JP2007538006A - 精製インターロイキン15/Fc融合タンパク質とその調整 - Google Patents

精製インターロイキン15/Fc融合タンパク質とその調整 Download PDF

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Abstract

本発明は、インターロイキン15/Fc融合タンパク質を組成物から精製する方法であって、a)組成物を親和性クロマトグラフィカラムに供して第1のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させ、そして、b)工程a)の溶出物をイオン交換クロマトグラフィカラムに供して第2のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させることを含む前記方法;並びに精製インターロイキン15/Fc融合タンパク質、及びそのような融合タンパク質を含む組成物、特に医薬組成物に関するものである。

Description

本発明は、インターロイキン15/Fc融合タンパク質を組成物から精製する方法であって、a)組成物を親和性クロマトグラフィカラムに供して第1のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させ、そして、b)工程a)の溶出物をイオン交換クロマトグラフィカラムに供して第2のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させることを含む前記方法;並びに精製インターロイキン15/Fc融合タンパク質、及びそのような融合タンパク質を含む組成物、特に医薬組成物に関するものである。
臓器又は組織の移植は標準法になりつつあり、多くの場合、生命を脅かす多くの疾患の唯一の救命処置である。しかしながら、レシピエントの生体による、移植片の外来細胞表面抗原に対する免疫応答によって引き起こされる拒絶に関してしばしば困難が生ずる。拒絶を抑制する1つの治療的アプローチは、免疫抑制剤、特にインターロイキン15(IL−15)又はインターロイキン2(IL−2)のアンタゴニスト抗体又はアゴニストによって液性又は細胞性免疫応答を抑制することである。これまでにIL−15又はIL−2分子に対する抗体を用いたさまざまな療法が記載されている。有効なIL−15アンタゴニストの例は、N端の変異又は未変異IL−15断片及びC端のFc断片から成る融合タンパク質である(WO97/41232号;Kimら(1998)J.Immunol.160:5742−5748)。
融合タンパク質を医薬品としてうまく使用できるためには、非常に高純度で大規模に生産し、安定な様式で保存できることが必要である。一般に、非天然タンパク質は遺伝子操作法によって生産される。このため、タンパク質は、タンパク質を産生するために目的ペプチドの遺伝子を含有する組換えプラスミドが細胞株に組み込まれるように遺伝子操作された哺乳動物又は細菌の細胞株を用いた細胞培養で生産される。次に、これらの細胞株を、例えば糖、アミノ酸、成長因子、塩、異なる動物由来の血清などを含有する複合細胞培地の存在下、好適な条件で培養する。続いて、治療剤としての使用に十分な純度が達成されるまで、目的タンパク質を培地成分、細胞の代謝産物、及び他の混入物質から分離することが必要である。
タンパク質を細胞培養物から精製する方法は、熟練した作業者に周知である。タンパク質は、細胞株から周囲の培地へ直接放出されるものもあれば、細胞内に保持されるものもある。後者は、まず細胞を破壊することが必要であり、これは、例えば機械的な剪断、浸透圧衝撃、又は酵素処理などの多様なプロセスで可能となる。この場合、ホモジネートには細胞の全内容物が含まれ、細胞内断片を除去するには追加のプロセスが必要とされる。後者のプロセスには、例えば分画遠心法又はろ過が含まれる。タンパク質を上清から直接得る場合、死細胞などの部分を除去するためにそのような工程がやはり必要であり得る。その後、タンパク質を通常さまざまなクロマトグラフィ技術の組み合わせによって更に精製する。これらの技術は、サイズ、荷電、疎水性、又は具体的な基質に対する親和性に応じてタンパク質の混合物を分離する。これらの技術のそれぞれに関し、多くのカラム材料が利用可能であり、目的タンパク質に応じて使用される。クロマトグラフィの目的は、目的タンパク質がカラムで混入物質とは異なる移動度を発揮することにあり、したがって、後者とは異なる時間に溶出する。
本発明の目的は、できるだけ純粋なIL−15/Fc融合タンパク質を保存可能な形態で提供することである。
この目的は、IL−15/Fcを組成物から精製する方法によって達成され、この方法は、以下の工程:
a)組成物を親和性クロマトグラフィカラムに供して第1のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させ、そして
b)工程a)の溶出物を陰イオン交換クロマトグラフィカラムに供して第2のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させることを含む。
本明細書において、IL−15/Fc融合タンパク質(IL−15/Fc)は、2つの融合部分、即ちIL−15成分とFc成分とを含む融合タンパク質である。機能性タンパク質に加えて免疫グロブリンの融合部分を含む組換えタンパク質は、例えばCaponら(US5,428,130号)に記載されている。
N端の変異又は未変異IL−15部分と、C端のFc部分とから成る融合タンパク質が好ましい。そのようなタンパク質は、例えばWO97/41232号及びKimら(1998、J.Immunol.160:5742−5748)に開示されている。
融合タンパク質のIL−15部分は、例えば活性化T細胞で発現されるIL−15受容体(IL−15R)への選択的な結合を介在する。したがって、IL−15部分は天然IL−15でもその変異体でもよい。
より好ましい態様では、IL−15成分は野生型IL−15である。これに関連して、IL−15は、例えばマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、又はサル、好ましくはヒトなどのあらゆる種のIL−15であることができる。さまざまなスプライス変異体及び天然の変異体も含まれる。本明細書において、哺乳動物の核酸、特にヒト又はマウス型の核酸が特に好ましい。
IL−15変異体には、天然IL−15に対して、例えば1以上の欠失、挿入、又は置換、又はそれらの組み合わせなどの変異を有するIL−15成分が含まれる。しかしながら、用いるIL−15変異体は、IL−15/Fc融合タンパク質がIL−15Rに結合可能でなければならない。これは、例えば、標識IL−15と、IL−15受容体を有する膜又は細胞とを用いた放射性リガンド結合アッセイで確認されるであろう(Carson WEら、1994、J.Exp.Med.、180(4):1395−1403)。
好ましい態様では、変異体は、IL−15のような作用を有することができ(アゴニスト作用を有するIL−15成分)、その活性レベルは、IL−15と比較して、同一、低下、又は上昇していることさえあり得る。アゴニスト作用を有するIL−15成分を有するIL−15/Fc融合タンパク質に使用できる試験系は、マウスCTLL−2細胞増殖をIL−15成分で刺激することである。
本発明によれば、IL−15成分が少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、更により好ましくは100%、更により好ましくは150%、最も好ましくは少なくとも200%の活性を有する場合は、その成分はアゴニスト作用を有する。アゴニスト作用を有するIL−15成分の活性は、野生型IL−15による刺激と比較した、IL−15成分による反応の刺激の割合を意味する(野生型IL−15は100%活性に相当する)。IL−15成分単独でも融合タンパク質でもアッセイに使用可能である。
アゴニスト作用を有するIL−15成分の場合、残基が類似の特性を有する他のものに置換された保存的アミノ酸置換が好ましい。典型的な置換は、脂肪族アミノ酸群内、脂肪族ヒドロキシル側鎖を有するアミノ酸群内、酸性ラジカルを有するアミノ酸群内、アミド誘導体を有するアミノ酸群内、塩基性ラジカルを有するアミノ酸群内、又は芳香族ラジカルを有するアミノ酸内の置換である。典型的な保存的及び半保存的置換は以下の通りである。
Figure 2007538006
本発明の他の態様では、アンタゴニスト作用を有するIL−15成分を利用する。このタイプの成分は、IL−15の作用、又はIL−15のIL−15Rへの結合を阻害し、完全に阻害することも一部のみを阻害することも可能である。アンタゴニスト作用を有するIL−15成分を有するIL−15/Fc融合タンパク質に使用できる試験系は、WO97/41232号に記載の試験系である(BAF−BO3細胞増殖アッセイ)。本発明によれば、IL−15成分が少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも95%のIL−15介在作用又はIL−15RへのIL−15結合を阻害する場合は、その成分はアンタゴニスト作用を有する。IL−15成分単独でも融合タンパク質でもアッセイに用いることが可能である。
アンタゴニスト作用を有するIL−15成分の場合、残基が異なる特性を有する他のものに置換された非保存的アミノ酸置換が好ましい。IL−15Rとの相互作用又はシグナル伝達に関与する分子領域内で生ずるこうした置換が更に好ましい。
好ましい態様では、用いるアンタゴニスト作用を有するIL−15成分は、WO97/41232号に記載のIL−15変異体、又は56位のアミノ酸(アスパラギン酸;AAA21551)に変異を有するIL−15成分である。インターロイキン15の149位及び/又は156位のアミノ酸に点突然変異が組み込まれている変異体、特にグルタミンがアスパラギン酸に置換されている変異体が最も好ましい(WO97/41232号を参照されたい)。
1つの態様では、記載の変異を組み合わせることも可能である。
1つの態様では、融合タンパク質の変異IL−15部分は、少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも85%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%、野生型IL−15と、好ましくはヒト野生型IL−15と(例えば全米バイオテクノロジー情報センターのデータベースの受託番号AAA21551)、又は他の天然変異体(例えば全米バイオテクノロジー情報センターのデータベースの受託番号CAA63914及びCAA71044の変異体)と同一である。
