JP2007534674A - 炭酸ジアルキルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

アルコール(たとえばC1-C3アルコール)とウレアとの反応から炭酸ジアルキルを製造する方法が開示されており、この製造方法においては、供給物中の水不純物とカルバミン酸アンモニウム不純物を予備反応器において除去する。水と供給物中のウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させ、このカルバミン酸アンモニウムを、初めから供給物中に存在しているカルバミン酸アンモニウムと共に、アンモニアと二酸化炭素に分解する。さらに、ウレアの一部と第1の反応器中のアルコールとを反応させてカルバミン酸アルキル(炭酸ジアルキルの前駆体である)を生成させる。炭酸ジアルキルは第2の反応ゾーンにおいて生成させる。望ましくない副生物であるN-アルキルカルバミン酸アルキルは、定常状態の反応器運転の下で、第2の反応ゾーンから、アンモニア、アルコール、および炭酸ジアルキルと共に連続的に留去される。N-アルキルカルバミン酸アルキルは、第3の反応ゾーンにおいて複素環式化合物に転化させて、システムから固体として除去することができる。

Description

本発明は、反応と、反応物と炭酸エステル生成物の分離とが同時的に行われる、炭酸ジアルキル(特に炭酸C1-C3ジアルキル)の製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、アルコールとウレアおよび/またはカルバミン酸アルキルとを錯体化合物触媒の存在下にて反応させる、という方法に関する。さらに詳細には、本発明は、供給流れの不純物を取り除いて、安定な触媒性能、改良された反応速度、および装置の円滑な下流操作を得る、という方法に関する。
炭酸ジアルキルは重要な工業用化合物であり、このうちで最も重要なのが炭酸ジメチル(DMC)である。炭酸ジメチルは、メチル化剤やカルボニル化剤として、およびポリカーボネートを製造するための原材料として使用されている。炭酸ジメチルはさらに、クロロベンゼン等のハロゲン化溶媒の代わりの溶媒として使用することもできる。炭酸ジメチルと炭酸ジエチルの現在の価格は、燃料添加剤として使用するのはひどく高いけれども、どちらも改質ガソリンやオクタン成分中の酸素添加剤として使用することができる。炭酸ジメチルは、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)やTAME(tert-アミルメチルエーテル)よりはるかに高い酸素含量(53%)を有し、したがって同じ効果を得るのに極めて少ない量で済む。炭酸ジメチルはRONが130であり、MTBEやTAMEより揮発性が低い。炭酸ジメチルは心地よい香りを有し、エーテルと異なってより容易に生物分解可能である。
旧来の工業的方法おいては、炭酸ジメチルはメタノールとホスゲンから製造された。ホスゲンのもつ強烈な毒性と高コストの高いために、ホスゲンをベースにしないより優れた方法を開発すべく種々の検討がなされた。
ある新規の工業的方法においては、炭酸ジメチルは、メタノール、一酸化炭素、分子酸素、および塩化第一銅から、2段階スラリー法にて酸化カルボニル化を介して製造される。このような方法がEP0460735A4において開示されている。この方法の大きな欠点は、製造速度が遅いこと、生成物と反応物を分離するためのコストがかなりかかること、副生物が生じること、再循環の要件が厳しいこと、および耐食性の反応器とプロセスラインが必要とされること、である。
他の新たな方法がEP0742198A2とEP0505374B1に開示されており、これらの特許文献によれば、上記のメトキシ塩化第二銅(cupric methoxychloride)ではなくメチルニトリルを生成させることによって炭酸ジメチルが製造される。副生物は、窒素酸化物、二酸化炭素、およびギ酸メチル等である。共沸混合物をこわすよう、シュウ酸ジメチルを溶媒として使用する溶媒抽出蒸留によって、反応器からの生成物流れ中の炭酸ジメチルを分離する。こうした化学は単純なように思われるけれども、また製造速度が改良されるけれども、多くの物質を分離しなければならないこと、プロセスの種々のフローセクションにおいて物質をバランスさせなければならないこと、プロセスの制御が複雑になること、およびメチルニトリル(有害化学物質)を取り扱うこと、などのためにプロセスが極めて複雑である。
他の工業的方法においては、メタノールと二酸化炭素から、2段階法にて炭酸ジメチルが製造される。第1の段階においては、エポキシドと二酸化炭素とを反応させることによって環状カーボネートを生成させる(米国特許第4,786,741号;第4,851,555号;および第4,400,559号;に開示)。第2の段階においては、環状カーボネートとメタノールとの交換反応によって、グリコールと共に炭酸ジメチルを生成させる。たとえば、Y.Okadaらによる「“Dimethyl Carbonate Production for Fuel Additives”,ACS,Div.Fuel Chem.,Preprint,41(3),868,1996」およびJohn F.Kniftonらによる「“Ethylene Glycol-Dimethyl Carbonate Cogeneration”,Journal of Molecular Chemistry,vol.67,pp389-399,1991」を参照。この方法は幾つかの利点を有するものの、エポキシドと二酸化炭素との反応速度が遅く、反応には高い圧力が必要とされる。さらに、環状カーボネートとメタノールとの交換反応は平衡によって制限され、メタノールと炭酸ジメチルが共沸混合物を形成し、このため分離が困難となる。
周知のように、炭酸ジアルキルは、第一脂肪族アルコール(たとえばメタノール)とウレアとを、種々の不均一系触媒と均一系触媒(たとえば、ジブチルスズジメトキシドやテトラフェニルスズなど)の存在下にて反応させることによって製造することができる(1)。たとえば、P.Ballらによる「“Synthesis of Carbonates and Polycarbonates by Reaction of Urea with Hydroxy Compounds”,C1 Mol.Chem.,vol.1,pp95-108,1984」を参照。アンモニアが副産物であり、下記の反応順序に示すように再利用してウレアにすることができる(2)。
Figure 2007534674
より低い温度でカルバミン酸エステルを生成させ、次いでより高い温度で炭酸ジアルキルを生成させ、このときどちらの工程においてもアンモニアが発生する。
Figure 2007534674
上記したように、これら2つの反応は、反応条件下にて可逆性である。有機スズ化合物の触媒活性の順序は、R4Sn<R3SnX<<R2SnX2(式中、X=Cl、RO、RCOO、またはRCOSである)である。ジアルキルスズ(IV)化合物を使用すると、反応速度が最も高くて、副生物の生成が最も少ないことが報告されている。ほとんどの触媒(ルイス酸)に対し、反応を適切な助触媒(ルイス塩基)の存在下で行なうと、より高い触媒活性が得られるとされている。たとえば、有機スズ(IV)触媒(たとえば、ジブチルスズジメトキシドやジブチルスズオキシド等)に対する好ましい助触媒は、トリフェニルホスフィンと4-ジメチルアミノピリジンである。しかしながら、中間体であるカルバミン酸アルキルとウレアの、イソシアン酸(HNCO)もしくはイソシアヌル酸((HNO)3)への、およびアルコールもしくはアンモニア(ウレア分解の副産物)への熱分解も、カルバミン酸ジアルキルの合成において使用されるジブチルスズジメトキシドやジブチルスズオキシド等の有機スズ化合物によって促進される。WO95/17369は、P.Ballらによる文献に記載の化学と触媒を利用して、アルコールとウレアから2段階で炭酸ジアルキル(たとえば炭酸ジメチル)を製造する方法を開示している。第1段階においては、アルコールとウレアとを反応させてカルバミン酸アルキルを生成させる。第2段階においては、カルバミン酸アルキルとアルコールとを第1段階より高い温度でさらに反応させることによって炭酸ジアルキルを生成させる。これらの反応は、オートクレーブ反応器を使用することによって行う。しかしながら、メタノールとカルバミン酸メチルもしくはウレアとが反応すると、下記の反応にしたがってN-メチルカルバミン酸メチル(N-MMC)やN-アルキルウレア等のN-アルキル副生物も生成される。
Figure 2007534674
副生物の生成をできるだけ抑えるため、炭酸ジアルキルは、反応器溶液(reactor solution)のカルバミン酸エステルとアルコールの合計含量を基準として1〜3重量%の量にて反応器中に存在する。
米国特許第6,010,976号においては、高沸点エーテルと均一なスズ錯体触媒の存在下において、ウレアとメタノールから炭酸ジメチル(DMC)を単一工程にて高収率で合成している。
Figure 2007534674
エーテル溶媒はさらに、ジブチルスズジメトキシドまたはジブチルスズオキシドからその場で均一な錯体触媒を形成するよう、錯化剤としても作用する。
