JP2012062848A - 燃料噴射状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料噴射状態を高精度で推定できる燃料噴射状態検出装置を提供する。
【解決手段】所定のサンプリング周期で燃圧センサから出力された複数の検出値による圧力波形のうち、燃料噴射開始に伴い圧力降下していく部分である降下波形、又は噴射終了に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形を直線に近似するにあたり、先ず、降下波形又は上昇波形を表した複数の検出値D1〜D11を最小二乗法により近似して最小二乗近似直線La1を演算する(第1近似手段S22)。次に、複数の検出値D1〜D11のうち前記近似直線La1に対する差分が大きい検出値であるほど、大きい重みw1〜w11を付与する(重み付け手段S23,S24)。そして、重みw1〜w11が付与された複数の重み付き検出値Dw1〜Dw11を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線La2を演算する(第2近似手段S25)。
【選択図】 図4

Description

本発明は、燃料噴射弁から燃料を噴射させることに起因して生じた燃料圧力を検出し、その検出値による圧力波形に基づいて、噴射開始時期や噴射終了時期等の燃料噴射状態を推定する燃料噴射状態検出装置に関する。
特許文献1には、燃料噴射弁からの燃料噴射に伴い生じる燃料圧力の変化を燃圧センサで検出し、検出した圧力波形に基づき、噴射開始時期や噴射終了時期等の燃料噴射状態を推定する燃料噴射状態検出装置が記載されている。そして、このように圧力波形から噴射状態を推定する具体的な手法を、本出願人は特願2009−074283にて先に出願しており、以下にその手法を説明する。
図2(c)に例示するように、先ず、圧力波形のうち噴孔の開弁開始に伴い圧力降下していく部分(降下波形)から、微分値が最小となる点(符号Pd参照)を演算する。次に、演算した微分最小点Pdでの接線を降下波形の近似直線Laとして演算する。そして、噴射開始前の圧力Pbaseに基づき設定した基準直線Lcと近似直線Laとの交点を、噴射開始に伴い現れる圧力の変化点P1として算出し、変化点P1の出現時刻から所定の遅れ時間C1だけ早めた時刻を噴射開始時期R1(図2(b)参照)として算出する。
噴射終了時期R4についても同様の算出手法であり、圧力波形のうち噴孔の閉弁開始に伴い圧力上昇していく部分(上昇波形)から、微分値が最大となる点(符号Pe参照)を演算する。そして、微分最大点Peでの接線(近似直線Lb)と、噴射開始前の圧力Pbaseに基づき設定した基準直線Ldとの交点を示す時刻から所定の遅れ時間だけ早めた時刻を噴射終了時期R4として算出する。
特開2009−97385号公報
しかし、上述の如く微分最小点Pdでの接線Laに基づき噴射開始時期R1を算出する場合には、符号Tdに示すように演算した微分最小点Pdが真値から僅かにずれただけで、算出される噴射開始時期が実際の噴射開始時期から大きくずれることになる。よって、噴射開始時期R1を高精度で算出することが困難である。噴射終了時期R4についても同様であり、符号Teに示すように演算した微分最大点Peが真値から僅かにずれただけで、算出される噴射終了時期が大きくずれることになるので、噴射終了時期R4を高精度で算出することが困難である。
なお、最大噴射率到達時期R2や噴射量等の噴射状態についても近似直線La,Lbを用いて算出できるが、この場合であっても同様に近似直線La,Lbがずれるので、噴射状態を高精度で算出することは困難である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料噴射状態を高精度で推定できる燃料噴射状態検出装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、蓄圧容器で蓄圧した燃料を燃料噴射弁から噴射する燃料噴射システムに適用された燃料噴射状態検出装置において、前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、所定のサンプリング周期で前記燃圧センサから出力された複数の検出値により表される圧力波形のうち前記噴孔の開弁開始に伴い圧力降下していく部分である降下波形又は前記噴孔の閉弁開始に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形を直線に近似する直線近似手段と、前記直線近似手段により近似された直線に基づいて燃料噴射状態を推定する噴射状態推定手段と、を備える。
