JP2008002848A - 棒状回転工具の欠陥検査装置と欠陥検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像処理を用いて各棒状回転工具を、効率良く正確に検査することができる棒状回転工具の欠陥検査装置と欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】切削加工等に用いる棒状回転工具であるワーク16の回転軸を軸線として、これに垂直方向から観察可能な側面カメラ28により撮影された画像を用いて画像処理を行うことによりワーク16の欠陥を検出する画像処理ボード30等の画像処理装置を有する。ワーク16の軸線に同軸な円筒面に内向きに、LED34を複数配置したほぼ半円アーチ形の照明装置24を備える。照明装置24はワーク16に対して側面カメラ28が配置された側に位置し、ワーク16の外周面を均一に照明可能である。
【選択図】図1
【解決手段】切削加工等に用いる棒状回転工具であるワーク16の回転軸を軸線として、これに垂直方向から観察可能な側面カメラ28により撮影された画像を用いて画像処理を行うことによりワーク16の欠陥を検出する画像処理ボード30等の画像処理装置を有する。ワーク16の軸線に同軸な円筒面に内向きに、LED34を複数配置したほぼ半円アーチ形の照明装置24を備える。照明装置24はワーク16に対して側面カメラ28が配置された側に位置し、ワーク16の外周面を均一に照明可能である。
【選択図】図1
Description
この発明は、切削加工等を行う棒状の各種回転工具の刃先や刃面の欠陥を検査する棒状回転工具の欠陥検査装置と欠陥検査方法に関する。
従来、タップやドリル、エンドミル等の切削加工用の棒状回転工具は、切り刃先や刃面に欠陥があると加工精度や加工能率に悪影響を及ぼすため、製造工程で棒状回転工具の品質検査工程は、不可欠かつ重要である。しかし、このような棒状回転工具は、その径や刃高、刃ピッチ等の形状・形態が多様であり、点数も多いため検査の自動化が困難であるため、この検査は人手による目視検査が主に行われている。
一方、検査対象である工具が極めて多くの種類があることから、画像処理技術を利用して、検査方法を目視から画像処理に置き換えることが考えられている。例えば、特許文献1に開示されているように、テレビカメラで撮影した画像を2値化処理し、エッジ抽出して輪郭線強調画像を作成し、この輪郭線強調画像に対してハフ変換処理を施し、基準線画像を形成するものがある。そして、この基準線画像と輪郭線強調画像との差分を算出して、欠陥検査するものである。
特開2001−264032号公報
上記従来の目視による検査は、種別毎に不良品の抽出が行われるため、形状が一部のみ微妙に違う多種類の工具では、微細な欠けや変形などを有する不良品や異品種の区分けが難しいものであった。そのため、仕分けの際に微細な欠陥や不良品を見落としたりすることがあった。また、画像処理により欠陥検査を行う場合、検査対象である棒状回転工具の特性により、以下のような問題があった。
まず、棒状回転工具の切り刃面は、金属による鏡面を有している場合が多い。さらに、工具側面(工具回転軸方向を正面とする)に配置する切り刃面は、直線ではなく曲面(円筒面)状に湾曲している。このため、単純な一方向からの照明では、その照明光源からの正反射成分のみが強調されて明度分布が大きく偏った像となり、検査の自動化に有効な検査画像を取得するのが困難であった。
検査対象となる工具は、その製品バリエーションが豊富で、外径や刃先形状が様々であることから、良品基準形状とのマッチング比較による検査手法が非常に有効である。しかしながら、パターンマッチングによる欠陥検出を単純に適用したのでは膨大な量の基準画像(参照比較データ)が必要になるうえ、基準画像と検査画像の空間的マッチング精度を確保するために、チャックや駆動部等の検査装置の機構部に高い精度が要求され、装置のコスト上昇をまねくという問題があった。
さらに、検査方法として通常の正規化相関マッチングは、パターンサーチを行って2像をずらして(併進成分と傾き成分)重ね合わせる。この、ずれ補正は傾き成分の処理も含めると、計算時間が非常に大きく、検査装置能力のボトルネックとなる。
