JP7285346B2 - 高密度かつ高比抵抗の金属ガラス圧粉磁心とその製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2020年2月4日に、日本に出願された特願2020-017361号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
これらの材料は、使用される周波数や用途で使い分けられるが、その理由は、ソフトフェライトのように比抵抗が高い材料では飽和磁束密度が低く、高珪素鋼のように飽和磁束密度が高い材料では比抵抗が低いことによる。即ち、飽和磁束密度及び比抵抗の何れにおいても高い磁性材料が提供されていないことによる。
これは、高比抵抗を得るために添加するバインダの割合を多くすると、軟磁性金属ガラス粒子の割合が低下するため、必然的に飽和磁束密度が低下することによる。また、逆に、高い飽和磁束密度を得ようとしてバインダの割合を少なくすると、軟磁性金属ガラス粒子間に存在する絶縁物としてのバインダ量が必然的に少なくなるので、軟磁性金属ガラス粒子間の絶縁が不充分となることに起因している。
We=We(intra)+We(inter)
=Ke’(d2/ρFe+L2/ρ)×f2×B2…(1)式
この(1)式からわかるように、コアサイズが大きい場合は磁路断面の寸法が大きくなるので、渦電流損失を小さくするためには、軟磁性金属粒子集合体の比抵抗を大きくする必要があることがわかる。
以上のような背景において、従来技術では両立することの難しかった高比抵抗かつ低鉄損、例えば0.1T-50kHzで200kW/m3、かつ高い密度を有する磁心材料が望まれている。
(6)本発明の一態様に係る金属ガラス圧粉磁心の製造方法において、過冷却液体温度ΔTxが20K以上の軟磁性金属ガラス合金を用いることが好ましい。
図1A,図1Bは本実施形態に係る金属ガラス圧粉磁心がリアクトルコアに適用されたリアクトルAの一例を示す。この実施形態のリアクトルAは、左右方向に延在する上部ヨーク1と下部ヨーク2と、上部ヨーク1と下部ヨーク2の間に挟持された円柱状の2本の脚部3を備え、各脚部3に円筒状のコイル体4が外挿されている。リアクトルAにおいて、平行に配置された上部ヨーク1および下部ヨーク2と2本の脚部3から図2Aに示すリアクトルコア(磁心)Bが構成されている。この実施形態では脚部3がその長さ方向に2つに分割可能に構成される。各脚部3を2分割した形状の脚部3にコイル4を外挿し、次いで分割した脚部どうしをギャップGを介し一体化する。これにより図1A、図1Bに示す構成のリアクトルAが得られる。
詳細には、金属ガラス圧粉磁心は、複数の金属ガラス粒子と、複数の金属ガラス粒子間の粒界に形成された絶縁膜とからなる。絶縁膜は、バインダであるシリコーンレジンの温間成形物からなることが好ましい。絶縁膜の量は、金属ガラス粒子の量100質量%に対して、1質量%以下であり、好ましくは0.2質量%以上0.8質量%以下である。
以下、軟磁性金属ガラス合金からなる粉末(粒子)は、金属ガラス粉末(粒子)、軟磁性金属ガラス合金粉末(粒子)とも言う。金属ガラス圧粉磁心は、成形体とも言う。
また、この組成の軟磁性金属ガラス合金からなる粉末(金属ガラス粉末)の量100質量%に対し1質量%以下、好ましくは0.2質量%以上0.8質量%以下のバインダを混合して混合粉末を作製する。次いで混合粉末を後述する温度範囲で温間成形する。これにより、成形体(金属ガラス圧粉磁心)を得ることができる。
Pは、ガラス形成に必須元素であるが、そのP含有量の一部をSiで置き換えることができる。Pは、10~12原子%の範囲の量で含有させることができる。P含有量が10原子%未満の場合はガラス形成能が低下し、P含有量が12原子%を超えると、磁束密度が低下して軟磁気特性が劣化する。
Siはガラス形成を担う元素である。0原子%でもよいが、Siを含有することでガラス形成能を向上させる。Si含有量が多いとガラス形成能が低下するため、Si含有量を2原子%以下とすることが好ましい。
