JP2008002874A - インク粘度検出方法及びインクジェット方式画像形成装置 - Google Patents

インク粘度検出方法及びインクジェット方式画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル内のインク粘度を容易に検出できるインク粘度検出方法を提供する。
【解決手段】ロール紙Pのうち主滴mと副滴sが着弾した部分を読み込んだ画像を2値化する。2値化することにより、読み込まれたロール紙Pの画像は「0」又は「1」の領域に別けられる。この領域「1」は、主滴m又は副滴sが存在する、Y軸(矢印A方向に直交する軸)に平行な領域である。領域「0」は、主滴mも副滴sも存在しない、Y軸に平行な領域である。このように領域「1」と「0」に別けて、各領域「1」、「0」のX軸(矢印A方向に平行な軸))成分に着目する。2つの領域「1」に挟まれた領域「0」のX軸成分の長さは、距離L2に等しい。また、2つの領域「1」のX軸成分の長さと、距離L2とを足したものが距離L3となる。主滴mと副滴sの着弾距離Lは、上記のようにして得られたL2,L3から計算する。
【選択図】図4

Description

本発明は、記録ヘッドに形成されたノズル内のインクの粘度を検出するインク粘度検出方法、及び記録ヘッドに形成されたノズル内のインクの粘度が検出されるインクジェット方式画像形成装置に関する。
記録ヘッド(印字ヘッド)に形成された複数のノズルからインク(インク滴)を吐出して記録媒体に着弾させることにより画像を形成するインクジェット方式画像形成装置(インクジェットプリンタ)が広く使用されている。ノズルからインク滴を吐出させる技術の一つとして、駆動パルスに応じた熱エネルギをノズル内のインクに供給して膜沸騰による気泡を形成させ、この気泡によってノズルからインク滴を吐出させる技術が知られている。形成される画像に応じた多数のインク滴が複数のノズルから記録媒体に吐出されることにより記録媒体に画像が形成される(例えば、特許文献1参照。)。
上記のような技術を採用したインクジェットプリンタのなかには、周知の回復動作等の際にノズルから排出したインクを画像形成に再び使用するリサイクルタイプのものがある。このリサイクルタイプのインクジェットプリンタでは、リサイクル中にインクから水分が蒸発してインクの色材濃度が上昇して増粘する(インクの粘度が高くなる)ことがある。このインク増粘のため印刷画像が乱れる(インクが安定して吐出しない)など所望の画像が得られないという問題がある。
特開2000−62182号公報
ところで、周知のように回復動作の際には、記録ヘッドのフェイス面(複数のノズルのインク吐出口が形成された面)をゴム製のキャップで塞いでおき、このキャップにインク吐出口からインクを排出する。キャップ内に吐出されたインクは回収されて再利用される。
水分の蒸発の影響を受け易い顔料インクなどをインクとして用いた場合、印字待機中や電源OFF時に、キャップに吐出されたインクからは水分が蒸発するのでインクが増粘して顔料が凝集する。このため、インク循環経路を経由させてインク収納部にインクを回収する際に、凝集した顔料がインク流路を塞いでしまってインク漏れ等を発生するおそれがある。
上記のような問題を防止するためには、インクの粘度を検知して粘度が高すぎるときは、インクに水を補給してインク粘度を下げるなどの方法が考えられる。インクの粘度を検出する技術としては、インクの吸光度などを測定する専用の測定機器が、インクジェットプリンタとは別途に必要になる。このため、インクジェットプリンタのユーザがインク粘度を簡易に検出することは難しい。
本発明は、上記事情に鑑み、ノズル内のインク粘度を容易に検出できるインク粘度検出方法及びインクジェット方式画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明のインク粘度検出方法は、記録ヘッドに形成されたノズルからインク滴を吐出して記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェット方式画像形成装置における、前記ノズル内のインクの粘度を検出するインク粘度検出方法において、
(1)前記ノズルから吐出された一つのインク滴が分裂して生成した主滴と副滴の着弾位置から計算される着弾距離に基づいて、前記ノズル内のインクの粘度を検出することを特徴とするものである。
ここで、
