JP2008004498A - 酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板に関するものであり、この複合層被覆金属板からなる燃料電池のバイポーラプレートを提供する。
【解決手段】Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる基体5の表面に、Pt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜7が形成されており、さらにこれら導電性酸化物膜6の上に、Au、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜7が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる基体5の表面に、Pt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜7が形成されており、さらにこれら導電性酸化物膜6の上に、Au、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜7が形成されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板に関するものであり、この複合層被覆金属板は、たとえば、燃料電池のバイポーラプレートとして組み込むと、燃料電池の高性能を長期間維持することができる。
一般に、図4に示されるように、固体高分子形燃料電池は、電解質4の両面に触媒層3が形成されてなる電解質セルの両面に触媒を伴った導電性多孔質体からなる空気極および燃料極などのガス拡散電極2を積層し、これらガス拡散電極2の外側に空気通路11および燃料ガス通路12が設けられているバイポーラプレート1を積層した基本的構造を有している。この図4に示される電解質セル、バイポーラプレート1およびガス拡散電極2を積層した基本的構造を有する燃料電池セル10は、図5に示されるように直列に積み重ねて燃料電池を構成し、この燃料電池から高電圧電流を取り出して使用するようになっている。
燃料電池の燃料電池セル10に組み込まれている前記バイポーラプレート1およびガス拡散電極2は常に酸化しやすい環境下に置かれており、そのために、バイポーラプレート1およびガス拡散電極2は耐食性を有するTi,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金で構成されている。しかし、バイポーラプレート1およびガス拡散電極2が耐食性に優れたTi,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金で構成されていてもその耐食性には限界があり、このバイポーラプレート1およびガス拡散電極2のセパレータ1の表面が酸化し、電気伝導性に乏しい酸化被膜が成長すると、ガス拡散電極2とバイポーラプレート1の間の接触抵抗および触媒層3とガス拡散電極2の間の接触抵抗が増加し、そのために燃料電池の特性が低下する。これを防止するために図3に示されるようにバイポーラプレート1および/またはガス拡散電極2の基体5の表面にPt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する耐食性に一層優れた導電性酸化物膜6が形成されている(特許文献1、2、3参照)。
バイポーラプレート1の表面に導電性酸化膜を形成した場合、酸化膜の導電性が不十分であったり、酸化膜自体の導電性は十分であっても、これらを他のガス拡散電極などと接触させて通電した場合に得られる接触抵抗は、実用上無視できない程度に大きく、燃料電池の出力低下が避けられない。そのため、燃料電池への組込初期から長期間の使用後に亘って安定して低接触抵抗を発揮できる電極の開発が求められていた。
この発明は、酸化性環境下に長期間さらされても曝されても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、特に酸化性環境下に長期間曝されても接触抵抗が増加することの少ない燃料電池セルのバイポーラプレートを提供することを目的とするものである。
この発明は、酸化性環境下に長期間さらされても曝されても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、特に酸化性環境下に長期間曝されても接触抵抗が増加することの少ない燃料電池セルのバイポーラプレートを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、長期間使用しても燃料電池の性能が低下することの少ない燃料電池を開発すべく研究を行った。
その結果、(イ)図1に示されるように、Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる耐食金属製基体5の表面に、Pt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜6が形成し、さらに導電性酸化物膜6の上にAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜7が形成されている複合層被覆金属板は、酸化性環境下に長期間曝されても接触抵抗が増加することが少なく、この複合層被覆金属板を燃料電池のバイポーラプレートとして使用すると、燃料電池特性が長期間低下することが少ない、
(ロ)前記導電性酸化物膜の上に形成されているAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金膜からなる金属膜は、導電性酸化物膜の一部が露出するような形状の不連続膜(たとえば、図1に示されるような分離独立した島状の膜8´、さらに図示されてはいないが、格子状膜、縞状膜などの不連続膜)が好ましいが、図2に示されるように、導電性酸化物膜の上に全体に均一に形成した連続膜であっても良い、