Bは、ガラス形成に必須元素である。B含有量が少ないとガラス形成が困難になる場合がある。そのため、B含有量を2原子%以上とする。またB含有量が多いと軟磁気特性が低下するため、B含有量を8原子%以下とする。
Cは、ガラス形成を担う元素である。0原子%でもよいが、Cを含有することでガラス形成能を向上させる。Cが多いと合金が脆化、及び軟磁気特性が低下するため、C含有量を6原子%以下とする。
加えて、水アトマイズ法で作製された合金粉末は、粉末表面に適度な酸化皮膜が形成されているので、これに後述のバインダを混合して成形体を成形すると比抵抗の高い磁心が容易に得られる。
ΔTx=Tx-Tg (2)式
前述の組成であって平均粒径(D50)が50μm程度の軟磁性金属ガラス合金の粉末の量100質量%に対し、1質量%以下のバインダを混合して混合粉末を作製し、この混合粉末を成形することで圧粉磁心を作製する。これにより、高周波で極めて低い損失特性を示す従来に無い優れた性能を持つ圧粉磁心が得られ、この圧粉磁心に巻線を施すことよって優れたインダクタンス部品が得られる。
粉末粒径について、粒径を小さくした方が渦電流損失を少なくできるが、粒径を小さくするとヒステリシス損失が高くなる。このため、金属ガラス粉末の平均粒径は、10~80μm程度が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下が最も好ましい。金属ガラス粉末の平均粒径は、使用される周波数に応じて調整される。高周波数帯で使用される金属ガラス圧粉磁心の場合、金属ガラス粉末の平均粒径は50μm以下が好ましい。
ここで、金属ガラス粉末の平均粒径は、レーザー回折散乱法で測定されたメディアン径(D50)であり、このメディアン径(D50)とは、体積累積が50%となる粒子径である。
本実施形態の磁心において用いるバインダは、シリコーンレジンを主体とする常温で軟質のバインダであり、後述する温度範囲の温間成形後であっても、軟質な状態を維持できる種類のバインダを用いることが望ましい。例えば、後述する450~480℃の温間成形温度において熱履歴を受けても軟質の状態を維持できるバインダとして、温間成形温度と同等の熱履歴後の硬度が好ましくは0.1~1.0MHvの範囲、より好ましくは0.2~1.0MHvのバインダを用いることが望ましい。
温間成形温度と同等の熱履歴後のシリコーンレジンの硬度は、例えば、以下の方法で測定される。温間成形の温度で溶融しない金属板、例えば鋼板の表面に、硬度測定に必要な厚さのシリコーンレジン層を形成する。この鋼板を450~480℃の温度、例えば、480℃にて必要時間加熱し、室温まで冷却する。そしてシリコーンレジン層の硬度を計測する。
まず上述の組成の軟磁性金属ガラス合金の粉末と、シリコーンレジンからなるバインダを混合して混合粉末を作製する。バインダ(シリコーンレジン)の添加量は、金属ガラス粉末(軟磁性金属ガラス合金からなる粉末)の量100質量%に対して、1質量%以下が好ましく、0.2~0.8質量%がより好ましい。
一般にシリコーンレジンは、液体である。シリコーンレジンを溶媒で希釈し、シリコーンレジン溶液を作製する。ここで、シリコーンレジンの質量に対する溶媒の質量の比(質量比)は5~40であることが好ましい。次いで、金属ガラス粉末とシリコーンレジン溶液を混合する。例えば、ハイスピードミキサーなどを用いて、シリコーンレジン溶液を金属ガラス粉末に噴霧しながら、金属ガラス粉末とシリコーンレジン溶液を混合する。そして、混合物を加熱して乾燥し、混合粉末を得る。混合物の乾燥は、減圧下で行うことが好ましい。
次に混合粉末に対して、金型を用いた成形、あるいはモールド成形を施し、目的の形状の成形体を得る。