そして、前記直線近似手段は、前記降下波形又は前記上昇波形を表した前記複数の検出値を最小二乗法により近似して最小二乗近似直線を演算する第1近似手段と、前記複数の検出値のうち前記最小二乗近似直線に対する差分が大きい検出値であるほど大きい重みを付与する重み付け手段と、前記重み付け手段により重みが付与された複数の検出値を最小二乗法により近似して重み付き最小二乗近似直線を演算する第2近似手段と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、直線近似手段を備えることにより降下波形又は上昇波形を最小二乗法で近似するので、前記先願(特願2009−074283)の如く、微分最小点Pdや微分最大点Peが真値からずれることによる近似直線La,Lbの精度悪化、といった問題を回避できる。しかも、本発明によれば、重み付け手段及び第2近似手段を備えることにより重み付けした検出値を直線近似するので、以下に説明する理由により、噴射率の変化を示す噴射率波形と相関の高い近似直線を得ることができ、ひいては燃料噴射状態を高精度で推定できるようになる。
図5(a)中の実線に例示する降下波形のうち微分最小点Pdで引いた接線La0は、噴射率波形との相関が高い。そのため、この接線La0を近似直線として演算できることが望ましい。但し、先願の如く微分最小点Pdを算出し、その算出点で接線を引こうとすると、一点鎖線X1,X2に示すように所望する接線La0から大きくずれてしまい高精度で演算できないことは先述した通りである。また、降下波形のうち微分最小点Pdから離れた部分(符号Da,Dbの近傍部分)の接線の傾きは所望する接線La0の傾きより大きくなっている。そのため、重みが付与されていない検出値を最小二乗法で近似した最小二乗近似直線(点線La1参照)のままでは、降下波形のうち符号Dc,Ddの部分の影響を大きく受けることに起因して、所望する接線La0よりも傾きが大きい近似直線La1となってしまう。
ここで、図5(a)にて例示されるように、降下波形のうち微分最小点Pdから離れた部分には、第1近似手段により演算された最小二乗近似直線La1に対する差分が大きい箇所(符号Da,Db参照)が存在する。そして、この箇所Da,Dbでの差分を小さくするよう最小二乗近似直線La1を修正(矢印Y1,Y2参照)すれば、降下波形のうちDc,Dd部分の影響が緩和されて、Da,Db部分の影響を大きく受けることにより、近似直線La1の傾きが所望する接線La0の傾きに近づくよう修正されることとなる。
上昇波形を直線近似する場合についても同様であり、上昇波形のうち微分最大点Peから離れた部分には、第1近似手段により演算された最小二乗近似直線Lb1(図示せず)に対する差分が大きい箇所が存在し、この箇所での差分を小さくするよう最小二乗近似直線Lb1を修正すれば、近似直線Lb1の傾きが所望する接線Lb0(微分最大点Peでの接線)の傾きに近づくよう修正されることとなる。
これらの点を鑑みた上記発明では、最小二乗近似直線La1,Lb1との差分が大きい検出値であるほど大きい重みを付与して、重みが付与された検出値について再び最小二乗法で近似する。すると、このように演算された重み付き最小二乗近似直線La2,Lb2は、降下波形又は上昇波形のうち微分最小点Pd又は微分最大点Peから離れた部分での差分が小さくなるよう修正され、その結果、最小二乗近似直線La1,Lb1の傾きが所望する接線La0,Lb0の傾きに近づくよう修正されることとなる。
要するに、先願では点(微分最小点Pd、微分最大点Pe)から近似直線を見つけるのに対し、本発明では、線(最小二乗近似直線La1,Lb1)から近似直線(重み付き最小二乗近似直線La2,Lb2)を見つけており、所望する接線La0,Lb0(微分最小点Pd及び微分最大点Peでの接線)の傾きに近づくよう修正される。
以上により、第1近似手段、重み付け手段及び第2近似手段を備える上記発明によれば、噴射率波形と相関の高い近似直線(重み付き最小二乗近似直線La2,Lb2)を得ることができ、ひいては燃料噴射状態を高精度で推定できるようになる。
請求項2記載の発明では、蓄圧容器で蓄圧した燃料を燃料噴射弁から噴射する燃料噴射システムに適用された燃料噴射状態検出装置において、前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、所定のサンプリング周期で前記燃圧センサから出力された複数の検出値により表される圧力波形のうち前記噴孔の開弁開始に伴い圧力降下していく部分である降下波形又は前記噴孔の閉弁開始に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形を直線に近似する直線近似手段と、前記直線近似手段により近似された直線に基づいて燃料噴射状態を推定する噴射状態推定手段と、を備える。
そして、前記直線近似手段は、前記降下波形のうち降下の傾きが最小となる微分最小点又は前記上昇波形のうち上昇の傾きが最大となる微分最大点を算出する算出手段と、前記降下波形又は前記上昇波形を表した前記複数の検出値のうち前記微分最小点又は前記微分最大点の近くに位置する検出値であるほど大きい重みを付与する重み付け手段と、前記重み付け手段により重みが付与された複数の検出値を最小二乗法により近似して重み付き最小二乗近似直線を演算する重み付き近似手段と、を有することを特徴とする。