(ハ)前記Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる金属板は独立気泡を有する軽量化した多孔質金属板であっても良い、などの知見を得たのである。
この発明は、これら知見に基づいてなされたものであって、
(1)Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる耐食金属板またはTi,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる独立気泡を有する耐食金属多孔質体からなる基体の表面に、Pt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜が形成されており、さらにこれら導電性酸化物膜の上に、Au、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜が形成されている酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、
(2)前記(1)記載のAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜は、前記導電性酸化物膜全体を被覆するように形成されている酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、
(3)前記(1)記載のAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜は、前記導電性酸化物膜が一部露出する不連続金属膜である酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、
(4)前記(1)、(2)または(3)記載の複合層被覆金属板からなる燃料電池用バイポーラプレート材、
(5)前記(4)記載の燃料電池用バイポーラプレート材を有する燃料電池、に特長を有するものである。
(1)Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる耐食金属板またはTi,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる独立気泡を有する耐食金属多孔質体からなる基体の表面に、Pt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜が形成されており、さらにこれら導電性酸化物膜の上に、Au、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜が形成されている酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、
(2)前記(1)記載のAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜は、前記導電性酸化物膜全体を被覆するように形成されている酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、
(3)前記(1)記載のAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜は、前記導電性酸化物膜が一部露出する不連続金属膜である酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板、
(4)前記(1)、(2)または(3)記載の複合層被覆金属板からなる燃料電池用バイポーラプレート材、
(5)前記(4)記載の燃料電池用バイポーラプレート材を有する燃料電池、に特長を有するものである。
この発明の酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板およびその製造方法を説明する。
この発明の複合層被覆金属板の基体は、Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなるいかなる耐食金属からなることが好ましいが、軽量化のために内部に独立気泡を有する耐食金属多孔質体で構成されていても良い。この耐食金属板または耐食金属多孔質体の表面にPt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜を形成する。この導電性酸化物膜は、試薬をスプレー塗布、ブラシ塗布、スクリーン印刷などの方法で塗布し、得られた塗布膜を乾燥させたのち焼成することにより形成する。次に、導電性酸化物膜の上にイオンプレーティング法、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法などの方法でAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜を形成する。
ここで形成する金属膜は、導電性酸化物膜の表面の一部が露出する不連続な金属膜(例えば、島状に分離した金属膜、網状金属膜など)であることが好ましいが、導電性酸化物膜の表面全体を被覆する連続膜な金属膜であっても良い。導電性酸化物膜の表面の一部が露出する不連続な金属膜はスプレー塗布、ブラシ塗布、ロール転写、スポンジ転写、浸漬、フィルム転写などにより行なわれる。一方、連続膜な金属膜はイオンプレーティング法、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法などの方法で形成される。これら金属膜と下地層の密着性を強化するために300〜700℃の温度域で熱処理を行なっても良く、特に真空中または還元雰囲気中での加熱が好ましい。