成形に際し、軟磁性金属ガラス合金のガラス転移点以上の温度であって、結晶化温度以下の温度で混合粉末を目的の形状に温間成形することが好ましい。具体的に温間成形温度の範囲は、450~480℃の範囲を選択することができる。この温度範囲において温間成形することで軟磁性金属ガラス合金の粉末は超塑性変形する。このため、成形時に粉末粒子同士が良好に隙間を埋め、更にこれら粉末粒子間の隙間に軟質のバインダが広がって隙間埋めする。これにより、金属ガラス粒子の粒子間の粒界にシリコーンレジンの温間成形物(温間成形熱処理物)からなる絶縁膜が形成される。以上により、金属ガラス粒子と絶縁膜からなる組織を有し、高密度化した、密度比の高い成形体を得ることが可能となる。
詳細には、金属ガラス粉末は硬く、通常の成形では密度が上がらない。上述の温間成形の温度域は、金属ガラス粉末の過冷却液体温度域であり、この温度域で加圧成形することにより、密度が上がり、金属ガラス圧粉磁心の密度比を0.90以上とすることができる。
また、成形体の密度が高いため、高い磁束密度が得られる。
なお、前述のバインダの添加量について、金属ガラス合金の粒子の量100質量%に対し、0.2~0.8質量%の範囲であることがより好ましい。
バインダの添加量が0.2質量%を下回ると比抵抗が低くなり、鉄損の値も大きくなる。バインダの添加量が0.8質量%を超えるようでは成形体としての密度比が0.9より低くなる。
このため、鉄損(渦電流損失)の小さい、磁気特性の優れた磁気部品としてのリアクトルAを提供できる。
磁心についてはレーストラック型やC型のコアからなる磁心、あるいは、複数の形状のコアを組み合わせて構成する組み合わせタイプのコアからなる磁心など一般的に知られている種々の磁心に本実施形態の金属ガラス圧粉磁心を適用できるのは勿論である。
(実施例1,2,6、比較例1~3,6の混合粉末)
原料粉末(金属ガラス粉末)として、組成がFe76Mo2Ga2P10C4B4Si2であるアトマイズ粉末を使用した。このアトマイズ粉末は、目開き150μmの篩を通過させており(篩分け)、粒径は150μm以下であった。レーザー回折散乱法により測定した平均粒径(D50)は50μmであった。前記組成の軟磁性金属ガラス合金の結晶化温度Txは515℃であり、ガラス転移点(ガラス転移温度)Tgは463℃であった。このため、過冷却液体温度ΔTxは52Kであった。
なお、シリコーンレジンの添加量は、金属ガラス粉末の量100質量%に対する量(質量%)である。
第2のシリコーンレジンとして、後述する温間成形温度(480℃)と同等の熱履歴後の硬度が6.7MHvとなるものを用い、比較例2の混合粉末を作製した。
第3のシリコーンレジンとして、後述する温間成形温度(480℃)と同等の熱履歴後の硬度が12.8MHvとなるものを用い、比較例3の混合粉末を作製した。
なお、第1~第3のシリコーンレジンは、熱履歴を経る前は軟質のものである。
第1のシリコーンレジンと第2のシリコーンレジンを以下の配合比で混合し、混合シリコーンレジンを作製した。表1に示す添加量の混合シリコーンレジンを溶媒で希釈し、混合シリコーンレジン溶液を作製した。次いで、ハイスピードミキサーを用いて、混合シリコーンレジン溶液を金属ガラス粉末に噴霧しながら、金属ガラス粉末と混合シリコーンレジン溶液を混合した(湿式コーティング)。そして、混合物を大気中において290℃で60分間加熱して乾燥し、混合粉末を作製した。
なお、金属ガラス粉末として、実施例1のアトマイズ粉末を使用した。
実施例3では、第1のシリコーンレジン60質量部と、第2のシリコーンレジン40質量部を混合した。
実施例4では、第1のシリコーンレジン40質量部と第2のシリコーンレジン60質量部を混合した。
実施例5では、第1のシリコーンレジン30質量部と第2のシリコーンレジン70質量部を混合した。
比較例4では、第1のシリコーンレジン20質量部と第2のシリコーンレジン80質量部を混合した。
比較例5では、第1のシリコーンレジン10質量部と第2のシリコーンレジン90質量部を混合した。