この発明によれば、直線近似手段を備えることにより降下波形又は上昇波形を最小二乗法で近似するので、前記先願(特願2009−074283)の如く、微分最小点Pdや微分最大点Peが真値からずれることによる近似直線La,Lbの精度悪化、といった問題を回避できる。しかも、本発明によれば、重み付け手段及び重み付き近似手段を備えることにより重み付けした検出値を直線近似するので、以下に説明する理由により、噴射率の変化を示す噴射率波形と相関の高い近似直線を得ることができ、ひいては燃料噴射状態を高精度で推定できるようになる。
図5(a)を用いて上述した通り、降下波形のうち微分最小点Pdで引いた接線La0を近似直線として演算できることが望ましい。そして、重みが付与されていない検出値を最小二乗法で近似した最小二乗近似直線La1のままでは、所望する接線La0よりも傾きが大きい近似直線La1となってしまう。
そこで上記発明では、微分最小点Pdの近くに位置する検出値であるほど大きい重みを付与して、重みが付与された検出値について最小二乗法で近似する。そのため、このように演算された重み付き最小二乗近似直線は、降下波形のうち微分最小点Pdから離れた部分Dc,Ddよりも、微分最小点Pdに近い部分の影響を大きく受けた近似直線になる。その結果、最小二乗近似直線La1の傾きが所望する接線La0の傾きに近づくよう修正されることとなる。
上昇波形を直線近似する場合についても同様であり、微分最大点Peの近くに位置する検出値であるほど大きい重みを付与して、重みが付与された検出値について最小二乗法で近似して重み付き最小二乗近似直線を演算する。そのため、このように演算された重み付き最小二乗近似直線は、上昇波形のうち微分最大点Peに近い部分の影響を大きく受けた近似直線になる。その結果、最小二乗近似直線Lb1の傾きが所望する接線Lb0(図示せず)の傾きに近づくよう修正されることとなる。
以上により、重み付け手段及び重み付き近似手段を備える上記発明によれば、噴射率波形と相関の高い近似直線(重み付き最小二乗近似直線)を得ることができ、ひいては燃料噴射状態を高精度で推定できるようになる。
本発明の第1実施形態にかかる燃料噴射状態検出装置が適用される、燃料噴射システムの概略を示す図。 第1実施形態において、(a)は燃料噴射弁への噴射指令信号、(b)は噴射率波形、(c)は燃圧センサにより検出された圧力波形、(d)は(c)に示す圧力波形の微分値を示す図。 第1実施形態において、圧力波形から噴射率波形を推定する処理手順を示すフローチャート。 図3のサブルーチン処理であって、重み付き最小二乗近似直線La2を演算する処理手順を示すフローチャート。 図4の処理により演算された最小二乗近似直線La1、及び微分最小点Pdでの接線La0等を示す図。 図4の処理により演算された重み付き最小二乗近似直線La2を模式的に示す図。 本発明の第2実施形態において、重み付き最小二乗近似直線を演算する処理手順を示すフローチャート。
以下、本発明に係る燃料噴射状態検出装置を具体化した各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する燃料噴射状態検出装置は、車両用のエンジン(内燃機関)に搭載されたものであり、当該エンジンには、複数の気筒#1〜#4について高圧燃料を噴射して圧縮自着火燃焼させるディーゼルエンジンを想定している。
(第1実施形態)
図1は、上記エンジンの各気筒に搭載された燃料噴射弁10、各々の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20、及び車両に搭載された電子制御装置であるECU30等を示す模式図である。
先ず、燃料噴射弁10を含むエンジンの燃料噴射システムについて説明する。燃料タンク40内の燃料は、高圧ポンプ41(燃料ポンプ)によりコモンレール42(蓄圧容器)に圧送されて蓄圧され、各気筒の燃料噴射弁10(#1〜#4)へ分配供給される。複数の燃料噴射弁10(#1〜#4)は、予め設定された順番で燃料の噴射を順次行う。なお、高圧ポンプ41にはプランジャポンプが用いられているため、プランジャの往復動に同期して燃料は圧送される。
燃料噴射弁10は、以下に説明するボデー11、ニードル形状の弁体12及びアクチュエータ13等を備えて構成されている。ボデー11は、内部に高圧通路11aを形成するとともに、燃料を噴射する噴孔11bを形成する。弁体12は、ボデー11内に収容されて噴孔11bを開閉する。
ボデー11内には弁体12に背圧を付与する背圧室11cが形成されており、高圧通路11a及び低圧通路11dは背圧室11cと接続されている。高圧通路11a及び低圧通路11dと背圧室11cとの連通状態は制御弁14により切り替えられており、電磁コイルやピエゾ素子等のアクチュエータ13へ通電して制御弁14を図1の下方へ押し下げ作動させると、背圧室11cは低圧通路11dと連通して背圧室11c内の燃料圧力は低下する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が低下して弁体12は開弁作動する。一方、アクチュエータ13への通電をオフして制御弁14を図1の上方へ作動させると、背圧室11cは高圧通路11aと連通して背圧室11c内の燃料圧力は上昇する。その結果、弁体12へ付与される背圧力が上昇して弁体12は閉弁作動する。