DMCプロセスに伴う物質の分離は、DMCの商業生産に対して、経済的な理由から極めて重要な問題である。EP0742198A1と米国特許第5,214,185号は、シュウ酸ジメチル(DMOX)を抽出溶媒として使用することによって、メタノールとDMCとの蒸気混合物からDMCを分離することを開示している。DMOXの融点(54℃)が高いので、DMOXの使用は不都合であり、分離に余分なコストがかかる。
ウレアとアルコールは共に吸湿性が高い。ウレアは、カルバミン酸アンモニウム不純物を含有する。したがって水とカルバミン酸アンモニウムが、ウレア供給物とアルコール供給物中の不純物である。ウレア供給物とアルコール供給物中の、水やカルバミン酸アンモニウム等の不純物は、反応器からのオーバーヘッド蒸気流れに対して、冷却セクション(凝縮器)の低温スポット(cold spots)に触媒の失活とラインの詰まり引き起こす、ということが見出された。水はアルコキシ基を含有する触媒の失活を引き起こす。たとえば、有機スズ錯体化合物分子上のメトキシ基は水分子に対する反応性が高く、この結果、スズ原子とメトキシ基の酸素原子との間の結合の加水分解が起こる。カルバミン酸アンモニウムは、炭酸ジアルキル生成反応器において背圧を制御しなければならないという問題、およびカルバミン酸アンモニウムの堆積のために、ジアルキル反応器からの生成物蒸気流れの冷却システム(凝縮器)が詰まり起こすという問題を引き起こす。
簡単に言えば、本発明は、
(a) ウレア、アルコール、水、およびカルバミン酸アンモニウムを含有する流れを第1の反応ゾーンに供給する工程;
(b) 前記第1の反応ゾーンにおいて、
(i) 水とウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させること;および
(ii) 供給物中のカルバミン酸アンモニウムと、水とウレアとの反応からのカルバミン酸アンモニウムを、アンモニアと二酸化炭素に分解すること;
を同時的に果たす工程;
(c) アンモニアと二酸化炭素と前記アルコールを、前記第1の反応ゾーンから第1のオーバーヘッドとして取り出す工程;
(d) ウレアと前記アルコールを前記第1の反応ゾーンから取り出す工程;
(e) 前記ウレアと前記アルコールを第2の反応ゾーンに供給する工程;
(f) 高沸点溶媒中において、ジアルキルメトキシドの有機スズ錯体化合物を含んだ均一系触媒の存在下にて前記アルコールとウレアとを反応させて、炭酸ジアルキルを生成させる工程;ならびに
(g) 炭酸ジアルキルと前記アルコールを前記第2の反応ゾーンから取り出す工程;
を含む、炭酸ジアルキルの改良された製造方法である。
炭酸ジアルキルは、アルコール(好ましくはC1-C3アルコール)と、ウレアまたはカルバミン酸アルキルまたはこれら両方とを、溶媒として作用する高沸点の電子供与体化合物と有機スズ化合物との錯体(好ましくはジブチルスズジアルコキシド錯体化合物)、および酸素を含有する高沸点有機溶媒の存在下にて反応させることによって製造され、このとき反応は、蒸留釜のリボイラー中において、または炭酸ジアルキルの蒸留が同時的になされる攪拌機付き反応器中において行うのが好ましい。ウレア供給物とアルコール供給物は、水、カルバミン酸アンモニウム、N-アルキル化副生物、およびごく少量のカルバミン酸アルキルを除去することによって精製される。
水は、予備反応ゾーン(preliminary reaction zone)を有する予備反応器(prereactor)において、水とウレアとを反応させることによって除去する。カルバミン酸アンモニウムは、予備反応器においてアンモニアと二酸化炭素に分解することによって除去する。ウレアはさらに、予備反応器において、一部が選択的にカルバミン酸アルキルに転化され、この結果、主要反応器(primary reactor)における反応速度がより速くなり、炭酸ジアルキル回収ユニットもしくは回収塔から主要反応器へのアルコール再循環が少なくなり、そして主要反応器からのオーバーヘッド流れ中の炭酸ジアルキルの濃度がより高くなる。主要反応器からのオーバーヘッド流れ中の炭酸ジアルキルの濃度がより高くなると、炭酸ジアルキルを分離するためのコストが低下する。
ウレア供給物とアルコール供給物中の水不純物は、カルバミン酸アンモニウムを予備反応器中にてアンモニアと二酸化炭素に分解することによって除去しつつ、予備反応器にて水とウレアとを反応させることによって除去する。予備反応器は、アンモニアと二酸化炭素を蒸気として除去できるよう、分解に有利な条件下で操作しなければならない。分解が不完全であると、未転化のカルバミン酸アンモニウムが主要反応器に流入し、アンモニアと二酸化炭素に分解するときにウレアと水に転化され、このため触媒の失活を引き起こす。ウレアは、予備反応器において一部がカルバミン酸アルキルに転化される。予備反応器において下記の必要な反応が起こる。
Figure 2007534674
上記4つの反応は平衡反応であって、予備反応器の予備反応ゾーンにおいて同時的に起こらなければならないので、予備反応器と主要反応器の温度と圧力を制御することが重要である。反応(1)、(2)、(3)、および(4)は、予備反応器中にて液相にて200〜380°F(好ましくは250〜350°F)の温度で行う。予備反応器のオーバーヘッド圧力の好ましい範囲は約30〜300psigである。しかしながらオーバーヘッド圧力は、主として、予備反応器塔の望ましい温度と反応器中の液体の組成によって決まる。反応(4)は、触媒が存在しないと平衡状態に進んでいくが、触媒〔たとえば、ジブチルスズジアルコキシド触媒や弱酸性もしくは弱塩基性の不均一系触媒(たとえば、シリカや高温(>850℃)焼成アルミナ等の不活性担体上に担持させた酸化亜鉛、酸化スズ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化モリブデン、タルサイト、炭酸カルシウム、水酸化炭酸亜鉛、および水酸化炭酸ジルコニウム等)〕が存在すると、反応がより速くなる。所定の条件下での予備反応ゾーンにおける液相中のウレアの好ましい濃度は約80重量%未満であり、好ましくは50重量%未満である。カルバミン酸アンモニウムの分解を可能にするよう、アンモニアと二酸化炭素の分圧をカルバミン酸アンモニウムの分解圧力未満に保持しなければならない。さらに、予備反応器の予備反応ゾーンから生成物、アンモニア、および二酸化炭素を、アルコールおよびオプションとして使用される不活性ストリッピングガスと共に、好ましくは蒸気混合物として効率的に取り出すのが極めて望ましい。必要に応じて、アルコール蒸気を単独のストリッピングガスとして使用することもできる。したがって本発明は、ウレアとアルコールを含んでいて、水とカルバミン酸アンモニウムを不純物として含有する反応物の反応によって炭酸ジアルキルを製造するための改良された方法であって、
(a) ウレアとアルコールを含んだ反応物を主要反応ゾーンに供給する工程;
(b) 電子供与性原子を含有する高沸点溶媒と有機スズ化合物を前記主要反応ゾーンに供給する工程;ならびに
(c) 前記主要反応ゾーンにおいて、
(i) 電子供与性原子を含有する前記高沸点溶媒と前記有機スズ化合物の存在下にて、アルコールとウレアとを反応させて炭酸ジアルキルを生成させること;および
(ii) 炭酸ジアルキルとアンモニアを前記主要反応ゾーンから蒸気として取り出すこと;
を同時的に果たす工程;
を含み、このとき改良点が、前記水とウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させ、そしてカルバミン酸アンモニウムをアンモニアと二酸化炭素に分解するような条件下にて反応物を先ず予備反応ゾーンに供給することによって、そして工程(a)において反応物を供給する前に、前記反応物からアンモニアと二酸化炭素を、好ましくは200〜380°F(さらに好ましくは250〜350°F)の範囲の温度で、好ましくは液相にて除去することによって、前記反応物から水とカルバミン酸アンモニウムを除去するために、主要反応ゾーンの前に予備反応ゾーンを使用することにある。予備反応ゾーンにおいて、ウレアとアルコールの一部が反応してカルバミン酸アルキルを生成するのが好ましい。
炭酸ジアルキルの製造方法の好ましい実施態様は、
(a) ウレアとC1-C3アルコールを予備反応ゾーンに供給する工程;
(i) 予備反応器において供給物中の不純物を浄化する;
(ii) アンモニア、二酸化炭素、およびアルコールを蒸気流れとして除去する;
(iii) ウレアとアルコールの一部を反応させてカルバミン酸アルキルを生成させる;および
(iv) カルバミン酸アルキルとウレアとアルコールを含有する液体流れを取り出して、主要反応ゾーンに導入する;
(b) 電子供与性原子を含有する高沸点溶媒と有機スズ化合物を前記主要反応ゾーンに供給する工程;
(c) 前記主要反応ゾーンにおいて、
(i) C1-C3アルコール、ウレア、およびカルバミン酸アルキルを、電子供与性原子を含有する前記高沸点溶媒と前記有機スズ化合物の存在下にて反応させて、炭酸ジアルキルを生成させること;および
