JP2007537988A - 低分子ペプチドを含む薬学的タンパク質処方物の安定化 - Google Patents

低分子ペプチドを含む薬学的タンパク質処方物の安定化 Download PDF

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Abstract

本発明は、Giy−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、こられの誘導体およびこれらの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤を使用して滅菌された安定な薬学的タンパク質処方物に関する。さらに、本発明はエリスロポエチン、およびジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ならびにこれらの混合物から選択されるペプチド安定剤を含有する安定な薬学的処方物に関する。ペプチド安定剤に加えて、上記処方物は、界面活性剤を含み得る。

Description

(発明の分野)
本発明は、生物学的に活性なタンパク質およびペプチド安定剤を含有する安定な薬学的処方物に関する。本発明はさらに、エリスロポエチンおよび安定剤を含有する薬学的処方物に関し、この安定剤は、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、またはこれらの混合物である。本発明の安定な薬学的処方物は、界面活性剤(例えば、Tween(登録商標) 80)を含み得る。
(発明の背景)
遺伝子組換え技術の発展に伴い、多くのタンパク質の治療的使用が可能になった。一例として、現在、疾患を処置するために使用されるタンパク質としては、エリスロポエチン、因子VIII、因子IX、ヘモグロビン、インスリン、インターフェロンα、インターフェロンβ、およびインターフェロンγ、血管内皮細胞増殖因子、インターロイキン2、ならびに多くの他のタンパク質が挙げられる。しかし、タンパク質は、物理学的不安定性(例えば、変性、凝集体の形成など)、および化学的不安定性(例えば、加水分解、酸化、および脱アミノ反応)の結果として、生物学的活性を損失し得る。タンパク質の安定性はさらに、pH、温度、張度、および多くの凍結と融解の繰り返しのような要因に影響される。
安定性を確実にするために、治療用タンパク質処方物は、概して、使用する直前に別個に包装された水溶性希釈剤に溶解されるべき凍結乾燥タンパク質としてか、または安定性を改善するための添加剤を含むタンパク質溶液としてかのいずれかで供給される。例えば、添加剤(例えば、タンパク質溶液を処方するのに有用な遊離したアミノ酸(ロイシン、トリプトファン、セリン、アルギニンおよびヒスチジン)は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3のような特許中に提唱される。現在、利用可能ないくつかのタンパク質処方物は、安定剤としてタンパク質を含む。例えば、ヒト血清アルブミンまたは精製されたゼラチンが、タンパク質溶液中の化学的変化および物理学的変化を抑制するために使用される。しかし、これらのタンパク質の添加は、ウイルス汚染を除去するための複雑なプロセスを含む。凍結乾燥は、安定性を確実にする別の方法である(しかし、その凍結乾燥されたタンパク質が、その使用の直前に溶解される必要がある場合、このプロセスは、製造費用を増加させ、そして不適切な投与に関する増加した危険を含む)。特許文献4は、ペプチドLeu−His−Leuによって安定化されるヒト成長ホルモン(hGH)の薬学的溶液を開示する。
治療剤として広く使用されるタンパク質の1つは、エリスロポエチンである。エリスロポエチンは、赤血球の形成を刺激する、34〜39kDaの糖タンパク質ホルモンである。エリスロポエチンは、腎臓で産生され、そして一旦産生されると、それは、骨髄に流れ、そこで、初期の前駆細胞の前赤芽球(その後、成熟して赤血球になる)への変換を刺激する。通常の健康な状態において、エリスロポエチンは、血漿中に非常に低い濃度(すなわち、約0.01U/ml〜0.03U/ml)で存在するが、低酸素血症(すなわち、輸送における酸素のレベルが、減少される)が起こる場合には、腎臓は、エリスロポエチンを、より産生する。低酸素血症は、例えば、大量の血液の喪失、放射線による赤血球の破壊、または高地への曝露の結果である。さらに、貧血の種々の形態は、低酸素血症を引き起こす。なぜなら赤血球は、体内の酸素輸送に関与するからである。正常な状態において、エリスロポエチンの増加したレベルは、新しい赤血球の産生を刺激し、これにより、酸素のレベルを上昇させ、そして低酸素状態を、軽減するか、または解消する。
通常起こるこの低酸素血症の是正とは対照的に、慢性腎不全(「CRF」)を有する患者は、エリスロポエチンの産生が制限されるか、またはその産生が無く、従って、その患者は、十分な赤血球を産生しない。赤血球の通常の寿命は、120日であるので、このような患者は、時間と共に、ますます貧血になる。組換えエリスロポエチンの開発以前には、慢性腎不全を有する患者は、多くの場合、赤血球の最低限のレベルを維持するために、定期的な輸血を受けなければならなかった。
患者を処置するために現在使用されるエリスロポエチンのいくつかの形態(エリスロポエチンα、エリスロポエチンβ、エリスロポエチンω、およびエリスロポエチンδ)が、存在する。エリスロポエチンωは、仔ハムスター腎(BHK)細胞中に形質転換されたヒトゲノムのエリスロポエチンDNAのApalフラグメントから発現された組換えタンパク質である。エリスロポエチンωおよびその発現は、例えば、特許文献5に開示される。さらに、EPOω中の炭化水素残基の、構造および組成は、例えば、非特許文献1および非特許文献2に開示された。EPOωは、約35kDaの平均分子量を有し、そして複数のアイソフォーム(例えば、等電点電気泳動による、広範なカット(cut)画分中の約6〜8つのアイソフォーム、およびピーク画分中の6つのアイソフォーム)からなり、このことは、異なる型および量のグリコシル化(特に、異なる量のシアリル化)を示す。EPOωは、糖タンパク質の1モルあたり、1モル未満のO−結合型オリゴ糖含量を有し、そしてアミノ酸残基Asn−24、Asn−38、およびAsn−83における3つのN−グリコシル化部位、ならびにアミノ酸残基Ser−126におけるO−グリコシル化部位を有する。さらに、尿中のヒトエリスロポエチン、またはエリスロポエチンαもしくはエリスロポエチンβとは異なり、EPOωは、非特許文献3に報告されるように、完全なN−脱グリコシル化でなくても実質的なN−脱グリコシル化をもたらす条件に供された後であっても、そのインビボにおける生物学的活性の実質的に全てを保持する。
市販のEPO処方物は概して、良好な耐容性を示し、そして安定であるが、極端な条件下では、このような処方物は、不安定であり得、そして活性の損失を受ける。これらの活性の損失は、微量の重金属、大気中の酸素などによって保存用に使用されるアンプル表面の触媒効果によるEPOの分解、そしてまた、血管壁へのEPO分子の沈着(EPOの部分的な変性もまた起こる)に起因し得る。各投薬単位中に僅か数マイクログラムしか存在しないという事実を考慮すると、短い保存時間でも、吸着による損失はかなりのものであり得る。さらに、活性の損失は、外部因子(例えば、熱および光)によって促進され得るか、またはヒト血液産物(例えば、アルブミン)を含まない処方物中、もしくは保存料(例えば、ベンジルアルコール)を含む複数回用量の処方物中で促進され得る。