その他、特許文献1のように、ドリルやエンドミル等の切り刃のエッジ形状が比較的シンプルな場合には、基準画像を別途用意すること無しにハフ変換を用いて検査の基準となる正常な刃先形状を推定することも可能であるが、ハフ変換によるフィッティング手法は計算量が大きいので検査の高速化に課題が残る。また、タップのように切り刃のエッジ形状が単純な直線や円弧で近似できないものには、ハフ変換による推定基準のフィッティング手法は適用不可能である。
この発明は、上記従来技術の問題に鑑みて成されたもので、画像処理を用いて各棒状回転工具を、効率良く正確に検査することができる棒状回転工具の欠陥検査装置と欠陥検査方法を提供することを目的とする。
この発明は、切削加工等に用いる棒状回転工具の刃先および刃面に生じた欠陥を、画像処理により自動的に検査する棒状回転工具の欠陥検査装置であって、前記棒状回転工具の回転軸を軸線として、前記軸線に対して垂直方向から観察可能なカメラと、前記カメラにより撮影された画像を用いて画像処理を行うことにより前記棒状回転工具の欠陥を検出する画像処理装置と、前記軸線に同軸な円筒面に内向きに光源部品を複数配置したほぼ半円アーチ形の照明装置とを備え、前記照明装置は前記棒状回転工具に対して前記カメラが配置された側に位置し、前記棒状回転工具の外周面を均一に照明可能である棒状回転工具の欠陥検査装置。
前記照明装置は、前記光源部品を任意の組み合わせで部分的に点灯させることにより、前記棒状回転工具に対する照明の照射角度を選択して、局所的な画像処理に有効な画像を取得可能としたものである。さらに、前記照明装置は、前記カメラを挟んで前記棒状回転工具の回転軸方向の両側に配置されたものである。
前記軸線と平行に前記棒状回転工具のシャンク部とは反対の方向から正対したカメラと、面発光の照射部を備え、前記棒状回転工具の先端部側に配置したカメラにより取得した正面からの画像を用いて、前記画像処理装置により前記棒状回転工具の保持角度を検出して位置補正を行うものである。
またこの発明は、切削加工等に用いる棒状回転工具の刃先および刃面に生じた欠陥を、画像処理により自動的に検査する棒状回転工具の欠陥検査方法であって、前記棒状回転工具の回転軸を軸線として、前記軸線に対して垂直方向から観察可能なカメラと、前記カメラにより撮影された画像を用いて画像処理を行うことにより前記棒状回転工具の欠陥を検出する画像処理装置と、光源部品を複数配置した照明装置とを備え、前記棒状回転工具の外周面の検査像の画像特徴の周期性に対応して、前記検査像を所定の方向に前記周期に対応する距離だけずらして重ね合わせて擬似基準像とし、前記検査像と前記擬似基準像とを比較して前期検査像中に含まれる欠陥を判定する棒状回転工具の欠陥検査方法である。
またこの発明は、切削加工等に用いる棒状回転工具の刃先および刃面に生じた欠陥を、画像処理により自動的に検査する棒状回転工具の欠陥検査方法であって、前記棒状回転工具の回転軸を軸線として、前記軸線に対して垂直方向から観察可能なカメラと、前記カメラにより撮影された画像を用いて画像処理を行うことにより前記棒状回転工具の欠陥を検出する画像処理装置と、光源部品を複数配置した照明装置とを備え、前記棒状回転工具の外周面の検査像の前記検査像中のエッジラインに相当する輪郭線を画像処理により抽出し、抽出された前記輪郭線に対してロバスト回帰法による近似線を生成し、前記近似線と前記輪郭線とが所定量以上乖離する領域を欠陥領域とみなして抽出することにより、前記検査像中に含まれる欠陥を判定する棒状回転工具の欠陥検査方法である。
前記ロバスト回帰法は、まず検査対象の輪郭線の点群座標を求め、最小二乗法により検査対象の基準線の近似線を求め、次にこの近似線に対する前記点群座標の距離が遠いと影響が小さく、近いと影響が大きくなるような重み付けを行い、再び最小二乗法により前記基準線に対する推定基準線を求め、この推定基準線と前記輪郭線との乖離により欠陥を検査するものである。
この発明の棒状回転工具の欠陥検査装置と欠陥検査方法によれば、画像処理技術を用いて、棒状回転工具の刃先を効率良く正確に検査することができる。しかも、多種の欠陥を一連の工程で迅速に検査することができ、検査効率が極めて良いものである。