したがって、ECU30がアクチュエータ13への通電を制御することで、弁体12の開閉作動が制御される。これにより、コモンレール42から高圧通路11aへ供給された高圧燃料は、弁体12の開閉作動に応じて噴孔11bから噴射される。例えばECU30は、エンジン出力軸の回転速度及びエンジン負荷等に基づき、噴射開始時期、噴射終了時期及び噴射量等の目標噴射状態を算出し、算出した目標噴射状態となるようアクチュエータ13へ噴射指令信号を出力して、燃料噴射弁10の作動を制御する。
ECU30は、アクセル操作量等から算出されるエンジン負荷やエンジン回転速度に基づき目標噴射状態を算出する。例えば、エンジン負荷及びエンジン回転速度に対応する最適噴射状態(噴射段数、噴射開始時期、噴射終了時期、噴射量等)を噴射状態マップにして記憶させておく。そして、現時点でのエンジン負荷及びエンジン回転速度に基づき、噴射状態マップを参照して目標噴射状態を算出する。そして、算出した目標噴射状態に基づき噴射指令信号t1、t2、Tq(図2(a)参照)を設定する。例えば、目標噴射状態に対応する噴射指令信号を指令マップにして記憶させておき、算出した目標噴射状態に基づき、指令マップを参照して噴射指令信号を設定する。以上により、エンジン負荷及びエンジン回転速度に応じた噴射指令信号が設定され、ECU30から燃料噴射弁10へ出力される。
ここで、噴孔11bの磨耗等、燃料噴射弁10の経年劣化に起因して、噴射指令信号に対する実際の噴射状態は変化していく。そこで、後に詳述するように燃圧センサ20により検出された圧力波形に基づき燃料の噴射率波形を演算して噴射状態を検出し、検出した噴射状態と噴射指令信号(パルスオン時期t1、パルスオフ時期t2及びパルスオン期間Tq)との相関関係を学習し、その学習結果に基づき、指令マップに記憶された噴射指令信号を補正する。これにより、実噴射状態が目標噴射状態に一致するよう、燃料噴射状態を高精度で制御できる。
次に、燃圧センサ20のハード構成について説明する。燃圧センサ20は、以下に説明するステム21(起歪体)、圧力センサ素子22及びモールドIC23等を備えて構成されている。ステム21はボデー11に取り付けられており、ステム21に形成されたダイヤフラム部21aが高圧通路11aを流通する高圧燃料の圧力を受けて弾性変形する。圧力センサ素子22はダイヤフラム部21aに取り付けられており、ダイヤフラム部21aで生じた弾性変形量に応じて圧力検出信号を出力する。
モールドIC23は、圧力センサ素子22から出力された圧力検出信号を増幅する増幅回路や、圧力検出信号を送信する送信回路等の電子部品を樹脂モールドして形成されており、ステム21とともに燃料噴射弁10に搭載されている。ボデー11上部にはコネクタ15が設けられており、コネクタ15に接続されたハーネス16により、モールドIC23及びアクチュエータ13とECU30とはそれぞれ電気接続される。そして、増幅された圧力検出信号はECU30に送信されて、ECU30が有する受信回路により受信される。この送受信にかかる通信処理は、各気筒の燃圧センサ20毎に実施される。
ここで、噴孔11bから燃料の噴射を開始することに伴い高圧通路11a内の燃料の圧力(燃圧)は低下し、噴射を終了することに伴い燃圧は上昇する。つまり、燃圧の変化と噴射率(単位時間当たりに噴射される噴射量)の変化とは相関があり、燃圧変化から噴射率変化(実噴射状態)を検出できると言える。そして、検出した実噴射状態が目標噴射状態となるよう先述した噴射指令信号を補正する。これにより、噴射状態を精度良く制御できる。
次に、燃料噴射中の燃料噴射弁10に搭載された燃圧センサ20により検出された圧力の波形(圧力波形)と、その燃料噴射弁10にかかる燃料噴射率の変化を表した噴射率波形との相関について、図2を用いて説明する。なお、燃圧センサ20は所定のサンプリング周期で燃圧の検出値を逐次出力しており、1回の噴射中に出力された複数の検出値により表される波形が、前記圧力波形に相当する。つまり圧力波形は、所定のサンプリング周期で出力された複数の検出値の集合である。
図2(a)は、燃料噴射弁10のアクチュエータ13へECU30から出力される噴射指令信号を示しており、この指令信号のパルスオンによりアクチュエータ13が通電作動して噴孔11bが開弁する。つまり、噴射指令信号のパルスオン時期t1により噴射開始が指令され、パルスオフ時期t2により噴射終了が指令される。よって、指令信号のパルスオン期間(噴射指令期間Tq)により噴孔11bの開弁時間を制御することで、噴射量Qを制御している。
図2(b)は、上記噴射指令に伴い生じる噴孔11bからの燃料噴射率の変化(噴射率波形)を示し、図2(c)は、燃料噴射中の燃料噴射弁10に設けられた燃圧センサ20により検出された圧力波形を示す。なお、図2(d)は、圧力波形の傾き(微分値)の変化を示す。