豪州特許第722300号明細書 米国特許第5,691,312号明細書 米国特許第6,120,761号明細書 米国特許第5,705,482号明細書 米国特許第5,688,679号明細書 Nimtzら、Eur.J.Biochem.,1993,213:39 Tsudaら、Eur.J.Biochem.,1990,188:405 Sytkowskiら、Biochem.Biophys.Res.Commun.,1991,176(2):698−704
従って、所望のタンパク質を凍結乾燥することも安定剤としてヒトのタンパク質を使用することも必要とせずに改善された安定性を示す薬学的タンパク質処方物が、望ましい。
(発明の要旨)
1つの実施形態において、本発明は、安定な薬学的タンパク質処方物に関し、この処方物は、生物学的に活性なタンパク質、ならびにGly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、これらの誘導体およびこれらの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤を含有し、そしてこの処方物は、ヒト血清アルブミンを含まない。
別の実施形態において、本発明は、安定なタンパク質処方物に関し、この処方物は、エリスロポエチン、ならびにジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、およびにこれらの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤を含有し、この処方物は、ヒト血清アルブミンを含まない。
さらに別の実施形態において、提供されるものは、エリスロポエチン、ならびにGly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、これらの誘導体およびこれらの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤、ならびにTween(登録商標)80を含有する安定な薬学的組成物であり、そしてこの組成物は、ヒト血清アルブミンを含まない。
他の対象および特徴は、以下において、部分的に明らかであり、そして部分的に示される。
(発明の詳細な説明)
本発明は、安定な薬学的タンパク質処方物を提供し、このような処方物の安定化は、低分子ペプチドを利用することによって達成される。本明細書中に記載される薬学的タンパク質処方物は、安全な調製物であり、この調製物は、外来性のタンパク質を含まない。本明細書中に記載される処方物において安定剤として使用される低分子ペプチドは、従来の安定剤より安価であり、そしてその製造プロセスの間に掛かる費用もまた、凍結乾燥生成物について掛かる費用よりも安い。さらに、低分子ペプチドの使用によって、その薬学的タンパク質処方物は、ウイルス汚染を含み得るヒト血清アルブミン、または他のヒトのタンパク質もしくは動物のタンパク質(例えば、ゼラチン)の添加を回避する。
本明細書中に記載される組成物中への取り込みに関するタンパク質は、ヒト被験体において治療的価値を有する任意のタンパク質であり得る。従って、このようなタンパク質としては、エリスロポエチン(EPO)、因子VII、因子IX、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、トロンボポエチン、ヘパリン、インターフェロンα、インターフェロンβおよびインターフェロンγ、インターロイキン2、濾胞刺激因子、インスリン様成長因子(IGF)、神経成長因子(NGF)、腫瘍壊死因子(TNF)、ならびに骨形成ファミリータンパク質(BMP)が挙げられるが、これらに限定されない。BMPは、広範なトランスフォーミング成長因子β(TGF−βスーパーファミリー)中の新規な因子である。それらは、鉱質除去された骨の抽出物における生物学的活性を特徴付ける以前の記述(Urist M.Science(1965)150:893−99)に従い、Wozney J.ら、Science(1988)242:1528−34によって、遺伝子クローニング技術を使用して、最初に同定された。これらの因子は、正常な骨芽細胞が分化する際にその骨芽細胞によって発現され、インビトロにおける、骨芽細胞分化および骨小結節(bone nobule)形成、ならびにインビボにおける骨形成を刺激することが示されている(Harris S.ら、J.Bone Miner Res(1994)9:855−63)。この後者の特性は、骨量の減少を生じる疾患に対する治療剤としての潜在的な有用性を示唆する。骨形成タンパク質(bone morphogenetic pretein)(BMP)としては、哺乳動物の、骨形成タンパク質−1(osteogenic protein−1)(OP−1、BMP−7およびショウジョウバエホモログ60Aとしても公知である)、骨形成タンパク質−2(OP−2、BMP−8としても公知である)、骨形成タンパク質−3(OP−3、BMP−8Bとしても公知である)、BMP−2(BMP−2AおよびショウジョウバエホモログDPPとしても公知である)、BMP−3、BMP−4(BMP−2Bとしても公知である)、BMP−5、BMP−6およびそのマウスホモログVgr−1、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、GDF−3(Vgr2としても公知である)、GDF−8、GDF−9、GDF−10、GDF−11、GDF−12、BMP−12、BMP−13、BMP−14、BMP−15、GDF−5(CDMP−1としても公知である)、GDF−(CDMP−2としても公知である)、ならびにGDF−7(CDMP−3またはBMP−12としても公知である)が挙げられる。
上で指定されたタンパク質の全ては、当該分野において周知であり、そしてそれらの組換え構築物は、当業者の認識の範囲内である。さらに、当業者は、さらなるタンパク質が本発明によって配合され得ることを容易に決定し得る。
1つの実施形態において、上記タンパク質は、エリスロポエチン、因子VIII、因子IX、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、濾胞刺激ホルモン、インスリン様成長因子、神経成長因子、BMP−2、BMP−4、BMP−7、および腫瘍壊死因子からなる群より選択される。別の実施形態において、そのタンパク質は、BMP−7である。BMP−7タンパク質をコードするDNA配列は、例えば、米国特許第5,141,905号に記載され、そしてBMP−7タンパク質を産生するための方法は、例えば、米国特許第5,366,875号に記載される。