以下、この発明の棒状回転工具の欠陥検査装置と欠陥検査方法の一実施形態について、図面を基にして説明する。この実施形態の棒状回転工具はねじ穴を形成するタップであり、この欠陥検査装置10は、検査対象工具のワーク16であるタップの刃先、及び刃面の欠陥検査を行う。欠陥検査装置10は、図1に示すように、ワーク16を保持し駆動基台11上で供給位置から検査位置、および排出位置へ移動可能に設けられたステージ12備えている。ステージ12は、駆動基台11上で水平面上の互いに直交するX−Y軸方向へ移動可能に設けられている。ステージ12上には、ワーク16を保持固定するチャック18が設けられたステージ14が固定されている。ステージ14は、垂直方向のZ軸方向にチャック18を昇降させるとともに、チャック18をワーク16の回転軸周りに回動させる、図示しない回動装置を内蔵している。
ステージ12を駆動する駆動基台11には、パソコン20に接続されたステージコントローラ22が接続され、ステージ12を、ワーク16の供給位置から検査位置、および排出位置へ、所定動作で順次移動可能に形成されている。
欠陥検査装置10の検査位置には、撮像装置25が設けられている。撮像装置25は、ワーク16を照明する照明装置24と、上部カメラ26と側面カメラ28が設けられ、ワーク16を撮影可能に形成されている。上部カメラ26は、ステージ14に固定されたワーク16の上端部に対面し、ワーク16の上端面を撮影可能に設けられている。側面カメラ28は、ワーク16の側方に位置し、ワーク16の回転軸に対して直角方向から撮影可能に位置指定いる。上部カメラ26と側面カメラ28は、図1に示すように、パソコン20に取り付けられパソコン20とともに画像処理装置を構成する画像処理ボード30に接続され、撮像データを処理してパソコン20へ取り込み可能に形成されている。
照明装置24は、図2、図3に示すように、ワーク16を照明可能に4つの照射部24a,24b,24c,24dにより構成されている。照射部24a,24b,24cは、180度よりやや小さい角度の半円アーチ形の円弧状に形成され、円弧を形成する円の中心にワーク16の回転軸が位置するように形成されている。照射部24a,24b,24cの円弧状の内周面には、光源部品である多数のLED34が設けられ、ワーク16に向かって照明光が向くように形成されている。
下方に位置した照射部24aは、ワーク16を側面下方から照明するもので、内周面が僅かに上方へ傾斜が付けられている。照射部24aの上方には、側面カメラ28を挟んで適宜な間隔を開けて同心状に照射部24bが位置している。照射部24bは、ワーク16側面を照明可能に、内周面を僅かに下方へ傾斜させて配置されている。照射部24bの上方には、僅かな隙間を空けて、照射部24cが設けられ、ワーク16の上端部を斜め上方から照明可能に、適宜な傾斜を有している。
また、照射部24cの上方には、ワーク16の上端部を拡散光により照明し、光源と一体に形成された照射部24dが配置されている。照射部24dは、ワーク16上端を上部カメラ26により撮影可能に中央部が開口して形成されている。
照射部24a,24b,24cは、図4に示すように、ワーク16が保持されたステージ12が移動する軌道に対して、ほぼ平行な側方に位置し、照明装置24の円弧の円の中心をワーク16が横切って移動可能に形成されている。そして、照明装置24は、図1に示すように、照明コントローラ32を介してパソコン20に接続されている。
この欠陥検査装置10の動作は、まず駆動基台11のワーク供給位置で、ステージ14
上のチャック18にワーク16が固定され、駆動基台11上をステージコントローラ22により駆動基台11が制御され、ステージ12が移動し検査位置で停止する。検査位置での検査終了後、ステージ12は、駆動基台11上をさらに移動し、ワーク16の排出位置で停止し、チャック18から取り外されて次工程へ送られる。
上のチャック18にワーク16が固定され、駆動基台11上をステージコントローラ22により駆動基台11が制御され、ステージ12が移動し検査位置で停止する。検査位置での検査終了後、ステージ12は、駆動基台11上をさらに移動し、ワーク16の排出位置で停止し、チャック18から取り外されて次工程へ送られる。
次に、ワーク16の検査方法について説明する。まず、ワーク16の種類がタップの場合について述べる。一般にタップの切り刃形状は、ネジ断面形なのでそのバリエーションが豊富であり、単純な連続関数で近似できるものではない。そこでこの発明の実施形態では、良品の基準形状とのマッチング比較による検査手法を用いる。
