が少なくなるというメリットが生ずる。
そして、上記金属ガラス粉末が平均粒径の大きいもの(平均粒径:D)と小さいもの(平均粒径:d)との2種類の粉末から成るものであるとき、小さい方の平均粒径dを大きい方の平均粒径Dの0.2倍以下とすることが望ましく、これによって固化成形した軟磁性材料の強度をさらに向上させることができる。
このとき、上記した2種類の金属ガラス粉末の粒径比については、小さい方の平均粒径dを大きい方の平均粒径Dの0.1倍以下とすることがさらに望ましく、これによって、粒径の小さい粉末が大径粒子の隙間に入り込むことによって、高密度な成形体が得られるため、高強度な軟磁性材料を提供することが可能となる。
さらに、平均粒径と共にガラス転移温度が相違し、平均粒径の小さい方の金属ガラス粉末のガラス転移温度Tgsが平均粒径の大きな金属ガラス粉末のガラス転移温度Tglよりも低い2種類の金属ガラス粉末を使用することが望ましい。
この場合、両ガラス転移温度Tgs及びTglの間の温度で焼結することによって、粒径の小さな金属ガラス粉末が大きい方の金属ガラス粉末の表面に食い込む形となることから、固化成形された軟磁性体の強度が一層向上すると共に、微粉末に付着した絶縁皮膜が固化成形時の温度と圧力で薄くなることを防止でき、比抵抗の高い非晶質軟磁性材料を提供することが可能となる。これは、小径粒子が初めに柔らかくなることにより大径粒子との接触面積が増大し、皮膜へのダメージが抑えられることによる。
また、本発明の非晶質軟磁性材料においては、金属ガラス粉末の表面に形成される絶縁層が、上記無機質粉末と、略均一の厚さを有する無機質絶縁皮膜とから構成されていることが望ましく、これによって、絶縁皮膜が金属ガラス粉末の面全体を被覆して比抵抗を向上させる一方、無機質粉末が金属ガラス粉末表面に侵入して強固に結合する効果を発揮すると同時に、絶縁皮膜が成形時の加圧力によって薄膜化しないようにある程度の距離を保つ役目を果すことから、高比抵抗な軟磁性材料を提供することが可能となり、電気機器の損失低減に貢献する。
そして、本発明の非晶質軟磁性材料における上記無機質粉末の形状については、球形からかけ離れた不定形(凹凸形状)をなしていることが望ましい。
具体的には、当該無機質粉末の中央断面における輪郭線長さが、当該中央断面に等しい面積を有する円の円周長さの2倍以上であることが好ましく、これによって無機質粉末表面の凹凸が金属ガラス粉末の表面に侵入することから、微細な凹凸があることによって、より一層の強度向上効果が見込まれることになる。
さらに、上記無機質粉末としては、上記した酸化物粉末などの他に、AlN、TiN、CrN、SiNなどの窒化物粉末を用いることが望ましい。
これら窒化物粉末は、一般に硬質で脆い性質があるため、例えばボールミルなどによって粉砕することによって、表面がへき開したような状態となり、凹凸の多い表面を備えた無機質粉末が容易に形成できることから、成形時に金属ガラス粉末表面に容易に侵入し、高強度で比抵抗の高い非晶質相を主相とする軟磁性材料とすることができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、Fe、Ga、B、Si、Fe−C合金、Fe−P合金を所定量秤量して配合した後、高周波溶解炉を用いてArガス中で溶解し、Fe77Ga9.5Si2.5と表わされる成分組成のインゴットを製作した。
次に、このインゴットを減圧Ar雰囲気中で再度溶解し、Arガスを用いて噴霧し、ガスアトマイズ粉末とし、これを目開き53μmのふるいを用いて分級した。このようにして急冷された粉末は、金属ガラスとなっていることが確認された。
得られた金属ガラス粉末の結晶化開始温度Tx及びガラス転移温度Tgを熱示差分析計を用いて測定したところ、Tx及びTgは、それぞれ約505℃及び約460℃であり、過冷却液体領域の温度間隔ΔTxは、45Kと算出された。
また、上記金属ガラス粉末の平均粒径を湿式粒度分布測定法によって測定したところ、20μmであった。
一方、絶縁層形成用の無機質粉末としてアルミナ粉末(昭和電工製アルミナA−50−F)を用意し、その平均粒径を同様に測定したところ、1.2μmであった。
これら金属ガラス粉末とアルミナ粉末の質量比を10:1として、ハイブリダイザー(奈良機械製作所製NHS−0型)に投入し、金属ガラス粉末の表面にアルミナ粉末を付着させた。
図1は、金属ガラス粉末へのアルミナ粉末の付着状況を示す概略図であって、金属ガラス粉末1とアルミナ粉末2をハイブリダイゼーションにより複合化すると、金属ガラス表面にアルミナ粉末が機械的に張り付いた状態の複合粉末3となる。
なお、ハイブリダイゼーションとは、高速回転するロータによってこれら金属ガラス粉末1(母粒子)とアルミナ粉末2(子粒子)が外周側に飛散するときに、母粒子と子粒子を複合化するものであって、この実施例においては、ロータ周速を100m/分(16200rpm)として、5分間処理した。