さらに別の実施形態において、上記タンパク質は、エリスロポエチンである。本発明の組成物に使用するためのEPOは、哺乳動物のEPO、特に、ヒトEPOと実質的に同等の生物学的活性を有し、そしてそれとしては、天然に存在するEPOおよび遺伝子組換えによって得られるEPOが挙げられる。遺伝子組換えから得られるEPOとしては、天然に存在するEPOのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を有するEPO、またはこのアミノ酸配列から1つ以上のアミノ酸が欠失されたアミノ酸配列、もしくは1つ以上のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列、もしくは1つ以上のアミノ酸が付加されたアミノ酸配列を有するが、上述の生物学的活性を保持するEPOが挙げられる。本発明のEPOは、任意の方法(例えば、種々の様式で、ヒトの尿から抽出し、その後、分離および精製する工程を包含する方法、ならびに、種々の様式で、例えば、E.coli、酵母、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または仔ハムスター腎(BHK)細胞において産生し、その後、抽出、分離および精製する工程を含む方法)によって産生され得る。1つの実施形態において、EPOは、CHO細胞中で産生される組換えEPOである。これらの細胞中でのEPOの産生については、例えば、米国特許第4,703,008号を参照されたい。別の実施形態において、EPOは、BHK細胞中で作製される組換えEPOである。BHK細胞中でのEPOの産生は、当該分野において周知である。例えば、米国特許第5,688,679号を参照されたい。さらに別の実施形態において、そのエリスロポエチンは、エリスロポエチンωである(EPOωの記載については、例えば、米国特許第5,688,679号およびWO 02/14356を参照のこと)。
本明細書中に記載される上記組成物中の生物学的に活性なタンパク質の量は、所望の結果を達成する単位用量あたりの、そのタンパク質の治療有効量を送達するのに必要とされる量である。従って、その量は、タンパク質および他の多くの因子(例えば、処置されるべき疾患の型、患者の年齢、疾患の重篤度、他の状態の存在など)に基づいて変化し得る。当業者は、その組成物中に含まれるべきそのタンパク質の適切な量を容易に決定し得る。
1つの実施形態において、上記生物学的に活性なタンパク質がエリスロポエチンである場合、薬学的処方物におけるそのEPOの濃度は、約500IU/mlと約100,000IU/mlとの間である。別の実施形態において、そのEPOの濃度は、約1,000IU/mlと約50,000IU/mlとの間であり、そしてさらに別の実施形態において、そのEPOの濃度は、約2,000IU/mlと約20,000IU/mlとの間である。好ましい実施形態において、本明細書中に開示される薬学的処方物中のそのEPOの濃度は、約10,000IU/mlである。小児への適用に関して、EPOは、約1,000IU/mlの濃度で処方され得る。
患者の処置に関して、EPOωは最初に、ヘモグロビンレベルを上昇させるためにより高い用量で投与され得、そしてその後、維持期間に適切なより低い用量で投与され得、用量は、長期的かつ継続的な治療に応じて調整される。EPOωは、週に3回、約5IU/kg〜約150IU/kgの用量、または週に1〜2回、約10IU/kg〜約75IU/kgの用量で患者に投与され得る。別の実施において、EPOωは、約25IU/kg〜約60IU/kgの用量、または約25IU/kg〜約35IU/kgの用量で、週に2回投与される。さらに別の実施において、EPOωは、約50IU/kg〜約150IU/kgの用量、または約75IU/kg〜約100IU/kgの用量で、週に1回投与される。
本明細書中に記載される組成物において使用されるべきペプチド安定剤としては、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、およびこれらの混合物が挙げられる。本発明の例示的なペプチドとしては、Gly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、これらの誘導体およびこれらの混合物が挙げられるが、他のペプチドも使用され得る。
上記タンパク質処方物において使用するペプチドは、商業的な供給業者から購入され得る。ペプチドの固相化学合成の原理は、当該分野で周知であり、そして当該領域の一般的な文書中に見出され得る。例えば、H.DugasおよびC.Penney,BIOORGANIC CHEMISTRY,(1981)Springer−Verlag,New York,54−92ページを参照のこと。例えば、ペプチドは、Applied Biosystems 430Aペプチド合成機(Applied Biosystems(Foster City California)から市販される)およびApplied Biosystemsによって供給される合成サイクルを利用する固相方法論によって合成され得る。
さらに、本明細書中に記載される処方物中に使用されるべき低分子ペプチドの設計において、保存的アミノ酸置換が、適用され得る。本発明のペプチドにおけるアミノ酸置換は、そのアミノ酸側鎖置換基の相対的類似性(例えば、それらの疎水性、親水性、電荷、大きさなど)に基づき得る。本発明のペプチド内で静的な変化(silent change)を生じる保存的アミノ酸変化を形成するなどのために、種々の前述の特徴を考慮に入れる例示的な置換基は、天然に存在するアミノ酸が属する分類の他のメンバーから選択され得る。アミノ酸は、以下の4つの群に分けられ得る:(1)酸性アミノ酸;(2)塩基性アミノ酸;(3)中性の極性アミノ酸;および(4)中性の非極性アミノ酸。これらの種々の群内の代表的なアミノ酸としては、(1)アスパラギン酸およびグルタミン酸のような酸性(生理学的pHにおいて負に帯電する)アミノ酸;(2)アルギニン、ヒスチジン、およびリジンのような塩基性(生理学的pHにおいて正に帯電する)アミノ酸;(3)グリシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、チロシン、アスパラギン、およびグルタミンのような中性の極性アミノ酸;ならびに(4)アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、およびメチオニンのような中性の非極性アミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。有利であることが予想できない変化はまた、その変化が、機能的配列の産生を生じる場合に有用であり得ることに注意すべきである。例えば、保存的アミノ酸置換の原理を使用することによって、Gly−Alaは、例えば、Ser−Leu、Thr−Leu、Thr−Ileなどに置き換えられ得る。当業者は容易に、保存的アミノ酸置換を含むペプチドの配列を決定し得る。
本発明の低分子ペプチドにおける使用のためのアミノ酸残基の例は、タンパク質新生(proteogenic)のL−アミノ酸(すなわち、タンパク質に通常含まれる20のアミノ酸)、ならびにD−アミノ酸および非タンパク質新生のアミノ酸のような、天然に存在するアミノ酸のいずれかから選択され得る。非タンパク質新生のアミノ酸は概して、タンパク質新生のアミノ酸の、代謝産物および類似物である。天然に存在する非タンパク質新生のアミノ酸の例としては、オルニチン、タウリン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、ノルロイシン、β−アラニン、γアミノ酪酸、セレノシステイン、ホスホセリン、ピログルタミン酸、およびピロリジンが挙げられるが、これらに限定されない。そのアミノ酸はまた、天然に存在しないアミノ酸から選択され得る。天然に存在しないアミノ酸としては、アミノ酸誘導体およびアミノ酸類似物が挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸誘導体の例としては、セレノメチオニン、テルロメチオニン(telluro−methionine)およびp−アミノフェニルアラニン、フッ素化アミノ酸(例えば、フッ素化トリプトファン、フッ素化チロシンおよびフッ素化フェニルアラニン)、ニトロフェニルアラニン、ニトロベンズオキサジアゾリル−L−リジン、デオキシメチルアルギニン、ならびにシクロヘキシルアラニンが挙げられるが、これらに限定されない。アミノ酸類似物としては、アミノ酸の特徴であるとして当該分野で公知の特性を有する化学合成された化合物が挙げられ、それらの例としては、例えば、トリプトファンの「類似物」である、b−セレノロ[3,2−b]ピロリルアラニン、およびプロリンの「類似物」であるチアプロリン(thiaproline)(1,3−チアゾリジン−4−カルボン酸)が挙げられる。さらなるアミノ酸誘導体としては、アミノ酸塩、アシル化アミノ酸、およびα−ケトアミノ酸が挙げられる。