圧力波形と噴射率波形とは以下に説明する相関があるため、検出された圧力波形から噴射率波形を推定(検出)することができる。すなわち、先ず、図2(a)に示すように噴射開始指令がなされたt1時点の後、噴射率がR1の時点で上昇を開始して噴射が開始される。一方、検出圧力は、R1の時点で噴射率が上昇を開始してから遅れ時間C1が経過した時点で、変化点P1にて下降を開始する。その後、R2の時点で噴射率が最大噴射率に到達したことに伴い、検出圧力の下降は変化点P2にて停止する。次に、R3の時点で噴射率が下降を開始してから遅れ時間が経過した時点で、検出圧力は変化点P3にて上昇を開始する。その後、R4の時点で噴射率がゼロになり実際の噴射が終了したことに伴い、検出圧力の上昇は変化点P5にて停止する。
以上説明したように、圧力波形と噴射率波形とは相関が高い。そして、噴射率波形には、噴射開始時期(R1出現時期)や、噴射終了時期(R4出現時期)、噴射量(図2(b)中の網点部分の面積)が表されているので、圧力波形から噴射率波形を推定することで噴射状態を検出できる。
次に、圧力波形から噴射率波形を推定する手順の一例を、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図3に示す処理は、ECU30が有するマイクロコンピュータにより、燃料の噴射を1回実施する毎に実行される処理である。
先ず、図3に示すステップS10において、1回の燃料噴射期間中に噴射気筒の燃圧センサ20から出力された複数の検出値(圧力波形)を取得する。続くステップS20(直線近似手段)では、弁体12の開弁作動開始に伴い圧力降下していく部分である降下波形(P1〜P2の部分の波形)の近似直線La2を演算し、次のステップS30では、弁体12の閉弁作動開始に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形(P3〜P5の部分の波形)の近似直線Lb2を演算する。なお、これらの近似直線La2,Lb2の演算手法については後に詳述する。
次に、ステップS40において、圧力波形のうち圧力降下を開始する直前(変化点P1の直前)の圧力(基準圧Pbase)に基づき、以降の処理で用いる基準直線Lc,Ld(図2(c)参照)を算出する。なお、噴射指令信号t1を出力してからP1変化点が現れるまでの期間における圧力の平均値を、前記基準圧Pbaseとして算出すればよく、例えば、噴射指令信号t1を出力してから所定時間が経過するまでの圧力平均値を基準圧Pbaseとして算出すればよい。基準直線Lcには基準圧Pbaseと同じ値が採用されている。基準直線Ldには、基準圧Pbaseよりも所定量だけ圧力低下させた値が採用されている。前記所定量は、P1圧力からP2圧力への圧力落込量ΔPが大きいほど、或いは噴射指令期間Tqが長いほど大きい値に設定される。
続くステップS50では、基準直線Lcと近似直線La2との交点を算出する。この交点が示す時期は変化点P1の出現時期と殆ど一致する。したがって、基準直線Lcと近似直線La2との交点が示す時期は噴射開始時期R1との相関が高いため、前記交点に基づき噴射開始時期R1を算出する。続くステップS60では、基準直線Ldと近似直線Lb2との交点を算出する。この交点が示す時期は噴射終了時期R4との相関が高いため、前記交点に基づき噴射終了時期R4を算出する。
続くステップS70では、噴射率が上昇する傾きRα(図2(b)参照)と近似直線La2の傾きとは相関性が高いことに着目し、近似直線La2の傾きに基づき噴射率上昇の傾きRαを算出する。また、噴射率が降下する傾きRβ(図2(b)参照)と近似直線Lb2の傾きとは相関性が高いことに着目し、近似直線Lb2の傾きに基づき噴射率降下の傾きRβを算出する。続くステップS80では、P1圧力からP2圧力への圧力落込量ΔPと最大噴射率Rh(図2(b)参照)とは相関性が高いことに着目し、圧力落込量ΔPに基づき最大噴射率Rhを算出する。
以上による図3の処理によれば、ステップS50〜S80(噴射状態推定手段)において、噴射開始時期R1、噴射終了時期R4、噴射率上昇の傾きRα、噴射率降下の傾きRβ、及び最大噴射率Rhが算出される。よって、図2(b)に例示される噴射率波形を推定できる。
図4は、図3のステップS20において降下波形から近似直線La2を演算する手順を示すフローチャートであり、ステップS20のサブルーチン処理としてECU30のマイクロコンピュータにより実行される。なお、図5(a)中の実線は、圧力波形のうち噴射に伴い圧力が降下していく部分の波形である降下波形を示す。
先ず、図4に示すステップS21において、近似対象となる降下波形を圧力波形から抽出する。具体的には、図5(a)に示す圧力波形のうち近似範囲Taに位置する圧力の検出値を抽出する。図6は、抽出した複数の検出値D1〜D11を模式的に示す図であり、図6の縦軸は燃圧(検出値)を示す。また、図6の横軸は経過時間を示しており、複数の検出値D1〜D11の時間間隔は先述したサンプリング周期となっている。