このようにして得られた複合粉末3をSPS(放電プラズマ焼結)装置を用いて焼結した。
すなわち、図2に示した焼結型のダイ4aにしたポンチ4cを挿入して、上記複合粉末3を投入し、その上から上ポンチ4bを挿入しタ状態で、図外のSPS装置にセットし、600MPaの加圧力を加えながら、上下ポンチ4b、4c間に約400〜500Aを最大値として直流パルス電流を流すことによって、上記金属ガラス粉末の1のガラス転移温度Tgより高く、結晶化開始温度Txよりも低い420℃の焼結温度に5分間保持し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。得られた焼結体(非晶質軟磁性材料)の断面組織の写真を図3に示す。なお、焼結温度については、焼結型の型内温度をダイ4aに取り付けた熱電対5によって測定した。
得られた焼結体から切り出した3mm×2mm×10mmのサイズの試験片を用いて、3点曲げ抗折試験を行い、アルミナ粉末(無機質粉末)を用いることなく、金属ガラス粉末1のみを用いて、同様の条件のもとで焼結することによって得られた比較例の焼結体の強度と比較した結果を図4に示す。
図に示すように、金属ガラス粉末1とアルミナ粉末2から成る複合粉末3を用いた実施例1の焼結体の方が、曲げ強度が向上しており、表面に付着した子粒子2が母粒子1に侵入することと、金属ガラス粉末1の過冷却温度領域での流動性の良さによってアンカー効果が発揮され、強度向上に寄与しているものと考えられる。
なお、このような焼結体を得るには、通電加熱方式のホットプレス法でも可能である。この装置は、SPS焼結と同様な型に粉末を入れて、型又は型周辺に設けた発熱体から加熱する方法によるものである。これによっても同様な効果の焼結体を得ることが可能である。
(実施例2)
金属ガラス粉末1の表面に、アルミナ系の液体皮膜剤(関東化学製AL−03−P)を塗布し、さらにその上に、ハイブリダイゼーションによりアルミナ粉末を複合化することによって、図5にその断面形状を示すように、膜状の無機質絶縁皮膜6と粒子状の絶縁物であるアルミナ粉末2とを複合化した。
上記液体皮膜剤には酸化アルミが3%程度含まれており、金属ガラス粉末1の表面に成膜されている。
図5に示したように、金属ガラス粉末1の表面に無機質絶縁皮膜6とアルミナ粉末2とを複合化してなる複合粉末3を用いたこと以外は、上記実施例1と同様な操作を繰り返し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
この実施例の場合には、無機質絶縁皮膜6が膜状に付着しているため、金属ガラス粉末1の粒と粒の間の絶縁を保ちやすく、さらにアルミナ粒子2が介在しているために、焼結時の圧力で絶縁皮膜6が薄くなることを防止することができ、比抵抗が向上しやすいというメリットがある。
図6は、得られた非晶質軟磁性材料の断面組織写真であって、金属ガラス粉末1の粒間に絶縁皮膜が存在していることがわかる。
また、図7は、当該実施例に係る非晶質軟磁性材料の比抵抗を4端子法抵抗測定をすることによって測定したものであって、未処理の比較例に較べて、比抵抗が10倍近く向上していることがわかる。
(実施例3)
図8に示すように、平均粒径20μmの金属ガラス粉末1と、平均粒径0.1μmのアルミナ粉末2とをハイブリダイゼーションによって複合化した複合粉末3を用いたこと以外は、上記実施例1と同様な操作を繰り返し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
そして、得られた非晶質軟磁性材料の密度を測定したところ、相対密度で1%向上いていた。
(実施例4)
図9(a)に示すように、複雑な外周形状を有するアルミナ粉末であって、その中心を通る中央断面における外周長さ(輪郭線長さ)が、当該アルミナ粉末2の中央断面の面積に等しい円C(図9(b)参照)の円周長の2倍であるアルミナ粉末2を用いたこと以外は、上記実施例1と同様な操作を繰り返し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
なお、このような異形形状の粉末は、比較的粗粒のアルミナをボールミルによって粉砕したものであって、その平均粒径は0.1μmであった。
得られた焼結体から切り出した試験片を用いて、実施例1と同様の抗折試験を行い、アルミナ粉末を用いることなく、金属ガラス粉末1のみを用いた上記比較例及び表面が滑らかなアルミナ粉末を用いた上記実施例1と比較した結果を図10に示す。
その結果、アルミナ粉末を使用しない比較例はもとより、通常のアルミナ粉末を用いた実施例1よりもさらに強度が向上していることが確認された。