タップは、図5に示すように、タップ刃先形状の検査領域を、ネジ断面形状が連続した完全ネジ山部16aと、徐々に雌ネジ切削を行う先端部の食付き部16bに分けて、食付き部bの検査のみ基準画像を用いたマッチング比較による検査を行う。検査の流れは、図6に示すように、駆動基台11上を移動したステージ12上のワーク16であるタップは、検査位置でカメラ28により刃位置が検出され(s10)、刃の位置を基準の検査位置に位置補正される(s11)。この補正は、ワークのシャンク18部とは反対の方向から正対して観察可能な上部カメラ26と、面発光型の照射部24dとにより、ワーク16の先端部を撮影し、画像処理によって上部カメラ26に対するワーク16の保持角度の差異を検出し、基準位置に対するずれ量を補正する。そして、まず、照明装置24の照射部24a,24b,24cが前面照射して、タップの刃面を照明する(s12)。このとき図7(a)に示すように、タップの刃面のうち照明装置24側を向いている刃面全体に照明が当てられる。
そして完全ネジ山部16aの検査は、別途用意した基準画像を用いるのではなく、検査画像をネジのピッチ分ずらしたものを用いる。つまり図8に示すように、照明装置24による通常の検査画像(a)と、画像処理により濃度を逆転させた画像(b)を形成し、画像(b)を画像(a)に対して、隣り合ったネジ山ピッチ分平行移動させて、画像上で濃度の平均値画像(c)を求める。そして、所定の閾値で二値化画像(d)を形成し、欠陥部分eを抽出する。これにより、刃面全体の中の異常を検知することができる。
このようにすれば、検査に基準画像データを用いなくても良く、ワーク16の先端の食付き部16aについてのみ基準画像データがあればよく、用意するデータ量は半分以下に削減される。しかも自己画像のマッチングなので画像座標のシフトのみで良好なマッチング結果が得られることから、処理が軽く検査の高速化につながる。
さらに、タップの検査においては、図7(b)に示すように、照明装置24の照射部24a,24b,24cの中央部のLED34のみを照射して、刃面の一部に照明を当て反射部fを形成する。そして、ステージ14によりタップを回転軸周りに刃面の角度分だけ回動させ、反射部fの変化を画像処理により検知する検査を行う。これにより、正常であれば画像処理したデータに変化がなく、その変化が所定の閾値以上現れると、刃面の異形状態として検知することができる。なお、タップを回動させる代わりに、照明装置24のLED34を端から順に点灯消灯し、同様の検査を行うことができる。
また、図7(c)に示すように、照明装置24の照射部24a,24b,24cにより、照明を刃先に当てて、ステージ14によりタップを回転軸周りに所定角度回動させ、刃先部での刃面からの反射光の変化を見る検査を行う。これにより、画像処理した反射光のデータに一定の閾値以上の変化があると、刃先の欠け等として検知することができる。
以上の一連の工程を、タップの刃全体に行う。従って、4枚刃の場合は、ステップ12と同様の検査を、ワーク16を90°ずつ回転軸周りに回動させながら、刃検査B,C,Dとして行い、合計4回の検査を行う。この検査においても、タップを回動させる代わりに、照明装置24のLED34を端から順に点灯消灯し、同様の検査を行うことができる。また3枚刃の場合は、刃検査Dは省略する。
次に、ワーク16の種類がドリルやエンドミルの場合の検査方法を、以下に説明する。これらの工具の切り刃形状は、側面刃が螺旋形で正面刃は真直である。そのため、検査のために取得された画像上では刃先のエッジラインが直線ないし円弧状曲線といった極めて単純な形状として撮影される。このことから、エッジラインを通る近似線を求めて正常な形状と仮定し、近似線と実際の輪郭線の乖離の大きいものを欠陥として検出すればよい。この近似線のあてはめには、最小二乗回帰に重み付けを加えたロバスト回帰法を用いる。
この発明の実施形態におけるロバスト回帰法の処理手順を勘案に説明すると、図9に示すように、まず、工具の画像(a)の刃先部分を二値化して刃先のエッジラインgの点群座標を求める(b)。次に、通常の最小二乗回帰法により検査の基準線に対する近似直線ないし曲線の近似線hをエッジラインgの座標に対して仮に当てはめる(c)。そして、得られた仮の近似線hからの距離に応じて各データに重みをつける(近いほど大きく、遠いほど小さい係数をかける)。この重み付き座標データを用いて、再度最小二乗回帰法により、より基準線に近似した推定基準線iを当てはめる(d)。以上の計算を推定基準線iが収束するまで繰り返し、収束した推定基準線iから乖離した領域を欠陥jとする。