(2)前記ノズル内に所定範囲内の量のインクが満たされている条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出してもよい。
さらに、
(3)前記記録ヘッドから記録媒体までの距離及び該記録媒体の搬送速度双方が一定の条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出してもよい。
さらにまた、
(4)前記着弾距離が長いほど前記ノズル内のインクの粘度が増加していると判断してもよい。
さらにまた、
(5)前記ノズルから吐出されて記録媒体に着弾した主滴及び副滴の画像を読み込んで、この読み込んだ画像に基づいて前記着弾距離を測定してもよい。
また、上記目的を達成するための本発明のインクジェット方式画像形成装置は、記録ヘッドに形成されたノズルからインク滴を吐出して記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェット方式画像形成装置において、
(6)記録媒体に着弾したインク滴を読み込む読込手段と、
(7)該読込手段が読み込んだ一つのインク滴の主滴の着弾位置から副滴の着弾位置までの着弾距離を演算してこの演算結果に基づいて、前記ノズル内のインクの粘度を検出するインク粘度検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(8)前記インク粘度検出手段は、前記ノズル内に所定範囲内の量のインクが満たされている条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出するものであってもよい。
さらに、
(9)前記インク粘度検出手段は、前記記録ヘッドから記録媒体までの距離及び該記録媒体の搬送速度双方が一定の条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出するものであってもよい。
さらにまた、
(10)前記インク粘度検出手段は、前記着弾距離が長いほど前記ノズル内のインクの粘度が増加していると判断するものであってもよい。
本発明によれば、記録ヘッドのノズルから吐出された一つのインク滴の主滴の着弾位置から副滴の着弾位置までの着弾距離に基づいてノズル内のインクの粘度を検出するので、別途の機器によってインクの吸光度などを測定する必要が無い。このため、ノズル内のインク粘度を容易に検出できることとなる。
本発明は、記録ヘッドに形成された複数のノズルからインクを吐出して記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェットプリンタに実現された。
図1を参照して、本発明のインク粘度検出方法を実行できるプリンタの一例を説明する。
図1は、本発明のインク粘度検出方法を実行できるプリンタの一例を模式的に示す正面図である。
プリンタ10は、このプリンタ10に画像情報を送るホストPC(パソコン)12に接続されている。プリンタ10には、4つ(4本)の記録ヘッド22K、22C、22M、22Yが記録媒体(ここではロ−ル紙)Pの搬送方向(矢印A方向)に並んで配置されている。4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yからはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの各色のインクが吐出される。これら4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、所謂ラインヘッドであり、図1の紙面に直交する方向(矢印A方向に直交する方向)に延びている。これら4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの長さは、プリンタ10で印字できる記録媒体のうち最大の幅(図1の紙面に直交する方向の長さ)よりもやや長い。また、これら4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yは、画像形成中は固定されて動かない(不動状態である)。