(実施例5)
アルミナ粉末に代えて、窒化アルミニウム(AlN)をボールミルで粉砕することによって得られた窒化アルミニウム粉末(平均粒径:0.1μm)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様な操作を繰り返し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
このような窒化物は、硬くもろい性質があるため、粉砕によって、図11に示すように、凹凸の顕著なへき開状表面となる。このような窒化アルミニウム粉末をハイブリダイゼーション装置で複合化して焼結することにより、表面の凹凸が金属ガラス2の表面に食い込み、高強度化するというメリットがある。また、これらの材料は容易に凹凸面が出やすいため、粉末の処理時間が短くなり生産性も向上することになる。なお、曲げ強度を酸化アルミニウム粉末品と比較したところ、窒化アルミニウムは約10%強度が向上していた。
(実施例6)
上記実施例1と同様に製造した金属ガラス粉末を目開きの異なる2種類のふるいを用いて、平均粒径が異なる2種類の粉末に分級した。
すなわち、金属ガラス粉末を目開き53μmのふるいを用いて分級し、そのふるい下粉末をさらに目開き20μmのふるいを通過させることによって、ふるい上に残った20〜53μmの粒径を有する大径粉末1a(平均粒径D=38μm)と、20μmを通過した小径粉末1b(平均粒径d=10μm)との2種類の粉末を用意した。
次に、図12に示すように、上記小径粉末1bに、質量比で10%のアルミナ粉末2(平均粒径:0.1μm)を混合して、上記実施例1と同様のハイブリダイゼーションを行なうことによって複合粉末3とした。
そして、この複合粉末3と上記大径粉末1aを重量比で50:50の割合で混合し、同様の条件のもとに焼結を実施し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
得られた非晶質軟磁性材料の比抵抗を4端子法により測定したところ、図13に示すように、比抵抗は低下するものの、子粒子(アルミナ粉末)の体積率が減少するため密度が向上し、磁気特性が向上していることが確認された。
なお、この場合、複合粉末3と大径粉末1aの重量比を変化させることにより、比抵抗や磁束密度などの磁気特性を調整することが可能になると共に、さらには大径粉末1aのみを複合粉末として混合するなど、種々の組み合わせを採用することができ、あらゆる手段で磁気特性や強度の調整が可能となる。
(実施例7)
目開き20μmのふるいに代えて、目開き10μmのふるいを使用することによって、大径粉末1aの平均粒径Dを38μmとし、小径粉末1bの平均粒径dを5μmとしたこと以外は、上記実施例6と同様な操作を繰り返し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
なお、目開き10μmのふるいが入手できない場合には、沈殿法などによって分級することも可能である。
得られた焼結体から切り出した試験片を用いて、同様の抗折試験を行い、上記比較例及び実施例6に係る磁性材料と比較した結果を図14に示す。
図に示すように、当該実施例7の磁性材料においては、大きい粒子の間に小さい粒子が入りやすくなることから、実施例6に較べて強度が向上することが判明した。
(実施例8)
金属ガラス粉末を沈殿法によって分級することによって、大径粉末1aの平均粒径Dを38μm、小径粉末1bの平均粒径dを10μmとしたこと以外は、上記実施例6と同様な操作を繰り返し、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
得られた焼結体から切り出した試験片を用いて、同様の抗折試験を行い、その結果を図14中に併せて示す。
この結果、大径粉末の平均粒径Dに対する小径粉末の平均粒径dの比をされに小さくすることによって、実施例6及び実施例7に較べてさらに強度が向上することが確認された。
(実施例9)
大径粉末1aの成分組成をFe77Ga9.5Si2.5とすると共に、小径粉末1bの成分組成をFe77Ga9.5Si2.5とし、それぞれガスアトマイズ粉末としたのち、分級することによって、大径粉末1aの平均粒径Dを38μm、小径粉末1bの平均粒径dを10μmとした。
得られた大径粉末1a及び小径粉末1bのガラス転移温度Tgl及びTgsを示差熱分析装置によって求めた結果、それぞれ460℃及び470℃であった。また、これらの結晶化開始温度は、それぞれ505℃及び515℃であった。
なお、金属ガラスのガラス転移温度を調整する手法としては、種々の方法が知られているが、成分組成の調整が簡便であり、上記の組成系においては、P含有量を減らして、その分をSiで置換することによってガラス転移温度が低下することが分かっている。