IL−15/Fc融合タンパク質の第2の機能性単位は、Fc成分である。Fc部分はパパインによる切断で調製でき、そのアミノ酸配列は高度に保存的である免疫グロブリンの定常(c=定常)断片を意味する。Fc断片は、通常、抗原に結合しない抗体断片である。本発明によるFc部分も、上記のように免疫グロブリン断片を意味することが好ましく、更にヒンジ領域の他に定常ドメインCH2及びCH3も含む。
Fc成分は、抗体の、例えばIgA、IgD、IgG、IgE、又はIgMの、好ましくはIgM又はIgGの、より好ましくはサブクラスIgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4のFc部分に由来する。
本発明の具体的な態様では、融合タンパク質のFc部分は、免疫グロブリンG(IgG)のFc断片であり、IgG軽鎖及び重鎖の可変領域を欠失している。
使用できるIgGの例は、IgG1、IgG2、IgG2a、IgG2b、IgG3、及びIgG4である。ヒト又はマウスIgG1が好ましい。
抗体のFc部分全体もその一部のみも本発明に使用可能である。しかしながら、Fc部分の一部は、好ましくは、IL−15/Fc融合タンパク質の血中循環半減期が免疫グロブリン成分のないIL−15成分よりも長いようにデザインされる必要がある。これは、1以上の実験動物に融合タンパク質及びIL−15成分を投与、例えば血流に注入し、血中循環半減期を比較することによって試験することができる。より長い半減期は、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、更により好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも100%の半減期の増加によって示される。
Fc部分は、少なくとも1つの変異を有するFc部分でもよい。変異Fcは、IL−15部分に関して先に記載した様式で変異させることができる。
1つの態様では、融合タンパク質の変異Fc部分は、少なくとも65%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも85%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%マウス又はヒトの野生型免疫グロブリンのFc部分と、好ましくはヒトIgG1−Fc又は他の天然変異体と同一である。
本発明の好ましい態様では、融合タンパク質のFc部分は天然型であるか又は保存的アミノ酸置換を有し、完全なFcR結合部位及び/又は補体結合部位を含有する。融合タンパク質のFc部分は、補体系の活性化及びFc受容体発現細胞への結合を介在することができ、したがって融合タンパク質のIL−15部分によって認識される細胞の枯渇をもたらす。補体活性化及びFc受容体結合を介在するアミノ酸位置に変異、特に非保存的アミノ酸置換を組み込むことにより、これらの機能のスイッチを切ることが可能になる。これらの変異の例は、Fc受容体(FcR)に対する結合部位又は補体結合部位(天然ヒトIgG1のアミノ酸位置214、356、358、及び/又は435、あるいは天然マウスIgG2AのLeu235、Glu318、Lys320、及び/又はLys322)の変異である。これらの位置のアミノ酸の置換は、通常、Fc部分の溶解機能及び補体活性化機能の欠失をもたらす(WO97/41232号)。
例えば分子間結合を妨げ、したがって発現したIL−15/Fc融合タンパク質の凝集を妨げるためには、ヒトFc部分のヒンジ領域の4位のアミノ酸のシステイン、より好ましくはヒトIgG1(ヒトIgG1の167位)のアミノ酸がアラニンに置換されている態様が更に好ましい。
他の好ましい態様では、Fc部分は、ヒト免疫グロブリンIgG1又はマウス免疫グロブリンIgG2AのFc部分であり、ヒンジ領域に加えて重鎖領域CH2及びCH3を含む。
IL−15/Fc融合タンパク質では、IL−15成分が免疫グロブリン成分に直接又はリンカーを介して融合している。リンカーは、好ましくは25アミノ酸以下、より好ましくは15アミノ酸以下、更により好ましくは10アミノ酸以下、最も好ましくは1、2、3、4、若しくは5アミノ酸から成る。
本発明の好ましい態様では、融合タンパク質は、配列番号1の905〜2014位の核酸、配列番号2又は配列番号3の1911〜3020位の核酸によってコードされ、シグナル配列(CD5)はいずれの場合も最初の74ヌクレオチドにコードされる。しかしながら、配列番号4又は配列番号5のタンパク質でもあり得る。配列が上記配列のいずれかと少なくともおよそ60%、好ましくはおよそ75%、特に好ましくはおよそ90%、特におよそ95%同一であり、対応のIL−15/Fc融合タンパク質がIL−15Rに結合し、対応の免疫グロブリン成分のないIL−15/Fc融合タンパク質と比較して血中半減期が上昇している(試験系に関しては上記を参照されたい)タンパク質も含まれる。
融合タンパク質は、融合タンパク質をコードする核酸を細胞に組み込み、続いて好適な条件下で核酸を細胞内で発現させることによって作製することができる。このようにして作製した融合タンパク質は、次に、上清又は細胞自体から本発明の方法によって回収することができる。これには、IL−15/Fc融合タンパク質を含有する組成物を親和性クロマトグラフィカラムに供して第1のIL−15/Fc溶出物を溶出させることが含まれる。
親和性クロマトグラフィとは、吸着クロマトグラフィの特殊形態を意味し、取り出すべき物質に対して高親和性を有し、したがって高結合強度を有する基が支持体上に存在し、その結果、その物質が優先的に吸着することができ、したがって他の物質から取り出される。
支持体は、例えば精製カラムの固相、不連続相、又は個々の粒子であり得る。固相の可能な例は、多孔質ガラスのカラム又はシリカカラムである。本発明の1つの態様では、混入物質による固相への非特異的結合を抑制するために、固相を試薬(例えばグリセロールなど)でコーティングすることができる。好ましい態様では、クロマトグラフィに使用する支持体材料は、特にプロテインA及び/又はプロテインGをリガンドとして用いる場合は、セファロースである。
単離されるべき結合パートナーは、a)リガンドと回収すべき結合パートナーとを好適な条件下で結合させ、b)必要に応じて非結合物質を洗浄除去し、c)2つの分子がこれ以上結合できない条件を作ることによって、例えばバッファー溶液のpH又はイオン強度を変えることによって結合パートナーをリガンドから分離することにより、回収することができる。
好ましい態様では、親和性クロマトグラフィは、プロテインA、特に好ましくは組換えプロテインAをリガンドとして用いたプロテインAクロマトグラフィである。プロテインAは、黄色ブドウ球菌の細菌細胞壁タンパク質であり、Gクラス免疫グロブリン(IgG)のFc領域に対して特異的親和性を有する。プロテインAの分子量は42kDa(組換えプロテインA:およそ32〜45kDa)であり、pH2〜10で安定性が高い。プロテインAは固相(支持体材料)に固定される。Fc部分に対する結合親和性はpHの関数であり、中性又はわずかにアルカリ性のバッファー存在下で結合後は、pH勾配を下げることによって免疫グロブリンを溶出させることができる。
プロテインAクロマトグラフィ材料の1つの例は、細孔構造中でガラスに結合したプロテインAから成るProsep−A(BioProducing社、英国)である。他の好適なプロテインA製剤は、プロテインAセファロース、例えばプロテインAセファロースFast Flow(ファルマシア)、及びToyopearl 650 プロテインA(TosoHaas)である。
あるいは、親和性クロマトグラフィは、用いるリガンドがプロテインGのプロテインGクロマトグラフィでもよい。プロテインGは、G群連鎖球菌の表面タンパク質であり、プロテインAとは異なる親和性スペクトルを有する。IgG抗体のプロテインAに対する親和性は、プロテインGに対するものと異なっており、熟練した作業者は、用いるFc部分に応じて好適な親和性クロマトグラフィを選択することが可能である。
更に、融合タンパク質のFc部分又はIL−15部分に対する異種抗血清を用いることも可能である。
本発明の方法の工程a)を実施するために、精製用カラムを、例えば好適なバッファー溶液で更に平衡化することができる。バッファーは、その酸に基づいた共役によりpHを安定化させた緩衝化溶液である。カラムを平衡化するために用いるバッファーは、pHが通常およそ6〜8の範囲にある等張バッファーが好ましい。平衡化バッファーの可能な例は、20ミリモル/l Tris、25ミリモル/l NaCl、25ミリモル/l EDTA、pH7.5である。
次に、好適なバッファー中にIL−15/Fc融合タンパク質を含有する組成物を、カラムのローディングバッファー中に供する。1つの態様では、平衡化バッファーとローディングバッファーの組成は同一である。続いて、カラムを必要に応じて好適な洗浄バッファーで洗浄し、その後、選択した溶出バッファーでIL−15/Fc融合タンパク質を溶出させる。
カラムのローディング(組成物を供すること)と溶出とのあいだに実施することができる最適な洗浄工程は、固相に非特異的に結合している混入物質を除去するために役立つ。目標は固相から融合タンパク質をできるだけ溶出させないことである。洗浄工程は、通常、例えば20ミリモル/l Tris、150ミリモル/l NaCl、pH7.4などの等張溶液で、あるいはpHを、融合タンパク質は依然として結合しているが、より低い値に、例えばpH5.5に下げることによって実施することができる。
IL−15/Fc融合タンパク質をカラムから溶出させるために溶出バッファーを用いる。溶出バッファーのpHは低いことが好ましく、そのため、リガンド、特にプロテインAと融合タンパク質との相互作用を破壊する。溶出バッファーのpHは、好ましくは2〜5、より好ましくは3〜4の範囲である。pHをこの範囲に制御するバッファーの例は、リン酸、酢酸、クエン酸、及びアンモニウムバッファー、並びにそれらの混合物である。好ましいバッファーはクエン酸バッファー及び酢酸バッファーでり、更に好ましいのはクエン酸ナトリウムバッファー又は酢酸ナトリウムバッファーであり、最も好ましくは0.1モル/l クエン酸バッファー、pH3.4である。しかしながら、高pH(例えばpH9以上)の溶出バッファー、又はリガンド、特にプロテインAと融合タンパク質との相互作用を妨げる他のバッファーを用いることも可能である。
工程a)の溶出物を必要に応じて希釈し、工程b)においてイオン交換クロマトグラフィカラム、陽イオン交換クロマトグラフィカラム、又は好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィカラムに供して第2のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させる。
本発明の好ましい態様では、工程a)の溶出物のpHを、塩基又はバッファーを添加することによって上昇させる。これは、融合タンパク質の起こり得る不活性化を妨げるために、溶出後直ちに行うことが好ましい。これは、例えば1/10容量の1モル/l Tris、pH8.0を加えることによって行うことができる。