この発明の複合層被覆金属板の基体は、Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなるいかなる耐食金属からなることが好ましいが、軽量化のために内部に独立気泡を有する耐食金属多孔質体で構成されていても良い。この耐食金属板または耐食金属多孔質体の表面にPt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜を形成する。この導電性酸化物膜は、試薬をスプレー塗布、ブラシ塗布、スクリーン印刷などの方法で塗布し、得られた塗布膜を乾燥させたのち焼成することにより形成する。次に、導電性酸化物膜の上にイオンプレーティング法、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法などの方法でAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜を形成する。
ここで形成する金属膜は、導電性酸化物膜の表面の一部が露出する不連続な金属膜(例えば、島状に分離した金属膜、網状金属膜など)であることが好ましいが、導電性酸化物膜の表面全体を被覆する連続膜な金属膜であっても良い。導電性酸化物膜の表面の一部が露出する不連続な金属膜はスプレー塗布、ブラシ塗布、ロール転写、スポンジ転写、浸漬、フィルム転写などにより行なわれる。一方、連続膜な金属膜はイオンプレーティング法、無電解メッキ法、電解メッキ法、スパッタリング法などの方法で形成される。これら金属膜と下地層の密着性を強化するために300〜700℃の温度域で熱処理を行なっても良く、特に真空中または還元雰囲気中での加熱が好ましい。
この発明の複合層被覆金属板は、長期間腐食性雰囲気に曝されても接触抵抗が増加することが少ないことから、これを燃料電池のバイポーラプレートとして使用した場合に、燃料電池の高性能を長期間にわたって維持することができ、燃料電池などの性能の向上に大いに貢献し得るものである。
純チタン(JIS 2種)、316Lステンレス鋼、304ステンレス鋼、ニッケル合金(商品名:ハステロイ C-22) 合金、純銅、純ジルコニウム(JIS 2種)、チタン合金(Ti-6Al-4V合金)、アルミ合金(JIS A5052)及び純ニオブ製の厚み約3.2mmの冷間圧延板から、100mm角の素板材を切り出し、これら素板材の両面を平面研削により厚み3mmとなるまで削ることにより縦:100mm、横:100mm、厚さ:3mmの寸法を有する各種板を作製した。これら各種板の両面を#600の耐水研磨紙で湿式研磨し、この状態で表面被覆処理を実施した後、それぞれ湿式の精密切断機(ファインカッター)を用いて縦:30mm、横:30mm、厚さ:3mmの寸法を有する板を切り出し、純チタン製板、316Lステンレス鋼製板、304ステンレス鋼製板、ニッケル合金(商品名:ハステロイ C-22)製板、純銅製板、純ジルコニウム(JIS 2種)製板、チタン合金(Ti-6Al-4V合金)製板、アルミ合金(JIS A5052)製板及び純ニオブ製板を作製した。
実施例1
316Lステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。これにイリジウム源として塩化イリジウム試薬を溶解した塩酸溶液中に浸漬した後、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、316Lステンレスの表面に導電性酸化物である酸化イリジウム膜を形成し、さらに無電解めっき法により約30nmの厚みの白金被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板1を作製した。
実施例2
316Lステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。これにルテニウム源として塩化ルテニウム試薬を溶解したペーストを試料表面にスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を5回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、316Lステンレス鋼製板の表面に導電性酸化物である酸化ルテニウム膜を形成し、このサンプルを高真空チャンバー中で回転させながら、アークイオンプレーティング法により、酸化ルテニウム膜の上に約50nmの厚みのロジウム被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板2を作製した。
実施例3
316Lステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。コバルト源として硝酸コバルト試薬、ニッケル源として硝酸ニッケル試薬を溶解した水溶液中に浸漬した後、乾燥し、350℃大気中で焼成することにより、316Lステンレス鋼の表面に導電性酸化物であるコバルト/ニッケル複合酸化物膜を形成し、さらに無電解めっき法により、約50nmの厚みのパラジウム被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板3を作製した。
実施例4
316Lステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。スズ源として塩化スズ試薬、インジウム源として塩化インジウム試薬を用いたペーストをロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、600℃大気中で焼成することにより、316Lステンレス鋼の表面に導電性酸化物であるスズ/インジウム複合酸化物膜を形成し、さらに電解めっき法により、約50nmの厚みの金被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板4を作製した。
