JP2008000105A - 柑橘類の皮を着色材とした中華麺及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 柑橘類のジュースを製造するに際し発生する搾り滓を、中華麺の着色材として利用し、搾り滓の廃棄に要する労力を軽減する。また、中華麺を天然素材により中華麺らしい色合いのものとする。
【解決手段】 通常食される柑橘類の中身以外の果実部分、例えば皮を含むみかんやオレンジのジュースの搾り滓を粉砕した粉末と食用油を、1.0:0.6〜1.0:1.2(重量比)の割合で混合してペースト状とし、これを小麦粉やその他一般的に使用されている所望の中華麺材料に加えてミキサーで混練して中華麺用生地を製造し、この生地を製麺して中華麺とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 通常食される柑橘類の中身以外の果実部分、例えば皮を含むみかんやオレンジのジュースの搾り滓を粉砕した粉末と食用油を、1.0:0.6〜1.0:1.2(重量比)の割合で混合してペースト状とし、これを小麦粉やその他一般的に使用されている所望の中華麺材料に加えてミキサーで混練して中華麺用生地を製造し、この生地を製麺して中華麺とする。
【選択図】 なし
Description
この発明は、柑橘類のジュースを製造するに際し大量に排出されその廃棄に多大な労力を必要としている、いわゆるジュースの搾り滓の有効的な再利用を目的として開発したものであり、従来使用されているクチナシカラー等の着色料に代え、この搾り滓を中華麺の着色材として利用するようにした中華麺及びその製造方法に関するものである。
みかんジュースやオレンジジュースやグレープフルーツジュース等の柑橘類からジュースを搾るに際しては、皮を含む大量の搾り滓が発生し、これを適切に処分するためには多大な労力を必要としている。そこで、この廃棄するしかなかったジュースの搾り滓を有効的に再活用することができれば、産業上非常に有用なものとなる。
一方、中華麺を製造するに際しては、中華麺独特の色合いを出すために従来からクチナシカラー等の着色料が使用されている。しかし、近年消費者の安全な食を求める傾向や、自然素材を重要視する動きから、加工食品においても表示義務のある着色料の使用はできれば製造者としては控えたいところである。
そこで、発明者はみかんの皮の色に着目して、このみかんの皮により中華麺らしい色合いが出せないか鋭意研究を行った。
また、従来の着色料に代えて、その他のものを着色材料として使用して中華麺らしい色合いを出すようにしたものもあるが、みかん等の柑橘類の皮を中華麺の着色材として利用したものはない。
特開2000−83609号公報
特開平11−103804号公報
特開平8−242794号公報
また、従来の着色料に代えて、その他のものを着色材料として使用して中華麺らしい色合いを出すようにしたものもあるが、みかん等の柑橘類の皮を中華麺の着色材として利用したものはない。
みかんの皮を粉末化し、これを直接中華麺生地の混練時に小麦粉等と共にミキサーに同時に投入して混練すると、でき上がった中華麺は黄色に発色せず、チョコレート色のような色を呈してしまうことがわかった。そして、この色は時間の経過とともにより色濃くなってしまうことも確認された。
みかんの皮の粉末自体はオレンジ色をしており、ミキシング当初は程よい中華麺らしい色となるが、製麺後に徐々に茶色に変色してしまうのである。したがって、みかんの粉末をそのままの状態で直接ミキサーに投入して着色材として使用することはできないことがわかった。
そして、発明者は色々試した結果、みかん等の皮の粉末を油で溶きペースト状にし、これをミキシング時に小麦粉等ともに混合して中華麺を製造すると、中華麺として製造した時点は勿論のこと、茹で上がった状態でも程よい黄色を維持できることを見いだした。また、他の柑橘類でも試した結果同様に、中華麺らしく程よい黄色に着色された麺が製造できることが確認できた。