イオン交換クロマトグラフィでは、タンパク質は荷電に基づいて分離される。タンパク質はさまざまなアミノ酸から成り、その側鎖は、通常、非荷電ラジカルに加えて酸性ラジカル及び塩基性ラジカルも有することができ、したがってタンパク質全体の荷電に寄与する。タンパク質の等電点以下の低pHでは、荷電側鎖のプロトン付加により全体に陽電荷になり、より高いpHでは、脱プロトン化により陰電荷になる。タンパク質は非常に多数の荷電基を有し、実際の電荷はpH及び個々のアミノ酸の環境に依存するため、荷電による分離はタンパク質を分離する強力な方法である。イオン交換クロマトグラフィでは、選択したタンパク質がマトリックスに結合できるようにpHを選択する。陰イオン交換体の場合、このpHは通常タンパク質の等電点(タンパク質の正味の電荷が0のpH)より少なくともpHが1単位上であり、陽イオン交換体の場合は等電点より下である。マトリックスへの結合は静電相互作用を介して生ずる。マトリックスに結合しないタンパク質をバッファーで洗浄除去する。結合したタンパク質は、塩を添加して溶出させる。NaClを用いることが好ましい。例えば荷電したナトリウムイオン及び塩素イオンの存在によってタンパク質とマトリックスとの静電相互作用が阻止され、タンパク質はマトリックスから離れる。
陰イオン交換体又は塩基性イオン交換体は、陽イオン基が固体不溶性マトリックスに共有結合的に結合しているイオン交換体であるが、中和陰イオンはイオン結合的に結合しているだけであり、したがって他の陰イオンと置き換わることができる。陰イオン交換体によるクロマトグラフィは、通常、陰に荷電した分子を精製するために用いられる。陰イオン交換体の例は、ポリアクリルアミドゲル樹脂又は炭化水素ポリマー樹脂、例えばセルロース又はデキストランなどにカップリングしたアミノエチル、ジエチルアミノエチル、4級アミノエチル、及び4級アンモニウム基である。
陽イオン交換クロマトグラフィも類似の原理にしたがって機能する。ここで、精製すべき陽に荷電した分子は陰に荷電した基(例えばカルボキシメチル又はスルホン酸基)を含有する支持体マトリックスに結合する。用いる対イオンは通常ナトリウムイオン又はカリウムイオンであり、陽に荷電したサンプル分子と置き換わる。陽イオン交換体の例は、ポリアクリルアミドゲル樹脂又は炭化水素ポリマー樹脂、例えばセルロース又はデキストランなどにカップリングしたカルボキシメチル、スルホエチル、スルホプロピル、リン酸基、又はスルホン酸基である。
カラムの形態は、例えば、鉛直流の慣用のもの、又は放射状琉のものであることができる。
工程a)の溶出物を供する前に、通常、好適にはpHが5〜10、好ましくは6〜9、より好ましくは7〜8の範囲のバッファーで樹脂を平衡化する。多様なバッファーがpHをこの範囲に維持可能である。これらのバッファーはいずれも使用に好適であるが、これまでのところ、Trisバッファー、より好ましくは20ミリモル/l Tris、pH8.0のバッファーが好ましい。
平衡化の後、工程a)の溶出物をイオン交換樹脂、好ましくは陰イオン交換樹脂に供する。次に、カラムを必要に応じて洗浄し、続いて、イオン強度を上昇させることによって及び/又はpHを変化させることによってIL−15/Fc融合タンパク質を溶出させる。最適な洗浄工程は、通常平衡化段階と同一バッファーを使用する。しかしながら、異なるモル濃度、例えばより高いモル濃度、例えば20ミリモル/l Tris、200ミリモル/l NaCl、pH8.0のような洗浄バッファーを使用することも可能である。クロマトグラフ分離のためのバッファー濃度は、十分なバッファー容量を保証するためには、通常、例えば少なくとも10ミリモル/lである。バッファーのイオン強度は、タンパク質のマトリックスへの結合に影響しないように、通常低く維持する(<5mS/cm)。しかしながら、イオン強度は、タンパク質が変性又は沈殿するほど低くすべきではない。バッファーイオンは、反対電荷は分離工程に影響し、局所的なpHかく乱が生ずるため、マトリックスと同一電荷であるべきである。溶出は、電解質濃度の直線勾配、段階的増加を用いて、又は等張的に行うことができる。通常、最終モル濃度0.5モル/l以下、好ましくは0.4モル/l以下、より好ましくは0.35モル/l以下が得られ、用いる電解質は、例えば塩化ナトリウム、又は同一作用を有する他の電解質である。
好ましいバッファー濃度10〜200ミリモル/lを有する工程a)の溶出物を、平衡化したカラムに供する。溶出物のpHを5〜9、好ましくは7.5〜8.5に調整する。pHは、好適な物質で、例えばNaOH又は他の好適な塩基を添加することによって適合させることができる。次に、カラムをバッファーで、好ましくは平衡バッファー又は洗浄バッファーで洗浄することができる。バッファー濃度は10〜300ミリモル/lが好ましい。pHは好ましくは7.0〜9.0、より好ましくは7.75〜8.25の範囲である。
陰イオン交換クロマトグラフィの好ましい態様では、用いるカラムは、好ましくはDEA−セファロースカラム又はQ−セファロースカラム、より好ましくはQ−セファロースカラムである。
好ましい態様では、陰イオン交換クロマトグラフィは、FPLC(高速タンパク質液体クロマトグラフィ)装置、又はAkta精製機(例えばAkta Pilot又はBioPilot、アマシャム、英国)で行う。FPLC装置の場合、イオン交換カラムを出発バッファーで最初に平衡化し、次にサンプルループ中の分離すべきタンパク質混合物をカラムに供する。カラムに結合しないタンパク質は直ちに溶出される。バッファーを混合してバッファーのイオン強度を緩やかに上昇させ、タンパク質を1つずつカラムから溶出させ、フラクションコレクター中に回収する。
本発明の好ましい態様では、本発明の精製工程は工程c)を更に含む:
c)工程b)の溶出物をゲルろ過カラム又は疎水性相互作用クロマトグラフィカラムに供して第3のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させる。
ここで、工程b)の溶出物は、ゲルろ過又は疎水性相互作用クロマトグラフィによって精製する。
ゲルろ過は、クロマトグラフィによるタンパク質の分離に特に好適であり、その固定相は膨潤ゲルビーズから成り、粒子サイズにしたがって分離する:大きな粒子はゲルビーズを通過する液体と共に移動し、より小さな粒子は孔中に保持され、溶出物中に最後に現れる。溶出は通常等張的に、即ち濃度勾配のない唯一のバッファーで行われる。バッファーの組成は通常分離に影響せず、タンパク質の要求に依存する。多孔率が架橋度に依存する球状ポリマーをゲルマトリックスとして使用してもよい。その例は、セファデックス、セファロース、バイオゲルA、セファクリル、及びバイオゲルPである。好適サイズの更に小さなタンパク質をこれらのマトリックスの孔中に拡散させることができる。これはゲルを通る流速を遅くする。タンパク質が大きすぎる場合、孔隙を通過して、より高速でゲルを通って溶出する。したがって、高分子量タンパク質は低分子量タンパク質の前に溶出する。物質の混合物は、球状タンパク質の場合は、通常分子量に比例するさまざまなストークス半径にしたがい分離する。十分な分離を得るには、供する容量は、好ましくはカラム容量の5%以下、より好ましくは1%以下である。濃度は、好ましくは50mg/ml以下、より好ましくは25mg/ml、更により好ましくは10mg/mlであることができる。
ゲルろ過クロマトグラフィカラムの固定相は、好ましくは5,000〜600,000kDaの範囲で分画するカラム材料を含む。スーパーデックス200、スーパーデックス75、スーパーロース6、スーパーロース12、セファデックスG−75、セファクリルS−200HR、セファクリルS−300HR、又はセファクリルS−400HRをカラム材料として用いることが好ましく、スーパーデックス200を用いることがより好ましい。
工程b)の溶出物を供する前に、通常、カラムを平衡バッファー、例えば50ミリモル/l リン酸ナトリウム、pH7.0、150ミリモル/l 塩化ナトリウムで平衡化する。次に、工程b)の溶出物をカラムに供する。非常に低い塩濃度はカラムのクロマトグラフ分離特性に悪影響を及ぼし得るため、イオン強度は>20mS/cmを意図する。
ゲルろ過の代替物として、疎水性相互作用クロマトグラフィ(HIC)を行うことも可能である。疎水性相互作用は生化学的に非常に重要である。それは実質的にタンパク質の3次元の3次構造の安定化に関与する。疎水性相互作用とは、極性環境(例えば水)で自発的に凝集する2つの疎水性分子の現象を意味する。塩を溶解し、媒体のイオン強度を増加させても2つの非極性分子の疎水性相互作用を増加させる。タンパク質は、多かれ少なかれ疎水性表面構造の高い特性を有する。したがって、それらは適切に高いイオン強度で疎水性吸着体に接着可能である。相互作用の強度は、塩含量、及び吸着体の選択によって制御することができる。用いる官能基の例は、エチル、ブチル、プロピル、オクチル、又はフェニルラジカルである。高塩濃度存在下で吸着を行う;対応して、溶出は塩の濃度勾配を下げて行う。用いる塩は、通常硫酸アンモニウムである。
本発明の具体的な態様では、工程a)〜c)のうちの少なくとも1つの前か後に、組成物又は溶出物をろ過及び/又は濃縮する。
溶液中でタンパク質を濃縮するために、さまざまな工程を用いることができる。これは、例えば限外ろ過で行うことができる。ここで、小さな分子のみ(塩、溶媒)が通過でき、より大きい分子、例えばタンパク質などは保持される膜を通してタンパク質溶液を加圧する。これは溶液の容量を減少させ、タンパク質濃度を上昇させる。ろ過に、例えば接線流ろ過システムを用いることが可能である。これに好適な膜は、タンパク質を保持する膜である。ろ過は、供給物が膜に対して垂直に押圧される加圧ろ過で行うことができる。これに対する代替物として、供給物が膜を通って接線方向に向いている直交流ろ過プロセスを用いることができる。通過物は流れの方向に対して垂直に膜を通過する。膜の連続的な接線方向の上層吸収により、カバー層の形成を減少させる精製効果を達成する。更に向上させるために、2枚の平行な膜間に繊維層を配置することもでき、これは更なる渦を生ずる。
濃縮又はその代替方法に加えて、組成物又は溶出物をろ過してもよい。使用できるフィルター材料は、硝酸セルロース、酢酸セルロース、PVC、テフロン(登録商標)、又は例えば酸化ジルコニウムでできたセラミック膜である。フィルターは個々の膜でもよいし、例えばモジュールなどの膜システムに集合していてもよい。モジュールは、管状モジュール、らせん状モジュール若しくは巻線形モジュール、又は中空繊維モジュールであることができる。
本発明の好ましい態様では、精製工程の工程a)の前に、組成物をろ過によって浄化する。清澄ろ過に用いるフィルターの孔径は、およそ5μm以下、好ましくは4μm、より好ましくは3μm、最も好ましくは1μmである。