(ii) 炭酸ジアルキル、アンモニア、エーテル、二酸化炭素、N-アルキルカルバミン酸アルキル、およびカルバミン酸アルキルを、前記主要反応ゾーンから蒸気として取り出すこと;
を同時的に果たす工程;ならびに
(d) 主要反応器からの蒸気流れから分離されたN-アルキルカルバミン酸アルキルと、主要反応ゾーンからの液体反応媒体のわずかなスリップ流れ(slip stream)中のN-アルキルカルバミン酸アルキルを、前記第3の浄化反応ゾーンにおいて前記複素環式化合物〔(RNCO)3(式中、Rは、HまたはCnH2n+1であり、nは1、2、または3である)〕に転化させ、カルバミン酸アルキルを炭酸ジアルキルに転化させる工程;
(i) 流れ中の複素環式化合物を第3の反応ゾーンから固体として取り出す;
(ii) リーミング液体流れ(reaming liquid stream)を主要反応ゾーンと浄化反応ゾーンに戻す;および
アンモニア、アルコール、および炭酸ジアルキルをオーバーヘッド蒸気流れとして取り出す;
を含む。
この実施態様は、前記ウレアとアルコールから水とカルバミン酸アンモニウムを、好ましくは200〜380°F(さらに好ましくは250〜350°F)の範囲の温度で、好ましくは液相にて除去するために予備反応ゾーンを使用すること、および副生物であるN-アルキルカルバミン酸アルキルを300〜400°Fの範囲の温度で液相にて転化させて、系から固体として除去するために浄化反応ゾーンを使用することを含む改良をもたらす。
好ましい予備反応器は二重直径型蒸留塔反応器(double diameter tower reactor)である。ウレアをアルコール中に溶解して得られる供給溶液を、より狭い直径の上部セクションの中間セクションにて塔予備反応器に導入する。ウレア供給物中のカルバミン酸アンモニウムをアンモニアと二酸化炭素に分解する。塔の温度を、50〜350psigの圧力にて約200°F〜約380°Fの温度に保持する。軽質の反応生成物であるアンモニアと二酸化炭素を、アルコール蒸気と共に、塔からオーバーヘッド蒸気流れとして取り出す。供給流れ中のウレアは、予備反応器において少なくとも一部がカルバミン酸アルキルに転化される。この反応は発熱反応である。ウレアの転化率は10%以上であり、50%以上であるのが好ましい。ウレアからカルバミン酸アルキルへの転化は、錯体触媒が存在しなくても行うことができるが、触媒を使用すると、転化速度がより速くなる。
供給流れ中の水不純物とカルバミン酸アンモニウム不純物を取り除くと、触媒を活性状態に保持する上で付きものの問題(蒸留塔のオーバーヘッド圧力を制御するという問題、および主要反応器からのオーバーヘッド蒸気流れの冷却エリアに、カルバミン酸アンモニウムの堆積によって詰まりが生じるという問題)が解消される。供給物中の不純物の浄化は、予備反応器〔これは二重直径型蒸留塔反応器(double diameter distillation tower reactor)である〕において行われる。供給流れ中の不純物を除去することが、予備反応器の主要な目的である。予備反応器において、ウレアの少なくとも一部をカルバミン酸アルキルに転化させることによって、さらなる改良が果たされる。なぜならこうした転化の結果、主要反応器において炭酸ジアルキルを生成する反応速度がより速くなり、炭酸ジアルキル回収ユニットから主要反応器へのアルコール再循環が少なくなる(主要反応器からのオーバーヘッド流れ中の炭酸ジアルキルの濃度がより高いために)からである。炭酸ジアルキルを製造する際、主要反応器からのオーバーヘッド流れ中の炭酸ジアルキルの濃度がより高いと、炭酸ジアルキルを分離する上でのコストが減少する。
主要反応器(ここで炭酸ジアルキルが形成される)は、主要反応器からの生成物蒸気流れの潜熱を回収するための熱交換器を装備した攪拌機付きタンク反応器である。回収された熱は、アルコールをアルコール回収塔から主要反応器に再循環させるのに使用される。液体反応媒体を機械的に攪拌することは、必要ではないが行ってもよい。本発明においては、主要反応器の反応/蒸留塔は、望ましくないN-アルキル化副生物が液体反応ゾーンからオーバーヘッド生成物流れの一部として除去されるように、従来と異なった仕方で操作される。これにより副生物をできるだけ低いレベルに保持することが可能となり、したがって反応器操作の長時間にわたって全く中断することなく、液体反応ゾーンに望ましくない副生物を満たさずに反応器を一定の液体レベルにて操作することができる。このことは、炭酸ジアルキルの順調な商業生産にとって極めて望ましいことである。N-アルキル化副生物の生成速度を最小限に抑えるために、液体媒体中におけるより低い濃度のウレア、カルバミン酸アルキル、および炭酸ジアルキルが使用される。生成速度を最小限に抑えることは、より高い濃度の高沸点溶媒(たとえばトリグライム)を使用することによって果たされる。しかしながら、カルバミン酸アルキルの濃度が低すぎる場合は、DMCの容認できないほど低いスペース・イールド(space yield)が生じることがある。
主要反応器中における副生物(たとえば、N-アルキルカルバミン酸アルキルや複素環式化合物)の堆積を防止するために、N-アルキルカルバミン酸アルキルを液体反応媒体から連続的に留去するのと同時的に、主要反応器からの蒸気流れの温度と圧力を蒸留塔において調節することによって、炭酸ジアルキルの生成反応を果たすことができる、およびN-アルキルカルバミン酸アルキルを複素環式化合物に転化させて、これを固体として系から除去できる、ということが見出された。言い換えると、主要反応ゾーンの所定の液体反応体積(a given liquid reaction volume)中に一定の濃度のN-アルキルカルバミン酸アルキルと複素環式化合物を、ステーション反応器(station reactor)の安定した操作条件下で保持することができる、ということが見出された。さらに、主要反応器の内部全ての表面温度を約550°F未満(好ましくは450°F未満)の温度に保持することが、主要反応ゾーンにおける複素環式化合物の生成を最小限に抑えるのに極めて望ましい、ということが見出された。N-アルキルカルバミン酸アルキルから複素環式化合物への転化は、第3の浄化反応ゾーンを使用することによって行われる。
この目的に適う好ましい浄化反応器(clean-up reactor)は、取り付け型蒸留塔(attached distillation column)、凝縮器、および還流ドラムを装備した攪拌機付きタンク反応器である。主要反応ゾーンにおいて、炭酸ジアルキルによるカルバミン酸アルキルのアルキル化によって生成される副生物N-アルキルカルバミン酸アルキルは、主要反応ゾーンからの蒸気温度を約255°Fより高い(好ましくは265°Fより高い)塔温度にて操作することによって、オーバーヘッド蒸気流れの一部として他の生成物と共に連続的に除去される。
Figure 2007534674
N-アルキルカルバミン酸アルキルが、主要反応器からのオーバーヘッド流れから分離され、浄化反応器に導入される。浄化反応器は、330〜400°Fの範囲の液体反応媒体温度で操作するのが好ましい。塔の温度と塔のオーバーヘッド圧力を、オーバーヘッド蒸気流れがN-アルキルカルバミン酸アルキルを含有しないように制御することが大切である。浄化反応器は一般に、主要反応器より少なくとも2°F高い反応温度、および少なくとも5psig高いオーバーヘッド圧力にて操作される。
本発明に開示の副生物を除去する手法は、主要反応器と浄化反応器において溶媒を使用するかどうかに関係なく、ウレアとアルコールから炭酸ジアルキルを製造する先行技術〔たとえば、米国特許第6,359,163B2号(2002)、WO95/17369(1995)、米国特許第6,031,122号(2000)、およびEP1167339(2002)〕に拡大して適用することができる。
炭酸ジプロピルや炭酸ジブチル等の、より重質の炭酸ジアルキルを製造する場合は、主要反応器からN-アルキルカルバミン酸アルキルをオーバーヘッド流れの一部として取り除くことが困難になる。したがって、多量の液体スリップ流れが主要反応器から取り出されて浄化反応器に送られる。このスリップ流れ中のN-アルキルカルバミン酸アルキルが、本発明に開示されているように、浄化反応器において分離可能な高沸点物質に転化される。浄化反応器からのボトム流れ中の高沸点廃棄物質を除去した後に、残部の液体流れを主要反応器と浄化反応器に戻すことができる。
種々のフィジカル装置(physical device)を予備反応器として使用することができる。こうしたフィジカル装置としては、蒸留塔反応器、攪拌機付きタンク反応器、バブル反応器(bubble reactor)、管型反応器、沸点反応器(boiling point reactor)、またはこれらのいずれかの組み合わせがある。好ましい装置は蒸留塔反応器であり、この反応器では、反応/蒸留の条件下にて反応が行われる。反応(1)、(2)、および(3)の平衡特性にもかかわらず、蒸留塔反応器を使用すると、これら3つの反応を右方向に進めること(すなわち、供給流れ中の水とカルバミン酸アンモニウム完全な除去)が可能となる。ウレアは、平衡反応(4)にしたがって予備反応器にて、一部がカルバミン酸アルキルに転化される。アンモニアを反応ゾーンからオーバーヘッドガス混合物として取り出すことによって、同様に反応(4)を反応の右側に進行させることができる。ウレアの一部をカルバミン酸アルキルに転化させると、主要反応器におけるカルバミン酸アルキルから炭酸ジアルキルへの転化速度が増大し、この結果、主要反応器からのオーバーヘッド流れ中の炭酸ジアルキルの濃度がより高くなる。なぜなら、炭酸ジアルキルを生成させるためのウレアとアルコールとの反応が2段階で起こり、反応(4)がその第1の段階だからである。