実施例7では、原料粉末(金属ガラス粉末)として、組成がFe74Mo4Ga2P10C4B4Si2であるアトマイズ粉末を使用した。前記組成の軟磁性金属ガラス合金の結晶化温度Txは517℃であり、ガラス転移点(ガラス転移温度)Tgは467℃であった。このため、過冷却液体温度ΔTxは50Kであった。
実施例8では、原料粉末(金属ガラス粉末)として、組成がFe75Mo2Ga3P10C4B4Si2であるアトマイズ粉末を使用した。前記組成の軟磁性金属ガラス合金の結晶化温度Txは525℃であり、ガラス転移点(ガラス転移温度)Tgは465℃であった。このため、過冷却液体温度ΔTxは60Kであった。
実施例9では、原料粉末(金属ガラス粉末)として、組成がFe73Mo4Ga3P10C4B4Si2であるアトマイズ粉末を使用した。前記組成の軟磁性金属ガラス合金の結晶化温度Txは528℃であり、ガラス転移点(ガラス転移温度)Tgは471℃であった。このため、過冷却液体温度ΔTxは57Kであった。
実施例10では、原料粉末(金属ガラス粉末)として、組成がFe75Mo2Ga3P11C4B4Si1であるアトマイズ粉末を使用した。前記組成の軟磁性金属ガラス合金の結晶化温度Txは516℃であり、ガラス転移点(ガラス転移温度)Tgは472℃であった。このため、過冷却液体温度ΔTxは44Kであった。
いずれのアトマイズ粉末も、目開き150μmの篩を通過させており(篩分け)、粒径は150μm以下であった。レーザー回折散乱法により測定した平均粒径(D50)は50μmであった。
表1に示す添加量の第1のシリコーンレジンを溶媒で希釈し、第1のシリコーンレジン溶液を作製した。次いで、ハイスピードミキサーを用いて、第1のシリコーンレジン溶液を上述した金属ガラス粉末に噴霧しながら、金属ガラス粉末と第1のシリコーンレジン溶液を混合した(湿式コーティング)。そして、混合物を大気中において290℃で60分間加熱して乾燥し、混合粉末を作製した。
混合粉末を480℃に加熱した金型に投入し、粉末の温度が480℃になった後に成形圧588MPaにて5秒間、加圧成形し、リング状の試験片(外径φ12mm×内径φ5mm×厚さL3.5mm)を得た。
ΔTx=Tx-Tg (2)式
得られた成形体の密度はアルキメデス法により測定した。測定された密度を金属ガラス合金の真密度(7.37g/cm3)で割って密度比を算出した。
鉄損を交流BHアナライザー(岩通計測株式会社 SY-8219)にて測定した。比抵抗を4端子法にて測定した。
以上の結果を併せて以下の表1に記載する。
また、別途、同様にして鉄板上に厚さ1mmのシリコーンレジン層を形成し、このシリコーンレジン層を290℃で1時間保持し、焼き付けた。そして、室温まで冷却し、焼き付け後のシリコーンレジン層の硬度を測定した。
それぞれの温度履歴後における硬さ(MHv)について以下の表2に記載する。表1の皮膜硬さは、シリコーンレジンの温間成形温度と同等の熱履歴後のシリコーンレジンの硬度を意味する。
表1において、Wiは鉄損を示し、Whはヒステリシス損失を示し、Weは渦電流損失を示し、Wi=Wh+Weの関係を有する。また、鉄損の比率=磁路断面10mm時の鉄損Wi/磁路断面3.5mm時の鉄損Wiである。
この例ではL=10mmの場合の鉄損は、200kW/m3以下であることが好ましいと判断した。
実施例1~6の試料では、軟質のシリコーンレジンを適量(0.2~0.72質量%)用いたが、0.94以上の密度比を示し、比抵抗が1×105μΩm~2.6×106μΩmの範囲であり、高い比抵抗を示した。また、磁路断面10mm時の鉄損の値も200kW/m3以下を示した。
比較例2、3の試料では、シリコーンレジンが硬いため、比抵抗が低下し、磁路断面10mm時の鉄損の値が極めて大きくなった。
比較例4、5の試料では、実施例の試料よりもシリコーンレジンが硬いため、比抵抗が低下し、磁路断面10mm時の鉄損の値が大きくなった。
比較例6の試料では、シリコーンレジンの添加量が多いため、密度比が低下した。
実施例7~10の試料では、組成がFe73~76Mo2~4Ga2~3P10~11C4B4Si1~2であるアトマイズ粉末を使用した。