限外ろ過に用いるフィルターの孔径は、好ましくは100,000NMGT以下、より好ましくは75,000NMGT以下、更により好ましくは50,000NMGT以下、最も好ましくは30,000NMGT以下である。
滅菌ろ過に用いるフィルターの孔径は、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.6μm以下、更により好ましくは0.4μm以下、最も好ましくは0.22μm以下である。
本発明の好ましい態様では、工程a)の溶出物のpHを工程b)の前に酸性にする。酸性pHとは、7.0以下、好ましくは5.5以下、より好ましくは4.0以下、最も好ましくは3.5以下のpHである。3.5以下のpH値はウイルスの不活化に好適である。ウイルスの不活化後、塩基、例えば1/10容量の1モル/l Tris、pH8.0を添加してpHを再度上昇させる。ウイルスを除去するために、pHを下げることに加えて、組成物又は溶出物を好適なフィルターでろ過することができる。好適なフィルターは熟練作業者に公知である。
本発明の特に好ましい態様では、精製工程に用いる親和性クロマトグラフィカラムはプロテインAクロマトグラフィカラムであり、精製工程に用いる陰イオン交換クロマトグラフィカラムはQ−セファロースカラムであり、精製工程に用いるゲルろ過カラムはスーパーデックス−200カラムである。
更に、上記工程a)〜c)を用い、必要に応じて記載の態様を組み込んだ精製方法は特に好ましく、IL−15/Fc融合タンパク質の精製後の純度は少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%である。純度は、実施例に記載するように、例えばHPLC−SECで確認することができる。
更に、本発明は、純度が少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の精製IL−15/Fc融合タンパク質に関するものであり、純度は、実施例に記載するように、例えばHPLC−SECで確認することができる。
更に好ましい態様では、N−グリカンあたりの平均シアリル化、即ち精製IL−15/Fc融合タンパク質中のシアル酸が占めるN−グリカンの割合が少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%である。
更に他の好ましい態様では、アンテナあたりの平均シアリル化、即ち精製IL−15/Fc融合タンパク質中のシアル酸が占めるアンテナの割合が少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%であり、アンテナ数はN−グリカンの分岐数に相当する。
平均シアリル化は、同様にHPAEC−PAD(高速陰イオン交換クロマトグラフィ及びパルスアンペロメトリック検出)で決定することができ、アンテナ数はHPLCで決定される。シアル酸とは、N−アシル化及びO−アシル化ノイラミン酸誘導体の基の名称である。複合糖質の多様なオリゴ糖鎖の末端基として露出位置にあるため、シアル酸は前者の生物特性に相当寄与する。糖タンパク質中のシアル酸の酵素的切断はその血漿半減期をかなり短くするため、できるだけ多くシアリル化することは有益である。これは、IL−15/Fcを低用量で及び/又は長期間投与することを可能にする。本発明による精製方法は、上記の平均シアリル化値を有するIL−15/Fc融合タンパク質を調製するために用いることができる穏やかな方法を提供する。
N−アセチルノイラミン酸は最も頻繁に生ずるシアル酸であり、糖タンパク質の重要な成分である。他のシアル酸と同様に不活性化から保護するため、高率のN−アセチルノイラミン酸は有益である。
本発明の更なる態様では、精製IL−15/Fc融合タンパク質中のN−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、及びアシアロ−N−グリカンの合計のうちのN−グリコリルノイラミン酸の割合は、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。N−グリコリルノイラミン酸は、通常ヒトに存在しないノイラミン酸であり、これが抗原性作用を有するかもしれないことを示唆している。したがって、その割合はできるだけ小さくすべきである。
N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、及びアシアロ−N−グリカンの合計の一部としてのN−グリコリルノイラミン酸量は、例えばHPAEC−PAD(高速陰イオン交換クロマトグラフィ及びパルスアンペロメトリック検出)で、N−アセチルノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、及びアシアロ−N−グリカンの合計面積のうちのN−グリコシルノイラミン酸の割合面積を決定することによって決定することができる。
原則として、タンパク質グリコシル化の多数のさまざまな生物機能が記載されている。そのため、オリゴ糖は、プロテアーゼ、微生物、及び抗体によるタンパク質の認識を妨げることによって保護機能又は遮蔽機能を発揮することが可能である。多くの場合、グリコシル化は粗面小胞体中のポリペプチドの正しいホールディングを補助し、タンパク質の構造を維持することによって、構造的な安定化の役割を果たす。更に、タンパク質のグリコシル化は、リガンド又は受容体との相互作用を調節し、細胞−細胞及び細胞−マトリックスの認識に役割を果たすことができる。
したがって、できるだけ多くの天然の又は細胞が産生したグリコシル化を有するIL−15/Fc融合タンパク質を提供することが好ましい。グリコシル化部位数、糖分子数、及び/又はアンテナ数は、この基準として役立つことができる。
更に、本発明は、精製IL−15/Fcタンパク質並びに賦形剤及び添加剤を含む組成物に関する。
例えばタンパク質の安定化に役立つ好適な賦形剤及び添加剤は熟練作業者に周知である(例えばSucker H.ら(1991)Pharmazeutische Technologie、第2版、Georg Thieme Verlag、シュトゥットガルト、ドイツ)。それらには、例えば生理食塩水、デキストロースリンゲル液、乳酸リンゲル液、脱塩水、安定剤、抗酸化剤、錯化剤、抗菌化合物、プロテアーゼインヒビター、及び/又は不活性ガスが含まれる。好ましい態様では、賦形剤及び添加在は、マンニトール、ショ糖、及び/又はグリシンである。
好ましい態様では、組成物のpHは、IL−15/Fcを含有し且つそのpHを有する液体組成物は特に安定であることが証明されているため、7.4〜8.0である。
更に好ましい態様では、本発明の組成物は医薬組成物である。医薬組成物は、医薬として使用することを意図し、使用に好適な組成物である。したがって、医薬的に好適な賦形剤及び添加剤を含む。それらの例は、Aqua sterilisata(滅菌水)、pHに影響を及ぼす物質、例えば有機及び無機の酸及び塩基並びにその塩など、pHを調製するバッファー物質、等張剤、例えば塩化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、グルコース、及びフルクトースなど、界面活性剤又は表面活性物質及び乳化剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸部分エステル(Tween(登録商標))、又は例えばポリオキシエチレンの脂肪酸エステル(クレモフォール(登録商標))など、脂肪油、例えばピーナッツ油、大豆油、及びヒマシ油など、合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及び中性油(Miglyol(登録商標))など、並びにポリマー性賦形剤、例えばゼラチン、デキストラン、ポリビニルピロリドンなど、有機溶媒の溶解性を増加させる添加剤、例えばプロピレングリコール、エタノール、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレングリコールなど、又は錯化剤、例えばクエン酸塩及び尿素など、保存剤、例えば安息香酸ヒドロキシプロピル及び安息香酸メチル、ベンジルアルコールなど、抗酸化剤、例えば亜硫酸ナトリウムなど、及び安定剤、例えばEDTA、PVPなど、造粒剤又は徐放剤としてのセルロースエステル、例えばろう様物質及び/又はユードラジット(登録商標)、セルロース、又はクレモフォール(登録商標)に基づいたポリマー性物質など、抗酸化剤、甘味剤、例えばショ糖、キシリトール、又はマンニトールなど、着香料、芳香剤、保存剤、着色料、バッファー物質、直接打錠剤、例えば微晶性セルロース、デンプン及びデンプン加水分解物(例えばCelutab(登録商標))、乳糖、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、及びリン酸二カルシウムなど、滑剤、充填剤、例えば乳糖又はデンプンなど、乳糖の形態の結合剤、各種デンプン、例えばコムギ又はトウモロコシ又はコメのデンプンなど、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど、又はケイ土、滑石、ステアリン酸塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなど、タルク、シリコン処理をしたタルク、ステアリン酸、セチルアルコール、又は硬化油脂である。
実施例及び図面によって本発明を以下に具体的に説明するが、限定されるものと解釈すべきではない。
実施例
CHO−K1細胞におけるIL−15/Fcの産生
IL−15/Fc産生CHO−K1細胞株を作製するには、IL−15/Fcの発現構築体を形成し、その分泌特性、それが含有する断片の同一性/完全性、及び好適な耐性遺伝子に関して最適化する必要がある。
a)出発材料
ヒトIL−15/Fc発現構築体(変異IL−15/ヒトFc)は、「ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター」の免疫部門(ハーバード大学医学部、ボストン、米国)より提供された。
オリゴヌクレオチドは、MWG−Biotech(エーバースベルク、ドイツ)から入手した。関連シグナルペプチドの配列は遺伝子ライブラリーから入手した。
制限酵素(BglII、XBaI、BamHI、SmaI、BstXI、ApaI)、リポフェクタミン2000、他の分子生物試薬(T4 DNAリガーゼ、T4ポリヌクレオチドキナーゼ)、及びプラスミドpSecTagA、pcDNA3.1は、インビトロジェン(カルルスルーエ、ドイツ)又はアマシャム−ファルマシア(NheI、プロテインAセファロース、ウプサラ、スウェーデン)から入手した。
コンピテント大腸菌XL10−Gold細胞はストラタジーン(ラホーヤ、米国)から入手した。BCAキット(Pierce)はKMF Laborchemie(Sankt Augustin、ドイツ)から購入した。