このロバスト回帰法を用いた近似について、以下に詳述する。まず、最小二乗法によりn個の点群(xi,yi) i=1〜n にフィットする近似直線を求める。
近似式をY=A1X+B1とすれば近似直線と各点群の距離(偏差)Siは
近似式をY=A1X+B1とすれば近似直線と各点群の距離(偏差)Siは
すなわち
上式のようにして近似式Y=A1X+B1を推定するのが、いわゆる一般的な線形最小二乗法回帰である。
次に、暫定的に求めた近似直線Y=A1X+B1と各点群の距離に応じた重みwiを設定する。点群と暫定近似直線との間の距離は式1の通りであり、この距離がゼロのときは重みが1となり、距離が正負いずれに離れてもゼロに近づくような関数を与える。このような関数は色々考えられるが簡単な例としては次式があげられる。
設定した重みwiを近似対象となる点群(xi,yi)に与えて、修正点群(xi’,yi’)を次式のように生成する。
修正点群(xi’,yi’)を用いて再度、最小二乗法で新たに近似直線Y=A2X+B2を求める。このとき、式5と式6をそのまま適用すればよい。
エッジラインgの点群の分布状況によっては一度の計算で近似結果が最適解とならず、式7から式10を収束するまで複数回繰り返す必要がある。また、上述の説明は簡略化のため1次式でのY方向成分近似モデルを例としているが、高次の式ならびに各方向成分へのフィッティングも同様のアルゴリズムで行われる。
このロバスト回帰法による近似を、図10により相対的な座標値とともに示す。基準形状に対して図9のエッジラインgの点群のような凹凸のある輪郭形状g1を想定し、基準形状が直線形状と仮定して推定する。まず、通常の最小二乗法による近似線h1では、凹凸のある輪郭形状g1に影響されて近似線h1がずれてしまう。これに対して、ロバスト回帰法を用いた推定基準線i1は、基準線に一致してほぼ正しく直線状に近似されている。
このロバスト回帰法によって得られる近似線は、データ全体の傾向に追従していて、異常値に影響を受けにくいので基準輪郭線の推定には最適である。しかも、計算法そのものは通常の最小二乗法と全く同じなので計算処理が非常に軽く、検査の高速化に有利である。
この実施形態の棒状回転工具の欠陥検査装置10は、照明装置24の照射部24a,24b,24cが略半円形で、カメラ28が向いている方向が開いているので、リング照明のように照明領域へのワーク16の挿入動作は不要であり、照明装置24の側方をワーク16が直進するのみで高速なポジション移動ができる。なお、照射部24a,24b,24cは、LED34等の小型の光源部品を内向きにならべて構成しており、通常のリング照明とは異なり各光源部品のLED34を独立して点灯・照度調整できる。これにより、ワーク16の姿勢と側面カメラ28の姿勢を固定のままで、照射方位を走査させて刃先の欠陥が明確な照明条件を自由に設定できる。しかも光源部品にLED34を用いれば点灯・照度調整を高速に行えるので、1フレーム毎に照明条件を変えながら連続して高速な検査画像の取得が可能となる。
さらに、このような検査光学系の構成とすることで、ドリルやエンドミルにあってタップにはない正面刃の欠陥検査にも対応することができる。正面刃は真直なので(ボールエンドミル等特殊なものを除く)、照射部24a,24b,24cのような円筒状配置は不要であり、正面刃に特化させるため平面状の照射部24dを用いた方がムラの少ない照明条件を設定できる。加えて、タップではシャンクが四角いのでワークのチャック保持時の軸周りの角度姿勢は、おおむね再現可能であるが、ドリルやエンドミルではチャック保持時の角度姿勢が不定なので、位置合わせ修正が必要となってくる。この場合も、検査手順の最初に上部カメラ26により正面刃の画像を取得しておけば、正面刃のエッジラインの回転方向傾きを画像計測手法により検出することで、容易に検知して所定の位置合わせ修正を自動的に行うことができる。