実施例7~10の試料では、Fe、Mo、Ga、P、C、B、Siの組成比を調整し、軟質のシリコーンレジンを0.36質量%用いたが、0.95の密度比を示し、比抵抗が2.2×105μΩm~1×106μΩmの範囲であり、高い比抵抗を得ることができた。また、磁路断面10mm時の鉄損の値も200kW/m3以下である151~157kW/m3の優れた値を示すことが分かった。
従って上述の実施形態によれば、高い密度比(0.90以上)と高い比抵抗(1×105μΩm以上)であり、鉄損が低いという特性を全て満足できる金属ガラス圧粉磁心を提供することができる。
Claims (7)
- 軟磁性金属ガラス合金からなる複数の粒子と、前記複数の粒子間の粒界に形成された絶縁膜とからなる金属ガラス圧粉磁心であって、
前記絶縁膜がシリコーンレジンの温間成形熱処理物からなり、前記シリコーンレジンの温間成形温度と同等の熱履歴後の前記シリコーンレジンの硬度が0.1~1.0MHvであり、
前記シリコーンレジンの添加量が前記軟磁性金属ガラス合金の粒子の質量に対し0.2~0.8質量%であり、前記密度比が0.94以上であり、
磁路断面10mmでの鉄損が200kW/m 3 (0.1T/50kHz)以下、比抵抗が1×10 5 μΩm以上であることを特徴とする高密度かつ高比抵抗の金属ガラス圧粉磁心。 - 前記軟磁性金属ガラス合金の過冷却液体温度ΔTxが20K以上であることを特徴とする請求項1に記載の高密度かつ高比抵抗の金属ガラス圧粉磁心。
- 前記軟磁性金属ガラス合金が、一般式(Fe1-a-bMoaGab)100-w-x-y-zPwCxBySiz(0≦a≦0.075、0.025≦b≦0.0375、10≦w≦12、0≦x≦6、2≦y≦8、0≦z≦2、w+z=12)で表される組成を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高密度かつ高比抵抗の金属ガラス圧粉磁心。
ただし、前記一般式において、aはFeを基準としたMoの比率を示し、bはFeを基準としたGaの比率を示し、w、x、y、zは各元素の原子%を示す。 - 軟磁性金属ガラス合金からなる複数の粒子と、前記複数の粒子間の粒界に形成された絶縁膜とからなる金属ガラス圧粉磁心であって、
前記絶縁膜がシリコーンレジンの温間成形熱処理物からなり、前記シリコーンレジンの温間成形温度と同等の熱履歴後の前記シリコーンレジンの硬度が0.1~1.0MHvであり、
前記シリコーンレジンの添加量が前記軟磁性金属ガラス合金の粒子の質量に対し0.2~0.8質量%であり、前記密度比が0.94以上であり、
磁路断面10mmでの鉄損が200kW/m 3 (0.1T/50kHz)以下、比抵抗が1×10 5 μΩm以上である金属ガラス圧粉磁心の製造方法であり、
軟磁性金属ガラス合金からなる複数の粉末とシリコーンレジンを混合して混合粉末を作製する工程と、
前記混合粉末を前記軟磁性金属ガラス合金のガラス転移点以上の温度であって、結晶化温度以下の温度で目的の形状に温間成形し、軟磁性金属ガラス合金からなる複数の粒子と、前記粒子間の粒界に形成された前記シリコーンレジンの温間成形物からなる絶縁膜を有する組織を得る工程と、を有し、
前記シリコーンレジンとして、前記温間成形温度と同等の熱履歴後の硬度が0.1~1.0MHvのシリコーンレジンを用い、
前記シリコーンレジンの添加量を前記軟磁性金属ガラス合金の粒子の質量に対し0.2~0.8質量%とすることにより、
密度比が0.94以上、磁路断面10mmでの鉄損が200kW/m 3 以下(0.1T/50kHz)、比抵抗が1×10 5 μΩm以上の金属ガラス圧粉磁心を得ることを特徴とする金属ガラス圧粉磁心の製造方法。 - 前記温間成形時の成形温度を450~480℃とすることを特徴とする請求項4に記載の金属ガラス圧粉磁心の製造方法。