炭酸ジアルキルを生成する反応は以下のとおりである:
Figure 2007534674
反応(5)は、主要反応器において、高沸点溶媒の存在下にて、炭酸ジアルキルが生成されたらすぐに反応媒体から炭酸ジアルキルを速やかに取り出せる好ましい条件をつくり出すよう、反応/蒸留モードにて行われる。主要反応器において炭酸ジアルキルを生成する速度は、化学熱力学のために、予備反応器においてカルバミン酸アルキルを生成する速度より、主要反応器における反応媒体中のアンモニアの濃度の影響を受けやすい。炭酸ジアルキルを生成する速度は、所定の濃度カルバミン酸アルキルにて、主要反応器における液体反応媒体中のアンモニア濃度がより低ければより速くなる。主要反応器中の反応媒体の温度は、ほぼ周囲圧力〜150psig(好ましくは30〜120psig)の圧力下にて、約300°F〜約450°F(好ましくは約320°F〜約400°F、最も好ましくは約330°F〜約360°F)である。適切な高沸点溶媒を選択することによって、および主要反応器中の高沸点溶媒の濃度を調節することによって、炭酸ジアルキルに対する高い選択性をもたらすような、望ましい温度と圧力の組み合わせを得ることができる。アルコールを過熱アルコール蒸気として主要反応器と予備反応器に再循環するのに使用すべきオーバーヘッド蒸気流れの潜熱を回収するために、主要反応器を、少なくとも約300°F(好ましくは約320°F以上)のオーバーヘッド蒸気温度を有するように操作するのが極めて望ましい。
主要反応器において高沸点溶媒を使用すると、液体反応媒体中にて低圧・低濃度のカルバミン酸エステルのもとで反応を行うことが可能となる。圧力がより低いと、液体反応媒体から気相への炭酸ジアルキルの移行がより速やかになり、この結果、液体反応媒体中の炭酸ジアルキルの濃度がより低くなる。液体反応媒体中の炭酸ジアルキルおよびカルバミン酸エステル/ウレアの濃度が低くなるほど、主要反応器中における、N-アルキル化に関連した望ましくない副生物、ならびにウレア、カルバミン酸アルキル、およびN-アルキル化物の分解生成物の量も少なくなる。炭酸ジアルキルを合成するための好ましい溶媒は、次のような特性を有していなければならない:(1)沸点が、炭酸ジアルキル生成物の沸点より少なくとも20°F高くなければならない;および(2)炭酸ジアルキルと共沸混合物を形成してはならない。このような溶媒の例としては、高沸点のエーテル、ケトン、炭化水素、エステル、もしくはこれらの混合物;トリエチレングリコールジメチルエーテル;テトラエチレングリコールジアルキルエーテル;アニソール;ジメトキシベンゼン;ジメトキシトルエン;シュウ酸アルキル;デカリン;テトラリン;キシレン;デカン;またはこれらの混合物;などがある。
過熱アルコール蒸気流れを液体反応ゾーンに直接導入して、カルバミン酸アルキルを炭酸ジアルキルに転化(この転化反応はやや吸熱反応である)させるための反応熱を供給し、炭酸ジアルキルが生成されたらすぐに液体反応媒体から炭酸ジアルキルとアンモニアを取り除く。反応媒体中のカルバミン酸アルキルとウレアの望ましい合計濃度は、液体反応媒体中の全物質の約10〜約60重量%(好ましくは約15〜約50重量%)である。反応媒体中の炭酸ジアルキルの望ましい濃度は、液体反応媒体の合計含量を基準として約0.5〜約12重量%(好ましくは約2〜約9重量%)である。液体反応媒体中のカルバミン酸アルキルとアルコールとのモル比は0.2:1〜2:1(好ましくは0.3:1〜1.5:1)である。有機スズ錯体触媒の濃度は、主要反応器における液体反応ゾーン中の全物質の合計含量を基準として、スズとして約2〜約20重量%(好ましくはスズとして約5〜約17重量%)である。留意しておかねばならないことは、この触媒はさらに、前述の望ましくない副反応に対しても触媒作用を及ぼす、という点である。より低い温度で反応を行えば、副反応は少なくなる。しかしながら、炭酸ジアルキルを製造する速度も遅くなり、このことはDMCの商業生産にとって受け入れ難い。主要反応器における反応媒体中の高沸点溶媒の望ましい濃度は、反応媒体中の全物質を基準として約2〜約65重量%(好ましくは約2.5〜約55重量%)である。
定常状態の反応条件下で作用する触媒は、ジアルキルスズジアルコキシドの有機スズ錯体化合物R’4-nSn(OR)n・xL(式中、R’は、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基であり;Rはアルキルであり;nは1または2であり;xは1または2であり;Lは、電子供与性原子を含有する単座配位子または二座配位子である)から誘導される有機スズ錯体触媒系である。Lの例は、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、有機ホスフィン、もしくはこれらの混合物;トリエチレングリコールジメチルエーテル;テトラエチレングリコールジメチルエーテル;シュウ酸ジメチル;マロン酸ジメチル;コハク酸ジメチル;アニソール;ジメトキシベンゼン;ジメトキシトルエン;エチレングリコール;カテコール;1,4-ジオキサン-2,3-ジオール;2-メチルテトラヒドロフラン-3-オン;2,3-ペンタンジオン;2,4-ペンタンジオン;3-メチルテトラヒドロピラン;またはトリフェニルホスフィン;等の電子供与性配位子分子である。均一触媒系は、種々の有機スズ化学種の準平衡混合物である。このタイプの適切な触媒とそれらの製造法が、米国特許第6,010,976号と第6,392,078号(これらの特許の全開示内容を参照により本明細書に含める)に記載されている。
定常状態の反応条件下で作用する触媒系は、種々の可溶性の、有機スズモノマー化学種と有機スズダイマー化学種と有機スズオリゴマー化学種との混合物である。これらの種々の有機スズ触媒化学種は、所定の反応条件下において、程度の差はあるが準平衡状態になっている。ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズハライド、ジアルキルスズビス(アセチルアセトネート)、およびジアルキルスズカルボキシレート〔たとえば、ジブチルスズジアセテート、ジアルキルスズオキサレート、ジブチルスズマロネート、ジブチルスズジアセテート、またはジブチルスズビス(アセチルアセトネート)等〕を使用して、高沸点溶媒(たとえばトリグライム)の存在下にてアルコールと反応させることによって、主要反応器の始動時にその場で可溶性のスズ錯体触媒化学種を生成させることができる。スズ原子に結合しているアルキル基は同一であっても異なっていてもよい。たとえば、触媒前駆体は、ジブチルスズ、ブチルベンジルスズ、ブチルフェニルスズ、ブチルオクチルスズ、もしくはジ-2-フェニルエチルスズのジアルコキシド、ジハライド、ヒドロキシハライド、ジアセテート、またはオキシドであってよい。水、カルボン酸、または塩酸等の副産物は、低圧にて高沸点溶媒の存在下で、液体反応媒体からオーバーヘッド蒸気流れとして連続的に取り除かれる。触媒形成反応のための適切な温度は約200〜約400°Fであり、適切な圧力は周囲圧力から150psigである。好ましい実施態様においては、意図する炭酸ジアルキル生成物の種類に応じてメタノール、エタノール、またはプロパノールを、主要反応器中に連続的にポンプ送りする。MECの製造に対しては、メタノールまたはエタノールが使用可能である。触媒形成反応は、主要反応器中にて、カルバミン酸アルキル、N-アルキルカルバミン酸アルキル、または炭酸ジアルキルの希薄溶液の存在下で行うのが有利である。言うまでもないが、この触媒形成反応中、蒸留塔の運転は、副産物である水、カルボン酸、または塩化水素を、反応ゾーンからのオーバーヘッド生成物としてのアルコールと共に、オーバーヘッド流れとして除去することを可能にするような条件下で操作しなければならない。炭酸ジメチルの製造の場合、可溶性の有機スズ錯体触媒系は、高沸点溶媒の存在下で炭酸ジアルキル形成反応を開始させる前に、主要反応器において、ジブチルスズジメトキシドとトリグライム(有機スズ錯体触媒を形成させるための錯化剤として)およびメタノールとを単に混合することによって作製される。炭酸ジエチルの製造の場合、可溶性の有機スズ錯体触媒系は、主要反応器において、ジブチルスズジメトキシドをトリグライムおよびエタノノールと共に使用することによって作製するのが好ましい。反応が進行するにつれて、触媒によりメトキシ基がエトキシ基で置き換えられる。