プラスミドDNA精製キット(Endofree−Maxiキット、Endofree−Gigaキット)はキアゲン(ヒルデン、ドイツ)から購入した。
抗体は、BD−ファーミンジェン(マウス抗hIL−15;カタログ番号554712;ハイデルベルグ、ドイツ)、及びDianova(ヤギ抗マウスPOD;カタログ番号15−036−003;ヤギ抗ヒトPOD;カタログ番号109−036−088;ハンブルグ、ドイツ)から入手した。
b)方法/結果
出発プラスミドは、pSecTagAベクター骨格内に、ヒトIgG1のFc部分(ヒンジ領域、及びCH2、CH3領域)に融合した改変ヒトIL−15を含む融合タンパク質のcDNAを含有する。プラスミドの構造は、本願で引用されたFc部分がマウスIgg2aであること以外はKimらによって記載されたもの(J.Immunol.、160:5742−5748;1998)に相当する。
pSecTagAベクター中に既に存在しているIgkリーダーを、IL−15/Fc部分のインフレームクローニングによって融合タンパク質の分泌に用いた。このため、本来のIL−15配列から固有のシグナル配列を除去した。しかしながら、クローニングにより、Igkリーダー配列の3’端と、IL−15コード配列の5’端とのあいだに追加の10アミノ酸を組み込んだ。これはタンパク質のプロセシング後も分泌タンパク質中に保持された。これらの非特異的アミノ酸を除去し、タンパク質の分泌特性を向上させるために、他の分泌タンパク質又は細胞表面タンパク質のさまざまなリーダー配列について試験した:マウスIgk(Colomaら、J.Immun.Methods 152:89−104;1992;受託番号X91670)、ヒトCD5(Jonesら、Nature 323:346−349;1986;受託番号X04391)、CD4(Hodgeら、Hum.Immunol.30:99−104;1991;受託番号M35160)、MCP−1(Yoshimuraら、Je.FEBS Lett.244:487−493;1989;受託番号M24545)、及びIL−2(Taniguchiら、Nature 302:305−310;1983;受託番号K02056)(受託番号は全米バイオテクノロジー情報センターに基づいている)。Igkリーダーと追加のアミノ酸を除去後、リーダーを、2本鎖オリゴヌクレオチドをクローニングすることによって記載のシグナルペプチド配列で置換した。配列決定により同一性を確認した。続いて、得られた構築体を、リポフェクタミン2000を用いたHEK−293細胞の一過性トランスフェクションによって試験した。さまざまな構築体でトランスフェクションされた細胞の細胞培養上清のタンパク質含量を、Moll及びVestweberの方法(Methods in Molecular Biology、96:77−84、1999)にしたがいプロテインA−セファロース精製後、BCAアッセイで測定した。融合タンパク質の両成分の存在を確かなものにするため、SDSゲルの銀染色、及びFc部分又はIL−15部分に対するウエスタンブロットによってタンパク質の同一性を確認した。記載した実験のうち、CD5リーダーを用いた場合に最良の結果を得た。更にベクターを最適化し、リーダー自体はもはや分泌融合タンパク質中に存在しないようにするために後者を選択した。
Fc部分のcDNAを、エクソン/イントロン構造を含有するゲノムDNAで置換してもタンパク質発現の向上に寄与するかどうかについて更に試験した。核のスプライス装置によって除去されるべきイントロンの存在は、核からのRNA輸送、及びRNA安定性を向上させることができる。したがって、ゲノムFc部分を、スプライスドナー及びアクセプター部位を挿入することによってIL−15cDNA配列に結合させた。得られたプラスミドをさまざまなリーダー配列で同様に改変し、上記のように試験した。しかしながら、ウエスタンブロットによるタンパク質の解析は、さまざまな望ましくないスプライス変異体が存在することを示した。したがって、cDNA型のFc部分を使用し続けることに決定した。
その結果、得られたプラスミドはヒトCD5リーダーとcDNA Fc部分とを含む。
改変IL−15/Fc発現構築体の配列決定は、Fc部分が、オリジナルの構築体中に既に存在する3つの変異を含有することを示した。これらの変異のうちの2つは、高度に保存的な位置のアミノ酸に関連する。第3の変異は、分子内及び分子間のシステイン結合の形成を阻止するために意図的に挿入した、ヒンジ領域の4位のCys−Ala変異であった。
Cys−Ala変異を保持しながら2つの望ましくない変異を除去するために、RT−PCRでFc cDNAをサブクローニングした。用いたRNA源は、VCAM−1/Fc融合タンパク質をコードする構築体でトランスフェクションしたCHO−K1細胞株である。増幅したFc cDNA断片をCD5−mutIL−15プラスミドにクローニングし、BamHI/XbaI制限処理でFc部分を除去した。
得られたプラスミドを、異なる制限パターンに基づいて、及びその後の配列決定により再度解析し、CD5−6Ala7と称した。DNA挿入剤としてのゼオシンの使用は変異を引き起こすため、IL−15/Fcの発現カセットをオリジナルのpSecTagA骨格から切り出し、SV40プロモーターの制御下でネオマイシン耐性遺伝子を含有するpcDNA3.1にクローニングした。得られたプラスミドの両方の鎖を配列決定したところ、IL−15/Fc発現カセットとの完全な一致を示した。
CHO−K1細胞の一過性トランスフェクションと細胞培養上清のウエスタンブロット解析によって、タンパク質発現について構築体を再度試験した。陽性対照として、平行した実験において、CD5−6Alaプラスミドでトランスフェクションした。
この目的のため、トランスフェクションの前日に、細胞を5×10細胞/ウェルの濃度で3重に6ウェル組織培養プレートに蒔いた。2μgのプラスミド及び4μlのリポフェクタミン2000をそれぞれ250μlのOptimem1培地で希釈し、トランスフェクションに用いた。2つの溶液を混合し、室温で30分間インキュベーションした後、混合液をピペットに取り、組織培養プレートの培地に加えた。
トランスフェクション後2日目に培地を除去し、ヒトIL−15部分に対するウエスタンブロットでIL−15/Fc含量を解析した:20μlの細胞培養上清を5μlの5×Laemmliバッファーと混合し、85℃で5分間インキュベーションした。次にサンプルを12%ポリアクリルアミドゲルで泳動した。次にセミドライブロッティングチャンバーを用いてゲルをブロットした。5%ミルクパウダーのPBS溶液、0.1% Tween20を含有するブロッキングバッファーでブロットを一晩処理した。次にブロッキング溶液で1:1000に希釈したマウス抗ヒトIL−15モノクローナル抗体とともにブロットを4時間インキュベーションした。3回の洗浄工程(10分間、PBS、0.1% Tween20)後、ヤギ抗マウス2次抗体 ペルオキシダーゼ(希釈1:5000)とともにブロットを室温で更に2時間インキュベーションした。ブロットを再度3回洗浄し、次にLumilight溶液をブロット表面に滴下し、X線フィルムをブロットに対して感光させた。
CD5−6Ala7でトランスフェクションした後に得たシグナル範囲内の特定のウエスタンブロットシグナルは、3回の平行したトランスフェクション全ての細胞培養上清がIL−15/Fcをタンパク質として含有することを示した。したがって、pcDNA3.1hCD5.6Ala7プラスミド(図1〜3)は、CHO−K1細胞におけるタンパク質発現に使用できることが示された。
c)結論
IL−15/FcプラスミドpcDNA3.1hCD5.6Ala7を調製した。これは、CMVプロモーターの制御下、ヒトIgG1−FcのcDNAに融合した改変ヒトIL−15とともにCD5リーダーを含有する発現カセットを含有する。安定な真核細胞クローンを選択するために、ネオマイシン耐性遺伝子を導入した。プラスミドを配列決定したところ、ベクター骨格に関連性のないほんのわずかな不一致(3塩基対の反復)を有するものの、関連コード領域においては100%の一致を示した。構築体の機能性はCHO−K1細胞の一過性トランスフェクションによって確認した。
所望の産物のDNAを含有するプラスミドによる真核細胞株(例えばCHO−K1細胞)のトランスフェクションは、治療用タンパク質を産生するための標準的方法である。それにもかかわらず、このようにして作製した安定な細胞クローンによる低レベルの生産性は広く知られた問題である。したがって、既存の細胞株の生産性を増加させるためのさまざまな戦略がある。細胞においてプラスミドコピー数を増加させる(例えばメトトレキセート/DHFRシステムを介した)試みは別として、発現構築体自体を改変することが更に可能である。強力なプロモーター(例えばCMVプロモーター)に加えて、イントロンを導入することにより、より良いRNA安定性と、細胞のスプライス装置によって行われる核からのより良いRNA輸送をもたらす可能性がある。それにもかかわらず、イントロン/トランス遺伝子のどの組み合わせが好適か試験しなければならない。この目的のため、CHO−K1細胞によるIL−15/Fc産生を増加させる組み合わせを発見するためにさまざまなイントロンをヒトIL−15/Fcと組み合わせた。
a)材料
出発プラスミドとして用いたプラスミドはpcDNA3.1hCD5.6Ala7プラスミドである。図1に図示されている。配列は配列番号1に開示されている。
用いた試験システムは、CHO−K1細胞(DSM、ブラウンシュヴァイク、ドイツ、受託番号ACC110)、又はHEK−293細胞(Qbiogene、グリュンベルグ、ドイツ、AE80503、QBI−293A)である。大腸菌細胞(XL10−Gold、ストラタジーン、ラ・ホーヤ、米国)も用いた。標準の培養条件(5%CO、37℃、湿潤環境)で細胞を培養した。CHO−K1細胞を1週間に2回、1:20の比で継代した。HEK−293細胞は1:6の比で継代した。CHO−K1細胞に用いた培地はDMEM−F12+10%FKS+1%PEN/Strepであり、HEK−293細胞に用いた培地はDMEM+Glutamax+10%FKS+1%PEN/Strepである。Optimem1培地をトランスフェクションに用いた。培地は全てインビトロジェン、カルルスルーエ、ドイツ(カタログ番号31331−028;32430−027;51985−018)製を用いた。用いたプラスミドは、CMVプロモーター及びキメライントロン、ヒトβ−グロブリン遺伝子の5’スプライスドナー部位及びIgG重鎖の可変領域の3’スプライスアクセプター部位を含有するpCl−Neo(プロメガ)である。pMG(インビトロジェン)は、CMV由来のイントロンAを含有する持続性CMVプロモーターである。pSwitch(Valentis)は合成イントロンIVS8である。更に、以下の酵素及び制限酵素を用いた:ApaI、EcoRV、XbaI、NruI、PacI、SmaI、XhoI、T4−DNAリガーゼ、T4−DNAポリメラーゼ、仔ウシ腸由来アルカリホスファターゼ。こらら及び他の分子生物試薬(リポフェクタミン2000)はインビトロジェンから入手した。NheIはアマシャム−ファルマシア(ウプサラ、スウェーデン)から入手し、プラスミド精製キットはキアゲン、ヒルデン、ドイツから入手した。「エキスパンド ハイフィディリティPCRシステム」(カタログ番号1 732 641)はロシュ、マンハイム、ドイツから入手した。