- 過冷却液体温度ΔTxが20K以上の軟磁性金属ガラス合金を用いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属ガラス圧粉磁心の製造方法。
- 一般式(Fe1-a-bMoaGab)100-w-x-y-zPwCxBySiz(0≦a≦0.075、0.025≦b≦0.0375、10≦w≦12、0≦x≦6、2≦y≦8、0≦z≦2、w+z=12)で表される軟磁性金属ガラス合金を用いることを特徴とする請求項4~請求項6のいずれか一項に記載の金属ガラス圧粉磁心の製造方法。
ただし、前記一般式において、aはFeを基準としたMoの比率を示し、bはFeを基準としたGaの比率を示し、w、x、y、zは各元素の原子%を示す。
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JP2021575698A Active JP7285346B2 (ja) | 2020-02-04 | 2021-01-20 | 高密度かつ高比抵抗の金属ガラス圧粉磁心とその製造方法 |
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JP2008004864A (ja) | 2006-06-26 | 2008-01-10 | Nissan Motor Co Ltd | 非晶質軟磁性材料 |
JP2011018822A (ja) | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Toyota Central R&D Labs Inc | 圧粉磁心およびその製造方法 |
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- 2021-01-20 WO PCT/JP2021/001773 patent/WO2021157352A1/ja active Application Filing
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002184616A (ja) | 2000-12-18 | 2002-06-28 | Alps Electric Co Ltd | 圧粉磁心 |
JP2004204296A (ja) | 2002-12-25 | 2004-07-22 | Japan Science & Technology Agency | 金属ガラスからなるバルク状のFe基焼結合金軟磁性材料及びその製造方法 |
JP2007231415A (ja) | 2006-02-02 | 2007-09-13 | Nec Tokin Corp | 非晶質軟磁性合金、非晶質軟磁性合金部材、非晶質軟磁性合金薄帯、非晶質軟磁性合金粉末、及びそれを用いた磁芯ならびにインダクタンス部品 |
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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東北大金研 ○沈 宝龍,(院生) 秋葉 正博,金研 井上 明久,優れた軟磁気特性を示すFe-Mo-Ga-P-C-B-Siガラス合金の形成能と結晶化挙動,2005年秋期(第137回)大会 日本金属学会講演大会概要 Collected Abstracts of the 2005 Autumn Meeting of The Japan Institute of Metals ,社団法人日本金属学会 The Japan Institute of Metals |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2021157352A1 (ja) | 2021-08-12 |
JPWO2021157352A1 (ja) | 2021-08-12 |
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