1つの実施形態において、上記ペプチド安定剤は、アミノ酸塩を含み得る。一例として、このような塩は、無機酸から作製されても(例えば、アミノ酸の塩酸塩)、有機酸から作製されても(例えば、アミノ酸の酢酸塩)よい。例えば、アミノ酸の塩酸塩を含むペプチド(例えば、L−塩酸ヒスチジンまたはL−塩酸アラニン)が、使用され得る。アミノ酸の塩酸塩は、市販されているか、またはそれらは、当該分野で公知であるように生成され得る。例えば、Gly−His.HCI.HO、Gly−Ala.HCI.HO、Ala.HCI.HO−Gly、およびAla.HCI.HO−Ala.HCI.HOは、いくつかの、アミノ酸塩を利用するペプチド安定剤の例である。別の実施形態において、ペプチド安定剤は、アシル化アミノ酸、および/またはα−ケトアミノ酸を含む。上述の例に加えて、多くの様々なペプチドが、上述のアミノ酸を使用して生成され得る。一例として、ジペプドは、L−アミノ酸およびD−アミノ酸、L−アミノ酸およびアミノ酸塩、D−アミノ酸およびアミノ酸類似物、L−アミノ酸およびアシル化アミノ酸、L−アミノ酸およびα−ケトアミノ酸、アシル化アミノ酸およびα−ケトアミノ酸、2つのアシル化アミノ酸、2つのL−アミノ酸、2つのアミノ酸塩を含み得る、などであるが、これらに限定されない。当業者は、ジペプチドだけではなく、本発明の他の低分子ペプチドに関するアミノ酸の組み合わせも容易に認識し得る。
上記薬学的処方物は、ペプチドの単一種(例えば、Gly−Gly)またはペプチドの混合物のいずれかを含み得る。一例として、混合物としては、ジペプチドおよびジペプチド(例えば、Gly−Gly、Gly−His)、ジペプチドおよびトリペプチド(例えば、Ala−AlaおよびGly−Gly−Gly)、トリペプチドおよびペンタペプチド、2つのジペプチドおよび2つのトリペプチドなどが、挙げられ得る。
本明細書中に記載される安定な薬学的組成物中の、ペプチド安定剤の濃度またはペプチド安定剤の混合物の濃度は、約0.01g/Lと約10g/Lとの間である。別の実施形態において、そのペプチド安定剤の濃度は、約0.5g/Lと約5g/Lとの間である。さらに別の実施形態において、そのペプチド安定剤の濃度は、約1g/Lである。
本発明の1つの実施形態において、上記安定な薬学的タンパク質組成物は、界面活性剤を含む。特定の理論に束縛されないが、溶液中の界面活性剤の存在は、生物学的に活性なタンパク質の吸着(例えば、上記処方物が保存される容器の壁へのEPOの吸着)を減少させると考えられる。本明細書中に記載される処方物中に使用される界面活性剤の量は、約0.0005% w/v〜約0.5% w/vの範囲である。1つの実施形態において、界面活性剤、特に、Tween(登録商標)80の量は、0.03% w/vである。別の実施形態において、その界面活性剤は、非経口的投与に適切である。
薬学的に受容可能である任意の界面活性剤が、本発明の組成物中に含まれ得る。そのような界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エーテル、C16〜C24脂肪酸、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸ポリグリセリド、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、アルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アミンの酸化物、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ポリオキシアルキレンヒマシ油誘導体)、アニオン性界面活性剤(例えば、硫酸アルキル、硫酸オレフィン、硫酸エーテル、硫酸モノグリセリド、スルホン酸アルキル、スルホン酸アリール、スルホン酸オレフィン、スルホコハク酸アルキル、スルホコハク酸アリール(ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、およびスルホン酸ジオクチルナトリウムが挙げられる))、カチオン性界面活性剤(例えば、ベンザルコニウム塩、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、アルキルアミン、アルカノールアミン脂肪酸エステル、4級アンモニウム脂肪酸エステル、ジアルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩(ステアリルアミン、オレイン酸トリエタノールアミン、塩化ベンゼトニウムが挙げられる))、両性界面活性剤(例えば、β−アミノプロピオン酸アルキル、2−アルキルイミダゾリンの4級アンモニウム塩)、ならびに双性イオン性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物おいて使用する非イオン性界面活性剤としては、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)20)、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(4)ソルビタン(Tween(登録商標)21)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)40)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)65)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)80、もしくはポリソルベート80)、またはトリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)85)、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシ40、水素化ポリオキシエチレンヒマシ油10、水素化ポリオキシエチレンヒマシ油50および水素化ポリオキシエチレンヒマシ油60、モノステアリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65およびポリソルベート80、スクロース脂肪酸エステル、ラウリル酸ソルビタン、オレイン酸ソルビタン、パルミチン酸ソルビタン、ステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステリン酸ポリオキシエチレン、ジステアリン酸ポリオキシエチレン、モノステアリン酸グリセリル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、トリブチルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、トリリシノレイン酸(triricinoleate)ポリオキシエチレングリセロールまたはポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL、BASF Corp.)