なお、近似範囲Taの始期は、噴射指令信号t1の出力から所定時間(噴射遅れに相当)が経過した時点とすればよく、近似範囲Taの終期は、前記始期から所定時間(弁体12のリフトアップに要する時間に相当)が経過した時点とすればよい。或いは、図2(d)の如く圧力波形の微分値を演算し、噴射指令信号t1の出力後に微分値が最初に第1閾値TH1より小さくなった時点を図2(c)のP1時点とみなして近似範囲Taの始期とし、さらにその後、微分値が第2閾値TH2より大きくなった時点を図2(c)のP2時点とみなして近似範囲Taの終期としてもよい。
続くステップS22(第1近似手段)では、抽出した複数の検出値D1〜D11を最小二乗法により近似して最小二乗近似直線La1を演算する。つまり、各々の検出値D1〜D11との縦軸方向の距離(圧力の差分)の総和が最小となるような直線を、最小二乗近似直線La1として演算する。図5(a)中の点線及び図6中の実線が最小二乗近似直線La1に相当する。そして、図5(b)中の符号Der1は、圧力波形の微分値の変化を示す波形であり、ステップS22で演算された直線La1の傾きは、近似範囲Taにおける微分値Der1の平均Ave1であると言える。換言すれば、降下波形の接線の傾きの平均が微分値Der1の平均Ave1である。
続くステップS23(重み付け手段)では、複数の検出値D1〜D11の各々について、最小二乗近似直線La1との距離(差分e1〜e11)に応じた重みw1〜w11を算出する。具体的には、差分e1〜e11が大きいほど重みw1〜w11を大きく設定しており、差分e1〜e11の大きさと重みw1〜w11の大きさとは比例するように設定する。そして、続くステップS24(重み付け手段)では、ステップS23で算出した重みw1〜w11を各々の検出値D1〜D11に付与する。具体的には、重みw1〜w11の値を検出値D1〜D11に乗じて、重み付き検出値Dw1〜Dw11を算出する。したがって、図6の例では、差分e3,e8が大きい検出値D3,D8については、最小二乗近似直線La1に対する差分がさらに大きくなるように修正(重み付け)されると言える。
続くステップS25(第2近似手段)では、ステップS24で算出された重み付き検出値Dw1〜Dw11を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線La2を演算する。つまり、各々の重み付き検出値Dw1〜Dw11との距離(差分)の総和が最小となるような直線を、重み付き最小二乗近似直線La2として演算する。図6中の点線が重み付き最小二乗近似直線La2に相当する。
このように、重み無しの直線La1を重み有りの直線La2に修正すると、図6中の実線が点線に示すように修正され、重み無しの直線La1との差分e3,e8が大きかった検出値D3,D8は、重み有りの直線La2との差分が小さくなる。図5(a)の例で言うと、直線La1は検出値Da,Dbに近づくように修正される。その結果、矢印Y1,Y2に示すように直線La1は修正される。
一方、図6に示すように、差分e3,e8が大きかった検出値D1,D2,D5,D6,D10,D11のうち、微分最小点Pdから遠い位置の検出値D1,D2,D10,D11については重み有りの直線La2との差分が大きくなるものの、微分最小点Pdから遠い位置の検出値D5,D6については重み有りの直線La2との差分が小さくなる。図5(a)の例で言うと、直線La1は、微分最小点Pd近傍に位置する検出値からは離れることなく、検出値Dc,Ddからは遠ざかるように修正される。
また、図5(b)中の符号Der2は、重み付き検出値Dw1〜Dw11により表される波形の微分値の変化を示す波形であり、ステップS25で演算された直線La2の傾きは、近似範囲Taにおける微分値Der2の平均Ave2であると言える。換言すれば、重み付き検出値Dw1〜Dw11により表される波形の接線の傾きの平均が微分値Der2の平均Ave2である。そして、微分値Der2の平均Ave2は、微分値Der1の平均Ave1よりも小さくなる。このことは、重み有りの直線La2の傾きが、重み無しの直線La1の傾きよりも小さくなっていることを意味する。
ここで、降下波形のうち微分最小点Pdでの接線はその傾きが最小となっている。そして、降下波形のうち微分最小点Pdから離れた部分には、微分最小点Pdでの傾きに比べて極めて大きい傾き(図5中の検出値Da〜Dcの傾き、及びDb〜Ddの傾き参照)となっている箇所が存在する。したがって、重み無しの直線La1の傾きは、これらの箇所(Da〜Dc及びDb〜Dd)の傾きの影響を受けて、微分最小点Pdでの接線の傾きに比べて大きくなってしまう。これに対し、重み有りの直線La2の傾きは、上述したように小さくなるよう修正されるので、重み有りの直線La2の傾きは微分最小点Pdでの接線La0の傾きに近づくことになる。
なお、図3のステップS30のサブルーチン処理も、ステップS20と同様の思想に基づき実施する。すなわち、圧力波形から、燃料噴射に伴い上昇する部分の上昇波形の検出値を抽出し、抽出した複数の検出値を最小二乗法により近似して最小二乗近似直線Lb1を演算する(第1近似手段)。次に、上昇波形を表した複数の検出値の各々について、最小二乗近似直線Lb1との距離(差分)に応じた重みを算出して、各々の検出値に付与する(重み付け手段)。次に、重み付けされた複数の検出値を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線Lb2を演算する(第2近似手段)。