実施例5
304ステンレス製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。亜鉛源として塩化亜鉛試薬、白金源として塩化白金試薬を溶解した塩酸水溶液中に浸漬し、乾燥し、600℃大気中で焼成することにより、304ステンレスの表面に導電性酸化物である亜鉛/白金複合酸化物層を形成した。このサンプルを高真空チャンバー中で回転させながら、アークイオンプレーティング法により亜鉛/白金複合酸化物層の上に約50nmのパラジウム被膜を形成し、本発明複合層被覆金属板5を作製した。
実施例6
純チタン製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。これにルテニウム源として塩化ルテニウム試薬を使用した塩酸溶液中に浸漬した後、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、チタンの表面に導電性酸化物である酸化ルテニウム膜を形成し、さらに電解めっき法により、酸化ルテニウム膜の表面にそれぞれ約30nmの厚みの金被膜を形成し、真空中450℃で熱処理を行なうことにより本発明複合層被覆金属板6を作製した。
実施例7
純チタン製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。イリジウム源として塩化イリジウム酸試薬を使用したペーストを試料表面にスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を5回繰り返した後、500℃大気中で焼成することにより、チタンの表面に導電性酸化物である酸化イリジウム膜を形成し、このサンプルを高真空チャンバー中で回転させながら、アークイオンプレーティング法により、酸化インジウム膜の上に約50nmの厚みの金/イリジウム複合被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板7を作製した。
実施例8
純チタン製板を大気中350℃で予備酸化した後、ルテニウム源として塩化ルテニウム酸試薬を溶解した塩酸溶液中に浸漬した後、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、チタンの表面に導電性酸化物であるチタン/ルテニウム複合酸化物膜を形成し、さらに無電解めっき法により、約50nmの厚みの白金被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板8を作製した。
実施例9
チタン合金(Ti-6Al-4V合金)製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。レニウム源として塩化レニウム試薬を使用した塩酸溶液中に浸漬した後、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、チタン合金の表面に導電性酸化物である酸化レニウム層を形成した。このサンプルを高真空チャンバー中で回転させながら、アークイオンプレーティング法によりレニウム酸化物層の上に約50nmの白金被膜を形成し、本発明複合層被覆金属板9を作製した。
実施例10
ニッケル合金(商品名:ハステロイ C-22)製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。イリジウム源として塩化イリジウム酸と白金源として塩化白金酸を溶解したペーストをロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、600℃大気中で焼成することにより、ニッケル合金の表面に導電性酸化物である白金/イリジウム複合酸化物膜を形成し、これをアルゴンガス中でプラズマアークにより表面をクリーニングした後、白金ターゲットを用いてスパッタリング法により、白金/イリジウム複合酸化物膜の上に約50nmの厚みの白金被膜を形成し、550℃、アルゴン-10%水素中で熱処理することにより本発明複合層被覆金属板10を作製した。
実施例11
純銅製板を水素雰囲気中400℃で加熱し、表面酸化膜を還元除去した。パラジウム源として塩化パラジウム、ルテニウム源として塩化ルテニウムを溶解したペーストをブラシで塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、銅板表面に導電性酸化物であるパラジウム/ルテニウム複合酸化物膜を形成し、さらに無電解めっき法により、約50nmの厚みのルテニウム被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板11を作製した。
実施例12
純ジルコニウム (JIS 2種) 製板を大気中400℃で予備酸化した後、イリジウム源として塩化イリジウム酸試薬を使用したペーストを試料表面にスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を5回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、ジルコニウム板の表面に導電性酸化物であるジルコニウム/イリジウム複合酸化物膜を形成し、これをアルゴンガス中でプラズマアークにより表面をクリーニングした後、白金ターゲットを用いてスパッタリング法により、ジルコニウム/イリジウム複合酸化物膜の上に約50nmの厚みの白金被膜を形成し、本発明複合層被覆金属板12を作製した。
実施例13
純ニオビウム製板を大気中、250℃で予備酸化したのち、さらにルテニウム源として塩化ルテニウム酸試薬を使用した塩酸水溶液中に浸漬し、乾燥し、500℃大気中で焼成することにより、ニオビウム板の表面に導電性酸化物であるニオビウム/ルテニウム複合酸化物膜を形成し、さらに電解めっき法によりニオビウム膜の上に、約50nmの厚みの白金被膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板13を作製した。