、オキシステアリン酸ポリオキシエチレングリセロール(Cremophor(登録商標)RH 40)、水素化ポリエチレングリコール60ヒマシ油(Cremophor(登録商標)RH 60)、Poloxamer(登録商標)124、Poloxamer(登録商標)188、Poloxamer(登録商標)237、Poloxamer(登録商標)388、Poloxamer(登録商標)407(BASF Wyandotte Corp.)、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、使用される界面活性剤は、ポリオキシエチレンモノラウリルエステル、ポリオキシエチレントリラウリルエステル、ポリオキシエチレンパルミチルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル、またはポリオキシエチレンオレイルエステル(例えば、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)20)、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(4)ソルビタン(Tween(登録商標)21)、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)40)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)60)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)65)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)80、もしくはポリソルベート80)、またはトリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)85)である。
必要に応じて、本明細書中に記載される安定な薬学的タンパク質処方物は、保存料、緩衝剤、等張化剤、および薬学的組成物を処方するのに使用される他の従来の成分を含み得る。
1つの実施形態において、本発明の組成物において有用な保存料は、その組成物が安定であるように、例えば、エリスロポエチンに適合し得る保存料である。使用を企図される特定の保存料としては、ベンジルアルコール、パラベン、フェノール、フェノール誘導体、塩化ベンザルコニウムおよびこれらの混合物が挙げられる。利用される特定の保存料に依存して、その保存料の量は変化し得る。例えば、ベンジルアルコールは、0.6〜2.0%の量で使用され、好ましくは、約1%の量で使用される。この濃度において、ベンジルアルコールは、そのエリスロポエチンの安定性に過度に影響を及ぼすことなく、防腐能力および局所麻酔能力を提供する。
別の実施形態において、緩衝剤は、所望の範囲内で、上記組成物のpHを維持するために使用される。好ましい薬剤としては、以下のアニオンの、種々の塩、酸性形態、または塩基性形態が挙げられる:クエン酸、リン酸、酒石酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、乳酸、酢酸、重炭酸、ピルビン酸、およびカルボン酸。使用され得るこれらの緩衝剤の代表的な塩は、その塩およびその量が、注入可能な組成物において生理学的に適合可能である限りは、ナトリウム形態およびカリウム形態である。これらの緩衝剤の混合物もまた、使用され得る。これらの薬剤のうち、クエン酸緩衝剤およびリン酸緩衝剤が望ましい。上記薬学的組成物において有用な緩衝剤の量は、使用される特定の緩衝剤およびその溶液のpHに大きく依存する。例えば、クエン酸は、pH7よりpH6においてより有効な緩衝剤であり、より少量のクエン酸は、pH7よりpH6の溶液において使用され得る。上記溶液において好ましいpHの範囲は、約5〜8であり、より好ましくは約6〜7.5であり、そして約7のpHが、最も好ましい。これらのpH値にわたって、緩衝剤の量は概して、約1mM〜約30mMの範囲である。クエン酸緩衝剤の量は、約1mM〜約20mMの範囲であり得る。同じ保存料、同じ緩衝剤、および同じ等張化剤が、エリスロポエチン以外のタンパク質に使用され得るが、その場合、添加剤のpHまたは添加剤の濃度を調整する必要がある。これらの改変は、通常の実験によって決定され得る。
本発明の組成物はさらに、上記溶液を等張性かつ注入により適合可能にするために、等張性調整剤を含む。好ましい薬剤としては、塩化ナトリウム、グリセロール、マンニトール、スクロース、ソルビトールおよびこれらの混合物が挙げられる。最も好ましい薬剤は、塩化ナトリウムである。上記溶液を等張性にするのに必要とされる等張性調整剤の量は、その特定の薬剤によって変化するが、概して、約0.1〜10%の範囲内である。
1つの実施形態において、上記薬学的タンパク質処方物は、ペプチド安定剤または2つ以上の安定剤を、滅菌したリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)溶液に添加することによって調製される。その溶液のpHは、好ましくは約pH7.2である。界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)80)が、使用される場合に、それは、上記ペプチド安定剤と一緒に添加され得る。その後、その溶液は、十分に混合され、そして生物学的に活性なタンパク質、例えば、EPOがその溶液に添加される。必要に応じて、添加剤(例えば、緩衝剤または保存料)が使用される場合、それらは、タンパク質の添加前またはタンパク質の添加後のいずれかに添加され得る。
上記安定な薬学的タンパク質処方物は、密封され、滅菌された、プラスチック容器またはガラス容器に収容され得る。その溶液調製物は、アンプル、バイアルまたは使い捨ての注射器において処方された用量、または複数回投与形態(例えば、注入用のバッグまたはボトル)で供給され得る。1つの実施形態において、その安定な薬学的タンパク質処方物は、少なくとも24ヶ月、冷蔵状態にて保存され得る。
本発明の安定なタンパク質処方物は概して、非経口的経路、例えば、注射(筋肉内、腹腔内、皮下、または静脈内)で投与されるが、その処方物はまた、他の経路(例えば、経皮的、経粘膜的、または経鼻的)によって投与され得る。
本明細書中に記載される安定な薬学的タンパク質処方物は、その処方物中にあるタンパク質が指示される任意の状態を処置するために使用され得る。一例として、上記処方物中のタンパク質が、エリスロポエチンの場合、その処方物は、赤血球(RBC)増殖の刺激が望まれる任意の状態を処置するために使用され得るが、これに限定されない。従って、EPOは、貧血を処置するために使用され得、貧血は、内因性のエリスロポエチン欠乏、悪性疾患に関する貧血、悪性疾患に対する化学療法/放射線治療から生じる貧血、または慢性疾患に関する貧血に関連する。慢性疾患に関する貧血としては、関節リウマチ、肝炎、AIDS(特に、AZTで処置される患者)に関連する貧血、未熟児貧血、腎不全に関連する貧血、サラセミアに関する貧血、自己免疫性溶血性貧血、再生不良性貧血、および外科手術に関連する貧血(例えば、骨髄移植を受ける患者における赤血球新生を増加するため)が挙げられるが、これらに限定されない。