4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yから安定してインクを吐出できるように、プリンタ10には回復ユニット40が組み込まれている。この回復ユニット40を用いて4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yを回復させることにより、4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yからのインク吐出状態は初期のインク吐出状態に回復する。回復ユニット40には、回復動作のときに4つの記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの各インク吐出口が形成されたインク吐出口形成面(フェイス面)22Ks、22Cs、22Ms、22Ysからインクを除去するキャッピング機構50が備えられている。キャッピング機構50は各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに独立して設けられており、図1の例では6色分(即ち、6つのキャッピング機構50)が示されているが、このうち2色分は記録ヘッド追加時の予備的な機構である。キャッピング機構50は、周知のブレード、インク除去部材、ブレード保持部材、キャップ等から構成されている。
ロ−ル紙Pはロール紙供給ユニット24から供給されて、プリンタ10に組み込まれた搬送機構26によって矢印A方向に搬送される。搬送機構26は、ロ−ル紙Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、この搬送ベルト26aを回転させる搬送モータ26b、搬送ベルト26aに張力を与えるローラ26cなどから構成されている。
ロ−ル紙Pに画像を形成する際には、搬送中のロ−ル紙Pの記録開始位置がブラックの記録ヘッド22Kの下に到達した後に、記録データ(画像情報)に基づいて記録ヘッド22Kからブラックインクを選択的に吐出する。同様に記録ヘッド22C、記録ヘッド22M、記録ヘッド22Yの順に、各色のインクを吐出してカラー画像をロ−ル紙Pに形成する。記録ヘッド22Yよりも搬送方向(矢印A方向)のやや下流側(ローラ26cよりも搬送方向のやや上流側)には、ロール紙Pに着弾したインク滴を読み込むカメラ131(本発明にいう読込手段の一例である)が配置されている。このカメラ131は、ロール紙Pのうち予め指定しておいた部分(場所)に印刷された主滴と副滴を撮影するために設置されている。この主滴と副滴は、各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの各ノズルから吐出された一つのインク滴が分裂して生成したものであり、後述するように主滴と副滴に別れてロール紙Pに着弾する。カメラ131は、ロール紙Pに着弾した、一つのインク滴から生成した主滴と副滴を読み込む。これにより、主滴と副滴がロール紙Pに着弾した着弾位置それぞれが判明する。プリンタ10では、主滴の着弾位置から副滴の着弾位置までの距離(着弾距離)に基づいて、この一つのインク滴を吐出したノズル内のインクの粘度が検出される。なお、プリンタ10には、上記の部品・部材の他、各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに供給されるインクを貯めておくメインタンク28K、28C、28M、28Yや、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yにインクを供給したり回復動作をしたりするための各種ポンプ(図示せず)などが備えられている。
図2を参照して、プリンタ10の電気的な系統を説明する。
図2は、図1のプリンタの電気的な系統を示すブロック図である。
ホストPC12から送信された記録データやコマンドはインターフェイスコントローラ102を介してCPU100(本発明にいうインク粘度検出手段の一例である)に受信される。CPU100は、プリンタ10の記録データの受信、記録動作、ロ−ル紙Pのハンドリング等全般の制御を掌る演算処理装置である。CPU100では、受信したコマンドを解析した後に、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ106にビットマップ展開して描画する。記録前の動作処理としては、出力ポート114、モータ駆動部116を介してキャッピングモータ122とヘッドアップダウンモータ118を駆動し、各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yをキャッピング機構50から離して記録位置(画像形成位置)に移動させる。