図1には、本発明の1つの実施態様の簡略化した流れ図が示されている。図1は改良されたプロセスの流れ図であり、DMC分離ユニットは除かれている。DMC分離ユニットは図2に示されている。反応/蒸留塔反応器111は、供給流れ中の不純物を除去するための、またウレアをカルバミン酸メチルに一部転化させるための予備反応器として使用される。ウレア溶液は、ドラム131においてウレア供給物1とメタノール流れ3を混合することによって作製される。メタノール流れは、フレッシュなメタノール供給流れ2とメタノール再循環流れ4(DMC分離ユニットからのメタノール再循環流れ30の一部)とで構成されている。DMC分離ユニット(図2に示す)からのメタノール再循環流れ30が3つの流れ(4、31を介しての33、および32)に分けられ、ウレア溶液を作製するためのドラム、主要反応器112、および浄化反応器113に送られる。ドラム131からのウレア溶液供給物5を、二重直径型蒸留塔反応器111の上方のより狭い塔セクションの中央部に導入する。反応器111は、メタノール供給物とウレア供給物中の不純物(水とカルバミン酸アンモニウム)を浄化するための、そしてウレアの一部をMCに転化させるための予備反応器として作用する。予備反応器111からの蒸気流れ6は、アンモニア、二酸化炭素、およびメタノールを含む。MCとウレアがメタノール中に溶解した状態の浄化混合溶液を、予備反応器111から塔底液流れ7として取り出し、これがライン20を介して、冷却/濾過器システム133からの再循環液体流れ22と合流して流れ8になる。冷却/濾過器システム133からの液体再循環流れ20を2つの流れ(21と22)に分けて、主要反応器112と浄化反応器113に再循環させる。合流流れ8を主要反応器(攪拌機付き反応器または必要に応じてバブル塔反応器)112に導入する。DMC分離ユニットからの再循環メタノール流れ33を主要反応器112に過熱メタノール蒸気として導入する。フラッシュ塔132からのオーバーヘッド再循環流れ14を主要反応器に導入する。流れ14は、大部分のMC、少量のN-MMC、および少量のメタノールを含む。主要反応器112からのオーバーヘッド蒸気流れ9は、アンモニア、CO2、ジメチルエーテル、メタノール、DMC、MC、N-MMC、TG、および少量の有機スズ触媒を含む。主要反応器112からのオーバーヘッド流れ9を、攪拌機付き浄化タンク反応器113からのオーバーヘッド流れ17と合流させて流れ10にする。流れ17は、アンモニア、CO2、ジメチルエーテル、メタノール、およびDMCを含む。合流流れ10を蒸留塔151に導入して、成分であるアンモニア、CO2、ジメチルエーテル、メタノール、およびDMCを、流れ中の残りの重質成分から分離する。塔151からのオーバーヘッド流れ12を予備反応器111からのオーバーヘッド流れ6と合流させて、流れ23にする。この合流流れ23を蒸留塔134に導入する。塔134からのオーバーヘッド流れ25をカルバミン酸アンモニウム除去システム135に送り、そこで流れ25を適切に冷却してCO2とアンモニアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムとし、固体カルバミン酸アンモニウムを沈降させる。固体カルバミン酸アンモニウムは、濾過器やヒドロクローン(hydroclone)を使用することによって除去することができる。カルバミン酸アンモニウム除去システム135からの流れ27を蒸留塔136に導入してアンモニアを回収する。塔136からのオーバーヘッド流れ28をアンモニア貯蔵タンクに送る。塔136からの塔底液流れ29は有機廃棄物であり、ほぼジメチルエーテルで構成されている。塔134からの塔底液流れ24を、図2に示すDMC分離ユニットに送る。流れ24は、DMCとメタノールを含む。塔151からの塔底液流れ13をフラッシュ塔132に送る。流れ13は、メタノール、MC、N-MMC、TG、および少量の触媒を含む。フラッシュ塔132からの塔底液流れ15は、N-NMC、MC(少量)、TG、および少量の有機スズ触媒を含む。流れ15を主要反応器112からの少量の液体スリップ流れ11を合流させて、流れ16にする。合流流れ16を浄化反応器113に導入する(必要に応じて、主要反応器112からの少量のスリップ流れ11を、塔151または132のどちらかの下方セクションに導入することができる)。浄化反応器113からの塔底液流れ18を冷却して、流れ中の複素環式化合物(たとえば、イソシアヌル酸や1,3,5-トリメチルトリアジン-2,4,6-トリオン等)を沈殿させ、この沈殿物を、濾過システム133からライン19を介して固体として除去する。濾過システム133からの濾液流れ20を2つの流れ21と22に分け、主要反応器112と浄化反応器113に再循環させる。
主要反応器は、炭酸ジアルキルの生産能力に応じて、単一の攪拌機を装備したタンク反応器であっても、複数の攪拌機を装備したタンク反応器であってもよい。たとえば、主要反応器が3つの一連の攪拌機付きタンク反応器で構成されている場合は、予備反応器111からの浄化されたカルバミン酸アルキル/ウレア供給流れ7を3つの流れに分割して、各流れを直接3つの反応器に導入するのが適切である。各反応器から液体反応流れを取り出し、次の反応器に導入する。第3の反応器からの液体反応流れを第1の反応器に送る。第3の反応器からの液体反応流れからの少量のスリップ流れを、塔132からの塔底液流れ15と合流させて、流れ16とし、この流れ16を浄化反応器113に送る。アルコール再循環流れ(たとえば、DMC分離ユニットからのメタノール再循環流れ33)を、第1の反応器に過熱アルコール蒸気として導入する。第1の攪拌機付きタンク反応器からのオーバーヘッド蒸気流れを第2の反応器に導入する。第2の反応器からのオーバーヘッド蒸気流れを第3の反応器に導入する。各反応器からのオーバーヘッド流れ中における炭酸ジアルキルの含量は、蒸気流れが第1の反応器から第3の反応器に移動するにつれて増大し、この結果、第3の反応器からのオーバーヘッド流れ中のDMCの濃度が最も高くなる。第3の反応器からのオーバーヘッド流れ9を、浄化反応器113からのオーバーヘッド流れ17と合流させて、流れ10とし、この流れ10を蒸留塔151に導入する。
蒸留塔134からの塔底液流れ24をDMC分離ユニット(図2を参照)に送る。この流れは、約28重量%のDMCを含有する。塔134からの流れ24を、ライン34を介して抽出蒸留塔137に導入する。オーバーヘッド流れ35(約98重量%のメタノールと約2重量%のDMCを含む)を、図1におけるライン30を介して再循環させる。塔底液流れ36を抽出溶媒回収塔(extractive solvent recovery column)138に導入する。抽出溶媒であるアニソールを塔138から塔底液流れ38として回収し、ライン38を介して塔137に再循環させる。塔138からのオーバーヘッド流れ37はDMC生成物であり、これがDMC貯蔵タンクに送られる。
炭酸ジエチル(DEC)は、DMCの製造に関して説明したのと類似の方法で製造することができる。エタノールとDECとの混合物は共沸混合物を形成しないので、エタノールからのDECの分離は、単一の蒸留塔で行うことができる。
図3は、DECの製造プロセスの簡略化した流れ図である。ドラム141においてウレア供給物101とエタノール流れ103を混合することによって、ウレア溶液を作製する。エタノール流れ103は、フレッシュなエタノール供給物102とエタノール再循環流れ155(エタノール再循環流れ130の一部である)を含む。エタノール再循環流れ130は、蒸留塔146からのオーバーヘッド流れ117と蒸留塔145(エタノール回収塔)からの塔底液流れ129を含む。エタノール再循環流れ130を2つの流れ152と156に分ける。流れ152は、浄化反応器123に再循環させる。流れ156も2つの流れ155と157に分け、それぞれドラム141と主要反応器122に再循環させる。エタノール再循環流れ157を主要反応器122に導入する。ドラム141からのウレア溶液104を、二重直径型塔反応器121の、上方のより狭い塔セクションの中央部に導入する。反応器121は、供給物であるエタノールとウレア中の不純物(水とカルバミン酸アンモニウム)を浄化するための、およびウレアの一部をECに転化させるための予備反応器として作用する。予備反応器121からの蒸気流れ105は、アンモニア、二酸化炭素、およびエタノールを含む。浄化された混合溶液を、予備反応器121から塔底液流れ106として取り出す。流れ106を、主要反応器(攪拌機付きタンク反応器または必要に応じてバブル塔反応器)122に導入する。再循環エタノール流れ157(この流れは、エタノール再循環流れ130の主要部分である)を、主要反応器122に過熱エタノール蒸気として導入する。主要反応器122からの少量のスリップ流れ108を、DEC回収塔147からの塔底液流れ120と合流させて、流れ161を形成させ、この合流流れ161を浄化反応器123に導入する。スリップ流れ108は、エタノール、アンモニア、ジエチルエーテル、DEC、カルバミン酸エチル、N-エチルカルバミン酸エチル、TG、複素環式化合物(たとえば、イソシアヌル酸や1,3,5-トリエチルトリアジン-2,4,6-トリオント等)、および有機スズ錯体触媒を含む。流れ120は、エタノール、カルバミン酸エチル、N-エチルカルバミン酸エチル、TG、および微量の触媒を含む。