上記のように、平均粒径Dが38μm、ガラス転移温度Tglが460℃である大径粉末1aと、平均粒径dが10μm、ガラス転移温度Tgsが470℃である小径粉末1bを用い、これ以外は上記実施例6と同様な操作を繰り返すことによって、本例の非晶質軟磁性材料を得た。
得られた磁性材料は、相対密度が98%を示し、ほぼ真密度に近い値であった。
金属ガラス粉末へのアルミナ粉末の付着状況を示す概略図である。 本発明の実施例に用いた焼結型の構造を示す断面図である。 実施例1により得られた非晶質軟磁性材料の組織を示す断面図である。 実施例1により得られた非晶質軟磁性材料の抗折強度を金属ガラス粉末のみから成る比較例と比較して示すグラフである。 実施例2に用いた複合粉末の構造を示す断面図である。 実施例2により得られた非晶質軟磁性材料の組織を示す断面図である。 実施例2により得られた非晶質軟磁性材料の比抵抗を金属ガラス粉末のみから成る比較例と比較して示すグラフである。 実施例3に用いた複合粉末の外観形状を示す概略図である。 実施例4に用いたアルミナ粉末の粒子形状を示す概略図である。 実施例4により得られた非晶質軟磁性材料の抗折強度を比較例及び実施例1と比較して示すグラフである。 実施例5に無機質粉末として用いた窒化物の粒子形状を示す概略図である。 実施例6により得られた非晶質軟磁性材料の製造要領を示す概略工程図である。 実施例6により得られた非晶質軟磁性材料の磁気特性を比較例及び実施例1と比較して示すグラフである。 実施例6、7、8により得られた非晶質軟磁性材料の抗折強度を比較例と比較して示すグラフである。
符号の説明
1 金属ガラス粉末
2 アルミナ粉末(無機質粉末)

Claims (9)

  1. 非晶質相を主相とする軟磁性材料であって、
    Fe、Ni及びCoから成る群から選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とし、次式(1)で表わされる過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラス粉末の表面に絶縁層を形成して成形されて成り、
    上記絶縁層が無機質の粉末を含み、当該粉末の粒径が上記金属ガラス粉末の平均粒径の0.2倍以下であることを特徴とする非晶質軟磁性材料。
    ΔTx=Tx−Tg ・・・ (1)
    (式中のTxは結晶化開始温度、Tgはガラス転移温度を示す)
  2. 上記絶縁層に含まれる無機質粉末の粒径が上記金属ガラス粉末の平均粒径の0.1倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の非晶質軟磁性材料。
  3. 上記金属ガラス粉末が平均粒径の異なる2種以上の粉末から成り、平均粒径の異なる金属ガラス粉末の少なくとも1種に絶縁層を形成し、絶縁層が形成されていない他の金属ガラス粉末と共に成形して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の非晶質軟磁性材料。
  4. 上記金属ガラス粉末が平均粒径の異なる2種の粉末から成り、大きい方の平均粒径をD、小さい方の平均粒径をdとするとき、d≦0.2Dなる関係を有することを特徴とする請求項3に記載の非晶質軟磁性材料。
  5. 上記金属ガラス粉末が平均粒径の異なる2種の粉末から成り、大きい方の平均粒径をD、小さい方の平均粒径をdとするとき、d≦0.1Dなる関係を有することを特徴とする請求項3に記載の非晶質軟磁性材料。
  6. 上記金属ガラス粉末が平均粒径の異なる2種の粉末から成り、平均粒径が大きい方の金属ガラス粉末のガラス転移温度をTgl、平均粒径が小さい方の金属ガラス粉末のガラス転移温度をTgsとするとき、Tgl<Tgsなる関係を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の非晶質軟磁性材料。
  7. 上記絶縁層が無機質の粉末と無機質絶縁皮膜から構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の非晶質軟磁性材料。
  8. 上記無機質粉末の中央断面における輪郭線長さが、当該中央断面の面積に等しい面積を有する円の円周長の2倍以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の非晶質軟磁性材料。
  9. 上記無機質粉末が金属の窒素化合物であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の非晶質軟磁性材料。
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