b)方法
i)pcDNA3.1hCD5.6Ala7プラスミドのIL−15/Fc挿入物をNheI/ApaI消化によって単離した。最初にプラスミドをApaI制限処理で線状にし、T4−ポリメラーゼ処理で5’−突出末端を平滑末端にした。次にその後のNheI消化によってIL−15/Fc挿入物を単離した。断片を、NheI及びSmaIで消化したpcI Neoと連結した。
ii)pcDNA3.1hCD5.6Ala7のCMVプロモーターを除去し、pMG由来のイントロンAを有する拡張性CMVプロモーターと置換した:pMGプラスミドをPacIで切断し、突出末端をT4−ポリメラーゼ処理で平滑末端にした。次のXbaI処理後、このようにして得た1.7kb断片はCMVプロモーター+イントロンAを含有していたが、これをアガロースゲル電気泳動で精製した。CMVプロモーターを、pcDNA3.hCD5.6Ala7から、NheI及びその後のNruI制限消化で除去した。得られた断片をpMG−プロモーター イントロンと4℃で一晩連結させた。
iii)IVS8イントロンをPCRで増幅し、pcDNA3.1hCD5.6Ala7内のCMVプロモーターの3’端とIL−15挿入物の5’端とのあいだにクローニングした。プラスミドをNheI制限消化で線状にし、続いて仔ウシ腸由来アルカリホスファターゼで処理した。イントロンを、XbaI制限部位を含有するプライマーを用いて、エキスパンド ハイフィディリティPCRシステムにて以下の条件下でPCRにより増幅した:用いた反応混合物は、2μlのdNTPs(キアゲン、Taq coreキット、それぞれ2ミリモル/l)、25pmolのプライマー、5μlの10×バッファー、0.75μlのハイフィディリティTaqポリメラーゼ、1μl(およそ15ng)のpSwitch−XhoI/EcoRV断片から成り、水で容量50μlにした。PCRプログラム(25サイクル)は以下の通りである:95℃で5分、94℃で15秒、55℃で30秒、72℃で30秒、72℃で5分。PCR産物をXbaIで切断し、0.8%アガロースゲルから溶離し、線状にしたプラスミドと連結させた。
得られたプラスミドで大腸菌XL10 Goldを形質転換し、プラスミドをミニプレップで解析した。好適な制限パターンを示すそれぞれのプラスミドのうち、1つのクローンをその後のエンドトキシンフリープラスミド調製に用いた。
IL−15/Fcの発現を、HEK−293細胞又はCHO−K1細胞の一過性トランスフェクション後に解析した。トランスフェクションの前日に、細胞を5×10細胞/ウェルの濃度で6ウェル細胞培養プレートに2重に蒔いた。Felgnerら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84:7413−7417;1987)にしたがい、2μgのプラスミド及び4μlのリポフェクタミン2000をそれぞれ250μlのOptimem1培地に希釈することによってトランスフェクションを行った。2つの溶液を混合し、室温で30分間インキュベーションした後、混合物をピペットに取り、細胞培養プレート中の細胞培地に加えた。トランスフェクション後2日目に培地を除去し、IL−15/FcのFc部分に対するELISA試験でIL−15/Fc含量を測定した。
c)結果
さまざまな発現構築体でトランスフェクションしたHEK−293細胞によるIL−15/Fcの分泌は、他のベクター成分にほとんど影響されなかった。逆に、CHO−K1細胞によるIL−15/Fcの発現は、イントロンをIL−15/Fc構築体に挿入した後、200〜300倍に増加した。オリジナル構築体pcDNA3.1hCD5.6Ala7は、タンパク質分泌レベルをほとんど検出できなかったが(10ng/ml以下)、イントロンの挿入により、pMG10Ala7(図4〜6;配列番号2)で細胞をトランスフェクションした後のIL−15/Fcレベルはおよそ300ng/mlであった。CHO−K1細胞におけるIL−15/Fc発現レベルを示すELISAデータを図4に示す。pMG構築体でトランスフェクションした後の発現レベルが最高であったため、安定なCHO−K1発現細胞株を作製するために後者を選択した。
この目的のため、最初にプラスミドを1本鎖配列決定した。構築体の両方の鎖について、IL−15/Fcカセット、新たに挿入されたCMVプロモーター、及びイントロン断片を含有する領域を配列決定した。プラスミドは、CMVプロモーターの制御下でIL−15/Fcカセットを含有していた。CMV(MGプラスミド)由来のイントロンAは、プロモーターと翻訳開始部位とのあいだに位置していた。プラスミドは、IL−15/Fc断片の下流にBGHポリA部位を含有していた;ネオマイシン耐性遺伝子はSV40プロモーターによって制御され、SV40ポリA部位も含有していた。プラスミドは、大腸菌における選択及び増幅のためのアンピシリン耐性遺伝子を含有していた。
d)考察及び結論
安定なCHO−K1−IL−15/Fcトランスフェクタントのタンパク質収率を上昇させるために、プロモーターとIL−15/Fcカセットとのあいだにイントロンを組み込むことによって発現プラスミドを改変した。イントロン−トランス遺伝子−宿主細胞の組み合わせはタンパク質の発現に非常に影響を及ぼすため、解析した2種の細胞において、どのイントロンがIL−15/Fc発現増加に最も有効であるかを予測するのは不可能である。
HEK−293細胞はイントロンの導入にほとんど影響されなかったが、CHO−K1細胞ではIL−15/Fc分泌の大きな増加が検出された。CHO−K1細胞におけるIL−15/Fcタンパク質の発現は、CMVプロモーターとpMG由来イントロンAとを含有するプラスミドを用いたところ、オリジナルのIL−15/Fc発現ベクターと比較して、1桁を越える規模で増加した。プラスミドは、予備臨床試験及び臨床試験のためのIL−15/Fcの産生、又は工業的IL−15/Fc産生に用いることができるIL−15/Fc産生細胞株の作製に用いることができる。
IL−15/Fc融合タンパク質の精製
a)浄化及び濃縮
6回の実施で、実施例2(pMG10Ala7プラスミド)の上清およそ3100リットルを浄化して濃縮し、滅菌ろ過した。これにはProfile Starフィルター(3μm、20インチ、Pall Corporation、East Hills、ニューヨーク州、米国)による上清の浄化が含まれる。続いて、2.0mのBiomax−30メンブラン(ミリポア、ビルリカ、マサチューセッツ州、米国)を用いた接線流ろ過システムで上清を全体で10〜15倍に濃縮した。入口圧力は2〜2.5bar、出口圧力は1.5barであった。濃縮後、前置フィルター(Polysep II(0.2μm、10インチ、ミリポア、ビルリカ、マサチューセッツ州、米国))と、最終フィルター(Durapore(0.22μm、10インチ、ミリポア、ビルリカ、マサチューセッツ州、米国))とから成るフィルターシステムで濃縮物を滅菌ろ過した。6回の濃縮に4.5〜8.5時間を要した。
b)rプロテインAクロマトグラフィ
浄化及び濃縮工程の貯留産物およそ240リットルをrプロテインAカラム(2.6リットル)に供した。ローディング中の流速は10〜15.4リットル/時間(65〜100cm/時間)であった。続いて、10カラム容量の20ミリモル/リットルTris、150ミリモル/リットルNaCl、pH7.5でカラムを洗浄した後、10カラム容量の0.1モル/リットル クエン酸バッファー、pH5.0で洗浄した。5カラム容量の0.1モル/リットル クエン酸バッファー、pH3.4でIL−15/Fcを溶出させ、5カラム容量の0.1モル/リットル クエン酸バッファー、pH3.0でカラムを剥離させた。IL−15/Fcは1本の鋭いピークで溶出した。溶出物は帯黄色であり、粒状成分を含有した。1モル/リットル クエン酸バッファーで溶出物を直ちにpH3.5に調整した。室温で1時間撹拌を持続しながら、低pHでウイルスを不活化した。1モル/リットル Trisを加えて処理を終了させ、pHを8.0に調整した。Millipak−20フィルターを用いて溶出物(8.6リットル)を滅菌ろ過し、10リットルショットボトル中にて2〜8℃で保存した。
c)Q−セファロースクロマトグラフィ
Q−セファロース−FFカラムを高さ12.7cmに充填した。これはカラム容量1.9リットルに相当する。平衡後、HETP(理論段相当高さ)は0.041、非対称性は1.1であった。
rプロテインAクロマトグラフィの溶出物を、50リットルのステディムバッグ中にて20ミリモル/リットル Tris、pH8.0で1:5に希釈した。42.2kgの希釈したrプロテインA溶出物を1.9リットルのQ−セファロースカラムに供した。カラムを5カラム容量の20ミリモル/リットル Tris、0.1モル/リットル NaCl、pH8.0で洗浄した後、5カラム容量の20ミリモル/リットル Tris、0.2モル/リットル NaCl、pH8.0で洗浄した。IL−15/Fcは5カラム容量の20ミリモル/リットル Tris、0.35モル/リットル NaCl、pH8.0で溶出した。5カラム容量の20ミリモル/リットル Tris、1.0モル/リットル NaCl、pH8.0でカラムを剥離させた。Q−セファロースクロマトグラフィの溶出物(5.0リットル)をMillipak−20フィルターを用いて10リットルのショットボトル中に滅菌ろ過し、2〜8℃で保存した。黄色混入物の大部分を除去したが、溶出物は依然としてわずかに帯黄色であった。
280nmで光学密度をモニターしたところ、IL−15/Fcは溶出の終わる頃に1本の鋭いピークで溶出したことを示した。
d)Q−セファロースクロマトグラフィからの溶出物の、限外ろ過による濃縮
Q−セファロースクロマトグラフィ溶出物を、OD280(280nmで測定した光学密度)に基づいて終濃度8.85g/lまで濃縮した。これには0.1m Biomax10−kDメンブランの使用が含まれる。入口圧力を1.0barに、出口圧力を0.5barに調整した。濃縮物(1.9リットル)を、5つのアリコートで0.5リットルのPETGボトルに滅菌ろ過した。
e)スーパーデックス−200クロマトグラフィ
3barの圧力下、カラム材料でカラムを充填した。用いたカラムのHETPは0.013cmであり、非対称性は3.0であった。
13.5リットルのスーパーデックス−200カラムによる連続5回の実施によって、濃縮物の5つのアリコートを精製した。クロマトグラムは、高分子量に小さなピークを、単量体IL−15/Fcに主要ピークを示した。画分を回収し、以下の画分を得た。