別の例において、タンパク質が、BMPファミリーメンバー(例えば、BMP−7)である場合、多くの状態を処置するために使用され得、その状態は、骨形成を向上させる必要性によって特徴付けられる。これらの状態としては、例えば、骨折が挙げられ、骨折においては、骨の成長を刺激しかつ骨の修復を早めることが望まれる。本明細書中に記載されるような処方されたBMPタンパク質によって処置され得る、他の骨の欠損状態としては、骨の部分的な欠損、歯周病、転移性骨疾患、溶骨性骨疾患、および結合組織の修復(例えば、欠損もしくは損傷した軟骨の、治癒または再生)が、有益である状態が挙げられるが、これらに限定されない。骨の成長の必要性によって特徴付けられる他の状態としては、原発性および続発性の、副甲状腺亢進症ならびに骨粗鬆症(加齢に関連した骨粗鬆症、閉経後のホルモン状態に関連した骨粗鬆症、廃用性骨粗鬆症、糖尿病性骨粗鬆症、および糖質コルチコイド性骨粗鬆症を含む)が挙げられる。あるいは、本明細書中で処方されるようなBMPファミリーメンバーは、正常な細胞もしくは正常な組織、または異常な細胞もしくは異常な組織の、代謝、増殖および/または分化を調節するために使用され得る。
本発明の、他の特徴、他の目的、および他の利点は、当業者にとって明らかである。本明細書中に示される説明および例証は、当業者に本発明、その原理、およびその実際の適用を理解させることを意図する。当業者は、本発明を、実際の使用の要件について最適であり得るような多くの形態で、適応および適用し得る。従って、記載された本発明の特定の実施形態は、本発明の網羅することまたは限定することを意図しない。
本明細書中に引用された、全ての刊行物および特許出願は、それぞれの個々の刊行物または特許出願が、参考として援用されることが特異的かつ個々に示されているかのように、本明細書中に参考として援用される。
(略語および定義)
本発明の理解を容易にするために、多くの用語は、以下に定義される:
「BMP」は、骨形成タンパク質(bone morphogenetic protein)についての略語である。
「CDMP」は、軟骨由来形態形成タンパク質についての略語である。
「DPP」は、デカペンタプレジック(decapentaplegeic)タンパク質を意味する。
「GDF」は、増殖因子および分化因子についての略語である。
「OP」は、骨形成タンパク質(osteogenic protein)についての略語である。
「Vgr」は、関連した成長現象(タンパク質)についての略語である。
「RH」は、相対湿度についての略語である。
「HSA」は、ヒト血清アルブミンについての略語である。
「AUC」は、曲線下面積の略語である。
本明細書中で使用される場合、用語「アミノ酸」は、その最も広い意味で使用され、天然に存在するアミノ酸、ならびにアミノ酸類似物およびアミノ酸誘導体を含む天然に存在しないアミノ酸を包含する。その後者としては、アミノ酸部分を含む分子が挙げられる。この広い定義に照らして、当業者は、アミノ酸についての本明細書中の参照が、例えば、天然に存在するタンパク質新生のL−アミノ酸、D−アミノ酸、化学修飾されたアミノ酸(例えば、アミノ酸類似物およびアミノ酸誘導体)、天然に存在する非タンパク質新生のアミノ酸、ならびにアミノ酸に特徴的であるとして当該分野で公知の特性を有する化学合成された化合物を包含することを認識する。
本明細書中で使用される場合、「生物学的に活性なタンパク質」とは、タンパク質が目的のタンパク質のネイティブな形態と実質的に同じ機能を果たす能力をいう。
「組成物」および「処方物」は、本明細書中で交換可能に使用される。
本明細書中で使用される場合、「ペプチド」は、少なくとも1つのペプチド結合によって連結される2つ以上のアミノ酸からなる化合物を意味する。「ジペプチド」は、ペプチド結合によって連結される2つのアミノ酸からなるペプチドを意味し、「トリペプチド」は、ペプチド結合などによって連結される3つのアミノ酸からなるペプチドを意味する。本発明の意図する「低分子ペプチド」は、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、およびペンタペプチドを包含する。
用語「安定な(stable)」および「安定化される(stabilized)」とは、本発明の薬学的組成物が、同じ組成物に対して貯蔵安定性を増したことを意味し、その同じ組成物は、本明細書中に記載されるようないかなるペプチド安定剤も含有しない。本発明によって提供される安定化は、2℃〜8℃の液体形態における向上した貯蔵安定性、再構成を伴わない投与の容易化、そして前充填(prefill)され、使用の準備のできた注射器中の処方物、またはその処方物が、細菌の発育を阻止する薬剤と適合可能である場合、多回投与(multidose)調製物を供給する性能を可能にする。好ましくは、本発明の安定な組成物は、冷蔵状態(約2℃と約8℃との間)で、少なくとも6ヶ月間、12ヶ月間、18ヶ月間、24ヶ月間、30ヶ月間、36ヶ月間、またはそれ以上にわたって保存され得る。
成句「治療有効(治療的に有効)(therapeutically effective)」は、代替的な治療に典型的に関連する有害な副作用を回避しながら、処置にわたる疾患重篤度の改善および事故頻度の改善という目的を達成する、生物学的に活性なタンパク質の量を限定することが意図される。
「IU」または「国際単位」は、薬物または天然に存在する物質の、特定の生物学的効果の量の標準化された測定である。特に、エリスロポエチンに対するIUとは、エリスロポエチンの世界保健機構(WHO)のInternational Reference Preparationを使用して標準化されるインビボ脱低酸素赤血球増加マウスアッセイ(in vivo ex−hypoxic polycythaemic mouse assay)からの単位測定をいう。所定の物質について1つのIUを与えるのに必要とされる物質の量は、供給源、状態、品質、純度、および/または物質の型と共に変化する。IUとラジオイムノアッセイによって定義されるような他の単位との間の関係は、Storringら、Brit.J.Haematol.,100:79,1998を参照することによって、さらに理解され得る。
以下の実施例は、本発明を例示するが、そのように例示された本発明の種々の局面を限定するものとして解釈されるべきではない。
(実施例1)
本研究を、1)低分子ペプチド、または2)低分子ペプチドおよび安定剤としてTween(登録商標)80、を含むPBS溶液中のエリスロポエチンωの安定性を評価するために設計した。その安定性を、いずれの安定剤も使用しない場合か、または安定剤として、ヒト血清アルブミン(HSA)もしくはTween(登録商標)80を単独で使用した場合の、EPOωの安定性と比較して評価した。以下の低分子ペプチドを、本研究において使用した:Gly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His.HCI.HO、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−GlyおよびAla−Ala。全てのペプチドおよびTween(登録商標)80を、Sigma−Aldrichから購入した。
以下に列挙したプロトコルを適用して、エリスロポエチンωを含む薬学的処方物の保存安定性を評価するために使用する溶液を調製した:
PBS溶液を調製するために、ガラスボトル中に
−注射用水(WFI)を約800gまで加え;
−8.18gのNaCl、および1.56gのNaHPO・2HOを加え;