そして、上昇波形にかかる重み付き最小二乗近似直線Lb2も、降下波形にかかる重み付き最小二乗近似直線La2と同様にして、微分最小点Pdでの接線Lb0に近づくことになる。すなわち、重み無しの直線Lb1の傾きは、微分最大点Peでの接線Lb0の傾きに比べて小さくなってしまう。これに対し、重み有りの直線Lb2の傾きは、重み無しの直線Lb1の傾きよりも大きくなるよう修正されるので、重み有りの直線Lbは、重み無しの直線Lb1に比べて接線Lb0に近づく。
以上により、本実施形態によれば、降下波形の最小二乗近似直線La1に対する差分が大きい検出値であるほど大きい重みを付与し、このように重み付けられた降下波形の検出値を最小二乗法により再び近似して、重み付き最小二乗近似直線La2に近似直線La1を修正する。よって、微分最小点Pdでの接線La0に近い近似直線La2を演算することができる。上昇波形についても同様にして、微分最大点Peでの接線Lb0に近い近似直線Lb2を演算できる。よって、このように演算された降下波形及び上昇波形の近似直線La2,Lb2を用いて、噴射開始時期R1、噴射終了時期R4、噴射率上昇の傾きRα及び噴射率降下の傾きRβを算出するので、噴射率波形(燃料噴射状態)を高精度で推定できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、図4のステップS23において、検出値D1〜D11と近似直線La1との差分e1〜e11に基づき重みw1〜w11を算出している。これに対し、本実施形態では、検出値D1〜D11の検出時刻と、微分最小点Pd又は微分最大点Peの出現時刻tPd(図5及び図6参照)との時間差に基づき重みw1〜w11を算出している。つまり、図5又は図6の横軸上で、複数の検出値D1〜D11,Da〜DdのうちtPd時刻の近くに位置する検出値であるほど大きい重みに設定している。つまり、図6の例では、微分最小点Pdに近い検出値D5,D6の重みを、検出値D1,D2,D10,D11よりも大きく設定している。また、図5の例では、微分最小点Pdの近傍の検出値の重みを検出値Da,Dbよりも大きく設定し、検出値Da,Dbの重みを検出値Dc,Ddよりも大きく設定している。
図7は、本実施形態において降下波形から近似直線を演算する手順を示すフローチャートであり、以下、図4との違いを中心に説明する。図7に示すステップS21及びS22では、図4と同様にして、圧力波形から抽出した降下波形の検出値D1〜D11を最小二乗法により近似して最小二乗近似直線La1を演算する。
続くステップS23a(重み付け手段)では、抽出した降下波形における微分最小点Pdの出現時刻tPdを算出する。続くステップS23b(重み付け手段)では、検出値D1〜D11の検出時刻と出現時刻tPdとの時間差に応じた重みw1〜w11を算出する。具体的には、時間差が小さいほど重みw1〜w11を大きく設定しており、前記時間差と重みw1〜w11の大きさとは反比例するように設定する。
そして、続くステップS24(重み付け手段)では、ステップS23bで算出した重みw1〜w11を各々の検出値D1〜D11に付与する。具体的には、重みw1〜w11の値を検出値D1〜D11に乗じて、重み付き検出値Dw1〜Dw11を算出する。
続くステップS25(重み付き近似手段)では、ステップS24で算出された重み付き検出値Dw1〜Dw11を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線を演算する。つまり、各々の重み付き検出値Dw1〜Dw11との距離(差分)の総和が最小となるような直線を、重み付き最小二乗近似直線として演算する。
このように、重み無しの直線La1を重み有りの直線に修正すると、修正後の重み付き最小二乗近似直線は、微分最小点Pd近傍の検出値による影響を大きく受けるとともに、微分最小点Pdから離れた箇所の検出値Da,Db,Dc,Ddから受ける影響が小さくなる。よって、図5(a)の矢印Y1,Y2に示すように直線La1は所望する接線La0に近づくように修正される。
なお、上昇波形の近似直線についても、図7と同様の思想に基づき演算する。すなわち、圧力波形から抽出した上昇波形の検出値を最小二乗法により近似して最小二乗近似直線Lb1を演算する。次に、抽出した上昇波形における微分最大点Peの出現時刻tPe(図示略)を算出する。次に、微分最大点Peの出現時刻tPeに近い検出時刻の検出値であるほど大きい重みを付与する。次に、重みが付与された検出値を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線を演算する。このように、重み無しの直線La1を重み有りの直線に修正すると、修正後の重み付き最小二乗近似直線は、微分最大点Pe近傍の検出値による影響を大きく受けるとともに、微分最大点Peから離れた箇所の検出値から受ける影響が小さくなる。よって、直線Lb1は所望する接線Lb0に近づくように修正される。