実施例14
316Lステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。イリジウム源として塩化イリジウム酸とタンタル源としてブチルタンタレートを溶解した溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、ステンレス鋼板の表面に導電性酸化物であるイリジウム/タンタル複合酸化物膜を形成し、OLE_LINK1この上に、平均粒径20nmの金微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液をスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、450℃真空中で焼成して、イリジウム/タンタル複合酸化物膜の表面に金の不連続膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板14を作製した。
実施例1OLE_LINK15
316Lステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。これにルテニウム源として塩化ルテニウム試薬を使用した溶液を試料表面にスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を5回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、316Lステンレス鋼製板の表面に導電性酸化物である酸化ルテニウム膜を形成し、この上に、平均粒径10nmの白金微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液をスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、450℃真空中で焼成して、酸化ルテニウム膜の表面に白金の不連続膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板15を作製した。
実施例16
304ステンレス鋼製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。スズ源として塩化スズ試薬、ルテニウム源として塩化ルテニウム試薬を用いた水溶液中に浸漬した後、乾燥し、600℃大気中で焼成することにより、304ステンレス鋼の表面に導電性酸化物であるスズ/ルテニウム複合酸化物膜を形成した。塩化ルテニウム水和物試薬をエタノール溶媒に溶解し、同時に保護剤としてポリビニルピロリドンを添加し、よく攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウムを加えて還元することによりルテニウム微粒子を液中に懸濁形成させ、遠心分離機を用いてルテニウム微粒子を分離した。この様にして得られたルテニウム微粒子をエタノール中に分散させたコロイド溶液を得た。この溶液を試料表面にブラシで塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、500℃真空中で焼成してスズ/ルテニウム複合酸化物膜の表面にルテニウムの不連続膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板16を作製した。
実施例17
チタン合金(Ti-6Al-4V合金)製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。イリジウム源として塩化イリジウムを溶解した溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を2回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、市販のチタン合金表面に導電性酸化物であるイリジウム酸化物膜を形成し、この上に、平均粒径20nmの金微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、それを裏返して、同様に塗布と乾燥する工程を2回繰り返した後400℃真空中で焼成することにより、イリジウム酸化物膜表面に金の不連続膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板17を作製した。
実施例18
純チタン製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。これにルテニウム源として塩化ルテニウム試薬を溶解した塩酸溶液中に浸漬した後、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、チタンの表面に導電性酸化物である酸化ルテニウム膜を形成した。この上に、平均粒径10nmの金微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液をスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、300℃真空中で焼成して、酸化ルテニウム膜の表面に金の不連続膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板18を作製した。
実施例19