−攪拌しながらWFIを配合溶液の全質量が1006gになるまで加え;
−最低限15分間、素早く攪拌し(混合の終了前に、全ての塩を溶解させるべきである);
−その溶液中に窒素を導入し;2分間泡立て;
−その溶液のpHを決定し、そして10M NaOHで7.20(7.10〜7.30の範囲)に調整し;
−その溶液を、滅菌した0.22μmの膜フィルターを通して、滅菌した容器中に濾過し;そして
−その濾過した溶液を使用して、エリスロポエチンの配合溶液を調製する。
PBS pH7.2−ペプチド(1.25g/L)のストック溶液を作製するために、PBS pH7.2(50ml)とペプチド(62.5mg)とを混合する。
PBS pH7.2−Tween(登録商標)80(0.375g/L)のストック溶液を作製するために、PBS pH7.2(1000ml)とペプチド(0.375g)とを混合する。
PBS pH7.2−ペプチド(1.25g/L)−Tween(登録商標)80(0.375g/L)のストック溶液を作製するために、50mlのPBS pH7.2−Tween(登録商標)80(0.375g)ストック溶液にペプチド(62.5mg)を添加する。
PBS pH7.2中のEPO(50,000IU/ml)のストック溶液を作製するために、PBS pH7.2(75.3ml)と14.7mlのEPO濃縮溶液(306,000IU/ml)とを混合する。
PBS pH7.2中のEPO 10,000IU/mlの溶液を作製するために、PBS pH7.2と4mlのストックEPO(50,000IU/ml)を混合する。
PBS pH7.2−HSA 2.5mg/L中のEPO 10,000IU/mlの溶液を作製するために、16mlのPBS pH7.2、4mlのストックEPO(50,000IU/ml)および250μl HSA(20% w/v)を混合する。
PBS pH7.2−Tween(登録商標)80(0.3g/L)中のEPO 10,000IU/mlの溶液を作製するために、16mlのPBS pH7.2−Tween(登録商標)80ストック溶液と4mlのストックEPO(50,000IU/ml)とを混合する。
PBS pH7.2−ペプチド(1.0g/L)中のEPO 10,000IU/mlの溶液を作製するために、16mlのPBS pH7.2−ペプチドストック溶液と4mlのストックEPO(50,000IU/ml)とを混合する。
PBS pH7.2−Tween(登録商標)80(0.3g/L)−ペプチド(1.0g/L)中のEPO 10,000IU/mlの溶液を作製するために、16mlのPBS pH7.2−Tween(登録商標)80−ペプチドストック溶液と4mlのストックEPO(50,000IU/ml)とを混合する。
全ての溶液は、均一化を確保するために十分に混合され、そして滅菌した0.22μmの膜フィルターを通して、滅菌した容器中に濾過される。
表1は、本研究で使用したEPOサンプルを記載する。
Figure 2007537988
Figure 2007537988
サンプルを最初に、25℃/60%RHに維持し、そして1週目、2週目、4週目、6週目、8週目および10週目に分析した。保存の4週間後、2組のサンプルを40℃/60%RHに移し、そして6週目および8週目に分析した。これは、安定化効果のいくらかの可能性を拡大するために、その溶液に、より大きい程度に負荷をかけるために行われた。25℃/60%RHにおける研究を、10週間後に中断した。
溶液を、WATERSオーブン、およびWATERS(登録商標)Dual λ吸光度検出器を備えるWATERS(登録商標)ALLIANCE 2690を使用する、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析した。そのシステムを、WATERS(登録商標)C4−300Å−5μm DELTA−PACKカラムに接続した。サンプルを、23G×11/4インチ滅菌KENDALL Monoject針を備える1.0 ml KENALL Monoject注射器を使用してHPLCバイアル中に移した。そのタンパク質含量を280nmにてピークAUCとして測定した。
曲線下面積(AUC)を記録し、そしてこれを使用して、初期の反応に基づきタンパク質の回収率を計算した。その回収率を、目的の期間における反応と初期の反応との間の比として計算した。
回収率AUC(%)=100×CAUC t/CAUC 0
ここで、回収率AUCはAUCに基づく回収率であり、CAUC tはピークのAUCとして表される、目的の期間におけるエリスロポエチン含量であり、そしてCAUC 0はピークのAUCとして表される、最初の期間におけるエリスロポエチン含量である。
本研究の開始前に、上記ペプチド安定剤に由来する潜在的な分解産物とエリスロポエチンωとの干渉が存在しないことを調査した。これは、低分子ペプチドおよび/またはTween(登録商標)80が、EPOについての回収率%およびAUCの適切な計算に影響を与え得るかどうかを判断するために設計された、別の実験コントロールである。この問題に取り組むために、低分子ペプチドを含むがエリスロポエチンωを含まない溶液を、注入の前に、25℃/60%RHにて4週間および40℃/60%RHにて4週間維持した。クロマトグラムの分析は、エリスロポエチンωシグナル(20.6分)の近辺にシグナルがないことを示し、これは、ペプチドおよび/またはTween(登録商標)80が、EPOについてのAUCおよび回収率%の計算に影響しないことを示す。
表2(以下を参照のこと)は、低分子ペプチド(B004〜B012)を用いて安定化した場合、または低分子ペプチドおよびTween(登録商標)80(B013〜B021)を用いて安定化した場合の、25℃/60%RHにて1週間、2週間、4週間、6週間、8週間、および10週間におけるEPOの%回収率、ならびに40℃/60%RHにて6週間および8週間におけるEPOの%回収率を示す。この表から理解し得るように、EPO単独(B002)またはTween(登録商標)(B003)を含むコントロール溶液を除いて、25℃/60%RHにて10週間保存したサンプルではほとんど分解していないことが記録された。同一条件において、HSAを含むEPOサンプル(B001)ではタンパク質が分解していないことが記録された。HSAを含まないコントロールサンプル(B002およびB003)に関して、時間と共にわずかな還元が記録された。さらに、40℃/60%RHにおけるEPOの安定性は、同一条件で維持したHSAを含まないコントロールサンプルにおいてより、ペプチドを含むか、またはペプチドとTween(登録商標)とを含むサンプルにおいて、より良好であった。さらに、そして予想通りに、EPO溶液は、40℃においてより25℃において、より良好な保存安定性を示した。同様の結果を、図1、図2、および図3中の図解として理解され得る。
Figure 2007537988
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上述される全ての手順が、特定の研究のために改変され得、このことが、使用されるタンパク質、研究の期間などのような要因に依存することは、注目されるべきである。このような改変は、過度の実験を伴わずに、当業者によって設計され得る。