Figure 2007538006
f)スーパーデックス画分の貯留
スーパーデックス−200精製画分を、HP−SEC解析で測定した純度に基づいて更なる調製工程に用いた。通常、この目的のために画分5〜11を貯留した。HP−SEC解析のピーク面積に基づいてIL−15/Fc量を計算した。
g)ウイルスろ過
5回の実施全ての貯留スーパーデックス画分をステディムバッグに移し、貯留し、PBS(pH7.4)で最終IL−15/Fc濃度0.88g/lに希釈した。希釈した貯留スーパーデックス画分を、1m Planova−35N及び1m Planova−15Nフィルターで連続的にろ過した。Planova−35Nフィルターの場合、作動圧力は0.5barであった。ろ過後、フィルターを3リットルのPBS(pH7.4)で洗浄した。0.5barでローディング中、ウイルスフィルターを通る流れは1時間あたり12〜15リットルであった。洗浄中、洗浄を0.4barで実施したため、流れが1時間あたりおよそ10リットルに減少した。
h)滅菌ろ過
16.4kgの最終産物を0.22μm Millipakフィルターを用いて滅菌ろ過し、1リットルのPETGボトルに入れた。更に使用するまでボトルを2〜8℃で保存した。
IL−15/Fc融合タンパク質の規格
a)SDS−PAGE/ウエスタンブロット解析
還元SDS−PAGEと、その後の銀染色による解析は、Q−溶出物、貯留スーパーデックス画分、及び最終産物中のIL−15/Fcは、対照のIL−15/Fcと類似の移動度であることを示した。数枚のゲルにおいて、Q−溶出物に、低分子量及び高分子量で更なるバンドが見えたが、対照にも存在していた。いくつかの貯留スーパーデックス画分で高分子量の2本のバンドが見えた。これらのバンドは対照でも検出された。高分子量の更なるバンドは、おそらくゲルにローディングする前のサンプルの還元が不十分だったためであり、おそらく静置時間が長いために起きたものである。
IL−15/Fc最終産物の場合は、非還元SDS−PAGEと、その後の硝酸銀染色において、主要なIL−15/Fcバンドの他に更なるバンドは検出できなかった。非還元ウエスタンブロットと、その後のFcの検出もIL−15/Fcのみが主要バンドであることを示した。これは、IL−15/Fcの品質が全ての工程において同程度であるという事実を証明した。
b)IL−15/FcのN−グリコシル化
粗抽出物、浄化及び精製工程、精製中間体、及び最終産物におけるIL−15/FcのN−グリコシル化特性を測定した。天然N−グリカンあたりの平均シアリル化、並びにN−アセチルノイラミン酸、N−グリコシルノイラミン酸、及びアシアロ−N−グリカンの面積の合計に対するN−アセチルノイラミン酸の割合面積を、HPAEC−PAD解析(HPLC:BioLC、検出器PAD、カラム:CarboPacPA100分析用(2×250mm)、天然N−グリカンの測定には、バッファーA:0.1モル/l NaOH;バッファーB:0.1モル/l NaOH、0.6モル/l 酢酸ナトリウム、あるいはアシアロ−N−グリカンの測定には、バッファーA:0.2モル/l NaOH;バッファーB:0.2モル/l NaOH、0.6モル/l 酢酸ナトリウム)で決定した。結果を以下の表にまとめる。
Figure 2007538006
より長時間サンプルを放置した場合、浄化及び濃縮とrプロテインAクロマトグラフィとのあいだに、平均シアリル化及びN−アセチルノイラミン酸の割合の低下が観察された。他の全ての精製工程のグリコシル化は同程度である。
c)宿主細胞タンパク質
慣用のILA試験を用いて、NewLab AGにて、異なる2日間に宿主細胞タンパク質に関する試験を行った。これは、2.1×10及び3.9×10ng/mlの宿主細胞タンパク質の発見をもたらした。これはそれぞれ2.9×10ppm及び5.3×10ppmに相当する。最終産物における宿主細胞タンパク質に関するCygnus試験(記事番号F015)を用いた更なる試験は、240ng/mlの外来タンパク質を生じた。これは3.3×10ppmに相当する。より短い放置時間では、より低い値も測定された。
d)N端配列
最終産物についてIL−15/Fcの末端配列を決定した。この試験は、N端配列が(Asn/Asp)−Trp−Val−Asn−Val−Ile−Ser−Asp−Leu−Lys10であることを示した。この試験で決定したアミノ酸配列は、N端のAsnがおよそ10%脱アミド化されている(時により高い値もあるが20%以下である)以外は、予想したN端IL−15/Fc配列に相当した。エドマン法による10%の標準脱アミド化が考慮されている。より長い放置時間はおよそ45%の脱アミド化を生じた。
e)効能
最終産物におけるIL−15/Fcの効能を生物活性試験で測定した。この試験は、IL−15で刺激されたマウスCTLL−2細胞に対する増殖阻害作用を試験することによって、IL−15アンタゴニストであるIL−15/Fcの生物活性を用量の関数として検出する。ED50は1.65ng/ウェルであった。
f)プロテインA残余物
rプロテインAカラムから洗浄除去されたrプロテインAを最終産物においてrプロテインA特異的ELISAで測定した。この残余物は<0.001%であることがわかった。
g)DNA
最終産物における残留DNA含量をQ−Oneで測定した。5pg/0.5ml未満の残留DNAが見られ、これはIL−15/Fc 1mgあたり14pg未満の残留DNAに相当した。
h)ジェネティシン
発酵工程の予備培養中にジェネティシンを加えた。したがって、ジェネティシンが十分に除去されているかどうか調べた。IL−15/Fc最終産物中のジェネティシン濃度は30ng/ml未満であった。
i)規格
上記方法で得たIL−15/Fc産物は以下の規格を有していた:
産物濃度 0.70mg/ml
産物純度 99%
pH 7.4
ED50 <0.1μg/ウェル。
IL−15部分及びFc部分を検出することによって産物の同一性を確認した。還元及び非還元SDS−PAGEにおけるバンドも対照のバンドと一致した。
製剤の調製
a)pHの影響
IL−15/Fcを、表に示すように、さまざまなバッファー物質及び添加剤で1mg/mlに希釈した。調整後、0.2μmフィルター(Acrodiscシリンジフィルター、Pall)を用いてバッファーをろ過した。得られた調製物を10mlのガラス容器(4ml/容器)中にて、40℃及び相対湿度75%で保存した。
Figure 2007538006
IL−15/Fc製剤の純度を、HP−SECで測定した。TSK−GEL G3000SWXLカラム(300×7.8mm)、及びガードカラムとしてTSK−GELSWXLカラム(40×6mm)をこの目的に用いた。25℃、流速1ml/分で操作した。注入容量は50μlであった。検出は検出器を用いて214nmで行った。用いたIL−15/Fcサンプルはおよそ15%の凝集産物を含有していたため、時間0の純度はわずか85%であった。したがって、85%の出発物質は活性2量体型である。pH4で、7日後、IL−15/Fc2量体のピーク面積はおよそ85%からおよそ40%へ低下した。純度の低下はpH5.5及びpH6でも観察された。pH8及びpH7.4の製剤は7日間にわたって40℃で安定であることが証明された。これは、pHの低下によるIL−15/Fcの安定性の低下を示唆している。
更に、製剤を7日保存後、40℃で非還元SDS−PAGEに供した。pH4の製剤は、およそ70及び50kDに分解産物を有する2本のバンドを含有した。pH6及びpH5.5の製剤も分解産物を有する2本のバンドを含有したが、これらのバンドの見掛けの分子量はおよそ60及び80kDであった。pH4、5.5、及び6における分解産物の見掛けの分子量の差は、異なるpH値における異なる分解工程を示している。
pH7.4及び8の製剤は、主要バンドの下に更なるバンドを示さなかった。いずれの製剤においても、主要バンドの上のバンドの増加は観察されず、非還元SDS−PAGEにおいて、40℃で7日間保存のあいだに凝集が増加しなかったことを示している。
b)pH及び添加剤の影響
a)で記載したように、さまざまな製剤を調製して保存した。以下のpH値及び添加剤を用いた。
Figure 2007538006
それぞれの製剤に関し、時間t=0で浸透圧を測定し、40℃のpHを時間t=4週間で測定した。
Figure 2007538006
全ての製剤において、製剤のpHは、L−アルギニン含有製剤以外は予測したものと一致した。L−アルギニン製剤のpHは予測pHと比較して非常に高かった。これは、非常に塩基性のアミノ酸L−アルギニンの作用によって引き起こされた。製剤の安定性の結果を解析するときは、L−アルギニン製剤の非常に高いpHを考慮する必要がある。
pH7.4で、グリシンを含有する製剤を除く全ての製剤は等張性であった(=浸透圧が0.270〜0.330Osmol/kg)。pH7.4のグリシン製剤はわずかに低張であった。
さまざまな製剤を上記のようなHP−SECクロマトグラフィに供した。いくつかのサンプルはピークの形状に変化を示した(ピークの広がり又はテイリング)。ピークの形状は異なるが、全体のピーク面積を2量体のピーク面積と解釈し、純度を決定するために用いた。したがって、これらのピークの純度はおそらく過大評価されている。関係するサンプルをアスタリスク(*)で表中に印を付した。
結果は、クエン酸バッファー、pH6の製剤はいずれも40℃で安定でなかったことを示している。少なくとも20%のIL−15/Fc2量体の喪失が観察された。添加剤はいずれもクエン酸バッファー、pH6を用いた製剤において保護活性を示さなかった。同様に、L−アルギニン含有製剤(高pH)はいずれも40℃で安定ではなかった。ショ糖及びグリシンを含有するpH7.4の製剤は、40℃で3週間安定であった。リン酸バッファー、pH7.4及びマンニトールを用いた製剤の4週間後の純度の大きな低下は微生物汚染によるものである。わずかだが持続的な純度の低下(85〜70%)がTrisバッファー、pH8を用いた製剤で観察された。Trisバッファー、pH8を用いた製剤において、賦形剤であるショ糖、マンニトール、又はグリシンのあいだに差は観察されなかった。クエン酸バッファー、pH7.4を用いた製剤でも同様のことが観察された。
Figure 2007538006
個々の製剤の純度もRP−HPLCで確認した。この目的のために、Vydac−214TP54カラム(250×4.6mm、5μm)を用い、25℃及び流速1ml/分で操作した。用いた溶離液は、0.1%TFAを含有する100%の水から0.1%TFAを含有する100%アセトニトリルへの直線勾配である。検出は214nmで行った。HP−SECクロマトグラフィにおけるように、ピークの形状が変化した。影響されたサンプルは表中にアスタリスク(*)で印を付した。一般に、RP−HPLCの結果は、pH6の製剤及びL−アルギニン含有製剤は40℃で安定でないことを示している。ショ糖及びグリシンを含有するpH7.4及び8の製剤、並びにマンニトールを含有するpH8の製剤は40℃で少なくとも3週間安定である。マンニトール含有製剤のpH7.4の純度の大きな低下は、微生物汚染が原因であり得る。