浄化反応器123からのオーバーヘッド流れ160は、アンモニア、CO2、ジエチルエーテル、エタノール、およびDECを含む。浄化反応器123からの塔底液流れ159は、カルバミン酸エチル、トリグライム、N-エチルカルバミン酸エチル、エタノール、複素環式化合物、および均一有機スズ触媒を含む。反応器123からの塔底液流れ159を、冷却/濾過器システム148において冷却して複素環式化合物を沈殿させる。沈殿した固体副生物を、システム148からライン124を介して除去する。システム148からの液体流れ125を2つの流れ126と127に分けて、主要反応器122と浄化反応器123に再循環させる。主要反応器122からのオーバーヘッド流れ107を浄化反応器123からのオーバーヘッド流れ160と合流させて、流れ109にする。主要反応器122からのオーバーヘッド蒸気流れ107は、アンモニア、CO2、ジエチルエーテル、エタノール、カルバミン酸エチル、N-エチルカルバミン酸エチル、DEC、TG、および微量の触媒を含む、流れ107を浄化反応器123からのオーバーヘッド流れ160と合流させて、流れ109にする。オーバーヘッド流れ160は、アンモニア、CO2、ジエチルエーテル、エタノール、およびDECを含む。合流流れ109を蒸留塔142に導入する。塔142からのオーバーヘッド流れ(アンモニア、CO2、ジエチルエーテル、およびエタノールを含む)を蒸留塔143に導入する。塔143からのオーバーヘッド流れ154を冷却して、CO2とアンモニアとの反応を起こさせて、カルバミン酸アンモニウムを生成させる。カルバミン酸アンモニウムを液体アンモニア中に沈殿させ、冷却/濾過器システム144からライン115を介して固体として除去する。冷却/濾過器システム144からの液体アンモニア流れ116をアンモニア貯蔵タンクに送る。塔142からの塔底液流れ150は、DEC、エタノール、カルバミン酸エチル、N-エチルカルバミン酸エチル、TG、および微量の触媒を含む。流れ150を蒸留塔146(第1のエタノール回収塔)に導入する。塔146からのオーバーヘッドエタノール流れ117を蒸留塔145(第2のエタノール回収塔)からのエタノール塔底液流れ129と合流させて、エタノール再循環流れ130にする。塔146からの塔底液流れ118を蒸留塔147(DEC回収塔)に導入する。オーバーヘッド流れ119は、生成物DECであり、これをDEC貯蔵タンクに送る。塔147からの塔底液流れ120を主要反応器122からの少量のスリップ流れ108と合流させ、合流流れ161を攪拌機付きタンク浄化反応器123に導入する。オーバーヘッド流れ160(アンモニア、CO2、ジエチルエーテル、エタノール、およびDECを含む)を、ライン109を介して塔142に送る。塔143からの塔底液流れ114を蒸留塔145に送って、流れ中のエタノールからジエチルエーテルを分離する。オーバーヘッドのエーテル副生物流れ128をエーテル貯蔵タンクに送る。塔145からの塔底液流れ129はエタノールであり、これを、ライン130を介して浄化反応器123と主要反応器122に再循環させる。
ウレア溶液を調製するための、ドラムへのメタノール供給物もしくはエタノール供給物の代わりに、メタノールとエタノールの適切な混合物を供給流れとして使用することによって、炭酸メチルエチル(MEC)等の混合炭酸ジアルキルが得られる。しかしながら、主要反応器と浄化反応器からのオーバーヘッド流れは、MECのほかに幾らかのDMCとDECを含有する。混合物からDECとDMCを分離し、分離反応器(図示せず)においてDECとDMCのMECへの交換反応を行う。この交換反応は、溶媒の存在下または非存在下にて、不均一系塩基触媒〔たとえば、アルカリ形のゼオライト(an alkaline form of zeolite)や塩基性タルサイト〕、均一系触媒〔たとえば、第IVB族元素の化合物(たとえば、チタンテトラエトキシドやチタンエトキシカーボネート)、ジアルキルスズ化合物(たとえば、アルコキシド、ジアルキルスズメトキシアルキルカーボネート、またはジアルキルスズカーボネート〕、または前述した有機スズ錯体触媒を使用することによって行う。約265°Fより高い沸点を有する溶媒が適切である。このような溶媒の例としては、デカリン、デカン、キシレン、ジグライム、トリグライム、またはこれらの混合物等がある。
図4は、塩基性の不均一系触媒を使用する反応/蒸留塔反応器を示している。DEC供給物を、触媒床の上方セクションの位置にて、ライン221を介して反応/蒸留塔反応器153に導入する。DMC供給物を、触媒床より下の位置にて、ライン222を介して塔153に導入する。オーバーヘッド流れ223は、ほとんどDMCとMRCで構成される。流れ223をMEC分離ユニットに送る。液体触媒反応ゾーンの温度を、約200°F〜約450°F(好ましくは235°F〜380°F)の範囲の温度に保持する。塔反応器153のリボイラー中に重質物質が堆積するのを防止するために、少量の塔底液をライン224から抜き取る。
図5は、蒸留塔162を取り付けた攪拌機付きのタンク触媒反応器158を示している。ジブチルスズジメトキシド等の均一系触媒が使用される。所定量の均一系触媒を、反応器158に装入してから反応を行う。DEC/DMC混合供給物を、ライン301を介して反応器158に導入する。塔162からのオーバーヘッド流れ303はほとんどDMCで構成され、少量のMECが反応器158に再循環される。蒸留塔162からのサイドドロー流れ(a side draw stream)302(MECを含んだ状態で濃縮されている)を蒸留塔163に送って、MECをDMCから分離する。塔163からのオーバーヘッド流れ304を反応器158に再循環させる。塔163からのMEC塔底液流れ305をMEC貯蔵タンクに送る。液体触媒反応ゾーンの温度を、約200°F〜約450°F(好ましくは235°F〜380°F)の範囲の温度に保持する。塔162のオーバーヘッド圧力の範囲は、約20psig〜約150psig(好ましくは約25psig〜約120psig)である。しかしながら塔162のオーバーヘッド圧力は、反応器158中の液体反応媒体の意図する温度、反応媒体の組成、および溶媒を使用するか否か、によって決まる。
(実施例1)
本実施例においては、水とウレアとの反応を行う。電磁攪拌機と水冷還流凝縮器を装備した500mlの三つ口フラスコ中に以下の物質を仕込む:229.67gのトリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、1.58gの水、2.06gのメタノール、および15.89gのウレア。フラスコ中の混合物の反応温度が約100℃に達したときに、さらに3.2gのメタノールを加える。水とウレアとの反応を、窒素雰囲気下において128℃〜140℃の温度で0.92時間行う。フラスコからサンプルを取り出し、GCとHPLCによって分析を行う。分析結果は、ウレアの転化率が22.4%であり、水の転化率が45.2%であることを示している。
(実施例2)
実験の一般的な説明
1リットルの攪拌機付きオートクレーブが、反応/蒸留塔反応器のための反応ゾーンおよびリボイラーとして作用し、この反応器が、直径1インチ×長さ3.5フィートの蒸留塔に連結されている。蒸留塔は3つのゾーンヒーター(zone heater)を有し、これらのヒーターは独立的に制御される。蒸留塔からのオーバーヘッド蒸気流れを窒素流れ(800cc/分)で希釈し、次いで凝縮器中にて温水で約200°Fにある程度冷却する。凝縮器からの蒸気流れを周囲温度に冷却して、低温スポットとオーバーヘッド背圧レギュレータの詰まりの問題を防ぐ。凝縮器からの液体流れが小さなオーバーヘッド液体還流ドラムに流れる。液体還流ドラムの温度を周囲温度に保持する。オーバーヘッド還流ドラムからの液体生成物の流れをLFM(液体流量計)でモニターする。オーバーヘッド還流ドラムからの液体流れと冷却した蒸気流れを、反応/蒸留反応器からの生成物流れとして合流させる。分析のためのサンプルを採取して、塔から出てくるオーバーヘッド蒸気流れの組成を調べる。さらに、リボイラーからときどきサンプルを採取して、液体反応媒体の組成をモニターする。リボイラーからサンプルを採取するときは必ず、トリグライムと触媒の損失を補償するために埋め合わせ溶液をポンプ送りする。反応器の運転中は、リボイラー内の液体レベルを一定のレベルに保持する。作動中のリボイラー内部の液体レベルを目視観察するために、リボイラーに垂直のぞき窓を取り付ける。さらに、夜や週末の無人運転時に反応器を自動制御するために、リボイラーに液体レベルデジタルモニターを取り付ける。