純チタン製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。イリジウム源として塩化イリジウム酸とタンタル源としてブチルタンタレートを溶解した溶液を試料表面にスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を5回繰り返した後、500℃大気中で焼成することにより、チタンの表面に導電性酸化物であるイリジウム/タンタル複合酸化物膜を形成した。塩化イリジウム試薬をエタノール溶媒に溶解し、同時に保護剤としてポリビニルピロリドンを添加し、よく攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウムを加えて還元することによりイリジウム微粒子を液中に懸濁形成させ、遠心分離機を用いてイリジウム微粒子を分離した。この様にして得られたイリジウム微粒子をエタノール中に分散させたコロイド溶液を得た。このコロイド溶液中にポリウレタンスポンジをつけ、溶液を含ませた後、スポンジ表面に軽く試験サンプルを押付けて試験サンプル表面にイリジウム微粒子をつけた後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、500℃真空中で焼成することにより、イリジウム/タンタル複合酸化物膜表面にイリジウム不連続膜を形成させ、本発明複合層被覆金属板19を作製した。
実施例20
純チタン製板を大気中250℃で予備酸化した後、ルテニウム源として塩化ルテニウム試薬を溶解した塩酸溶液中に浸漬し、乾燥した後、再度、浸漬、乾燥を繰り返し、最後に450℃大気中で焼成することにより、チタンの表面に導電性酸化物であるチタン/ルテニウム複合酸化物膜を形成した。これを平均粒径10nmの白金微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液中に浸漬し、乾燥した後、450℃真空中で焼成して、チタン/ルテニウム複合酸化物膜の表面に白金の不連続膜を形成することにより本発明複合層被覆金属板20を作製した。
実施例21
ニッケル合金(商品名:ハステロイ C-22)製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。パラジウム源として塩化パラジウム試薬を溶解した溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、400℃大気中で焼成することにより、ニッケル合金の表面に導電性酸化物であるパラジウム酸化物膜を形成した。この上に、平均粒径20nmの金微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を2回繰り返した後、350℃真空中で焼成することにより、パラジウム酸化物膜の表面に金の不連続膜を形成させ、本発明複合層被覆金属板21を作製した。
実施例22
アルミ合金(JIS A5052)製板をイリジウム源として塩化イリジウムとチタン源としてブチルチタネートを溶解した塩酸溶液中に浸漬し、乾燥し、400℃大気中で焼成する事によりアルミ合金表面に導電性酸化物であるイリジウム/チタン複合酸化物膜を形成した。次に塩化パラジウム試薬をエタノール溶媒に溶解し、同時に保護剤としてポリビニルピロリドンを添加し、よく攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウムを加えて還元することによりパラジウム微粒子を液中に懸濁形成させ、遠心分離機を用いてパラジウム微粒子を分離した。この様にして得られたパラジウム微粒子をエタノール中に分散させたコロイド溶液を得た。このコロイド溶液を試料表面にスプレー吹付法により塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を5回繰り返した後、450℃、アルゴン−10%水素雰囲気中で焼成することにより、イリジウム/チタン複合酸化物膜の表面にパラジウム不連続膜を形成し、本発明複合層被覆金属板22を作製した。
実施例23
高純度銅製板を水素雰囲気中400℃で加熱し、表面酸化膜を還元除去した。イリジウム源として塩化イリジウム酸を溶解した溶液をブラシで塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、銅板表面に導電性酸化物であるイリジウム酸化物膜を形成した。この上に実施例16に示した方法と同様に作製したルテニウムコロイド溶液をブラシで塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行った後、450℃真空中で焼成することにより、イリジウム酸化物膜表面にルテニウム不連続膜を形成し、本発明複合層被覆金属板23を作製した。
実施例24
純ジルコニウム(JIS 2種)製板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去した。ジルコニウム源として、オキシ塩化ジルコニウム、ルテニウム源として塩化ルテニウム酸試薬を使用した溶液を試料表面にブラシで塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、450℃大気中で焼成することにより、ジルコニウム板表面に導電性酸化物であるジルコニウム/ルテニウム複合酸化物膜を形成した。塩化ロジウム水和物試薬をエタノール溶媒に溶解し、同時に保護剤としてポリビニルピロリドンを添加し、よく攪拌した後、水素化ホウ素ナトリウムを加えて還元することによりロジウム微粒子を液中に懸濁形成させ、遠心分離機を用いてロジウム微粒子を分離した。この様にして得られたロジウム微粒子をエタノール中に分散させたコロイド溶液を得た。このコロイド溶液にポリウレタンスポンジをつけ、溶液を含ませた後、スポンジの表面に軽く試験サンプルを押付けて試験サンプル表面にロジウム微粒子をつけた後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を3回繰り返した後、450℃真空中で焼成することにより、ジルコニウム/ルテニウム複合酸化物膜表面にロジウム不連続膜を形成させ、本発明複合層被覆金属板24を作製した。