続いて、出力ポート114、モータ駆動部116を介してロ−ル紙Pを繰り出すロールモータ(図示せず)、及び低速度でロ−ル紙Pを搬送する搬送モータ120等を駆動してロ−ル紙Pを記録位置に搬送する。一定速度で搬送されるロ−ル紙Pにインクを吐出し始めるタイミング(記録タイミング)を決定するための先端検知センサ(図示せず)でロ−ル紙Pの先端位置を検出する。その後、ロ−ル紙Pの搬送に同期して、CPU100はイメージメモリ106から対応する色の記録データを順次に読み出し、この読み出したデータを各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yに記録ヘッド制御回路112を経由して(介して)転送する。
CPU100の動作は、プログラムROM104に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM104には、制御フローに対応する処理プログラム及びテーブルなどが記憶されている。後述するインク粘度検出方法の手順、このインク粘度検出方法に関する画像処理方法はプログラムROM104に記憶されている。また、作業用のメモリとしてワークRAM108を使用する。各記録ヘッド22K、22C、22M、22Yのクリーニングや回復動作時に、CPU100は、出力ポート114、モータ駆動部116を介してポンプモータ124を駆動し、インクの加圧、吸引等の制御を行う。さらに、主滴と副滴が着弾したロール紙Pをカメラ131で撮影する(読み込む)ときには、CPU100がカメラ制御回路130を介してカメラ131を制御する。ここでは、CPU100が、本発明にいうインク粘度検出手段の一例に相当する。即ち、CPU100では、カメラ131が読み込んだ一つのインク滴の主滴の着弾位置から副滴の着弾位置までの着弾距離を演算してこの演算結果に基づいて、ノズル内のインクの粘度を検出する。
図3を参照して、一つのノズルから吐出された一つのインク滴が主滴と副滴に別れてロール紙Pに着弾することについて説明する。
図3(a)は、発熱体を発熱させる前の待機状態を示す模式図であり、(b)は、発熱体が発熱してインク中に泡が発生すると同時にインク吐出口からインクが押し出された状態を示す模式図であり、(c)は、消泡すると共にインク吐出口から吐出したインク滴が主滴と副滴に分離した状態を示す模式図であり、(d)は、主滴が記録媒体に着弾した状態を示す模式図であり、(e)は、主滴に遅れて副滴が記録媒体に着弾した状態を示す模式図である。図3には、1つのノズル22Knを示すが、記録ヘッド22Kには多数のノズルが形成されている。
発熱体を発熱させる前の待機状態では、ノズル22Kn内のインクには水頭差に相当する負圧が作用しており、このため、(a)に示すように、インク吐出口154にはメニスカスMが形成されている。この待機状態のときに、ホストPC12(図1参照)から印刷データ(画像情報)がプリンタ10へ送られ、この印刷データが記録ヘッド22Kにヒート信号として送られる。これにより発熱体152が発熱して、(b)に示すように、発熱体152の界面からインク中に泡Bが生じる(発泡する)と同時にインク吐出口154の近傍のインクがインク吐出口154からインク吐出方向(矢印D方向)に押し出される。
続いて、発熱体152の発熱が終了すると共に、生じた泡Bは消滅し(消泡し)、同時に、(c)に示すように、メニスカスMはノズル22Knの奥の位置まで後退する。一方、吐出されたインク滴Idは、主滴mと副滴(サテライト)sに分離する。副滴sは、(c)に示すようなメニスカスMの後退の影響を受けて、インク吐出方向(矢印D方向)とは反対方向のベクトルの力を受けるので、主滴mよりも吐出速度が遅くなる。インク吐出口154からインク滴Idが吐出した後、後退したメニスカスMの位置は、ノズルKnの毛細管力(リフィル)によって、(d)に示すように待機状態まで復帰する。一方、吐出したインク滴Idの主滴mは、搬送中の記録媒体P上に着弾する。主滴mが記録媒体Pに着弾した後、サテライトsがこの記録媒体Pに着弾するまでの間、記録媒体Pは矢印A方向(搬送方向)に搬送される(移動する)ので、(e)に示すように、記録媒体Pの主滴m(記録媒体Pに吸収されている)が着弾した位置よりも矢印A方向上流側に副滴sが着弾する。この結果、主滴mと副滴sでは、着弾位置にズレL1が発生する。このズレL1は、一つのインク滴の主滴mがロール紙Pに着弾した着弾位置から、この一つのインク滴の副滴sがロール紙Pに着弾した着弾位置までの距離であり、本発明では着弾距離L1としている。ノズル22Knから吐出される主滴の吐出速度をVmとし、ノズル22Knから吐出される副滴の吐出速度をVsとした場合、着弾距離L1は、下記の数1に示されるように主滴と副滴の吐出速度に依存している。また、数1のhは、記録ヘッド22Kからロール紙P(印刷面)までの距離を表し、Bは印刷速度(ロール紙Pの搬送速度(移動速度))を表す。