なお、この発明の棒状回転工具の欠陥検査装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、照明する照明装置の種類や数、及び照度は、検査対象のワークの大きさに合わせて適宜設定可能である。また、大きなワークを撮像する際、分割して画像データを取り込んで、画像処理装置により合成して1つの画像データとしても良い。さらに、各部材の形状や素材など適宜変更可能である。
10 欠陥検査装置
11 駆動基台
12,14 ステージ
16 ワーク
18 チャック
16 支持装置
20 コンピュータ
22 ステージコントローラ
24 照明装置
24a,24b,24c,24d 照射部
25 撮像装置
26 上部カメラ
28 側面カメラ
30 画像処理ボード
34 LED
11 駆動基台
12,14 ステージ
16 ワーク
18 チャック
16 支持装置
20 コンピュータ
22 ステージコントローラ
24 照明装置
24a,24b,24c,24d 照射部
25 撮像装置
26 上部カメラ
28 側面カメラ
30 画像処理ボード
34 LED
Claims (7)
- 棒状回転工具の刃先および刃面に生じた欠陥を、画像処理により自動的に検査する棒状回転工具の欠陥検査装置において、前記棒状回転工具の回転軸を軸線として、前記軸線に対して垂直方向から観察可能なカメラと、前記カメラにより撮影された画像を用いて画像処理を行うことにより前記棒状回転工具の欠陥を検出する画像処理装置と、前記軸線に同軸な円筒面に内向きに光源部品を複数配置したほぼ半円アーチ形の照明装置とを備え、前記照明装置は前記棒状回転工具に対して前記カメラが配置された側に位置し、前記棒状回転工具の外周面を均一に照明可能であることを特徴とする棒状回転工具の欠陥検査装置。
- 前記照明装置は、前記光源部品を任意の組み合わせで部分的に点灯させることにより、前記棒状回転工具に対する照明の照射角度を選択して、局所的な画像を取得可能とした請求項1記載の棒状回転工具の欠陥検査装置。
- 前記照明装置は、前記カメラを挟んで前記棒状回転工具の回転軸方向の両側に配置された請求項1記載の棒状回転工具の欠陥検査装置。
- 前記棒状回転工具のシャンク部とは反対の方向から正対したカメラと、面発光の照射部を備え、前記棒状回転工具の先端部側に配置したカメラにより取得した正面からの画像を用いて、前記画像処理装置により前記棒状回転工具の保持角度を検出して位置補正を行う請求項1記載の棒状回転工具の欠陥検査装置。
- 棒状回転工具の刃先および刃面に生じた欠陥を、画像処理により自動的に検査する棒状回転工具の欠陥検査方法において、前記棒状回転工具の回転軸を軸線として、前記軸線に対して垂直方向から観察可能なカメラと、前記カメラにより撮影された画像を用いて画像処理を行うことにより前記棒状回転工具の欠陥を検出する画像処理装置と、光源部品を複数配置した照明装置とを備え、前記棒状回転工具の外周面の検査像の画像特徴の周期性に対応して、前記検査像を所定の方向に前記周期に対応する距離だけずらして重ね合わせて擬似基準像とし、前記検査像と前記擬似基準像とを比較して前期検査像中に含まれる欠陥を判定することを特徴とする棒状回転工具の欠陥検査方法。
- 棒状回転工具の刃先および刃面に生じた欠陥を、画像処理により自動的に検査する棒状回転工具の欠陥検査方法において、前記棒状回転工具の回転軸を軸線として、前記軸線に対して垂直方向から観察可能なカメラと、前記カメラにより撮影された画像を用いて画像処理を行うことにより前記棒状回転工具の欠陥を検出する画像処理装置と、光源部品を複数配置した照明装置とを備え、前記棒状回転工具の外周面の検査像のエッジラインに相当する輪郭線を画像処理により抽出し、抽出された前記輪郭線に対してロバスト回帰法による近似線を生成し、前記近似線と前記輪郭線とが所定量以上乖離する領域を欠陥領域とみなして抽出し、前記検査像中に含まれる欠陥を判定することを特徴とする棒状回転工具の欠陥検査方法。
- 前記ロバスト回帰法は、まず検査対象の輪郭線の点群座標を求め、最小二乗法により検査対象の基準線の近似線を求め、次にこの近似線に対する前記点群座標の距離が遠いと影響が小さく、近いと影響が大きくなるような重み付けを行い、再び最小二乗法により前記基準線に対する推定基準線を求め、この推定基準線と前記輪郭線との乖離により欠陥を検査する請求項6記載の棒状回転工具の欠陥検査方法。
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