そこでこの発明に係る柑橘類の皮を着色材とした中華麺は上記課題を解決するために、柑橘類の皮を中華麺の着色材として使用した中華麺(請求項1)であり、より具体的には中華麺を製造するに際し、従来使用している着色料に代え、柑橘類の皮の粉末を食用油で溶いてペースト状にしたものを、中華麺用原料に加えて製造した中華麺(請求項2)や、中華麺を製造するに際し、従来使用している着色料に代え、柑橘類の皮の粉末を食用油でコーティングしてパウダー状にしたものを、中華麺用原料に加えて製造した中華麺(請求項3)である。
またこの発明に係る柑橘類の皮を着色材とした中華麺の製造方法は上記課題を解決するために、通常食される柑橘類の中身以外の果実部分を粉砕した粉末と食用油を、1.0:0.6〜1.0:1.2(重量比)の割合で混合してペースト状とし、これを小麦粉やその他一般的に使用されている所望の中華麺材料に加えてミキサーで混練して中華麺用生地を製造し、この生地を製麺するようにした(請求項4)ものであり、また通常食される柑橘類の中身以外の果実部分は、皮を含むジュースの搾り滓(請求項5)としたものである。
従来廃棄するしかなかったジュースの搾り滓を、中華麺の着色材料として使用することにより、搾り滓の処分量を減らすことが可能となり環境負荷を軽減することができ、また皮などを粉末化するが化学的変化は加えずにほぼそのままのものを利用することにより、中華麺中における自然素材の利用比率を高めることができる。
また、柑橘類の皮を含む搾り滓をパウダー状にしたものを予め油と混合し、その後に小麦粉等の原料と混練することにより、麺が希望通りの中華麺らしい色となる。そして、皮の粉末の混合量を変えることにより、中華麺を所望の色に着色することができる。
柑橘類としては、みかんやオレンジを初めとして、皮の色が基本的に黄色やオレンジ色のものであれば何でもよく、例えばグレープフルーツや夏みかんや八朔や伊予柑等なんでもよい。これらのものの皮の色を着色原料として利用するので、皮の色が濃いほど着色料としての使用量は少なくて済む。使用量を少なくすると、結果として中華麺に残る柑橘類の香りが小さくなる。
また、本発明は本来は廃棄物となるジュースの搾り滓を再利用することも目的の一つとしているので、柑橘類の皮としては、皮を含むジュースの搾り滓全部を利用することを基本的にはしている。搾り滓には皮以外の部分も含まれることになるが、格別これらのものを除外しなくても発色にそれほどの影響はない。なお、使用する柑橘類の皮はこのような方法によって得られたものに限るものではなく、みかんの缶詰のように缶詰製造時に剥いた皮を利用してもよく、あるいは皮の表皮(色の濃い部分)のみを剥いて着色材として使用してもよい。
食用油としては、植物性の油でも動物性の油でもよい。使用する油の種類により、最終的な中華麺としての風味に若干影響する場合もあるので、これは希望する風味に合わして適当なものを選択することが可能である。
そして、柑橘類の皮の粉末を食用油と混ぜてペースト状にしたものを小麦粉等に混合するのを基本とする。しかし、場合によってはペースト状にしたものを再度粉粒化して、柑橘類の皮の粉末を油でコーティングした状態のパウダーを製造し、これを生地製造時に小麦粉に混ぜるか、あるいはこれを麺打ちの際の打ち粉として利用して色加減を見ながら着色するようにしてもよい。
次に、この発明に係る柑橘類の皮を着色材とした中華麺の製造方法とその製造方法により製造される柑橘類の皮を着色材とした中華麺について説明する。説明の便宜上小麦粉一袋(25kg)を主原料として中華麺を製造する場合について述べる。
みかんジュースの搾り滓を乾燥して粉砕し粉末化する。粉末の粒径は小麦粉の粒径とほぼ揃えるために80メッシュ〜120メッシュ程度とする。この粉末は丁度オレンジ色をしている。このように粉末と小麦粉の粒径をほぼ揃えておくと、麺として食するときに異物感や違和感を感じないですむ。
そして、上記粉末500gとサラダオイル400gを混合し、ペースト状の着色材料を製造する。粉末をサラダオイルでコーティングしたような状態にしておくことにより、麺製造時及び製造後の変色を防止でき黄色く発色した中華麺とすることができる。