Figure 2008002874
本発明では、インクの粘度と主滴及び副滴の吐出速度との関係に着目し、主滴と副滴の吐出速度に起因する着弾距離L1に基づいて、ノズル22Kn内のインクの増粘の度合い(粘度)を検出する。この場合、ノズル22Knにインク供給が間に合っていない(ノズル22Kn内に所定範囲内の量のインクが満たされていない)ときは、メニスカスMが後退し、ノズル22Knから吐出されるインクの量が減少する。このため、主滴と副滴の吐出速度が変わってしまう。そこで、本発明では、ノズル22Knへのインク供給が不足しないこと(ノズル22Kn内に所定範囲内の量のインクが満たされていること)を条件としている。
図4を参照して、着弾距離L1を求める方法の一例を説明する。
図4は、一つのインク滴の主滴mと副滴sが着弾したロール紙Pを示す平面図である。この図では、図3に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号が付されている。また、主滴mと副滴sは円形とみなしている。図中のL1は主滴mの円の中心から副滴sの円の中心までの距離を示し、L2は、主滴mと副滴sの最も近い部分の距離(内側の両端の距離)を示し、L3は、主滴mと副滴sの最も遠い部分の距離(外側の両端の距離)を示している。本発明では、上記のL1を着弾距離Lとする。
L1を得るに当たっては、先ず、ロール紙Pのうち、一つのインク滴(複数のインク滴でもよい)の主滴mと副滴sが着弾した部分をカメラ131(図1参照)で撮影して読み込む。カメラ131としては、100倍程度のレンズを備えたCCDカメラであり、光源を有するものが好ましく、例えば、KYENCE社製のVH8000C(商品名)などが挙げられる。
ロール紙Pのうち主滴mと副滴sが着弾した部分をカメラ131(図1参照)で読み込んだ後、この読み込んだ画像を2値化する。2値化することにより、読み込まれたロール紙Pの画像は「0」又は「1」の領域に別けられる。この領域「1」は、図4に示すように、主滴m又は副滴sが存在する、Y軸(矢印A方向(ロール紙Pの搬送方向)に直交する軸)に平行な領域である。領域「0」は、図4に示すように、主滴mも副滴sも存在しない、Y軸に平行な領域である。このように領域「1」と「0」に別けて、各領域「1」、「0」のX軸(矢印A方向に平行な軸))成分に着目する。2つの領域「1」に挟まれた領域「0」のX軸成分の長さは、距離L2に等しい。また、2つの領域「1」のX軸成分の長さと、距離L2とを足したものが距離L3となる。
主滴mと副滴sの着弾距離Lは、上記のようにして得られたL2,L3と下記の数2によって計算することができる。ここで、着弾距離L及び上記の距離L2,L3の演算は、図2のプログラムROM104に格納されている画像処理ソフト(例えば、Media Cybernetics社製の「Image−Pro(商品名)」)によってCPU100(図2参照)で行われる。このようにして得られた着弾距離Lに基づいて、ノズル22Kn内のインクの粘度が検出される。

Figure 2008002874
着弾距離Lとインクの粘度には一定の関係があり、この関係によって、着弾距離Lからインクの粘度が検出される。この関係について、図5を参照して説明する。
図5(a)は、インクの粘度とインク滴(主滴及び副滴)の吐出速度との関係を示すグラフであり、(b)は、インクの粘度と着弾距離Lとの関係を示すグラフである。
(a)に示すように、主滴mと副滴sの吐出速度は、インクの粘度が増加するに伴って減少し、インクの粘度が減少するに伴って増加している。この理由を説明する。図3に示すようにノズル22Knからインクが吐出される場合、発熱体152が発熱したときに泡Bが発生してインクをインク吐出154から押し出す。この場合、インクの粘度が増加しているほど、ノズル22Kn内のインクとノズル22Knの壁との抵抗が大きくなる。このため、一定のエネルギーを発熱体に投入しても、インクの粘度によってインクが移動できる量に差が生じる。これが、インクの粘度に応じてインク吐出速度が変化する原因となっている。