以上により、本実施形態によっても上記第1実施形態と同様にして、降下波形中の微分最小点Pdでの接線La0に近い近似直線を演算できる。また、上昇波形についても同様にして微分最大点Peでの接線Lb0に近い近似直線を演算できる。よって、このように演算された降下波形及び上昇波形の近似直線を用いて、噴射開始時期R1、噴射終了時期R4、噴射率上昇の傾きRα及び噴射率降下の傾きRβを算出するので、噴射率波形(燃料噴射状態)を高精度で推定できる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・図1に示す上記実施形態では、燃圧センサ20を燃料噴射弁10に搭載しているが、本発明にかかる燃圧センサはコモンレール42の吐出口42aから噴孔11bに至るまでの燃料供給経路内の燃圧を検出するよう配置された燃圧センサであればよい。よって、例えばコモンレール42と燃料噴射弁10とを接続する高圧配管42bに燃圧センサを搭載してもよい。つまり、コモンレール42及び燃料噴射弁10を接続する高圧配管42bと、ボデー11内の高圧通路11aとが「蓄圧容器の吐出口から燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路」に相当する。
・上記第1実施形態において差分に応じた重みを設定するにあたり、降下波形及び上昇波形の傾きに影響を与えるパラメータ(例えば燃料温度や燃料性状等)に応じて、同じ差分であっても異なる重みとなるように設定してもよい。
・上記第2実施形態において、微分最小点Pd及び微分最大点Peの出現時刻tPd,tPeとの時間差に応じた重みを設定するにあたり、降下波形及び上昇波形の傾きに影響を与えるパラメータ(例えば燃料温度や燃料性状等)に応じて、同じ時間差であっても異なる重みとなるように設定してもよい。
10…燃料噴射弁、20…燃圧センサ、S20…直線近似手段、S23,S23b,S24…重み付け手段、S23a…算出手段、S25…第2近似手段、重み付き近似手段、S50〜S80…噴射状態推定手段。

Claims (2)

  1. 蓄圧容器で蓄圧した燃料を燃料噴射弁から噴射する燃料噴射システムに適用された燃料噴射状態検出装置において、
    前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、
    所定のサンプリング周期で前記燃圧センサから出力された複数の検出値により表される圧力波形のうち、前記噴孔の開弁開始に伴い圧力降下していく部分である降下波形、又は前記噴孔の閉弁開始に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形を直線に近似する直線近似手段と、
    前記直線近似手段により近似された直線に基づいて燃料噴射状態を推定する噴射状態推定手段と、
    を備え、
    前記直線近似手段は、
    前記降下波形又は前記上昇波形を表した前記複数の検出値を最小二乗法により近似して、最小二乗近似直線を演算する第1近似手段と、
    前記複数の検出値のうち前記最小二乗近似直線に対する差分が大きい検出値であるほど、大きい重みを付与する重み付け手段と、
    前記重み付け手段により重みが付与された複数の検出値を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線を演算する第2近似手段と、
    を有することを特徴とする燃料噴射状態検出装置。
  2. 蓄圧容器で蓄圧した燃料を燃料噴射弁から噴射する燃料噴射システムに適用された燃料噴射状態検出装置において、
    前記蓄圧容器の吐出口から前記燃料噴射弁の噴孔に至るまでの燃料通路に配置され、前記燃料通路内の燃料圧力を検出する燃圧センサと、
    所定のサンプリング周期で前記燃圧センサから出力された複数の検出値により表される圧力波形のうち、前記噴孔の開弁開始に伴い圧力降下していく部分である降下波形、又は前記噴孔の閉弁開始に伴い圧力上昇していく部分である上昇波形を直線に近似する直線近似手段と、
    前記直線近似手段により近似された直線に基づいて燃料噴射状態を推定する噴射状態推定手段と、
    を備え、
    前記直線近似手段は、
    前記降下波形のうち降下の傾きが最小となる微分最小点、又は前記上昇波形のうち上昇の傾きが最大となる微分最大点を算出する算出手段と、
    前記降下波形又は前記上昇波形を表した前記複数の検出値のうち前記微分最小点又は前記微分最大点の近くに位置する検出値であるほど、大きい重みを付与する重み付け手段と、
    前記重み付け手段により重みが付与された複数の検出値を最小二乗法により近似して、重み付き最小二乗近似直線を演算する重み付き近似手段と、
    を有することを特徴とする燃料噴射状態検出装置。
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