図1は、実施例1に記載されるように、インキュベーションの8週間後、何も加えず(B002)、またはHSAの存在下(B001)でか、もしくはTween(登録商標)80の存在下(B003)での、25℃にて4週間および40℃にて4週間のインキュベーション後のEPO回収率(%)を示す。 図2は、実施例1に記載されるように、インキュベーションの8週間後、ペプチド安定剤の存在下(B004〜B0012)で、25℃にて4週間および40℃にて4週間におけるインキュベーション後のEPO回収率(%)を示す。 図3は、実施例1に記載されるように、インキュベーションの8週間後、ペプチド安定剤およびTween(登録商標)80の存在下(B013〜B021)で、25℃にて4週間ならびに40℃にて4週間におけるインキュベーション後のEPO回収率(%)を示す。

Claims (36)

  1. 安定な薬学的組成物であって、治療有効量の生物学的に活性なタンパク質、ならびにGly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、これらの誘導体およびこれらの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤を含有し、該組成物は血清アルブミンを含まない、組成物。
  2. 前記生物学的に活性なタンパク質が、エリスロポエチン、因子VIII、因子IX、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン2、濾胞刺激ホルモン、インスリン様成長因子、神経成長因子、BMP−2、BMP−4、BMP−7、および腫瘍壊死因子からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記生物学的に活性なタンパク質が、組換え体由来である、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記生物学的に活性なタンパク質が、エリスロポエチンである、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記エリスロポエチンが、エリスロポエチンωである、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記組成物中のエリスロポエチンωの濃度が、約500IU/mlと約100,000IU/mlとの間である、請求項5に記載の組成物。
  7. エリスロポエチンωの前記濃度が、約2,000IU/mlと約20,000IU/mlとの間である、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記誘導体が、Gly−Glyの塩、Gly−Gly−Glyの塩、Gly−Tyrの塩、Gly−Pheの塩、Gly−Hisの塩、Gly−Aspの塩、Gly−Alaの塩、Ala−Glyの塩、およびAla−Alaの塩を含有する、請求項1に記載の組成物。
  9. 前記血清アルブミンが、ヒト血清アルブミンである請求項1に記載の組成物。
  10. 前記組成物中の前記ペプチド安定剤の濃度が、約0.01g/Lと約10g/Lとの間である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記ペプチド安定剤の前記濃度が、約0.5g/Lおよび約5g/Lとの間である、請求項10に記載の組成物。
  12. 前記組成物が、さらに界面活性剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物である、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルである、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記組成物中の前記界面活性剤の濃度が、約0.0005%w/vと約0.5%w/vとの間である、請求項12に記載の組成物。
  16. 安定な薬学的組成物であって、エリスロポエチン、ならびにジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、およびこられの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤を含有し、そして該組成物は血清アルブミンを含まない、組成物。
  17. 前記ペプチド安定剤が、ジペプチドである、請求項16に記載の組成物。
  18. 前記ペプチド安定剤が、トリペプチドである、請求項16に記載の組成物。
  19. 前記ペプチド安定剤が、Gly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、これらの誘導体、およびこられの混合物からなる群より選択される、請求項16に記載の組成物。
  20. 前記誘導体が、Gly−Glyの塩、Gly−Gly−Glyの塩、Gly−Tyrの塩、Gly−Pheの塩、Gly−Hisの塩、Gly−Aspの塩、Gly−Alaの塩、Ala−Glyの塩、およびAla−Alaの塩を含有する、請求項19に記載の組成物。
  21. 前記組成物中の前記ペプチド安定剤の濃度が、約0.01g/Lと約10g/Lとの間である、請求項16に記載の組成物。
  22. 前記ペプチド安定剤の前記濃度が、約0.5g/Lと約5g/Lとの間である、請求項21に記載の組成物。
  23. 前記血清アルブミンが、ヒト血清アルブミンである、請求項16に記載の組成物。
  24. 前記エリスロポエチンが、組換えエリスロポエチンである、請求項16に記載の組成物。
  25. 前記組換えエリスロポエチンが、BHK細胞中で産生される、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記組換えエリスロポエチンが、CHO細胞中で産生される、請求項24に記載の組成物。
  27. 前記組換えエリスロポエチンが、エリスロポエチンωである、請求項24に記載の組成物。
  28. 前記組成物中のエリスロポエチンωの濃度が、約500IU/mlと約100,000IU/mlとの間である、請求項27に記載の組成物。
  29. エリスロポエチンの前記濃度が、約2,000IU/mlと約20,000IU/mlの間である、請求項28に記載の組成物。
  30. 前記組成物が、さらに界面活性剤を含有する、請求項16に記載の組成物。
  31. 前記界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、またはこれらの混合物である、請求項30に記載の組成物。
  32. 前記界面活性剤が、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルである、請求項31に記載の組成物。
  33. 前記組成物中の前記界面活性剤の濃度が、約0.0005%w/vと約0.5%w/vとの間である、請求項30に記載の組成物。
  34. 安定な薬学的組成物であって、エリスロポエチン、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ならびにGly−Gly、Gly−Gly−Gly、Gly−Tyr、Gly−Phe、Gly−His、Gly−Asp、Gly−Ala、Ala−Gly、Ala−Ala、これらの誘導体およびこれらの混合物からなる群より選択されるペプチド安定剤を含有し、該組成物は血清アルブミンを含まない、組成物。
  35. 前記エリスロポエチンが、エリスロポエチンωである、請求項34に記載の組成物。
  36. 前記血清アルブミンが、ヒト血清アルブミンである、請求項34に記載の組成物。
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