図5(a)に示すグラフと上記の数1に基づいて、インクの粘度と着弾距離Lは、図5(b)のように表される。この場合、記録ヘッド22Kからロール紙P(印刷面)までの距離hと、印刷速度(ロール紙Pの搬送速度(移動速度))Bは一定としている。ここでは、顔料インクを使用して、距離hを1.5mm、印刷速度Bを15m/minとした。
図5(b)に示すようにインクの粘度が増加するに伴って着弾距離Lが増加する理由は、図5(a)に示すように主滴mと副滴sの吐出速度がインク粘度の増加に伴って減少しているからである。即ち、主滴mがロール紙Pに着弾してから副滴sが着弾するまでに要する時間が、インク吐出速度の減少に伴って長くなったからであるといえる。上記のようにして着弾距離Lを測定することによって、ノズル内のインクの粘度を検出できる。上記の方法では、一つのインク滴について着弾距離Lを測定してインク粘度を検出したが、複数のインク滴について着弾距離Lを測定して平均値を出し、この平均値に基づいてインク粘度を検出することにより、いっそう正確にインク粘度を検出できる。この方法について、図6を参照して説明する。
図6(a)は、インク粘度を検出するためにロール紙Pに形成したテストパターンを示す平面図であり、(b)は、(a)の破線内を拡大して示す拡大図である。
(a)に示すパターンは単色で形成されており、各色でこのパターンを印刷することにより各色のインクの粘度を検出できる。図中のNは印字ライン単位で、(a)に示すようなパターンを印刷し、このパターン中の例えば5ドット(5つのインク滴)をカメラ131(図2参照)で撮影し、上述した画像解析を行う。
各ノズルから吐出されたインクが重なって互いに影響を及ぼさないように、例えば8ノズルおきにインクを吐出させる。また、一つのノズルから吐出された一つのインク滴から生成した副滴sが、このノズルから次に吐出された一つのインク滴から生成した主滴に重ならないように例えば5ドットおきにインクを吐出させて印字を行っている。このパターンを印字し、カメラ131(図2参照)でドットを撮影し手上記の画像解析を行ってインクの粘度を検出する。この場合、上記の例では5ドット(5つのインク滴)の着弾距離Lを求めてそれらの平均値を着弾距離Lとして、この平均値に基づいてインクの粘度を検出する。
図7を参照して、上記のテストパターン形成からインク粘度の検出までの手順の一例を説明する。
図7は、テストパターン形成からインク粘度の検出までの手順の一例を示すフロー図である。
このフローは、テストパターンの印刷が指令されることにより起動する。また、この手順は、図2に示したプログラムROM104に格納されたプログラム等に従ってCPU100(図2参照)が実行する。先ず、ホストPC12(図1参照)からテストパターン(図6参照)を送信し、テストパターンの印刷を開始する。(S701)。続いて、テストパターン中のドット径を撮影する(S702)。プログラムROM104(図2参照)に格納された画像処理プログラムを利用して、撮影したドットの画像処理を行い、図4のL2,L3の値を算出する(S703)。算出したL2,L3の結果から数2を用いてL1を算出する(S704)。L1の値を5回測定しているか判定する(S705)。5回測定した場合は、印刷を終了して(S706)、印刷待機モードに移行する。(S707)。図6に示す粘度−主滴・副滴着弾距離プロファイルはCPU100(図2参照)に記憶されているので、これを参照して着弾距離Lの値に基づいてノズル内のインクの粘度を算出する(S708)。算出して得られたインクの粘度から、増粘しているかどうか判定する(S709)。インクが増粘している(所定の粘度よりも高い)場合のみにエラーを表示後(S710)、印刷終了(エンド)となる。インクが増粘していない場合はそのまま印刷終了(エンド)となる。なお、インクが増粘していると判定されたときは、サブタンク(図示せず)内に水を補給してインクの粘度を所定の粘度に下げる。
上記の実施例では、記録ヘッドを印刷装置内の定位置に固定しておき、ロール紙Pなどの印刷媒体を移動させて画像を形成するいわゆるラインプリンタ型の印刷装置に適用した場合を例に挙げたが、本発明は、記録ヘッドを記録媒体搬送方向に直交する方向(主走査方向)に移動させながら記録動作を行う、いわゆるシリアルプリンタ型の印刷装置にも適用可能である。