次に、ミキサーに小麦粉25kgを初めとして、従来の着色料を除き通常使用されている中華麺の原料、卵白や小麦粉蛋白や牛乳やカンスイを入れ、さらに上記で準備したペースト状の着色材料を加える。そして、所望量の水(7kg〜12kgの範囲で麺の種類により調整可能)を加えて混練して中華麺生地を製造する。
上記過程により製造した中華麺生地は、通常の中華麺と同じように黄色く発色したものとなる。そして、これを麺帯機や製麺機などを利用して、常法により中華麺を製造する。また、これをその後即席麺用に加工することも可能である。
このようにして製造した中華麺は、通常の中華麺と同じように黄色く、ほのかなみかんの香りを伴っている。そして、この中華麺は茹でてもこの色が変色することはなく、また食べても普通のラーメンと同じような食感ものとなる。
基本的には上記実施例1と同じであるが、ペースト状の着色材料をそのまま混合せず、ペースト状にしたものを再度粉粒化して、みかんの皮の粉末を油でコーティングした状態のパウダーを製造する。そしてこれを小麦粉等と共にミキサーに投入して中華麺生地を製造する。そしてこの生地を用いて中華麺を製造する。予めこのようなパウダーを用意しておくと、いちいちペースト状の着色材料を用意する必要がなく、またミキサーへの投入も他の材料と同時に行えるので製造工程が複雑になることを防止できる。
着色材料をペースト状やパウダー状にしておくことにより、中華麺の製造段階における任意の段階で着色材料を使用することができ、各種麺製造方法に広く対応して使用することが可能となる。また、ジュースの搾り滓の再利用のみならず、柑橘類の皮を入手できればそれを粉末化すればよいので、柑橘類の皮の入手に制限がなく着色原料を広く求めることが可能となる。
Claims (5)
- 柑橘類の皮を中華麺の着色材として使用していることを特徴とする、柑橘類の皮を着色材とした中華麺。
- 中華麺を製造するに際し、従来使用している着色料に代え、柑橘類の皮の粉末を食用油で溶いてペースト状にしたものを、中華麺用原料に加えて製造してあることを特徴とする柑橘類の皮を着色材とした中華麺。
- 中華麺を製造するに際し、従来使用している着色料に代え、柑橘類の皮の粉末を食用油でコーティングしてパウダー状にしたものを、中華麺用原料に加えて製造してあることを特徴とする柑橘類の皮を着色材とした中華麺。
- 通常食される柑橘類の中身以外の果実部分を粉砕した粉末と食用油を、1.0:0.6〜1.0:1.2(重量比)の割合で混合してペースト状とし、これを小麦粉やその他一般的に使用されている所望の中華麺材料に加えてミキサーで混練して中華麺用生地を製造し、この生地を製麺したことを特徴とする柑橘類の皮を着色材とした中華麺の製造方法。
- 通常食される柑橘類の中身以外の果実部分は、皮を含むジュースの搾り滓である請求項4記載の柑橘類の皮を着色材とした中華麺の製造方法。
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JP2006175052A JP2008000105A (ja) | 2006-06-26 | 2006-06-26 | 柑橘類の皮を着色材とした中華麺及びその製造方法 |
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Cited By (2)
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EP2077244A2 (en) | 2008-01-04 | 2009-07-08 | Ricoh Company, Ltd. | Sheet conveying apparatus and image forming apparatus |
JP2020150885A (ja) * | 2019-03-22 | 2020-09-24 | 日清食品ホールディングス株式会社 | 生中華麺用色付き打ち粉及びその製造方法 |
-
2006
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