Figure 2007538006
サンプルをSDS−PAGE(還元及び非還元)で更に試験した。3〜8%Tris酢酸を含有するゲルをこの目的に用いた。それぞれ0.5μgのタンパク質20μlをゲルに充填した後、130V、110mA、23Wで80分間ゲル電気泳動を行った。銀染色でバンドを可視化した。IL−15/Fcの主要バンドの上のバンドは凝集を示し、主要バンドの下のバンドは分解を示した。pH6で保存したサンプルでは、40℃で1週間後に分解が起こったが、pH8では2週間に凝集の増加が観察された。2週間後の製剤は、pH7.4で分解を示し、3週間後に分解と凝集を示した。pH7.4又は8のショ糖又はグリシンを含有するIL−15/Fc製剤、及びpH8のマンニトールを含有するIL−15/Fc製剤は、40℃で2週間安定であった。pH7.4におけるマンニトール含有製剤の分解は、微生物汚染によって引き起こされた。
6つの製剤(pH6、7.4、及び8の、それぞれショ糖及びグリシンを含有するサンプルに対応する)を、4週間後の安定性について確認し、T細胞増殖試験においてIL−15/Fcのないバッファーと比較して試験した。この目的のために、IL−15で刺激したマウスCTLL−2細胞に対する増殖阻害作用を調べることによって、IL−15/Fcの生物活性を用量の関数として確認した。この目的のために、CTLL−2細胞を最大半量に対する一定濃度のIL−15で刺激し、IL−15/Fc濃度を増加させてインキュベーションした。T細胞増殖を比色試験(ロシュ製XTT試験)で検出した。直線回帰で活性容量範囲に対して最大半量阻害(ED50)を計算した。それぞれのサンプルについて2回測定した。結果は以下の通りである。
Figure 2007538006
これらの結果は、全ての製剤においてIL−15/Fcが生物学的に活性であることを示している。ショ糖又はグリシン含有リン酸バッファー、pH7.4で最高の活性を示した。しかしながら、顕著に異なるわけではないが、わずかに低い活性がpH8で観察された。これとは逆に、pH6で保存した製剤は、IL−15/Fcの生物活性が顕著に低かった。バッファー製剤自体はバイオアッセイに全く影響しない。
いくつかの製剤は、HPAEC−PADグリコシル化解析で安定性についても試験した。この場合、さまざまな製剤中のジシアロ構造、トリシアロ構造、及びテトラシアロ構造の割合を、40℃で4週間保存後に試験した。
Figure 2007538006
上記の表が示すように、ジシアロ構造、トリシアロ構造、及びテトラシアロ構造の相対的比率に関し、試験した全ての製剤は同程度であった。アシアロ構造及びモノシアロ構造はさまざまな製剤のあいだで異なっていた。ショ糖を有する製剤は、ショ糖のない製剤及びIL−15/Fc対照と比較して、これらの特定の保持時間で複数のピークを含む。グリシン製剤とIL−15/Fc対照は、シアロ構造とモノシアロ構造の相対量に関して同程度であった。ショ糖製剤とグリシン製剤との差は、ショ糖を含有する対照製剤(IL−15/Fcなし)のバッファーも特定の保持時間にこの余分なピークを含んでいたため、おそらく製剤中のショ糖の存在によって引き起こされるものである。一般に、グリシン又はショ糖の存在下、pH6、7.4、又は8のIL−15/Fc製剤は、IL−15/Fcのグリコシル化特性に影響を及ぼさないと結論付けることができる。40℃で4週間以上保存した後でさえ、グリコシル化パターンに変化は観察されなかった。
c)結論
IL−15/Fcを用いた安定性試験は、製剤の安定性は、pH4〜8の範囲で非常にpH依存的であることを示唆している。この範囲でpHが低下するにつれて安定性が低下する。pH10周辺の製剤は、pH8周辺の製剤よりも安定ではない。最高の安定性はpH7.4及びpH8で観察された。ショ糖、マンニトール、又はグリシンを添加剤として含有するIL−15/Fc製剤の中で安定性に特定の差は見られなかった。
さまざまなクローンのグリコシル化パターン
更なる実験では、異なる発現レベルを有するIL−15/Fc融合タンパク質のグリコシル化パターンについて試験した。イントロンのないCMVプロモーターを有するpcDNA3.1を用いてクローンK146を調製した。他の全てのクローンはCMVプロモーターとイントロンAとを有するpMG10Ala7を用いて調製した。クローンK146の発現レベルは、およそ3〜5pgのタンパク質/(細胞×日数)であった。クローンKN10及びKN13の発現レベルは、およそ9〜13pgのタンパク質/(細胞×日数)であった。最後にクローンKN110及びKN120の発現レベルは、およそ30〜50pgのタンパク質/(細胞×日数)であった。グリコシル化データを以下の表にまとめる。
Figure 2007538006
図1は、pcDNA3.1hCD5.6Ala7発現構築体のマップを示す。 図2は、pcDNA3.1hCD5.6Ala7発現構築体の配列(配列番号1)を表す。 図3は、pcDNA3.1hCD5.6Ala7発現構築体の配列(配列番号1)を表す。 図4は、pMG10Ala7発現構築体のマップを表す。 図5は、pMG10Ala7発現構築体の配列を表す(配列番号2)。 図6は、pMG10Ala7発現構築体の配列を表す(配列番号2)。 図7Aは、CD5リーダーを有するヒト変異IL−15/Fcの核酸配列を表す(配列番号3)。図7Bは、CD5リーダーを有するヒト変異IL−15/Fcのアミノ酸配列を表す(配列番号4)。図7Cは、CD5リーダーを有するマウス変異IL−15/Fcのアミノ酸配列を表す(配列番号5)。 図8は、その都度示したリーダー配列を有するpcDNA3.1hCD5.6Ala7プラスミドでトランスフェクションした後のCHO−K1細胞の細胞培養上清中のIL−15/Fc含量を表す。 図9は、さまざまな発現構築体でトランスフェクションした後のCHO−K1細胞の細胞培養上清中のIL−15/Fc含量を表す。それぞれのバーは、いずれの場合も2回の独立した実験における2回の測定の平均+SEMを表す。pcDNA3.1は、pcDNA3.1hCD5.6Ala7ベクターに相当する。pVS8−Ala7は、IL−15/Fc構築体に対する構築体を有するpSwitchプラスミド(Valentis)に相当する。pMG−Ala7は、IL−15/Fc構築体に対する構築体を有するpMGプラスミド(インビトロジェン)に相当する。pCINeo−Ala7は、IL−15/Fc構築体に対する構築体を有するpCI−Neoプラスミド(プロメガ)に相当する。

Claims (17)

  1. 液体組成物からのIL−15/Fc融合タンパク質の精製方法であって:
    a)組成物を親和性クロマトグラフィカラムに供して第1のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させ、そして
    b)工程a)の溶出物をイオン交換クロマトグラフィカラムに供して第2のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させる、
    ことを含む、前記方法。
  2. イオン交換クロマトグラフィカラムが陰イオン交換クロマトグラフィカラム又は陽イオン交換クロマトグラフィカラムである、請求項1に記載の方法。
  3. 更なる工程:
    c)工程b)の溶出物をゲルろ過カラム又は疎水性相互作用クロマトグラフィカラムに供して第3のIL−15/Fc溶出物をカラムから溶出させることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程a)及びb)のうちの少なくとも1つの前又は後に、組成物をろ過及び/又は濃縮する、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 工程a)、b)、及びc)のうちの少なくとも1つの前又は後に、組成物をろ過及び/又は濃縮する、請求項3に記載の方法。
  6. 工程a)の溶出物のpHを工程b)の前に酸性にする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 親和性クロマトグラフィカラムが、プロテインAクロマトグラフィカラム又はプロテインGクロマトグラフィカラム、好ましくはプロテインAクロマトグラフィカラムである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 陰イオン交換クロマトグラフィカラムが、DEA−セファロースカラム又はQ−セファロースカラム、好ましくはQ−セファロースカラムである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. ゲルろ過カラムが、セファデックス、セファロース、バイオゲル−A、セファクリル、又はバイオゲル−Pカラム、好ましくはスーパーデックス−200カラムである、請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 精製後のIL−15/Fc融合タンパク質の純度が、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 純度が、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%である、精製IL−15/Fc融合タンパク質。
  12. N−グリカンあたりの平均シアリル化が、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%である、請求項11に記載の精製IL−15/Fc融合タンパク質。
  13. アンテナあたりの平均シアリル化が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、更により好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%である、請求項11又は12に記載の精製IL−15/Fc融合タンパク質。
  14. N−アセチル−ノイラミン酸、N−グリコリルノイラミン酸、及びアシアロ−N−グリカンの合計のN−グリコリル−ノイラミン酸部分が、20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の精製IL−15/Fc融合タンパク質。
  15. 請求項11〜14の少なくとも1項に記載の精製IL−15/Fc融合タンパク質、更に賦形剤及び添加剤を含む組成物。
  16. pHが7.4〜8.0である、請求項15に記載の組成物。
  17. 医薬組成物である、請求項15又は16に記載の組成物。
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