主要反応器の運転を行ってDMCを生成させるために、MC供給物溶液(カルバミン酸メチルのメタノール溶液)とメタノール供給物をポンプ送りし、合流させて単一の流れにする。合流させた供給流れを、300°Fおよび230psigにて予備反応器(垂直に取り付けられた管型反応器アップフロー)に通して供給流れ中の水を除去し、次いで主要反応器に導入する。蒸留塔のオーバーヘッド圧力、および蒸留塔のリボイラー中の高沸点溶媒の濃度を調整することによって、液体反応媒体の温度を制御する。生成物であるDMC、アンモニア、および他の軽質生成物(たとえば、ジメチルエーテルやCO2)を液体媒体から留去し、メタノール蒸気と共に運び去る。蒸留塔の運転は、蒸気の温度を制御することによって、オーバーヘッド還流ドラムからの液体還流なしに、リボイラー中の液体媒体から出てくる蒸気の部分縮合を果たすよう、従来と異なった仕方で行われる。蒸気温度の制御は、蒸気が蒸留塔を上がって来つつあるときに、3つの塔ゾーンヒーターで塔のゾーン温度を制御することによってなされる。この従来と異なった塔運転により、反応器中にトリグライム溶媒が保持され、副生物であるN-MMCがMCと共に液体反応媒体からオーバーヘッド流れの一部として除去され、これによって長時間にわたって反応器の運転が可能になる、ということが見いだされた。副生物であるN-MMCと複素環式化合物の生成を最小限に抑える上で、オーバーヘッド還流ドラムからの液体還流がないのが極めて好ましい、ということが見いだされている。リボイラーに対する高圧窒素弁が偶発的に開くまで、反応/蒸留塔反応器を、中断することなく1000時間以上運転できることができた。蒸留塔を従来の仕方で運転すると、反応副生物〔たとえば、N-MMC、シアヌル酸、およびTTT(1,3,5-トリメチルトリアジン-2,4,6-トリオン)等〕の堆積によるリボイラーのオーバーフローのために、運転停止やリボイラーからの物質の除去が起こる。
Figure 2007534674
容認できるDMC製造速度を保持しつつ副反応を最小限に抑えるための他の重要なファクターは、溶媒と触媒の濃度、液体媒体の温度、およびオーバーヘッドの塔圧力である。最適の運転を行うためのリボイラー温度とオーバーヘッドの塔圧力の範囲はそれぞれ、約330°F〜約355°および約80psig〜約110psigである。
実験の詳細な説明
蒸留塔のリボイラーに下記の物質を装入した:285gのトリグライム、100gのメタノール、および100gのジブチルスズジメトキシド。MCの13.3重量%メタノール溶液(約280ppmのH2O)を、3.01ml/分と約1.92ml/分のメタノール(約80ppmのH2O)という一定速度で、リボイラー中の液体反応媒体に対しては345°Fにて、蒸留塔の上方セクションの蒸気温度に対しては260°Fにて、そして塔のオーバーヘッド圧力に対しては90.8psigにてポンプ送りしつつ、反応/蒸留塔反応器の定常状態運転が得られた。液体反応媒体に対して345°Fの一定温度を保持されるよう、メタノールの流量を調整した。リボイラーの攪拌速度は300rpmであった。この運転条件下においては、オーバーヘッド生成物流れは、アンモニア、ジメチルエーテル、二酸化炭素、DMC、MC、N-MMC、水、未知物質、および微量(約1000ppb)の触媒を含んだ。流れ時間が926時間にて、オーバーヘッドサンプルと塔底液サンプルを採取した。これらのサンプルの分析結果を表1に示す。MC/CH3OHのモル比、および反応器の液体媒体中のMCとCH3OHとの合計重量を基準としたときのDMC重量%は、それぞれ1.01および4.49重量%であり、興味深いことに、これらの値は、米国特許第5,561,094号(1996、EXXON Chem)において特許請求されている2〜10および1〜3重量%に匹敵する。本実験の結果は、MCからDMCへの転化が95モル%以上であることに相当する。本実験データは、プロセス設計に関してコンピュータ・シミュレーションを行うのに使用される。
Figure 2007534674
(実施例3)
蒸留塔を装備した1リットルの攪拌機付き反応器(オートクレーブ)を使用して、ウレアの8.03重量%メタノール溶液中の不純物を除去し、ウレアをカルバミン酸メチルに転化させた。反応器には触媒を装入しなかった。2ml/分という一定の塔底液流量にて27時間にわたってウレア溶液を反応器中に4ml/分の割合でポンプ送りすることによって、そして1.5ml/分という一定の塔底液流量にて実験の最後まで(流れ時間に関して146時間)にわたってウレア溶液を反応器中に3ml/分の割合でポンプ送りすることによって、200psigにて315°Fと230psigにて328°Fで実験を行った。オーバーヘッドを還流させながら蒸留塔を運転した。運転中、オーバーヘッド流れを調整して、オートクレーブ中の液体レベルを一定(全体の50%)に保持した。オーバーヘッド還流ドラムからのオーバーヘッド還流物を使用して塔の運転を行った。オートクレーブからの塔底液流れ中のMC濃度は平均して約20%であり、この値は、ウレアからMCへの転化率約97%に相当する。ウレア供給物は約2000ppmの水を含有していた。塔底液生成物は、平均すると315°Fで375ppmの、そして328°Fで300ppmの水を含有していた。
(実施例4)
本実験の目的は、複数の反応器で構成される主要反応器システムを説明することにある。第2の主要反応器の働きを明らかにするために、実施例2の場合と同じ実験装備を使用した。本実験は、実施例2の場合と類似の仕方で行った。本実施例は、実施例2における単なるメタノールの代わりにDMCの8重量%メタノール溶液を使用し、蒸留塔におけるオーバーヘッド圧力が幾らか低い(88psig)、という点で実施例2とは異なる。
蒸留塔のリボイラーに下記の物質を装入した:285gのトリグライム、40gのメタノール、および100gのジブチルスズジメトキシド。MC溶液とDMC-メタノール溶液を反応器にポンプ送りしつつ、蒸留塔反応器の定常状態運転が果たされた。リボイラー中の液体反応媒体の温度が345°Fで、蒸留塔の温度が約278°Fで、そしてオーバーヘッドの塔圧力が88psigで、中断することなく1500時間以上にわたって反応器の運転を続けた。1428時間から1482時間までの54時間の操業時間(on-stream-time)中における、反応器からのオーバーヘッド生成物と塔底液生成物の平均組成を表2に示す。この時間中、22.5重量%MC溶液(約590ppmのH2O)のポンプ送り速度は345°Fにて1.97ml/分に固定し、8重量%DMC溶液(80ppmのH2O)のポンプ送り速度は345°Fにて3.2ml/分に固定した。MC/CH3OHのモル比、および反応器の液体媒体中のMCとCH3OHとの合計重量を基準としたときのDMC重量%は、それぞれ0.915および6.40重量%であった。本実験の結果は、MCからDMCへの転化が93モル%以上であることに相当する。
Figure 2007534674
(実施例5)
本実験の目的は、炭酸ジエチル(DEC)の製造を説明することにある。DECは、カルバミン酸エチル(EC)とエタノールとを反応させることによって製造した。本実験は、実施例2の場合と類似の仕方で行った。実施例2におけるMC溶液とメタノールの代わりに、それぞれカルバミン酸のエタノール溶液とエタノールを使用した。蒸留塔のリボイラーに下記の物質を装入した:180gのトリグライム、100gのエタノール、および100gのジブチルスズジメトキシド。カルバミン酸エチル(EC)溶液を一定の流量でポンプ送りしつつ、また液体反応媒体の温度を一定に保持するよう、エタノールのポンプ送り速度を調整しつつ、蒸留塔反応器の定常状態運転が果たされた。リボイラー中の液体反応媒体の温度が約345°Fで、蒸留塔の温度が約282°Fで、そして300ppmのオートクレーブ攪拌速度にて66psigの一定のオーバーヘッド圧力で、中断することなく340時間にわたって反応器の運転を続けた。15.35重量%EC溶液(約275ppmのH2O)のポンプ送り速度を2.69ml/分に固定し、エタノール(約106ppmのH2O)の平均ポンプ送り速度を2.36ml/分に固定した。塔の頂部にてオーバーヘッド蒸気流れと窒素希釈ガス(600cc/分)とを混合し、次いで水冷凝縮器において約200°Fに冷却した。実験全体に対するオーバーヘッド生成物と塔底液生成物の平均組成を表3に示す。実験の終了時に反応器から74.2gの固体物質を取り除いた。この物質は複素環式化合物の混合物であり、重量基準にて670ppmのSnを含有した。表3における塔底液生成物の分析結果から、EC/C2H5OHのモル比、および反応器における液体媒体中のECとエタノールの合計重量を基準としたDECの重量%は、それぞれ0.939および11.08重量%であることがわかる。実験全体に対するマスバランスとウレアのモルバランスは、それぞれ102%および101%であった。実験結果は、ECの転化率が57.5%であること、およびECからDECへの選択性が91モル%であることを示している。この実験結果は、言い換えれば、1.60ポンド/hr/ft3のDEC空間収率ということになる。
Figure 2007534674
本発明にしたがってDMCを製造するための1つの実施態様の簡略化した流れ図である。 DMC分離ユニットの簡略化した流れ図である。 本発明にしたがってDECを製造する1つの実施態様の概略図である。 本発明の製造法に対する、反応/蒸留塔反応器の実施態様の簡略化した流れ図である。 本発明の製造法に対する、蒸留塔を取り付けた攪拌機付き触媒タンク反応器の実施態様の簡略化した流れ図である。

Claims (20)

  1. (a) ウレア、アルコール、水、およびカルバミン酸アンモニウムを含む流れを第1の反応ゾーンに供給する工程;