実施例25
純ニオビウム製板を350℃大気中で予備酸化させた後、イリジウム源として塩化イリジウム試薬、白金源として塩化白金試薬を溶解した塩酸水溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、裏返して再度、塗布、乾燥という工程を3回繰り返した後、500℃大気中で焼成することにより、ニオビウム板の表面に導電性酸化物であるイリジウム/白金複合酸化物膜を形成した。この上に、平均粒径10nmの白金微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液をロール転写法により試験片表面に塗布した後、乾燥し、裏返して、再度この塗布と乾燥を行うという工程を2回繰り返した後、350℃真空中で焼成することにより、イリジウム/白金複合酸化物膜の表面に白金の不連続膜を形成させ、本発明複合層被覆金属板25を作製した。
従来例1
純チタン板を沸騰している20% 塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去し、ついで、タンタル源としてブチルタンタレート、イリジウム源として塩化イリジウム試薬を使用した塩酸水溶液中に浸漬し、乾燥し、500℃大気中で焼成することにより、純チタン板の表面に導電性酸化物であるタンタル/イリジウム複合酸化物層を形成することにより従来導電性酸化物被覆板1を作製した。
従来例2
316Lステンレス鋼板を沸騰している20%塩酸水溶液中で1分間煮沸し、イオン交換水で洗浄、乾燥させ表面酸化膜を除去し、次いでチタン源としてブチルチタネート、レニウム源として塩化レニウム試薬を使用した塩酸水溶液中に浸漬し、乾燥し、450℃大気中で焼成することにより、316Lステンレス鋼板の表面に導電性酸化物であるチタン/レニウム複合酸化物層を形成することにより従来導電性酸化物被覆板2を作製した。
実施例1〜25で得られた本発明複合層被覆金属板1〜25および従来例1〜2で得られた従来導電性酸化物被覆板1〜2についてそれぞれ縦:60mm、横:60mm、厚さ:30mmの寸法を有する2個の銅製ブロック(上下面平行度調整済、試料接触面は鏡面)間に、銅製ブロックと中心を合わせるように本発明複合層被覆金属板1〜25および従来導電性酸化物層被覆板1〜2をそれぞれ挟み、油圧プレスを用いて、銅製ブロックの上から、本発明複合層被覆金属板1〜25および従来導電性酸化物層被覆多孔質板1〜2にそれぞれ0.5MPaの負荷をかけ、銅製ブロックに取り付けた電極間の抵抗値を端子直流4端子方式の微小抵抗測定計(HIOKIミリオームハイテスタ3227)により測定し、得られた抵抗値から接触抵抗値を算出し、その結果を表1に示した。
次に、本発明複合層被覆金属板1〜25および従来導電性酸化物層被覆板1〜2を150mlのpH2.00の硫酸溶液中に浸漬した後、容器を密閉した状態で80℃の恒温槽中に静置し1000時間放置したのち取り出す腐食試験を実施し、腐食試験後の本発明複合層被覆金属板1〜25および従来導電性酸化物層被覆板1〜2の抵抗値を端子直流4端子方式の微小抵抗測定計(HIOKIミリオームハイテスタ3227)により測定し、得られた抵抗値から接触抵抗値を算出し、その結果を表1に示した。
表1に示される効果から、本発明複合層被覆金属板1〜25と従来導電性酸化物層被覆多孔質板1〜2を比較すると、本発明複合層被覆金属板1〜25は従来導電性酸化物層被覆多孔質板1〜2に比べて、導電性酸化物被膜と最表面電気伝導層の効果により優れた初期接触抵抗を示すこと、腐食環境中に長期間曝されても導電性酸化物被膜は安定であることから接触抵抗はほとんど変化しないこと、などがわかる。
1:バイポーラプレート、2:ガス拡散電極、3:触媒層、4:電解質、5:基体、6:導電性酸化物膜、7:金属膜、7´:島状の膜、10:燃料電池セル、11:空気通路、12:燃料ガス通路
Claims (5)
- Ti,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる耐食金属板またはTi,Ni,Cu,Fe,Al,Ta,Nb,Zrまたはこれらの合金からなる独立気泡を有する耐食金属多孔質体からなる基体の表面に、Pt,Ir,Ru,Pd,Ti,Ta,Nb,Zr,Co,Ni,Sn,In,Zn,Reのうちの少なくとも1種の元素を含有する導電性酸化物膜が形成されており、さらにこれら導電性酸化物膜の上に、Au、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜が形成されていることを特徴とする酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板。
- 請求項1記載のAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜は、前記導電性酸化物膜全体を被覆するように形成されていることを特徴とする酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板。
- 請求項1記載のAu、Pt、Pd,Ir,Ru,Rhのうちの少なくとも1種からなる貴金属またはそれらの合金からなる金属膜は、前記導電性酸化物膜が一部露出する不連続金属膜であることを特徴とする酸化性環境下に長期間さらされても接触抵抗が増加することの少ない複合層被覆金属板。
- 請求項1、2または3記載の複合層被覆金属板からなることを特徴とする燃料電池用バイポーラプレート材。
- 請求項4記載の燃料電池用バイポーラプレート材を有する燃料電池。
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