本発明のインク粘度検出方法を実行できるプリンタの一例を模式的に示す正面図である。 図1のプリンタの電気的な系統を示すブロック図である。 (a)は、発熱体を発熱させる前の待機状態を示す模式図であり、(b)は、発熱体が発熱してインク中に泡が発生すると同時にインク吐出口からインクが押し出された状態を示す模式図であり、(c)は、消泡すると共にインク吐出口から吐出したインク滴が主滴と副滴に分離した状態を示す模式図であり、(d)は、主滴が記録媒体に着弾した状態を示す模式図であり、(e)は、主滴に遅れて副滴が記録媒体に着弾した状態を示す模式図である。 一つのインク滴の主滴mと副滴sが着弾したロール紙Pを示す平面図である。 (a)は、インクの粘度とインク滴(主滴及び副滴)の吐出速度との関係を示すグラフであり、(b)は、インクの粘度と着弾距離Lとの関係を示すグラフである。 (a)は、インク粘度を検出するためにロール紙Pに形成したテストパターンを示す平面図であり、(b)は、(a)の破線内を拡大して示す拡大図である。 テストパターン形成からインク粘度の検出までの手順の一例を示すフロー図である。
符号の説明
10 プリンタ
22K、22C、22M、22Y 記録ヘッド
22Kn ノズル
100 CPU
131 カメラ

Claims (9)

  1. 記録ヘッドに形成されたノズルからインク滴を吐出して記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェット方式画像形成装置における、前記ノズル内のインクの粘度を検出するインク粘度検出方法において、
    前記ノズルから吐出された一つのインク滴の主滴が分裂して生成した主滴と副滴の着弾位置から計算される着弾距離に基づいて、前記ノズル内のインクの粘度を検出することを特徴とするインク粘度検出方法。
  2. 前記ノズル内に所定範囲内の量のインクが満たされている条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出することを特徴とする請求項1に記載のインク粘度検出方法。
  3. 前記記録ヘッドから記録媒体までの距離及び該記録媒体の搬送速度双方が一定の条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載のインク粘度検出方法。
  4. 前記着弾距離が長いほど前記ノズル内のインクの粘度が増加していると判断することを特徴とする請求項1、2、又は3に記載のインク粘度検出方法。
  5. 前記ノズルから吐出されて記録媒体に着弾した主滴及び副滴の画像を読み込んで、この読み込んだ画像に基づいて前記着弾距離を測定することを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載のインク粘度検出方法。
  6. 記録ヘッドに形成されたノズルからインク滴を吐出して記録媒体に着弾させて画像を形成するインクジェット方式画像形成装置において、
    記録媒体に着弾したインク滴を読み込む読込手段と、
    該読込手段が読み込んだ一つのインク滴の主滴の着弾位置から副滴の着弾位置までの着弾距離を演算してこの演算結果に基づいて、前記ノズル内のインクの粘度を検出するインク粘度検出手段とを備えたことを特徴とするインクジェット方式画像形成装置。
  7. 前記インク粘度検出手段は、
    前記ノズル内に所定範囲内の量のインクが満たされている条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出するものであることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット方式画像形成装置。
  8. 前記インク粘度検出手段は、
    前記記録ヘッドから記録媒体までの距離及び該記録媒体の搬送速度双方が一定の条件で、前記ノズル内のインクの粘度を検出するものであることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット方式画像形成装置。
  9. 前記インク粘度検出手段は、
    前記着弾距離が長いほど前記ノズル内のインクの粘度が増加していると判断するものであることを特徴とする請求項6、7、又は8に記載のインクジェット方式画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009285989A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Panasonic Corp ノズル回復方法及びインクジェット装置

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