    (b) 前記第1の反応ゾーンにおいて、
    (i) 水とウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させること;および
    (ii) カルバミン酸アンモニウムをアンモニアと二酸化炭素に分解すること;
    を同時的に果たす工程;
    (c) アンモニアと二酸化炭素とアルコールを前記第1の反応ゾーンから取り出す工程;
    (d) ウレアとアルコールを前記第1の反応ゾーンから取り出す工程;
    (e) 前記ウレアとアルコールを第2の反応ゾーンに供給する工程;
    (f) 高沸点溶媒中において、ジアルキルアルコキシドの有機スズ錯体化合物を含んだ均一系触媒の存在下にてアルコールとウレアとを反応させて、炭酸ジアルキルを生成させる工程;ならびに
    (g) 炭酸ジアルキルとアルコールを前記第2の反応ゾーンから取り出す工程;
    を含む炭酸ジアルキルの製造方法。
  2. 前記第1の反応ゾーンにおいてアルコールとウレアとが反応してカルバミン酸アルキルを生成する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記アルコールがC1-C3アルコールである、請求項1に記載の製造方法。
  4. (a) ウレアとメタノールと水とカルバミン酸アンモニウムを含有する前記流れを第1の反応ゾーンに供給する工程;
    (b) 前記第1の反応/蒸留ゾーンにおいて、
    (i) 水とウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させること;
    (ii) 供給物中のカルバミン酸アンモニウムと、水とウレアとの反応からのカルバミン酸アンモニウムを、アンモニアと二酸化炭素に分解すること;および
    (iii) アンモニアと一酸化炭素とメタノールを蒸留によってウレアから分離すること;
    を同時的に果たす工程;
    (c) アンモニアと二酸化炭素とメタノールを前記第1の反応/蒸留ゾーンから第1のオーバーヘッドとして取り出す工程;
    (d) ウレアとメタノールを前記第1の反応/蒸留ゾーンから第1の塔底液として取り出す工程;
    (e) 前記第1の塔底液とメタノールを第2の反応/蒸留ゾーンに供給する工程;
    (f) 前記第2の反応/蒸留ゾーンにおいて、
    (i) 高沸点溶媒中にて、ジアルキルメトキシドの有機スズ錯体化合物を含んだ均一系触媒の存在下でメタノールとウレアとを反応させて、炭酸ジメチルを生成させること;および
    (ii) 炭酸ジメチルとアンモニアを均一系触媒から蒸留によって分離すること;
    を同時的に果たす工程;
    (g) 炭酸ジメチルとメタノールを前記第2の反応/蒸留ゾーンから第2のオーバーヘッドとして取り出す工程;ならびに
    (h) 第2の塔底液を前記第2の蒸留塔反応器から取り出す工程;
    を含む、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記第2のオーバーヘッド中の炭酸ジメチルを抽出蒸留によってメタノールから分離する、請求項4に記載の製造方法。
  6. 不活性希釈剤を前記第1のオーバーヘッドに加える、請求項4に記載の製造方法。
  7. 前記第1のオーバーヘッド中のメタノールを凝縮させ、前記凝縮させたメタノールの一部を前記第1の蒸留塔反応器の頂部付近に還流物として戻し、前記凝縮させたメタノールの残部を前記第1の蒸留塔反応器の下方部位に戻す、請求項4に記載の製造方法。
  8. 前記第2の塔底液の第1の部分を前記第1の蒸留塔反応器に供給し、前記第2の塔底液の第2の部分を前記第2の蒸留塔反応器に再循環し、そして前記第2の塔底液の第3の部分を、触媒の再生と重質物質の浄化のために第3の蒸留塔反応器に供給する、請求項4に記載の製造方法。
  9. 前記第2のオーバーヘッドを凝縮させ、前記凝縮させた第2のオーバーヘッドの一部を前記第2の蒸留塔反応器に還流物として戻す、請求項4に記載の製造方法。
  10. (a) ウレア、メタノール、水、およびカルバミン酸アンモニウムを含有する流れを第1の蒸留塔反応器に供給する工程;
    (b) 前記第1の蒸留塔反応器において、
    (i) 前記ウレアの一部と前記メタノールの一部とを反応させてカルバミン酸メチルを生成させること;
    (ii) 水とウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させること;
    (iii) 供給物中のカルバミン酸アンモニウムと、水とウレアとの反応からのカルバミン酸アンモニウムを、アンモニアと二酸化炭素に分解すること;および
    (iv) アンモニアと一酸化炭素とメタノールを、蒸留によってウレアとカルバミン酸メチルから分離すること;
    を同時的に果たす工程;
    (c) アンモニアと二酸化炭素とメタノールを前記第1の蒸留塔反応器から第1のオーバーヘッドとして取り出す工程;
    (d) ウレアとカルバミン酸メチルを、前記蒸留塔反応器から第1の塔底液として取り出す工程;
    (e) 前記第1の塔底液とメタノールを第2の蒸留塔反応器に供給する工程;
    (f) 前記第2の蒸留塔反応器において、
    (i) 高沸点溶媒中にて、ジアルキルメトキシドの有機スズ錯体化合物を含んだ均一系触媒の存在下でメタノールとウレアとを反応させて、炭酸ジメチルを生成させること;および
    (ii) 炭酸ジメチルとアンモニアを均一系触媒から蒸留によって分離すること;
    を同時的に果たす工程;
    (g) 炭酸ジメチルとメタノールを前記第2の蒸留塔反応器から第2のオーバーヘッドとして取り出す工程;
    (h) 均一系触媒を前記第2の蒸留塔反応器から第2の塔底液として取り出す工程;
    (i) 前記第2のオーバーヘッドにおいて、炭酸ジメチルを抽出蒸留によってメタノールから分離する工程;
    (j) 前記第2の塔底液の第1の部分を前記第1の蒸留塔反応器に供給する工程;
    (k) 前記第2の塔底液の第2の部分を第3の蒸留塔反応器に供給する工程、このとき触媒が再生され、重質物質が浄化される;ならびに
    (l) 前記第2の塔底液の第3の部分を前記第2の蒸留塔反応器に再循環する工程;
    を含む炭酸ジメチルの製造方法。
  11. ウレアとアルコールを含んでいて、水とカルバミン酸アンモニウムを不純物として含有する反応物の反応による炭酸ジアルキルの製造方法であって、
    (a) ウレアとアルコールを含んだ反応物を主要反応ゾーンに供給する工程;
    (b) 電子供与性原子を含有する高沸点溶媒と有機スズ化合物を前記主要反応ゾーンに供給する工程;ならびに
    (c) 前記主要反応ゾーンにおいて、
    (i) 電子供与性原子を含有する前記高沸点溶媒と前記有機スズ化合物の存在下にて、アルコールとウレアとを反応させて炭酸ジアルキルを生成させること;および
    (ii) 炭酸ジアルキルとアンモニアを前記主要反応ゾーンから蒸気として取り出すこと;
    を同時的に果たす工程;
    を含み、このとき改良点が、前記水とウレアとを反応させてカルバミン酸アンモニウムを生成させ、そしてカルバミン酸アンモニウムをアンモニアと二酸化炭素に分解するような条件下にて反応物を先ず予備反応ゾーンに供給することによって、そして工程(a)において反応物を供給する前に、前記反応物からアンモニアと二酸化炭素を除去することによって、前記反応物から水とカルバミン酸アンモニウムを除去するために、主要反応ゾーンの前に予備反応ゾーンを使用することにある、前記製造方法。
  12. 予備反応ゾーンの温度が、液相において200〜380°Fの範囲の温度である、請求項11に記載の製造方法。
  13. 予備反応ゾーンの温度が250〜350°Fの範囲である、請求項12に記載の製造方法。
  14. 予備反応ゾーンにおいて、メタノール供給物の一部とウレア供給物の一部とが反応してカルバミン酸メチルを生成する、請求項11に記載の製造方法。
  15. 予備反応ゾーンと主要反応ゾーンが蒸留条件下で操作される、請求項11に記載の製造方法。
  16. 水とウレアとを反応させて、アンモニアと二酸化炭素とに分解するカルバミン酸アンモニウムを生成させることによって、供給物から水を除去する、請求項11に記載の製造方法。
  17. 予備反応ゾーンの温度が、液相において200〜380°Fの範囲の温度である、請求項16に記載の製造方法。
  18. カルバミン酸アンモニウムをアンモニアと二酸化炭素とに分解することによって、供給物からカルバミン酸アンモニウムを除去する、請求項11に記載の製造方法。
  19. 予備反応ゾーンの温度が、液相において200〜380°Fの範囲の温度である、請求項18に記載の製造方法。
  20. 電子供与性原子を含有する前記高沸点化合物がトリエチレングリコールジメチルエーテルを含む、請求項11に記載の製造方法。
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